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平成 23 年 7 月 25 日
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DBA/1JJJJNCrlj
NCrlj
NCrlj
NCrlj 雌性
雌性マウスを
雌性
雌性
マウスを
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Ⅱ
Ⅱ
型
型
型コラーゲン
コラーゲン
コラーゲン誘発関節炎
コラーゲン
誘発関節炎
誘発関節炎
誘発関節炎モデルの
モデルの作製
モデルの
モデルの
作製
作製
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、
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M
M
M
Methotrexate
ethotrexate
ethotrexate
ethotrexate による
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による関節炎予防効果
関節炎予防効果の
関節炎予防効果
関節炎予防効果
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検討
検討
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島根大学医学部薬理学教室 新堀智子、塩田直孝、奥西秀樹 背景 背景 背景 背景 DBA/1JNCrlj マウスは、コラーゲン誘発性関節炎を安定して発症するマウスとして汎用されている。 通常雄性マウスが使用され、雌性マウスが利用されることは希であった。これは雄性マウスが雌性 マウスに比べより発症率や重症度が高いとの先行研究の結果によると考えられる（1-3）。しかしヒト の関節リウマチは、圧倒的に女性で多く発症し (4)、さらにはエストロゲン等の性ホルモンが関節炎 の病態に重要な役割を果たすことも報告されている（3, 5）。以上のことから雌性マウスを用いての 関 節 炎 モ デ ル 動 物 の 作 製 は よ り 臨 床 に 近 い モ デ ル と し て 、 期 待 さ れ る 。 今 回 、 我 々 は DBA/1JNCrlj の雌性マウスを用いて、コラーゲン誘発性関節炎モデルの作製を検討したので以下 の通り報告する。 2. 2. 2. 2. 方法方法方法方法 実験動物 実験動物 実験動物 実験動物 : : : : 5 週齢の DBA/1JNCr1j 雌性マウス（日本チャールス・リバー株式会社）を 1 週間馴化飼育後、実 験に供した。飼育条件は床敷使用ケージで群飼育（3-4 匹／ケージ）した。 コラーゲン コラーゲン コラーゲン
コラーゲン誘発関節炎誘発関節炎誘発関節炎誘発関節炎モデルのモデルのモデルの作製モデルの作製作製と作製とと MとMethotrexateMMethotrexateethotrexateethotrexate によるによるによるによる発症抑制効果発症抑制効果の発症抑制効果発症抑制効果のの検討の検討検討:::: 検討
6 週齢の DBA/1JNCrlj 雌性マウスにウシの II 型コラーゲンを免疫して関節炎を誘発した。Bovine type II collagen(Sigma C7806)を 10 mM acetic acid で溶解し 2mg/ml の溶液を調整した（常温、over night）。その後、Freund’s complete adjuvant (Difco 263810)と１対１で混合し、エマルジョンを作製 した。マウス１匹あたり 0.1 ml のエマルジョンを尾根部皮内に少量ずつわけて注入した。3 週間後に 同様に追加免疫を実施して、コラーゲン誘発性関節炎を発症させた（図 1）。追加免疫（ブースト）を 実施した翌日より（関節腫脹が始まる前）、Methotrexate (MTX : 和光純薬工業 139-13571) 1 mg/kg を 1 日 1 回、4 週間経口投与した（図 1）。MTX は、0.1N NaOH に溶解して 20 mg/ml の stock 溶液を作製したのち、経口投与の所定の濃度となるよう、生理食塩水で希釈して作製した。
2 実験 実験 実験 実験におけるにおけるにおける群における群群構成群構成構成 :::: 構成 Normal 群：無処置の正常群（n=6） Vehicle 群：関節炎を誘導し、対照溶媒（生理食塩水）のみを投与した群（n=13） MTX 群：関節炎を誘導し、MTX を投与した群（n=12） Clinical score : Clinical score : Clinical score : Clinical score :
追加免疫後、1 日 1 回 Clinical score を測定した。Clinical score の判定は以下の基準を用いた。 手足ごとに計測し、合計点を 1 匹の個体の測定値とした（正常 0 から最高 12）。 Score 0 : 正常 Score 1 : 1 指に腫脹もしくは変形を認める Score 2 : 2 指以上に腫脹もしくは変形を認めるが、全指には及ばない Score 3 : 全指に腫脹もしくは変形を認める X X X
X----ray score :ray score :ray score :ray score :
