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(1)2.2 研究開発の実施体制 (1) 研究体制スキーム NEDO. 財団法人 日本自動車研究所. 圧縮水素自動車燃料装置用容器等例示基準案検討委員会. 例示基準案作成タスクフォース(TF). 例示基準実証試験タスクフォース(TF). (2) 日本自動車研究所内研究体制スキーム 総務部. 総務・人事グループ ・労務管理を担当 購買グループ ・装置、備品の購買を担当 経理・財務グループ ・経理の管理を担当. 所長. 施設管理グループ. 専務理事. ・装置の管理、インフラ整備担当 研究支援グループ. 企画管理部. ・研究業務全体の管理を担当 FC・EV センター. 性能研究グループ ・ガス漏れ検知手段の開発 安全研究グループ ・燃料電池車に係る安全技術研究 の全般. 93.

(2) (3) 研究体制 委託先等名. 財団法人日本自動車研究所 財団法人日本自動車研究所 〒305-0822 茨城県つくば市苅間 2530. 研究実施場所 常北町試験施設(建設中のため仮称) 〒311-4316 茨城県東茨城郡常北町大字小坂字高辺多 1328 番 3 号 研究員 所属・役職(職名). 氏名. 担当事業内容. 渡辺 正五 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 次長. 総括. 鈴木 仁冶 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ グループ長. 総括. 押野 幸一 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. ①、②、③、⑤、⑥、⑪. 田村 陽介 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑧、⑨、⑩. 早野 公郎 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. ①、②、③、④、⑥. 沼田 智昭 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑧、⑨、⑩. 三石 洋之 (財)日本自動車研究所 安全研究部兼FC・EVセンター 研究員. ①~⑪. 親川 兼俊 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ グループ長. ①~⑪. 赤井 泉明 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 研究員. ⑦. 今村 大地 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 研究員. ⑦. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 技師. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑦. 田上 久雄 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 技師. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑦. 吉村 昇. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 技師. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑦. 石井 充. (財)日本自動車研究所 安全研究部兼FC・EVセンター 研究員. ⑧、⑨. 林 賢英. 前田 安正 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. ①、②、③、⑤、⑥、⑧、⑨、⑩. 楠本 貴子 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ 技師. ①、⑪. 出向者 飯島 孝文 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. 〔出向元:(株)旭製作所〕. 高橋 昌志 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. 〔出向元:日本重化学工業(株)〕. ①、②、③、⑥ ①、②、③、④、⑤、⑥、⑩. 柿原 清貴 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 〔出向元:JFEスチール(株)〕. ①、②、③、⑤、⑥、⑪. 広谷 龍一 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. 〔出向元:岩谷産業(株)〕. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑪. 向井 新治 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. 〔出向元:石川島播磨重工業(株)〕. ①、②、③、④、⑤、⑥、⑧、⑨. 高野 直幸 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 〔出向元:日本酸素(株)〕. ①、②、③、⑤、⑥、⑪. 大居 利彦 (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 〔出向元:JFEスチール(株)〕. ①、②、③、⑥. ①高圧容器例示基準策定のための安全性評価 ②バルブ等例示基準策定のための安全性評価 ③高圧化、容量拡大貯蔵容器に対する安全性評価 ④道路運送車両法の保安基準策定のための安全性評価 ⑤液化水素貯蔵タンクの安全性評価 ⑥充填コネクタの安全性評価 ⑦水素ガス漏れ検知手段の開発 ⑧トンネル内事故時の安全性評価 ⑨地下駐車場等での火災安全性評価 ⑩その他の水素貯蔵タンクの安全性評価 ⑪水素安全の国際基準策定の動向調査. 2.3 研究管理の運営管理 外部有識者を委員長(慶大. 石谷教授)とする「圧縮水素自動車燃料装置用容器等例示基準案検討. 委員会」(以下、検討委員会という)で例示基準案および例示基準案作成に関する実施計画,研究成 果等を審議(計 6 回開催) 。例示基準実証試験タスクフォース(以下、実証試験 TF という)では試験 94.

(3) データを基に例示基準案作成に関する個別の検討課題の進捗状況報告・方針等を審議(計 4 回)。例 示基準案作成タスクフォース(以下、作成 TF という)では実証試験 TF での審議結果を基に例示基準 案を審議(計 9 回) 。審議スケジュールおよび委員を以下に示す。 審議スケジュール 年 月/日. 2003年 10/23 11/14 13:30 13:30 開催時間 ~ ~ 16:00 17:00 第 検討委員 1 会 回 第 1 回. 作成TF. 11/27 10:00 ~ 12:00. 第 2 回. 12/12 13:30 ~ 17:00. 12/25 10:00 ~ 12:00 第 2 回. 2004年 1/27 13:30 ~ 15:30. 3/10 13:30 ~ 16:30. 第 3 回. 3/27 13:00 ~ 15:00 第 3 回. 6/14 13:30 ~ 16:30. 6/17 13:30 ~ 16:30. 6/24 14:00 ~ 16:00 第 4 回. 8/4 13:30 ~ 17:15. 第 5 回. 第 4 回 第 1 回. 実証試験 TF. 3/15 10:30 ~ 16:00. 第 2 回. 第 3 回. 第 6 回. 9/1 15:00 ~ 17:30. 9/15 13:30 ~ 15:15. 第 7 回. 第 8 回. 9/24 13:30 ~ 15:30. 10/6 10:00 ~ 12:00 第 5 回. 12月. 第 6 回. 第 9 回. 第 4 回. 検討委員会委員 氏名. 所属・役職. 石谷 久. 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授. 辻川 茂男. 東京大学 名誉教授. 川原 正言. 東京都立大学客員教授 産業連携コーディネーター(前東京都立大学教授). 菅野 幹宏. 東京大学大学院 工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授. 越  光男. 東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 教授. 吉川 暢宏. 東京大学 生産技術研究所 機械系 信頼性工学 助教授. 飯田 訓正. 慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科 教授. 小高 松男. 交通安全環境研究所 理事. 石井 弘. 東京都環境局. 榎本 正敏. 【日本産業ガス協会水素専門委員会】昭和電工(株)アルミニウム事業部門アルミニウム事業企画部. 冨田 由紀夫. (社)日本ガス協会 天然ガス自動車プロジェクト部長. 荒井 憲嗣. 【高圧容器工業会】(株)旭製作所 設備・生産技術部 特殊容器製造部長. 大橋 浩一. 【日本高圧ガス容器バルブ工業会】     (株)ハマイ 技術部長. 竹田 勝. 【日本高圧ガス容器バルブ工業会】     (株)ネリキ 技術部長. 竹花. 立美. 高圧ガス保安協会 高圧ガス保安研究室  室長. 河津. 成之. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会分科会長(トヨタ自動車㈱ ). 環境改善部環境保安課 主任. 林 直義. (財)日本自動車研究所 理事. 秋山 浩司. JFEコンテイナー(株)GSE事業部開発部 課長(容器関係メーカ). 冨田 節男. 帝人(株)ウルトレッサ事業部 主任部員(容器関係メーカ). 北野 彰彦. 東レ(株)複合材料研究所 主任研究員(容器関係メーカ). 綱島 隆之. 三井物産(株)先端材料事業部(米国ゼネラルダイナミックス社に出向中)(容器関係メーカ). 藤原 和夫. 豊田合成(株)開発部開発室(容器関係メーカ). 高橋 彬. 【日本自動車輸入組合】理事・技術部長. 北 利夫. 【(社)日本バルブ工業会】(株)フジキン 大阪工場 執行役員補 技術開発センター長. 御厨 誠一郎. 高圧容器工業会 住金機工株式会社. 95.

