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HP166回国会成立法案.PDF

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第166回通常国会成立法案

会期:2007年1月25日∼7月5日

教育再生関連法

昨年の臨時国会で約60 年ぶりに改正された教育基本法や内閣に設置されている教育再生 会議の提言を踏まえ、学校教育法、地方教育行政法、教員免許法及び教育公務員特例法が それぞれ改正されました。 改正学校教育法は、幼稚園から大学までの目的・目標の規定を改正教育基本法に沿って 見直し、義務教育の目標として「規範意識」や「公共の精神」、「我が国と郷土を愛する態 度」などを盛り込んだほか、学校の指導体制の充実と組織運営体制の強化のため、小中学 校などに副校長、主幹教諭、指導教諭の新たな職種の設置を可能にしました。 また、教育水準向上のため学校評価を行うことなども盛り込みました。 改正地方教育行政法は、教育委員会の責任体制の明確化や体制の充実、教育における地 方分権の推進、国の責任の果たし方などについて規定しています。 教育委員会への国の関与強化を規定する内容として、緊急に生徒の生命・身体に危険が 及んだ場合、文部科学大臣が教育委員会に法的拘束力を持つ「指示」を出せることとし、 履修不足など教育を受ける権利が侵害された場合には、文部科学大臣が教育委員会に対し て、より緩やかな「是正要求」を行う権限を認めました。 また、原則5人となっている教育委員の数を都道府県と市は「6人以上」、町村は「3人 以上」に弾力化するとともに、保護者を教育委員に任命する規定を、現在の努力規定から 義務規定に格上げしました。 このほか、教育委員会による私立学校への関与について、知事が必要と認めるときは、 教育委員会に対し、助言や援助を求めることができるとの規定が盛り込まれました。 改正教員免許法・教育公務員特例法は、現行では終身有効の教員免許に有効期間10 年の 更新制を導入しました。免許を更新するためには、管理職など一部の教員を除き、大学な どでの約30 時間の講習修了を必要とし、講習修了が確認できなければ、免許は失効するこ とになります。幼稚園から高校まで現職教員は全国で約 110 万人おり、段階的に講習を受 けられるようにします。 また、免許更新制とは別に人事管理を厳正に行うため、都道府県教育委員会などが認定 した不適格教員や指導力不足教員に対して、期間1年以内の指導改善研修を実施し、改善 がなければ免職や配置転換などの措置を取るよう規定しました。

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教員免許更新制が2009 年度、それ以外の制度改正は 2008 年度から実施されます。

国民投票法

憲法改正に必要な国民投票の手順を定める「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(国 民投票法)が成立しました。 憲法96 条は、改正要件として衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成で「改憲案」が発 議され、国民投票で過半数が賛成することと定めていますが、国民投票の方法など改正の 具体的な手続きを定める法律はありませんでした。今回、同法が成立したことにより、1947 年の現憲法施行から60 年間放置されてきた改正手続きの不備がようやく解消されることに なります。 ただし、法の施行は成立から3年後で、それまでは改憲案の審査・提出はできないこと から、初の国民投票が実現するのは早くても2010 年以降となります。 国民投票法をめぐっては、昨年5月に与党と民主党がそれぞれ独自の法案を議員立法と して衆議院に提出し、その後、与党と民主党が共同で修正協議を進めていました。しかし、 一本化できず、今年3月に与党が、4月に民主党がそれぞれの修正案を提出していました。 国民投票法のポイントは以下の通りです。 (1)投票の対象 国民投票の対象を憲法改正に限定する。憲法改正を要する問題などを事前に問う「予 備的国民投票」の導入については中長期的な検討課題とする。 (2)投票権者の年齢 投票権者は18 歳以上とし、公職選挙法や民法など関連法令の規定に必要な措置を講 じる(選挙権年齢や成人年齢の引き下げ)までは20 歳以上とする。 (3)過半数の意義 白票等は無効とし、投票総数に算入しない。賛成・反対票を合計した有効投票総数 の過半数の賛成で承認とする。 (4)憲法改正原案の審査権限の凍結 施行は公布から3年後とし、衆参両院に設置する「憲法審査会」は施行まで調査に 専念することとし、憲法改正原案の審議・提出は行わない。 (5)個別発議 憲法改正原案の発議は、内容に関連する事項ごとに区分して行う。

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(6)投票日前の広告放送の制限 投票2週間前からテレビ・ラジオの有料意見広告は禁止し、放送法を適用する。 (7)公務員、教育者の地位利用の禁止 公務員や教育者の地位を利用した国民投票運動を禁止する。ただし、罰則は設けな い。また、選管職員ら特定公務員の国民投票運動は禁止し、公務員法上の公務員へ の「政治的行為の制限」を原則適用する。 (8)周知期間 憲法改正案の国会発議から60 日以降 180 日以内に投票を実施する。 (9)広報 衆参各10 人で構成する「国民投票広報協議会」を国会に設置。公報などを作成する。 なお、参議院憲法調査特別委員会では、18 項目の付帯決議が与党と民主党の賛成で採択 されています。 <付帯決議の主な要旨> ・国民投票の対象・範囲について憲法審査会で検討し、適切な措置を講じるよう努める。 ・成年年齢に関する公職選挙法、民法などの関連法令について国民の意見を反映させ検 討、施行までに必要な法制上の措置を完了するよう努める。 ・憲法審査会で最低投票率制度の意義・是非について検討する。 ・開票結果は棄権の意思が明確に示されるように白票数も明示する。 ・テレビ、ラジオの有料CM規制はメディア関係者の自主的努力を尊重する。 ・公務員および教育者の国民投票運動の規制は意見表明、学問、教育の自由を侵害しな いよう特に慎重な運用を図り、禁止行為と許容行為の明確化などを検討する。 ・罰則適用に当たり国民の意見表明・運動が委縮、制約されないよう慎重に運用する。 ・憲法審査会の定足数や議決要件などを定め、審議では少数会派にも十分配慮する。

社会保険庁改革関連法

年金記録の紛失など不祥事が相次いだ社会保険庁を解体し非公務員型の公法人「日本年 金機構」に業務を引き継ぐことなどを柱とした社会保険庁改革関連法が成立しました。 日本年金機構法は、社会保険庁解体後に、年金保険料の徴収などを行う「日本年金機構」 の業務を可能な限り民間に外部委託し、効率化を図ることとしていますが、悪質な保険料 の滞納者対策として、国税庁に強制徴収を委任できるようにする規定も盛り込んでいます。 ただし、国は年金の管理運営に責任を負い、職員採用にあたっては、内閣官房に設置する

