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人工膝関節全置換術後患者の階段昇段と降段における矢状面膝関節運動力学動態と大腿四頭筋の筋活動の特性

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 122 47 巻第 2 号 122 ∼ 131 頁(2020 年) 理学療法学 第 47 巻第 2 号. 研究論文(原著). 人工膝関節全置換術後患者の階段昇段と降段における矢状面 膝関節運動力学動態と大 四頭筋の筋活動の特性* 古 本 太 希 1)2)# 浜 田 大 輔 2) 後 藤   強 1)2) 高 砂 智 哉 2) 加 藤 真 介 1) 西 良 浩 一 2). 要旨 【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)術後患者の階段昇降立脚期の矢状面膝関節運動力学動態と大 四頭筋の筋活動の特性を検証すること。【方法】TKA 群 8 肢と対照群 10 肢を対象とした。三次元動作 解析システムを用いて階段昇降立脚期の最大膝伸展モーメント(以下,KEM)と求心性と遠心性膝パワー の最大値,表面筋電図にて大. 四頭筋の最大筋活動量を測定した。 【結果】昇段の KEM,求心性パワー. は TKA 群が対照群より有意に低下していた。降段の遠心性パワーは,TKA 群が対照群より有意に低下 していた。階段昇降時の大. 四頭筋活動は,TKA 群が対照群より有意に増加し , 両群ともに降段の筋活. 動が低かった。【結論】術後 1 年経過した TKA 術後患者は階段昇降時に大. 四頭筋を強く収縮するが,. 昇段では関節負荷と求心性パワーが低下し,降段でも遠心性パワーが低下していた。 キーワード 人工膝関節全置換術,階段昇降,矢状面膝関節運動力学動態,大. 四頭筋筋活動. どの基本動作と比較して階段昇降動作などの応用動作が. はじめに. 術後患者満足度と高い関連性があることが示されてい 3).  変形性膝関節症(knee osteoarthritis:以下,膝 OA). る. は膝関節に加わる異常なメカニカルストレスによる関節. 動作の困難例は多く,特に降段動作では術側下肢での一. 。臨床でも TKA 術後 6 ヵ月以降において階段昇降. 軟骨の退行性疾患であり,症状進行により日常生活に影. 足一段様式で動作が可能となる症例は少なく TKA 術後. 響を及ぼしてくると観血的治療である人工膝関節全置換. の問題点の一つとなっている。. 術(Total Knee Arthroplasty:以下,TKA)が施行さ.  階段昇降動作は,階段昇段(以下,昇段)と階段降段. れる。TKA 施行は,膝関節の除痛,機能改善により日. (以下,降段)では必要とされる機能的役割が異なる。. 常生活動作や生活の質も向上させ,耐久性でも安定した. 昇段の機能的役割は,立脚期では下肢の伸筋群による体. 1). 。ただ TKA 術後患者満足. 重の前上方移動,遊脚期では屈筋群の素早い屈曲運動に. 度は,人工股関節全置換術より低く,満足度は 75 ∼. 4) よる次の段の踏み板に接地することである 。降段の機. 長期成績が確立されている 2). 。多変量解析による TKA 術後の患者満足. 能的役割は,身体の下降制御であり最大の役割は膝関節. 度に関連する機能的活動項目の研究では,起立や歩行な. が担い,昇段と比較して大きな膝関節屈曲可動域が必要. 89%である. *. Characteristics of Sagittal Knee Joint Kinematics Dynamics and Quadriceps Muscle Activity during Stair Ascent and Descent in Patients after Total Knee Arthroplasty 1)徳島大学病院リハビリテーション部 (〒 770‒8503 徳島県徳島市蔵本町 2‒50‒1) Taiki Furumoto, PT, Tsuyoshi Goto, PT, MSc, Shinsuke Katoh, MD, PhD: Department of Rehabilitation, Tokushima University Hospital 2)徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学分野 Taiki Furumoto, PT, Daisuke Hamada, MD, PhD, Tsuyoshi Goto, PT, MSc, Tomoya Takasago, MD, Koichi Sairyo, MD, PhD: Department of Orthopedics, Institute of Biomedical Sciences Tokushima University Graduate School # E-mail: [email protected] (受付日 2019 年 4 月 23 日/受理日 2019 年 10 月 28 日) [J-STAGE での早期公開日 2020 年 1 月 17 日]. とされ筋力は身体を下降させる速度の制御として必要に なる. 5)6). 。健常者を対象とした階段昇降動作中の大. 四. 頭筋活動の研究では,昇段では外側広筋の筋活動が最大 収縮時の 60%まで増加し. 5). ,降段の外側広筋の筋活動. は最大収縮時の 25%とハムストリングスの同時収縮が 膝関節を安定化させ衝撃吸収を補助する. 7). 。このように. 昇段と降段では,機能的役割の違いから動作中に必要と される大. 四頭筋の筋活動量,筋収縮様式,筋活動時期. が異なる。  TKA 術後の階段昇降動作に関する三次元動作解析研.

