平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書
平成28年7月
目 次
第1 はじめに ··· 1 第2 平成28年度東京都立高等学校入学者選抜状況 ··· 2 第3 平成28年度東京都立高等学校入学者選抜の検証・検討 ··· 4 1 推薦に基づく選抜の改善 ··· 4 (1) 推薦に基づく選抜全般 ··· 4 (2) 集団討論・個人面接 ··· 6 (3) 小論文・作文 ··· 8 (4) 実技検査 ··· 9 (5) 文化・スポーツ等特別推薦 ··· 10 (6) 平成29年度入学者選抜以降の基本的な考え方 ··· 12 2 学力検査に基づく選抜の改善 ··· 12 (1) 学力検査の教科数及び学力検査の得点と調査書点の比率等の変更 ··· 13 (2) 制度変更による応募状況等への影響 ··· 14 (3) 分割募集 ··· 20 (4) 男女別定員制の緩和 ··· 22 (5) 一般の学力検査における外国籍の者の受検についての措置 ··· 23 3 その他の制度 ··· 26 (1) 学力検査問題のグループ作成 ··· 26 (2) 学力検査等得点の本人への開示 ··· 32 (3) 答案の本人への開示 ··· 35 (4) 都立高等学校入学者選抜における不登校・中途退学対策の在り方 ··· 37 第4 おわりに ··· 41 参考資料 1 平成28年度東京都立高等学校入学者選抜状況 ··· 42 2 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会 設置要綱 ··· 43 3 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会 委員名簿 ··· 44 4 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会 特別部会委員名簿 ··· 45 5 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会審議経過 ··· 46 ※ 本文中のグラフは、小数第2位の四捨五入の処理により合計が必ずしも 100.0%にならない。第1 はじめに 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会(以下「本委員会」という。)は、平成28年 度入学者選抜の検証を行う中で、これまでに導入してきた様々な入学者選抜方法の成果と課題を明らか にするとともに、平成29年度入学者選抜以降の改善策等を検討することを目的として設置したもので ある。 平成28年5月9日に本委員会第1回を開催し、計5回にわたって慎重に審議を行った結果、以下のとお り報告をまとめた。また、本委員会第1回については、平成28年度入学者選抜において実施した、 マークシート方式による学力検査に基づく選抜の効果検証、改善点について各委員から意見聴取をす る機会とした。 なお、平成28年度入学者選抜において改善を行った「一般の学力検査における外国籍の者の受検 についての措置」については、受検人員や合格人員の状況だけでなく、入学後の生徒の学習や生活の 実態等も踏まえて詳細に検証・検討を行うため、本委員会に特別部会を設置することとした。今後、 特別部会を4回にわたって開催して、外国籍の者の受検についての措置の在り方等についての方向性 を明らかにし、その内容を平成29年1月(予定)に改めて開催する本委員会第6回において、報告 することを確認した。
第2 平成28年度東京都立高等学校入学者選抜状況 平成28年度入学者選抜は、全日制高等学校173校、定時制高等学校55校、通信制高等学校3 校で実施した。 推薦に基づく選抜、第一次募集・分割前期募集、分割後期募集・第二次募集の概況及び総括は、以 下のとおりである。 1 推薦に基づく選抜 平成28年度入学者選抜における推薦に基づく選抜は、全日制高等学校173校中167校(島しょ の6校は実施せず。)、定時制高等学校1校において実施した。 昨年度に比べ、全日制高等学校の推薦に基づく選抜の募集人員は55人増加し、受検人員は 582人減少した。受検倍率は3.03倍となり、昨年度に比べ0.08ポイント下降した。 2 第一次募集・分割前期募集 全日制高等学校の最終応募倍率は1.51倍で、昨年度に比べ0.01ポイント上昇した。受検倍率 は1.43倍であり、昨年度に比べ0.02ポイント上昇した。学区制度を廃止した平成15年度入 学者選抜以降、最終応募倍率は4番目に、受検倍率は3番目に高い値であった。また、不受検率は 5.3%となり、単独選抜が導入された平成6年度入学者選抜以降、最も低い値となった。 なお、合格者の入学手続辞退率は0.49%となり、昨年度に比べ0.02ポイント上昇した。 入学者選抜年度 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 全日制受検倍率 2.95 3.25 2.61 2.63 2.63 2.79 2.86 2.87 2.76 3.42 3.25 3.13 入学者選抜年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 全日制受検倍率 3.05 2.98 2.88 2.94 3.03 2.91 2.88 3.21 3.23 3.11 3.03 入学者選抜年度 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 最終応募倍率 1.47 1.56 1.54 1.51 1.50 1.50 1.45 1.43 1.42 1.45 1.44 1.42 入学者選抜年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 最終応募倍率 1.42 1.43 1.45 1.50 1.53 1.52 1.53 1.51 1.50 1.50 1.51
3 分割後期募集・第二次募集 全日制高等学校の募集人員1,228人(分割後期募集846人を含む。)に対し、1, 4 2 5 人 が受検した。受検倍率は1.16倍であり、昨年度に比べ0.02ポイント下降した。 入学者選抜年度 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 全日制受検倍率 1.93 4.36 3.62 3.40 2.89 3.41 2.74 2.21 2.01 1.68 2.00 1.83 入学者選抜年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 全日制受検倍率 1.51 1.47 1.50 1.70 1.87 1.46 1.44 1.48 1.33 1.18 1.16 以上、平成28年度東京都立高等学校入学者選抜状況を総括すると、最終応募倍率及び受検倍率 は高水準を保っていること、不受検率及び入学手続辞退率も引き続き低水準で推移していることか ら、受検者や都民の都立高等学校に対する期待は依然として高いと言える。 入学者選抜年度 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 全日制受検倍率 1.14 1.24 1.25 1.22 1.24 1.27 1.27 1.26 1.26 1.33 1.33 1.32 入学者選抜年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 全日制受検倍率 1.32 1.33 1.35 1.41 1.44 1.43 1.44 1.43 1.42 1.41 1.43 入学者選抜年度 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 不受検率(%) 21.9 20.3 18.9 19.1 17.5 15.3 12.5 11.8 11.1 8.6 7.9 7.4 入学手続辞退率(%) 4.5 3.4 3.8 2.8 2.2 2.0 1.9 1.7 1.6 1.3 1.22 1.28 入学者選抜年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 不受検率(%) 7.3 7.2 6.9 6.2 6.2 6.2 6.2 6.3 5.4 5.6 5.3 入学手続辞退率(%) 1.17 1.22 1.22 0.95 0.97 0.9 0.78 0.72 0.47 0.47 0.49