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第三者機関「年金新組織改革推進会議(仮称)」の意見を聞くこととしています。 また、年金記録の管理について、加入者全員に加入状況を知らせる「ねんきん定期便」 で注意喚起し、社会保険事務所に寄せられた相談や苦情に応じ、記録を調査することを 徹底させます。 さらに、過去に問題となった年金保険料の目的外使用については、「グリーンピア」な ど大型施設建設への使用は廃止し、徴収業務(年金記録の管理、広報、相談、情報提供 など)の事務経費に限って使用すると規定しています。 このほか、同時に成立した改正国民年金法では、国民年金保険料について、クレジット カードによる納付を可能とする規定などが盛り込まれています。 一方、社会保険庁をめぐっては、過去に支払った保険料が正しく年金へ反映されない「支 給漏れ」が、約22 万件に上ることが発覚し、さらに該当者不明の保険料の加入記録が約 5,000 万件に達しており、公的年金の信頼を揺さぶる問題が噴出しています。この問題で損害を 被る受給者を救済するため、与党は、現行5年の時効を撤廃して受給者を保護する年金時 効撤廃特例法を議員立法で成立させました。 現行の会計法では、年金は5年間受け取らなければ時効により権利が消滅してしまいま すが、特例法の成立により、社会保険庁による納付記録の紛失など国の責任が明確な支給 漏れについては時効を適用せず、過去の不足分について全額補償します。 また、保険料の納付期間が25 年に満たない無年金者が、記録漏れが見つかり 25 年を超 えた場合も全額補償します。 さらに、記録を照合できた受給者が死亡している場合は、遺族が受け取る遺族年金の額 に反映させるとともに、年金記録を正確にするための徹底調査も社会保険庁に義務づけま した。 支給漏れが国の責任であることを証明するには、年金受給者が保険料の納付を証明する 領収書や給与明細などを提示する必要がありますが、確かに納付したにもかかわらず、年 金記録や物的証拠がない人のために、「年金記録確認第三者委員会」を総務省に設置すると ともに、さらに身近なところで対応できるよう、全都道府県の50 ヶ所に「地方第三者委員 会」を発足させ、本人の立場に立って公正に判断する仕組みがスタートしています。

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国家公務員法等の一部改正

公務員制度改革に関して、国家公務員の天下り規制強化と能力・実績主義に基づく人事 制度の導入を柱とする改正国家公務員法が成立しました。 天下り規制では、2008 年末までに内閣府に官房長官を長とする「官民人材交流センター」 (新・人材バンク)を設置し、国家公務員の再就職あっせんを2011 年末までに政府全体で 一元化する新制度を導入します。官製談合の温床とされる「押しつけ的天下りのあっせん」 の根絶を目指して、省庁ごとに行われてきたあっせんは禁止し、センターを通じた再就職 支援を行います。 センターの運用については、センター職員は出身省庁職員の再就職あっせんを行わない としましたが、省庁の人事当局と人的情報把握のため必要に応じて協力するとして、一定 の関与は認めました。 あっせん禁止の対象には、民間企業のほか、キャリア官僚の再就職先の多くを占める独 立行政法人や公益法人などの非営利法人(職員身分が公務員型の独立行政法人は除く)も 含め、あっせん一元化の2年後には、センターの組織体制を見直す規定も盛り込まれまし た。 職務と関係が深い民間企業への再就職を原則2年間規制している現行の事前規制につい ては、センターへの一元化の時点で廃止し、代わりに事後規制へと切り替えます。OBに よる口利きなどの不正なあっせんには、懲戒処分や過料のほか、刑事罰(3年以下の懲役 または50 万円以下の罰金)を科します。違反の有無などについては、内閣府に新設する「再 就職等監視委員会」が担当し、首相の委任を受けた組織としてチェックを行います。 一方、能力・実績主義に基づいた人事評価制度の導入に関しては、これまでの年功序列 など硬直した人事制度を見直し、採用試験区分や入省年次に関係なく、能力や実績の評価 でポストや給与を決める仕組みに転換するとともに、職員の降任や免職をできることも規 定しました。 政府は、来年の次期通常国会に「国家公務員制度改革基本法(仮称)」を提出する予定で、 採用のあり方、幹部公務員の育成方法、早期勧奨退職制度、定年延長など、抜本的な公務 員制度改革が議論されることになります。

政策金融改革関連法

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5つの政府系金融機関を統合して一本化する株式会社日本政策金融公庫法が成立しまし た。これは、小泉前首相が推進していた政府系金融機関改革の一環で、肥大化した公的金 融を縮小し、官主導だった資金の流れを民に移すのが狙いです。 まず、2008 年 10 月に、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫の3 公庫と国際協力銀行(JBIC)の国際金融部門を統合し、政府全額出資の株式会社「日 本政策金融公庫」を設立して一本化します(「JBIC」の名称は引き続き使用)。その後、 沖縄振興開発金融公庫も2012 年度以降に統合します。統合による5機関の融資残高は、総 額30 兆円を超す規模となります。 残りの現行政府系機関は、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫がそれぞれ2008 年 10 月に政府出資の株式会社にし、5∼7年の移行期間を経て政府保有株式をすべて処分、完 全民営化します。公営企業金融公庫は廃止され、地方機関に業務が継承されます。 これらの関連法(株式会社日本政策投資銀行法、株式会社商工組合中央金庫法、地方公 営企業等金融機構法)も今国会で成立しています。

在日米軍再編促進特別措置法

在日米軍再編計画を円滑に進めるための「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措 置法」(在日米軍再編促進特別措置法)が成立しました。 特措法は、昨年5月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)(※)における両政府の最終 合意に基づき、沖縄県に集中する在日米軍基地や訓練施設について、国内各地への移転促 進を図るもので、関係自治体の理解と協力を得ながら着実に実施することを目的にしたも のです。 2017 年3月末までの 10 年間の時限立法となっていますが、再編の実施が遅れる場合は 交付期間を最大5年間延長するとしています。 再編交付金制度は、基地や訓練の移転などの受け入れに伴い、新たな負担が生じる自治 体を防衛大臣が「再編関連特定周辺市町村」に指定し、再編事業を(1)再編計画受け入 れ(2)環境影響評価(アセスメント)の着手(3)施設整備の着工(4)工事完了・運 用開始 − の4段階に分類し、進捗状況に応じて交付金を上積みする仕組みで、特に負担 が大きいと判断した自治体には道路や港湾、下水道、学校といった施設の整備事業につい て国の補助率をかさ上げします。なお、これらの公共事業に加えて、イベントや講演会な

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どのソフト事業も対象とし、財政面での一連の支援を通じて自治体側の再編への協力を促 します。 政府は交付金を10 年間で総額 1,000 億円規模とする方向で、防衛省は 2007 年度予算に 交付金の必要経費約51 億円を計上しています。 また、在沖縄海兵隊約 8,000 人のグアム移転については、日本側の負担の一環として、 国際協力銀行(JBIC)の業務に特例を設け、出資・融資をできるようにし、JBIC と民間企業が設立する事業主体が家族住宅建設など米側のインフラ整備をする仕組みを設 けました。 さらに、基地返還で影響を受ける基地労働者の雇用継続に役立てるため、技能教育訓練 などの雇用対策を実施することも盛り込まれています。 (※)いわゆる「ツー・プラス・ツー」。日本側から外務大臣と防衛大臣、米側から国務長官と国防長官が出席。

イラク復興支援特別措置法の一部改正

7月末で期限切れとなるイラク復興支援特別措置法を2年間延長する改正が行われ、航 空自衛隊のイラク派遣が8月以降も継続されることになります。 特措法は、2003 年7月自衛隊をイラクに派遣する根拠法として4年間の時限立法で成立 しました。これを受け、政府は2004 年から航空自衛隊をクウェートに、陸上自衛隊をイラ ク南部のサマワに派遣しましたが、その人員は、空自が延べ約2,100 人、陸自が延べ約 5,500 人となります。 イラク新政府の発足で2006 年7月に陸自が撤収した後も、現在、空自は人員約 210 人と C130輸送機3機が派遣されており、クウェートを拠点にイラクのバグダッド、アルビ ル、タリルの各空港間を飛び、米軍や国連などの人員や物資の輸送などにあたっています。 また、多国籍軍航空作戦司令部にも幹部約10 人が連絡員として派遣されています。 なお、特措法は自衛隊の派遣期間、活動範囲、部隊の規模を基本計画で定め、閣議決定 しなければならないと規定しており、政府は法改正を受け、同法に基づく基本計画で派遣 期間を1年とすることを閣議決定しました。

