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【第1章】プランの基本的な考え方

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(1)

<資料1>

第4期ねやがわ男女共同参画プランに

係る基本的な方向の提言のための資料

2010 年7月

寝屋川市

(2)

目 次 第1章 市の男女共同参画に関する現状と課題 ... 1 1.市をとりまく男女共同参画に関する現状 ... 1 (1)依然として低い 男女の地位の平等感 ... 1 (2)人口減少社会の到来と少子・高齢社会の進行 ... 2 (3)家族形態の多様化、意識の変化 ... 4 第2章 プランの体系 ... 5 1.プランの体系図 ... 5 2.基本目標と施策の方向 ... 8 基本目標Ⅰ.男女がともに参画する社会づくり ... 8 Ⅱ.男女共同参画社会実現に向けた文化の創造 ... 11 Ⅲ.働く場での男女共同参画の推進 ... 18 Ⅳ.仕事と生活の調和の実現 ... 23 Ⅴ.あらゆる人が生きがいをもって安心して暮らせる環境整備 ... 28 Ⅵ.生涯を通じた心と身体の健康づくり ... 34 Ⅶ.女性等に対するあらゆる暴力の根絶 ... 36

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第1章 市の男女共同参画に関する現状と課題

1.市をとりまく男女共同参画に関する現状

(1)依然として低い 男女の地位の平等感

平成 21 年度に実施した「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」(以下「平成 21 年市民意識調査」という)では、8つの分野において男女平等であるかをたずねてい ます。その結果をみると、「平等」と思う割合が男女ともに5割程度だったのは「学校教 育の場」のみです。 その逆に、『男性が優遇』(「男性優遇」+「どちらかといえば男性優遇」)の割合が高い のは「社会通念・慣習・しきたりなど」で、7割程度を占めています。 図 男女の地位の平等感 12.3 6.3 27.3 20.9 10.2 5.8 46.0 39.6 38.1 43.6 23.4 20.7 24.2 17.8 29.1 5.1 2.5 10.6 11.4 53.5 48.4 40.1 29.3 22.9 15.7 32.1 19.6 8.5 4.2 10.2 9.7 8.5 11.4 3.3 2.4 2.2 2.5 2.7 3.7 1.9 0.2 1.5 1.3 4.6 14.1 6.5 19.2 8.9 1.6 1.7 2.2 2.2 2.2 1.5 2.2 2.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 性 性 女性 性 性 性 性 女 男 男 女 男性 女 男 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 ①家庭生活 ⑤政治の場 ②職場 ⑥法律や制度上 ⑦社会通念・慣 し ③地域活動の場 きたりなど ④学校教育の場 ⑧全体 35.9 23.1 18.0 9.0 30.0 20.2 16.2 11.7 36.0 39.7 28.2 25.0 42.0 47.7 52.8 49.2 9.2 8.7 23.4 13.4 12.4 13.4 11.9 24.6 20.7 38.7 11.2 17.3 13.5 23.4 0.5 1.4 1.7 5.4 2.1 2.9 4.6 0.4 0.1 2.5 1.0 0.1 0.7 0.8 1.0 9.3 13.4 8.1 1.9 1.9 1.7 2.3 2.2 3.4 1.9 2.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 1.男性優遇 4.どちらかといえば女性優遇 無回答 2.どちらかといえば男性優遇 5.女性優遇 3.平等 6.分からない

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(2)人口減少社会の到来と少子・高齢社会の進行

わが国では、平成 17 年(2005 年)に総人口が戦後初めて前年を下回り、人口減少社 会に突入しています。 寝屋川市においては、高齢化率(総人口に占める 65 歳以上人口の割合)は平成 17 年 (2005 年)では 17.3%で、昭和 55 年(1980 年)の 4.9%の3倍以上となっています(国 勢調査)。さらに、平成 22 年4月1日現在では、21.9%となっています(住民基本台帳 人口及び外国人登録人口により算出)。また、合計特殊出生率は平成 19 年(2007 年)で 1.15 と低迷を続け、確実に少子・高齢社会が進行しています。 図 少子高齢化の推移と将来推計(全国) (万人) (%) 20. 2 4. 9 40. 5 8.4 35.4 13.8 0 2 2 ,000 00 00 00 10, 0 1 00 14, 0 昭 和 2 5 年 昭 和 3 0 年 昭 和 3 5 年 昭 和 4 0 年 昭 和 4 5 年 昭 和 5 0 年 昭 和 5 5 年 昭 和 6 0 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 1 2 年 平 成 1 7 年 平 成 2 2 年 平 成 2 7 年 平 成 3 2 年 平 成 3 7 年 平 成 4 2 年 平 成 4 7 年 平 成 5 2 年 平 成 5 7 年 平 成 6 2 年 平 成 6 7 年 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 00 高齢化率 2,0 高齢者人口 4,0 6,0 8,0 00 生産年齢人口 年少人口 少子化率 (注)我が国年齢(3区分)別人口数(10 月1日現在)と 65 歳以上人口比率の推移。 平成 17(2005)年までは『国勢調査』、2010 年以降は「日本の将来推計人口」の中位推計に よる。 資料:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2006 年 12 月推計)

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図 高齢化率と年齢3区分別人口(市) 39,203 36,376 33,874 15,383 23,877 31,686 41,908 71,129 60,977 46,133 165,924 190,926 181,540 194,273 182,091 171,885 18,453 12,612 17.3 7.2 9.3 12.7 6.0 4.9 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 昭和55 昭和60 平成2 平成7 平成12 平成17 (年) (人) 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 (%) 65歳以上 15~64歳 15歳未満 高齢化率 高齢者人口 生産年齢人口 年少人口 (注)総人口には年齢不詳を含む 資料:総務省「国勢調査」 図 出生数及び合計特殊出生率の推移(市) 2,628 2,483 2,386 2,301 2,095 1,954 2,012 1,924 2,657 2,048 1.34 1.36 1.33 1.32 1.29 1.29 1.26 1.32 1.34 1.37 1.15 1.08 1.33 1.33 1.33 1.33 1.13 1.21 1.15 0 1,000 2,000 3,000 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (年) (人) 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 出生数(寝屋川市) 合計特殊出生率(寝屋川市) 国-合計特殊出生率(国) (注)平成 11~14 年は人口動態統計特殊報告の合計特殊出生率ベイズ推定値を使用。 平成 15~19 年は5歳階級別出生数及び各年7月1日の住民基本台帳・外国人登録人口より 算出。 出生数は「人口動態調査」より作成 資料:「寝屋川市こどもプラン後期行動計画」平成 21 年度

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(3)家族形態の多様化、意識の変化

世帯構成をみると、これまで多数を占めていた夫婦と子ども世帯が減少し、 夫婦のみ世帯、ひとり暮らし世帯(単独世帯)、母子世帯が増加しています。 特に、ひとり暮らし世帯(単独世帯)は4世帯に1世帯以上と多くなっていま す。 また、家族の規模が縮小すると同時に、家族形態の多様化が進んでいます。 図 家族類型別構成比の推移(市) 20.9 19.8 17.5 14.2 12.1 11.9 34.5 39.0 42.4 47.2 50.1 54.7 8.7 7.5 6.8 6.3 5.6 4.9 3.2 3.8 4.6 5.3 6.1 6.5 3.6 3.5 3.2 3.1 3.1 3.3 27.0 24.6 23.9 22.3 21.6 17.5 0.9 1.5 1.4 1.4 1.3 1.1 0.2 0.6 0.5 0.2 0.3 0.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成17 平成12 平成7 平成2 昭和60 昭和55 (年) 夫婦のみ 夫婦と子ども 男親と子ども 女親と子ども 三世代世帯 その他親族世帯 非親族世帯 単独世帯 (注)昭和55年は普通世帯、60年~平成17年は一般世帯である。普通世帯とは住居と生計 を共にしている人の集まり又は一戸を構えて住んでいる単身者のことをいい、一般世帯と は普通世帯に間借り・下宿、会社などの独身寮に居住している単身者を加えたものをいう。 資料:総務省「国勢調査」 4

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第2章 プランの体系

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1.プランの体系図

基本目標Ⅰ 男女がともに参画する社会づくり

課題 施策の方向 (1)市の政策・方針決定過程への女性の参画推進 (2)女性職員の管理職への積極的な登用 1.政策・方針決定過程への女 性の参画推進 (3)地域などにおける方針決定への男女の対等な参画促進 (1)男女でともに支える地域活動の促進 (2)まちづくり、防災活動等への男女共同参画の促進 2.地域における男女共同参画 の促進 (3)地域活動への参加を促進するための環境づくり