第3 平成28年度東京都立高等学校入学者選抜の検証・検討 本委員会では、平成28年度入学者選抜において実施した入学者選抜方法について検証し、平成29年度入学 者選抜以降における改善策等について検討した。 1 推薦に基づく選抜の改善 (1) 推薦に基づく選抜全般 平成28年度入学者選抜においては、全日制課程の高等学校の167校、定時制課程では新宿山吹高等学 校の1校、合計168校が推薦に基づく選抜を実施した。 推薦に基づく選抜の審議を行うに当たり、平成25年度入学者選抜から改善を図った選抜方法の趣旨の徹 底が図られているかなど、推薦に基づく選抜全般について検証を行った。 ア 高等学校長対象アンケート調査結果(回答数168) (ア) 入学者選抜において、推薦に基づく選抜の目的を達成することができたと思うか。 (イ) (ア)に関する高等学校長の主な意見 47.3% 34.9% 37.7% 44.9% 56.6% 50.9% 6.6% 5.4% 10.2% 1.2% 3.0% 1.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成28年度 平成27年度 平成26年度 <推薦に基づく選抜の目的> 1 一般推薦 基礎的な学力を前提に、思考力、判断力、表現力等の課題を解決するための力や、自分の考えを相手 に的確に伝えるとともに、相手の考えを的確に捉え人間関係を構築するためのコミュニケーション能力 など、これからの社会にあって生徒たちに必要となる力を評価し、選抜する。 2 文化・スポーツ等特別推薦 各都立高等学校の個性化・特色化を推進するため、卓越した能力をもつ生徒の力を評価し、選抜する。 ○ 集団討論・個人面接、作文を通して、受検者の自分の考えを相手に的確に伝える力やコミュニ ケーション能力などを総合的に評価し、選抜することができた。 ○ 毎年、様々な工夫・改善を積み重ねることで、受検者の学習経験に基づいたコミュニケーショ ン能力や、思考力、判断力、表現力を評価する検査になってきている。 ○ 集団討論・個人面接の評価方法をより適切なものとし、さらに評価する側の評価基準が一定と なるよう、校内での研修会等を通じて徹底していくことが大切と考える。 ○ 現在、総合成績に占める調査書点の割合の上限は50%に抑えられている。一般推薦の目的に あるように、基礎的な学力を前提に、思考力や判断力等を評価するのであるからこそ、集団討論 や小論文などのテーマを一層工夫しないと、真に実力のある生徒の確保につながらないと考える。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
(ウ) 推薦に基づく選抜で入学した生徒の様子に関する高等学校長の主な意見 イ 中学校長対象アンケート調査結果(回答数53) (ア) 一般推薦の改善と、これに伴う自校における指導の工夫により、生徒に変化はあったか。 (イ) (ア)に関する中学校長の主な意見 (ウ) 推薦に基づく選抜の目的を踏まえて、今後、進路指導や学習指導等において工夫する点に関する中学 校長の主な意見 17.3% 9.6% 4.0% 40.4% 44.0% 18.0% 36.5% 38.5% 50.0% 5.8% 7.7% 28.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成28年度 平成27年度 平成26年度 ○ 生徒の思考力等を高めるために、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業の実践を推進し、 自分の考えや意見を正しく相手に伝える表現活動を充実させる。 ○ キャリア教育の視点から、「自己理解・自己管理能力」、「キャリアプランニング能力」を身に付 けさせる指導を積み重ねる。 ○ 自分の意見を論理的に述べ、意見の異なる相手との話し合いの進め方の指導を継続する。 ○ 学校生活に意欲的であり、クラスの雰囲気を盛り上げている。また、次世代リーダー育成道場 等、学校外の教育活動にも興味・関心をもつ者が多い。 ○ 学習活動だけでなく、部活動をはじめとした特別活動においても、推薦に基づく選抜の合格者 の方が、意識が高い傾向がある。 ○ 推薦に基づく選抜で入学した生徒は、成績上位者と下位者の二層に分かれることが多い。学力 の面で不安がある生徒の場合、進級や卒業が危ぶまれることもある。 ○ 推薦に基づく選抜で入学した生徒の中には、学力検査に基づく選抜で入学した生徒と比べて学 習への取組に対する熱心さに欠ける生徒もおり、学習の進度についてこられないことがある。 ○ 集団討論等、新しい選抜方法の定着により、普段の学習活動の中でも、自分の考えを積極的に 伝えようとする生徒の意欲を高めることにつながっている。 ○ 日頃の学習指導の中でも、集団討論等の実践的な指導を計画的に行うことで、生徒がどのよう にすれば自分の考えや意見、良さなどが相手に伝わるかを考え、実践できるようになった。 ○ アクティブ・ラーニングが本格的に導入される中、生徒同士が互いに自身の考えをぶつけ合い ながら課題解決能力を高めていく活動を取り入れることが求められており、実践を始めている。 その成果が都立高等学校の入学者選抜で評価されるのは良いことだと考える。 ○ 集団討論や作文など、準備しなければならないことが増えることから、学力検査に基づく選抜 の準備に支障があると考えて、推薦に基づく選抜の受検を避ける生徒が増える傾向にある。 ○ 集団討論・個人面接がどのように評価されているのか、観点だけでは分かりにくい部分があり、 不安な面がある。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
審議の過程で、保護者からは「推薦に基づく選抜は、趣旨に沿った選抜へと改善が進んでいると考える。 大学入試においても、推薦に基づく選抜で評価しているコミュニケーション能力や表現力等を重視してきて いる。実施に当たり、様々な課題はあると思うが、継続してほしい。」という意見があった。 外部有識者からは「推薦に基づく選抜で入学した生徒の入学後の状況について十分に検証できていない。 入学後の成績や卒業後の進路等の分析を行い、現行の推薦に基づく選抜が機能しているかを検証する必要が ある。」という意見があった。その他、「推薦に基づく選抜は受検者の意欲や表現力等をきめ細かく評価する ことはできている。一方、ここ数年、入学者選抜方法を分かりやすくする方向で改善が進んだことから、入 学者選抜において学校の個性や特色を出しにくいという状況が生じている。そのため、都教育委員会の施策 として特色ある取組を行っている学校については、推薦に基づく選抜における募集人員の上限を例外的に増 やすことを検討してもよいのではないか。」という意見があった。 本委員会では、推薦に基づく選抜の成果と課題を検証・検討するため、以下の各検査項目について、更に 検証した。 (2) 集団討論・個人面接 平成28年度推薦に基づく選抜において集団討論を実施した高等学校は163校、個人面接を実施した高 等学校は168校であった。 集団討論については、昨年度開催された平成28年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会において、 「分かりやすく簡単に結論を導くことができるテーマや抽象的で考えを出しにくいテーマでは活発な討論 にはならないだけでなく、論理的思考力など集団討論の中で評価すべき力を適切にみることはできない。そ のため、受検者の実態を踏まえつつ、一層工夫する必要がある。」と報告されており、本年度はその点につ いて検証を行った。 ア 集団討論の実施状況 (ア) 集団討論のテーマ設定について、昨年度の実態を踏まえ工夫したか。 (イ) 集団討論はどのような状況だったか。 64.7% 35.3% 41.5% 38.9% 57.9% 60.5% 0.6% 0.6% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成28年度 平成27年度 工夫した。 工夫していない。 どのグループも活発に活動できた。 活発に討論できたグループとそうでないグループがあった。 どのグループも活発に活動できなかった。