追加免疫 4 週間後、深麻酔にてマウスを安楽死させ、手足を採取して X 線写真を撮影した。 X-ray score は以下の基準で測定した。手足ごとに 5 カ所の MP 関節、9 カ所の PIP および DIP 関節、手根骨（全 15 カ所）の中で変形を認めた箇所の数を測定し、合計点を 1 匹の個体の測定 値とした（正常 0 から最高 60）。 組 組 組 組織学的解析織学的解析織学的解析：織学的解析：：： H&E 染色および Azan 染色を実施し、組織学的解析を行った。 3. 3. 3. 3. 結果結果結果結果 体重 体重 体重 体重 （（（（図図図 2図222）））） Normal 群、Vehicle 群、MTX 群の各群間における体重の差は認められなかった。 Clinical Score Clinical Score Clinical Score Clinical Score（（（（図図図図 3333）））） Vehicle 群は追加免疫実施後、徐々にスコアが上昇し、4 週間経過した時点では約 6.７点となった。 関節炎の発症率は 13 匹中 13 匹と 100％であった。一方 MTX 投与群は、Vehicle 群に比較し関 節炎の発症進展が著しく抑制され、4 週間経過後もスコアは 2 点に到達しなかった。MTX 投与群 の発症率も 12 匹中７匹（約 60％程度）と低かった。Normal 群のスコアは 0 点で、自然発症性の変 化は認められなかった。
3 X X X
X----ray scoreray scoreray scoreray score（（（（図図図図 4444））））
Vehicle 群において、指関節の著しい破壊が認められた。MTX 群では、指関節の破壊が有意に抑 制されていた。Normal 群では関節の破壊や変形は全く認められなかった。 組織学的解析 組織学的解析 組織学的解析 組織学的解析（（（（図図図図 5555）））） Vehicle 群では滑膜組織に著しく炎症性細胞が浸潤し、滑膜の増殖性変化が認められた。また骨 や軟骨の顕著な破壊もみられた。MTX 群では Vehicle 群で認められた滑膜組織への著しい炎症 細胞の浸潤および滑膜の増殖性変化が抑制され、軽度に細胞浸潤を認める程度で Normal 群の 組織像に非常に近い状態であった。 4. 4. 4. 4. 結論結論結論結論 DBA/1JNCrlj の雌性マウスにおいても雄性マウスと同様に顕著なコラーゲン誘発関節炎を発症す ることがわかった。また、関節炎の標準治療薬である MTX の予防的投与は、関節炎の進展を有意 に抑制したことから、薬効評価系として有用であると考えられた。今回、雄性マウスと雌性マウスを 直接比較していないが、雄性マウスにおいてしばしば認められる自然発症性の骨変化は (6)、雌 性マウスでは全く認められなかった。自然発症性の骨変化は、薬物評価においてバラツキの原因 になり、このような自然発症性の骨変化を認めない雌性マウスは、雄性よりもより有用な関節炎モデ ル動物であると考えられた。またヒトにおいて、関節リウマチの患者は、女性の方が圧倒的に多いこ とから、今回の結果から、雌性マウスでの関節炎は臨床に近似したモデルとして有用性が期待でき る。
4 5 55
5. . . 参考文献. 参考文献参考文献参考文献
1. Courtenay JS, Dallman MJ, Dayan AD, Martin A, Mosedale B. Immunisation against heterologous type II collagen induces arthritis in mice. Nature. 1980;283:666-668.
2. Holmdahl R, Jansson L, Gullberg D, Rubin K, Forsberg PO, Klareskog L. Incidence of arthritis and autoreactivity of anti-collagen antibodies after immunization of DBA/1 mice with heterologous and autologous collagen II. Clin Exp Immunol. 1985;62:639-646.
3. Holmdahl R, Jansson L, Andersson M. Female sex hormones suppress development of collagen-induced arthritis in mice. Arthritis Rheum. 1986;29:1501-1509.
4. Joseph A, Brasington R, Kahl L, Ranganathan P, Cheng TP, Atkinson J. Immunologic rheumatic disorders. J Allergy Clin Immunol. 2010;125:S204-S215.
5. Islander U, Jochems C, Lagerquist MK, Forsblad-d'Elia H, Carlsten H. Estrogens in rheumatoid arthritis; the immune system and bone. Mol Cell Endocrinol. 2011;335:14-29.
6. Holmdahl R, Jansson L, Andersson M, Jonsson R. Genetic, hormonal and behavioural influence on spontaneously developing arthritis in normal mice. Clin Exp Immunol. 1992;88:467-472.
