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大学における教員養成 : その理念の変質と今後の 課題

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大学における教員養成 : その理念の変質と今後の 課題

著者 森山 茂樹

雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

巻 47

ページ 45‑54

発行年 2007

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009216/

(2)

〔東京家政大学研究紀要 第47集(1),2007,pp.45〜54〕

大学における教員養成 一その理念の変質と今後の課題一

   森山茂樹

(平成18年10月5日受理)

        Teacher Education in Universities

−Changes in Educational Philosophy and Future Problems一

 MoRIYAMA, Shigeki

(Received on October 5,2006)

キーワード:教員養成大学教育,養成塾

Key words:teacher−training, university education, yousei−juku

1はじめに

 戦後の新しい理念に基づく教員養成が始まって既に半 世紀が過ぎた.師範学校での養成にほぼ一元化されてい た,いわゆる閉鎖制の養成から戦後の開放制への移行は,

教員養成の国家独占から,自由で民主的な養成制度への

大きな転換であった.

 戦前の教員は,一言でいえば,国家の意思を忠実に子 どもたちに注入することが,その任務の最大且っ最重要 事項であり,そのため教員養成の事業は,国家が独占し ていた.そのことは師範学校というただ一種類の学校だ

けが,教員養成を許可されるという形に現れている.

 戦後は国家独占の養成形態に対する反省から,一般の 大学での養成が認められ,教育の世界に幅広い人材の供

給が可能になった。

 しかし,およそ半世紀という時間の推移と社会状況の 急激な変化は,教員養成に大きな変化をもたらした.そ れは大学以外の場所で「実質的な教員養成」が始まった,

ということである.

 このことは戦後の教員養成制度にさまざまな問題を提 起している.以下にふれるように,公的機関による「養 成塾」の発足は,その形態はまだ小規模であり,かっ地 域限定的であるとはいえ,今後かなりの拡大が予想され る.現在はまだ大学での養成を補完するという意味合い

が強いと思われるが,今後の動向には注目しなければな

らない.

 この小論では,これら最近の教員養成をあぐる変化の 動きを概観すると同時に,そこでの問題点や本来の養成 機関である大学に突きっけられている諸問題にっいて考 えてみたい.

2戦後教員養成の理念

教職教養科 教育概論研究室

 戦後の新しい教員養成制度は,もちろん他の諸改革か ら独立して定められたものではない.新しい憲法と教育 基本法の精神を受けてそれらとの緊密な関連の中できめ

られたものであった.

 周知のように,戦後の教育改革は,アメリカ教育使節 団の来日とその調査,勧告によって骨格がきまり,それ を受けて日本側の教育刷新委員会が具体化していったも のである.

 アメリカ教育使節団はイリノイ大学名誉総長ジョージ

・D・ストッダートを団長とする,27名からなる使節 団で,1946(昭和21)年3月来日し,およそ1ヶ月間に わたる調査・研究のもとに,日本の教育再建とその諸方

策を勧告した.

 その内容は6分野にわたるが,第4番目が「授業及び 教師養成教育」で,およそ以下のように要約することが

できる1).

(1)教師その他の学校職員に現職教育を行うこと.

(2)師範学校の仕事を,民主主義教育の発展のための

(3)

  機関となる方向に転向し,再編成すること.

(3)教師の資格は,系統的な準備教育を受けた者だけ   に授与されるべきこと.

(4)教師の養成教育は3重の構造を持つように配慮さ   れるべきこと.すなわち,第1に一般教育ないし自   由教育を基礎に置き,その上に第2に教えることが   らにっいての特別な知識を習得し,第3に教師の仕   事の専門的側面にっいての特別の知識を持っこと.

(5)教師の養成教育は,教師だけでなく学校長や政府   官吏も受けるべきであり,それは大学において実施   されるべきであること.

(6)師範学校は,専門職的養成教育と自由教育を提供   するため,より高度に再編成し,単科大学において   行うべきであること.

(7)師範学校は,カリキュラムを,最低基準の範囲内   で自由に決定し,必要に応じて随時変更することが   出来なければならないこと.

(8)師範学校は,政府官吏からいちいち指示を受ける   ことなく,教育の理論及び実践を自由に展開すべき

  であること.

(9)師範学校のカリキュラムは,未来の教師を,個人   として,また市民として教育するように作成するべ   きであるから,自然科学,社会科学,人文科学,美   術といった自由学科的な側面が必要であること.

 以上のような勧告を受けて,これを具体化したのが教 育刷新委員会である.教育刷新委員会は1946(昭和21)

年8月に,戦後の教育改革にっいて調査・審議すること を目的として内閣に設置された.3年後の1949(昭和 24)年には教育刷新審議会と名称が変わり,やがて1952

(昭和27)年に中央教育審議会の発足とともに廃止され るが,戦後の教育改革に大きな役割を果たした.