防衛省設置法及び自衛隊法の一部改正

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防衛施設庁の廃止など防衛省、自衛隊の組織を一部改編する改正防衛省設置法・自衛隊 法が成立しました。 法改正を受け、防衛省は9月1日付で組織改編を実施し、防衛施設庁を廃止、機能を防 衛省の内部部局に統合します。1962 年に発足し、自衛隊や在日米軍の施設の取得、管理、 周辺地域対策を担当してきた施設庁は、45 年間の歴史を終えることになります。 また、改正法では、全省的に予算執行を点検して官製談合など不祥事の再発防止のため、 防衛大臣直属の「防衛監察本部」(約50 人体制)を新設、本部長に次官級の「防衛監察監」 を据えるとともに、全国8ヶ所(札幌、仙台、東京、横浜、大阪、広島、福岡、那覇)の 各防衛施設局を「地方防衛局」に改編します。 一方、自衛隊については、テロや災害、国際平和協力活動への対応を強化するため、陸 上自衛隊中央即応集団(約3,200 人)に海外派遣の先遣隊を務める「中央即応連隊」(約700 人)を新設します。また、陸海空3自衛隊の統合通信体制を強化するため、自衛隊指揮通 信システム隊(約160 人)を新設するとともに、陸上自衛隊第 11 師団(札幌市、約 7,200 人)を第11 旅団(約 3,600 人)に縮小します。

公共サービス改革法の一部改正

登記業務の一部を民間委託できるようにするため公共サービス改革法(市場化テスト法) が改正されました。 昨年7月に施行された同法は、「民間にできることは民間に」という小泉前首相の構造改 革の具体策の一つで、公共サービスの質の向上と行政経費の削減につなげるため、担い手 を「官」と「民」が対等な立場で競争入札し、価格や質の面で最も優れた方に決める「市 場化テスト」を導入するものです。 今回追加された不動産登記の特例は、昨年末の公共サービス改革基本方針の閣議決定を 受けて、登記事項証明書の交付や登記簿の閲覧などの業務について、官民競争入札または 民間競争入札の対象とし、民間事業者が落札した場合の委託を可能にするための法整備で す。

地域再生法の一部改正

改正地域再生法は、地域経済の活性化や雇用機会の創出を図るため、高齢者の定年延長

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などに取り組む企業への寄付金の一定額を損金算入できるようにすることが柱となってい ます。 改正法は、まず、安倍内閣が掲げる地域における再チャレンジ支援の促進のため、寄付 金に対する税制上の優遇措置を創設します。 若者や高齢者などを積極雇用する企業・団体に対し、別の企業・団体が寄付した場合、 出し手の課税所得から一定の寄付金額を差し引く仕組みを導入します。この際、地域の公 益法人を利用した間接的な寄付についても優遇措置が認められます。 また、地方公共団体が地域再生計画を作成する際、関係者の意見を集約するために組織 する地域再生協議会を設置することも規定しています。

構造改革特別区域法の一部改正

構造改革特区制度の新規提案受け付けを5年間延長するため構造改革特区法が改正され ました。同法は今年3月末までの時限立法でしたが、自治体による申請期限は2012 年3月 末まで延長されます。また、関係省庁に迅速な手続きを求める規定も盛り込まれています。 地域おこしの起爆剤として2002 年に導入された特区制度は、特定の地域に限定して法律 や規制を緩和し、地方独自のアイデアを生かす試みです。これまで認められた特区は、農 家・民宿にどぶろくの製造免許を与える要件を緩める「どぶろく特区」や行政と民間によ る小中高一貫教育校の設立、外国人教諭による英語での授業を認めた「教育特区」などが あります。 2002∼06 年にかけての 10 回にわたる提案募集では、第2次は 850 件を超えたものの、 第10 次は 288 件にまで減少、認定件数も、初回は申請 656 件のうち 204 件でしたが、第 9次は384 件中 29 件、第 10 次は 288 件中5件(4月 30 日現在)となっており、認定数 がピーク時の40 分の1にまで落ち込んでいます。 そこで、政府は、特区法の延長と併せて、いったん認定から漏れた提案を第三者機関が 再審査し復活を可能にする仕組みを導入しました。特区の「再チャレンジ」を認めること で、マンネリ化した制度をもう一度活性化させ、提案や認定数を底上げする狙いがありま す。

武力紛争の際の文化財保護法

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武力紛争から文化財を守るため、戦闘による破壊行為などを禁止する武力紛争の際の文 化財保護法が成立しました。 同法は、日本が 1954 年に署名した「武力紛争の際の文化財保護条約」(ハーグ条約)に 対応して、国内法を整備するものです。 条約は、武力紛争時に文化財を軍事目的に利用しないことや攻撃の対象としないことな どを規定しており、今回成立した保護法では、さらに、紛争国から輸出された文化財の輸 入規制を行うとともに、戦闘で文化財を損壊したり、相手国の攻撃に文化財をさらす行為、 紛争国からの流出文化財の損壊、譲渡に罰則を設けました。 また、重要文化財や史跡、名勝、天然記念物など、条約で保護される文化財を武力攻撃 から守るため、識別用の特殊標章(ブルーシールド)を取り付けることができるとしまし た。

放射線発散行為処罰法

放射性物質を使ったテロを防ぐため、厳重な処罰を盛り込んだ放射線発散行為処罰法が 成立しました。 同法は、2005 年4月に国連総会で採択された核テロ防止条約の批准に向け、国内法を整 備したものです。 放射性物質の管理については、これまで原子炉等規制法と放射線障害防止法で定められ ていましたが、違反行為に対する処罰規定は懲役10 年以下でした。 同法では、処罰対象である核を爆発させる行為のほか、テロを意図して散布機などで放 射性物質をまき散らしたり、食品に混ぜて毒として使ったり、下水道に流して環境を汚染 させるなどの行為に対し、科学兵器禁止法やサリン防止法と同様に最高刑を無期懲役とし ました。 日本は2005 年9月に条約に署名しましたが、まだ批准国が発効条件の 22 ヶ国に達して おらず、正式な効力が生じていません。このため、法施行の期日は、条約が発効する日と なっています。

児童手当法の一部改正

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3歳未満の乳幼児への児童手当を増額する改正児童手当法が成立しました。 すでに、今年4月分の手当てから適用されており、0∼2歳児の第1子、第2子への児 童手当の支給額は、月額 5,000 円から1万円に引き上げられています。ただし、年収制限 があり、サラリーマン世帯で妻が専業主婦、子供2人の標準世帯の場合、年収 860 万円未 満が対象となります。 この児童手当の乳幼児加算は、昨年6月に政府がまとめた新少子化対策により、乳幼児 がいる家庭に対する経済支援が目的で、増額対象となる乳幼児は約 275 万人と見込まれて います。また、加算分の費用は約 1,370 億円で、負担の内訳は国約 220 億円、地方約 470 億円、事業主約680 億円となります。 現行の児童手当は、0歳から小学6年生までの子供がいる世帯を対象に、同様の年収制 限のもと、第1子と第2子は1人当たり月額5,000 円で(3歳未満の時期は倍増)、第3子 以降は月額1万円を支給していました。

