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博(生)甲第302号

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Academic year: 2022

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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲第302号

氏 名

服部 修

学 位 審 査 委 員

主査 山下 敬彦 副査 辻 峰男 副査 樋口 剛

論文審査の結果の要旨

服部修氏は、2009 年 4 月に長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程に社会人学生として入学 し、現在に至っている。同氏は、生産科学研究科に入学以降、システム科学を専攻して所定の単位 を修得するとともに、電気エネルギーシステムにおける新たな劣化診断技術の開発に関する研究に 従事し、その成果を 2013 年 7 月に主論文「電力システムにおける信頼性向上のための劣化診断技術 に関する研究」として完成させ、参考論文として、学位論文の印刷公表論文5編(うち審査付き論 文3編)を付して、博士(工学)の学位の申請をした。長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、

2013 年 7 月 17 日の定例教授会において論文内容等を検討し、本論文を受理して差し支えないもの と認め、上記の審査委員を選定した。委員は主査を中心に論文内容について慎重に審議し、公開論 文発表会を実施するとともに、最終試験を行い、論文審査および最終試験の結果を 2013 年 9 月 4 日 の生産科学研究科教授会に報告した。

本論文は、電気エネルギーシステムの信頼性向上を目的として、電気エネルギーシステムを構成 する機器の劣化診断技術の開発について実施した研究をまとめたものである。電気エネルギーシス テムを構成する機器の中から、制御リレー回路および水車発電機を対象として選び、それらの劣化 診断技術の開発を行った。制御リレー回路は、電気エネルギーシステムを制御する極めて重要度の 高い中枢回路である。しかしながら、電子回路基板の劣化診断手法が確立されておらず、また運転 途中に実施する定期点検では劣化検出が困難などの問題があり、新たな劣化診断技術の開発が望ま れている。また、水車発電機については、現状では定期点検時に発電機を停止させて、オフライン 状態での劣化診断が実施されているが、定期点検による発電機の停止により発生する溢水による自 然エネルギーの放出などの問題のため、運転停止を伴わないオンライン劣化診断技術の実用化が強 く望まれている。

制御リレー回路については、温湿度サイクル試験により劣化状況を再現し、これまでに判明して いる3つの劣化の要因について分析を行い、その結果から電解コンデンサに的を絞って劣化検出法 の開発を行った。その結果、X 線画像解析により電解コンデンサの静電容量減少を診断する手法を

(2)

開発し、電解コンデンサの静電容量減少を指標として電力用制御リレー回路の劣化診断ができるこ とを明らかにした。

水車発電機については、大電流による電磁力と発熱により最も過酷な条件となる固定子巻線に着 目し、オンライン劣化診断手法の適用の可能性について検討した。実機16台の水車発電機につい て、定期点検時にオフライン劣化診断装置による最大放電電荷量の測定に加えてオンライン劣化診 断装置による部分放電信号の同時測定を行い、最大放電電荷量と部分放電信号との間の相関を明ら かにした。その関係を用いると、オンライン劣化診断装置の部分放電信号を劣化基準が確立してい る最大放電電荷量に換算して劣化の判定ができることを明らかにした。

以上のように本論文は、電気エネルギーシステムにおける劣化診断技術に関して新たな手法を提 案したものであり、電気エネルギーシステムの信頼性向上に多大の寄与をするものと評価できる。

学位審査委員会は、電気エネルギーシステムの分野において極めて有益な成果を得るとともに、

システム科学の進歩発展に貢献するところが大であり、博士(工学)の学位に値するものとして合 格と判定した。

参照

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