 この教育刷新委員会は,1946(昭和21)年12月の総会 において「教員の養成は,総合大学及び単科大学におい て,教育学科をおいてこれを行う」という決議を採択し,

今後の教員養成は,戦前の師範学校のような特定の学校 ではなく,4年制大学で行うことで合意した.ここにお いて,必要な単位さえ取得すれば,大学や学部にかかわ りなく教員免許状が取得出来るという,いわゆる「開放 制」の教員養成方式が決定された.

 さらに1947(昭和22)年3月教育刷新委員会は,「開 放制」の原則のもとに,次のようないくっかの具体案を 決議した.

(1)

(2)

(3)

(4)

必要な課程を履修した者は,一般大学の卒業生で あっても教員として採用する.

師範学校にあった学費支給制と教職への就職義務

制の廃止.

国公立,私立の別なく,教員養成はいずれの大学

でも可能とする.

学芸大学の設置と,旧制師範学校等の学芸大学へ の昇格

 などである.

 以上のような基本方針の下で,戦後の教員養成は新し い出発をすることになり,このあと必要な法律の整備を 経て,学芸大学の誕生や,一般大学における教職課程の 新設などの諸改革が始まった.

 以上が戦後の教員養成が出発するときの経過であるが,

ここで大事なことをあらためて確認しておきたい.

 それは「開放制」と「大学での教員養成」という2大 原則である。「開放制」はいうまでもなく戦前の師範教 育への反省である.もちろん師範学校による教員養成の すべてが否定されるべきものではない.たとえば「戦前 の師範学校が「師表』とするに足る教育者を多数生み出 したことも事実であり,戦後の開放制が多数の『デモシ カ教師』を生み出したことも事実2)」であろうし,また

「師範出の教師のなかにも子どもたちへの愛情にひかれ て自分の立身出世欲を押し殺し,人間的な教育に生きた 人も数多くあったし,さらにみずから国家主義的,天皇

中心的教育の矛盾にめざめて,ひどい弾圧のもとにもヒュー

マニスティックな教育を創造しようと努めた人たちもい た3)」からである.

 しかし,独特のいわゆる「師範タイプ」とよばれる教 員と,その果たした役割への反省から,教員免許状の取 得を一般大学で教職課程を履修することによって認める

という「開放制」に踏み切ったものである.

 もう1っの「大学での教員養成」という原則にっいて もその意味を確認しておかなければならない.

 それは何よりも「教員養成が単に教職課程等によって

行われるのではなく,大学等における在学年限を含む大

学教育全体としての人間形成を通して行われることを意

味しており,……ただ単に免許法に定める修得単位数の

取得の結果としてでなく,大学教育を受けることを基礎

的な要件として,一般教養,教科専門の学力,教職的教

養の総体として行われている」のであり「大学における

学問の自由と自治的精神,真理探究の事業と科学的精神

(4)

大学における教員養成

にうらうちされた全体としての大学教育を通じて教員養 成が行われるの意である4)」ということの重要性である.

 この2大原則が,戦後教員養成の理念である.ところ が,この原則を突き崩す動きが現在始まっている.まず その実態を以下にみておきたい.

3理念変質の現状

 3−1東京教師養成塾

 東京教師養成塾は2004(平成16)年4月に発足した.

その背景は2003年6月の第2回定例都議会で,石原慎 太郎都知事が所信表明のなかで「教育改革を進めていく うえで教員養成もきわあて重要であり,大学と連携しな がら東京都独自のシステムをっくっていきたい」と表明

したことにある.それを具体化したのが東京教師養成塾 である.

 石原知事は,教育に関してはさまざまなメディアで発 言しているが,2005(平成17)年3月の,都議会予算特 別委員会での総括質問で,議員の質問に対して次のよう

に答えている.

 「戦後教育の弊害や社会の変化などから,教育現場に はさまざまな課題が山積しておりまして,今こそ本質的 な立て直しが求あられていると思います.ともかく,戦 後のゆがんだ教育で育ってきた人たちが先生となり,親 となって,さらに子弟に教育なりしっけをしているわけ でありますけれども,いずれにしろ,現況を眺めますと,

教育改革こそスピードが重要であり,今後とも,教育委 員会には積極的に取り組んでもらいたいと思っておりま

す」

 石原都知事の認識は,①戦後の教育には弊害があった こと,②そのゆがんだ教育で育った人たちが先生や親に なって子どもの教育やしっけをしていること,③そのた め教育改革にスピーディに取り組む必要がある,という

ものである.

 こうして東京都教育委員会は「高い志をもった教員を 学生の段階から養成するたあ,教員を養成している大学

と連携し5)」て教員養成に乗り出すこととなった.