パートタイム労働法の一部改正

パートタイム労働者の処遇改善を図るため、短時間労働者雇用管理改善法(パートタイ ム労働法)が改正されました。これは、安倍首相が掲げる再チャレンジ支援策の一環で、 2008 年4月1日から施行されます。 改正法は、正社員とパートタイムとの間に不当な格差が生じないよう、業務内容と業務 に伴う責任、労働時間などが正社員と同じ程度で雇用契約期間に定めのないパートタイム 労働者について、賃金、教育訓練、福利厚生など待遇に関する差別的取り扱いの禁止を事 業主に義務づけています。 また、対象外のパートタイム労働者にも、能力や経験などを考慮して処遇を決定するよ う努力義務を課すとともに、試験制度の導入や応募の機会を与えることなど正社員への転 換推進措置も義務づけています。 さらに、雇用の際には、昇給やボーナス、退職金制度の有無を明示した文書交付の義務 づけも求めています。 パートタイム労働者は2006 年で約 1,205 万人ですが、今回差別的取り扱いの禁止対象と

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なるのはその4∼5%と推定されています。

雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部改正

労働者の募集・採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを事業主に 義務づけることなどを主な内容とした改正雇用対策法・地域雇用開発促進法が成立しまし た。安倍内閣が掲げる再チャレンジ支援策の一環で、年長のフリーターや高齢者らの再就 職を促すのが狙いです。 改正雇用対策法は、労働環境の急速な変化に対応するため、募集・採用時の年齢制限禁 止を義務づけたほか、青少年、女性、高齢者、障害者の就業促進対策や地域雇用対策を明 記しました。 また、不法就労が後を絶たない外国人雇用については、雇用状況報告の届け出を事業主 に求め、法務省とも情報を共有して不法滞在の防止や摘発に役立てます。 改正地域雇用開発促進法は、雇用情勢が特に厳しい地域(雇用開発促進地域)と雇用創 出に向けた意欲が高い地域(自発雇用創造地域)に重点化した助成金支援策などが定めら れています。

雇用保険法の一部改正

労使が負担する失業手当の保険料率の引き下げや育児休業給付の引き上げなどを盛り込 んだ改正雇用保険法が成立しました。 今回の改正は、雇用保険制度の安定的な運営を確保し、直面する諸課題に対応するため の見直しを行うものです。 まず、雇用情勢の改善などにより、失業給付などに充てる雇用保険料率について、現行 の1.6%(労使折半)を 2007 年度から 1.2%に引き下げます。 一方、少子化対策の一環として、育児休業期間中の会社員らに支給される育児休業給付 を賃金の40%から 50%へ引き上げます。給付率の引き上げは6年ぶりとなります。 育児休業給付は、出産や育児で仕事ができない期間も一定の所得を保障し、育児と仕事 の両立を支援するのが目的です。原則として子供が1歳になるまで、育休中は賃金の30% が支払われた後、職場復帰から半年後をめどに残りの 10%がまとめて支給されていました が、残り分が20%の支給となります。

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このほか、高齢者雇用継続給付に係る国庫負担を廃止し、当分の間、国庫負担を本来の 負担額の55%に引き下げること(25% → 13.75%)や、雇用福祉事業の廃止なども盛り込 まれています。

社会保障協定包括特例法

海外勤務のサラリーマンらが、国による年金制度の違いで不利益を受けないようにする ための社会保障協定包括特例法が成立しました。 日本と外国で年金保険料などを二重払いしなくてもいいようにする社会保障協定の締結 に関して、従来は、その都度締結国ごとに個別の特例法を制定し、ほぼ毎年国会に法案が 提出されていました。 この包括特例法の成立により、どの国と協定を結んでも政省令の改正だけで済ませるこ とができ、迅速な対応が可能となります。 外務省によると、海外在留の日本人は、現在約66 万人おり、アジアを中心に年金制度が 整備されていない国も多いため、年金制度が異なる国で働く日本人は数千∼数万人程度と 推測されています。

北朝鮮人権侵害問題対処法の一部改正

拉致問題の進展がなければ政府が新たな支援を実施できないようにする規定を盛り込ん だ改正北朝鮮人権法は、日本が拉致問題の早期解決を目指す決意を改めて示したものです。 同法は、北朝鮮による日本国民への人権侵害が改善されない場合、政府が経済制裁措置 を講じることなどを定めたもので、特定船舶入港禁止法などに基づき具体的な措置を実施 しています。 今回の改正では、政府の政策推進に当たって「拉致問題の解決そのほか北朝鮮当局によ る人権侵害状況の改善に資するものとなるよう、十分に留意する」との規定を加え、人道 的支援のハードルを高くしました。 また、政府の義務として各国政府や国際機関に適切な働きかけを行うことを明記し、北 朝鮮が世界銀行やアジア開発銀行に加盟を申請しても応じないよう、政府が働きかけを行

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うよう求める努力規定も追加しました。

経済成長戦略関連法

安倍内閣が掲げる「経済成長戦略」を具体的に推進するための関連3法(産業活力再生 特別措置法、中小企業地域資源活用促進法、地域産業活性化法)が改正されました。 関連法は、人口減社会や国際競争力の激化といった課題を克服し、日本経済の持続的な 成長を図るため、企業の技術革新や地域の中小企業活性化策などを後押しするのが狙いで す。 改正産業再生法は、特許や技術など他社の知的財産を取り込む買収を支援することが柱 となっています。 現行法は、不採算部門の撤退や合併を通じた事業再生などを目的に1999 年8月に制定さ れました。これまで過剰設備や債務の圧縮を目指す企業再編を後押ししてきましたが、今 回の改正では、この適用対象を広げ、使われない特許技術などの知的財産を買い取り、そ れを活用した製品開発や、買収した他社の事業部門と自社の技術を融合させた新製品開発 を支援します。 国内の特許約1,000 万件のうち 52 万件は未使用とされており、例えば、素材メーカーの 休眠特許を電機メーカーが買い取り、新しいディスプレイを開発・製造することなどが想 定されています。 具体策として、買収に伴う設備投資額の30%を特別償却できるようにするほか、合弁会 社設立時の登録免許税や事業譲渡時の不動産取得税も軽減します。 中小企業地域資源活用促進法では、各地域の「強み」である地域資源(地域に伝わる伝 統技術、地域特有の農林水産品、観光資源など)を活用して新商品・新サービスの開発・ 市場開拓などを行う中小企業の支援措置を講じます。 具体的には、融資における信用保証枠の拡大や所得税、法人税の軽減措置、ブランド戦 略の専門家によるアドバイスなどが受けられます。 政府は、地域資源の活用によって、今後5年間で 1,000 の新事業創出を目標として掲げ ています。 地域産業活性化法は、地域の特性に応じた企業立地を促進する狙いで、地域ごとに高度 な技術産業の集積や外資系企業の誘致などを実現するため、設備投資減税を行ったり、工 場立地の規制を緩和したりするものです。 具体的には、公害防止の観点から企業を規制してきた工場立地法の特例措置として、同 法の特例運用を現行の都道府県および政令指定都市から市町村に権限委譲するとともに、

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工場の敷地面積に占める緑地面積比率について、現行の 20%以上との規制を緩和して、地 域の実績によって定めることを可能にしました。

