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18 世紀後半における思潮の変化 sense よりも sensibility が尊重される時代へ sense: 真偽や善悪を識別する能力 (common sense) sensibility: 道徳的な感情 感情に影響されやすい性質 共感能力 個人の美的感受性同時に複数の意味で用いられるようになる場

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(1)

18世紀後半における思潮の変化

senseよりもsensibilityが尊重される時代へ

sense: 真偽や善悪を識別する能力(common sense) sensibility: 道徳的な感情→感情に影響されやすい性質 →共感能力→個人の美的感受性

同時に複数の意味で用いられるようになる 場合によってsenseと対立する概念となる

Jane Austenの

Sense and Sensibility

(1811) では二

つの語は対立する概念を表す

Age of Sensibilityという呼び名について

Popeの死(1744年)からWordsworthとColeridgeによる

(2)

sensibilityという語をめぐる歴史

17世紀Hobbesの性悪説への反発→18世紀の性善

説や楽観主義

Earl of Shaftesbury, Characters of Men, Manners, Opinions, Times (1711) 人間の本質的な善良さを説く思想 benevolence「博愛」の強調 sensibilityとは他人の悲しみや喜びに感応する能力→人 間の善良さを示す証拠

18世紀後半、理性や知性よりも感情や情緒が人

間にとって重要な特質になる

sensibilityは個人の美的な感受性を意味するよう

にもなる

(3)

sensibilityと文学

18世紀半ば以降読者のsensibilityに訴える作品が数多

く書かれる

Samuel Richardson,

Pamela

(1740)

美徳の持ち主である女性主人公が苦難に遭遇する→読者の 共感を誘う

Thomas Gray, 'Elegy Written in a Country Churchyard'

(1751)

田舎の墓地に眠る無名の死者に対する共感を読者に求める

Laurence Sterne,

A Sentimental Journey

(1768)

Tristram Shandyの一登場人物である牧師Yorickの大陸旅行記 Yorickは感傷的な場面に遭遇してしばしば涙を流す

(4)

Oliver Goldsmith,

The Vicar of Wakefield

(1766)

牧師であるDr Charles Primroseが経済的な没落や投獄 という苦境に禁欲的に耐える姿を描く

最後にはすべての問題が解決され、ハッピー・エン ディングとなる

Henry MacKenzie,

The Man of Feeling

(1771)

主人公Harleyはトランプ詐欺師、売春婦、精神病者な どとの出会いを通じて、現実を学ぶ→社会を人間の自 然な感情をゆがめる原因とみなす

主人公は死を間際にして愛する女に愛を告白する→感 傷性の極致

(5)

The curfew tolls the knell of parting day,

The lowing herd winds slowly o'er the lea,

The ploughman homeward plods his weary way,

And leaves the world to darkness and to me.

(Thomas Gray, ‘Elegy Written in a Country

Churchyard’, 1751 )

Dear sensibility! source inexhausted of all

that’s precious in our joys, or costly in our

sorrows! (Laurence Sterne,

A Sentimental

Journey

, 1768)

(6)

普遍的な理性とは異なり感性は特定の共同

体内で共有される傾向が強い

→Romanticismの地域主義につながる

James Macpherson (1736-96)

スコットランドの伝説的な詩人Ossianの詩を

ゲール語から翻訳したと称して詩集を出版する

(1762年および63年)→実は多くがMacpherson

自身の創作であることが判明

自然や過去を民衆の言葉で語る

民族性の強調

NapoleonやGoetheも愛読したベストセラー

(7)

感性と理性の分離→感性が極端化する傾向

が強まる

sensibilityはpicturesqueとかsublimeと形容される

風景(廃墟、険しい山)や事件(革命)に対し

て発揮される

→調和に美を見いだす感性から不均衡、広大

さ、無限性に美を見いだす感性への変化

18世紀後半におけるgothic fictionの出現

「喜びをあたえる恐怖」(delightful horror)

(Edmund Burke,

Sublime and Beautiful

) を描く

読者の感受性に強く訴える物語

(8)