イ 集団討論のテーマ 推薦に基づく選抜における集団討論の目的は、次のように規定されている。 アンケートの結果、64.7%の高等学校が集団討論のテーマ設定の工夫をしていると回答したにもかか わらず、活発に討論ができたグループの割合は昨年度と比べてあまり増えていないことが分かった。これを 受けて本委員会では、昨年度と同様、高等学校長が捉えている集団討論の状況とテーマとの関連について着 目して検討した。具体的には、高等学校長が、「全体として活発で、より掘り下げた討論が行われ、受検者の 力を十分に評価できた。」と回答した学校のテーマと、「掘り下げた討論まで発展しなかったことから、今後、 テーマの設定に改善が必要である。」と回答した学校のテーマを比較した。 前者の例としては、次のようなテーマが設定された。 また、後者の例としては、次のようなテーマが設定された。 ウ 高等学校長対象アンケート調査結果における主な意見 <集団討論の目的> 与えられたテーマについて自分の考えを明確に述べることができるか、受検者が協力して一つのテー マに関して論理的に討論を行い妥当な結論を導くことができるか等を確認することを通して、個人面接 では把握しにくい、受検者のコミュニケーション能力、思考力・判断力・表現力、積極性及び協調性、 バランス感覚や傾聴力などを評価する。 皆さんは、本校第1学年の同じクラスの生徒です。今度、アメリカから一人の高校生が、このク ラスで1週間の体験留学をすることになりました。そこで、ホームルームでどのような歓迎会をす るか、皆さんで考えて決めてください。 あなたは、伝統文化についてどう考えますか。 美化意識をもつためにはどのようなことが必要だと考えますか。 ○ 集団討論及び小論文については、毎年、テーマについて様々な工夫・改善を積み重ねることで、 受検者の学習経験に基づいたコミュニケーション能力や、思考力、判断力、表現力を評価する検査 になってきている。 ○ 集団討論では、グループによって討論が活発にならなかったことに加え、質的にも差が生じてし まった点が課題であると考える。 ○ 真面目で学習意欲も高いが、集団討論の中で自身の考えを表現することが得意でない受検者もい る。内に秘めた考えを個人面接の中で評価できるよう、評価方法の更なる改善を図るとともに、教 員の力量を向上させていくことが大切である。
エ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 審議の過程で、高等学校からは「集団討論を通して、受検者の思考力・判断力・表現力を評価すること については、各高等学校で改善を重ねて精度を高めている。」、「集団討論の実施に当たっては、提示した資 料について自身の考えをもたせ、データを踏まえた上で自分の意見を発言させるという形式としたことに より、受検者の思考力、コミュニケーション能力等を評価することができた。」、「推薦に基づく選抜の目的 にある、『基礎的な学力を前提に』という部分の共通認識が十分でないことが課題である。」という意見が あった。一方で、「テーマを工夫しても、受検者の実態によっては集団討論を成立させること自体が困難な 学校もある。」、「工夫を重ねても受検者の意見が出にくい学校では、面接担当者が討論を主導する形式とし、 受検者を指名して発言を促すことになる。それが、受検者に『集団面接のようだった。』という印象を与え ているのではないか。」という意見もあった。 中学校からは「中学校では学習指導要領に基づき、どの教科でも言語活動の充実に取り組んでいる。こ れが集団討論にもつながっていると考える。」という意見や、「集団討論のテーマは、受検者にとって具体 的なものであると意見が言いやすく、議論も深まりやすい。」、「スマートフォン等によるSNS(ソーシャ ル・ネットワーキング・サービス)の利用をテーマにしている学校があった。スマートフォンを持ってい ることが前提とされており、持っていない生徒は明らかに不利である。受検者の状況によって有利不利が 生じるようなテーマは避けるべきである。」という意見があった。 (3) 小論文・作文 ア 小論文・作文実施校 平成28年度推薦に基づく選抜において小論文を実施した高等学校は30校、作文を実施した高等学校 は124校であった。 イ 高等学校長対象アンケート調査結果 69.4% 30.6% 46.7% 53.3% (ア) 小論文のテーマについて、昨年度の実績を踏 まえ、工夫したか。 (イ) 作文のテーマについて、昨年度の実績を踏まえ、工夫したか。 工夫した。 工夫していない。 ○ 集団討論のテーマは、各高等学校において相当工夫する必要がある。受検者にとって具体的なテー マであれば、意見が言いやすく、議論も深まりやすい。漠然としたテーマでは、議論が深まりにくく なるのは当然である。 ○ 受検者一人一人のコミュニケーション能力等をしっかりと評価することができるよう、どのような 姿が見られたら良いのかなど、高等学校の教員同士で研さんを積んでほしい。 ○ 集団討論を主導する面接担当者が、受検者一人一人に質問して順番に答えさせるだけで終わってし まうなど、集団面接と変わらない状況になっている学校がいまだにある。 工夫した。 工夫していない。
(ウ) 小論文のテーマ設定の工夫 (エ) 作文のテーマ設定の工夫 (オ) 次年度以降に改善を要する点 ウ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 審議の過程で、中学校からは「学力的に十分とは言えない受検者が推薦に基づく選抜で合格してしまうこ とがあるという声がある。そうならないようにするためにも、小論文・作文を通して思考力等を評価するこ とが大切だと考える。」、「小論文・作文のテーマを見ると、工夫をしている高等学校とそうでない高等学校 とで大きな差があると感じる。各学校において、どのような生徒を選抜したいのかという観点からテーマを 検討したり、設定したテーマが適切であるかについて、シミュレーションをして判断したりするなどの工夫 が必要である。」という意見があった。 (4) 実技検査 ア 実技検査実施校 平成28年度推薦に基づく選抜において実技検査を実施した高等学校は19校であった。 イ 実技検査のテーマ(例) 平成28年度推薦に基づく選抜では、次のような実技検査のテーマが設定された。 ○ 専門学科で学習を行っていく上での適性や基礎的な力をみる課題を設定する。 ・円周上に頂点がある正多角形を描き、頂点を線で結ぶ。 ・指示書や参考図を基にして、工作用紙に展開図を作図し、切り取って立体模型を作製する。 ○ 本校の特色を理解し、高等学校生活を具体的に考えているかどうかを問うテーマ設定となるよう工夫した。 ○ 自分の体験を記入して終わるだけでなく、何を書くことを求められているかが分かるよう、問 題の中で段階を追って明示する形に変更した。 ○ 題意を的確に把握する力と、文章の構成力を評価できるよう工夫した。 ○ 受検者の論理性や表現力を適切に評価できるよう、抽象的なテーマから具体的なテーマに変更 した。 ○ 受検者にとって身近な問題であることに加えて、社会的事象に対する関心についても評価でき るよう、テーマ設定を工夫する。 ○ 入学後の高等学校での生活につながるテーマとなるよう工夫し、受検者が入学してからもテー マを意識して生活をすることができるよう、現在の受検者の考えをしっかりと表現させたい。 ○ 特定の知識や経験がなければ書けないテーマ等、受検者の生活環境や興味・関心に依存したテー マではなく、全ての受検者が書けるようなテーマを設定してほしい。 ○ 各高等学校のホームページに掲載された得点の分布状況を見ると、得点が偏っていて、きめ細か な評価となっていないと感じるものがある。テーマの設定とともに、受検者の評価についても一層 の工夫をお願いしたい。