(2) TKA 術後の階段昇降の矢状面膝運動力学と大. 部筋活動の特性. 究では,昇段および降段動作における矢状面上での膝関. 3.方法. 節負荷の指標として,膝関節屈伸モーメントを用いた報. 1)膝機能と身体機能評価. 8‒10). 123. 。TKA 術後患者の階段昇降.  膝関節機能評価は,膝関節可動域および多用途筋機能. の 矢 状 面 膝 関 節 運 動 力 学 デ ー タ を 用 い た systematic. 評価運動装置(BIODEX Medical 社製,BDX-4)にて. reviw では,昇段では矢状面膝関節負荷の減少を認めた. 膝屈曲角度 60°の等尺性最大膝伸展筋力を体重で除した. が,降段では一貫した動作特性を認めなかったとしてい. 大. 告が多くなされてきた. 11). 四頭筋力体重比を測定した。身体機能評価は,歩行. 。TKA 術後の階段昇降の研究は,各施設で測定条. 能力の指標として Timed Up and Go test(以下,TUG) ,. 件が一定しないことや膝関節の機能低下に対する代償パ. 階段昇降能力の指標として Stair Climbing Test(以下,. ターンには多様性があるため統一した見解が得られてい. SCT)を先行研究の計測方法. ないのが現状である。このため,臨床での TKA 術後の. 定した。. 階段昇降困難症例に対する理学療法介入方法が確立され. 2)筋電図測定. る. 12)13). に準じ,それぞれ測. ておらず問題であると考える。.  筋活動測定にはサンプリング周波数 1 kHz の表面筋.  そこで本研究では,TKA 術後患者の階段昇段と降段. 電図測定装置(NORAXON 社製,TeleMyo 2400T G2). における矢状面の膝関節運動力学動態と大. 四頭筋の筋. を用いた。測定筋は,内側広筋斜走線維および外側広筋. 活動の特性に着目した。この検討により,TKA 術後患. とし階段昇段と降段立脚期の筋活動を計測した。各筋の. 者の昇段と降段時に生じる矢状面膝関節負荷量と膝関節. 電極は Delagi ら. パワー,各動作中に必要とされる大. 四頭筋の筋活動量. 図導出の際には,解析ソフト Myo Research XP1.03.38. と収縮様式を明らかにし,TKA 術後の階段昇降困難例. を使用し,筋電図波形に平滑化(root mean square:. に対する理学療法を行ううえでの有益なデータとするこ. 100 msec 毎)の処理を行った。また等尺性収縮におけ. とが目的である。. る内側広筋,外側広筋の最大随意収縮(Maximal Volun-. 対象および方法. 14). の推奨する部位に貼付した。筋電. tary Contraction:MVC)を課題動作計測に先立ち測定 し,この値により正規化を行った。MVC は,多用途筋. 1.対象. 機 能 評 価 運 動 装 置(BIODEX Medical 社 製,BDX-4).  TKA 群 は,2015 年 3 月 25 日 ∼ 2018 年 2 月 28 日 の. にて膝屈曲角度 60°での等尺性最大膝伸展筋力を発揮さ. 期間に徳島大学病院で変形性膝関節症と診断され人工膝. せることで測定した。筋活動計測は,筋電計よりアナロ. 関節全置換術を施行し術後 1 年以上経過した患者 8 例,. グ出力しソフトウェア Vicon Nexus2.5 でアナログ入力. TKA 術 側 の 8 肢( 平 均 年 齢 68.3 ± 3.3 歳, 術 後 経 過. を行うことで三次元動作解析と同期させ,1 昇段および. 13.1 ± 4.5 ヵ月)とした。TKA 群の対側下肢機能は,. 降段の立脚期を 100%として正規化し,各筋群における. TKA 術後 3 例(術後経過 13.0 ± 3.7 ヵ月)と膝 OA の. 最大筋活動量の 5 試行の平均値と標準偏差を算出した。. 診断がない 5 例であった。対照群は,健常若年者 10 例. 各動作における最大筋活動量の解析時期は,昇段では立. の利き足側 10 肢(平均年齢 24.2 ± 1.9 歳)とした。なお,. 脚初期,降段では立脚後期の第 2 ピーク値でそれぞれ算. TKA 群 の 機 種 内 訳(Bicruciate stabilized:BCS3 例,. 出した。. Bicruciate retaining:BCR5 例)であった。患者の取り. 3)解析. 込み基準は,計測時に患者立脚型評価(Cross-cultural. (1)動作解析. adaptation and validation of the Japanese Knee Injury.  計測環境用階段と床反力計の位置関係を示す(図 1) 。. and Osteoarthritis Outcome Score:以下,KOS)の昇. 計測条件は,2 段構成の階段(蹴上 20 cm,踏面 30 cm. 段および降段動作項目で困難感がある症例,脊椎疾患の. に設定)とし,1 段目下に床反力計を設置した。. ない症例とした。.  課題動作は階段昇段と降段とし,動作様式は手摺り非 使用にて両動作ともに一足一段とした。全対象者に対し. 2.倫理的配慮. て 1 歩目に計測肢を接地し,降段時は最下面設置後も歩.  本研究は,徳島大学病院倫理委員会(承認番号:第. き続けるよう教示を与えた。被験者は課題動作の練習を. 1627 号)の承認を得たうえで実施した。研究の実施に. 十分に行ったうえで,各動作を連続 5 回の計測を行った。. は,ヘルシンキ宣言および人を対象とする医学系研究に. 階段昇降動作における先行研究の解析方法. 関する倫理指針を遵守し,対象者には実験主旨および実. 反力計の上に階段を設置し,そこから得られた床反力よ. 験方法について十分に説明し承諾を得たうえで実験を. り関節モーメントを算出した。. 行った。. 15). を基に床. (2)三次元動作解析  運動学および運動力学データの計測は,3 次元座標計 測機器 VICON-MX systems(VICON 社製,LTD-UK) ,.