基本目標Ⅱ 男女共同参画社会実現に向けた文化の創造

課題 施策の方向 (1)男女の人権等に関する法律の理解の促進 (2)男女共同参画の視点に立った情報提供や啓発活動の充実 (3)男女共同参画の視点に立った慣行の見直し 1.男女共同参画の意識づくり (4)表現における男女共同参画の推進 (1)男女平等保育・教育の推進 (2)学校教育における人権尊重に基づいた性教育の推進 (3)教職員、保育士への男女共同参画の推進 (4)性別役割にとらわれない家庭教育の促進と保護者との連携 2.生涯にわたる男女平等・男 女共同参画の教育・学習の推 進 (5)男女共同参画の視点での学習機会の提供と支援 (1)国際規範の認識の促進 3.国際社会への理解 (2)「開発と女性」への理解の促進 (1)男女共同参画を推進する市民等のエンパワーメントの支援 (2)男女共同参画の視点に立った文化創造活動の推進と支援 (3)男女共同参画社会をめざすスポーツ活動の推進と支援 4.性別にとらわれない活動の 推進 (4)パソコンを活用した活動等の支援

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基本目標Ⅲ 働く場での男女共同参画の推進

課題 施策の方向 (1)労働に関する法律・権利の周知 1.男女の働く権利の確立 (2)性別にとらわれない労働観・職業観の醸成 (1)就労継続への支援 (2)再就職への支援 (3)起業に関する情報の提供 2.就業や起業に関する支援 (4)女性の活用促進に関する企業への働きかけ (1)採用・配置における男女平等の推進 3.行政内部における男女平等 の推進 (2)市職員の研修の充実

基本目標Ⅳ 仕事と生活の調和の実現

課題 施策の方向 (1)地域における子育て支援サービスの充実 (2)仕事と子育ての両立に向けた支援 1.男女共同参画の子育て支援 の促進 (3)男性の子育てへの参加促進 (1)仕事と生活の両立に向けた支援 (2)仕事と生活の両立に向けた啓発 (3)男性の育児休業取得促進 2.仕事と生活の両立支援 (4)女性のライフプランニング支援

基本目標Ⅴ あらゆる人が生きがいをもって安心して暮らせる環境整備

課題 施策の方向 (1)介護施策の充実 1.看護・介護への社会的支援 (2)男性の看護・介護への参画促進と支援 (1)高齢者への自立支援 (2)障害者への自立支援 (3)男女共同参画による福祉のまちづくりの推進 2.高齢者や障害者の自立と連 帯への支援 (4)高齢者や障害者の自主活動やネットワーク活動の支援 (1)多様な家族形態を認め合い、わかり合うための啓発活動の推進 3.多様な家族への生活支援 (2)多様な家族への生活支援 (1)市内に在住する外国人女性への支援 4.地域に居住する外国人女性 への理解と支援 (2)多文化共生への理解促進 6

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基本目標Ⅵ 生涯を通じた心と身体の健康づくり

課題 施策の方向 (1)生涯の各時期に応じた健康診査の普及と必要な医療と連携した相談 体制の整備 1.生涯を通じた女性の健康 づくり (2)女性の健康管理の支援 (1)性と生殖に関する健康と権利についての意識の浸透 (2)妊娠・出産・育児期の健診・相談の充実 2.性と生殖に関する健康と 権利の保障 (3)HIV/エイズ、性感染症についての予防啓発の推進 (1)男性の心身の健康づくりに向けた啓発 3.男性の心身の健康づくり (2)相談体制の充実

基本目標Ⅶ 女性等に対するあらゆる暴力の根絶

課題 施策の方向 (1)暴力根絶に向けての啓発 1.あらゆる暴力根絶に向け た環境づくり (2)暴力に対する相談・連携体制の充実 2.配偶者等からの暴力に対 する啓発の推進 (1)配偶者等からの暴力に対する理解の促進 (1)相談体制の充実 3.配偶者等からの暴力に対 する相談体制の整備 (2)連携体制の充実 (1)被害者保護のための支援 4.配偶者等からの暴力被害 者への保護・自立支援 (2)生活自立のための支援

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2.基本目標と施策の方向

Ⅰ.男女がともに参画する社会づくり

課題1 政策・方針決定過程への女性の参画推進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆2010(平成 22)年度を最終年とする現プランでは、行政委員会・審議会委員の女性割合 の目標値を 30%以上としていましたが、平成 22 年4月1日現在の女性の比率は 26.3%、 また、女性が未参画の審議会などもあり、目標を達成できませんでした。 ◆本市においては、豊かな地域社会づくりに多くの地域団体が取り組み、奮闘されている ところですが、現場で実際のさまざまな活動を担っている女性は多くても、方針決定過 程は男性中心に行われている場合が少なくありません。 ◆男女共同参画社会の形成にとって、男女がともに政策・方針決定過程に参画することは 極めて重要です。 政策・方針決定過程への女性の参画を促進させるためには、これまで行ってきた審議会 等委員や市職員における女性登用等の取り組みを一層進めるとともに、女性の指導者が 育成される気運を高めることが必要です。 図 審議会等委員における女性委員の割合の推移(全国・府・市) 24.7 25.0 26.8 28.2 30.9 31.3 32.3 32.4 33.2 35.9 35.9 33.4 33.0 31.9 31.1 25.7 34.2 34.5 26.3 21.7 22.7 21.8 20.9 18.2 22.3 20.5 20.1 10 20 30 40 平成13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 (年 (%) ) 国 大阪府 寝屋川市 ※国の値は、各年9月30日現在。大阪府、寝屋川市の値は、各年4月1日現在。 資料:国、大阪府の値は「大阪府の男女共同参画の現状と施策」(平成21年版年次報告書)より 寝屋川市の値は市総務課調べ 8

(11)

図 国・府・市町村職員における女性管理職割合の推移(全国・府・市) 11.3 11.2 11.6 12.5 13.6 15.1 9.4 8.9 8.7 7.9 7.6 7.2 5.7 6.1 6.3 5.3 5.4 5.0 3.1 4.6 5.9 6.7 5.5 7.0 0 5 10 15 20 平成16 17 18 19 20 21 (年度) (%) 国(市区)(課長相当職以上) 大阪府(知事部局課長級以上) 寝屋川市(副係長以上) 寝屋川市(課長以上) ※寝屋川市は各年度 5 月1日現在。管理職=副係長と係長以上の合計。 資料:国は内閣府「男女共同参画白書」平成 22 年版、大阪府は大阪府人事課調べ 寝屋川市は市人事室調べ 表 地域活動役員への女性の参画率(市) 団体名 平成 15 年 平成 16 年 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 平成 21 年 自治会長の合計数(市) 186 188 192 193 193 195 195 うち女性が会長 14 12 19 15 18 20 16 女性が占める割合 7.5% 6.4% 9.9% 7.8% 9.3% 10.3% 8.2 自治会長の合計数(国) - - - - 230,968 239,677 235,309 うち女性が会長 - - - - 8,853 9,365 8,935 女性が占める割合 - - - - 3.8% 3.9% 3.8% 社明地区委員長・副委員長の合計数 43 45 45 43 44 うち女性が委員長・副委員長 8 7 9 8 7 女性が占める割合 18.6% 15.6% 20.0% 18.6% 15.9% 社明地区委員会役員の合計数 233 205 209 225 224 217 うち女性が役員 97 81 85 77 77 75 女性が占める割合 41.6% 39.5% 40.7% 34.2% 34.4% 34.6% 資料:市市民活動振興室調べ 施策の方向 (1)市の政策・方針決定過程への女性の参画推進 (2)女性職員の管理職への積極的な登用 (3)地域などにおける方針決定過程への男女の対等な参画促進

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課題2 地域における男女共同参画の促進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆都市化の進行やプライバシー意識の高まりによって、個人や家庭の孤立傾向が進み、そ れによって地域のつながりの希薄化が懸念されています。 ◆地域は生活の基盤であることから、男女共同参画という考え方が社会のすみずみに浸透 し、定着するためには、地域での取組みがきわめて重要です。 そのためには、まちづくりや防災、環境など、生活に関わりの深いさまざまな課題に男 女がともに関われる環境づくりが必要です。 また、地域団体などとの連携を強化しながら、老若男女が地域の活動に積極的な参加・ 参画ができるよう施策を進めることが求められています。 施策の方向 (1)男女でともに支える地域活動の促進 (2)まちづくり、防災活動等への男女共同参画の促進 (3)地域活動への参加を促進するための環境づくり 10