(4) オブザーバーおよび事務局 氏名. 所属・役職. 高橋 正和. 経産省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課 課長補佐. 根岸 喜代春. 経産省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課 課長補佐. 山上 和丘. 経産省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課 . 江澤 正名. 経産省 自動車課 課長補佐. 延命 偉邦. 経産省 原子力安全・保安院 保安課 高圧ガス専門職. 野津 真生. 国交省 自動車交通局技術安全部技術企画課 車両安全対策調整官. 杉崎 友信. 国交省 自動車交通局技術安全部環境課. 多久島 直人 (平川 寛朗). 国交省 道路局 道路交通管理課 車両通行対策官 (国交省 道路局 道路交通管理課 調整係長). 松木 洋忠. 国交省 道路局 地方道環境課 道路環境調査室 課長補佐. 渡辺 剛英. 総務省 消防庁危険物保安室 課長補佐. 長榮 弘征. 高圧ガス保安協会 機器検査事業部 検査企画課 調査役. 飯沼 守昭. 高圧ガス保安協会 機器検査事業部 検査企画課 . 三枝 省五. 燃料電池実用化推進協議会 . 尾上 清明. (財)石油産業活性化センター 技術業務部 水素利用推進室 室長. 村上 茂泰    ダイムラークライスラー日本(株)燃料電池プロジェクト推進課 田村 元紀. 財団法人 金属系材料研究開発センター 環境・プロセス研究部 主任研究員. 山本 修. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会分科会 性能WG主査 トヨタ自動車㈱. 佐藤 淳一. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会分科会 水素安全WG主査 ㈱本田技術研究所. 田村 浩明. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会分科会 副分科会長 日産自動車㈱. 佐々木 道明. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会分科会 例示基準検討WG主査 日産自動車㈱. 森田 明芳. 【(社)日本自動車工業会】技術統括部. 森 一晃. 住友商事㈱ 機械システム部 システムプロジェクトチーム 課長代理. 庄司 不二雄. (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主任研究員. 田中 誠二. (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主査. (事務局) 渡辺 正五. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 次長 主席研究員. 押野 幸一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 柿原 清貴. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 高野 直幸 . (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 主任研究員. 大居 利彦 . (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 主任研究員. 三石 洋之. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 研究員. 広谷 龍一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 副研究員. 楠本 貴子. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ. 96.

(5) 実証試験 TF 委員 氏 名 川原 正言. 所属・役職 東京都立大学客員教授 産学公連携コーディネータ(前東京都立大学教授). 菅野 幹宏  東京大学 工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授 吉川 暢宏  東京大学 生産技術研究所 機械系 信頼性工学 助教授 山上 和丘. 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課. 延命 偉邦. 経済産業省 原子力安全・保安院 保安課. 竹花. 高圧ガス保安協会 高圧ガス保安研究室  室長. 立美. 高圧ガス専門職. 長榮 弘征. 高圧ガス保安協会. 機器検査事業部 検査企画課 調査役. 佐々木道明. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG主査(日産自動車(株)). 田村 元紀. 財団法人 金属系材料研究開発センター. 井波 隆夫. (社)日本アルミニウム協会 理事. 環境・プロセス研究部 主任研究員. 庄司 不二雄 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主任研究員 岩崎 和市. (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主査. 渡辺 正五  (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 次長 主席研究員 押野 幸一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 柿原 清貴. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 高野 直幸. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 大居 利彦. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 三石 洋之. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 研究員. 広谷 龍一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 副研究員. 楠本 貴子. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ. 97.

(6) 作成 TF 委員 氏 名. 所属・役職. 延命 偉邦. 経済産業省 原子力安全・保安院 保安課. 山上 和丘. 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課. 竹花. 高圧ガス保安協会 高圧ガス保安研究室  室長. 立美. 高圧ガス専門職. 長榮 弘征. 高圧ガス保安協会 機器検査事業部    検査企画課 調査役. 飯沼 守昭. 高圧ガス保安協会 機器検査事業部    検査企画課. 田村 浩明. 【(社)日本自動車工業会】 (日産自動車(株)). 佐々木道明. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG主査(日産自動車(株)). 山本 修. 【(社)日本自動車工業会】 FCV分科会 性能WG主査 (トヨタ自動車(株)FC企画室). 小林 信夫. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG (トヨタ自動車(株)). 縫谷 芳雄. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG ((株)本田技術研究所). 宮崎 俊一. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG (ダイハツ工業(株)). 江口 徹. 【(社)日本自動車工業会】FCV分科会例示基準検討WG (スズキ(株)). 荒井 憲嗣  【高圧容器工業会】(株)旭製作所 設備・生産技術部 特殊容器製造部長 大橋 浩一  【日本高圧ガス容器バルブ工業会】     (株)ハマイ 技術部 開発部 部長 竹田 勝   【日本高圧ガス容器バルブ工業会】     (株)ネリキ 技術部 部長 秋山 浩司   JFEコンテイナー(株)GSE事業部開発部 課長(容器関係メーカ) 藤原 和夫. 豊田合成㈱ 開発部開発室(容器関係メーカ). 綱島 隆之. 三井物産(株)先端材料事業部 (米国ゼネラルダイナミックス社に出向中). 北 利夫. 【(社)日本バルブ工業会】(株)フジキン 大阪工場  技術開発センター センター長. 御厨 誠一郎 高圧容器工業会 住金機工(株)容器事業部 副事業部長兼品証部長 田村 元紀. 財団法人 金属系材料研究開発センター. 環境・プロセス研究部 主任研究員. 冨田 節男. 帝人エンジニアリング(株)ウルトレッサ事業部 部長(容器関係メーカ). 北野 彰彦. 東レ(株)複合材料研究所 主任研究員(容器関係メーカ). 津田 幸彦. 日本バルカー工業(株) 研究部. 刀祢明 信宏 日本ポリエチレン(株) 研究開発センター 3グループ  グループリーダー 清永 貴之. 住友商事(株)機械システム部  システム・プロジェクトチーム  主任. 庄司 不二雄 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主任研究員 岩崎 和市. (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部 主査. 渡辺 正五  (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 次長 押野 幸一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究Gr. 主任研究員. 柿原 清貴. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 主任研究員. 高野 直幸  (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 主任研究員. 大居 利彦  (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 主任研究員. 三石 洋之. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター. 安全研究グループ 研究員. 広谷 龍一. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 安全研究グループ 副研究員. 楠本 貴子. (財)日本自動車研究所 FC・EVセンター 性能研究グループ. 98.

(7) 3.情勢変化への対応 圧縮水素自動車燃料装置用容器・容器附属品の例示基準案策定、容器再検査周期および車載状態で の容器再検査の可否に関する審議は、当初、平成 16 年 7 月末の完了を目指して進めていた。 これに対し、平成 16 年 5 月に高圧ガス保安協会などから、審議は平成 16 年 6 月末までに完了する ように指示された。 平成 16 年 6 月、第 4 回検討委員会で、圧縮水素自動車燃料装置用容器・容器附属品の例示基準案 を提出・審議したが、材料試験データの不足(NEDO から JRCM への委託事業)により、承認持越しと なった。 平成 16 年 7 月末、高圧ガス保安協会から圧縮水素自動車燃料装置用容器・容器附属品の例示基準 案が規定する一部の試験などに対して再審議の要請があり、平成 16 年 8 月以降、実証試験 TF および 作成 TF を継続して開催し、審議を進めた。 平成 16 年 9 月末、材料試験データの取得がほぼ完了、再審議となった試験への対応も完了し、例 示基準案は TF で承認された。 平成 16 年 10 月上旬、第 5 回検討委員会において、「圧縮水素自動車燃料装置用容器・容器附属品 の例示基準案」から名称変更した「圧縮水素自動車燃料装置用容器・容器附属品の技術基準案」およ び容器再検査周期・車載状態での容器再検査について承認が得られた。さらに高圧ガス保安協会の「燃 料電池システム技術基準調査委員会」においても承認された。 平成 16 年 11 月 2 日、高圧ガス保安協会の「高圧ガス容器規格検討委員会」において、 「圧縮水素 自動車燃料装置用容器・容器附属品の技術基準」の最終承認が得られ、検討委員会の全ての審議項目 の目標が達成され、規制の再点検は計画どおり進むこととなった。 Ⅲ.研究開発成果について 1.事業全体の成果 ①高圧容器例示基準策定のための安全性評価 a.圧縮水素高圧容器の例示基準策定に必要な水素ガスサイクル試験、ガス透過試験、許容欠陥 確認試験等の実施に向けて、「水素充填設備」、「水素ガスサイクル試験装置」、「ガス透過試験装 置」、「水加圧試験装置(水加圧サイクル試験装置・水加圧破裂試験装置)」を導入し、基準策定 のためのデータ取得環境の整備が完了した。これまでは計算手法により評価した高圧容器の許 容欠陥確認試験について、欠陥疵を付与した実容器を製作し、実験手法(水加圧サイクル試験) により初めて評価した。その結果、ライナー厚さに対して付与した欠陥が浅い場合は、欠陥以 外の場所から亀裂が進展する可能性があることがわかった。水素ガスサイクル試験、ガス透過 試験については、海外の認証機関に計測機材を持ち込み、基準案策定に資するデータ収集を行 い、基準案策定に反映させた。さらには、検討委員会の審議結果を踏まえて、天然ガスサイク ル試験を海外の認証機関にて行い、天然ガスサイクル試験法の水素ガスサイクル試験への適用 性を検証し、基準に反映させた。今後は導入した装置を用いて、策定した圧縮水素自動車燃料 装置用容器・附属品の技術基準の補足データ取得を継続して進める。. 99.