(3) 124. 理学療法学 第 47 巻第 2 号. 図 1 計測環境用階段 計測環境用階段(左図),床反力計の位置関係(右図)を示す.. 表 1 階段昇降動作 CMC 昇段動作. 降段動作. 運動軸. 部位. 関節角度. 関節モーメント. 関節角度. 関節モーメント. 矢状面. 股関節. 0.911. 0.828. 0.804. 0.841. 膝関節. 0.942. 0.905. 0.961. 0.912. 足関節. 0.904. 0.926. 0.860. 0.941. CMC: Coefficient of Multiple Correlation. 赤外線カメラ(MX T-20)8 台と 4 基の床反力計(ATMY. 心性と遠心性膝関節パワーの最大値をそれぞれ算出した。. 社製,DP400600-2000,400 × 600 mm)を使用した。直.  運動学および運動力学データを使用するうえで,本研. 径 14 mm の赤外線反射マーカーを,Plug in gait の定. 究における測定方法の信頼性を事前に検討した。対照. める 35 個のマーカー位置に貼付,サンプリング周波数. 群 10 例 に お け る 日 間 信 頼 性 を Coefficient of Multiple. 200 Hz で 計 測 用 PC を 用 い 計 測 し た。 デ ー タ 処 理 は. Correlation(以下,CMC)にて検証し,三次元動作解. VICON-MX system 用ソフトウェア Vicon Nexus 2.5 を. 析の信頼性の報告. 使用し,Plug in gait モデルに基づき処理を行い,運動. 高い結果だと考え採用した。事前検討の関節および運動. 学データ(関節可動域)および運動力学データ(床反力,. 軸の解析結果を示す(表 1)。. 16). を参考に CMC0.8 以上を信頼性が. 関節モーメント,関節パワー)を 3 次元データ化(c3d) した。各 c3d は,Vicon Polygon3.5 を使用し 1 昇段およ. 4.統計解析. び降段の立脚期を 100%として正規化した後,5 試行の.  両群の計測値に対して,Shapiro-Wilk 検定にて分布の. 平均値と標準偏差を算出した。課題動作の時間距離因子. 正規性を確認した。正規性が認められた計測値には等分. には,動作速度,立脚期割合を算出した。運動学データ. 散性を検定し,等分散性の仮定が棄却されなかった場合. では,課題動作の立脚期における最大胸郭前傾角度,最. には対応のない t 検定を,棄却された場合には Welch. 大股関節屈曲角度,最大膝関節屈曲角度および最大足関. の検定を行った。計測値は,平均値±標準偏差で表記し. 節背屈角度を算出した。運動力学データは,矢状面の関. た。統計解析ソフト(IBM SPSS Statistics Version22.0). 節負荷の指標として課題動作の立脚期における最大股関. を用い,有意水準は 5%とした。. 節伸展モーメント,最大膝関節伸展モーメント,最大足 関節底屈モーメントおよび最大床反力鉛直成分をそれぞ れ算出した。さらに課題動作の立脚期における膝パワー. 結   果 1.基本属性および背景因子. (仕事率)を計測し,正のパワーはエネルギー生成を示.  対象 18 肢中,対照群は 10 肢,TKA 群は 8 肢であった。. し求心性収縮と関係し,一方で負のパワーはエネルギー. 両群における基本属性および背景因子を示す(表 2)。. の吸収を示し,遠心性収縮と関係するとされており,求. 対象者の年齢は対照群が 24.2 ± 1.9 歳,TKA 群が 68.3.