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Ⅱ.男女共同参画社会実現に向けた文化の創造

課題1 男女共同参画の意識づくり

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆「平成 21 年市民意識調査」によると、「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割 分担意識について反対の割合が賛成の割合より若干高くなっていて、女性のほうが反対 の割合が多くなっています。 ◆一方、同調査の中の、「子どもが 3 歳くらいまでは母親の手で育てるべきだ」に「そう思 う」割合は 72.4%、「妻子を養うのは男の責任である」では 70.9%、「男の子は男の子 らしく、女の子は女の子らしく育てるのがよい」では 67.8%であり、具体的な意識や行 動については、性別によって役割を固定した考え方が根強いことがわかります。 ◆同調査の中の男女共同参画に関する言葉の認知度(「内容を知っている」+「見聞きした ことがある」)の合計をみると、「DV(ドメスティック・バイオレンス)」や「セクシュ アル・ハラスメント(性的いやがらせ)」は 9 割程度と高く、内容を知っている人も 7 割程度あります。「男女共同参画社会基本法」や「ジェンダー(社会的性別)」の認知度 は男女共に 4~6 割程度で、内容まで知っている人は 2 割に満たない状況ですが、前回調 査と比べると大幅に認知度が高くなっています。 ◆本市においては、男女共同参画の意識変革を「新しい文化の創造」と位置付けて積極的 に取り組む姿勢を表明しているところです。これまで以上に工夫された男女共同参画社 会実現に向けての広報や啓発に取り組むことが求められています。 図 「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識について 7.5 6.2 9.3 24.9 22.7 28.0 24.2 26.8 20.7 14.9 16.5 12.6 27.6 26.6 29.0 0.8 1.1 0.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 【N=1411】 女性 【N=822】 男性 【N=589】 1.そう思う 2.どちらかと言えばそう思う 3.どちらとも言えない 4.どちらかと言えばそうは思わない 5.そうは思わない 無回答 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度

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図 日常生活における考え方 67.8 62.0 75.9 72.4 74.9 68.9 70.9 64.6 79.6 35.5 38.8 30.9 30.1 35.4 22.8 25.6 22.9 29.4 27.1 32.6 19.5 62.2 58.6 67.1 2.1 2.6 1.4 2.0 2.2 1.7 2.0 2.8 0.8 2.3 2.6 2.0 0% 50% 100% 全体 女性 男性 全体 女性 男性 全体 女性 男性 全体 女性 男性 50.9 48.8 53.8 25.4 25.8 25.0 15.0 17.0 12.1 44.3 48.4 38.5 46.1 48.1 43.5 72.2 71.5 73.2 83.3 81.1 86.4 54.2 49.9 60.3 1.2 1.7 1.5 1.5 1.8 1.7 1.9 2.7 2.3 2.7 3.2 3.0 0% 50% 100% 全体 女性 男性 全体 女性 男性 全体 女性 男性 全体 女性 男性 ①男の子は男の子らしく、 女の子は女の子らしく育 てるのがよい ③妻子を養うのは男の責任 である ②子どもが 3 歳くらいまで は母親の手で育てるべき だ ④夫が転勤の場合、妻は仕 事をやめてでも一緒につ いて行くべきだ ⑤家事・育児がおろそかに なるなら、妻は働くべき ではない ⑥夫の親を妻が看るのは 当然だ ⑦夫がトイレの掃除をして いるのは妻の恥である ⑧夫のことを「主人」と言 うのは当たり前だ 12 1.そう思う 2.そうは思わない 無回答 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 施策の方向 (1)男女の人権等に関する法律の理解の促進 (2)男女共同参画の視点に立った情報提供や啓発活動の充実 (3)男女共同参画の視点に立った慣行の見直し (4)表現における男女共同参画の推進

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課題2 生涯にわたる男女平等・男女共同参画の教育・学習の推進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆現在、中学校においては、職業体験などを通して、早い段階から職業観・労働観の育成 に努めているところです。 しかし、大学などの高等教育の選択においては、女子学生が理工系分野を選択する割合 が低く、男女で専攻分野に偏りが見られます。性別にかかわらず、一人ひとりが個性と 能力に応じて多様な選択ができるよう、キャリア教育という観点から、これまで以上に 積極的な推進が必要です。 ◆成人にとっては、近年の急速な社会の構造的な変化の中で、一人ひとりが社会の変化に 柔軟に対応し、自己の能力開発のための教育や学習の機会が確保されていることは重要 です。生涯を通して、学びたい人が「いつでも」「どこでも」学べるように多様な学習 機会の充実が必要です。 図 学校種類別進学率の推移(全国) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 昭和25 30 35 40 45 50 55 60 平成2 7 12 17 21 (年) (%) 高等学校等 男子 高等学校等 女子 大学(学部)男子 大学(学部)女子 短期大学 女子 大学院 男子 大学院 女子 48.0 36.7 13.3 2.4 2.2 4.7 1.9 96.5 96.2 55.9 44.2 15.5 11.1 6.8 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 22 年版

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図 大学・短期大学生の専攻分野別構成(全国) 人文科学 社会科学 理学(大学のみ) 教養(短大のみ) 工学 農学 医学・歯学(大学のみ) その他の保健 家政 教育 芸術 その他 9.1 12.8 8.8 24.6 21.6 10.8 41.1 27.2 4.1 23.2 24.4 8.8 7.9 10.7 6.6 22.1 5.7 15.1 31.3 9.0 4.4 4.4 4.9 6.4 8.0 5.2 6.9 2.0 0.1 1.6 4.1 0.7 0.4 2.9 3.1 4.7 2.0 2.9 4.00.5 4.4 1.4 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 短期大学 男性 16,408人 短期大学 女性 138,719人 大学 男性 1,474,151人 大学 女性 1,05 68人   3,1 資料:文部科学省「学校基本調査」平成 21 年度 施策の方向 (1)男女平等保育・教育の推進 (2)学校教育における人権尊重に基づいた性教育の推進 (3)教職員、保育士への男女共同参画の推進 (4)性別役割にとらわれない家庭教育の促進と保護者との連携 (5)男女共同参画の視点での学習機会の提供と支援 14

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課題3 国際社会への理解

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆我が国の男女共同参画施策は、国連をはじめとする国際的な女性の地位向上にかかる動 きと連動して進められ、本市の男女共同参画施策においては、こうした動きを踏まえて 施策を推進してきました。 今後も、女子差別撤廃条約をはじめとする男女共同参画に関連の深い条約などや国際的 な視点から見た現状について理解を深めていくことが大切です。 ◆また、「開発と女性」についての関心を高め、その文化に敬意をはらいつつ相互協力や 交流を進めることが必要です。 表 人間開発に関する指標の国際比較(国) ② DI(人間開発指数) ②GGI(ジェンダー・ギャップ指数) ③GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数) 順位 国名 HDI値 順位 国名 GGI 値 順位 国名 GEM 値 1 ノルウェー 0.971 1 アイスランド 0.828 1 スウェーデン 0.909 2 オーストラリア 0.970 2 フィンランド 0.825 2 ノルウェー 0.906 3 アイスランド 0.969 3 ノルウェー 0.823 3 フィンランド 0.902 4 カナダ 0.966 4 スウェーデン 0.814 4 デンマーク 0.896 5 アイルランド 0.965 5 ニュージーランド 0.788 5 オランダ 0.882 6 オランダ 0.964 6 南アフリカ共和国 0.771 6 ベルギー 0.874 7 スウェーデン 0.963 7 デンマーク 0.763 7 オーストラリア 0.870 8 フランス 0.961 8 アイルランド 0.760 8 アイスランド 0.859 9 スイス 0.960 9 フィリピン 0.758 9 ドイツ 0.852 10 日本 0.960 10 レソト 0.750 10 ニュージーランド 0.841 11 ルクセンブルク 0.960 11 オランダ 0.749 11 スペイン 0.835 12 フィンランド 0.959 12 ドイツ 0.745 12 カナダ 0.830 13 米国 0.956 13 スイス 0.743 13 スイス 0.822 14 オーストリア 0.955 14 ラトビア 0.742 14 トリニダード・トバゴ 0.801 15 スペイン 0.955 15 英国 0.740 15 英国 0.790 16 デンマーク 0.955 16 スリランカ 0.740 16 シンガポール 0.786 17 ベルギー 0.953 17 スペイン 0.734 17 フランス 0.779 18 イタリア 0.951 18 フランス 0.733 18 米国 0.767 19 リヒテンシュタイン 0.951 19 トリニダード・トバゴ 0.730 19 ポルトガル 0.753 20 ニュージーランド 0.950 20 オーストラリア 0.728 20 オーストリア 0.744 21 英国 0.947 21 バルバドス 0.724 21 イタリア 0.741 22 ドイツ 0.947 22 モンゴル 0.722 22 アイルランド 0.722 23 シンガポール 0.944 23 エクアドル 0.722 23 イスラエル 0.705 24 香港 0.944 24 アルゼンチン 0.721 24 アルゼンチン 0.699 25 ギリシャ 0.942 25 カナダ 0.720 25 アラブ首長国連邦 0.691 26 韓国 0.937 26 モザンビーク 0.720 26 南アフリカ共和国 0.687 27 イスラエル 0.935 27 コスタリカ 0.718 27 コスタリカ 0.685 28 アンドラ 0.934 28 バハマ 0.718 28 ギリシャ 0.677 29 スロベニア 0.929 29 キューバ 0.718 29 キューバ 0.676 30 ブルネイ 0.920 30 リトアニア 0.718 30 エストニア 0.665 55 リビア 0.847 55 エルサルバドル 0.694 55 ベネズエラ 0.581 56 オマーン 0.846 56 コロンビア 0.694 56 キルギス 0.575 57 セーシェル 0.845 57 ウルグアイ 0.694 57 日本 0.567 58 ベネズエラ 0.844 58 ウズベキスタン 0.691 58 スリナム 0.560 59 サウジアラビア 0.843 59 フィリピン 0.560 60 パナマ 0.840 101 日本 0.645 60 ロシア 0.556

