• 検索結果がありません。

降雨に対する土構造物の安定性に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "降雨に対する土構造物の安定性に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Ⅲ-31. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 降雨に対する土構造物の安定性に関する研究 防衛大学校建設環境工学科. 学. ○中瀬古篤. 正. 平川大貴. 宮田喜壽. 1.はじめに 地球温暖化や気候変動の影響に伴って,近年では降雨量の増大や局所化. 1). による土構造物の降雨被害の拡. 大が懸念されている。拡大する降雨リスクに対して,社会基盤構造物である盛土構造物の高安定化に向けた 検討は社会的に大きな課題である。本研究では腹付け盛土の降雨時安定性の向上を目的に,まず盛土構造物 の降雨時安定性の現状を室内模型実験・室内変形強度試験を実施して検討した。 2.実験の概要 本研究では図-1 に示す山砂(D max =2.0 mm,D 50=0.2 mm,F c =0.2%)を用いた。降雨浸透模型実験では,高さ 1,250×長さ 1,700×奥行き 800 mm の平面ひずみ土槽の中に高さ 300 mm の支持地盤を構築し,その上に法面 勾配 1:1.8,盛土高 500 mm の斜面を構築した。支持地盤・盛土とも に,突固め試験 A-b 法(JIS A 1210)における最適含水比 wopt(=17.2%), 100. 締固めエネルギー1Ec ,D c =90%は多くの土構造物の締固め管理で規. 80. 定される値である 2) 。模型概要を図-3 に示す。本研究での模型斜面 は水平地盤上にある地山斜面への腹付け盛土を想定している。この 様な腹付け盛土の降雨時安定問題は,1)盛土表面からの雨水の浸透. 通過質量百分率 [%]. 締固め度 D c =90%( ρ d=1.45 g/cm3)となるように締固めた(図-2)。基準. 山砂 Dmax=2.0 mm D50=0.2 mm. 60 40 Fc=0.2%. 20. と表面浸食に対する安定性と,2)湧水に対する安定性の 2 種類につ. 0. いて検討する必要がある。本研究ではこれらの要因を個々に検討す. 0.01. 0.1. 1. 10. 粒径 [mm]. るため,まず①湧水を模擬した浸透実験を行い,その後②湧水を継. 図-1 使用材料(山砂)の粒径分. 続しながら降雨実験を実施した。なお,本研究における模型盛土で 1.8. 山砂. は,法尻部での排水ブランケットや法肩・法尻排水溝を設置してい. 3. ρs=2.680 g/cm. ない。この条件は盛土構造物の表面および土中水の排水性能よりも. 一方,湧水によって地下水位面が上昇することに伴う法尻部のサ クションの喪失に関して,盛土材の力学特性に基づき土構造物の降 雨時安定性を考察するために,本研究では三軸圧縮試験も実施した。 三軸試験においても含水状態を wopt に固定し,D c を約 90~100%の. 1.7. 乾燥密度 , ρd [ g/cm3 ]. 降雨・浸透量が多い場合での現象とも類似性が高いと考えられる。. Z.A.V.L. C-a. 3. (ρd)max =1.616 [g/cm ]. 1.6. A-a A-b. Dc=95%, 1.535 [g/cm3]. 1.5 3. X. 模型実験. Dc=90%, 1.454 [g/cm ]. wopt =17.2 [%]. 1.4 0. 5. 10. 15. 20. 含水比 , w [ % ]. 範囲で変化させた供試体を突固め法によりそれぞれ作成した。三軸. 図-2 締固め曲線. Z. 降雨. 800. 降雨. 腹付け盛土 1:1.8. 湧 水. 湧水に伴う地下 水位面の上昇. 腹付け盛土. 湧水:盛土への 流入. 1:1.8 [単位:mm] 地山. 300 洪積山砂 1Ec ・Dc = 約90% w = 17.2% (=wopt). 支持地盤 X. 1,700. 900. モデル 化. 300. 室内変形強度試験(三軸 圧縮). 0. 室内模型実験の概要. 図-3 降雨浸透実験の概要 キーワード 連絡先. 腹付け盛土,降雨,浸透. 〒239-8686 神奈川県横須賀市走水-10-20. 防衛大学校システム工学群建設環境工学科. Tel:046-841-3810. 25.