(4) TKA 術後の階段昇降の矢状面膝運動力学と大. 部筋活動の特性. 125. 表 2 基本属性および背景因子 項目. 対照群(10 肢). 年齢(歳) 性別(男性 / 女性) 2 BMI(kg/m ). 膝屈曲可動域(°) 四頭筋筋力(Nm/kg). p値. 68.3 ± 3.3. <0.01. 5/5. 3/5. n.s.. 21.4 ± 2.2. 26.0 ± 2.8. <0.01. 膝伸展可動域(°). 大. TKA 群(8 肢). 24.2 ± 1.9. 0±0 149.5 ± 1.6. ‒1.9 ± 2.6. n.s.. 123.1 ± 8.4. <0.01. 3.3 ± 0.5. 1.3 ± 0.3. <0.01. TUG(秒). 5.4 ± 0.8. 8.2 ± 1.8. <0.01. SCT(秒). 3.0 ± 0.5. 5.7 ± 1.1. <0.01. 平均値±標準偏差,n.s.: 非有意 TKA:Total Knee Arthroplasty,BMI:Body Mass Index TUG:Timed up and go test,SCT:Stair climbing test. 表 3 時間距離因子と階段昇降立脚期の運動学データ 昇段動作. 項目. 対照群. TKA 群. 降段動作 p値. 対照群. TKA 群. p値. 動作速度(m/s). 0.32 ± 0.11. 0.39 ± 0.13. n.s.. 0.91 ± 0.13. 0.62 ± 0.15. <0.01. 立脚期(%). 62.0 ± 1.5. 66.0 ± 2.6. <0.01. 60.0 ± 2.5. 63.6 ± 7.2. n.s.. 最大胸郭前傾角度(°). 12.8 ± 4.9. 19.7 ± 2.8. n.s.. 5.0 ± 1.9. 9.6 ± 1.9. n.s.. 最大股関節屈曲角度(°). 60.0 ± 8.3. 67.7 ± 11.0. n.s.. 33.5 ± 7.7. 42.4 ± 12.6. n.s.. 最大膝関節屈曲角度(°). 64.5 ± 6.1. 62.2 ± 9.6. n.s.. 62.7 ± 5.9. 71.7 ± 11.9. n.s.. 最大足関節背屈角度(°). 25.0 ± 3.7. 18.9 ± 4.6. <0.01. 34.7 ± 6.4. 33.3 ± 6.4. n.s.. 平均値±標準偏差,n.s.:非有意. ± 3.3 歳と TKA 群が有意に高かった。体格指数では対 照群が 21.4 ± 2.2,TKA 群が 26.0 ± 2.8 で TKA 群が有 意に高かった。膝機能として膝関節屈曲可動域は対照群 が 149.5 ± 1.6°,TKA 群が 123.1 ± 8.4°で TKA 群が有 意に低かった。大. 四頭筋筋力は対照群が 3.3 ± 0.5 Nm/. kg,TKA 群が 1.3 ± 0.3 Nm/kg で TKA 群が有意に低 か っ た。 身 体 機 能 の TUG は 対 照 群 が 5.4 ± 0.8 秒, TKA 群が 8.2 ± 1.8 秒で TKA 群は有意に歩行能力が低 かった。SCT は対照群が 3.0 ± 0.5 秒,TKA 群が 5.7 ± 1.1 秒で TKA 群は有意に階段昇降時間が長かった。 2.時間距離因子  階段昇降時の時間距離因子について対照群と TKA 群 を検討した結果を示す(表 3)。昇段時の立脚期は対照. 図 2 昇段立脚期の胸郭前傾角度 グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 群が 62.0 ± 1.5%,TKA 群が 66.0 ± 2.6%で TKA 群が 有意に長かった。降段の動作速度は対照群が 0.91 ± 0.13 m/s,TKA 群が 0.62 ± 0.15 m/s で TKA 群が有意. 18.9 ± 4.6°で TKA 群が有意に低かった。昇段立脚期の. に遅かった。. 最大胸郭前傾角度は,各群間で有意差を認めなかった が,TKA 群が対照群と比較して立脚初期から立脚中期. 3.階段昇降立脚期の運動学データ. で胸郭前傾角度が高い傾向を示した(図 2)。昇段およ.  階段昇降立脚期の胸郭前傾角度と下肢関節角度の最大. び降段立脚期の最大膝関節屈曲可動域は,各群で有意差. 値を対照群と TKA 群を検討した結果を示す(表 3)。. を認めず,各群における立脚期の膝関節可動域の推移も. 最大足関節背屈角度は対照群が 25.0 ± 3.7°,TKA 群が. 類似していた(図 3,図 4)。.