 東京都が求める教員は「教育に対する熱意と使命感,

豊かな人間性と組織人としての協調性,そして実践的指 導力や社会性のある教員」と定義されている.

 さらに目指す具体的な教師像は次の3点である.

(1)社会の変化や子ども・保護者の願いを的確にとら   え,実践的指導力や企画力を高める教師.

(2)幅広い教養を身にっけ,総合的な見地から課題解   決にあたり,学校教育を創造する教師.

(3)地域や社会貢献の活動に取り組み,自らの視野を   広げ,子どもに夢や感動を与え将来への展望を切り

  開く教師.

 そして1年間の養成講座を通して,次のような資質や 能力を育成するとしている.

(1)実践的指導力と柔軟な対応力を養い,組織の一員   としての自覚や企画力を養成する.

(2)社会の課題を的確にとらえ,様々な知識を融合し   て実践的に課題解決する力を養成する.

(3)教師としての使命感や社会に貢献する志をもち,

  社会人としての責任ある態度を養成する.

 次に1年間の養成カリキュラムをみておこう.内容は 4っの分野から構成されている.

(1)特別教育実習

  公立小学校で,年間を通した教育実習や異校種の授   業観察等を通じて,実践的指導力や柔軟な対応力を   養う,週1回又は月4〜5回ていどの実施で,小学   校での実習40日以上.研究授業と研究協議3回.

(2) ゼミナール

  学習指導計画の作成や教材研究等を行い,教科の専   門性や指導技術の向上を図る.全部で14回(月   1回,土曜日の午後).1泊2日の合宿ユ回.

(3)講義

  学校教育をめぐるさまざまな課題を題材にした講義   や,広く教養を高めるための講義を行い,幅広い視   野と社会性を養う.10回(月1回,土曜日午前)

(4)体験活動

  奉仕活動体験,就業体験等を行い,教師としての使   命感や志を育て,社会人としての責任ある態度を養   う.夏休み等を利用して,奉仕活動及び就業体験を   それぞれ5日以上実施

 こうして4月から翌年2月までおよそ1年間,塾生は かなりハードなスケジュールをこなしていく.

 2005(平成17)年度の場合,入塾者は90名,退塾した ものが8名で82名が修了している.(平成16年度第

1期修了者は93名).平均実習実施日数は50日間,平

均授業実施時数は50時間.実習受け入れ校は,都下56

小学校.異校種の授業観察は保育所,幼稚園,中学校,

(5)

養護学校,心身障害学級など.

 塾生の在学大学は,東京学芸大学,青山学院大学,大 妻女子大学,国士舘大学,創価大学,玉川大学,帝京大 学,東京家政大学,日本女子大学,明星大学,昭和女子 大学短期大学部専攻科,など11大学である6).

 小学校での実習は上にみたように年間を通して行われ,

50日間にも及ぶので,塾生の在学大学は,大学での教 育実習を免除している.家政大の場合も3期生から免除  また,養成塾修了者は,東京都の教員採用試験では,

一般受験者とは別の特別選考が行われ,学科試験は免除,

面接試験のみで合否をきめるという,一種の特典が保障 されている.

 受講料は平成16年度は年額187,000円であるが,東 京都公立学校教員採用特別選考を経て,東京都の公立学 校教員に採用されれば,受講料は免除されることになっ

ている7).

 2006(平成18)年度の東京都教員採用試験小学校教員 の場合は,採用見込み数は860名で,養成塾修了者は 88名が受験し,全員合格している.採用見込み数の約

1割を養成塾修了者が占めていることになろうか.

 以上が東京教師養成塾の概要である.

 3・2杉並師範館

 杉並師範館は,東京都杉並区が独自に教員養成を目指 して設置した教員養成塾である.その意図は次の3点に 集約されている8).

(1)地域が責任をもって教師を養成・採用することで,

  より質の高い教育の提供が可能になるというモデル   を杉並から示し,全国に一石を投じていく.

(2)そのたあ,教師養成塾「杉並師範館」を設立し,

  人を教える人間力とともに,実践的指導力に重点を   おいた杉並独自のカリキュラムにより,気高い精神   と卓越した指導力をもった教師を養成していく.

(3)平成19年度には,杉並区教育委員会が杉並師範館   の塾生を対象に採用選考を実施し,区立小学校の教   員として採用する予定.

 っまり,杉並区が区独自に養成した教員を区内の小学 校教員として採用するという,養成と採用の一貫システ

ムである.

 現行の教員採用制度では,東京都が採用し配属をきめ,

転勤をきめるのも都教委である.この制度では杉並区が 区内の子どもたちのために,研修によってすぐれた教員

を育成しても,転勤によって他区に転出してしまう.こ

れを防ぐねらいもある.