○ 美術科は鉛筆による素描、舞台表現科は基本姿勢(立つ・歩く)、言葉と身体による表現、台本によ る表現など、科ごとに必要な能力をみる検査を実施する。 ○ 中学校の授業や課外活動又は日常の生活などにおいて興味・関心をもったことについて、タイトル を付けたプレゼンテーションシートを作成する。 ウ 実技検査を実施した高等学校長対象アンケート調査結果(回答数19)おける主な意見 エ 中学校長対象アンケート調査結果おける主な意見 審議の結果、実技検査については、入学後の専門的な学習に必要な力を、適切に評価することができるよ う各学校が適切に検査内容を設定し、実施していくことを確認した。 (5) 文化・スポーツ等特別推薦 平成16年度入学者選抜から、文化・スポーツ等に卓越した能力をもつ生徒の個性を一層伸長させ、併せ て各高等学校の個性化・特色化を推進することを目的として導入した。 平成28年度入学者選抜においては、推薦に基づく選抜の実施校168校中92校で実施し、実施種目数 は41であった。募集人員943人に対し、2,109人が受検した。応募倍率は2.24倍であり、昨年 度より0.02ポイント上昇した。 ア 高等学校長対象アンケート調査結果(回答数92) (ア) 特別推薦は、学校の個性化・特色化につながるか。 91.9% 8.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ○ 実技検査を通して、本校の学習で必要となる基本的な知識や技能の程度を評価し、選抜すること ができる。また、入学後の指導にも役立てることができる。 ○ 実技検査により完成した作品そのものだけでなく、取り組んでいる中で、ものづくりに対する姿 勢や意欲をみることができる。また、カッター、定規、テープ等の使い方をみることで、工業高等 学校で専門的な学習を進めていく上での適性も評価することができた。 ○ プレゼンテーション能力を含め、受検者の力を総合的に評価することができる。 ○ 4年目の実施となり、どのような内容で検査を行うのがふさわしいかが精査されてきた。また、 複数の科があるが、共通の内容の課題を設定することで、各科の受検者の状況を把握することもで きるようになった。 つながる。
つながらない。 ○ 自分の将来を具体的に考えている受検者にとって、本人のもつ能力や適性を生かした進路選択に つながるため、特に専門学科の高等学校については、今後も実技検査は継続してほしい。 ○ 生徒一人一人の個性や能力は様々であり、集団討論・個人面接ではみることができない受検者の 能力を評価することができる検査として実技検査は必要だと考える。
(イ) 特別推薦は、卓越した能力等をもつ生徒を選抜する制度として必要か。 イ 中学校長対象アンケート調査結果(回答数53) 特別推薦は、卓越した能力をもつ受検者の力を評価し選抜する制度として必要か。 ウ 高等学校長対象アンケート調査結果における主な意見 エ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 89.5% 10.5% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 34.0% 43.4% 13.2% 9.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 必要である。
必要ではない。 ○ 特別推薦の合格者はチームの中心人物として活躍しており、部活動の活性化に寄与している。ま た、体育委員や体育祭実行委員として行事に深く関わり、成果を上げている。特別推薦で合格しな かった受検者も一般推薦との併願や、学力検査に基づく選抜で合格し、部活動に積極的に参加して おり、学校の教育活動を充実させる上で不可欠な制度であると感じる。 ○ 特別推薦の合格者には、部活動のみならず学業をはじめ学校生活の全てで中心となることを求め ている。これを特別推薦の合格者が実践することで、学校全体に良い影響を与えている。 ○ 実技検査で高得点を取る受検者の中には、学力に課題がある生徒もいる。入学後、特別推薦の合 格者の学力向上に対して、学校全体で取り組むことが必要である。 ○ 部活動のレベルや入学後の学習内容を理解しないまま受検し、入学後の部活動についていけず、 苦しむ生徒がいる。特別推薦の基準をしっかりと周知する必要もあるが、中学校においても体験入 部や学校説明会への参加を一層促してほしい。 ○ 特定の能力に秀でた生徒には活躍できる場を与え、積極的にその力を評価して伸ばすことは必要だ と思う。学力検査では測ることができない能力を評価し、進路に生かしていく機会は必要だと考える。 ○ スポーツなど、特定の場面で活躍できる人材を育成していくことも教育として大切であり、その 一端を都立高等学校も担っていると思う。 ○ 卓越した能力をもつ受検者の力を評価する点は良いが、入学後の学校生活に十分につなげられて いるかどうかが心配である。入学後、部活動だけでなく学習との両立が大切なことから、十分な学 力が身に付いていない生徒については、学習面での支援をお願いしたい。 ○ 特別推薦の受検希望者にとっては、志願する高等学校の体験入部などへの参加を促している。 しかし、体験入部に当たり、ケガや事故があったときの保険について、事前に十分な説明や手続が なされていないことがあり、とても不安であった。特別推薦を実施する全ての高等学校において、 志願者への周知や対応を徹底してほしい。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
審議の過程で、中学校からは「運動部の体験入部の際に、保険の加入をしていない高等学校がいまだに ある。」という意見があった。高等学校からは「体験入部への参加申込の方法、掛け捨て型保険への1日加 入について改善し、徹底をしていく。」という意見があった。 審議の結果、次の点について本委員会において確認した。文化・スポーツ等特別推薦は、各高等学校の個 性化・特色化に大きく寄与し、教育活動を活性化させるために効果的であり、生徒の優れた能力や意欲等を 評価する制度であることから、引き続き実施する。また、入学後の生徒の状況について、各実施校は今後も 追跡調査を行うとともに検査得点の配点や検査内容について検証し、自校に合った受検者を選抜できる方法 を検討する必要がある。さらに、部活動体験等においては、特に運動部での活動における保険の扱いについ て、全ての高等学校で徹底するとともに、中学生や保護者への事前の周知などの改善を行う。 (6) 平成29年度入学者選抜以降の基本的な考え方 ○ 平成25年度入学者選抜に改善を行った推薦に基づく選抜は、平成28年度入学者選抜において4回目 の実施となり、趣旨の徹底が図られ、中学校において学習指導要領の目標を実現する教育活動を一層推進 することにつながっていることが改めて確認できた。また、平成28年度入学者選抜では、学力検査に基 づく選抜についても大幅な改善が図られ、二つの改善した選抜が初めて同時に実施された年となった。平 成29年度入学者選抜については、これらの選抜方法を継続し、その成果と課題を検証・検討することで 更なる改善を図っていく。 ○ 推薦に基づく選抜における評価方法や評価基準の設定の仕方を検証するとともに、校内研修等の実施を 通して、教員一人一人の評価能力の一層の向上を図る。また、受検者にとってより明確で十分に説明責任 を果たせる選抜方法になるよう一層の工夫を行う。 ○ 受検者の多様な能力を評価し、これからの社会に求められる力を有した受検者や、自校の特色に合致し た受検者をより適切に選抜できるよう、各検査のテーマ設定や内容について一層の工夫と改善を図る。 2 学力検査に基づく選抜の改善 学力検査に基づく選抜については、平成26年1月に公表された「東京都立高等学校入学者選抜検討委員会 報告書」において、平成28年度入学者選抜以降における改善の方向性が、次のとおり示された。 ○ 高等学校入学時に求められる中学校で身に付けるべき「基礎的・基本的な知識・技能」や「課題を解決 するために必要な思考力・判断力・表現力等」を的確にみることができる選抜となるように選抜方法、選 抜尺度の改善を図る。 ○ 選抜の目的が明確に伝わるように、これまで各学校に委ねていた具体的な選抜方法について、課程や学 科等に基づき共通化・簡素化を図るとともに、中学生にとって分かりやすい制度にする。 ○ 学校の設置目的に応じて、適切な選抜方法、選抜尺度となるよう改善を図る。 この方向性に基づき、平成28年度入学者選抜から次のように変更した。
