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平成27年度 学内研究助成金 研究報告書

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Academic year: 2022

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平成27年度 学内研究助成金 研究報告書

研 究 種 目

□奨 励 研 究 助 成 金 □研究成果刊行助成金

■21世紀研究開発奨励金

(共同研究助成金)

□21世紀教育開発奨励金

(教育推進研究助成金)

研 究 課 題 名 ゲノム編集技術を活用した細胞特異的遺伝子欠損メダカの創出とその解析

研究者所属・氏名

研究代表者:理工学部 生命科学科 准教授 福嶋 伸之 共同研究者:理工学部 生命科学科 教授 辻内 俊文

理工学部 生命科学科 准教授 加川 尚

1.研究目的・内容

本課題では、メダカを用いて任意の時期に細胞特異的に遺伝子を欠損させる方法を確立し、当該遺 伝子の機能を明らかにする。具体的には、メダカ個体成熟後に細胞特異的にリゾホスファチジン酸

(LPA)受容体遺伝子を欠損させ、個体の行動を観察してLPA受容体の機能を明らかにする。技術確立 のため、メダカ細胞を用いて任意の時期に遺伝子欠損を引き起こすことができるかどうかを調べた。

2.研究経過及び成果

本研究において必要な 3種類、(1)テトラサイクリンリプレッサー(TetR)発現細胞、(2)

テトラサイクリンオペレーター(TetO)の下流にCas9を挿入したプラスミド(pcDNA/TetO-Cas9)、 および(3)メダカU6プロモーターによりガイドRNA(gRNA)を産生するプラスミドの作製を試 みた(DR274-U6-Lpar1gRNA)。

メダカ線維芽細胞(drR)にpcDNA4/TetRを導入し、ピューロマイシンにより6種類のクローン(Ⅰ

〜Ⅵ)を得た。これらの細胞のゲノムDNAおよびRNAを精製し、ゲノムPCRおよびRT-PCRを行っ たところ、クローンⅡおよびⅤにおいてTetRがゲノムに挿入されていること、恒常的にTetRが 発現されていることがわかった。続いて、クローンⅤの細胞にpcDNA/TetO-Cas9を導入した。Dox 非添加の場合において、弱いながらCas9の発現が見られたが、Dox 3μg/mlを添加し2日後では、

顕著なCas9の発現上昇が認められた。このことから、テトラサイクリンシステムが機能している ことが明らかとなった。

gRNAのような短鎖RNAの産生にはRNAポリメラーゼⅢを駆動するU6プロモーターが必要であ

る。しかしながらメダカのU6プロモーターは未だ報告されていないため、これの同定を試みた。

BLASTサーチにより、メダカゲノム配列中にヒトsmall nuclear RNA(snRNA)に相同の配列が複 数存在することを見いだした。一般に、U6プロモーター中には、SPHおよびPSEモチーフと、そ の下流にTATAボックスおよびsnRNAが存在している。このような構造を有するU6プロモーター 候補は複数見られたが、両モチーフの相同性やTATAボックスとの距離などから、これらのうち一 つ(NC_019860-R1)を選択し、短鎖RNAが産生されるかどうかを調べた。まず、この配列をクロ ーニングし、GFPに対するshort hairpin RNAをコードするDNAとともにpGEMプラスミドに挿入 した(pGEM-U6-shRNAEGFP)(図1A)。このプラスミドとGFP発現プラスミドを同時にdrR細胞に 導入したところ、コントロールに比べてGFPを発現する細胞の割合が減少した(図1B、C)。この ことからクローニングしたU6プロモーターが働きGFPに対するshRNAが産生されたことがわかっ た。続いて、U6プロモーターをDR274プラスミドに挿入し、さらにその下流にLpar1 のgRNAお よび足場となるscaffold RNA(scRNA)をコードする配列を組み込みDR274-U6-Lpar1gRNAを作製 した。これをdrR細胞に導入し、scRNAが産生されているかどうかをRT-PCRにより調べたところ、

U6プロモーターが機能しscRNAが産生されていることが分かった。このことから、Lpar1のgRNA も産生されていると考えられた。

(2)

図1 メダカ U6 プロモーター候補遺伝子(NC_019860-R1)の機能解析 (A)NC_019860-R1 の構 成と作製したshEGFP含有プラスミドpGEM-U6-shEGFP(B)EGFP発現プラスミドとpGEM-U6-shEGFP プラスミドを同時発現させたdrR細胞の蛍光写真像(C)EGFP発現プラスミドとpGEM-U6-shEGFP プラスミドをdrR細胞に同時発現させたときの、全細胞に対するEGFP発現細胞の割合

3.本研究と関連した今後の研究計画

本研究によりテトラサイクリンシステムが機能すること、クローニングしたメダカU6プロモー ターがgRNAを産生することがわかった。今後は、産生されたgRNAがCas9と協調して遺伝子の切 断を引き起こすかどうかを調べる。また、他のU6プロモーター候補遺伝子の機能を解析する。さ らに、下垂体細胞特異的プロモーター(pP)を同定し、このプロモーターの下流に TetO-Cas9 を組 み込んだプラスミド(pP-TetO-Cas9)を作製する。TetR発現メダカ、pP-TetO-Cas9導入メダカ、

U6-Lpar1gRNA導入メダの3系統を確立し、これらを掛け合わせることにより時間空間的Lpar1遺 伝子破壊メダカの作製を目指す。

4.成果の発表等

発 表 機 関 名 種類(著書・雑誌・口頭) 発表年月日(予定を含む) なし

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