(8) b.識者、メーカー(容器、附属品、ガス、自動車)および官庁の委員約 25 名、オブザーバー約 25 名で構成する検討委員会を発足させた。さらに詳細検討を進めるための実証試験 TF および 作成 TF を発足させた。実証試験 TF は計 4 回、作成 TF は計 9 回、検討委員会は計 6 回開催し、 規制再点検項目 No.7∼10 の 4 項目について約 1 年間にわたって集中審議を行い、容器試験、材 料試験を並行して実施しながら圧縮水素自動車燃料装置用容器および容器附属品の技術基準を 策定した。また、車検期間に合わせた容器再検査の周期および車載状態での容器再検査につい ても問題なく実施できることを確認した。さらに、策定した「圧縮水素自動車燃料装置用容器・ 附属品の技術基準」を高圧ガス保安協会に提出し、承認され、規制再点検項目 No.7∼10 に関す る委員会審議は完了した。策定した技術基準は、規制再点検項目 No.17 の圧縮水素運送自動車 装置用容器・附属品の技術基準策定事務局に提供し、圧縮水素運送自動車装置用容器・附属品 の技術基準の基本条文としても活用された。 ②バルブ等例示基準策定のための安全性評価 a.バルブ等例示基準策定のための安全性評価のために、「容器付属品高温・低温試験装置」を導 入し、バルブ等の作動試験法、耐久試験法策定に必要なデータ取得環境の整備が完了した。今 後、バルブ等例示基準策定に必要な作動試験データ、耐久性試験データの取得を行う。 b.PRD(Pressure Relief Device)単体の高温における応答性能を試験するための PRD 試験用高 温槽を導入し、応答特性データ取得の環境整備が完了した。今後、PRD 単体の高温における応 答性能試験データの採取を進める。 ③高圧化、容量拡大貯蔵容器に対する安全性評価 a.今後、海外の容器認証機関を訪問し、高圧化(70MPa)に伴う高圧容器試験装置、基準の動向 調査を実施し、試験手順の確立を進めるとともに、調査結果を国内基準(70MPa)策定に活用す る。 b.海外の試験機関で容器の評価試験(水素ガスサイクル試験,急速充填試験、ガス透過試験、 等)を実施した。また、検討委員会からの要請に対応し、比較検証のための天然ガスサイクル 試験を海外試験機関で実施した。その結果、容器および附属品の技術基準策定に資するガス透 過量などのデータ取得が完了した。 c.高圧容器では容器欠陥部分から進展するき裂が問題になる可能性があり,非破壊での容器の 欠陥サイズの計測手法の調査を行い、CT スキャンによる計測手法については調査が完了した。 d. 海外認証における技術基準への適合性を検討するため,今後、貫通弾発射装置を導入し、国 内での容器の貫通試験の環境を整備するとともに、容器の銃弾貫通特性調査を進める。 e. 高圧容器の破壊挙動などを観察するための超高速度カメラを導入し、高速破壊現象解明のた めの調査環境の整備が完了した。今後、基準策定等に資する試験データの採取に使用する。 f.急速水素充填時の容器内および表面温度を調査し、容器内温度分布シミュレーションを実施 した。急速充填試験では、複合容器内部の水素ガス温度上昇と充填速度との関係について、水 素ステーションなどの仕様検討に資する基礎データを取得し、水素ステーションの技術検討を 進めている事務局にデータを提供した。今後、導入設備を活用し、さらなるデータの蓄積を図 100.

(9) る。 ④道路運送車両法の保安基準策定のための安全性評価 a.燃料電池自動車の高圧ガス適応範囲である圧縮水素容器および附属品について、策定した技 術基準および根拠データを国土交通省に提供した。提供した情報は、国土交通省が進める「燃 料電池自動車実用化促進プロジェクト」等において、燃料電池自動車の技術基準策定のため、 高圧部の材料規定、その他安全対策技術等に活用されている。 ⑤液化水素貯蔵タンクの安全性評価 a.液化水素貯蔵タンクに関連する規制および技術動向調査結果から、規定されている試験の実 施により超低温液体の貯蔵に対する容器安全性の評価および確保が可能であること、また、車 両搭載を想定する場合には振動など固有の問題があり、振動に耐えられるように内槽を支持す ることや侵入熱量を抑制することの重要性が確認された。 ⑥充填コネクタの安全性評価 a.高圧充填コネクタのシール性、着脱性、液化水素連続充填時の氷結による噛み合いの問題等 について国内外の動向を調査した結果、水素固有の問題に対する安全性評価については、シー ル材の耐水素性およびコネクタ着脱耐久性の評価が必要であること、また、液体水素連続充填 時の氷結による液体水素漏洩に関しては、現在までのところ問題となっていないが、氷結によ る問題が生じた場合には、コネクタの加温などといった天然ガス充填コネクタでの対策が応用 可能であることなどがわかった。 b. 今後、コネクタのシール性、着脱性評価試験装置として水素充填コネクタ耐久試験装置を導 入し、例示基準策定のためのデータを採取する。 ⑦水素ガス漏れ検知手段の開発 a.高圧水素雰囲気状態における付臭剤の化学的安定性を調査した。その結果、高圧水素雰囲気 における付臭剤の安定性の調査では、 「自動車用固体高分子形燃料電池システム普及基盤整備事 業」において絞り込んだ、燃料電池の発電性能に影響を与えない 8 種の付臭剤候補物質の蒸気 圧測定を実施し、予想される添加濃度における充填可能圧を求めた。その中で、 5-ethyl-3-hydroxy-4-methyl-2(5H)-furanone 、 5-ethylidene-2-norbornene 、 2,3-butanedion 、 2-isopropyl-3-methoxypyrazine、ethyl isobutyrate の 5 物質は予想添加濃度での充填可能圧が 30MPa 以上であり、水素付臭剤としての適用可能性有りと判断された。今後、高圧容器中の付臭剤の 長期間の化学安定性や腐食性に関するデータ収集を行う。 b.水素/付臭剤拡散シミュレーション手法の調査では、燃料電池性能への影響がなく、高圧水 素雰囲気においても安定であることが確認された付臭剤について、ダイレクトシミュレーショ ンにより付臭剤を混入した水素ガスが大気中へ漏れたときの水素と付臭剤の濃度分布を調べた。 この結果、付臭剤の分子量は水素に比べて何十倍と大きいが、水素濃度の濃い領域に付臭剤も 追従して分布することをシミュレートでき、付臭剤選定の手法として十分に役立つことが確認 101.