中小企業信用保険法の一部改正

中小企業の資金調達の円滑化や事業の再チャレンジを図るため、中小企業信用保険法が 改正されました。6月から施行されています。 改正法では、中小企業に対する事業資金融通を拡大するため、信用保証協会が保険契約 を結ぶ際に、これまでの売掛債権に加えて棚卸資産(商品、製品、原材料等)を担保とす ることができる「流動資産担保保険」を創設し、これまで個人保証や不動産担保に過度に 依存していた現状を見直します。その対象には、在庫のワインや育成中の家畜などを担保 とする融資が想定されています。 また、民事再生などの手続きを利用して事業再生を目指す中小事業者にとって、資金調 達ができないと経営の悪化が進み、再生が困難になってしまいますが、再生手続中はリス クが高く民間融資は極めて限定的になることから、中小企業の経営再建を後押しする「事 業再生保険」を創設し、資金調達の円滑化を図る規定も盛り込まれています。

弁理士法の一部改正

弁理士の業務拡大や資質向上などを目指す改正弁理士法が成立しました。2008 年度から 施行されます。 今回の改正は、企業などの知的財産権保護の意識の高まりによって、需要が増えている 弁理士を質量ともに充実させることが狙いです。 特許出願件数は、2005 年で約 42 万 7,000 件に及び、過去 10 年で約5万件増加しました が、知財関連業務を担う弁理士数は、2006 年末時点で約 7,000 人と、圧倒的な人材不足と なっています。 こうした背景を受けて、大学院修了者や過去の試験の合格者など特定の要件を満たす受 験者に対し、弁理士試験の一部を免除して門戸を広げる一方、弁理士に試験合格後の修習 制度や登録後の定期研修を義務づけ、質の向上も目指しています。 また、専門職としての多様なニーズへ対応するため、従来は特許出願に限定されていた

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弁理士の知財関連業務を商標権や意匠権にも拡大することも盛り込まれています。

自転車競技法及び小型自動車競走法の一部改正

収益が低迷している競輪・自動車競走(オートレース)事業の活性化を目的に、自転車 競技法と小型自動車競走法が改正されました。 競輪とオートレース事業の売上高は減少傾向が続いており、2005 年度はともにピーク時 と比べ半分以下の水準となっています。 今回の改正では、競輪・オートレースの事業環境を改善させるため、組織をスリム化す るとともに集客力アップの諸施策を盛り込みました。 まず、競輪選手の育成、登録を行う特殊法人「日本自転車振興会」とオートレースでの 同様の活動を行っている「日本小型自動車振興会」を 2008 年4月をめどに廃止・統合し、 経済産業大臣が指定する公益法人がその業務を引き継ぐこととしました。 また、審判など競技を運営するための特別認可法人「自転車競技会」「小型自動車競走会」 についても、それぞれ、2008 年4月をめどに公益法人に移行します。 次に、新しいファン獲得するため、同じ日の複数のレースの1着を予想する「重勝式」 車券を導入します。レースごとに1着を予想する「単勝式」、2着、3着以内に入る選手を 予想する「複勝式」に比べ、「重勝式」は当たる確率が低く、当たった場合の払戻金が多額 になりやすいとされており、経済産業省は、払戻金を最高 200 万倍とする方向で検討して います。 また、現行法で禁止されている「学生及び未成年」による車券の購入について、改正法 では、禁止対象を「未成年」に限定し、学生でも20 歳以上なら車券を購入できるよう制限 を緩和にする措置を盛り込みました。競馬では2005 年から学生でも馬券を買えるようにな っており、法改正によって足並みを揃えました。 さらに、入場者を増やすため、レースの実施主体である地方公共団体に義務づけている 入場料の徴収義務を廃止しました。 このほか、自治体による競輪場・オートレース場の改修などの投資に対して、交付金の 一部を還付する制度を時限的に設けたり、収益赤字の自治体に対し、交付金の支払いの猶 予期間を3年から5年に延長する措置が規定されています。

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特定放射性廃棄物最終処分法

等の一部改正

高レベル放射性廃棄物等の最終処分を確実かつ安全に実施するため、関連3法(特定放 射性廃棄物最終処分法、再処理積立金法、原子炉等規制法)が改正されました。 核燃料サイクル(※1)の工程から発生する高レベル放射性廃棄物や長半減期低発熱放射 性(TRU)廃棄物(※2)の最終処分について、処分制度の対象廃棄物の追加、処分計画策 定、処分費用確保などに関する制度を整備することが目的です。 特定放射性廃棄物最終処分法の改正では、現行法が最終処分対象としている高レベル放 射性廃棄物に加え、TRU廃棄物及び代替取得(※3)により英国から返還される高レベル 放射性廃棄物を処分の対象に追加し、併置処分を可能にしました。 また、再処理積立金法の改正は、最終処分対象追加に伴い、英国からのTRU 廃棄物が減 少し、貯蔵、輸送、処分費用が約 1,250 億円安くなるため、再処理等積立金法の積立金額 の規定を変更するものです。 さらに、原子炉等規制法の改正では、高レベル放射性廃棄物、TRU 廃棄物の最終処分を 安全規制の対象に追加するとともに、核物質防護検査や定期検査、処分場の坑道を埋め戻 す計画の認可、確認などの手続きが盛り込まれています。 (※1)原子力発電の使用済燃料を再処理し、回収したウランやプルトニウムを、燃料として再加工、再利 用する一連の工程。 (※2)燃料集合体の切断片などウランより重い元素を含む放射性のごみで、放射能の寿命が極めて長く、 一部は高レベル廃棄物並みの扱いが必要とされている。 (※3)英国から返還される予定だったTRU廃棄物を少量の高レベル放射性廃棄物に交換して返還を受け ること。

映画盗撮防止法

個人で楽しむ目的であっても映画館で上映中の映画の撮影や録音を禁じる映画盗撮防止 法が成立しました。 映画の海賊版DVDの横行やインターネット流出による被害を防ぐのが狙いです。 同法は、許可なく映画を撮影することに対し、罰則として、10 年以下の懲役または 1,000 万円以下の罰金を設けています。ただし、国内で最初の上映から8ヶ月経過すると適用さ

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れません。 現行の著作権法では、商用目的の映像複製を禁していますが、個人で楽しむ私的使用の 場合であれば複製を認めているため、映画をビデオカメラで撮影するだけでは犯罪になり ませんでした。

刑法の一部改正

飲酒などによる悪質な運転行為による交通事故の罰則を強化するため刑法が改正され、 「自動車運転過失致死傷罪」が新設されました。現行の業務上過失致死傷罪から交通事故 に関する規定を独立させるとともに、最高刑を「懲役・禁固5年」から「同7年」に引き 上げるのが柱となっています。6月12 日から施行されています。 悪質な交通事故をめぐっては、2001 年の刑法改正で危険運転致死傷罪(最高刑 致死懲 役20 年、致傷同 15 年)が新設され、罰則が強化されましたが、飲酒や薬物で正常な運転 が困難な状態だったことや赤信号を故意に無視したことが立証されなければならず、適用 のハードルが高いため適用例が少なく、業過致死傷罪との刑罰の差も大きいため、遺族や 被害者が同罪の上限の引き上げを要望していました。 そこで、今回の法改正では、同罪の適用が難しい過失についても、自動車運転過失致死 傷罪を適用し、重く処罰できるようにしました。 また、危険運転致死傷罪の適用対象となる「自動車」に、新たにオートバイやバイクな どの二輪車を加えることも盛り込まれました。 今国会では、飲酒運転の罰則を引き上げる道路交通法も改正され、両法の改正で、酒酔 い運転中の過失致死傷の最高刑は「懲役7年6ヶ月」から「同10 年6ヶ月」に、酒気帯び 運転中は「懲役6年」から「同10 年」に強化され、厳罰化が進むことになります。

