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実構造物に対する養生効果の実用的評価手法の提案

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Academic year: 2022

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(1)

実構造物に対する養生効果の実用的評価手法の提案

ハザマ 正会員 ○白岩 誠史 ハザマ 正会員 齋藤 淳 1.目的

コンクリート構造物の壁面の型枠取りはずし後の養生に,水中養生と同様の養生効果が得られる浸水養生シ ステム(アクアカーテン)を実用化させている1).この浸水養生を実構造物に適用し,その養生効果をコンク リート壁面の表面ひずみを測定することによって定量評価する実用的な手法を提案することを目的とした.

2.測定対象

国土交通省東北地方整備局発注の仙台東部(原町)共 同溝工事における坂下立坑地下

4

階において,保温封か ん養生を実施した壁面と浸水養生を実施した壁面のコン クリート表面のひずみを測定した(図-1参照).

コンクリートの配合は,表-1に示すとおりで,ひび割 れ抑制対策として膨張材を使用した配合としている.

3.測定方法

コンクリート表面のひずみの測定方法は,写真-1 に示 す“JIS A 1129-2 モルタル及びコンクリートの長さ変化 試験方法 コンタクトゲージ法”を選択した.

測定にはコンタクトゲージを使用し,ゲージプラグ間の 距離は測定精度を考慮し,200mm とした.

ゲージプラグは,保温封かん養生および浸水養生を実施 したそれぞれの壁面に,図-2 に示す位置に貼り付けた.

実際に測定される水平方向の表面のひずみを“全ひずみ”,

鉛直方向の表面のひずみを先に打込んだ底版コンクリー トの拘束を受けていない“自由ひずみ”とした.

全ひずみは,壁面の上部,中部,下部の3測線において 測定し1測線の測定数は

4

箇所とした.ただし最もバラ ついた値1つを除く

3

つの測定値の平均を採用した.

自由ひずみは,1測線とし,測定数は

8

箇所とした.

測定値は全ての値の平均とした.

4.測定結果

保温封かん養生及び浸水養生実施箇所での全ひずみと自由ひずみの測定結果を図-3(1),(2)に示す.いずれ の場合も測定されるひずみの大きさは,下部の全ひずみ<中部の全ひずみ<上部の全ひずみ<自由ひずみ,の 順となっている.また,材齢

10

日の下部の全ひずみが,保温封かん養生の場合は

183μ,浸水養生の場合は

123μとなり,60μ程度減少している.材齢 84

日においても,50μ程度の差が残存している.

キーワード 浸水養生,保温封かん養生,アクアカーテン,拘束ひずみ,自由ひずみ,膨張材 連絡先 〒105-8479 東京都港区虎ノ門 2-2-5 ハザマ 土木事業本部 TEL03-3588-5770

写真-1 コンタクトゲージによる測定状況

②-②(平面図)

①-①(断面図)

① ①

700 4200 700

70 0 70 0 27 50

保温封かん養生

浸水養生

(アクアカーテン)

図-2 ゲージプラグ貼り付け位置図 図-1 坂下立坑断面図および平面図 表-1 コンクリートの配合

② ②

地下1階

地下2階

地下4階 地下3階

28503106240024002950

700 4200 700

ゲージプラグ間 距離 200mm

ゲージプラグ

220 0

4200

200@4=800 1700 1700

400 2 0 0 200@ 8=16 00

上部水平方向 中部水平方向 下部水平方向 鉛直方向

:ゲージプラグ 自由ひずみ 全ひずみ

セメント 膨張材 細骨材 粗骨材 混和剤 27 12 47.9 43.5 160 315 20 760 1049 3.551

単位量(kg/m3 設計基準

強度 (N/mm2)

スランプ (cm)

水セメント (%)

細骨 材率 (%)

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑559‑

Ⅴ‑280

(2)

5.ひび割れ危険性に対する評価

ひび割れ発生に寄与するひずみを“拘束ひずみ”とし,式(1) で 定義した.図-4に最も拘束の大きい下部の拘束ひずみを示す.両 養生の差は7μであり,ひび割れ発生ひずみを

100μ程度と仮定

すると浸水養生により

7%程度の改善効果があったと評価できる.