(10) された。今後、ガレージ内での水素/付臭剤の拡散シミュレーションを実施し、この手法の有 効性を調べる。 ⑧トンネル内事故時の安全性評価 a.トンネル内で 35MPa の高圧水素容器から水素が漏れた場合の水素拡散状態について、水素漏 洩量とトンネル形状をパラメータとした水素拡散シミュレーションを実施した。車両衝突時の 水素漏洩量評価値に相当する 135L/min、および 60,000L/min(道路法第 46 条第 3 項で規定され ている水底トンネル等における危険物積載車両の通行の禁止または制限されている高圧ガス水 素量 60m3 の水素漏れ量)の水素漏洩に対し、トンネル中央部が高くなる、いわゆる拝み勾配の 長大トンネルと、トンネルの両端が高くなっている水底トンネルについて、水素の滞留箇所や 時間変化を調査するための計算を行った。その結果、135L/min の水素漏洩の場合、トンネル形 状や換気状況に関係なく水素の滞留には問題箇所がないことを確認した。60,000L/min の水素 漏洩では、拝み勾配の長大トンネルの場合に水素の滞留が認められるが、現行レベルの換気能 力があれば水素の滞留は問題ないことを確認した。 ⑨地下駐車場等での火災安全性評価 a.地下駐車場等を想定した空間における高圧水素容器(35MPa 級)からの水素漏洩について、水 素拡散シミュレーションを行い、大規模半閉鎖空間での水素ガス漏れに関する安全性を検討し た。地下駐車場では換気条件の違いによる水素滞留箇所と時間を把握、立体駐車場では水素漏 洩車両位置の違いによる水素滞留箇所と時間を把握する計算を行った結果、車両衝突時の水素 漏洩量評価値に相当する 135L/min の場合、現在の換気設備で問題ないことを確認した。 ⑩その他の水素貯蔵タンクの安全性評価 a.高圧水素や液体水素以外の水素貯蔵方式として、無機系材料である NaAlH4、LiAlH4 および NaBH4 と有機系材料を調査した。その結果、実際に車載用タンクとして製品化または試作されている のはミレニアムセル社製の NaBH4 を用いたシステムのみであり、材料自体も研究開発段階のも のが多く、燃料タンクの安全性等を比較し議論するまでには至らなかった。共通する研究開発 課題としては材料の安定性、脱水素反応速度の向上、エネルギー効率を向上させた再水素化プ ロセスの開発などがあることがわかった。 ⑪水素安全の国際基準策定の動向調査 a.高圧ガス保安法. 別添9(圧縮天然ガス自動車燃料装置用容器の技術基準の解釈)と国際的. な基準、規格を比較した。別添9は、型式試験等の独自性を保持しながらも、国際的な基準、 規格と概ね同じ構成になっている。このため、水素安全に関する国際的な基準、規格との整合、 統一化を図る上からも、それらの動向調査の継続が必要である。. 102.

(11) 2.研究開発項目毎の成果 (1) 研究発表・講演 発表 年 月日 2004.01.14. 2004.02.18. 発表 媒 体. 発表タイトル. JARI次世代自動車フォーラム. 次世代自動車社会を目指した JARIの研究活動. 自動車技術会 電気動力技術部. 燃料電池自動車の安全規格の. 門委員会シンポジウム「進化する. 開発動向. 発表 者 小林敏雄. 渡辺正五. 電気パワートレイン技術」 2004.02.24. 2004.06.01. 2004.06.23. 2004.06.29. 2004.06.30. 水素エネルギー協会 第111回定. 燃料電池自動車の安全性につ. 例研究会. いて. 自動車研究. 高圧水素容器への急速水素充 填. 機械学会. FCEV用Type3容器及びType4容. 第9回動力・エネルギー技術シン. 器への35MPa水素急速充填試. ポジウム. 験. 世界水素エネルギー会議. Hydrogen Safety for Fuel Cell Vehicles. 世界水素エネルギー会議. 燃料電池自動車の基準・標準化 の取り組み. 第24回水素エネルギー大会. 渡辺正五. 柿原清貴. 柿原清貴. 林直義,渡辺 正五 渡辺正五. トンネル内における漏洩水素に. 2004.12.11. 対する安全性について-漏洩水. 向井新治. 素拡散シミュレーション CFD Simulation on Diffusion of Hydrogen Leakage Caused by Hydrogen Powered Vehicle A ccident in Tunnel, in Undergro und Parking Lot and in Multist ory Parking Garage. 19th ESV Conference 2005.06.06. 向井新治. (2) 特許等 なし (3) 国際基準への寄与 開催年月日. 国際規格・基準名. 会議体名. 2003.09.02. ISO(国際標準化機構). ISO/TC22/SC21(自動車技術/電気自動 車)とISO/TC197/WG5(水素技術/水素充 てんコネクター)のJoint meeting. ~03 2004.01.20. SAE(米国自動車技術会) 水素充てんインターフェース会議. ~22. 103. 発表者 酒井孝之. 酒井孝之.

(12) (4) 受賞実績 なし (5) その他特記事項 (a) 成果普及の努力(プレス発表等) 発表 年 月日 2003.09.09 2004.01.10. 発表 媒 体. 発表タイトル. 日刊工業新聞. FC車用高圧タンク開発. 日刊自動車新聞. 燃料電池車の試験棟建設 主要部品や素材の安全性を検証. 2004.01.19. 日経産業新聞. 燃料電池車安全性評価へ試験棟. 2004.02.16. 日刊自動車新聞. FC安全試験棟を新設. 2004.05.12. 日刊自動車新聞. FCVの水素タンク試験棟が竣工. 同上. 茨城新聞. 安全,耐久性を研究. 同上. 日本経済新聞. 水素タンク破裂しても安全. 日経産業新聞. 燃料電池車の安全評価. 同上. 同上. 同上. 2004.05.13. 2004.05.15. 2004.07.02. 700気圧タンクに対応 日刊工業新聞. FC車の水素貯蔵容器評価 全天候型試験棟が完成. NHK. 燃料電池車の水素貯蔵タンクの安全性 を評価する評価試験棟が完成. 日刊工業新聞. 950気圧のコンプレッサー開発 燃料電池車実用化に弾み. 朝日新聞. 燃料電池車の水素貯蔵タンクの安全性 を評価する評価試験棟が完成. 世界水素エネルギー会議. JARI燃料電池自動車安全性評価試験 棟テクニカル・ツアー開催. 104.

(13) (b) その他 以下の各種委員会等に出席し,本事業の計画,成果等を発表している。 委員会名. 事務局. 委員名. 圧縮水素自動車燃料装置用容器等例示基準案. (財 )日 本 自 動 車 研 究 所. 林 直義. 経済産業省 燃料電池実用化戦略. 林 直義. 検討委員会(規制再点検項目No. 7~10担当) 燃料電池実用化戦略研究会. 研究会事務局 燃 料 電 池 システム技 術 基 準 調 査 委 員 会. 高 圧 ガス保 安 協 会. 渡辺正五. 燃料電池自動車実用化促進プロジェクト. 国土交通省. 林 直 義 ,渡 辺 正 五 , 鈴 木 仁 治 ,親 川 兼 俊. 燃 料 電 池 自 動 車 の地 下 駐 車 場 等. 日本消防設備安全センター. 鈴木仁治. (財 )国 土 技 術 研 究 センター. 渡 辺 正 五 ,鈴 木 仁 治. 水 素 基 礎 物 性 に関 する研 究. (財 )エネルギー総 合 工 学 研 究 所. 鈴木仁治. 燃料電池自動車分科会. 日本自動車工業会. 渡 辺 正 五 ,鈴 木 仁 治. 水素用材料開発委員会. (財 )金 属 系 材 料 研 究 開 発 センター. 押野幸一. (社 )日 本 産 業 ガス協 会. 渡辺正五. における防 火 安 全 対 策 燃 料 電 池 自 動 車 のトンネルにおける 安 全 性 の検 証 に関 する検 討. 圧縮水素運送自動車装置用容器例示基準 案等検討委員会 (規 制 再 点 検 項 目 No.17担 当 ). Ⅳ.実用化、事業化の見通しについて 1.実用化、事業化の見通し 圧縮水素自動車燃料装置用容器および圧縮水素自動車燃料装置用容器附属品の技術基準を策定し、 高圧ガス保安協会から承認されたことにより、圧縮水素自動車の高圧ガス保安法の適用範囲に関する 基準整備が終了した。その結果、今後、圧縮水素を搭載した車両の容器の型式認定が可能となり、ま た、車検時に車載状態で容器再検査が可能になるなど、燃料電池自動車等の普及のための車両側燃料 装置に関する基盤が整備された。 さらには、容量拡大、さらなる高圧化などに対する事前評価が可能となり、技術的な制約に対して も適用範囲を拡大するための基準整備が完了した。 策定した技術基準は圧縮水素運送自動車装置用容器および容器附属品の技術基準策定にも活用さ れ、水素輸送インフラの基盤も整備された。 燃料電池自動車の実用性をさらに高めるため、さらなる高圧化(70MPa)および容量拡大(360L を超える容器)などを進めるにあたっては、今後も新たな基準整備が必要であり、また、使用可能材 料を判定するための試験法整備等も必要となっている。. 105.