(5) 126. 理学療法学 第 47 巻第 2 号. 4.階段昇降立脚期の運動力学データ. 伸展モーメントは,各群間で有意差を認めず,対照群の.  階段昇降立脚期の運動力学データについて対照群と. 降段立脚期の膝関節屈伸モーメントは,二峰性を認めた. TKA 群を検討した結果を示す(表 4)。昇段立脚期の最. が TKA 群では立脚初期の第 1 ピークにおける膝関節伸. 大膝関節伸展モーメントは,立脚初期に対照群が 0.9 ±. 展モーメントが低下傾向で二峰性を認めなかった(表 4,. 0.2 Nm/kg,TKA 群 が 0.5 ± 0.3 Nm/kg で TKA 群 が. 図 6) 。降段立脚期の最大足関節底屈モーメントは,対. 有意に低かった(表 4,図 5) 。降段立脚期の最大膝関節. 照群が 1.3 ± 0.1 Nm/kg,TKA 群が 1.1 ± 0.2 Nm/kg で. 図 3 昇段立脚期の膝関節可動域 グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 図 4 降段立脚期の膝関節可動域 グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 図 5 昇段立脚期の膝関節屈伸モーメント グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 図 6 降段立脚期の膝関節屈伸モーメント グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 表 4 階段昇降立脚期の運動力学データ 項目. 昇段動作. 降段動作. 対照群. TKA 群. p値. 対照群. TKA 群. p値. 最大股伸展モーメント(Nm/kg). 0.9 ± 0.2. 1.0 ± 0.2. n.s.. 0.8 ± 0.1. 0.6 ± 0.2. n.s.. 最大膝伸展モーメント(Nm/kg). 0.9 ± 0.2. 0.5 ± 0.3. <0.01. 1.0 ± 0.2. 0.8 ± 0.3. n.s.. 最大足底屈モーメント(Nm/kg). 1.7 ± 0.2. 1.2 ± 0.2. <0.01. 1.3 ± 0.1. 1.1 ± 0.2. <0.05. 最大床反力鉛直成分(N/kg). 1.3 ± 0.1. 1.1 ± 0.1. <0.01. 1.5 ± 0.1. 1.4 ± 0.1. n.s.. 最大求心性膝パワー(W/kg). 2.5 ± 0.8. 1.2 ± 0.7. <0.01. 0.6 ± 0.3. 0.5 ± 0.3. n.s.. 最大遠心性膝パワー(W/kg). ‒0.2 ± 0.2. ‒0.3 ± 0.2. n.s.. ‒3.5 ± 0.6. ‒2.7 ± 0.7. <0.05. 平均値±標準偏差,n.s.:非有意.

(6) TKA 術後の階段昇降の矢状面膝運動力学と大. 部筋活動の特性. 127. TKA 群が有意に低かった(表 4) 。また , 昇段立脚期の. 5.大. 求心性膝関節パワーは,各群ともに立脚初期に最大値と.  昇段立脚期の大. なり対照群が 2.5 ± 0.8 W/kg,TKA 群が 1.2 ± 0.7 W/. 群と TKA 群を検討した結果を示す(表 5)。昇段立脚. kg で TKA 群が有意に低かった(表 4,図 7) 。降段立. 期 の 内 側 広 筋 の 最 大 筋 活 動 量 は, 対 照 群 が 58.0 ±. 脚期の遠心性膝関節パワーは,各群ともに立脚後期に最. 25.8%,TKA 群が 83.5 ± 20.4%で TKA 群が有意に高. 大値となり対照群が ‒ 3.5 ± 0.6 W/kg,TKA 群が ‒ 2.7. かった。降段立脚期の内側広筋の最大筋活動値は対照群. ± 0.7 W/kg で TKA 群の遠心性パワーの低下を認めた. が 27.2 ± 14.9%,TKA 群が 55.6 ± 23.9%で TKA 群が. (表 4,図 8)。. 四頭筋の筋活動 四頭筋の最大筋活動量について対照. 有意に高く,外側広筋の最大筋活動値でも対照群が 22.3 ± 8.5%,TKA 群が 45.3 ± 24.5% で TKA 群が有意に高 かった。昇段立脚期の大. 四頭筋の筋活動量は,各群の. 内側広筋および外側広筋ともに立脚初期に最大値となっ ていた(図 9)。降段立脚期の大. 四頭筋の筋活動量は,. 内側広筋および外側広筋ともに二峰性を認め,また両群 は立脚後期に最大値となっていた(図 10)。両群ともに 階段昇降立脚期の大. 四頭筋の筋活動は,昇段と比較し. 降段が低値であった(表 5) 。 考   察 1.大. 四頭筋筋力と大. 四頭筋の筋活動.  本研究では,TKA 術後患者の昇段と降段立脚期にお ける大. 四頭筋の筋活動は対照群と比較して有意に高値. であった。これは,本研究の TKA 群の大 図 7 昇段立脚期の膝関節パワー グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 四頭筋筋力. が対照群と比較して低筋力水準であったことが影響した と考える。TKA 患者の筋機能に関する先行研究では, 膝 OA 患者の外側広筋では炎症性サイトカイン増加が 筋萎縮や筋力に関与し の大. 17). ,TKA 術前の重度膝 OA 患者. 四頭筋断面積は,同年代平均値の約 2/3 程度まで. 筋萎縮が生じ. 18). ,膝 OA 群の大. 四頭筋筋力値では,. 同年代の対照群と比較して有意に 22%低下している また TKA 術後は術中操作に伴う大 術後 6 ヵ月まで大 報告. 20)21). 。. 四頭筋切離により. 四頭筋の筋活性化が改善しないとの. がある。さらに,本研究の対象者間では年齢. の違いが生じており,加齢に伴い大 する. 19). 筋断面積は筋萎縮. 22). 。このため本研究の対象者間では,疾患,手術. 侵 襲, 加 齢 が 影 響 し,TKA 術 後 患 者(1.3 ± 0.3 Nm/ kg),健常者若年者(3.3 ± 0.5 Nm/kg)となり筋力水 準の違いが生じたと考える。また TKA 術後患者の大 図 8 降段立脚期の膝関節パワー グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 四頭筋の筋活動は,昇段と比較し降段で低値となり,こ れは昇段と降段の大. 四頭筋の機能的役割の違いが影響. したと考える。昇段立脚期の機能的役割は,下肢の伸筋 表 5 階段昇降立脚期の大 測定筋. 四頭筋の最大筋活動値. 昇段動作. 降段動作. 対照群. TKA 群. p値. 対照群. TKA 群. p値. 内側広筋(% MVC). 58.0 ± 25.8. 83.5 ± 20.4. <0.05. 27.2 ± 14.9. 55.6 ± 23.9. <0.01. 外側広筋(% MVC). 44.7 ± 17.7. 60.1 ± 12.5. n.s.. 22.3 ± 8.5. 45.3 ± 24.5. <0.05. 平均値±標準偏差,n.s.:非有意 MVC:Maximal Voluntary Contraction.