6.乾燥収縮による自由ひずみに対する評価

温度変化による自由ひずみを評価するために,実際の施工条件 を入力した温度解析を行い,結果を図-5に示す.脱型時にはピー ク温度を過ぎており,また他現場で実施した保温封かん養生と浸 水養生を実施した場合の保温効果は同程度であることから,温度 分布は等しいと考えられる.したがって,温度変化による自由ひ ずみの増分は,両養生とも同程度であると考え,線膨張係数を 10 μ/℃と仮定して,図-6(1),(2)中の①のように,材齢 84 日で 242 μ(24.2℃×10μ/℃)と評価した.

乾燥収縮による自由ひずみを式(2)で定義すると図-6(1),(2) 中の②のようになる.乾燥収縮による自由ひずみは,材齢 84 日で 保温封かん養生の場合 127μ,浸水養生の場合 71μと評価でき,

56μの低減効果があった.供試体レベルでの乾燥収縮による自由 ひずみが 800μ程度とすると拘束ひずみと同様 7%程度の改善効 果があったと評価できる.

7.まとめ

・実構造物のコンクリート表面の鉛直方向及び水平方向のひずみ を測定することで,ひび割れ危険性を定量的に評価できた.

・温度解析または温度計測をひずみ測定と併せて行うことにより,

実構造物の乾燥収縮による自由ひずみを評価できた.

謝辞 実構造物のひずみ測定に関し,国土交通省東北地方整備局 及び現場関係者の方々には,多大なご支援を頂きました.ここに 記して感謝の意を表します.

図-3 コンクリート表面のひずみの測定結果

図-5 コンクリート内部温度の解析値 拘束ひずみ=自由(鉛直方向)ひずみ-全(水平方向)ひずみ…..(1)

図-4 下部の拘束ひずみの比較

(1)保温封かん養生 (2)浸水養生

参考文献

1) 古川幸則・福留和人・庄野昭:コンクリートの浸水養生システム-型枠取りはずし後の給水養生工法の実 用化と効果-,コンクリート工学 vol.49 No.3 pp21~28 2011.3

0 10 20 30 40 50 60

クリ内部温度

内部温度

0 12 24 36 48 60 72 84 24.2℃

低下

材齢(日)

脱型(材齢 3 日)

乾燥収縮による自由ひずみ=

自由(鉛直方向)ひずみ-温度による自由ひずみ…..(2)

図-6 乾燥収縮による自由ひずみ (1)保温封かん養生

(2)浸水養生

-400 -350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

材齢(日)

自由ひμ

①温度による自由ひずみ

②乾燥収縮による自由ひずみ

③自由ひずみ

保温封かん 養生終了(材齢33日)

浸水養生 終了(材齢17日)

③369μ-①242μ=②127μ

①242μ

③369μ

-400 -350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

材齢(日)

自由ひみ(μ)

①温度による自由ひずみ

②乾燥収縮による自由ひずみ

③自由ひずみ 浸水養生 終了(材齢17日)

保温封かん

養生終了(材齢33日) ①242μ

③313μ

③313μ-①242μ=②71μ

-400 -350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

材齢(日)

表面のひずみ(μ) 浸水 自由ひずみ

浸水 上部の全ひずみ 浸水 中部の全ひずみ 浸水 下部の全ひずみ

浸水養生 終了(材齢17日)

保温封かん 養生終了(材齢33日)

下部の全ひずみ  材齢84日 242μ

自由ひずみ 材齢84日 313μ

71μ

下部の全ひずみ 材齢10日 123μ 脱型(材齢3日)

-400 -350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

材齢(日)

表面のひずμ 保温封かん 自由ひずみ

保温封かん 上部の全ひずみ 保温封かん 中部の全ひずみ 保温封かん 下部の全ひずみ 脱型(材齢3日)

保温封かん 養生終了(材齢33日)

下部の全ひずみ  材齢84日 291μ

自由ひずみ  材齢84日 369μ

78μ

下部の全ひずみ  材齢10日 183μ

-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

材齢(日)

拘束ひμ

保温封かん養生 浸水養生

保温封かん 養生終了(材齢33日)

浸水養生 終了(材齢17日)

71μ

78μ 7μ

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑560‑

Ⅴ‑280

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