J. M. W. Turner (1775-1851)

Snowstorm: Hannibal and His Army Crossing

the Alps

(1812)

(9)

主要なゴシック小説

Horace Walpole,

The Castle of Otranto: A Gothic

Story

(1764)

13世紀イタリアの城を舞台にした王位簒奪の物語 畏怖や恐怖の感情に訴える場面の頻出

William Beckford,

Vathek

(1786)

悪魔の弟子になったアラビアのカリフVathekの悲惨な 末路

生きたまま心臓だけを焼かれるという劫罰を受ける

Ann Radcliffe,

The Mysteries of Udolpho

(1794)

財産目当ての悪辣な叔父によってイタリアの古城に幽 閉される女性を主人公にした物語

(10)

Matthew Gregory Lewis,

The Monk

(1796)

信者の女性と性的な関係を結び、彼女を殺害するスペ インの修道士の物語

Mary Shelley,

Frankenstein

(1818)

みずからが死体の断片から作った怪物に復讐される男 の告白

Charles Robert Maturin,

Melmoth the Wanderer

(1820)

(11)

senseやreasonの抑制から自由になった

sensibilityはときに狂気を招いた

18世紀後半には狂気に陥る詩人たちが目立った

William Collins (1721-59) 鬱病、発狂

Christopher Smart (1722-71) 何度も精神病院に入院

William Cowper (1731-1800) 神経症、自殺未遂

18世紀の著名な作家には独身者が多い

Alexander Pope

Jonathan Swift

Oliver Goldsmith

William Collins

William Cowper

(12)

Romantics: 1790-1837

ロマン主義時代のイギリス社会

①農業国から工業国への急速な変化

産業革命(the Industrial Revolution)の進展と囲い込

み(enclosure)による農業の効率化

農業労働者の都市へ流入→工場労働者へ

都市の急激な人口増加とスラムの拡大

自由放任主義(Adam Smith)→貧富の差の拡大

労働運動の激化

(13)

②革命の時代

アメリカの独立

フランス革命

イギリスの世論の分裂

フランス革命の過激化、Napoleonの拡張主義

→イギリス国内世論の右傾化・反動化

③政治改革

商工業者の富裕化

政治的な権利を求める運動が盛んになる

1832年の選挙法改正法(Reform Act)によって選挙

権が拡大される

(14)

新古典主義(Neo-Classicism)とロマン主義

(Romanticism)の対比

新古典主義

(1) 世界を神の秩序ある創造物とみなす

人間を存在の連鎖の中間に位置づける

(2) 理性や良識に価値をおく

(3) 客観的な真理に関する確信

(4) 人間の限界を認識→高慢、過激な思想や行動、

熱狂などを嫌う

(5) 模倣を重視する→独創性に対する低い評価

(6) 古典から学んだ凝った人工的な文体

(7) 都会志向

(8) 政治的な保守性

(9) 子どもをたんなる無知で未熟な存在とみなす

(15)

ロマン主義

(1) 自己生成する自然(汎神論的な自然観)

(2) 感情や情緒に価値をおく

(3) 主観的な真理の追求

(4) 人間の無限の想像力を信頼

(5) 独創性を重視する

(6) 詩的語法からの自由、日常的な言語を用

いた詩作

(7) 田舎志向や地域性の強調→都市批判やナ

ショナリズム

(8) 旧来の政治体制に対して批判的

(9) 子どもを文明に汚されていない純粋かつ

神聖な存在とみなす

(16)

代表的なロマン主義の作家

イギリスのロマン主義運動は圧倒的に詩の

運動であった

六人の大詩人によって代表されてきた

William Blake (1757-1827)

William Wordsworth (1770-1850)

Samuel Taylor Coleridge (1772-1834)

George Gordon Byron (1788-1824)

Percy Bysshe Shelley (1792-1822)

John Keats (1795-1821)

(17)

近年ロマン主義時代の女性作家たちの再評価が進んで

いる

Anna Laetitia Barbauld (1743-1825) Anna Seward (1747-1809)