(1) 学力検査の教科数及び学力検査の得点と調査書点の比率等の変更 ア 学力検査の教科、学力検査の得点と調査書点の比率 (ア) 全日制課程 全日制課程の第一次募集・分割前期募集において、原則として、5教科の学力検査を実施すること、 学力検査の得点と調査書点の比率は7:3とすることとした。また、分割後期募集・第二次募集におい ては、原則、全ての高等学校で3教科の学力検査を実施すること、学力検査の得点と調査書点の比率は 6:4とすることとした。 (イ) 定時制課程 定時制課程の第一次募集・分割前期募集において、原則として、5教科の中から3教科を下らない範 囲での学力検査を実施すること、学力検査の得点と調査書点の比率は7:3又は6:4から学校が選択 することとした。また、分割後期募集・第二次募集においては、原則、3教科を実施すること、学力検 査の得点と調査書点の比率は6:4又は5:5から学校が選択することとした。 なお、定時制課程については、第一次募集・分割前期募集、分割後期募集・第二次募集のどちらにお いても、面接を必ず実施することとした。 課程・募集の別 学力検査の教科 学力検査の得点と 調査書点の比率 備考 全日制課程 第一次募集・ 分割前期募集 5教科(国・数・英・社・理) 7:3 分割後期募集・ 第二次募集 3教科(国・数・英) 6:4 定時制課程 昼夜間定時制 課程 第一次募集・ 分割前期募集 5教科(国・数・英・社・理) の中から3教科以上 7:3又は6:4 面接を必ず実施 分割後期募集 3教科(国・数・英) 6:4又は5:5 面接を必ず実施 第二次募集 5教科(国・数・英・社・理) の中から3教科以上 6:4又は5:5 面接を必ず実施 ※ 学校によっては、学力検査に加え、面接、小論文又は作文、実技検査を実施する場合がある。 イ 調査書点の算出方法 調査書点は、学力検査を実施する教科の評定は1倍、学力検査を実施しない教科の評定は2倍して点数 化することとした。 学力検査の教科 1倍 2倍 評定の満点 5教科(国・数・英・社・理) 国・数・英・社・理 音・美・保体・技家 65点 3教科(国・数・英) 国・数・英 社・理・音・美・保体・技家 75点 ウ 特別選考 平成26年1月に公表された「東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」において、中学校で身 に付けるべき力を学力検査の得点と調査書点によりみることとする、今回の学力検査に基づく選抜の改善 の趣旨とは異なるため、廃止することが望ましいとされていた特別選考は、廃止することとした。 学力検査の教科数及び学力検査の得点と調査書点の比率の変更の検証については、変更前の平成27年度入学 者選抜の実施状況との比較や平成28年度入学者選抜で行ったアンケート調査結果を基に行うこととした。
(2) 制度変更による応募状況等への影響 平成27年度の中学3年生を対象に実施した都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査〔東京都中学校 長会進路対策委員会〕の結果、普通科について、男子の志望倍率が1.37倍、女子の志望倍率が1.47倍 となり、学区制度を廃止した平成15年度入学者選抜以降、最も高い結果となった。特に普通科女子につい ては、昨年度に比べ0.05ポイント上昇した。一方、工業科は、0.97倍と平成15年度以降、最も低く、 商業科は、0.93倍と2番目に低い結果となった。 志望予定調査の結果、顕著な変化がみられた普通科女子、工業科、商業科を中心に、選抜方法の改善の影 響という観点から、検証・検討を行った。 ア 全日制普通科及び全日制各専門学科(工業科・商業科)の応募倍率及び受検倍率等の推移 (ア) 普通科(男女別) <平成15年度入学者選抜以降の志望予定調査の結果> 平成15年度入学者選抜以降、志望倍率は、男子よりも女子の方が高い状況が続いている。女子の志 望倍率は平成23年度入学者選抜の1.45倍以降、低下傾向にあったが、平成28年度入学者選抜で上 昇した。 <平成27年度入学者選抜との比較> 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数ごとに分析すると、5教科7:3の学校では、 大きな変化は見られない。3教科6:4の学校2校のうち1校は男女共に受検倍率が上昇し、1校は下 降している。また、3教科5:5の学校4校のうち3校の受検倍率は、男子は上昇し、女子は下降して いる。残りの1校は男女共に下降している。 (イ) 工業科 <平成15年度入学者選抜以降の志望予定調査の結果> 平成15年度入学者選抜以降、志望倍率は上昇、下降を繰り返していたが、平成24年度入学者選抜 1.55 1.54 1.42 1.37 1.53 1.54 1.53 1.41 1.47 1.61 1.62 1.60 1.54 1.42 1.55 1.56 1.55 1.50 1.35 1.40 1.45 1.50 1.55 1.60 1.65 志望予定調査 受付1日目 受付2日目 最終応募倍率 受検倍率 28普通科(男子) 27普通科(男子) 28普通科(女子) 27普通科(女子) 0.97 1.12 1.14 1.17 1.14 1.02 1.13 1.15 1.18 1.15 0.95 1.00 1.05 1.10 1.15 1.20 志望予定調査 受付1日目 受付2日目 最終応募倍率 受検倍率 28工業科 27工業科 学力検査 実施教科数 学力検査の得点と 調査書点の比率 学力検査を実施 しない教科の 評定の扱い 学校数 面接実施 校数 5教科 7:3 1.3 倍 63 - 6:4 1.3 倍 31 2(2) 5:5 1.3 倍 8 2(2) 3教科 7:3 - - - 6:4 1.2 倍 2 2(0) 5:5 1.2 倍 4 4(2) ※ ( )の数値は、平成28年度入学者選抜における面接実施校数 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数等 学力検査 実施教科数 学力検査の得点と 調査書点の比率 学力検査を実施 しない教科の 評定の扱い 学校数 面接実施 校数 5教科 7:3 - - - 6:4 1.3 倍 5 - 5:5 1.3 倍 1 - 3教科 7:3 - - - 6:4 1.2 倍 1 1(0) 5:5 1.2 倍 7 7(1) 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数等 ※ ( )の数値は、平成28年度入学者選抜における面接実施校数
の1.17倍を境に下降傾向にあり、平成28年度入学者選抜では0.97倍となった。 <平成27年度入学者選抜との比較> 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数ごとに分析すると、3教科の学校8校のうち応 募倍率や受検倍率が下がったのは2校で、5教科5:5の学校は、平成27年度入学者選抜まで応募倍 率及び受検倍率が1.4倍程度であったが、平成28年度入学者選抜では1倍程度に下がっている。5 教科6:4の学校は、大きな変化はなかった。 (ウ) 商業科 <平成15年度入学者選抜以降の志望予定調査の結果> 平成16年度入学者選抜、平成17年度入学者選抜では、1.1倍を超える志望倍率となっていたが、 その後は1倍辺りで上昇、下降を繰り返し、平成28年度入学者選抜で0.93倍となった。 <平成27年度入学者選抜との比較> 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数等ごとに分析すると、5教科の学校7校の応募倍率 及び受検倍率は上昇又は同倍率である。3教科5:5の学校3校のうち2校は応募倍率及び受検倍率が下降 している。 志望予定調査の結果、応募倍率及び受検倍率等の推移から、全日制課程については、原則として5教科の学 力検査の実施及び学力検査の得点と調査書点の比率を7:3としたことで、受検者は検査教科数等に左右され ず、自身が行きたいと考える学科や高等学校を選択したと考える。商業科については、このことが特に顕著に 表れ、志望予定調査の結果は0.93倍と低かったが、入学願書の取下げ・再提出後の最終応募倍率では、 1.21倍まで急上昇するという変化につながった。 審議の過程でも、外部有識者から、「学力検査の得点と調査書点の比率が、原則7:3に統一されて、受検 者が行きたい学校を選ぶ傾向が強まっている。