道路交通法の一部改正

飲酒運転やひき逃げ(救護義務違反)など、悪質な交通違反のさらなる厳罰化を柱とす る改正道路交通法が成立しました。強化された罰則は成立から3ヶ月以内の施行をめざし ており、9月にも施行される見込みです。 法改正の背景は、運転者が酒を飲んでいることを知りながら同乗したり、その運転者に 酒や車を提供したりした人に対して、これまで刑法の共犯(幇助犯)規定を援用してきま

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したが、飲酒運転に甘いとされる社会の意識変革を促すためにも、直接の罰則対象をこれ らの人にも広げたものです。 法改正に伴い、正常な運転ができない恐れがある状態の酒酔い運転の最高刑を「懲役3 年」から「同5年」に、酒気帯び運転は「懲役1年」から「同3年」にそれぞれ引き上げ ました。 また、同乗や、酒類提供をしたりした人に対する最高刑は、「懲役3年」(運転者が酒酔 いの場合)または「同2年」(酒気帯びの場合)となり、車両提供をした人も、「懲役5年」 (酒酔いの場合)または「同3年」(酒気帯びの場合)となりました。このように、運転者 と同等に厳しく罰することで、運転者以外の周囲の責任を明確化します。 そして、ひき逃げの最高刑も「懲役5年」から「同 10 年」に強化しました。その結果、 飲酒ひき逃げ事件の場合、刑法に新設された自動車運転過失致死傷罪などとの併合罪の上 限が、業務上過失致死傷罪を適用していた「懲役7年6ヶ月」から「同15 年」になりまし た。 さらに、飲酒運転の取り締まり現場での検査拒否を、現行の「罰金30 万円以下」から「懲 役3月以下、罰金50 万円以下」に引き上げ、逃げ得を防ぎます。 一方、自転車通行区分について、児童・幼児が運転する場合や車道での通行が危険な場 合には、歩道通行を認めるとともに、高齢者ドライバー対策として、判断力などを調べる 認知機能検査を75 歳以上の免許証更新時に導入しました。自転車利用者対策は今後1年以 内に、高齢者に対する認知検査の導入は2年以内に施行されます。 このほか、悪質な違反をした場合の免許欠格期間を5年から10 年に延長、後部座席のシ ートベルト着用義務化、ワイドミラー装着を条件に聴覚障害者に運転を認めることなども 盛り込まれています。

刑事訴訟法の一部改正

犯罪被害者らが当事者に近い立場で公判に参加できる「被害者参加制度」の導入などを 盛り込んだ改正刑事訴訟法が成立しました。2008 年末までに施行される見込みです。 現行の刑事裁判では、犯罪被害者は法廷の傍聴席にしか入れず、証人出廷や情状に関す る意見陳述以外は、裁判に参加することが認められていませんでした。 これに対し、被害者参加制度では、犯罪被害者が希望すれば、法廷で被告に対して自ら 質問したり、求刑の意見を述べたりできるようにするものです。 また、同制度では、被害者が自分の弁護士と一緒に参加することもできます。

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対象は、殺人や傷害、業務上過失致死傷、強姦、強制わいせつ、逮捕・監禁、誘拐など 生命、身体や自由に関する犯罪で、被害者側の申し出を裁判所が許可すれば適用されます。 裁判所が参加を認めた場合、犯罪被害者やその遺族は「被害者参加人」として法廷で検 察官の脇に座り、情状に関する証人尋問や被告に犯罪事実について直接質問することが認 められます。ただし、証人尋問も被告人質問も事前に検察官に内容を明らかにし、裁判所 が許可したものに限られますが、質問は弁護士が代理でも行えます。 また、新設する「最終意見陳述」では、検察官による論告・求刑後に、独自に求刑の意 見陳述を行うこともでき、法定刑の範囲内なら検察官と異なる量刑を提示することも認め られます。 さらに、同制度で被害者が自分の弁護士を付けたい場合、資力のない被害者に公費で弁 護士を付ける資金援助制度を設けるよう努めるとした規定も付則に盛り込まれました。 なお、2009 年に裁判員制度が始まり、被害者の参加が裁判員に与える影響を見極める必 要があるとの意見を踏まえ、法施行後3年をめどに見直す規定が追加されています。 一方、被害者が刑事裁判の過程で損害賠償を請求できるようにし、有罪の場合、判決後 に同じ裁判官が賠償命令を決定する「付帯私訴制度」も導入されました。同制度は、刑事 裁判の証拠を損害賠償請求に関する民事裁判に引き継ぐことができ、被害者側の負担を軽 減することができます。対象事件は被害者参加制度とほぼ同じですが、過失犯は除外され ます。 このほか、(1)性犯罪などの公判では被害者の名前や住所を明らかにしないことができ る(2)民事裁判でも性犯罪などの被害者が法廷外からモニターを通じて証言できる(3) 少年(家裁)事件を除き、被害者側に公判記録の閲覧、謄写を原則認める − との規定も 盛り込まれています。

裁判員法の一部改正

裁判員法の改正は、2009 年にスタートする裁判員制度で、被告が複数の事件で起訴され た刑事裁判を事件ごとに分割審理する「部分判決制度」を新設するのが柱となっています。 これは、市民から選ばれる裁判員を事件ごとに入れ替え、負担を軽減するのが狙いです。 裁判員が審理する殺人や放火事件などは初公判前に争点を絞り込む「公判前整理手続き」 で整理され、実際に審理に要するのは連日開廷で「3日以内」が7割、「4∼5日」が2割、

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「6日以上」が1割と予想されていますが、同一の被告による複数の事件が対象になると 審理が長期化し、裁判員が仕事や家事を休む期間に影響が出る恐れが指摘されていました。 改正法で導入される部分判決制度は、裁判所が職権、または検察官、被告、弁護人の請 求に応じ、事件ごとに審理を分割する「区分審理決定」をするものです。決定後は事件ご とに選任された裁判員が順次審理し、事実認定や有罪・無罪の判断を行います。最後の事 件を担当する裁判員がその事件の判決とともに、全事件の情状を踏まえて量刑を決め、全 体の最終的な判決を言い渡します。ただし、事件ごとに代わるのは裁判員だけで裁判官は 交代しません。 これにより、裁判員の拘束期間が著しく長期に及ぶのを防ぐことができるようになりま すが、複数の事件が相互に関連し、多くの証拠が共通する場合は、分割審理が困難なため、 区分審理決定の対象外となります。 また、証人尋問などをビデオに記録し、裁判員と裁判官の評議の場で活用できるように する規定も盛り込まれました。