(2) Ⅲ-31. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会 b)降雨浸透実験:法面の浸食・流動. Z. 圧縮試験では,A)無降雨時を想定した不飽和・排. 800. 気排水試験と,B)降雨に伴ってサクションが喪失. a)浸透実験:法尻部の崩壊 b)降雨浸透実験:法尻部の崩壊拡大. 1:1.8. した状態を想定した飽和・排水試験を行った。圧. 腹 付け盛土 [単位:mm]. 密条件および拘束圧条件は,模型実験を考慮して. 300. 初期側圧係数 K= σ 3/σ 1=0.5,初期有効拘束圧 σ '3=50. 支持地盤 X. kPa とした。. 900. 1,700. 0. 300. a). 3.実験結果と考察 図-4 に降雨浸透実験での模型盛土の変形状態 を示す。地下水位面を盛土高と一致させて模型盛 土に湧水を模擬した浸透流を与えたところ,浸透 直後から法面の変形が生じ,浸透開始後約 2 時間 で法尻部が崩壊した(図-4a)。湧水によって盛土の 地下水位面が上昇して法尻部への通水が確認され てから法尻部の変形が顕著になり,流動的な変形 が生じた。さらに,浸透流をそのままに降雨強度 約 120 mm/hour の降雨を模型盛土に与えたところ,. b). 降雨開始後約 1 分で法面の浸食および流動が生じ, 法面部の崩壊が拡大した(図-4b)。降雨による法面. 図-4. の浸食は,変状が生じ始めた箇所に表面水が集中. 模型盛土の変形状態:a)浸透実験,b)浸透+ 降雨実験. し,それに伴って浸食も局所化した。すなわち, 腹付け盛土の降雨時安定性を向上させるには,以下に示す個々 400. の対策が必要であると考えられる;. 山砂. C) 法面表面を流下する表面水による浸食の抑制(保護,補強) 一方,土構造物の降雨時安定性の向上に向けて,盛土材物性 の着目し,締固め条件について考察する。図-5 に三軸圧縮試験. 偏差応力 , q [kPa]. B) 盛土内へ浸透した水を,土粒子と分離して排水(分離,排水). 飽和・CD試験 wopt. 300. 結果の例として飽和・排水条件における偏差応力 q~軸ひずみ. Dc=99.1%. 200. Dc=91.9%. 100. -5. 0. 0. εa~体積ひずみ εvol 関係の例を示す。それぞれの供試体に対して. 0. 2. 4. 図-5. 図-6 に示す。図-6 より,本研究で用いた砂質土において D c =90%. めを行うことは降雨時安定性の向上につながると考えられる。 4.まとめ 腹付け盛土の降雨時安定性を室内模型実験と室内変形強度試 験結果から考察を行った。今後は,有効な排水対策と地盤補強 方法について検討を行いたい。 参考文献:1)地球温暖化予測情報第 7 巻,気象庁,2008,2)丸 善,鉄道構造物等設計標準・同解説,土構造物,2007.. 10. 400. 最大偏差応力 , qmax [kPa]. (図-6)と初期剛性(図-5)が大きくなるため,必要で十分な締固. 8. 三軸試験結果の例(CD 試験). 程度の中密の密度条件では不飽和状態から飽和・排水条件とな. D c 値を増加させると不飽和および飽和・排水条件ともに q max. 6. 軸ひずみ , εa [%]. 最大偏差応力 q max を求め,q max~D c 関係として整理した結果を. るとサクションの低下によって q max は約 80%に低下する。設定. Dc=95.7%. 不飽和・排気排水 (qmax)Dc=100% = 343 kPa. 300. 200. 降雨浸透実験. 飽和・CD (qmax)Dc=100% = 198 kPa. 100. 0 80. 90. 100. 110. 締固め度 , Dc (1Ec) [%]. 図-6. 飽和条件・締固め度が強度に 与える影響. 体積ひずみ , εvol [%]. A) 盛土内に浸透する水量の抑制(排水).

(3)

参照

関連したドキュメント

 構造物部材の繊維方向決定を阻害する要因としては,構造物を構成する部材数,構造物

解析は盛土材料としてよく用いられる砂質土を対象 とし行った 砂斜面ではせん断応力が斜面先に集中 する傾向にあるため,図 -11

Here, we perform a linear stability analysis for several combinations of flow and sediment transport submodels, specifically, a shallow flow model and a Boussinesq

こうした問題の対策として,従来から多種の地盤改良工法が実施されてきた。これらの地盤改良

社会資本 ( 構造物)は機能を満たす ことが第一の要件 として構築 され るもの である。 しか しなが ら,構造物に対

外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合は医師の診断、手当てを受けること。 飲み込んだ場合

We consider classical pure gravity on $M_{d+1}$ whose action takes generically the