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HDI値(人間開発指数) 「長寿を全うできる健康的な生活」、「教育」及び「人間らしい生活」という人間開発の3つの側面を簡略化した指数。具体的には、平 均寿命、教育水準(成人識字率と就学率)、国民所得を用いて算出している。 GGI値(ジェンダー・ギャップ指数) 世界経済フォーラムが、各国内の男女間の格差を数値化しランク付けしたもので、経済分野、教育分野、政治分野及び保健分野のデー タから算出され、0 が完全不平等、1 が完全平等を意味している。GEM が、国の開発レベルの影響を受け、必ずしも男女間格差を示せな いことに比べ、性別による格差を明らかにできる。 GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数) 女性が政治及び経済活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測るもの。HDIが人間開発の達成度に焦点を当てているのに対 し、GEMは能力を活用する機会に焦点を当てている。具体的には、国会議員、専門職・技術職、管理職それぞれに占める女性割合及 び男女の推定所得を用いて算出している。 施策の方向 (1)国際規範の認識の促進 (2)「開発と女性」への理解の促進 16

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課題4 性別にとらわれない活動の推進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆これまで、女性は、世界に誇る長寿と高い水準の教育にもかかわらず、根強く残る固定 的な性別役割分担に基づく意識や社会構造などによって、その能力を十分に発揮できて いるとは言えません。 男女共同参画社会の実現には、女性が男性と対等な立場で、あらゆる分野に参画するこ とによって、これまでと違う視点を加えることが重要になってきます。 そのためには、女性が潜在的にもっている力を発揮すること(エンパワーメント)が求 められており、学習機会の充実をはじめ、地域や職場などで活躍する女性たちが連携で きるような情報提供や交流の場づくりなどの支援が必要です。 ◆また、老若男女がそれぞれにエンパワーメントできるよう、市民が様々な分野で活動し、 力を養う機会や情報の提供など、関係機関や団体との連携も含めた支援体制を構築する 必要があります。 施策の方向 (1)男女共同参画を推進する市民等のエンパワーメントの支援 (2)男女共同参画の視点に立った文化創造活動の推進と支援 (3)男女共同参画社会をめざすスポーツ活動の推進と支援 (4)パソコンを活用した活動等の支援

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Ⅲ.働く場での男女共同参画の推進

課題1 男女の働く権利の確立

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆平成 19 年の「就業構造基本調査」によると、大阪府では、「パート」や「アルバイト」 などの非正規就業者の割合は、男性は平成 9 年の 12.4%から平成 19 年には 23.4%、女 性は 46.4%から 58.8%と男女ともに上昇し、特に女性の場合は過半数を超えています。 ◆また、本市においては、雇用者の 43.2%(平成 17 年国勢調査)を女性が占めています が、女性の年齢階級別労働力率では、全国に比べて 40 歳代後半から 50 歳代の2つ目の 山の部分での労働力率は全国平均を下回っています。 国の資料では、第1子の出産を機に女性の 70%が退職しているというデータもあり、こ うした状況を背景に、賃金の男女格差、女性の管理職の割合の低さが生じ、職場におけ る男女の実質的な機会と待遇の均等が達成されにくくなっています。 ◆少子高齢化の進行に伴い、労働力人口が減少している中では、働く場での男女の共同参 画を推進し、一人ひとりの男女労働者が能力を十分に発揮することが重要になってきま す。そのためには、男女雇用機会均等法をはじめとした男女が平等に働くための法制度 に関する情報の提供や学習の機会を充実し、ライフステージの各段階に応じた働きやす い環境の整備への支援が重要になっています。 図 共働き等世帯数の推移(全国) 831 995 825 851 1,082 1,114 1,038 1,054 952 952 933 946 930 897 888 903915 930 854 863 875 870 894 890 916 889 912 921 937 955 1,096 614 664 645 877 914 929943 908 949 927 929942 951951 949 961 956 988 977 708 721 722 720 771 783 748 823 1,011 1,013 600 700 800 900 1,000 1,100 1,200 56 57 58 59 60 61 62 63 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 (年) (万世帯) 昭 和 55 平 成 元 男性雇用者と無業の妻からなる世帯 雇用者の共働き世帯 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 22 年版 18

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図 性別雇用者数の推移(市) 59,402 61,690 63,808 65,365 52,371 39,859 63,102 26,313 32,534 37,653 40,963 41,110 43.2 39.4 38.5 37.1 34.5 30.7 0 50,000 100,000 150,000 昭和55 昭和60 平成2 平成7 平成12 平成17 (年) (人) 0 10 20 30 40 50 (%) 男性 女性 女性割合 資料:総務省「国勢調査」 図 性別・年齢層別労働力率(全国(女性)・府(女性)・市) (%) 68.3 14.0 72.4 92.1 20.7 30.2 65.6 94.3 93.8 94.1 93.3 92.2 90.3 21.0 69.2 72.2 59.5 60.3 65.9 66.4 62.4 11.0 35.3 54.7 53.9 35.8 56.8 57.0 63.8 65.9 61.3 69.0 65.8 18.7 11.4 59.7 40.4 72.7 69.5 62.3 61.6 67.7 16.8 71.6 0 20 40 60 80 100 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~ (歳) 寝屋川市(男性) 寝屋川市(女性) 大阪府(女性) 国(女性) (注)総数には労働力状態「不詳」を含まない 資料:総務省「国勢調査」(平成 17 年)

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図 労働者の平均所定内給与格差の推移(男性一般労働者=100)(全国) 69.8 54.8 49.1 59.6 60.2 60.7 61.5 61.6 62.0 62.5 62.8 63.1 63.9 64.6 65.5 65.3 66.5 66.8 67.6 65.9 65.9 66.9 67.8 5 57.8 58.3 58.1 54.9 54.2 55.3 54.2 51.7 51.9 50.8 51.2 50.7 48.9 49.9 50.6 52.5 52.6 53.8 53.3 4 43.6 43.8 44.6 43.7 44.3 44.5 44.0 43.4 44.3 44.0 44.3 43.9 44.0 44.4 45.2 46.3 46.8 47.7 48.5 4 45 50 55 60 65 70 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 (年) (%) 女性一般労働者の給与水準 男性短時間労働者の給与水準 5.4 2.9 0 女性短時間労働者の給与水準 平 成 元 (注)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成 女性一般労働者は、男性一般労働者の1日当たり平均所定内給与額を 100 として、各区分 の1時間当たり平均所定内給与額の水準を算出したものである。 男性および女性短時間労働者は、男性一般労働者の1時間当たり平均所定内給与額を 100 として、各区分の1時間当たり平均所定内給与額の水準を算出したものである。 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 22 年版 施策の方向 (1)労働に関する法律・権利の周知 (2)性別にとらわれない労働観・職業観の醸成 20

