不動産流通業界における
インターネットの活用
国際経営学科 4年
長嶋 佑佳
1044221085
2
目次
本研究の目的
不動産市場環境の変化
不動産の分類と不動産流通業
指定流通機構とレインズ
インターネット物件検索システム
顧客ニーズをとらえる
先導型マーケティング
《実例》
R.E.D(Real Estate Design)
3
本研究の目的
不動産をとりまく環境が変化する中で、不動産流
通業はいかなるマーケティング手法で競争優位を
確立していけばよいのか?
インターネットを戦略的に活用していくためにはど
うしたらよいか?
を考察する
4
市街地価格の変化
出所)日本不動産研究所「市街地価格指数」により作成
5
不動産市場の変遷
高度成長期~バブルへ
–
1955年ごろから1990年代中ごろまで
–
購入した不動産をより高い価格で売却し、売却
益を得る
–
土地転がし
–
土地神話
6
バブル崩壊
1990年代~
『持ち続ければ損失が増える』
一転、
不動産購入・投資に慎重になる
7
不動産業の分類
開発
…地域再生や大規模な都市開発
賃貸
…オフィスや店舗、住宅などの賃貸
管理
…オフィスビルや住宅の管理
証券
…不動産を証券化する
流通
…土地や建物等の売買・賃貸借契約の
仲介
不動産流通業
8
社会環境の変化と不動産の活用行動
少子・高齢化
安全防災対策
環境問題
国際化への対応
ライフスタイルの変化
情報化の進展等
所
有
利
用
仲介手数料(口銭)ビジネス・モデルの限界
9
不動産流通(売買)業の法的ルール
~指定流通機構
への登録
媒介の依頼を受けた不動産流通業者は、
一定期間内に指定流通機構へ物件情報を
登録しなければならない。
正確かつ迅速な成約のため
依頼者の利益増進のため
10
媒介契約の種別と方式
登 録 義 務 な し
登 録 義 務 あ り
制 限 な し
2 週 間 に 1回 以 上
1 週 間 に 1回 以 上
依 頼 者 へ の 業 務 処
理 状 況 の 報 告 回 数
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 7 日 以 内
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 5 日 以 内
指 定 流 通 機 構 へ の
登 録 義 務 と 登 録 機
関
制 限 な し
3カ 月
媒 介 契 約 期 間
で き る
で きな い
依 頼 者 が 自 己 発 見
取 引 で きる か
で き る
で き な い
他 社 に 重 ね て 依 頼
で き る か
一 般媒 介 契 約
専 属 でな い専 任
媒 介 契約
専 属 専 任 媒 介 契
約
登 録 義 務 な し
登 録 義 務 あ り
制 限 な し
2 週 間 に 1回 以 上
1 週 間 に 1回 以 上
依 頼 者 へ の 業 務 処
理 状 況 の 報 告 回 数
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 7 日 以 内
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 5 日 以 内
指 定 流 通 機 構 へ の
登 録 義 務 と 登 録 機
関
制 限 な し
3カ 月
媒 介 契 約 期 間
で き る
で きな い
依 頼 者 が 自 己 発 見
取 引 で きる か
で き る
で き な い
他 社 に 重 ね て 依 頼
で き る か
一 般媒 介 契 約
専 属 でな い専 任
媒 介 契約
専 属 専 任 媒 介 契
約
レインズ
11
レインズ
(
Real Estate Information Network System)
国土交通大臣の指定を受けた「指定流
通機構」である全国4つの公益法人に
よって運営
ネットワーク型データベース・システム
12
レインズを通した売買の仕組み
出所)高岡市不動産ナビゲータのホームページから
13
レインズの特徴
公的に統一のデータベースを構築
することによって・・・
膨大な不動産物件情報の共有が可能
物件情報(取引)の透明化が実現
14
インターネット社会における情報の利用
インターネット
顧客
企業
情報
情報
情報
情報
15
(仮説)物件検索システムの有効性
インターネットの特徴
・膨大な情報量
・即時性
インターネット
を利用した
物件検索シス
テムの有効性
が高まる!?
