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宮本 力 論文内容の要旨 主 論 文

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宮本 力 論文内容の要旨

主 論 文

Osteogenic protein-1 with transforming growth factor-β1: potent inducer of chondrogenesis of synovial mesenchymal stem cells in vitro

Osteogenic Protein-1 はTGF-β1による滑膜由来間葉系幹細胞の軟骨化作用を促進する 宮本 力 松本智子 崎村幸一郎 進藤裕幸

Journal of Orthopaedic Science・12巻6号 555-561 2007年 〔7ページ〕

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 医療科学 専攻 主任指導教員:進藤裕幸教授

【緒言】関節軟骨を修復させるために間葉系幹細胞を軟骨に分化させる方法がおこなわれており, 滑膜もそ の細胞源として注目されている. トランスフォーミング成長因子(TGF)-β1 は, 滑膜由来の間葉系幹細胞を 軟骨分化させることが報告されているが, 関節軟骨として機能するためには豊富な軟骨基質を産生するこ とが重要であり, TGF-β1だけでは不十分である. 軟骨修復を促進する成長因子として, 骨形成因子(BMP)が 注目されている. なかでもOsteogenic protein(OP)-1は, 骨形成促進因子として臨床的に用いられているが, 関節軟骨にも発現しており軟骨代謝に関与していることが知られている. 今回, 滑膜由来間葉系幹細胞の軟 骨分化に対するOP-1の影響について調べた.

【対象と方法】人工膝関節置換術時に採取した関節リウマチ患者の滑膜から細胞を遊離し単層培養した. 継 代3代後の細胞を用いて遠心管培養を3-6週間おこなった. 培養液は血清無添加で軟骨分化基礎培地を使用 し, TGF-β1(10 ng/ml)とOP-1(100-200 ng/ml)は遠心管培養初日より単独または同時に投与し, 培養液交換の 度に添加した. 対照にはどちらも添加せず軟骨分化基礎培地のみとした. 培養3週目と6週目に形成された ペレットを取り出し, RT-PCR, サフラニンO 染色, グリコサミノグリカン(GAG)量およびDNA量の測定を おこなった. GAG量の測定はジメチレンブルー(DMB)法でおこない, DNA量の測定にはHoechst 33258 dye 法を用いた. GAGの産生量は細胞数の増加を考慮してGAG/DNA で示した.

【結果】培養3週目でどの処置群ともII型コラーゲンとアグリカンmRNAの発現を認め, 軟骨分化が示唆さ れた. しかし, 3週目のサフラニンO染色では基質の産生は不十分であり, TGF-β1とOP-1(200 ng/ml)の同時 投与のみが軽度染色性が増加していた. 培養6週目ではOP-1(200 ng/ml)は単独でもGAG量を増加させたが, TGF-β1と同時投与することによりさらにその量を増加させ, TGF-β1単独投与よりもGAGの産生量は高値 を示した. 培養6週目において, OP-1単独投与と, TGF-β1との同時投与の組織像を比較すると, TGF-β1との 同時投与では豊富な軟骨基質に埋もれた軟骨様細胞がみられたのに対し, OP-1単独投与では肥大化した細胞 と, 基質部にⅩ型コラーゲンの存在が免疫染色で認められた.

【考察】OP-1は滑膜由来間葉系幹細胞の軟骨分化を誘導した後, さらに肥大軟骨細胞へと分化を進めた. こ れは内軟骨性骨化の過程では重要なステップであるが, 関節軟骨修復には弊害となる. 一方, TGF-β1とOP-1 を同時投与することで肥大軟骨細胞化はみられず, 基質の産生が著増し, TGF-β1がOP-1より誘導される肥 大軟骨細胞化を抑制していることが推察された. OP-1とTGF-β1を同時投与することで, 滑膜由来間葉系幹 細胞の軟骨分化が著しく促進されることがわかり, 今後関節軟骨の修復作用の1つとして期待される.

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