 2005(平成17)年11月の入塾試験には199(男97,女 118)名の受験者があり,入塾をきめたものが25名,倍 率は12.6倍とかなりの高倍率であった.東京教教師養 成塾が,都内の大学から入塾者の推薦を受けて決定して いるのに対し,杉並師範館は全国から応募者を募ってい

る.

 さて,杉並区という1地方公共団体が,教員養成に乗 り出したその意図を,もう少し詳しくみておきたい.そ れは,設立趣意書に次のように述べられている.

 日本は今,新たな国家存亡の危機に直面しているといっ ても過言ではありません.政治・経済・社会のあらゆる 分野における行き詰まり感,人々の自信喪失,規範意識 や公徳心の希薄化,犯罪の増加・低年齢化.我々は,過 去において経験したことのない,未来への夢を描けない 時代のただなかにあるのではないでしょうか.

 わが国は長い歴史を有し,この間,連綿と独自の光輝 ある伝統精神文化を保有して,発展的な歩みを続けて来 ました.しかし,今日のわが国は,世界有数の経済大国 と称されながら,国力は全般的に衰微し,人心の荒廃は 著しいものがあります.戦後の急速な経済復興で,我々 は経済的豊かさを手にした反面,かっては貧しさの中に も備えていた精神的豊かさを失ってしまいました.

 教育においても事態は同様であり,知識技法偏重に過 ぎて,精神的基盤や自ら考える力の充実を図る教育は著 しく欠如しているといわざるをえません.教育とは固有 の伝統性に基づき,終始一貫不変の原理原則を貫き実施 されるべきものです.ところが現行の教育はその方針が 時の政策により試行錯誤を繰り返して変更され,その度 に子どもが翻弄されるという深刻な事態に陥っています.

 古来,資源に乏しいわが国は,人によって国を成り立 たしめることを命題とし,何よりも人聞を大切にする気 風と,社会に有為な人材を育成することを重視する伝統 とを育んで来ました.今,教育体制の中にこの気風と伝 統を取り戻すことこそが何よりも優先するべき責務と思 います.それにはまず,その存在自体がより良い感化を 生じる『気高い精神と卓越した指導力をもった教師の育 成」こそが重要と考えます.

 我々は「教育は人なり」を信条とし,真に教職を志す

人を求め,ここに杉並師範館を設立します.ここでは,

(6)

大学における教員養成

人が人を育てるという最も崇高な仕事に強い使命感を持 ち,知識を教えるにとどまらず子どもの可能性を引き出

し,人間性を育んでゆける人間力豊かな教師の育成に心

血を注ぎます.

 後の歴史において,重要な転換点として刻まれるであ ろうこの時代に,我々は,日本が衰退ではなく発展の方 向へ歩み始める第一歩を,ここ杉並から踏み出すことを 決意します.我々が志すこの杉並師範館が,必ずや杉並 区の新しい学校づくりに寄与し,わが国の教育のあり方 を変え,人づくりの礎となり,日本の未来を切り拓く重 要な一歩になると信ずるものであります.

 この我々の熱き想いに賛同する同志が,一人でも多く 集い,未来を拓く人づくりに全身全霊を注いでほしいと

心から願っております.

      平成17年5月23日

 この趣旨に基づいて,師範館の理念,塾是,運営方針 が次のように述べられている.

 理念「子どもの可能性を未来(あす)に拓(ひら)

く」

 (塾の目的は,熱意ある教師の養成ですが,その先に ある目標は,子どもたち一人一人の可能性を見いだし,

引き出し,明るい未来に向かってその可能性を大きく拓 いていくということです.その目標を常に心に刻んで塾 で学んでほしいという趣旨でできた杉並師範館の理念で

す)

 塾是「キミもがんばれ一僕もがんばるから一」

 (子どもの心に,汗水垂らしてがんばる師の姿が映れ ば,自ずと子どもは感化され,自らも頑張るものであり ます.私もがんばるから君もがんばれ,師弟の間にそう した人間としての共通項があってこそ,真の人間教育が なされるものでありましょう.「キミ」は塾生で「僕」

が塾の教授陣,「キミ」は子どもで「僕」は教師となっ た塾生,また塾生同士の切磋琢磨という複数の意味を含

んだ塾是です)

 運営方針 「自由闊達・理想の追求」

 (塾生も教授陣も自由闊達に論議し学びあい,真の教 育の創造を真摯に志す若者の熱意を最大限に発揮させ,

常に理想を追い求あていこうという,杉並師範館の運営

方針です)

 そして教師の心得として,次の5つをあげている.

 教師心得(教師五則)

1

2

3

4

5

 この心得のもとに,

ている.

(1)子どもの夢や願いを我がことのように受け止め,

  保護者とともに子どもたちの明日を語れる教師.

(2)子どもたちを敬愛し,教えることに長け,心のよ   りどころとなり,導くことができる人間味あふれる   教師.