(7) 128. 理学療法学 第 47 巻第 2 号. 図 9 昇段立脚期の大 四頭筋の筋活動 グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 図 10 降段立脚期の大 四頭筋の筋活動 グラフは各群の平均値,縦線は標準偏差を示している.. 群による体重の前上方移動であり 4),TKA 群の大. 部. 考える。健常者における昇段中の生体力学研究では,最. 筋活動と膝関節パワーは昇段立脚初期に最大となってお. 大膝関節伸展モーメントは約 0.5 ∼ 1.5 Nm/kg におよび. り,求心性収縮によるエネルギー生成が要求され大. 体幹の肢位が値に強く影響するとの報告がある. 部. 23)24). 。. 筋活動が増加すると考える。一方で降段立脚期の機能的. 本研究の TKA 群は,対照群と比較し昇段立脚初期の胸. 役割は,身体の下降制御であり最大の役割は膝関節が担. 郭前傾角度,股関節屈曲角度,最大股関節伸展モーメン. 5)6). ,TKA 群の遠心性膝関節パワーは降段立脚終期. トが高い傾向を示しており,TKA 術後患者の昇段立脚. に最大となり,遠心性収縮によるエネルギー吸収が必要. 期では体幹前傾に伴い重心を前方偏位させ,矢状面の膝. であり,降段では膝関節屈曲速度の調節が要求される。. 関節負荷と求心性膝パワーを軽減し矢状面の股関節負荷. い. を増加させていると考える。 2.昇段立脚期の矢状面膝関節運動力学動態  本研究では,TKA 術後患者の昇段立脚初期における. 3.降段立脚期の矢状面膝関節運動力学動態. 最大膝関節伸展モーメントと求心性膝パワーは,対照群.  本研究では,TKA 術後患者の降段立脚後期における. と比較して有意に低値であった。この結果は,TKA 術. 最大膝関節伸展モーメントは,対照群と比較し有意差は. 後患者と対照群の昇段中の膝関節伸展モーメントを比較. なく同等程度であったが,遠心性パワーは対照群より低. 8)9). と類似しており,TKA 術後患者では. かった。まず関節モーメントでは,膝関節屈曲角度と床. 矢状面の膝関節負荷を軽減させる代償戦略が存在すると. 反力鉛直成分が階段降段では各群間で有意差がないこと. 検討した報告.