Charlotte Smith (1749-1806) Mary Robinson (1758-1800)

Helen Maria Williams (1762-1827)

Felicia Dorothea Hemans (1793-1835) Laetitia Elizabeth Landon (1802-38)

ロマン主義の正典から除外されてきた労働者詩人たち

Ann Yearsley (1752-1806) Robert Burns (1759-96) Robert Bloomfield (1766-1823) James Hogg (1770-1835) John Clare (1793-1864)

(18)

William Blake (1757-1827)

ロンドンで衣料品店を営む貧しい家に生まれ芸術学校に 通う スウェーデンの神秘主義思想家Emanuel Swedenborg (1688-1772) から影響を受ける 14歳で彫版工(engraver)の徒弟となる 王立美術院(Royal Academy)に入学 1782年市場向け菜園経営者の娘Catherine Boucherと結婚 1784年印刷屋を開業 ロンドンおよびロンドン近郊で生涯彫版工として暮らす 詩に絵を添えてみずから印刷した→詩と絵画の融合 死後しばらく忘れられていたが、SwinburneやRossettiに よって再評価される

(19)

政治、社会、宗教、芸術におけるあらゆる権威に

反抗

合理主義、古典主義、物質主義を否定

アメリカの独立やフランス革命に対する共感を示

女性に対する抑圧にも批判的だった

人間の自由を束縛するものすべてを糾弾→一時期

危険人物として拘禁される

幻視者(visionary)とみなされた

晩年は独自の神話的な世界の創造に没入した

Universal Manの分裂と再統一がテーマ 疑いをかけられるのを避けるために意図的に難解に書か れている

(20)

主要著作

Songs of Innocence (1789)

主として無垢な幼年時代を描く

The Marriage of Heaven and Hell (1790)

散文作品

韻文による序文では、肉体と魂を区別する伝統的な宗教が批判され る

Miltonが描いた悪魔への共感を示す

Songs of Experience (1794)

‘The Tyger’や ‘The Sick Rose’などの著名な詩を含む

Songs of Innocenceとタイトルが同じで内容の異なる詩がいくつ か収められている

無垢の喪失をテーマとする

The Book of Urizen (1794)

The Four Zoas (1797)

Milton (1803-8)

(21)

To see a world in a grain of sand, And a heaven in a wild flower,

Hold infinity in the palm of your hand, And eternity in an hour.

(22)

‘The Chimney Sweeper’

Songs of InnocenceとSongs of Experienceに同名の詩が収められてい る 体の小ささゆえに仕事に適しているため子どもが煙突掃除人として 酷使されていた時代を背景に書かれた詩 一方の詩は子どもが神によって救われる可能性を描き、他方の詩は 神の無力を描く ‘London’ 都市化、商業化、工業化が人間に加える歪みを主題としている 初期資本主義がもたらした荒廃状況を赤裸々に描く 分裂した社会の状況を批判 William WordsworthのBlake観

‘There was no doubt that this poor man was mad, but there is

something in the madness of this man which interests me more than the sanity of Lord Byron and Walter Scott.’

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(24)

ロマン主義時代の革新的な思想

BlakeはMary Wollstonecraft (1759-97)の本に挿

絵を描いた

Wollstonecraftは女性の権利の拡張を主張したA

Vindication of the Rights of Woman (1792)で知ら

れた

その夫William GodwinはInquiry concerning

Political Injustice (1793)という著書で知られる

ラディカルな社会思想家であった

Rousseauの影響→社会的な不平等をもたらすあらゆ

る制度の撤廃を唱える

個人主義的な合理主義→個人個人の理性の完成が社

会的な不正を消滅させるという思想

WordsworthやColeridgeに大きな影響をあたえた

(25)
(26)

Wollstonecraftは女の子を産んですぐに死去

娘は母親と同名のMary Wollstonecraft (1797-1851)、

のちにPercy Bysshe Shelley (1792-1822)と結婚する

Mary Shelleyは

Frankenstein

(1818)の作者でもある

Thomas Paine (1737-1809)