(3)杉並を愛し,ふるさと杉並に育ったことを誇りに   する子どもを育てることを喜びとする教師.

(4)日本人が本来もっている資質や能力を活かすとと   もに,わが国の歴史や伝統を尊重し,ふるさと杉並   や日本を大切にする教師.

教師は,子どもの「学ぶ意欲」を引き出す.学ぶ意 欲とは生きる意欲である.

教師は,子どもの「人間性」をはぐくむ.人間性と は人間ならではの真心である.

教師は,子どもの「社会性」を養う.社会性とは他

者に対する配慮である.

教師は,子どもの「規範」を確立する.規範とは決

断し断行する基(もとい)である.

教師は,子どもの「資質の芽」を見っけ,認め,伸 ばす.資質とは全人格的人間力である.

        具体的な目指す教師像が掲げられ

 次に具体的なカリキュラムをみておこう.カリキュラ ム編成の基本方針として5項目を挙げている,

−⊥2

3

4

5

教師五則を根幹に据えて、カリキュラムを構成する。

教育の専門職としての魅力的な授業づくりや子ども 理解の基礎的,基本的な技法等を習得する。

杉並区独自の風土や歴史等に塾生自らふれ,子ども

たちの故郷を知る.

わが国の歴史、伝統,文化等を重視するとともに,

次代を担うよき地球市民としての日本人をはぐくむ。

塾生自らカリキュラムの作成にかかわり,未来を拓 く教師の在り方を世に問うていく。

 上の方針に基づいてカリキュラムは4っの分野から構

成されている.

(1)演習(ゼミナール)一指導力,授業力を磨く一

〇現場経験豊富な教官によるきあ細かな指導

 担当教官のもと,演習形式で年間を通じた実践指導を 行う.また,課題に応じ,現場の教諭等「指導のプロ」

を講師に招くとともに,地域に学び地域とともに歩む教

師を育成していく.

(7)

(2)講義一人間力を磨く一

〇多彩な教授陣による充実した講義

 教育界だけでなく,企業の第一線で活躍し,日本経済 を牽引してきた人など,経済界はじめ多方面から講師を 招聰し,広い視野と豊かな社会性を養う.

(3)特別教育実習一現場で学ぶ,子どもと学ぶ一

〇実際に教壇に立ち,子どもと触れ合う

 杉並区の小学校で実際に授業を行い,実践的指導力と 柔軟な対応力を養う.また,区内教師のモデルとなる授 業を観察・分析し,授業力の向上を図る.

(4)合宿・体験一学び合い,高めあい,育ちあう一

〇絆を深め,社会性を養う

 合宿では,教官や卒塾後も共に歩んでいく塾生同士の 絆を深める.体験では,企業の就業体験等を通じ,社会 人としての責任ある態度を身に付ける.

 このようなカリキュラムで,約1年間のコースを修了 すると杉並区の採用試験を経て,区内小学校の教員とし て採用される.採用後も卒塾生に対しては次のようなフォ

ローアップが計画されている.

(1)学校訪問(1学期)

 着任後,授業参観等を通じて卒塾生をサポートする.

(2)個別相談(夏期休業期間)

 卒塾生一人一人と面接し,課題や悩み等に対応する.

(3)学校訪問(2学期)

 卒塾生の授業を参観し,授業力の向上を図るため適切

なアドバイスをする.

 卒業後も杉並師範館卒塾生として,温かくサポートを 続ける,ということである.就職後の支援まで視野に入 れた,まさに至れり尽くせりのサポート体制を組んでい

る.

 なお受講料は年間96,000円で,杉並区の教員として 採用された場合は,同額を返還するとなっている.

 最後に師範館の運営組織にっいてみておきたい.理事 会のもとに教部組織といわれるものが置かれ,その中に 事務局が含まれている.事務局の中は,管理課と教務課 に分かれていて,指導教官は教務課に所属している.

 理事会は次のメンバーによって構成されている.

理事長 山田 宏(杉並区長)

副理事長/塾長 田宮 謙次(ソニー(株)顧問,ソニー・

 ユニバーシティ前学長)

副理事長/塾長補佐 田口 佳史((株)イメージプラン

 代表取締役社長)

理事

遠藤 勝裕(日本証券代行(株)取締役社長)

尾原 蓉子((財)ファッション産業人材育成機構IFI  ビジネス・スクール学長)

小林 陽太郎(富士ゼロックス(株)取締役会長)

小松 郁夫(国立教育政策研究所教育政策・評価研究  部長(初等中等教育研究部長併任),兵庫教育大学客  員教授)

白滝 一紀(国立大学法人秋田大学理事,(株)教育新  聞社代表取締役社長)

瀬口 清之(日本銀行北京事務所長)

野原 明(文化女子大学教授,文化女子大学附属杉並中  学校・高等学校長,元NHK解説委員)

橋本 堅太郎(彫刻家,日本芸術院会員,(社)日展理事  長)

三重野 康(元日本銀行総裁,日銀旧友会会長,漢字文

 化振興会会長)

佐藤 博継(杉並区教育委員会事務局次長)

監事

茂木 信(公認会計士,前杉並区監査委員)

滝田 政之(杉並区収入役)

 この顔ぶれを見ると,経済界からの登用が多いことが わかる.この点でも大学の教職課程とはかなり異質であ

る.