5 図説明 図説明 図説明 図説明 図 図 図 図 1:1:1:1: 実験実験実験プロトコール実験プロトコールプロトコール プロトコール 6 週齢の DBA/1JNCrlj 雌性マウスを用いて、コラーゲン誘発性関節炎モデルを作製した。2 回目の コラーゲン免疫を実施後、MTX あるいは対照溶媒を 1 日 1 回、4 週間経口投与した。 図 図 図 図 2: 2: 2: 2: 体重体重体重 体重 Normal 群、Vehicle 群、MTX 群、各群の体重の経時的変化を示す。平均値 ± 標準誤差（n 数、 Normal 群 6 匹、Vehicle 群 12 匹、NTX 群 13 匹） 図 図 図
図 3: 3: 3: 3: CCCClinical scorelinical scorelinical scorelinical score
Normal 群、Vehicle 群、MTX 群各群において、両手足の腫脹を肉眼的に評価した clinical score の 経時的変化を示す。平均値 ± 標準誤差（n 数、Normal 群 6 匹、Vehicle 群 12 匹、NTX 群 13）。 *
P
< 0.05 対 MTX 群。右の写真は、Vehicle 群、MTX 群のそれぞれ代表的な足を示す。 図 図 図図 4: 4: 4: 4: XXXX----ray scoreray scoreray scoreray score
Normal 群、Vehicle 群、MTX 群各群の両手足の X 線写真を撮影し、関節の破壊度を評価した X-ray score の結果を示す。平均値 ± 標準誤差（n 数、Normal 群 6 匹、Vehicle 群 12 匹、NTX 群 13）。*
P
< 0.05 対 MTX 群。右の写真は Vehicle 群、MTX 群のそれぞれ代表的な手足の X 線 写真を示す。 図 図 図 図 5:5:5:5: 組織学的解析組織学的解析組織学的解析 組織学的解析Normal 群、Vehicle 群、MTX 群各群の H&E 染色の代表的な手の指関節の写真を示す。 図 図 図 図 6:6:6:6: 関節炎関節炎関節炎マウス関節炎マウスマウスマウス全身写真全身写真全身写真全身写真 コラーゲン誘発性関節炎を誘発したマウス（2 回目のコラーゲン免疫実施後、４週間経過した時点） の代表的な全身写真を示す。
6週齢
免疫
ブースト
試料採取
Methotrexate (MTX)あるいはvehicle を
1日1回経口投与
4週間
図
1：実験プロトコール
3週間
normal 群
MTX 群
vehicle 群
17
19
21
20
18
16
15
0
7
14
28
Body W
eights (g)
Days
(ブースト後)
normal群 ： 処置をしていない正常群
vehicle群 ： 関節炎マウスに対照溶媒を投与した群
MTX群 ： 関節炎マウスにMTXを投与した群
図
2：体重
群分け
図
3：Clinical score
4
10
21
Days
(ブースト後)
12
8
2
0
1
7
14
28
6
normal 群
MTX 群
vehicle 群
Clinical scores
*
*
*
*
P<0.05 vs. MTX群
vehicle 群
MTX 群
*
20
MTX
60
40
0
normal
vehicle
*
X-ray scores
図
4：X-ray scores
vehicle
normal
MTX
手
足
vehicle
normal
MTX
P<0.05 vs. MTX群
*
図
5：組織学的解析
vehicle
normal
MTX
19 マ ウ ス 系統名 DBA/1JNCrlj 一般名 DBA/1 微生物グレード SPF/VAF 特 徴 ▪ コラーゲン関節炎の誘導が容易（Ⅱ型） ▪ 心臓に石灰沈着が見られます。 ▪ 繁殖使用後に乳がんを高発します。 使用研究分野 ▪ コラーゲン関節炎1） 毛 色：Dilute brown H2：q 由 来
The Jackson Laboratory → Hoffman （1965 年 ）→ NIH（1967 年 ）→ 1988 年
Charles River Laboratories, Inc.（米国） で SPF 化後、1988 年 F56 で日本チャールス・ リバー（株）に導入されました。 1） Makoto Ueno et al. 1995, Int. J. Immunopharmac 17（7）, 597-603 系統名 DBA/2NCrlCrlj 一般名 DBA/2 微生物グレード SPF/VAF 特 徴 ▪ 聴性発作を起こしやすい。1） ▪ クロロホルム・エチレンオキサイドに対する 雄の死亡率が高い。 ▪ 赤血球数が多い。 ▪ 比較的低血圧 ▪ 心臓に石灰沈着が見られます。2） 使用研究分野 ▪ 感染（真菌） ▪ 抗がん剤のスクリーニング 毛 色：Dilute brown H2：d 可移植性腫瘍 L1210、P388、P815 由 来
The Jackson Laboratory → Mider（1938 年）→ NIH（1951 年 , F34）→ Kansas Univ. → Texas Inbred（1963 年 , F78） → 1966 年 F84 で Charles River Laboratories, Inc.（米国）に導入され SPF 化後、1976 年 F104 で日本チャールス・リバー （株）に導入されました。 1） Masao Shimizu-Sasamata et al. 1996, J Pharmacol Exp Ther January 276, 84-92 2） Kunio Doi et al. 1985, Jpn. J Vet Sci 47（3）, 479-482