(14) 2.〈A−実−1〉. 70MPa車載用水素タンクシステムの開発 岩谷産業(株)、 (株)ネリキ、村田機械(株)、住金機工(株) Ⅱ. 研究開発マネジメントについて. 1. 事業の目標 水素燃料電池自動車の水素燃料搭載法は、圧縮水素によるものが主流である。その走行距離を伸ば すため、水素搭載量を増大させる必要がある。搭載燃料タンクシステムの小型、軽量化と搭載圧縮水 素のより高圧化を図るため 70MPa で充填可能なタンク本体、弁ユニット等からなる車載用水素タンク シシテムの研究開発を行なう。 2.事業の計画内容 2.1 研究開発の内容 ①車載用水素燃料タンクシステムの検証、評価(岩谷産業) 当該研究開発の開発過程で必要となる、各構成機器単体の検査、評価と構成機器を組み込んだタン クシステムの検証、評価および水素脆化等の損傷評価を行なう。また実用化するため、各種の性能確 認試験を行なう。平成 15 年度、16 年度は、これらの内容のうち、基本的なタンクシステムの仕様検 討と水素脆性に関する文献調査を行なう。また試作モデル(タンク本体)の耐圧・気密試験等の評価試 験を行なう。 ②タンクライナー及び弁ユニットとの接続部の研究開発(住金機工) 現在、タンクライナーの材質としてはアルミが主流である。本研究開発ではアルミ以外の材質につ いても水素脆性や成形性を検討し、小型・軽量化に適応した材料の選定とライナー製法の技術を開発 する。また従来の容器と弁ユニットの大口径ネジ接続方法では高圧化でのシール性に問題があると予 測される。本研究開発では、シール径の小口径化対応を行ない、耐リーク性能の向上が図れる接続部 を開発する。平成 15 年度、16 年度は、これらの内容のうち、基本的なタンクシステムの仕様検討と タンクライナーに適した材料の比較検討を行ない、ブレイディング構造および弁ユニットに適したモ デルを製作する。 ③容器元弁・減圧弁・安全弁等をモジュール化した弁ユニットの研究開発(ネリキ) 容器元弁、減圧弁、安全弁など水素燃料供給システムに求められている各要素をモジュール化する ことで、各要素間を接続する配管等を省略し、シール性の向上とともに安全性を追求した弁ユニット を開発する。平成 15 年度、16 年度は、これらの内容のうち、基本的なタンクシステムの仕様検討と 弁ユニットと容器本体との接続部、シール構造及び弁ユニット各構成要素の研究及び試験評価を実施 する。. 106.

(15) ④タンク強化用複合材及び製織構造の研究開発(村田機械) タンクライナーを強化する複合材料の選定とともに、タンク本体の小型化・軽量化が実現できる最 適な製織構造を開発する。成形手法としてはブレイディング技術を適応し、タンク形状の自由度の確 認と量産供給可能な製造システムの基本構築を目指す。平成 15 年度、16 年度は、これらの内容のう ち、基本的なタンクシステムの仕様検討と強化複合材料を比較検討し、材料データベースの構築と構 造解析を実施し、製織条件を設定する。また製織および成形用設備の検討と製作を行なう。 2.2 研究開発の実施体制. NEDO. 連名委託 ①岩谷産業(株). ・車載用水素燃料タンクシステムの検証、評価の研究開発. ②住金機工(株). ・タンクライナー、弁ユニットとの接続部の研究開発. ③(株)ネ リ キ. ・容器元弁・減圧弁・安全弁等をモジュール化した弁ユニットの. ④村田機械(株). 研究開発 ・タンク強化用複合材および製織構造の研究開発. 委託先等名. 岩谷産業株式会社 岩谷産業株式会社. 研究実施場. 〒541−0053. 大阪本社 大阪市中央区本町3丁目 4 番 8 号. 所及び 登録研究員. 氏 平 深田. 名 洋二郎 徹. 所属・役職. 担当事業内容. ガス技術部長. ①−1.. ガス技術部. ①−1.2.3.. 水素プロジェクト担当部長 橋本. 正明. 工業ガス部 シニアマネージャー. ①−1.2.3.. 稲葉. 臣哉. 工業ガス部. ①−1.2.3.. ※平成 15 年度下期、16 年度実施内容 ①車載用水素燃料タンクシステムの検証、評価 1.タンクシステムの仕様検討 2.金属全般と樹脂に関しての水素脆性に関する文献調査 3.タンク本体の耐圧・気密等の評価試験. 107.

(16) 委託先等名. 住金機工株式会社 住金機工株式会社. 研究実施場. 〒660−0891. 本社 尼崎市扶桑町 1 番 1 号. 所及び 登録研究員. 氏 御厨 老 神道. 名 誠一郎 修二 義弘. 所属・役職. 担当事業内容. 容器事業部副事業部長. ②−1.2.3.. 容器事業部容器製造部長. ②−1.2.3.. 容器事業部. ②−1.2.3. 設計. 容器品質保証チーム長 原田. 慎介. 技術開発プロジェクトチーム. ②−1.2.3.. 杉谷. 豊. 容器事業部容器工場. 係長. ②−4.5.. 評価. 丹羽. 昇. 容器事業部容器工場. 主任. ②−4.5.. 設計試作. 西村. 均. 容器事業部容器工場. 主任. ②−4.5.. 設計試作. 古和. 俊一. 容器事業部容器工場. 係長. ②−4.5.. 設計試作. 三島. 昌恭. 容器事業部容器工場. 主任. ②−4.5.. 設計試作. 岩崎. 英樹. 容器事業部容器工場. 主任. ②−4.5.. 設計試作. ※平成 15 年度下期、16 年度実施内容 ②タンクライナー及び、弁ユニットとの接続部の研究開発 1.タンクシステムの仕様検討 2.ステンレスとスチールに関しての水素脆性に関する文献調査 3.タンクライナーに適した材料の調査・検討 4.ブレイディング構造および弁ユニットに最適なタンクライナーの検討 5.複合タンクと弁ユニットとの接続方法の改良及び試験評価. 108.

(17) 委託先等名. 株式会社 ネリキ 株式会社 ネリキ 本社工場. 研究実施場. 〒661-0975 尼崎市下坂部 4 丁目 6 番 1 号. 所及び 登録研究員. 氏. 名. 所属・役職. 担当事業内容. 尾井 晃. 技術部. 技術課. 参与. ③−1.2.4.5.6.7.8.9.11.. 籠本 光正. 技術部. 技術課. 主任. ③−1.2.4.5.6.7.8.9.10.11.. 塩月 眞理. 技術部. 技術課. 課員. ③−4.6.7.9.10.11.. 市坪 篤. 営業部. 本社営業課. 課長. ③−1.. 株式会社 ネリキ 神戸工場 研究実施場. 〒651-2241 神戸市西区室谷 2 丁目 7 番 6 号. 所及び 登録研究員. 氏. 名. 所属・役職. 担当事業内容 ③−1.8.11. 統括. 竹田 勝. 技術部. 部長. 宮田 和幸. 技術部. 技術課. 課員. ③−3.5.8.10.11.. 前川 普治. 技術部. 技術課. 課員. ③−4.6.7.9.10.11.. ※平成 15 年度下期、16 年度実施内容 ③容器元弁・減圧弁・安全弁等をモジュール化した弁ユニットの研究開発 1.タンクシステムの仕様検討 2.複合タンクと弁ユニットとの接続方法の改良及び試験評価 3.シール構造の研究及び試験評価 4.高圧減圧弁の研究及び試験評価 5.容器元弁の研究及び試験評価 6.逆止弁の研究及び試験評価 7.低圧減圧弁の研究及び試験評価 8.容器主止弁の研究及び試験評価 9.弁ユニットの試作 10.安全弁の研究及び試験評価 11.試験設備の設置. 109.