女子については、普通科を第一志望としていたが、応募倍率を 見て、より応募倍率の低い商業科に志願変更している傾向がみられる。」といった意見があった。 イ 高等学校長対象アンケート調査結果(回答数全日制168、定時制50) (ア) 今回の制度変更により、実際の受検者について、これまでの選抜と変化があったと思うか。 0.93 1.06 1.07 1.21 1.19 1.04 1.15 1.16 1.19 1.17 0.90 0.95 1.00 1.05 1.10 1.15 1.20 1.25 志望予定調査 受付1日目 受付2日目 最終応募倍率 受検倍率 28商業科 27商業科 11.6% 20.8% 31.9% 35.7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数等 学力検査 実施教科数 学力検査の得点と 調査書点の比率 学力検査を実施 しない教科の 評定の扱い 学校数 面接実施 校数 5教科 7:3 - - - 6:4 1.3 倍 3 - 5:5 1.3 倍 4 - 3教科 7:3 - - - 6:4 - - - 5:5 1.2 倍 3 3(0) ※ ( )の数値は、平成28年度入学者選抜における面接実施校数 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
- 16 - (イ) 一般選抜により、求める生徒を選抜することができたと思うか。 ① エンカレッジスクール及びチャレンジスクールを除いた都立高等学校全体 この「一般選抜により、求める生徒を選抜することができたと思うか。」という質問に対し、都立高等学 校全体の81.6%の学校が肯定的な回答をしている。本質問について、さらに、平成27年度入学者選抜 における学力検査実施教科数等ごとに、回答の状況を分析した。 ② 平成27年度入学者選抜における学力検査実施教科数及び学力検査の得点と調査書点の比率別の比較 ※ 新宿山吹高等学校(学力検査と調査書の比率20:3)を除く。 <学力検査を5教科で実施していた学校>(全日制148校、定時制1校) <学力検査を3教科で実施していた学校>(全日制20校、定時制41校) <学力検査の代わりに面接・作文による検査を実施していた学校>(定時制7校) 22.2% 59.4% 15.5% 2.9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 6.3% 24.5% 34.7% 68.8% 63.3% 58.3% 18.8% 12.2% 4.2% 6.3% 0.0% 2.8% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 比率が5:5だった学校 比率が6:4だった学校 比率が7:3だった学校 11.8% 9.5% 25.0% 58.8% 57.1% 50.0% 23.5% 33.3% 25.0% 5.9% 0.0% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 比率が5:5だった学校 比率が6:4だった学校 比率が7:3だった学校 16.7% 0.0% 66.7% 16.7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 学力検査の代わりに 面接・作文による検査 を実施した学校 <「そう思う。」、「どちらかと言えばそう思う。」と回答した高等学校の状況> ○ 学校説明会に参加する受検者や保護者が増えるとともに、昨年度と異なり、選抜方法が統一 された影響なのか、例年以上に説明会の話を真剣に聞いている様子が見られた。 ○ 例年、学校説明会の全体の部だけに参加する受検者や保護者が多かったが、今年度は個別相 談にも引き続き参加する受検者や保護者が増えた。 ○ 個別相談で、調査書点の換算方法など変更された点について確認する受検者や保護者が多く いた。選抜方法等が変更になり、進路先をどのように決めようかと迷っている様子が見られた。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
③ 「どちらかと言えばそう思わない。」、「そう思わない。」と回答した学校の選抜内容について(39校) ④ 「どちらかと言えばそう思わない。」、「そう思わない。」と回答した高等学校長の主な意見 ウ 高等学校長対象アンケート調査結果における主な意見 ○ 募集人員と受検者数に違いがなかったため、ほぼ全員の受検者を合格させることになった。受検 者数が増えるよう、中学生や保護者、中学校に対する広報活動を充実させる必要がある。 ○ 教育活動や特別活動など、学校の特色を十分に理解した受検者を選抜できていないと感じる。そ のため、中学生や保護者に対し、一層周知していきたい。また、求める生徒を選抜するため、第一 次募集でも面接の実施を検討したいが、採点・点検にかかる時間を考えると難しい状況がある。 ○ 応募倍率が低いため、専門学科の高等学校に入学して頑張っていきたいという強い思いをもって いる生徒を選抜できていない状況がある。選抜方法が学科や学校にかかわらず共通になったことか ら、より一層募集対策に力を入れ、将来に生かすことができる専門学科の特徴を十分に理解した生 徒の受検を促し、応募倍率を上げていく必要がある。 ○ 学ぶ意欲を評価するという目的から、これまで定時制課程では学力検査に代えて作文と面接によ り選抜を行うことができた。実態に応じて学力検査を行わない仕組みも必要ではないかと考える。 ○ 学力検査を行う5教科は、総合成績に占める割合がどうしても高くなる。そのため、実技教科の 学習に一生懸命に取り組んで成果を上げている中学生にとって、調査書点の中での割合を高めた 今回の変更は良いものと言える。入学した生徒の今後の状況を、これまでの入学者と比較していき たい。 ○ 実技教科の評定の扱いが変わったことで、実技教科を得意とする受検者の入学者選抜に対する モチベーションが高まったと考える。 ○ 学校説明会において、中学校での学習の成果である調査書と学力検査の得点とを、バランス良く みることについて、丁寧に説明をしてきた。そのため、受検者や保護者が不安なく学校選択できた と考える。 ○ 5教科の学力検査に加えて個人面接を実施したため、受検者の負担は大きかったと考える。今後 も、本校の特色である面接について、3教科実施から5教科実施に変わっても継続する理由を志願 者や保護者に対して説明し、理解を求めていきたい。さらに、学力検査日に実施できていた面接が 翌日となることで、採点・点検業務を並行して進めなければならないため、教員の負担が増えた。 5教科・7:3 5教科・6:4 5教科・5:5 3教科・7:3 3教科・6:4 3教科・5:5 面接・作文による検査 5.1% 15.4% 12.8% 2.6% 20.5% 30.8% 12.8%
エ 中学校長対象アンケート調査結果(回答数53) (ア) 学力検査の教科数を全日制では原則5教科にすると変更したことにより、進路指導に影響はあったか。 (イ) 学力検査の得点と調査書点の比率を変更したことにより、進路指導に影響はあったか。 (ウ) 調査書点を算出する際、学力検査を実施しない教科の評定を2倍すると変更したことにより、進路 指導に影響はあったか。 (エ) 学力検査を実施しない教科の評定を2倍すると変更したことにより、日常の学習活動や評価に影響は あったか。 オ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 7.8% 13.7% 27.5% 51.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 9.8% 27.5% 23.5% 39.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 3.8% 28.3% 26.4% 41.5% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 5.8% 32.7% 25.0% 36.5% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 影響があった。 