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課題2 就業や起業に関する支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆「平成21年市民意識調査」によると、現在働いていない40歳代以下の女性の6割以上が 『働きたい』と答え、30、40歳代の大半は「パート・アルバイト・人材派遣」という働 き方を希望しています。 ◆再就職などの際に女性が「パート・アルバイト・人材派遣」を望む背景には、家庭のこ とは女性の責任という固定的な性別役割分担意識があることが考えられます。しかし、 こうした働き方は、不安定で雇用条件がよくない場合が多く、長い目でみれば生涯賃金 や老後の年金には大きな格差が生まれます。また、「パート・アルバイト・人材派遣」か ら「正社員」になることのハードルも低くありません。 就労の場においては女性の能力が必要になってくるという観点から、継続就労や再就職、 起業など多様な働き方を可能にするために、関係機関と連携し、事業者への働きかけや 講座の開催、相談の充実などの支援が重要になってきます。 施策の方向 (1)就労継続への支援 (2)再就職への支援 (3)起業に関する情報の提供 (4)女性の活用促進に関する企業への働きかけ

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課題3 行政内部における男女平等の推進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆男女共同参画社会の形成にあたっては、行政自らが率先して男女平等・男女共同参画の 職場づくりに取り組むことにより、事業者や地域活動団体などへの波及効果が期待でき ます。 男女雇用機会均等法にのっとった募集・採用を進めるとともに、職域拡大や人材育成に 努めていくことが必要です。 ◆また、あらゆる施策に男女共同参画の視点が行きわたるよう、職員を対象にした、きめ 細かい研修を継続的に行うことが必要です。 ◆男女がともに働きやすい職場づくりの一環として、セクシュアル・ハラスメントの防止、 ストレスマネジメントの取組みも重要です。 施策の方向 (1)採用・配置における男女平等の推進 (2)市職員の研修の充実 22

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Ⅳ.仕事と生活の調和の実現

課題1 男女共同参画の子育て支援の促進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆「平成 21 年市民意識調査」によると、1日の中で家事・育児・介護に使う時間を男女で 比較すると、女性の 30~50 歳代で2時間以上の割合が高いのに対して、男性の同年代で は、2時間以上の割合は数%にとどまっており、家事・育児・介護に関わる時間に差が あることが明らかになっています。 こうした背景には、「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識があり、そ れによって長時間労働を余儀なくされている男性の生活スタイルがあると考えられます。 ◆従来、主に女性が担ってきた育児や介護などに、男性が積極的に参加することは、仕事 でも生活でも男女がともに自立することにも繋がっていきます。「仕事も家庭も大切にす る」という意識を醸成していくことが必要です。 ◆一方、少子高齢化の進行や地域との関わりの希薄化が進む中、仕事と家庭生活を両立す るためには、子育てや介護を地域社会全体の問題として捉えることが必要です。 「平成 21 年市民意識調査」で男女共同参画を進めるに当たって必要なものをたずねた設 問では、男女ともに「保育所や子育て支援センターなど、安心して働くための施設の整 備を進める」「高齢者の介護などの社会的サービスを向上させる」の割合が突出して高く なっています。 ◆男性も女性も、働いている人もそうでない人も、安心して子育てができるよう、「社会 全体で子育てを支える」という視点が必要です。子育て家庭の多様なニーズに応えられ るよう、様々な保育サービスや地域における子育て支援サービスなど、子育て支援の充 実を進める必要があります。 表 平日の 1 日に家事・育児・介護に使う時間 全体 女性 男性 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 全体 N = 1411 822 589 71 123 119 132 221 156 57 82 87 78 150 135 % = 100.0 58.3 41.7 8.6 15.0 14.5 16.1 26.9 19.0 9.7 13.9 14.8 13.2 25.5 22.9 22.4 9.4 40.6 31.0 5.7 4.2 5.3 8.1 11.5 40.4 41.5 39.1 51.3 39.3 36.3 8.7 2.8 17.0 14.1 2.4 5.0 0.0 0.9 1.3 22.8 13.4 14.9 21.8 18.0 14.1 10.3 5.8 16.6 5.6 9.8 5.9 4.5 6.3 3.2 17.5 17.1 18.4 14.1 16.7 16.3 13.6 14.5 12.4 16.9 8.9 14.3 18.2 15.8 12.8 7.0 14.6 18.4 7.7 15.3 8.9 17.3 26.0 5.1 14.1 15.4 31.1 35.6 29.0 23.7 3.5 6.1 2.3 0.0 4.0 11.1 11.0 18.0 1.2 5.6 13.0 17.6 20.5 19.5 23.7 1.8 2.4 2.3 0.0 1.3 0.0 5.0 8.5 0.2 1.4 14.6 6.7 6.8 11.3 5.8 0.0 0.0 1.1 0.0 0.0 0.0 2.5 4.0 0.3 2.8 8.9 6.7 3.0 2.3 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.5 4.2 6.8 0.5 7.0 21.1 7.6 5.3 2.3 2.6 0.0 1.2 0.0 1.3 0.0 0.7 5.0 4.1 6.1 1.4 0.0 0.8 0.8 4.5 13.5 7.0 3.7 3.4 3.8 5.3 11.1 性別 女性(年齢別) 男性(年齢別) 9. 10時間以上 8. 8~10時間以内 7. 6~8時間以内 6. 4~6時間以内 5. 2~4時間以内 4. 1~2時間以内 3. 30分~1時間以内 無回答 2. 30分以内 1. ほとんどない 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度

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図 保育所入所児数(市) 3,694 3,664 3,663 3,611 3,597 0 0 0 0 0 3,500 3,600 3,700 平成17 18 19 20 21 (年度) (人) 0 10 20 30 40 50 (人) 入所児数 待機児童数 ※平成 22 年4月1日現在 新基準による 資料:市政概要及び市こども室調べ 図 ファミリー・サポート・センター事業会員数・活動回数の推移(市) 依頼会員 提供会員 両方会員 359 129 138 330 426 485 143 148 64 55 61 61 2,867 1,438 2,314 2,334 0 200 400 600 800 1,000 17 18 19 20 (人 24 ) 0 1,000 2,000 3,000 活動回数 (回) (年度) 資料:寝屋川市「統計書」

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図 出産前後の女性の就業状況の変化(全国) 25.6% 47.2%(64) 22.5%(31) 自営業等3.8% 不詳0.8% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 勤め(常勤) 勤め(パート・アルバイト) 出産1年前 (N=22,914) 無職 有職73.5%(100) 出産1年前に有職だった者の出 産半年後(現在)の状況 38.2%(57) 27.3%(40) 23.9%(74) 不詳0.4% 自営業等4.6% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 元常勤 勤め(常勤) 出産半年後(現在) (N=16,852) 元パート・アルバイト 勤め(パート・アルバイト)3.7% 元自営業等1.9% 無職67.4%(100) 有職32.2%(100) (注)厚生労働省「第 1 回 21 世紀出生児縦断調査」(平成 13 年度)より作成 きょうだい数 1 人(本人のみ)の場合 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 21 年版 施策の方向 (1)地域における子育て支援サービスの充実 (2)仕事と子育ての両立に向けた支援 (3)男性の子育てへの参加促進

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課題2 仕事と生活の両立支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆「平成 21 年市民意識調査」によると、暮らし方の希望では、男女ともに 50%以上が「仕 事」「家庭生活・地域活動」「個人の生活」を組み合わせた暮らしを望んでいるにもかか わらず、現実の生活では、こうした暮らし方は 30%台に減少し、女性の場合は、「『仕事』 を優先している」「『家庭生活・地域活動』を優先している」がそれぞれ 15%、男性の場 合は「『仕事』を優先している」が 30%を超えています。 働く男女が家庭生活や地域活動、個人の生活について自ら望むバランスを可能にするた めには、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」という考え方が必要で、 効果的であるという認識をもつ必要があります。働く男女ばかりでなく、事業者に対し て積極的な広報・啓発を行うことが必要です。 ◆特に、男性は、これまでの固定的な性別役割分担意識によって、仕事中心のライフスタ イルを余儀なくされてきました。働き方の見直しや、男性が家事、育児、介護、地域活 動などに参画していくことについての社会的な気運の醸成とともに、男性の育児休業取 得を促進する必要があります。 図 「仕事」、「家庭生活・地域活動」、「個人の生活」についての希望と現実 5.9 3.0 9.8 7.9 8.4 7.3 18.8 19.3 18.0 8.2 6.0 11.2 13.6 12.4 15.3 14.2 16.2 11.4 22.2 24.5 19.0 5.9 6.9 4.4 3.4 3.3 3.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 【N=1411】 女性 【N=822】 男性 【N=589】 ①希望 ②現実 22.3 11.1 22.0 7.7 11.1 9.8 6.0 6.7 15.1 15.1 21.8 7.7 10.9 12.2 6.6 7.3 32.3 5.4 22.4 7.6 11.4 6.5 5.1 5.8 3.5 3.4 3.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 【N=1411】 女性 【N=822】 男性 N=589】 【 1.「仕事」を優先したい(している) 2.「家庭生活・地域活動」を優先したい(している) 3.「個人の生活」を優先したい(している) 4.「仕事」と「家庭生活・地域活動」をともに優先したい(している) 5.「仕事」と「個人の生活」をともに優先したい(している) 6.「家庭生活・地域活動」と「個人の生活」をともに優先したい(している) 7.「仕事」と「家庭生活・地域活動」と「個人の生活」を調和させたい(させている) 8.わからない 無回答 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 26