革命の時代とともに生きたラディカルな思想家

Common Sense (1776) アメリカの独立の擁護

The Rights of Man (1791-2) フランス革命の正当化→扇 動罪で起訴される

The Age of Reason (1794-6) 理神論の立場から既存の宗 教を批判する

アメリカで死去、みずからの農場内に埋葬される

William Cobettが骨を発掘しイギリスに持ち帰るが、埋葬 の許可を得られず、骨は消失する

Government, even in its best state, is but a necessary evil; in its worst state, an intolerable one. (Common Sense)

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(28)

イギリスにおける特殊な状況

アメリカの宗主国であることやフランスとの敵対関

→革命に対して懐疑的な傾向が生まれやすかった

フランス革命と清教徒革命や名誉革命との相違が強

調される(Edmund Burke)

革命が暴力的になる→革命への恐れが支配的

になる

Napoleonの拡張主義に対する反発→イギリス

政府は反動的な政策をとる

ロマン主義詩人の夭折や転向→革命に同調し

たロマン主義のあっけない終焉

(29)

William Wordsworth (1770-1850)

Cumberland州Cockermouthで生まれる

父は貴族の顧問弁護士

8歳のときに母親を、13歳のときに父親を亡くす

1787年、Cambridge大学St John’s Collegeに入学

授業外で幅広く読書にいそしむ

1790年、ヨーロッパを2000マイルほど徒歩で旅行す

1791年、フランス旅行、フランス革命に共感、

Annette Vallonと恋仲になる

英仏関係の悪化と経済的な問題から、Annetteを残

してイギリスに帰国

1793年、イギリスとフランスのあいだに戦争が起こ

(30)
(31)

1795年、友人から遺産を受ける、Coleridgeと知り合う 1798年、Coleridgeと協力してLyrical Balladsを匿名で出版

1798年から99年にかけてドイツに滞在、フランス革

命への幻滅を感じる

1799年、妹のDorothyとともに湖水地方Grasmereの

Dove Cottageで暮らしはじめる

1801年、

Lyrical Ballads

第二版(Wordsworthの名前だけ

が記される)を出版

1802年、Mary Hutchinsonと結婚、妹も同居

1808年、Allan Bankに転居

1813年、Rydal Mountに転居、生涯そこで暮らす

1843年、Poet Laureateに任命される

(32)
(33)

主要著作

Lyrical Ballads

(with Samuel Taylor Coleridge)

(1798)

Poems in Two Volumes

(1807)

(34)

Lyrical Ballads

lyric 感情を表現する詩

ballads 素朴な詩の形式

Samuel Taylor Coleridgeは

Biographia Literaria

の中で二

人が共有していた詩についての考えを説明している

役割の分担

Coleridge

超自然的なテーマを扱う

‘willing suspension of disbelief’をもたらすような人間的関心 を読者から引き出す

Wordsworth

‘film of familiarity’によって隠されている日常的な事物の美 を描き、読者の共感を惹起する

(35)
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第二版(1800年出版)の序文

イギリスロマン主義のマニフェスト

① ‘all good poetry is the spontaneous overflow of

powerful feeling’

② ‘emotion recollected in tranquility’

③ ‘common life’ (‘humble and rustic life’)を描く

自然の中で暮らすふつうの人々の生活を詩のテーマ

にする

自然と調和し都会の腐敗とは無縁の生活を送る人々

への共感を表現

④ ‘a man speaking to man’ 古典主義時代の人工的

な詩の言葉遣いを批判

(37)

The Prelude; or, Growth of a Poet's Mind

blank verseで書かれている

1799年から1805年にかけて執筆された

1805年版(1926年出版) 全13巻

1850年版 汎神論的な要素を削除・訂正、全14

The Recluse

という哲学的な長編詩のための「序

曲」として書かれた

書物だけの知識を批判

自然賛美と都市批判

合理主義批判

フランス革命のテロリズム化批判

(38)