(18) 委託先等名. 村田機械株式会社 村田機械株式会社. 研究実施場. 〒612−8686. 本社 京都市伏見区竹田向代町 136. 所及び 登録研究員. 氏. 名. 所属・役職. 担当事業内容. 魚住. 忠司. R&Dセンター. 主任. ④−1.2.3.6. 設計. 高嶌. 弘樹. R&Dセンター. 部員. ④−5.. 谷川. 元洋. R&Dセンター. 部員. ④−2.3.4.5. 設計. 林. 誠. 新分野企画部. 係長. ④−1.2.. 下竹. 正和. 開発生産課. 課員. ④−3.4.6.設計試作. 吉村. 雄介. R&Dセンター. 部員. ④−1.2.3.. 設計 調査 解析. ※平成 15 年度下期、16 年度実施内容 ④タンク強化用複合材及び、製織構造の研究開発 1.タンクシステムの仕様検討 2.強化複合材の材料検討 3.最適製織条件の設定 4.成形硬化方法の検討および確認試験 5.製織用および成形設備の詳細設計および製作 6.製織構造確認のための試作と構造設計確認試験用供試体の製作 2.3 研究管理の運営管理 月二回開催する定例会議で、実施計画・研究成果等を審議する。また適宜開発進捗状況によって臨 時会議を開催している。各社代表によるワーキンググーループにおいて、開発方針や予算作成等を討 議する。 3.情勢変化への対応 以下に事業開始後、社会的、研究開発上の情勢変化に対する対応を示す。 いずれも当初計画の目標達成に影響はない。 H16.8.30 研究予算の増額:試験回数を増やし、データの精度向上を図ったことにより、タンクシス テムの設計に生かすことができた。. 110.

(19) Ⅲ.研究開発成果について 1.事業全体の成果 本事業の基本となるタンクシステムの仕様について、これまで 22 回の定例会議を開催し仕様検討 を行なった。また燃料電池自動車を開発するメーカーと 3 回にわたり燃料タンクに関する意見交換会 を持ち、燃料タンクに求められる要素や開発動向の把握に努めた。 その結果、車載容器の大きさについてはライナーの研究開発を担当する住金機工の現有設備を用い て試作できる大きさとして、ライナー径を 280mm、全長約 1000mm、内容量を約 45L とした。また最高 充填圧力は 70MPa、耐圧試験圧力 105MPa、最小破裂圧力 157.5MPa とし、タンクシステムとしての弁 ユニット出口圧力は最大 0.8MPa、吐出流量は最小 600NL/min とし、低圧減圧弁から燃料電池スタック への流入圧力を 0.2MPa 以下と決定した。 容器本体と弁ユニットの接合においては、SUS ライナーとのフランジ接合法を用いることで成果を 得た。またタンクシステムとして、SUS 材をライナー全てに用いることは軽量化を図るために適当で ないと判断し、今後の検討課題とした。 容器本体の開発においては、複合材料の選定と FRP 構造の解析を行ない、その整合性を確認するた め二度のバースト試験を実施し、有効なデータを得ることができた。 今年度末にかけて、容器本体と弁ユニットとの接合部の耐久性・信頼性確認および CFRP 構造の強 度確認のためのバースト試験およびサイクル試験、またタンクシステムの完成度確認のため、ガスを 充填しての気密試験を実施する。 ・水素脆性に関する文献調査(岩谷産業・住金機工) 70MPa 下での金属及び樹脂に対する水素脆性に関する文献は非常に少なかった。その中で欧州統合 水素プロジェクトが提案する「高圧気体水素規約」 、アメリカ材料協会著「HYDROGEN DAMAGE」、「各種 材料の高圧水素ガス雰囲気下における脆化」 (NASA 資料)及び「常温高圧水素ガスによる高張力鋼の 水素脆性破壊」 (鉄と鋼)の文献調査と内容把握を行ない、ライナー材料としては、SUS316L を用いる こととした。 ・タンクライナーに適応した材料の調査(住金機工) 現有設備であるウェスティン成形機とスピニング成形機を使用して、成形性の検討をするためクロ モリ鋼と SUS304 による試作を実施した結果、タンクライナーを製作する上で問題が無いことを確認 した。その結果をうけて、バースト試験およびサイクル試験用検体を SUS316L を用いて製作した。 ・ブレイディング構造および弁ユニットに最適なタンクライナーの検討(住金機工) ブレイディング構造に適したタンクライナーの絞り部の形状や肉厚等の設計検討および構造解析 を行ない、先端を先細りさせた形状にするとともに環状の突起部を形成したタンクライナーを試作し た。また弁ユニットとの接続にフランジ接合法を可能にする肉厚を要した形状の成形ができた。これ らの結果を検証するためにバースト試験を実施し、良好な結果を得た。今年度末にかけて、接合部の 耐久性・信頼性確認および容器本体の強度確認のためのバースト試験およびサイクル試験を実施する。 111.

(20) ・強化複合材の材料検討(村田機械) 強化層にかかる応力は引張応力が主となることから、短冊形試験片を製作し、引張試験を実施した。 試験は、強化繊維に二種類のカーボン繊維(東レ製. トレカ T800S およびトレカ T1000G)を用いて配. 向角度、配向割合および繊維特性の影響による基本材料特性値の取得を行なった。そのデータをベー スに、有限要素法を用いた構造解析を実施し、構造強度計算上有効な強化繊維として T800S を、また マトリックスはエポキシ樹脂を選定した。また使用する繊維の形態において、原糸そのままのドライ 繊維と予め樹脂加工してあるプリプレグ繊維の比較検討を行なった。その結果、プリプレグ繊維を用 いた場合について下記の知見を得た。 ・樹脂によるタック性の影響で各繊維に付与されるテンションが不安定となり、製織速度を遅くせ ざるをえなくなる。 ・材料自体の使用期限も短く、また保管環境も限定されるため管理コストが高くなる。 これらを勘案し、品質の安定化や低コスト化を図るうえからドライ繊維を選択し、プリフォームへの 樹脂含浸および硬化工程の技術確立のための成形試作を実施した。図 M1 に試作した成形品の断面写 真を示す。最終成形品の性能に支障をきたす樹脂未含浸やボイド等の問題がないことを確認した。. 周方向断面. 軸方向断面. 【図 M1 試作成形品断面写真】 ・最適製織条件の検討(村田機械) 実験結果とカタログ値から算出した計算値を基に、有限要素法を用いて強化層の繊維配向角度、必 要厚さの検討・解析を以下の手順で行った。 ①複合則により繊維方向および繊維と直角方向のヤング率とポアソン比を求めた。 ②各位置での繊維の配向角度および配向比率を算出し、積層板理論により等価弾性係数を求めた。 ③求めた等価弾性係数を使用してタンクの有限要素法解析を行ない、周方向および軸方向の応力分 布および歪分布を求めた。 ④実験結果により得られた破断歪を閾値として、タンク破裂圧力を予測し必要な肉厚を算出した。 その結果を基に容器本体を製作し、解析結果検証のためのバースト試験を行ない、周方向繊維破断歪 値および軸方向繊維破断歪値を取得した。試験では試験体の所定の個所に歪ゲージを添付し、各個所 での歪とタンク内圧の関係を取得し、解析により得られた歪−タンク内圧の関係と比較評価した。図 112.