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図 妻の就業状態別・夫と妻の仕事時間と家事関連時間(全国) 10:16 10:20 10:06 9:55 10:10 10:01 7:49 0:04 8:19 6:36 4:57 0:39 0:33 0:30 5:16 6:43 5:01 4:03 5:13 4:47 8:08 4:15 3:25 6:52 夫が有業で妻が 無業の世帯 共働き世帯のうち 妻の週間就業時 間が35時間以上 共働き世帯 妻 妻 妻 夫 夫 夫 (時間:分) 睡眠 ・ 食事等 仕事 ・ 通 勤 等 家事 ・ 育 児 ・ 介護 等 自由時間 ( 3 次 活 動 時 間 ) (備考)総務省「社会生活基本調査」(平成 18 年)より作成。 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 21 年版 施策の方向 (1)仕事と生活の両立に向けた支援 (2)仕事と生活の両立に向けた啓発 (3)男性の育児休業取得促進 (4)女性のライフプランニング支援

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Ⅴ.あらゆる人が生きがいをもって安心して暮らせる環境整備

課題1 看護・介護への社会的支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆本市の高齢化率は平成 17(2005)年時点では 17.3%で、国勢調査のたびに上昇していま す。平成 22 年4月1日現在の高齢化率は 21.9%となっています。(住民基本台帳人口及 び外国人登録人口より算出)。また、65 歳以上の高齢者のひとり世帯の割合も急激に増 加し、その 70%は女性となっています。 ◆「平成 21 年市民意識調査」によると、高齢者の介護・介護を担っているのは、妻、娘、 息子の配偶者などといった女性が 50%で、夫、息子という男性は 10%強であり、介護の 負担が女性に偏っていることがわかります。 以上のことから、高齢者問題を解決することは女性の問題を解決することにつながって いるといえます。 ◆介護を社会全体で担うために始まった介護保険制度(平成12(2000)年4月スタート)は、 10年が経過しました。「寝屋川市高齢者保健福祉計画」に沿って、介護の負担が女性に 集中することなく、地域でサポートする仕組みをつくるなど、高齢者が安心して暮らせ る介護体制を整備することが必要です。 また、高齢者夫婦世帯や男性の未婚率が高まる傾向の中で、男性が介護を担うケースが 増えてくると考えられます。仕事重視の生き方によって地域に参加できずに孤立化した り、家事や介護の技術不足などが考えられ、男性に対するきめ細かい支援が求められて います。 図 性別・65 歳以上の単独世帯数の推移(市) 1,494 2,126 2,876 3,973 5,406 439 572 947 1,481 2,237 966 280 0 2,000 4,000 6,000 8,000 昭和55 昭和60 平成2 平成7 平成12 平成17 (年) 女性 男性 (世帯) 1,246 1,933 2,698 3,823 5,454 7,643 資料:総務省 統計局「国勢調査報告」 28

(31)

図 主な介護・介助者 17.1 6.6 21.1 4.6 11.8 12.5 15.8 5.3 5.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 【N=152】   1.介護されている人の妻   2.介護されている人の夫   3.介護されている人の娘   4.介護されている人の息子   5.介護されている人の娘の夫   6.介護されている人の息子の妻   7.ホームヘルパーなどの在宅介護サービス   8.介護施設等   9.その他   無回答 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 図 主な介護者の要介護者との続柄、主な介護者の性別(全国) 不詳 16.8% その他 0. 女 71.9% 男 28.1% 6% 同居 配偶者 25.0% 事業者 12.0% 同居 子 17.9% 別居の家族等 10.7% 同居 子の配偶者 14.3% 同居 の他の親 2.3% そ 同居 父母 0.3% 資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」平成 19 年 施策の方向 (1)介護施策の充実 (2)男性の看護・介護への参画促進と支援

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課題2 高齢者や障害者の自立と連帯への支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆政府が発表した相対的貧困率をみると、各年齢層で男性より女性の方が高く、特に高齢 単身女性や母子家庭で高くなっています。 高齢社会を豊かで活力ある社会とするためには、年齢や性別に基づく固定的な見方や偏 見をなくし、高齢者を他の世代と同様に社会を支える重要な一員ととらえることが必要 です。 「寝屋川市高齢者保健福祉計画」に沿って、男女共同参画の視点に立って男女の生活実 態、意識、身体機能などの違いに配慮した、きめ細かい自立支援施策が必要です。 ◆障害のあるなしにかかわらず、ともに生活し活動できる社会の構築が求められています。 中でも、障害のある女性の場合は、障害に加えて女性であることで更に複合的な困難が あることに留意する必要があります。 施策の方向 (1)高齢者への自立支援 (2)障害者への自立支援 (3)男女共同参画による福祉のまちづくりの推進 (4)高齢者や障害者の自主活動やネットワーク活動の支援 30

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課題3 多様な家族への生活支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆これまで大半を占めていた「夫婦と子ども」世帯は減少し、単身世帯やひとり親家庭、 高齢者の夫婦のみの家庭が増え、家族の形態は多様化しています。 離婚家庭や単身の人たちに対する偏見をなくし、様々な家族形態があることが理解され るよう啓発を行うことが必要です。 ◆なかでも、離婚率の増加傾向から、母子家庭が増加しており、経済的・社会的に厳しい 状況に置かれている母子家庭は少なくありません。 関係機関や市民活動団体などと連携し、必要な人に必要な支援が届くよう、総合的な施 策を充実することが重要です。 ◆また、父子家庭への関心は必ずしも高くないため、当事者の立場への理解を深め、必要 な支援を行うことなどが求められています。 図 母子家庭、父子家庭の状況(市) 1,508 1,374 1,645 2,146 303 235 212 229 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 平成2 7 12 17 (年) (世帯) 母子家庭 父子家庭 資料: 総務省「国勢調査」

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図 母子世帯・父子世帯の年間就労収入の構成割合(全国) 5.9 17.4 6.1 45.3 31.2 4.3 39.1 11.8 17.7 21.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 母子世帯 父子世帯 100万円未満 100~200万円未満 200~300万円未満 300~400万円未満 400万円以上 (平均171万円) (平均398万円) (備考)1.厚生労働省「全国母子世帯等調査」(平成 18 年)より作成。 2.「平均年間就労収入」とは、母本人又は父本人の平成 17 年の年間就労収入である。 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 21 年版 施策の方向 (1)多様な家族形態を認め合い、わかり合うための啓発活動の推進 (2)多様な家族への生活支援 32

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課題4 地域に居住する外国人女性への理解と支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆日本に在住する外国人女性は、言語の違いや文化・価値観の違いなどの困難を抱えてい ることに加え、女性であることから、複合的な困難に陥る可能性があります。 男女共同参画の視点に立った、多言語による情報提供などが求められています。 ◆在住外国人家庭や国際結婚の家庭に育つ子どもたちは、複数の文化を背景にすることか ら、アイデンティティの確立がむずかしい場合があります。自分たちの国の文化に誇り を持ちながら地域社会と共生するため、多文化に対する理解を深め、ともに地域の一員 として共生することのできる地域社会づくりを支援する必要があります。 施策の方向 (1)市内に在住する外国人女性への支援 (2)多文化共生への理解促進