どちらかと言えば影響があった。 どちらかと言えば影響はなかった。 影響はなかった。 ○ 選抜制度の変更については、中学1年生の段階で明らかになっていたことから十分な周知期間が あり、生徒や保護者に対して早い時期から説明会等で話をしてきた。また、今回の変更で全ての高 等学校が原則5教科の学力検査を実施することになり、社会、理科の授業に対する生徒や保護者の 関心が高まった。 ○ 学力検査を実施しない教科について、評定を1.3倍から2倍にして調査書点を計算することにな り、算出も簡単で生徒や保護者にとっても分かりやすくなった。 ○ 5教科の学力検査を実施する場合には、調査書点を算出する際に実技教科の評定が2倍となる。 これにより、実技教科の授業だけでなく、実技教科の評定に対する生徒や保護者の関心が高くなっ た。学校として生徒の評価・評定に対する説明責任が、より一層重くなったと感じた。良い意味で、 教員の評価に対する意識も向上すると思える。 ○ 学力検査の得点と調査書点の比率が7:3となったことで、昨年度よりも学力検査の得点が取れ ないと志望する高等学校に入れないのではと不安になった生徒や保護者がいた。また、5教科の学 習に自信のない生徒が、都立高等学校を諦め、第一志望を3教科で受験できる私立高等学校に変更 するというケースがあった。 影響があった。 どちらかと言えば影響があった。 どちらかと言えば影響はなかった。 影響はなかった。 影響があった。 どちらかと言えば影響があった。 どちらかと言えば影響はなかった。 影響はなかった。 影響があった。 どちらかと言えば影響があった。 どちらかと言えば影響はなかった。 影響はなかった。
カ 高等学校一年生対象アンケート調査結果:387名抽出(10校各1クラス) (ア) 今回の入試から原則5教科で学力検査を実施したり、学力検査の得点と調査書点の比率を7:3に したりするなど、入試制度を変更したが、高等学校の選択に影響はあったか。 (イ) 影響があった人は、どのような影響があったか。(複数回答可) ※ (ア)で「影響があった。」と回答した生徒対象 審議の過程で、学力検査を原則5教科としたことに対し、保護者からは「社会、理科を得意とする受検者 にとってはよかったが、教科数が増えたことにより受検の準備について負担が増した面もある。」という意 見が、高等学校からは「都立高等学校を目指す子供たちに対するメッセージとなっている。学力検査に基づ く選抜であるからこそ、学力検査でしっかりと学習の成果をみるのは良いことである。全校で学力検査を実 施しているのではなく、都にはエンカレッジスクールやチャレンジスクールのような学力検査を課さない学 校などもあり、生徒の様々な状況に対応することができていることからも、原則5教科の学力検査を課すこ とは適切である。」という意見があった。 調査書点の算出の際、実技教科の評定を2倍することについて、外部有識者からは「実技教科の評定を2 倍にして扱うことについて、中学校には周知されているが、小学校の先生は知らない。受検教科でなくても しっかり学習することは、小学校の段階でも大切であり、周知することも必要である。」、「実技教科は非常 勤講師が担当していることが多く、評価に関する研修を充実させていく必要がある。また、相対評価からい わゆる絶対評価に変更になった頃は、区市教育委員会等により評価についての研修が盛んに実施されていた が、最近はあまり行われていないことが心配である。」という意見があった。 また、全日制課程の高等学校における都外からの受検に関する応募資格について、外部有識者から「実施要 綱では『保護者と共に入学日までに都内に転入することが確実な者』としているが、一家転住を基本とする応 募資格は課題があるのではないか。近年、家庭の在り方も多様になっている。様々な理由で両親と共に都内に 29.3% 70.4% 影響があった。 影響はなかった。 教科の得点と調査書点の割合などが共通化 されたことで、学校を選択しやすくなった。 その他 実技教科(音楽、美術、技術家庭、体育)の授業 を、以前よりも真剣に取り組むようになった(取 り組む人が増えた。)。 教科の得点と調査書点の割合などが共通化さ れたことで、学校を選択しづらくなった。 <その他の具体的な内容> ・ 志望した学校では、学力検査の得点の割合が高くなったので、調査書点が低くても、当日 の学力検査で良い得点が取れれば合格できると思った。 ・ 調査書点の割合が減ったため、第1希望の高等学校を変更することになった。 2.7% 23.1% 46.9% 27.2% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%
転居することが難しい家庭もあるだろう。他道府県からの転居の場合を含め、全日制課程の高等学校への応募 資格について検討する必要があるのではないか。」という意見があった。 キ 今後の取組の方向性 学力検査に基づく選抜の改善について、アンケート調査結果や委員からの意見を基に、以下のように今 後の取組の方向性をまとめた。 ○ これまで具体的な選抜方法を各学校に委ねていたことにより、複雑化していた選抜制度が、中学生 にとっても保護者にとっても、分かりやすいものとなった。また、選抜方法の改善により、生徒の実 技教科の学習に取り組む姿勢や、教員の意識にも変化が表れた。 新たな選抜方法での1年目の実施であることから、中学生や保護者に対し、引き続き改善の趣旨に ついて周知を進め、より一層定着を図る必要がある。 ○ 受検者全体の応募状況については、大きな影響はみられなかったが、商業科など、中学生のニーズ が志望倍率に表れている学科もある。今後、選抜制度の共通化に伴い、どの高等学校においても学校 の特色化を進め、より一層学校の特色を受検者や保護者に周知していく必要がある。 ○ 各高等学校の求める生徒を選抜する上で、改善した選抜方法はおおむね適切と考えられるが、希望 する高等学校が面接や作文等の検査を実施できるだけの時間を確保できるよう、採点についても一層 の効率化を進める必要がある。 (3) 分割募集 学力検査に基づく選抜の募集人員をあらかじめ分割し、分割前期募集と分割後期募集の2回に分けて選 抜を実施することにより、受検者に複数の受検機会を確保し、異なる方法や尺度による入学者選抜を推進す るため、平成10年度入学者選抜から導入した。 平成28年度入学者選抜においては、全日制高等学校22校(分割後期募集の募集人員は846人)、 定時制単位制高等学校5校(分割後期募集の募集人員は606人)、合計27校(分割後期募集の募集人員 は1,452人)で実施した。 ア 分割募集実施校における高等学校長対象アンケート調査結果(回答数27) (ア) 分割募集は受検機会の複数化に寄与しているか。 (イ) 分割募集を実施することで、自校の期待する生徒を選抜することができたか。 51.9% 40.7% 3.7% 3.7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。 29.6% 44.4% 18.5% 7.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