(21) M2 にバースト試験により取得した CFRP 層最内層の周方向歪および軸方向歪の測定値とタンク内圧の 関係、解析により求めた歪−タンク内圧の関係を示す。測定値でデータ数が複数あるのは周方向に異 なる位置で測定したものである。これら測定値と解析値との比較から分かるように、解析結果検証で は実験値との一致を得た。また加圧サイクル特性を考慮した解析を実施した結果、SUS 材をライナー 全てに用いることは軽量化を図るために適当でないと判断し、今後の検討課題とした。今年度末まで に加圧サイクル試験を実施し、解析結果との検証を実施する。 18000. 10000. 実験値 周方向歪①. 16000. 実験値 周方向歪②. 実験値 軸方向歪①. 8000. 14000. 実験値 周方向歪③. 実験値 軸方向歪② 6000. 解析値 周方向歪. 10000. 歪[μstrain]. 歪[μstrain]. 12000. 8000 6000. 解析値 軸方向歪 4000. 2000. 4000 2000. 0 0 -2000. 0 0. 20. 40. 60. 80. 100. 120. 20. 40. 60. 80. 100. 120. 140. 140 -2000. タンク内圧[MPa]. タンク内圧[MPa]. (左)周方向歪と内圧の関係. (右)軸方向歪と内圧関係. 【図 M2 破裂試験測定結果および解析結果】 ・成形硬化方法の検討および確認試験の実施(村田機械) 成形硬化方法の検討と成形試作を実施し、原糸を用いた場合のオープンモールド方式とプリプレグ 繊維を用いた場合の成形方法の比較評価を行ない、オープンモールド方式を選択した。オープンモー ルド成形においては、樹脂の選定や成形条件の見直しを実施し、最適な成形条件を得た。その結果に 基づき、今年度末までには、オープンモールド方式を基本とした量産成形技術(金型を用いる RTM 方 法)を確立する。 ・製織用および成形用設備の詳細設計および製作(村田機械) 最適製織条件を実現するための牽引装置と絞り装置を詳細設計し、製作した。またその製織性の確 認のため、カーボン繊維を用いてブレイドプリフォームの作製検討を実施した。その結果、著しい繊 維配列の乱れや切断、繊維の損傷は無く、良好なプリフォームを得られることが確認できた。また将 来の量産化を考慮した製織用設備の基本設計を実施し、カーボン繊維製織用キャリアおよび中央糸ア ダプターを設計・製作し、その基本性能を確認するとともに、製織工程のプログラム化によるプリフ ォームの再現性を確認することができた。今年度末までに、一体当り製織時間 20 分を実現できる連 続製織システムの基本コンセプトを構築する。成形用設備においては RTM 成形手法を検討し、成形用 設備の基本設計と 1/3 モデルでの検討試作を行ない、成形条件の確認を行なった。 今年度末までには、 成形用設備を設計・製作する。 ・製織構造確認のための試作と構造設計確認試験用検体の製作(村田機械) 113.

(22) ブレイディング構造確認のための容器形状の検討・試作を実施した。今年度末まで試作評価を続け、 強化層の弾性率や繊維破断伸びを計測し取得する。また設計データ取得および設計確認を目的とした バースト試験やサイクル試験を実施するための試験用検体の製作を行なう。 ・タンクシステム(弁ユニット)の仕様検討(ネリキ) 70MPa タンクシステムにおいて、モジュール化した容器元弁(安全弁付属) 、高圧減圧弁(二次側安 全付属)及び充填側逆止弁、主止弁を一体化し、容器元弁廻りの配管を不要とする弁ユニット(図 1) を開発する。さらに燃料電池スタック側の配管設計を低圧化することで、安全性を実現する。. 上面図. 側面図. 車載用水素燃料タンクシステム回路 【図 1】. ・複合タンクと弁ユニットとの接合方法の研究及び試験評価(ネリキ) 従来技術の大口径ネジ接合方法(例えば 2inch-12UNF ネジ)による 70MPa 時の解析を行なった。こ の接合方法ではシール部の受圧面積が広く、ネジ強度上噛合い長さを長く取る必要がある(アルミラ イナーでは約 23 山) 。ネジ加工精度などを考慮すれば、ネジに対する負荷応力は総ネジに均等に加わ らず、一部のネジにその応力は集中することが考えられ、ネジ強度および変形によるシール部ひずみ が大きくなることが予想される。 これら強度、シール信頼性の向上を解決するため、シール部受圧面積の小口径化(口径 12mm)を図 り、また接続にはフランジ形状(図 1)を用い、⊿リングと O リングの組合せによる高圧シール構造 を採用し、シール性能を向上させた。このシール構造を用いた弁ユニットにて、バースト試験を実施 し、134MPa までの圧力においてシール性能が保持できることを確認した。 今年度末までには、実験ユニットを用いての接続部シール最大圧力の確認および容器本体と接合して の耐圧試験数を増やし、シール部の信頼性を確認する。 ・シール構造の研究及び試験評価(ネリキ) 最適シール構造ならびにシール素材の検討のため、⊿リングと O リングの組合せ構造(図 2)にて FKM、EPDM、HNBR、IIR の 4 種類の材質によるリークレート比較試験を実施した。70MPa での He によ る透過量を図 3 に、1.4MPa の低圧での He 透過量を図 4 に示す。なお、各弁ユニット高圧シール部に. 114.

(23) おける材料選定については、機能性能確認(耐久性能等)を実施し、透過量、機能性における素材の 適合性を総合的に評価し決定を行なう。また今年度末までに固定シール部の常温繰返し耐久試験(機 械式)を実施する。. 部品構成 1:Oリング 2:バックアップリング 3:⊿リング. 【図 2】. リークレート(atm cc/sec). リークレート(圧力70MPa) 1.0E-04 1.0E-05 FKM HNBR IIR EPDM. 1.0E-06 1.0E-07 1.0E-08 1.0E-09 0. 5. 10. 15. 20. 25. 経過時間(Hr). 【図 3】. リークレート(圧力1.4MPa) リークレート(atm cc/sec). 1.0E-04 1.0E-05 1.0E-06. FKM HNBR IIR EPDM. 1.0E-07 1.0E-08 1.0E-09 0. 5. 10. 15. 経過時間(Hr). 【図 4】. 115. 20. 25.

(24) ・高圧減圧弁の研究及び試験評価(ネリキ) 70MPa 減圧弁開発において、水素ガスの代替として He ガスを用い各種計測を行った。流量特性の計 測では He ガスでの計測値を基に水素換算を行なうため各種ガスによる流量比較試験を実施し、 (図 5) 、 この結果を基に水素ガス換算値(水素への換算は、N2 の場合約 4 倍、He の場合約 1.6 倍)を算出し た。最大流量(600NL/min:水素)及び、減圧値(減圧圧力 0.8MPa)等の開発基本仕様に基づき、基 本性能を計測した。 (図 6、7)。その結果、設計値より若干流量が少なく、減圧値も小さい結果となっ た。流量、減圧値が設計値から外れている要因としては減圧後のガス温度に影響されていると考えら れるため、減圧後のガス温度を測定した(図 8) 。窒素ガスでは温度は下降、He ガスでは逆に上昇し、 1次圧力 70MPa では約 30℃上昇することがわかった。水素ガスについても He ガスと同様の挙動を示 すと考えられ、対策については今後の課題である。 この減圧弁は弁ユニットへモジュール化して収納するため、小型軽量型が必要不可欠である。現在 の減圧弁モジュール試作品は約 450g であり、今後も軽量化のための検討を続けていく。その他の検 討課題として、弁座部のシール性の向上(微小漏れによる減圧特性の不良)、耐久性能の確認等が挙 げられる。今年度末までには導入した耐久試験装置を用い、常温でのガス放出繰返し試験を行ない、 減圧弁の基本性能確認を実施する。. オリフィス-流量の関係 30. 流量(NL/min). 25 20 水素 窒素 ヘリウム. 15 10 5 0 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. オリフィス径(mm). 【図 5】. 116. 0.5. 0.6.

(25) 流量(NL/min). 1次圧力-流量の関係 水素ガス(換算値) 800 700 600 500 400 300 200 100 0. 水素ガス (換算値) Heガス. 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 1次圧力(MPa). 【図 6】. 1次圧力ー2次圧力の関係 使用ガス:He. 実験値 仕様の上限. 2次圧力(MPa). 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 1次圧力(MPa). 【図 7】 減圧弁出口ガス温度 使用ガス、流量:He:流量300NL/min及び、N2:流量100NL/min 圧力:70、50、20MPaの各圧力. 60. ガス温度(℃). 50 40. 70MPa,He 50MPa,He 20MPa,He 70MPa,N2 50MPa,N2 20MPa,N2. 30 20 10 0 0. 5. 10. 15. 20. 経過時間(S). 【図 8】. 117. 25. 30. 35.