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Ⅵ.生涯を通じた心と身体の健康づくり

課題1 生涯を通じた女性の健康づくり

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆男女が互いの身体的性差を十分理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやり をもって生きていくことは、男女共同参画社会の形成の前提となるものです。そのため には、みずからの心身の機能や特徴について正しい知識・情報を入手し、主体的に健康 を享受できるようにしていくことが必要です。 特に女性の場合は、思春期、出産期、更年期、高齢期と、人生の各段階において男性と は異なる健康上の問題に直面することが多く、また、妊娠や出産は、女性の健康にとっ て重要な事柄です。安心して子どもを産み育てられる支援が求められています。 ◆疾患の罹患状況が男女で異なるなど、生涯を通じた健康の保持増進のためには、性差を 踏まえた的確な医療を受けることが必要です。 性差医療の重要性に関する啓発や医療体制の整備、性差を踏まえた心身の健康づくりの 支援や生活習慣病の予防対策などが必要です。 施策の方向 (1)生涯の各時期に応じた健康診査の普及と必要な医療と連携した相談体制の整 備 (2)女性の健康管理の支援 34

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課題2 性と生殖に関する健康と権利の保障

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆“リプロダクティブ・ヘルス/ライツ”についての市民への普及に努め、女性が思春期か ら妊娠・出産期、更年期、高齢期まで生涯を通じて、自分の健康について管理し、決定 できるように支援していくことが必要です。 ◆若い世代における望まない妊娠や性感染症、HIV/エイズや薬物乱用などは、生涯にわ たり健康に大きな影響を及ぼすものです。幼児期、学齢期より発達段階に応じた学習や、 予防などの情報提供に努めることが必要です。 施策の方向 (1)性と生殖に関する健康と権利についての意識の浸透 (2)妊娠・出産・育児期の健診・相談の充実 (3) HIV/エイズ、性感染症についての予防啓発の推進

課題3 男性の心身の健康づくり

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆固定的な性別役割分担意識は、男性の心身の健康にも大きな影響を与えています。 年間3万人を超える自殺者のうち中高年の男性の占める割合は高く、また、過労死の犠 牲者の多くは男性です。家庭介護の中で起こる高齢者虐待の加害者に占める男性の割合 も高く、また、父子家庭の父親など、社会状況や生活スタイルの変化によってさまざま なストレスが発生しています。男性対象の相談事業の充実などの支援が必要です。 ◆また、男性固有の疾病などもあり、性差を踏まえた心身の健康づくりの支援や生活習慣 病の予防対策などが必要です。 施策の方向 (1)男性の心身の健康づくりに向けた啓発 (2)相談体制の充実

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Ⅶ.女性等に対するあらゆる暴力の根絶

課題1 あらゆる暴力根絶に向けた環境づくり

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆性暴力や配偶者・パートナーからの暴力、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行 為、児童虐待などは、犯罪ともなる行為を含む重大な人権侵害です。こうした暴力の被 害者の多くは女性であり、女性に対する暴力は、男女が対等な構成員として社会に参画 する際の克服すべき重大な課題です。 暴力を根絶するためには、学校、地域、事業所、家庭などあらゆる場面で、どのような ものが暴力であるのか、それらの暴力は犯罪をも含む人権侵害であり絶対に許されない という意識を醸成することが必要です。 ◆子どもに対する性暴力や、インターネット・携帯電話を通じた児童ポルノ、児童買春な どを防止するため、子どもの権利に関する啓発・学習を促進する必要があります。 また、児童虐待や高齢者虐待などは、家庭内で起こる暴力のため身近な地域での見守り のネットワークが重要になります。 ◆医療機関や警察、民間団体などさまざまな機関の相互連携を強化して、あらゆる暴力の 被害者が潜在化しないよう早期発見のしくみを構築することが必要です。 また、被害者が相談しやすい相談体制を整備するとともに、専門機関との連携を図りな がら、相談を適切な支援に結び付けることも重要です。 図 セクハラ行為を受けた経験 1.容姿についてあれこれ聞く(話題にする) 2.体をじろじろ見る 12.3 6.8 14.7 6.8 12.3 11.4 8.2 1.6 1.9 4.1 0.5 5.2 0.6 62.0 10.4 4.8 11.2 4.6 3.1 5.9 1.2 0.2 0.2 1.2 0.0 1.4 0.0 74.9 0 20 40 60 80 100 3.結婚しているかどうかを話題にする 4.異性との交際についてしつこく聞く 5.忘年会などでお酌・デュエット・ダンスな を強要する 6.性的な冗談やひわいなことを話題にする 7.故意に体に触れる 8.性的なうわさを流す 9.キスやセックスの強要など、性的な行為を 迫る 10.しつこく交際を求める 11.職場にヌードポスター・カレンダーなどを はる 12.後をつける・無言電話などストーカー的な 行為をする 13.昇進や商取引の見返りに性的な関係を迫 る 無回答   1.女性【N=822】   2.男性【N=589】 % 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 36

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図 セクシュアル・ハラスメントに関する相談件数の推移(府) 273 270 120 158 530 84 142 183 352 796 554 387 422 531 0 200 0 800 0 0 0 0 15 16 17 18 19 (年度) ) (件 400 60 100 1200 140 160 180 その他 男性労働者から 女性労働者等から 事業主から (793件) (895件) (1,762件) (660件) (692件) (注)平成 19 年に男女雇用機会均等法が改正され、男性に対するセクシュアル・ハラスメント も措置の対象となった。 「その他」には、労働者の家族や社会保険労務士等からの相談を含む。 グラフの( 件)は相談の総件数 資料:大阪労働局雇用均等室資料より作成 表 大阪府警察相談窓口に寄せられた「女性に対する暴力」に関する相談等件数の推移(府) 平成 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 女性に対する暴力に関する相談件数 246 853 924 1,115 1,314 1,439 1,625 1,987 ストーカー警告件数 119 117 145 172 89 53 55 111 ストーカー禁止命令 7 3 2 2 0 0 0 3 ストーカー相談件数 1,295 1,105 1,177 1,517 1,319 1,087 993 1,217 児童買春・児童ポルノ法違反被疑者検挙人員 44 90 110 93 77 99 130 88 児童買春・児童ポルノ法違反被害児童の数 96 92 59 108 83 107 113 63 売春防止法検挙件数 471 469 421 289 166 161 111 76 (注)平成 13 年の女性に対する暴力に関する相談件数は法施行後にデータ集計を開始しており、 1 年に満たないもの。 ※大阪府警察本部調べ 資料:『大阪府の男女共同参画の現状と施策』平成 22 年 施策の方向 (1)暴力根絶に向けての啓発 (2)暴力に対する相談・連携体制の充実

(40)

課題2 配偶者等からの暴力に対する啓発の推進

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆平成 13 年(2001 年)に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(以 下「配偶者暴力防止法」と表記)が制定され、配偶者暴力相談支援センター、警察、裁 判所が関わり、被害者の身の危険を一定程度、保護するための制度化がされるようにな りました。平成 16 年(2004 年)の改正では、暴力の定義拡大や、保護命令制度の拡充、 自立支援の強化などが盛り込まれました。これを受けて、大阪府では平成 17 年(2005 年)11 月に「大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画」が策 定されました。府内市町村においても、DVに関する情報提供や正しい理解の促進が求 められています。 ◆DVの被害を受けている人は、自分の身に起きていることがDVだとなかなか気づかな いことが多くあります。周囲の一言が気づきのきっかけになることから、社会全体がD Vに関して正しい知識を持ち、DV被害を受けている当事者の立場で考える必要があり ます。 ◆また、ここ数年、男女間の暴力が配偶者間だけでなく、若年層を含む恋人同士のあいだ でも起こっていることが明らかにされてきました。暴力の連鎖が起こらないように早期 の対策が必要となっています。 図 配偶者や恋人からの暴力の認識 女性 男性 88.8 71.5 48.1 60.5 51.6 37.7 53.9 57.3 53.6 49.5 38.8 47.1 4.5 20.2 39.1 23.4 32.8 37.7 31.1 28.0 25.8 32.0 38.2 30.3 7.8 7.4 15.3 6.3 9.4 9.1 13.9 13.6 7.5 7.8 8.4 8.2 9.2 8.6 10.2 11.2 9.4 9.1 9.0 4.5 5.1 0.7 0.2 6.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 85.4 69.9 39.2 50.1 44.5 30.6 51.8 46.5 45.2 38.9 30.1 42.3 8.0 22.2 47.5 35.0 40.6 43.3 32.9 37.7 34.6 42.8 47.7 36.0 1.5 7.5 8.7 9.2 19.7 8.7 8.3 11.4 11.7 15.4 15.6 7.5 8.8 1.0 6.1 6.8 6.6 6.6 6.5 5.8 6.3 5.8 6.3 5.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% ①なぐる、ける ②壁に物を投げるなど、  脅かす ③大声でどなる ④「だれに食べさせても  らっている」と言う ⑤お前はバカだなど、侮  辱的なことを言う ⑥何を言っても無視する ⑦思い出のある大切なも  のを壊したり捨てたり  する ⑧気が進まないセックス  を強要する ⑩生活費を渡さなかった  り、使途について細か く指図する ⑨避妊に協力しない ⑫実家との連絡を制限す  る ⑪外出や人との付き合い  を制限する   1.暴力と思う   2.暴力となる場合とそうでない場合がある   3.暴力とは思わない   無回答 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 38