イ 中学校長対象アンケート調査結果(回答数53) 募集人員をあらかじめ前期・後期に分割して検査を行う分割募集は、受検機会の複数化に寄与しているか。 ウ 高等学校長対象アンケート調査結果における主な意見 エ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 審議の過程で、高等学校からは「分割募集により受検の機会が増えることは良いことであるが、分割後期 募集を受検するに当たり、受検者が十分吟味せずに学校を選択することがあるので、中学校側で志望動機等 を確認するなど十分に指導する必要があると考える。」、「第一次募集・分割前期募集の発表後、初めて説明 会に参加し、翌日に出願するという状況の生徒もいるため、学校の特徴を理解しての志願とは思えない。」 という意見があった。また、中学校からは「経済的な理由で私立高等学校を受検できず、都立高等学校しか 受検できない生徒がいる状況から考えても必要である。」という意見があった。 外部有識者からは「全日制課程や昼夜間定時制課程の高等学校が分割募集を実施することで、定時制高等 学校に進学し、中途退学するかもしれない生徒を救うことができると考える。」という意見のほか、「分割募 集実施校の中には、前期募集の定員を減らし、学力検査等の結果で上位の生徒を選抜できるというメリット があって始めたところもある。異なる尺度や方法により、多様な生徒を選抜できるという目的は理解できる が、受検者が真に希望する学校を選択しているかという点で課題がある。また、分割前期募集で不合格とな った者が、どれだけ分割後期募集を受検しているのかという点からも検証し、必要に応じて定員の割合を変 更することも必要である。いずれにしても受検者側に立って見直す必要がある。」という意見があった。 47.2% 34.0% 9.4% 9.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ○ 分割後期募集で合格した生徒は、学習意欲の高い者が多い。また、家庭の経済的な理由から都立 高等学校以外の高等学校への進学が難しい受検者にとって、必要な制度だと感じる。 ○ 分割後期募集では、学力が高く学習面で他の生徒に良い影響を与えるだけでなく、生徒会活動に も積極的に参加するなど、中核として活躍する生徒を選抜することができている。 ○ 本校の特徴を十分に理解しないまま、単なる「残された受検機会」として受検し入学する生徒が いる。説明会など事前の広報活動を十分に実施するとともに、教育活動の質を高めることが課題で ある。 ○ 家庭の事情などにより都立高等学校しか受検できない生徒や、インフルエンザや風邪などで第一 次募集を受検できなかった生徒にとって、複数回の受検の機会があることはとても重要であり、な くてはならない制度である。分割募集実施校が更に増えると、進路選択の幅が一層広がると考える。 ○ 第一次募集において上位校にチャレンジしたい生徒はもちろん、自分の実力に合った学校を受検した が、思うような結果が出なかった生徒にとっても、分割募集は受検機会を確保する上で必要である。 ○ 分割募集実施校は地域的に偏りがある。居住する地域によって受検機会に偏りが出ないよう、少 しでも多くの学校に分割募集を検討してもらいたい。 そう思う。 どちらかと言えばそう思う。 どちらかと言えばそう思わない。
そう思わない。
オ 今後の取組の方向性 これらの意見を踏まえて検討した結果、分割募集について、以下のように今後の取組の方向性を確認し た。 ○ 受検機会の複数化の観点から平成29年度入学者選抜以降も継続して実施するが、受検者への進路 指導の在り方や前期と後期の募集人員の割合などについては、今後検討する必要がある。 (4) 男女別定員制の緩和 男女別に募集人員を定めている高等学校において、男女間の合格最低点における著しい格差を是正するた め、募集人員の9割に相当する人員を男女別の総合成績により合格候補者として決定した後、募集人員の1 割に相当する人員を男女合同の総合成績の順に合格候補者として決定する制度として、平成10年度入学者 選抜から導入した。 平成28年度入学者選抜では、31校で実施した。 ア 男女別定員制の緩和実施校における高等学校長対象アンケート調査結果(回答数31) 男女別定員制の緩和は、受検者の男女間の合格最低点における著しい格差を是正できたか。 イ 中学校長対象アンケート調査結果(回答数53) 男女別定員制の緩和の制度は必要か。 ウ 高等学校長対象アンケート調査結果における主な意見 エ 中学校長対象アンケート調査結果における主な意見 56.3% 40.6% 3.1% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 17.0% 49.1% 18.9% 15.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 十分是正できた。 どちらかといえば是正できた。 どちらかといえば是正できなかった。 是正できなかった。 必要だと思う。 どちらかといえば必要だと思う。 どちらかといえば必要だと思わない。 必要だと思わない。 ○ 総合成績の差を是正することで、学力が高く、面接においても良好な生徒を男女関係なく選抜す ることができている。 ○ 男女間の合格最低点の差という不平等感を解消することができていると考える。 ○ 学力差を是正できたことで、学力や学習意欲の高い生徒を選抜でき、授業や学校行事への取組に も良い影響が出ている。 ○ 男女緩和枠を拡大すれば学力差を効果的に是正できるが、男女間の人数のアンバランスが生じ、 学級編成等に配慮が必要になることも考えられる。 ○ 男女の合格最低点の差から生じている不公平感を解消することで、意欲や学力の高い生徒が男女 の区別なく都立高等学校に入学するようになっていると感じる。 ○ 男女別定員制の緩和実施校では、女子の合格者数が増加し、男子の合格者数が減少することが多 い。あまりに多くの学校で実施されると、男子の進学先の確保が課題となる。
審議の過程で、中学校からは「本来、男女別に定員を設定している学校では、募集人員どおりに選抜するこ とが基本であると考える。そのため、男女別定員制の緩和は効果の高い学校に限定して実施すべきである。」と いう意見があった。高等学校からは「必要とする学校が実施を希望することになっているが、年度により受検 者の状況も多少異なるため、3、4年分のデータを基にして実施の必要性を判断する必要がある。」、「男女別に 選抜を行うことで、男子の合格者よりも総合成績が20点も高いのに不合格になっている女子がいるという実 態がある。入学者選抜として、性別による不平等感をなくし、公正・中立であるために必要である。」という意 見があった。 オ 今後の取組の方向性 これらの意見を踏まえて検討した結果、男女別定員制の緩和について、以下のように今後の取組の方向 性を確認した。 ○ 男女別定員制の緩和については、現行どおり、真に必要と認められる高等学校のみを対象とする。 なお、男女別定員制から男女合同定員制への移行の可能性については、今後も、男女別定員制の緩 和を実施してきた成果や近年における受検者の動向などの資料を基に現状を分析するなどして、引き 続き検討することが望ましい。 (5) 一般の学力検査における外国籍の者の受検についての措置 学習意欲がありながら日本語に十分習熟していない外国籍の者の進路実現を図るため、学力検査に基づく 選抜の学力検査問題(第一次募集・分割前期募集及び全日制の分割後期募集・第二次募集における学力検査 問題の共通問題)及び在京外国人生徒対象の入学者選抜で使用する問題にひらがなのルビを振る措置を平成 20年度入学者選抜から導入した。 平成26年1月に公表された「東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」において、平成28年度 入学者選抜から、第一次募集・分割前期募集における学力検査が原則として5教科となることで、日本語に 十分習熟していない外国籍の者については、全日制課程の高等学校への進学が困難になることが想定される ため、日本人と切せっ磋さ琢たく磨まし、積極的に学ぼうとする外国籍の者に対して何らかの特別措置を検討していくこ とが望ましいとされていた。そのため、平成28年度入学者選抜では、一般の学力検査における外国籍の者 の受検に対する措置内容を、次のように変更して実施した。 外国籍を有し、入国後の在日期間が入学日現在原則として3年以内の者で、外国籍の受検者に対する 特別措置を希望する者は、在京外国人生徒の都立高等学校受検に対する学力検査等実施上の措置申請書 により、入学願書提出時に志願する都立高等学校長へ申請する。 措置申請者には共通問題にひらがなのルビを振る措置に加えて、辞書の持込み(電子辞書を除く。)を 一部認めることとする。ただし、国語の学力検査については辞書の持込みを認めない。また、辞書の持 込みに伴う検査時間の延長については、各教科で10分とする(国語を除く。)。 ○ 性別によって入学者選抜に不公平が生じるのは問題であるが、緩和枠を拡大しすぎると生徒の男 女比が偏ってしまい、高等学校の教育活動や施設面で悪影響がでる。 ○ 発達段階の差もあるが、緩和枠を拡大することにより、男子で潜在能力の高い生徒が進学しにく くなることもあると考える。緩和の実施は真に必要な学校に限定して実施することが必要と考える。