レインズの特徴
・データベースの利用
+
16
不動産マーケティング手法の比較
△
○
◎
×
△
◎
関連知識
受動的
能動的
能動的
受動的
受動的
能動的
能動・受動
○
○
◎
△
◎
○
地域密着度
○
△
◎
△
△
◎
即時性
○
○
△
×
△
◎
コスト
△
○
○
×
△
◎
情報量
電話・訪問
情報誌
店舗
TVCM
折込チラシ
インターネット
検索
17
インターネット物件検索の優位性
折込チラシ
店舗営業
情報誌
TVCM
電話
訪問
インターネット物件検索
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物件検索システムとは
ホームページ上で、顧客が
検索したい条件を入力すると、
該当する物件が一覧で見られる
システム。
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インターネット検索サイトの比較
物件検索システムを利用・比較
検索条件は『中古、戸建、購入』
サイトを利用した会社
三井のリハウス
住友不動産販売
すみしん不動産
野村不動産アーバンネット
三菱地所リアルエステートサービス
20
どの会社にもある検索条件
エリア
沿線
価格
面積
間取り
駅距離
築年数
21
「こだわり条件」の比較
即入居可
即入居可
駐車場2台以上有り
駐車場有り
駐車場有り
南道路
南道路
南面道路
角地
角地
小学校10分以内
公園5分以内
スーパー10分以内
低層住居専用地域
第一種低層住居専
用地域
住居専用地域
分譲地内
分譲地内
三菱地所リアルエス
テートサービス
野村不動産アーバ
ンネット
すみしん不動産
住友不動産販売
三井のリハウス
22
三井のリハウス
http://www.rehouse.co.jp/
三菱地所リアルエステートサービス
http://www.sumai.mecyes.co.jp/
検索方法は、基本的に各社とも大差
ない....決定的な違いは...
掲載物件数
7,899件
54,191件
23
レインズのデータに
基づいてはいないの???
レインズという共通のデータベースが利
用されていれば、物件掲載数に大きな差
は出ないはず
各社独自のデータをもとに検索ページを
運営している
24
なぜか?
レインズに登録されてしまうと、情報は共有され、
顧客を独り占めできない
–
売り手・買い手の双方からの手数料(成約報酬)を独占
することが難しくなる
レインズへの登録を法規制の期限ギリギリま
で遅らせたいという企業の思惑
本当の優良物件はレインズに登録される
前に売買が成立する
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媒介契約の種別と方式
登 録 義 務 な し
登 録 義 務 あ り
制 限 な し
2 週 間 に 1回 以 上
1 週 間 に 1回 以 上
依 頼 者 へ の 業 務 処
理 状 況 の 報 告 回 数
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 7 日 以 内
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 5 日 以 内
指 定 流 通 機 構 へ の
登 録 義 務 と 登 録 機
関
制 限 な し
3カ 月
媒 介 契 約 期 間
で き る
で きな い
依 頼 者 が 自 己 発 見
取 引 で きる か
で き る
で き な い
他 社 に 重 ね て 依 頼
で き る か
一 般媒 介 契 約
専 属 でな い専 任
媒 介 契約
専 属 専 任 媒 介 契
約
登 録 義 務 な し
登 録 義 務 あ り
制 限 な し
2 週 間 に 1回 以 上
1 週 間 に 1回 以 上
依 頼 者 へ の 業 務 処
理 状 況 の 報 告 回 数
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 7 日 以 内
媒 介 契 約 締 結 の 日
か ら 5 日 以 内
指 定 流 通 機 構 へ の
登 録 義 務 と 登 録 機
関
制 限 な し
3カ 月
媒 介 契 約 期 間
で き る
で きな い
依 頼 者 が 自 己 発 見
取 引 で きる か
で き る
で き な い
他 社 に 重 ね て 依 頼
で き る か
一 般媒 介 契 約
専 属 でな い専 任
媒 介 契約
専 属 専 任 媒 介 契
約
26
(再び)レインズの目的はなにか?
不動産情報を活性化し、消費者の利益
を考えるということが目的。
しかし、国土交通省や不動産会社の自
己満足に過ぎないとはいえないだろうか。
結果として顧客満足度を高めることには、
あまり役だってはいないのでは。
27
不動産流通業界におけるマーケティング
~伝統的なマーケティング手法
サイトによって掲載されている物件が異なる。
顧客はあらゆる方法で物件を探す。
物件検索
物件検索システム
情報誌
店舗
他
28
インターネット
物件検索システム以外での活用
物件検索システムは、他のマーケティング
手法を駆逐する程の効果をあげているとは
いえない。
物件検索システムにこだわらず、インター
ネットの特徴を活かしたマーケティング方
法を考えてみる。
29
インターネットを活用した
マーケティングとは?
インターネットが担うべき役割とは?
顧客ニーズ
に合致したサイトの
構築
他のマーケティング手法ではとらえら
れないニーズを補う。
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顧客タイプの分類
タイプ1:不動産売買の具体的な方向性が決まっている
→自ら情報を集める行動にうつしている(能動的)
→顧客がニーズをはっきりと自覚している
タイプ2:不動産を持っていて、なんとなく方向性が決まって
いる。
→自ら情報を入手しない(受動的)
タイプ3:不動産を持っているが、今後の不動産運用の
目的が定まっていない(消極的)
→顧客がニーズをはっきり自覚していない