 3−3京都教師塾

 京都教師塾は,京都市教育委員会が企画した教師養成 塾である.発足は2006(平成18)年9月,募集定員300 名という大規模なものであり,市教委の中に教員養成支 援室を立ち上げ,本格的に教員養成に乗り出した,

 その意図は,「『教師になろう』という高い志と情熱・

行動力に溢れる学生・社会人に対して大学で身に付けた 専門知識を基盤として,京都市の教員の熱意溢れる取組 や理念,市民ぐるみの教育実践に直接ふれ,教師として 求められる資質や実践的指導力を養成」するというもの

である9).

 塾長は小寺正一(元京都教育大学副学長),顧問に西 島安則(元京都大学総長・元京都市立芸術大学長)を据 え,講座の講師には京都市小学校校長会会長や,中学校 校長会会長など現場の管理職教師をあてている.

 塾の目指すものは「教師として求められる資質や実践

(8)

大学における教員養成

的指導力の育成」とし,そのために次の5っを重点項目

として設定している.

(1)教育に対する「厳しさ」と共に「喜び」を体感す

  る.

(2)教育の果たすべき社会的責務を自覚する.

(3)京都市教育の伝統を踏まえ,市民ぐるみで進める   教育改革の理解を深める.

(4)子ども一人一人を徹底的に大切にした授業の在り

  方を探求する.

(5)実践に裏づけされた教育に対する深い哲学を持っ.

 カリキュラムは大きく次の4っの分野からなっている.

(1)京都市教育学講座(必修10回)

 ①校長,中堅,若手教員,保護者,教育委員会職員    が講師として登場.

 ②実践報告やパネルディスカッション,グループ討

   議を行う.

 ③学校現場の中核教員が各グループごとに講座を進    行,教育に対する理念を深める.

(2)京都市立学校実地研修(必修10日間)

 ①期間中10日間,京都市立学校で,学校現場の教    育実践を直接体験する.

(3)授業実践講座(必修2回)

 ①授業力向上に向け,学習指導案の作成や模擬授業

   を行う。

 ②総合教育センターの指導主事が担当する.

(4)教育実践講座(5講座選択)

 ①総合教育センターの講座や特色ある学校の研究発    表など本市取組を5講座以上選択し,教育に関す    る見識を広め,深める.

 なお受講料は年間10,000円,通塾期間は9月から翌 年7月までで,他の養成塾とは違っている.

 また,教員採用試験との関連にっいては「入塾者及び 卒塾者であることをもって,京都市立学校教員採用選考 試験の全部または一部を免除することはないが,本市の 教員採用試験については,一次試験からの全員面接やボ ランティア活動歴を評価するなど人物重視の選考を行っ ているので,各塾生が「京都教師塾」で,教師として求 められる資質や実践的指導力を身に付け,本市の教員採 用試験において,大いに役立てていただくことを期待し

ている10)」という説明がある.

 東京都や杉並区に比べると,小学校教員だけでなく,

中学校教員も対象にしていること,また,教員採用試験 における優遇措置を,表だってうたっていないことが相

違点であろうか.

 3−4その他

 東京や京都という大都市で始まった教師養成塾は,各 地から注目され,追随する動きもあらわれている.

 たとえば2005(平成17)年6月の岐阜県議会でも,東 京教師養成塾についてどう考えるか,という質問がなさ れ,成果を注視していく,という質疑応答がされている.

 埼玉県議会では,「今年度,学生60人を対象に,小学 校の教員養成セミナーを開催するそうだが,その目的に っいて伺いたい」という質問が出され,それに対して

「熱意と使命感を持ち,実践力を身にっけた小学校教員 を養成・確保するために実施する.セミナーでは,県内 にキャンパスのある大学と連携し,本県の教員を強く希 望する大学3年生を対象に,学校体験研修や実践的指導       11) 力を高めるための演習等を行う

       」との答弁がなされ

た.

 これを受けて,県教育委員会の定例会でも「埼玉県教 員養成セミナーにっいては,6っの大学との連絡協議会 を開催しており,来年の1月から講座等を実施するため の実施要項が間もなく出来上がる予定です.出来るだけ 早く関係の大学に配布をしていきたいと思います.秋口 には各大学に推薦をしてもらい,参加する60名の学生 を決定したい12)」との報告が行われ,すでに埼玉県で も教員養成は実施段階に入っている.