少年法の一部改正

少年犯罪の凶悪化、低年齢化に対応するため、少年院送致の下限年齢を現行の「14 歳以 上」から「おおむね12 歳以上」に引き下げることなどを柱とした改正少年法が成立しまし た。公布から6ヶ月以内に施行されます。 現行制度では、14 歳未満の少年は犯罪にあたる行為をしても刑事責任は問われず、「触法 少年」として支援目的の児童自立支援施設に収容されるか家庭での保護観察処分を受けて いました。 改正法でも、14 歳未満の少年の刑事責任を問えない点は変わりませんが、少年の状況に 応じ、矯正教育を主体とした少年院での保護処分を可能にするため、家庭裁判所の判断に よる少年院送致の下限年齢を「おおむね12 歳以上」に引き下げました。政府は「おおむね」 の幅を「1歳程度」としており、11 歳の小学5年生も家庭裁判所の判断次第で少年院に収 容されるようになります。 また、警察に家宅捜索や押収などの強制調査権を付与するとともに、警察が少年を呼び 出し質問できる任意調査権を明文化しました。これにより、従来は補導して任意の事情聴 取しかできなかった触法少年に対し、客観的な事情から判断して、疑うに足りる相当の理

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由がある場合には、調査ができることになります。 さらに、保護観察中の少年が保護司に会おうとしないなど、順守事項を守らず、警告に も従わない場合、家庭裁判所の決定で児童自立支援施設や少年院に送致する規定も新設し ました。 ほかに、少年の権利保護の観点から、殺人などの重大事件で身柄を拘束された少年に家 庭裁判所が必要と認めれば、公費で弁護士を付けられるよう国選付添人制度が改められ、 少年の釈放後も効力を失わない規定も盛り込まれました。

更生保護法

保護観察制度を強化し、仮出所者らの再犯防止を図る更生保護法が成立しました。 同法は、現行の犯罪者予防更生法と執行猶予者保護観察法を整理・統合したもので、再 犯防止に向けた更生保護制度の法体系を整備するのが目的です。来年6月までに施行され、 現行2法は廃止されます。 現行法では、保護観察の対象者が守るべき順守事項は「善行を保持すること」や「素行 不良者と交際しない」といった抽象的な記述にとどまっており、保護観察官や保護司が対 象者の生活実態を把握する明確な規定もなく、再犯の兆候を見逃しがちとの指摘が出てい ました。このため新法は、法の目的に「再び犯罪をすることを防ぐ」旨を明記し、個々の 対象者に応じ細かく守るべき事項を設定できるようにしました。 対象者については、刑務所や少年院を仮釈放・仮退院した仮出所者のほか、保護観察付 きの執行猶予判決を受けた人、家裁の審判で保護処分とされた少年らとなります。 すべての対象者に義務づける「一般順守事項」に、現行法にある住所の届け出などに加 えて、保護観察官や保護司と面接し、交友関係や家計収支、就職・就学など生活状況の報 告を義務づける制度を新設し、対象者ごとに定める「特別順守事項」には、性犯罪や薬物 犯罪など特定の犯罪的傾向を改善するための医学、心理学など専門的な再犯防止プログラ ムの受講や法務大臣が指定する施設への一時入所などを規定しました。 また、保護観察中に守るべき順守事項に違反した場合、仮釈放や執行猶予の取り消しが できることを明文化しました。 さらに、改善更生の指導のため、保護観察官を通じて保護観察対象者に犯罪被害者の心

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情を伝達する仕組みも導入されました。 このほか、全国に8ヶ所ある地方更生保護委員会が加害者の仮釈放の審理する際に、犯 罪被害者側からの申し出があれば、意見や心情を述べることができる制度を導入し、判断 材料の一つとすることも規定されました。

犯罪収益移転防止法

犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ組織への資金移動の防止を目的 とした犯罪収益移転防止法(ゲートキーパー法)が成立しました。 同法は、経済協力開発機構(OECD)の金融活動作業部会(FATF)が犯罪収益を隠匿す るマネーロンダリング対策の国際基準として2003 年に出した勧告に基づいて制定されたも ので、4月1日より施行されています。 金融機関などに限定していた「疑わしい取引」の通報義務を、不動産業者、宝石・貴金 属商、クレジット・カード業者、ファイナンス・リース業者、郵便受け取り・電話受付業 者など38 業種に拡大し、収受した財産に犯罪の疑いがある場合には、監督官庁に届け出を 行うよう規定しました。 また、顧客の本人確認と7年間の取引記録の保存も義務づけました。 ただし、2003 年勧告で含まれていた弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士 の5業種については、守秘義務を考慮して通報義務の対象から除外し、本人確認と記録保 存だけを義務づけました。 4月の法施行に伴い、資金洗浄情報の収集分析部門(FIU)として設置されていた金 融庁の「特定金融情報室」の機能は国家公安委員会(警察庁)に移管され、新FIU「犯 罪収益移転防止管理官」としてスタートしていますが、疑わしい取引に関する情報を国家 公安委員会が集約・分析し、その結果を外国の相当機関や捜査機関などに提供する規定も 盛り込まれています。

特別会計法

国の特別会計を改革するための特別会計法が成立しました。4月1日から施行されてい ます。

特別会計(特会)は、特別の事業や資金運用のために一般会計とは別に管理、

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運用されている国の予算で、昨年成立した行政改革推進法において、31特会

を3分の1から2分の1程度まで減らすことになっていました。

同法では、登記特会や特定国有財産整備特会など4特会を一般会計に、道路整備特会や 空港整備特会など5特会を「社会資本整備特別会計」として統合するなどして、2010 年度までに17特会に減らすことを規定しました。 また、政府系金融機関などに資金を回す財政融資資金特会について、余剰資金を国債償 還に回すことや、特会で余った資金を特別な立法なしに一般会計に繰り入れできるように する規定なども設けられました。 さらに、各特会の透明性を高めるため、財務書類をインターネットで公開するな ど情報開示を進めることを検討して行く方針も盛り込まれています。

公認会計士法の一部改正

監査法人や公認会計士に対する規制を抜本的に強化する改正公認会計士法が成立しまし た。2008 年4月をめどに施行されます。 これは、相次いだ粉飾決算事件など不正会計問題などを踏まえ、不正に関与した監査法 人などに対する行政処分を法令違反の悪質さに応じて柔軟に運用できるようにし、企業と 公認会計士のなれ合いを防ぐのが目的です。 改正法は、これまで「戒告」、「業務停止命令」、「解散命令」の3通りだった行政処分を 多様化し、「課徴金納付制度」や「業務改善命令」、不正に関与した社員に対する「一時業 務禁止命令」を追加しました。 課徴金の額については、企業から受け取った監査報酬を基に、企業の不正会計を手助け したり容認したりする故意の場合なら1.5 倍、十分な注意を怠り不正を見逃した場合なら報 酬と同額に定めました。これには、収入以上の課徴金を課すことで抑止効果を高める狙い があります。 また、監査先企業の不正を見つけた場合には、金融当局に通報することも義務づけまし た。

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さらに、大規模監査法人で上場企業を担当する主任会計士の継続監査期間を7年間から 5年間に短縮し、いったん離れて再び監査につくまでの期間も5年間と規定するとともに に、監査法人を退職した公認会計士が、監査先の企業や関連会社の役員に再就職すること も禁止しました。 なお、衆参両院の委員会審議では、社会経験を積んだ人材が会計士として活躍できるよ うにするため、公認会計士試験の改善を求める付帯決議が採択されました。