(8) TKA 術後の階段昇降の矢状面膝運動力学と大. が影響したと考える。先行研究でも降段時の膝関節屈伸. 129. 考える。. モーメントは,TKA 群と健常高齢者の間で有意差はな いとの報告があり. 部筋活動の特性. 結   論. 25). ,降段は昇段のような代償動作戦. 略 が 存 在 せ ず 矢 状 面 の 膝 関 節 負 荷 が 増 加 す る た め,.  今回,術後 1 年経過した TKA 患者の階段昇段と降段. TKA 術後症例の困難感の訴えが多い動作になっている. における矢状面膝関節運動力学動態と大. と考える。膝関節パワーは,膝関節モーメントと膝関節. 動を健常若年者と比較検討した。TKA 患者は,昇段立. 角速度により規定されるが,健常者の降段立脚後期は,. 脚初期に大. 外側広筋とハムストリングスの同時収縮が膝屈曲速度の. による代償動作戦略にて矢状面膝関節負荷を軽減させ膝. 調節をするが. 7). ,TKA 術後患者では対照群より動作速. 四頭筋の筋活. 四頭筋を強く収縮するが,体幹肢位の調節. 関節の求心性パワーが低下する動作特性を認めた。降段. 度が遅く,関節モーメントは同等であるにもかかわらず. では,矢状面膝関節負荷が健常若年者と同程度に生じ,. 膝関節角速度の低下にて遠心性パワーが低下していたと. 大. 考える。. が低下していた。.  本研究の対象群では,降段立脚期の膝関節屈伸モーメ ントは,二峰性を示したが TKA 術後患者では立脚初期. 四頭筋が強く収縮しているが膝関節の遠心性パワー. 利益相反. の第 1 ピーク値が存在せず立脚後期に最大値となる動作.  本論文作成にあたり,開示すべき利益相反関係にある. 特性を認めた。これは平地歩行でも同様に TKA 前後の. 企業,組織,団体は存在しない。. 歩行分析に関する systematic review において,術後の 変化として前額面では膝内反角度と内反モーメントの減 少,矢状面では膝関節伸展モーメントの増加が挙げられ ているが,健常者との比較では歩行が正常化したかの結 論は得られていない. 26). 。また,健常者の降段立脚期で. は膝関節で伸筋モーメント優位で 2 つのピークが存在 し,足関節では立脚初期に生じる第 1 ピーク(1.2 Nm/ kg)は,立脚終期の第 2 ピーク(0.8 Nm/kg)より大き く,膝関節は逆のパターンを示し,立脚中期開始時に生 じる第 1 ピーク(1.1 Nm/kg)は , 立脚終期の第 2 ピー ク(1.4 Nm/kg)より振幅が小さい. 4)7). と報告されてい. る。このため TKA 術後患者の降段立脚期の膝関節屈伸 モーメントの第 1 ピークの検討には,足関節と膝関節を 含めた関節モーメント,関節パワーによる収縮様式の算 出,足関節周囲筋の筋活動の解析が必要になると考える。 4.本研究の限界と今後の展望  本研究の対象が,高齢の重度変形性膝関節症であった TKA 群と健常若年者の対照群であり,大 水準の差が大きく階段昇降立脚期の大. 四頭筋筋力. 四頭筋の筋活動. を 2 群間で比較し,動作中の筋活動の特性を明らかにす ることは困難であった。今後は TKA 群と同年代で同等 の筋力水準の健常高齢者を対照群として階段昇降立脚期 の膝運動力学データおよび筋活動の特性を検討していく 必要性がある。また,今回の計測環境用階段は先行研究 の測定条件. 11). を基に 2 段構成の階段(蹴上 20 cm,踏. 面 30 cm に設定)としたが,これでは 1 段目を測定肢 とし一足一段様式で課題動作を行う場合に,測定肢の遊 脚期が不十分となるため,本研究では階段昇降立脚期に おける運動学,運動力学データおよび筋活動の解析とし た。今後は,計測用階段の構成を 3 段以上とし遊脚期を 含めた歩行周期全体での動作解析の検討が必要になると. 文  献 1)Shan L, Shan B, et al.: Intermediate and long-term quality of life after total knee replacement: a systematic review and meta-analysis. J Bone Joint Surg Am. 2015; 97: 156‒ 168. 2)Noble PC, Conditt MA, et al.: Patient expectations affect satisfaction with total knee arthroplasty. Clin Orthop Relat Res. 2006; 452: 35‒43. 3)Nakahara H, Okazaki K, et al.: Correlations between patient satisfaction and ability to perform daily activities after total knee arthroplasty: why aren’t patients satisfied? J Orthop Sci. 2015; 20: 87‒92. 4)Riner R, Rabuffetti M, et al.: Stair ascent and descent at different inclinations. Gait posture. 2002; 15: 32‒44. 5)Powers CM, Boyd LA, et al.: Stair ambulation in persons with transtibial amputation: an analysis of the Seattle LightFoot. J Rehabil Res Dev. 1997; 34: 9‒18. 6)Protopapadaki A, Drechsler WI, et al.: Hip, knee, ankle kinematics and kinetics during stair ascent and descent in healthy young individuals. Clin Biomech. 2007; 22: 203‒210. 7)McFadyen BJ, Winter DA, et al.: An integrated biomechanical analysis of normal stair ascent and descent. J Biomech. 1988; 21: 733‒744. 8)Berti L, Benedetti MG, et al.: Clinical and biomechanical assessment of patella resurfacing in total knee arthroplasty. Clin Biomech. 2006; 21(6): 610‒616. 9)Fantozzi S, Benedetti MG, et al.: Fluoroscopic and gait analysis of the functional performance in stair ascent of two total knee replacement designs. Gait Posture. 2003; 17(3): 225‒234. 10)Wilson SA, McCann PD, et al.: Comprehensive gait analysis in posterior-stabilized knee arthroplasty. J Arthroplasty. 1996; 11(4): 359‒367. 11)Standifird TW, Cates HE, et al.: Stair ambulation biomechanics following total knee arthroplasty: a systematic review. J Arthroplasty. 2014; 29(9): 1857‒1862. 12)Lamb SE, Frost H: Recovery of Mobility after Knee Arthroplasty. The J Arthroplasty. 2003; 18: 575‒582. 13)Yoshida Y, Mizner RL, et al.: Examining outcomes from total knee arthroplasty and the relationship between.