 埼玉県の場合,カリキュラムは東京をモデルにし,小 学校での実習,講義・演習,ボランティアの3本柱で,

大学3年の1月から4年生の10月までが受講期間であ る.小学校での実習は40日間.セミナー受講者は,教 員採用試験で筆記試験免除の優遇措置があるのも東京都

と同じだ.

 以上みてきたのは自治体による教員養成の開始である が,このほかに民間での私的な教員養成について簡単に ふれておきたい.それは師範塾というものの存在である.

 師範塾は,平成15年4月に設立された,特定非営利

活動法人(NPO)である.所在地は東京都多摩市と福

岡県福岡市.設立の目的には,社会教育の推進を図る活

動と子どもの健全育成を図る活動の2っをあげ,この目

的を達するため,「師範力」のある,優れた「教育者」

(9)

の育成事業,「師範力」をっけるための研修事業などを

行うとうたっている.

 この法人の理事長が高橋史朗氏であり,氏は平成 18年4月17日の理事長挨拶の中で次のように述べてい

る.

 「どんなに気高く美しい理念を謳っても,その教育理 念を体現して率先垂範していく教師のリーダーを育てな

ければ,教育改革はその変革主体である教師という人の 壁にぶっかってしまって挫折せざるをえない.「師範力」

とは,師として,範を示すことのできる人間力,豊かな 人間性と高い見識で教え導く力のことを言う.師範力の ある人間,例えば,師範力の高い社会人,師範力の高い 親,師範力の高い教師を目指すことにより,結果として

あるゆる人間の利益に寄与することができるのである13)」

 高橋史朗氏は「新しい歴史教科書をっくる会」元副会 長であり,上田埼玉県知事の招きで,現在は埼玉県教育 委員会の委員でもある.この高橋氏が2006(平成18)年 9月に「埼玉師範塾」を開講する.その概要は「塾は年 齢,役職不問で現職教師を受け入れるほか,「教師を明 確に志望する人」なども対象とする.定員30人で受講 料は3万円(県外者は6万円).来年8月の合宿(卒塾 式)を含め,計12回開催する予定.…… 高橋氏は同 塾の理事長を務め,名誉会長に知事,会長に井原勇元与 野市長が就任した.高橋氏は,教育委員の立場で教員研 修機関を運営することにっいて,「教員人事などに影響        14) しないよう,心して対処する」と話している  高橋氏の埼玉師範塾の開講は,氏の目指す教員養成

(研修)の第1歩にすぎないようだ.2005(平成17)年 12月5日の師範塾理事長就任挨拶で「2年後を目途に首 都圏師範塾(東京,神奈川,千葉)構想もあり,師範塾 基本理念や経営方針を統一し,全日本教職員連盟,福岡 教育連盟,教師塾,杉並師範館などとの連携も深め,

「教師による現場からの教育改革」の大きなうねりを創 出していきたいと思います」とその構想を述べている.

 なお埼玉師範塾にっいては,県の教育委員という公職 にあるものがこの種の塾を開講すること,また自治体の 長である県知事が深く関与してい15)ることが問題視さ

れ,大きな議論を呼んでいる16).

 以上新たな「教員養成」の現状にっいてその実態を概 観した.東京教師養成塾は現在第3期生が在塾している が,養成塾の評価はまだ時期尚早であろう.その他の塾 はこれからの実態をみて判断するしかない.しかし今後

増えることが予想され,これらの動きが現在の教員養成 に投げかけている問題について,現時点での問題点を考

えておきたい.

4今後の問題点と課題

(1)大学での教員養成という理念の実質的崩壊の始ま   り.

 幅広い教養と大学教育全体を通しての教員養成という 戦後の理念は,今後大きな変革を余儀なくされるのでは ないだろうか.この事態を大学で養成に携わるものとし てどう受け止めるのかが今問われている.もちろん現行 の大学での養成に問題がないというわけではもちろんな い.「いま教員養成論議で問われていることは,『大学に おける教員養成」の内容そのものであり,教員養成を

『大学で行う』ことそれ自体が問われる状況に至ったの だと考えなくてはならない17)」のはまさにその通りで

ある.

(2) 自治体独自の教育理念.

 現在の教育行政では,都道府県教育委員は知事による 任命である(議会の同意が必要)から,結果として自治 体の長の教育に対する考えが色濃く反映されるシステム になっている.したがって,知事や教育委員の教育観に よって,教員養成の思想的骨格がきめられるおそれがあ

る.

 現に上田埼玉県知事は,厳密な意味で教育の中立性な どあり得ず,国の教育行政そのものが,基本的には,自 民党の大影響下にあるから,中立性は幻想である,とそ の認識を語っている18).