‘Love of nature leading to love of men’ (Book VIII)

詩人は自然との親密な交流を通して真理に到達

すると主張する

自然との交流によってはぐくまれた詩的な想像

力だけが人間を完全な存在にするという考え方

によって貫かれている

内面的な叙事詩→詩人が英雄となる

(39)

Samuel Taylor Coleridge (1772-1835)

Devonの牧師の家に生まれる

Cambridge大学Jesus College中退

アメリカに理想社会(pantisocracy)の建設を夢見

1895年、Sara Frickerと結婚

1897年、Wordsworthと知り合う

1798年、Wordsworthとともに

Lyrical Ballads

を出版

('The Rime of the Ancient Mariner'を提供)

1798から99年にかけてドイツに滞在、帰国後Schiller

などのドイツ・ロマン主義の作家を紹介

1800年、湖水地方のKeswickに住みはじめる

Wordsworthの義理の妹Sara Hutchinsonに恋をする

アヘンを常用するようになる

(40)

1808年、妻と別居

Grasmere、London、Bathと転居を重ねる

1816年、LondonのHighgateで暮らしはじめる

1817年、

Biographia Literaria

を出版

fancyと区別してimaginationを定義した imagination: 異質な要素を結びつけて首尾一貫した有機 的統一体を創造する能力

It dissolves, diffuses, dissipates, in order to recreate: or where this process is rendered impossible, yet still at all events it struggles to idealize and to unify.

fancy: 一貫性のない気ままな空想

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最高傑作はWordsworthであると言われることもある

非日常的な世界を描く詩が多い

‘The Rime of the Ancient Mariner’「老水夫の歌」

Lyrical Ballads所収

アホウドリを殺したため呪われる船乗りが語る贖罪の物 語

‘Kubla Khan; Or, a Vision in a Dream. A Fragment’ 1797年執筆、1816年'Christabel'とともに出版 Coleridgeがアヘンを飲んで眠ったときに見た夢にもとづ く 夢を詩に書き残そうとしたが、Porlockから来た友人の訪 問によって妨げられる 視覚的イメージと聴覚的なイメージの融合

(42)

Lord Byron (1788-1824)

Aberdeenで育ち、Calvinismの影響を受ける 乳母の暴力と内反足に苦しむ 1798年、男爵(Baron)の爵位を相続 熊をペットとして飼っていた 1805年、Cambridge大学Trinity Collegeに入学 1809年、貴族院(House of Lords)の議員になる 地中海諸国を放浪

1812年、Childe Harold's Pilgrimageの第一篇と第二篇を発 表

社交界の寵児となる

‘I awoke one morning and found myself famous’.

1814年、異母妹がByronの子であると言われている子を 出産

1815年、Annabella (Anne Isabella) Milbankeと結婚

一年もたたないうちにAnnabellaはByronの元を去り離婚 1816年、イギリスを去る

(43)

スイスでPercy Bysshe Shelley、Mary Shelley、Maryの異母妹 Claire Clairmontと合流 ClaireはByronの娘Allegraを産む 1817年Veniceに移り住む この時期200人の女性と関係、bisexualでもあった 1817年Manfredを発表

1818年Childe Harold Pilgrimageを完成する

1819年Don Juanの執筆を開始する 生涯にわたって書き続け る イタリアのナショナリズム運動に関心を寄せる 1822年Allegraの死とShelleyの死が重なる Genoaに移る イタリアの独立運動の失敗 ギリシャでトルコからの解放運動に関わる 1824年リウマチ熱で死去、心臓はギリシャに埋葬される 死体はイングランドに運ばれるがWestminster Abbeyへの埋葬 を拒絶された結果Nottinghamshireの教会の地下納骨所に収め られた