地方公共団体財政健全化法

北海道夕張市の財政破綻などを受けて、財政危機に陥った地方自治体に早期再建を促す ための地方公共団体財政健全化法が成立しました。 地方分権時代にふさわしい地方の自己規律による財政の健全化を推進するのが目的で、 2009 年4月から施行されます。 同法は、第3セクターや公営企業などを含めた地方自治体の財政状況をチェックするた め、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標を公 表する義務を課すとともに、指標ごとに基準を設け、悪化の度合いに応じて早期是正措置 を促します。 数値が一定水準を超えれば要注意段階の「財政健全化団体」とし、健全化計画を策定し た上で自主再建を目指すことになります。財政がさらに悪化した場合は破綻とみなし、「財 政再生団体」に移行させます。この場合、国や都道府県の指導の下に「財政再生計画」を 策定し、総務大臣が予算の変更など必要な措置を勧告します。また、総務大臣の同意を得 ない限り、地方債の発行などができなくなり、国の関与が一層強まることとなります。

戸籍法の一部改正

個人情報保護の観点から、現在より戸籍情報の公開を制限し、「原則公開」から「原則非 公開」とする改正戸籍法が成立しました。2008 年中に施行される見通しです。 現行法では、弁護士や行政書士など8種類の資格者が職務で戸籍謄抄本を使う場合は「請 求理由を示さないでよい」と定め、不当な目的でなければ交付を受けることができました。 しかし、資格者による戸籍の不正請求事件が相次いだため、改正法は、これらの資格者に

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依頼者名と具体的理由の明示を新たに義務づけました。ただし、訴訟などの紛争解決手続 きの代理をする場合は、依頼者名を明らかにしなくても紛争の種類と利用目的を示せば請 求できることとしました。また、条件なしに謄抄本の交付を受けられる対象を戸籍に記載 されている本人と配偶者、直系の親族のみに限定しました。 一方、戸籍に虚偽の内容が記載されるのを防ぐため、婚姻や養子縁組などの届け出につ いて、受理する市町村に運転免許証などで本人確認する義務を課したほか、代理人が届け 出た場合には、本人へ通知する制度も創設しました。 虚偽申請などによる戸籍謄抄本の不正取得に対する罰則についても、現行の「5万円以 下の過料」から「30 万円以下の罰金」に引き上げられました。

住民基本台帳法の一部改正

第三者による住民票の写しの交付請求を厳格化する改正住民基本台帳法が成立しました。 現行制度では、住民票の写しの交付については、事実上誰でも請求できるため、第三者 が申請理由と異なる使い方をする不正流用が問題になり、規制の必要性が指摘されていま した。 改正法は、交付条件を原則的に本人や同一世帯の人などに制限し、第三者の請求は、訴 訟など職務上の必要がある弁護士や債権回収を行う金融機関など、自己の権利行使に「正 当な理由」がある場合に限定しました。 また、第三者が本人になりすまし、取得した住民票を使い運転免許証を取得するなどの 悪用も多発していることから、市区町村に免許証や住基カードなどで本人確認を徹底する ことを義務づけました。不正取得に対する罰則も、行政処分である現行の「10 万円以下の 過料」から「30 万円以下の罰金」に強化し、個人情報の保護を図ります。

電子記録債権法

電子記録債権法とは、金銭の給付を目的とする手形などの債権を電子化し、インターネ ットを介して取引できるようにする法律です。2008 年末頃に施行される予定です。 電子化により、保管コストや印紙代の発行コストなどの削減が見込めるうえ、紛失や盗 難の心配もないため、中小企業などにおける新たな資金調達手段として期待されています。

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また、債権の分割などの手続きも飛躍的に簡素化され、債権の流動化を促すことにもなり、 さらに、電子記録債権に質権を設定して、融資の担保とすることも可能です。 電子記録債権の対象は、預金・受取手形・売掛金・貸付金・未収入金など金額が確定し たすべての金銭債権で、債権の発生や譲渡、返済による債権の消滅に至るまで電子債権の やり取りを管理する「電子債権記録機関」にネット上で記録するだけで、手続きを終える ことができます。 同機関は、金融庁の監督・検査を受け、万が一、不正に電子記録債権が記録、譲渡され て損害が生じた場合でも、その不正の証明責任は機関側にあるとされています。 ただし、公平性・中立性を確保する意味合いから金融機関などの兼業は禁止されていま す。

統計法

国の重要な統計調査で偽の調査を行った際の罰則規定などを新設した新統計法が成立し ました。 これは、2005 年の国勢調査で調査員を装い調査票をだまし取る事件が相次いだことを受 け、60 年ぶりに全面改正したものです。 新法では、国の統計調査を装った偽の調査を禁止し、違反した場合は2年以下の懲役ま たは100 万円以下の罰金を科すこととしました。 また、国が集めたデータを大学や研究機関が2次利用することを認めることや、内閣府 に統計委員会を設け、国勢調査など政府統計全体の在り方を5年ごとに見直す基本計画の 策定なども盛り込んでいます。

消防法の一部改正

改正消防法は、大規模建物の所有者らに地震発生時の対応を定めた消防計画の作成と自 衛消防組織(※)の設置を義務づける内容です。2009 年6月の施行を目指しています。 現行法は、事業所に対して火災を主眼とした消防計画の作成を求めていますが、大規模 地震などの災害に関する対策は不十分で、自衛消防組織の設置についても、事業者の自主

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的な取り組みに委ねているというのが実情でした。 そこで、改正法では、ホテルやデパート、病院、地下街など不特定多数の人や自力避難 の困難な人が利用する(1)延べ床面積が5万平方メートル以上(2)5階建て以上で延 べ床面積2万平方メートル以上の大規模建物を対象に、消防計画に避難誘導の在り方やエ レベーター停止時の対応を盛り込むよう求めました。これには、全国で約 4,000 件が該当 する見込みです。 (※)建物に入居する施設の従業員らで構成し、災害発生時に避難誘導や初期消火などの応急活動を行う。

消費生活協同組合法の一部改正

消費生活協同組合(生協)の規制緩和と事業の健全性を図るため、消費生活協同組合法 が改正されました。1948 年に同法が制定されて以来、初めての抜本的な見直しとなります。 2008 年4月1日に施行されます。 改正法は、これまで県境を越えた活動を禁じていた生協の運営地域を隣接する都道府県 まで展開することを認めました。現行では、「一定地域の相互扶助組織」と位置づけられる 生協の活動は、各都道府県内に限定されていましたが、道路網の整備などで生活圏が拡大 し、民間企業との競争も激化しているため、範囲を広げられるようにしたものです。また、 組合員以外の利用を禁じた規制も緩和されました。 一方、規模が拡大した共済事業については、契約者を保護するための規制を強化しまし た。共済事業を始められる条件として、最低出資金は単位組合で1億円以上、連合会で 10 億円以上とそれぞれ規定し、経営体力の目安となる「ソルベンシー・マージン比率」も導 入します。こうした経営基盤の強化に加え、ほかの事業との兼業禁止や、外部監査や経営 情報の開示を義務づけることで契約者保護を図ります。 生協は、地域で組織する地域生協や職場で作る職域生協のほか、大学生協、医療生協な どがあります。厚生労働省によると、全国に1,000 余りの組合があり、組合員数は約 6,000 万人で、食品や生活用品の販売、共済事業、福祉事業などを行っています。

児童虐待防止法の一部改正

虐待された子どもの安全を確保するため児童虐待防止法が改正され、児童相談所の権限 と責任が強化されました。3年ぶりの改正で、2008 年4月1日に施行されます。

参照

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