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生産計画へのリアルオプションアプローチの応用

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Academic year: 2021

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侶コ儲=掴   田本オペレーションズ。リサーチ学会   2004年審寧研究発表会  

生産計画へのリアルオプションアプローチの応用  

馴0『006① 日揮殊式会社 石井信明 憶測INobuaki  

日揮株式会社 ☆中島睦 NAKAJ8MAMutsumi  

l.はじめに   

近年の製造業において、製品ライフサイクルの短縮化、頗客噂好の多様化が進んだ結果、 売れる   ものを売れる時に、必要な量だけ調達。生産し、市場に投入する 事が必要となっている。このよう   な顧客噂好や市場の変化に対応するために、現在の企業経営においては、生産における スピード   

と、需給における バランス の追求が求められている。   

一方において、企業内における在庫削減に対する要求は年々厳しくなっており、顧客の需要変動に   機敏に対応しつつ、原材料、中間晶、最終製品在庫を削減する事が至上命令となっている。これら需   要変動と在庫管理には密接な関係があり、例えば、刻々と変わる消費者の需要動向に対して、商品投   入のタイミングが少しでも遅れれば、販売機会を逃して、売れない完成品の山を抱える事になってし   まう。これらのトレードオフ関係にある二つの現象、すなわち「顧客の需要に対して品切れを起こさ  

ない」ことと「在庫を持たない」ことのバランスを取ることが重要となっている。   

近年、これらの問題に対し、情報システムの導入と業務改革を機軸とした全体最適化への取組みが   各企業にて試行されている。いわゆるサプライチェーンマネージメント(以下$CM)による取組み  

であり、需要変動への機敏な対応とともに、在庫削減を実現する手法として大きく注目されている。   

2.サプライチェーンマネージメントによる取組みと生産計画   

SCMにおいて中核となる要素技術として、高精度な需要予測と高速な生産計画の2点があり、近   年これらを実現する数多くのパッケージが発売され、数多くの企業において導入が図られている。   

実際にSCMをスムーズに導入するためのポイントは、生産に関わる業務を見直し再構築する 業   務改革 と、再構築された業務をより効率的に処理する 情報システム構築 の2つに集約できるが、  

これらの実現は容易なことではない。頗客毎の業務特性に合わせてパッケージをカスタマイズし、帝   要予測や在庫管理のパラメータを適切に整備する事が重要となってくる。特に将来需要の不確実性へ  

の対応では、需要予測や在庫管理パラメータの設定等、熟練担当者の経験により決定されている部分   が大きく、顧客の実運用データに基づいた定量的な解析が不足している。   

3.不確実性を考慮した生産計画   

本発表では、$CMを念頭においた上で、需要の不確実性を生産計画に取り込む解析的な手法を提  

案する。すなわち、リアルオプションアプローチを生産計画に応用する事により、将来の需要変動を   考慮した上で、適正な在庫量、原材料発注量の算出を行う。  

リアルオプションアプローチとは、金融オプションの考えをベースにしたアプローチであり、将来   の不確実性が大きい投資計画の採算性評価に利用されているやのである。例えば、資源開発プロジェ   クトや医薬品開発プロジェクトなどが対象になっている。1)   

生産計画への応用においては、将来の需要量変動に対し、将来の発注量をオプションとして検討す   る。たとえば、1週間後に10個必要と予測される原材料の発注を行う際、帽個の発注をあらかじめ   行っていれば、実際の需要量が15個に増加した時、瑠5個分の利益を上げることができる。さらに、  

たとえ需要量が下がって5個になってしまったとしても、残った瑠①個は次の週に利用できる可能性  

がある。このようにして、将来のすべての可能性を考慮して評価を行うものがリアルオプションであ  

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© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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り、時系列的に変化する不確実性  

(時間経過とともに予測制度が向   上していく)の考慮が可能となる。   

モデルとしては、図一1に示す   とおり、変動因子として製品の将   来キャッシュフロー、オプション  

として将来の原材料発注量、計算  

モデルとして生産に関わるキャッ  

シュフロー計算式、結果としてキ   ャッシュフローベースのオプショ   ン価値を適用する。  

図−1生産計画におけるリアルオプションアプローチの応用   4.例題による検証   

生産計画における在庫量、原材料発注量計算に対し、本アプローチを用いた簡単な例題を示す。本   例題では、リアルオプションによる結果と既存のアプローチとしてモンテカルロシミュレーションを  

利用した3ケースの比較を行う。最終製品の将来需要量としては平均10個/期、各ケースの初回発   注量としては10,15,20個の3パターンとし、各期の原材料発注量は以下のとおり設定する。   

ケース1:各期の発注量=予測数量+安全在庫とした定量発注(10,15,20個の固定量発注)   

ケース2:各期の発注量=予測数畢「前期末在庫+安全在庫とした不定量発注    ケース3:各期の発注量=前期実績数量一前期末在庫+安全在庫とした不定量発注   

オプション:初回以外の各期での発注量を10.15.20個の選択オプションとしたケース  

ケース1は固定量による発注、ケース2,3は各発注量決定時点での状況を考慮した発注、オプショ   ンケースは発注量決定時点移行の不確実性まで考慮した発注ロジックとなっている。  

図−2で、横軸   に初回発注量を3   パターン、縦軸に  

ケース別の価値と   して累積キャッシ   ュフローを用いた   適用結果を示す。  

オプションケース  

では、リアルオプ  

ションアプローチ  

の適用により、将  

来の価値が適正に   評価され累積キャ   ッシュフローが高  

) −ロトHふト轟  

2脚回発注t(個)  

15  

図−2 例題適用結果  

くなっている。さらに、初回発注量別の比較において、固定量発注に基づくケース1では、平均需要   量である10個で最大となったが、それ以外のケースでは、平均需要量を超える15個の発注時に最  

も価値が高くなっており、将来の需要変動を見据えた計算が行われていると判断できる。   

参考文献  

1)ジョナサン・マン著,「実践リアルオプションのすべて」,ダイヤモンド社,2003  

−163−   

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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