(26) ・容器元弁の研究及び試験評価(ネリキ) 70MPa の水素ガスを 50L 容器へ 2 分間で充てんすることを基本仕様に定め、基礎性能検証試験を実 施した。まず静的シール特性として、-20℃∼+85℃の温度環境下においては、70MPa 加圧時、ヘリウ ム加圧真空法においても透過量が 1.0×10-5 atm cc/sec 以下であることを確認した(図 9) 。また、 70MPa 時における元弁ハンドルの操作性においても、3000 回の開閉試験を行ない、漏れが発生せず、 操作トルクも変動しないことを確認した(図 10)。今年度末までには、低温環境(-40℃)下での試験 評価を実施する。. 温度環境下での 漏れ量変化. リークレート(atm cc/sec). 1.0E-02 1.0E-03 1.0E-04 1.0E-05. 85℃ / 86MPa. 1.0E-06 -20℃ / 63MPa. 1.0E-07. 常温 / 70MPa. 1.0E-08 1.0E-09 50. 60. 70. 80. 90. 圧力(MPa). 【図 9】. ハンドル開閉回数とハンドル操作トルクの変動 圧力70MPa ヘリウムガス封入状態. ハンドル操作トルク(N-m). 3.0 2.5 ハンドル閉方向 操作トルク. 2.0 1.5. ハンドル開方向 操作トルク. 1.0 0.5 0.0 0. 500. 1000. 1500. 2000. 2500. 3000. 3500. ハンドル開閉回数(回). 【図 10】 ・逆止弁の研究および試験評価(ネリキ) 70MPa 対応逆止弁開発について、低圧域から 70MPa までの圧力下における逆止弁の強度およびシー ル性能の保持を行なうための最適設計を見出す目的で、35MPa、70MPa と圧力を段階的に上げ開発を行 118.

(27) なっている。35MPa 対応逆止弁の基本設計を行ない基本性能確認のため試験体を製作し、1MPa から 35MPa の圧力域でシール性能を確認した。また、最終目標である 70MPa 対応逆止弁については、35MPa 逆止弁構造を基に設計・試作を行ない、今年度末までには 70MPa 対応逆止弁の性能を確認する。 ・低圧減圧弁の研究及び試験評価(ネリキ) 低圧減圧弁の開発において、自動車メーカーへのヒヤリングを行ない基本仕様として ・最大流量. : 1200NL/min. ・減圧弁出口圧力 : 0.2MPa を決定した。 ・容器主止弁の研究(ネリキ) 自動車メーカーへのヒヤリング、既存 CNG 自動車の仕様等を基に容器主止弁の基本仕様として ・電磁弁による ON-OFF 弁 ・最大流量 600NL/min を決定した。また、電磁弁と FC 自動車の電気制御系統等とのマッチングを調査し、今年度末までに は基本仕様を決定する。 ・弁ユニットの試作(ネリキ) 弁ユニットを試作し、バースト試験において 134MPa の圧力までシール性能を保持することを確認 した。 ・安全弁の研究(ネリキ) 70MPa 対応安全弁開発について、構成要素である可溶合金の高圧によるはみ出しとシール性能等の 問題を解決するために 35MPa、70MPa と圧力を段階的に上げ開発を行なっている。弊社 PRD-1 対応安 全弁(25MPa 対応)を基に、 35MPa 対応安全弁を製作し、ISO15500 に基づく加速寿命試験(試験圧 45.5MPa 加圧、93.5℃にて 500 時間保持)を実施し、適合した安全弁であることを確認した。また、70MPa 対応 安全弁については 35MPa 安全弁を基に、基本設計および試作品製作を行ない、性能を確認する。 ・試験設備の整備・設置(ネリキ) 70MPa 弁ユニット開発に伴い、試験設備の整備と高圧減圧弁等を、高圧でのガス供給にて耐久性能 確認を行なう為の耐久試験装置の設置、ならびに流量性能の計測を行なう為の流量計の設置を行った (図 11)。. 119.

(28) 【図 11】. 2.研究開発項目毎の成果 (1)研究発表・講演(口頭発表も含む) 発表年月日 2003年11月04日. 発表媒体 NEDOフォーラム. 発表タイトル 70MPa車載用水素タンクシステムの開発. 発表者 4社合同 (パネル展示). 2004年01月23日. 日本エルピーガス 水素ステーションの現状(蓄圧器への応用) 岩谷産業 深田 プラント協会. 2004年03月16日. 環境・エネルギー 京都の伝統技術(組紐技術)を活かした燃料 村田機械 林 総合シンポジウム 電池車用タンクシステムの開発. (2)特許等 出願日. 受付番号. 出願に係る特許等の標題. 出願人 村田機械. 2003年12月08日. 特願2003-409027. 圧力容器. 2003年06月04日. 特願2003-159165. ガス容器及びガス容器用バルブ装置並びに ネリキ ガス容器とバルブ装置の接続構造. 2003年11月13日. 特願2003-384133. ガス容器及びガス容器用バルブ装置並びに ネリキ ガス容器とバルブ装置の接続構造. 2004年09月29日. 特願2004-283231. ガス容器とバルブ接続構造. ※特願 2003-384133 は、特願 2003-159165 出願に基づく優先権主張による出願. 120. ネリキ.

(29) 3.その他特記事項 (1)成果普及の努力(プレス発表等) 読売新聞. 2003 年 06 月 10 日. 朝刊掲載. 京都新聞. 2003 年 08 月 01 日. 朝刊掲載. 朝日新聞. 2004 年 02 月 02 日. 朝刊掲載. テレビ東京 2003 年 09 月 14 日. TV放映「賢者のマネー」. 経済産業省公報誌(近畿版)寄稿. 平成 16 年新春号掲載. Ⅳ.実用化、事業化の見通しについて 1.実用化、事業化の見通し ・実用化時期: 世界における燃料電池自動車(以下 FCV)の開発では、日本が一歩先んじている。現在主流となっ ている水素燃料を高圧圧縮水素で搭載する方式ではより高圧化が求められ、対応する車載用燃料容器 及び、弁類等の開発が必要となっている。しかしながら、この分野での研究開発は、海外に遅れをと っているのが実情と思われる。 今回の研究開発では、平成 17 年度以降から試作タンクの提供を行ないながら、平成 19 年度末まで に 70MPa車載用水素燃料タンクシステムとしての認可取得を目標に掲げているが、可能であれば前倒 し、より早い時期に国産技術による実用化を図ることとする。 ・実用化計画および能力: 実用化時の製品供給については、本研究開発と並行して関係者により事業化計画を立案するが、認 可取得後は周辺のニーズに対応し、速やかな供給が行なえるように準備する。政府が掲げる FCV の導 入目標(2020 年、500 万台)に基づくと、当面の主流と考えられる高圧圧縮水素方式の FCV もかなり の台数と考えられ、車載用燃料水素タンクを含む燃料供給システムは、安全性と量産が可能な技術が 必須条件となる。本研究で開発する弁ユニットと容器本体との接続方法は、ガス漏洩に対する信頼性 を高める。またブレイディング法による量産化技術が有効性を発揮し、特に長尺容器の製造が容易と なり、トラック・バスを含めた FCV の普及に大きく貢献できるものと考える。 ・実用化に向けての自動車メーカーとの連携: 本研究開発の対象である車載用燃料水素タンクを含む燃料供給システムの実用化には要素技術を 有するメーカー群と専門技術の知見をもつユーザーたる自動車メーカーとの連携が不可欠であり、技 術開発にあたっては自動車メーカー等との協力体制を維持している。 ・技術波及性: 70MPa 実用化時には、水素供給インフラである水素供給ステーションに 80MPa 以上の貯蔵能力が求 められる。本研究で開発した技術は、主要構成設備として現在用いられている長尺蓄圧器の高圧化、 軽量化の実現を可能とするとともに、高圧ガス、特に水素ガス輸送用容器への活用につながるものと 確信している。. 121.

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