 このことにっいての疑念が,教育基本法制下の戦後教 育を否定し,戦前回帰にっながるのではないか,という

懸念として指摘されている19).

(3)養成と採用の一体化.

 先述したように,養成塾出身者は,教員採用試験で特 典を与えられている.採用権を握る行政が実施する塾の 教育方針に対し,塾生は疑問を持ったり批判したりする ことができるだろうか.従順で,批判力の乏しい教員が

育ちかねない.

(4)大学での教員養成.

 教員養成の理念に照らして,養成塾のあり方を批判す

ることはある意味で簡単かもしれない.しかしそこに安

住して,現在の大学の教員養成が抱えているさまざまの

問題から目をそらすことがあってはならないと思う.

(10)

大学における教員養成

 養成塾のカリキュラムを子細に検討すれば,大学の養 成よりもはるかに勝っている部分はいくらでもある.こ のことは真摯に受け止めるべきであろう.

 行政が教員の養成に乗り出してきたのは,大学に対す る不満の表れでもある.大学は講義中心で実践力が身に っかない.自分の専門を教えているだけで,現場の課題

とっながっていない.教委からのこれらの批判は以前か ら聞かれているものであるが,依然として解決されては

いないのが現状である.

(5)一般大学での教員養成の崩壊.

 一般大学で教職課程を履修している学生のほとんどは,

いわゆるペーパーティーチャーである.免許状を取得し ても,教壇に立っことはまずない.したがって教職科目 に取り組む意欲はきわめて弱い.目的意識が薄弱だから,

ハードな勉学には耐えられないのである.その意味から すれば,現実に崩壊していると言っても過言ではないだ

ろう.

 内部からの崩壊現象とともに,これより早く,現在の 教育職員免許法改正時に,私立一般大学での教員養成の 危機はすでに指摘されていた.それは「教科に関する科 目」を半減し「教職に関する科目」を倍増することによっ て,「日本における教員養成から私立大学等を閉め出そ

うとしている20)」という大きな流れの存在である.

 さらに教員免許の更新制が具体的な日程にのぼってき た.更新制はペーパーティーチャーにとってはありがた くない制度になるであろう.一般大学での教職課程の履 修者は,今後激減するのではないだろうか.

 教員養成をあぐって現在さまざまな問題が一挙に吹き 出してきた観がある.現実を見据え,流れの方向を注視

しながら,早急に改革に着手しなければならない.

1)村井 実  「アメリカ教育使節団報告書」 講談社   1979年 p.91〜99

2)新堀通也編  「教員養成の再検討」教育開発研究所   1986年 p.28

3)津留 宏  「教員養成論 よい教師とは何か」

  有斐閣 1978年 p.70

4)日本教育学会 教師教育に関する研究委員会編   「教師教育の課題一すぐれた教師を育てるために」

  明治図書 1983年 p.415

5)東京都教育庁 プレス発表資料 2003(平成15)年   9月11日

6)東京都教育庁指導部  「東京教師養成塾 平成   17年度事業報告」 2006(平成18)年3月

7)東京都教育委員会  「平成17年度 東京教師養成   塾 入塾案内」

8)2005(平成17)年7月28日 記者会見資料 9)京都市教育委員会  「京都教師塾教師になろう!

  第1期入塾者募集ガイド」 2006(平成]8)年6月

10)京都市教育委員会  「平成18年度  『京都教師塾』

  入塾者募集要項」 平成18年6月24日

11)「さいたま 県議会だより No 105定例会報告号」

  平成18年2月

12)埼玉県教育委員会定例会 議事録 平成18年6月   21日

13)URL:http://www.shihanjuku. com/riji.htmI

14)読売新聞 記事 2006年7月28日

15)「教師諸君! 必要なのは貴方たちの覚悟だ」

  正論 平成17年6月号

16)市民団体「教育と自治・埼玉ネットワーク」による,

  高橋史朗教育委員に対する公開質問状 2006.7.13.

  あるいは,子どもの人権埼玉ネット「公正・高潔な   教育委員長の選任を求める請願」2006.7.24.など 17)陣内靖彦  「変貌する教員養成大学」 東京学芸大   学紀要 第56集 2005年3月

18)2006(平成18)年4月11日 記者会見資料 19)ニューヨーク・タイムズ記事2006年6月11日 20)奥田泰弘  「21世紀に向けて新たな開放制教員養

  成の展開を」(浦野・羽田編  「変動期の教員養成」

  所収) 同時代社 1998年 p.64〜65

(11)

Summary

   The philosophy of postwar training fbr teachers has altered with the appearance of the train−

ing private school(yousei/uku)of the self:goveming community. For example, Tokyo, Kyoto

city and Saitama prefecture etc. There is a problematical point which several should think there.

As fbr training fbr teachers of the university, now there is a serious crossroad and must tackle the topic solution urgently.

参照

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