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3. 5 ユニバーサルコミュニケーション研究所

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Academic year: 2021

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3. 5. 1 ユニバーサルコミュニケーション研究所 音声コミュニケーション研究室

室長  堀 智織 ほか 17名

音声言語コミュニケーションシステムのための音声認識、音声合成、対話制御技術の研究

【概 要】

本研究室では、人間にとって自然で簡便な情報伝達手段である音声によるコミュニケーションを用いた音声 対話・音声翻訳システムを実現するため、音声認識、音声合成、対話処理の研究開発行っている。さらに、イ ンターネット上の音声を含むマルチメディアデータに対する情報検索を実現するため、高速な音声インデキシ ング技術および多言語字幕付与の研究開発を行っている。今年度、音声認識を行うために必要な多言語の学習 データを効率的に収集し、英語・中国語音声のニュース音声を対象とした高精度モデルの構築を行った。さら に、英語講演音声認識を対象とした競争型国際ワークショップでは 2年連続で認識性能が首位となった。また、

多言語音声翻訳技術の研究開発を目的とした 23ヵ国 28研究機関(平成 26年 3月末)から構成される国際研究共 同体 U-STARを主導し、ネットワーク型多言語音声翻訳の実証実験を行った。その結果、実証実験で取得され た音声データを用いて、タイ語の音声認識性能を単語正解精度が 30%から 60%に改善した。

【平成 25年度の成果】

● Web上の動画から音声特徴データを収集

Web上には膨大な量の音声付き動画データがあり、それらの大量の音声データから音響モデルを学習するこ とにより認識性能を改善することが可能である(図 1)。今年度は、Web上の音声 5,000時間の収集目標のうち、

中国語約 800時間、英語約 6,000時間の音声データから音響モデルを学習するための音響特徴量を抽出した。そ の特徴量を用いて中国語ニュースの音声認識の単語正解率を 77.2%(平成 24年度 59.4%)、英語ニュースでは 82.9%(平成 24年度 63.8%)に向上させた。今後は、同様の収集システムを用いて、日本語、英語、中国語など 多言語音声データを収集し、さらに音声認識性能の改善を行う。

●国際連携 U-STARによる多言語音声認識の研究加速 NICTはアジア・ヨーロッパの音声・言語の研究機 6(23ヵ 国 28機 関)か ら 成 る 国 際 研 究 共 同 体 U-STAR

(http://www.ustar-consortium.com/)を 主 導 し、2010年 に NICTが国際標準化(ITU-T勧告書 F.745および H.625に準 拠)したネットワーク型音声翻訳通信プロトコルを用いて各 加盟機関の音声翻訳サーバを相互接続し、ネットワーク型多 言語音声翻訳システムを開発した。平成 24年 7月から継続的 に公開している音声翻訳アプリ VoiceTra4U(図 2)では、17 言語の音声認識と 14言語の音声合成を実現した。本実証実 験を通して収集された実利用データを用いて、タイ語の単語 正解率を約 60%(平成 24年度約 30%)に大幅に改善した。

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図 1 Web上の大量音声データを用いた音声認識システムの構築

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図 2 U-STAR実証実験ログデータ

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3. 5 ユニバーサルコミュニケーション研究所

●評価型国際ワークショップで 2年連続首位獲得

実世界の大規模な語彙を実時間で高精度に認識する新手法とし て、重み付き有限状態トランスデューサ(WFST)に基づく大語彙 連続音声認識システムを研究開発し、高速かつ高精度な認識を実 現している。提案手法に基づく音声認識システムは、英語講演音 声 TED(図 3)に対し、話し終わると同時に結果を出力する実時間 音声認識の条件で、単語正解精度 80%という高精度な書き起こし を生成することができた。さらに、より長い認識時間をかけるこ とにより、90%の単語正解精度を達成することができた。本シス テムを用いて英語講演音声認識を対象とした競争型国際ワーク ショップ IWSLTに参加し、音声認識性能で世界第 1位を 2年連 続で獲得した。日本語の音声認識だけでなく、英語、中国語の音 声認識で高性能であったことから、Web上にある多言語の音声 データに対するリアルタイムインデキシングの研究に本システム を適用することが有効と考えられる。

●因子分解 RNN言語モデルによる性能改善

近年、言語モデルの性能改善に寄与する手法として、再帰的な 接続を持つニューラルネットワークにより、文全体における単語 間 の 依 存 性 を 推 定 す る リ カ レ ン ト ニ ュ ー ラ ル ネ ッ ト ワ ー ク

(RNN)が提案された。本研究室では、単語の表層に留まらず、品 詞、語幹などを考量した因子分解 RNN(fRNN)言語モデルを提案 し、IWSLTにおける英語講演音声認識で約 1%の性能改善を果た し、首位獲得に貢献した。

●多言語音声コミュニケーション技術の事業化

今年度研究開発された上記研究成果に基づく音声認識システムを株式会社フィートに商用リリースし、

au「おはなしアシスタント」の多言語音声翻訳技術に採用され、NICTの音声認識技術が音声コミュニケーショ ンシステムの普及に大きく貢献した。

●学術的な成果

学術論文誌 7本、トップレベルの国際学会(採択率 20%以下)

12本、ほか国際会議に 15本の研究成果を発表し、学会において 活発な研究発表を行うだけでなく、U-STARにおける主導的な役 割と競争型国際ワークショップにおいて首位を獲得した技術力に より、NICTの世界的なプレゼンスを高めた。

特記事項

ASTAP(アジア・太平洋電気通信標準化機関)の音声・自然言 語処理専門家グループを主導し、アジア・環太平洋地域における 多言語音声コミュニケーション技術の研究開発を推進した。

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3 英語講演音声 TEDの音声認識 IWSLT(http://hltc.cs.ust.hk/iwslt/

KIT :カールスルーエ工科大学(ドイツ)

(Facebookに採用された CMUのエンジンと 同等)

MITLL/AFRL :マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所

/空軍研究所(アメリカ)

RWTH :アーヘン工科大学(ドイツ)

NAIST :奈良先端科学技術大学院大学(日本)

UEDIN :エディンバラ大学(イギリス)

FBK :ブルーノ・ケスラー財団 研究所(イタリア)

図 4 因子分解リカレントニューラルネット言語 モデル

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http://www.ted.com/

2012 参加組織

12.1 NICT

12.4 KIT-NAIST

12.7 KIT

13.3 MITLL

13.6 RWTH

14.4 UEDIN

16.8 FBK

2013 参加組織

13.5 NICT

14.4 KIT

15.9 MITLL-AFRL

16.0 RWTH

16.2 NAIST

22.1 UEDIN

23.2 FBK

参照

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