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Child Harold's Pilgrimage

ピカレスク的な主人公が退屈ゆえに大陸を放浪する様子を描 く物語詩

同時代の事件を風刺的に描く(ロマン派の詩人としては異質 なスタイル)

the Byronic heroという言葉を生む 社会からの追放者

ロマン主義に潜む悪魔的(=反社会的)な要素を表す

Robert SoutheyはByronを'the Satanic school'に属していると批 判した

Don Juan

Don Juan伝説に依拠した物語詩 DrydenやPopeの伝統を意識した風刺性をもつ 1819年から1824年まで書き続けられた未完の作品 16篇(canto)からなる セビリア、ギリシャ、サンクト・ペテルブルク、イングラン ドで次々と美女の誘惑を受ける受動的な主人公

(45)

Percy Bysshe Shelley (1792-1822)

Sussex州Field Place生まれ 父は国会議員

EtonからOxford大学のUniversity Collegeに入学

Eton時代は ‘Mad Shelley’ とか ‘Eton Atheist’ というあ だ名をもらう

1810年、ゴシック小説Zastroziiを個人出版、その後も詩 集やゴシック小説を出版

大学では友人とともに'The Necessity of Atheism'という パンフレットを出版、即刻放校される 1811年、16歳の少女Harriet Westbrookと駆け落ちし Edinburghで結婚 家族と断絶 1812年、アイルランドでカトリック教徒解放運動を支援 1813年、LondonでWilliam Godwinと知り合う 結婚生活の破綻

(46)

1814年、またもや16歳の少女Mary Wollstonecraft(William GodwinとMary Wollstonecraftの娘)と大陸に駆け落ちする Maryの異母妹Jane ‘Claire’ Clairmontも同伴、三角関係は 生涯続く 1815年、祖父の遺産を相続、ロンドンに戻る 1816年、妻Harrietが自殺、ShelleyはMaryと正式に結婚 1817年、John Keatsと出会う 1818年、ふたたび大陸へ渡り、ジュネーヴ湖畔でByron と知り合う その後イタリアに向かい各地を転々とする 1821年、Byronと合流 1822年、地中海でヨットから転落、溺死する Byronらに見守られ浜辺で火葬に付される

(47)

主要著作

Alastor; or the Spirit of Solitude (1816)

truth、virtue、libertyを象徴するエロティックな女性

の幻を追い求めて東洋を彷徨した末、失望して死ぬ

詩人を描く

自己批判であると同時に現実批判でもある詩

‘Ode to the West Wind' (1819)

Florence近郊の森で得た着想にもとづく詩

風は詩人の想像力を表象する

死と再生の主題が多様なイメージによって表現され

ている

(48)

Prometheus Unbound (1820)

革命の寓喩として読める詩劇

Aeschylusの

Prometheus Bound

およびMiltonの

Paradise Lost

(特にSatanの描写)から影響を受け

て書かれた

天の火を盗み人間にあたえた罪で、Jupiterから岩に

つながれたままハゲワシに内蔵を食われるという罰

を下されたPrometheusが、生命の力の体現者である

Demogorgonによって解放されるまでを描く

Adonais (1821)

Keatsの死を悼み彼の名声の不滅を讃える

Keatsの詩を酷評した批評家をギリシャ神話に登場

するAdnonisを殺したイノシシに例える

(49)

The Triumph of Life

(1822)

執筆途中でShelleyは死亡

triumphとは凱旋式のこと

人間の希望や理想を打ち砕く生命の力を描く

夢の中でRousseauの霊に導かれて、詩人は生命

の力に屈服した人々(Plato、Alexander、

Napoleonなど)を眺める

(50)

A Defense of Poetry

(1840, 執筆1821)

工業化された社会における詩の役割を論じる

詩は現代文明の破壊的な力に抗して愛と自由を

訴える力を持つ

想像力を絶対視する

‘the great instrument of moral good is the imagination’

詩による世界変革の可能性を信じる

詩人は ‘the unacknowledged legislators of the

world’ であると断言する

詩人の想像力は世界の隠された真実を明らかに

する→詩人は未来の世界の予言者となる

参照

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ぎり︑第三文の効力について疑問を唱えるものは見当たらないのは︑実質的には右のような理由によるものと思われ