2014年度前期・幾何学3・幾何学概論3
理学部数理学科4年・大学院多元数理科学研究科
内藤久資
【講義の内容】
この講義のテーマは「変分問題とリーマン幾何」であり, その中でも,リーマン幾何学における 変分問題の典型的な例である「測地線」および「ラプラシアンの固有値」を中心に講義を行う.
【講義の目的と予定している内容】
変分問題とは, 「よい解析的な対象は,汎関数の極小点として特徴付けられる」という考え方で あり,数学のみならず,物理・材料科学など幅広い分野での基本的な考え方の一つとなっている. こ の講義では, 変分問題の考え方を理解するとともに,リーマン幾何学における変分問題の典型的な 例である「測地線」などを通じて,リーマン幾何学の初歩的な考え方を理解することが目的である.
現時点では以下の内容を講義する予定である.
1. 変分問題の例
2. リーマン多様体の基本事項 3. リーマン多様体上の測地線
4. リーマン多様体上のラプラシアンとその固有値
なお,必要に応じて曲面論の復習を行なう場合もある. 時間に余裕があれば,極小曲面・調和写像な どの話題にも言及したい.
【必要な予備知識】
基礎的な微積分および線形代数の知識は必須である.3年前期「幾何学要論1」および「解析学 要論1」の内容を理解していることが望ましい. さらに,3年後期「幾何学要論2」および「解析 学要論3」の内容を理解しているとより望ましい.
【履修の際のアドバイス】
変分問題やリーマン幾何学の初歩は,自ら手を動かして計算することで理解できる部分が多いと 考えます. そのため,講義で示した計算なども,自分で再度計算してみるなどの努力が必要です. た だし, 単に計算をするだけではなく, その計算が意味している内容や, 幾何学的なイメージを持っ て計算を行なうことが必要です. この講義の講義名は「幾何学」となっていますが,実際の内容は
「リーマン多様体上の解析学」であり, 「幾何解析」の初歩を学ぶという意識を持って下さい. ま た,同時期に開講されている「幾何学続論」(大学院は「幾何学概論1」)も併せて受講することを 強く推奨します.
2 2014年度前期・幾何学3・幾何学概論3
【評価の方法】
この授業の評価は,学期末のレポートのみで評価を行なう.
★ 注意:いかなる場合でも, レポートは自力で作成すること. 他人のレポートまたは, 教科書・
参考書等を写した(コピーして単純に書き直したものを含む)と考えられるものがあった場合には
「不可」とする. (当然,元のレポートを作成した学生の成績も「不可」とする.)
★ 「不可」と「欠席」の区別について:学部学生の場合には「不可」と「欠席」の区別について は,以下の通りとする. 学期末レポートを出さない場合には,成績は「欠席」とする. 学期末レポー トを出して,合格基準に達しない場合には,成績は「不可」とする. なお,この扱いは学部学生のみ が対象である.
【講義予定】
講義予定日は以下の13回の予定.
04/15, 04/22, 05/06, 05/13, 05/20 05/27, 06/03, 06/10, 06/17, 06/24, 07/01, 07/08, 07/15 なお, 6/28 (Sat)の講義予備日に講義を行なうか否かは,授業進度を考えて6月始め頃に判断する.
【参考文献】
1 浦川 肇,変分法と調和写像,裳華房 2 加須榮 篤,リーマン幾何学,培風館 3 小磯 憲史,変分問題,共立出版
4 中内 伸光,じっくり学ぶ曲線と曲面,共立出版 5 小林 昭七,曲線と曲面の微分幾何,裳華房
6 J.Jost, Riemannian Geometry and Geometric Analysis, 2nd eds., Springer
7 J.Jost,ポストモダン解析学,シュプリンガー
8 増田久弥,非線形数学,朝倉書店
9 高桑昇一郎,微分方程式と変分法,共立出版
【その他】
電子メールアドレス [email protected]
講義の WEB ページ http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~naito/lecture/2014_SS/
(以上)
Apr. 15, 2014, Version: 1.0 [email protected]