(9) 130. 理学療法学 第 47 巻第 2 号. quadriceps strength and knee function over time: Clin Biomech. 2008; 23: 320‒328. 14)Delagi EF, Perotto A: 筋電図のための解剖ガイド第二版四 肢.西村書店,東京,1985,pp. 156‒159. 15)Katsuhira J, Yamamoto S, et al.: Comparison of the accuracy of measurement of floor reaction force and lower extremity joint moments calculated using different force plate measurement methods. J Phys Ther Sci. 2007; 19(2): 171‒175. 16)McGinley JL, Baker R, et al.: The reliability of threedimensional kinematic gait measurements: a systematic review. Gait Posture. 2009; 29(3): 360‒369. 17)Levinger I, Levinger P, et al.: Increased inflammatory cytokine expression in the vastus lateralis of patients with knee osteoarthritis. Arthritis Rheum. 2011; 83(5): 1343‒1348. 18)Gur H, Cakin N, et al.: Muscle mass, isokinetic torque, and functional capacity in women with osteoarthritis of the knee, Arch Phys Med Rehabil. 2003; 84(10): 1534‒1541. 19)Palmieri-Smith RM, Thomas AC, et al.: Isometric quadriceps strength in women with mild, moderate, and severe knee osteoarthritis. Am J Phys Med Rehabil. 2010; 89: 541‒548. 20)Engh GA, Holt BT, et al.: A midvastus musclesplitting. approach for total knee arthroplasty. J Arthroplasty. 1997; 12(3): 322‒331. 21)Tanaka T, Takayama K, et al.: Radiographic analysis of the lower limbs using the hip-calcaneus line in healthy individuals and in patients with varus knee osteoarthritis. knee. 2017; 24(5): 1146‒1152. 22)Lexell J, Taylor CC, et al.: What is the cause of the ageing atrophy? Total number, size and proportion of different fiber types studied in whole vastus lateralis muscle from 15- to 83-year-old men. J Neurol Sci. 1988; 84(2-3): 275‒294. 23)Nadeau S, McFadyen BJ, et al.: Frontal and sagittal plane analyses of the stair climbing task in healthy adults aged over 40 years: what are the challenges compared to level walking? Clin Biomech. 2003; 18: 950‒959. 24)McFadyen BJ, Winter DA, et al.: An integrated biomechanical analysis of normal stair ascent and descent. J Biomech. 1988; 21: 733‒744. 25)Saari T, Tranberg R, et al.: Total knee replacement influences both knee and hip joint kinematics during stair climbing. Int Orthop. 2004; 28(2): 82‒86. 26)Mills K, Hunt MA, et al.: Biomechanical deviations during level walking associated with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis. Arthritis Care Res. 2013; 65(10): 1643‒1665..

(10) TKA 術後の階段昇降の矢状面膝運動力学と大. 部筋活動の特性. 〈Abstract〉. Characteristics of Sagittal Knee Joint Kinematics Dynamics and Quadriceps Muscle Activity during Stair Ascent and Descent in Patients after Total Knee Arthroplasty. Taiki FURUMOTO, PT, Tsuyoshi GOTO, PT, MSc, Shinsuke KATOH, MD, PhD Department of Rehabilitation, Tokushima University Hospital Taiki FURUMOTO, PT, Daisuke HAMADA, MD, PhD, Tsuyoshi GOTO, PT, MSc, Tomoya TAKASAGO, MD, Koichi SAIRYO, MD, PhD Department of Orthopedics, Institute of Biomedical Sciences Tokushima University Graduate School. Purpose: The aim of this study was to evaluate the characteristics of sagittal knee joint kinematics and quadricep muscle activity during stair climbing in patients after total knee arthroplasty (TKA). Methods: Eight and ten limbs were included in the TKA and control groups, respectively. The maximum knee extension moment (KEM) and maximum afferent and centrifugal knee power during stair climbing stance phases were measured by a three-dimensional motion analysis system. Maximum muscular activity of the quadriceps femoris was measured by surface electromyography. Results: The knee joint load and afferent power in stair ascent of the TKA group was significantly lower than that of the control group. The centrifugal power in stair descent of the TKA group was significantly lower than that of the control group. Quadriceps activity during stair ascent was significantly higher in the TKA group than in the control group, and the descending muscle activity was low in both groups. Conclusion: One year post-operation, TKA patients strongly contract the quadriceps during stair climbing, but the joint load and afferent power decreased during ascension and the centrifugal power decreased during descension. Key Words: Total knee arthroplasty, Stair climbing, Sagittal knee joint kinematics dynamics, Quadriceps femoris muscle activity. 131.

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