(41)

図 配偶者や恋人からの暴力 女性 今回【N=822】 男性 今回【N=589】 ※前回は女性のみ 前回【N=706】 24.5 ①なぐられた、けられた 13.1 ②壁に物を投げるなど、脅かさ  れた ③大声でどなられた ④「だれに食べさせてもらって 11.8 25.9 13.6 46.1 35.2 16.9 い 6.5 8.9  る」と言われた ⑤お前はバカだなど、侮辱的な  ことを言われた ⑥何を言っても無視された ⑦思い出のある大切なものを壊  したり捨てたりされた ⑧気が進まないセックスを強要  された ⑩生活費を渡さなかったり、使  途について細かく指図された ⑨避妊に協力してくれなかった ⑫実家との連絡を制限された ⑪外出や人との付き合いを制限  された 19.0 27.5 14.7 25.9 32.4 6.5 7.3 10.2 2.5 8.8 27.2 14.2 15.1 3.6 5.5 10.3 6.3 4.0 14.5 9.5 9.6 4.2 0 20 40 60 80 100 3.3 4.4 0 20 40 60 80 100 1.何度もあった 2.一、二度あった 3.あった(前回調査) 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 施策の方向 (1)配偶者等からの暴力に対する理解の促進

(42)

課題3 配偶者等からの暴力に対する相談体制の整備

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆「平成 21 年市民意識調査」によると、約半数以上が被害を受けたのにだれにも話したり 相談しておらず、被害が潜在化している傾向がうかがえます。また、被害を受けたのに 相談しなかった理由としては、「相談するほどのことではないと思った」「自分にも悪 いところがあると思った」「自分さえがまんすれば、やっていけると思った」「相談し ても無駄だと思った」が上位の理由となっています。 このことから、DV被害相談の掘り起こしを行い、“相談するほどのことではない”“相 談しても無駄”ではないことを積極的にアピールしていく必要があります。また“自分 にも悪いところがあると思う”“自分さえ我慢すればやっていけると思う”という認識 は、被害を長期化させ、回復を遅らせることから、DVに対する正しい知識の啓発も必 要です。 図 被害を受けた時の相談相手 今回調査 前回調査   1.女性【N=533】   2.男性【N=289】 23.5 30.0 1.2 1.2 44.9 4.0 0 20 40 60 80 100 28.7 24.2 0.8 0.9 49.5 9.0 12.8 14.5 0.7 0.7 63.7 11.8 0 20 40 60 80 100 % % 1.家族・親族 2.友人・近隣の人 3.公共機関(男女共同参画推進センター「ふ やがわ」、配偶者暴力相談支援セン ター、大阪府立女性相談センター、警察等) 4.その他 5.だれにも話したり、相談して ない 無回答 らっと ね い 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 40

(43)

図 被害を受けたが相談しなかった理由 13.3 1.1 14.4 15.9 33.7 2.3 2.7 52.3 3.0 0.4 6.0 2.2 9.2 12.0 45.1 1.6 0.5 54.3 2.7 2.2 0 20 40 60 80 100 1.恥ずかしくてだれにも言えなかった 2.どこに相談してよいかわからなかった 3.相談してもむだだと思った 5.自分にも悪いところがあると思った 6.後の仕返しが怖かった 7.そのことを思い出したくなかった 8.相談するほどのことではないと思った 9.その他 無回答 4.自分さえがまんすれば、やっていける  と思った   1.女性【N=264】   2.男性【N=184】 資料:「寝屋川市男女共同参画に関する市民意識調査」平成 21 年度 図 ドメスティック・バイオレンス(DV)の相談等件数の推移(府) 2,463 3,417 4,173 4,084 4,212 3,423 3,759 3,886 924 1,115 246 853 1,314 1,439 1,625 279 300 364 336 299 343 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 (年度) (件) 0 100 200 300 400 500 (人) 府配偶者暴力相談支援センターで受けた相談件数 警察で受理した相談等件数 女性相談センターが行った一時保護件数 (注)「府配偶者暴力相談支援センターで受けた相談件数」は内閣府配偶者暴力相談支援センターにおける相 談件数等調査。平成 13 年度は大阪府女性相談センターで受けた相談件数。本人以外からの相談も含む。 「警察で受理した相談等件数」は大阪府警察本部調べ。平成 13 年は、法施行後にデータ集計を開始し ており、1年に満たない。

(44)

図 女性の心の悩み相談(カウンセリング)内容別相談件数(市) 153 125 221 256 236 202 243 253 293 248 360 352 360 51 93 97 97 119 82 84 0 50 100 150 200 250 300 350 400 平成14 15 16 17 18 19 20 (年 (件) 度) 電話相談件数 面接相談件数 うち暴力に関する相談件数 (注)相談件数は延件数資料 資料:市人権文化課調べ 施策の方向 (1)相談体制の充実 (2)連携体制の充実 42

(45)

課題4 配偶者等からの暴力被害者への保護・自立支援

【男女共同参画にかかる現状と課題】 ◆配偶者暴力防止法の制定を境に、DV被害者の保護に関しては、一定の制度化と取組が 進められてきました。今後も各関係機関と連携した、DV被害者の保護への適切な対応 が必要となります。 ◆また、DV被害からの回復には、DVを受けていた年数以上の時間が必要だと言われて おり、被害者は暴力から逃れたあとも、長期間にわたって精神的な不安定さ、体の不調、 経済的困難を抱えている人が大勢います。 このことは、DV被害を受けている当事者の自立に向けて、精神的・身体的・経済的に 安心して生活を送ることができるよう、継続した取組を行っていく必要があることを示 唆しています。 図 一時保護命令件数の推移(国) 123 1,128 1,468 1,717 2,141 2,208 2,186 2,524 2,411 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 平成13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 (件) 資料:内閣府「男女共同参画白書」平成 22 年版 施策の方向 (1)被害者保護のための支援 (2)生活自立のための支援

図  高齢化率と年齢3区分別人口(市)  39,203 36,376 33,87415,38323,87731,68641,90871,12960,97746,133 165,924190,926181,540194,273182,091171,88518,45312,61217.37.29.312.76.04.9 050,000100,000150,000200,000250,000300,000 昭和55 昭和60 平成2 平成7 平成12 平成17 (年)(人) 0.05.0 10.015.020.0
図  国・府・市町村職員における女性管理職割合の推移(全国・府・市)  11.3 11.2 11.6 12.5 13.6 15.1 8.9 9.4 8.7 7.6 7.9 7.2 6.1 6.3 5.7 5.3 5.4 5.0 3.1 4.6 5.9 6.7 5.5 7.0 05101520 平成16 17 18 19 20 21 (年度)(%)国(市区)(課長相当職以上)大阪府(知事部局課長級以上)寝屋川市(副係長以上)寝屋川市(課長以上) ※寝屋川市は各年度 5 月1日現在。管理職=副係長と係長以上の合
図  日常生活における考え方  67.8 62.0 75.9 72.4 74.9 68.9 70.9 64.6 79.6 35.5 38.8 30.9 30.135.4 22.825.622.929.427.132.6 19.562.258.667.1 2.12.6 1.42.02.21.72.02.8 0.82.32.62.0 0% 50% 100%全体女性男性全体女性男性全体女性男性全体女性男性 50.948.8 53.825.425.825.015.017.012.144.348.438.5 46.1
図  大学・短期大学生の専攻分野別構成(全国)  人文科学 社会科学 理学(大学のみ) 教養(短大のみ) 工学 農学 医学・歯学(大学のみ) その他の保健 家政 教育 芸術 その他 9.1 12.88.8 24.6 21.610.8 41.1 27.2 4.123.2 24.48.87.9 10.7 6.622.1 5.7 15.131.3 9.0 4.44.44.9 6.48.0 5.26.92.0 0.11.6 4.10.70.4 2.9 3.14.72.0 2.9 4.0 0.5 4.4 1.4 0%
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