【研修部】
平成24年度の研修事業としては、新制度や周辺知識等も踏まえ、更なる専門性向上のための 実務知識を中心に、幅広く情報伝達することを心掛けた。 不動産登記分野においては、専門性を充実させる観点から利益相反取引、直接移転取引、根抵 当権の債務者の包括承継についての基本的な研修、及び今後相談増加が考えられる渉外不動産 登記の研修を実施した。 商業法人登記分野においては、法改正で対応が求められた各種法人・組合、今後、登記申請が 集中すると考えられる特例民法法人の移行、相談増加が考えられる渉外商業登記の研修を実施 した。 裁判業務分野においては、積極的な受託が求められるクーリングオフ、事件増加が見込まれ る残業代請求事件、会員の関心がある簡裁代理業務の範囲についての研修を実施した。 その他、司法書士に求められる高齢者虐待対応、新たな業務として注目されている財産管理、 平成25年1月から施行された家事事件手続法、隣接士業の不動産鑑定業務についての研修を 実施した。 また、調停センターの充実、発展に向けて、昨年度に引き続き調停実施者養成を目的とした研 修も実施した。 1 本会主催の研修会 ⑴ 全体研修会 ア 第1回全体研修会 日 時 平成24年9月1日(土)10:00〜16:50 場 所 熊本県立劇場 対象者 全会員 出席者 148名 講義内容 第1部 「特例民法法人の移行の登記」 講 師 松江美佳会員(熊本支部) 特例民法法人は、平成25年11月30日までに内閣府もしくは都道府県 に移行申請し、その上で、移行認定・移行認可を受ける必要がある。熊本県 内においては、まだ多くの特例民法法人の移行申請がなされていない状況 で、今後、移行申請及びそれに伴う移行の登記申請も集中するものと予想 され、それに対応できるよう講義を行った。 第2部 「各種法人・組合の役員変更登記」 講 師 山﨑隆弘会員(熊本支部) 平成24年4月1日特定非営利活動促進法・同施行令の一部が改正され、 NPO法人の既存代表権を有する理事以外の代表権を制限された理事(代 表権を有しない理事)について、変更の登記をしなければならない。その 点もふまえ、各種法人・組合の役員に関して横断的な講義を行った。 第3部 「直接移転取引に関する登記業務について」売買契約と中間省略的登記 〜第三者のためにする契約〜 講 師 光木隆志会員(熊本支部) 不動産登記の重要なテーマの一つである直接移転取引について、その 実体関係についての確認を行い、過去の研修内容や判例をもとに専門家 責任の観点から司法書士が負うべき注意義務を考察し、その執務におけ る留意事項に関して講義を行った。 イ 第2回全体研修会 日 時 平成24年11月10日(土)10:00〜16:40 場 所 水前寺共済会館 対象者 全会員 出席者 156名 講義内容 第1部 「利益相反行為における不動産登記の実務」 講 師 渡邉 親会員(熊本支部) 利益相反行為に該当する場合における不動産登記の申請方法及び添付 情報について、株式会社、学校法人と宗教法人、未成年者と親権者の各事 例を検討しながら、その他の会社や各種法人、後見人等の利益相反につい ても横断的に整理する講義を行った。 第2部 「高齢者虐待対応の実務」 講 師 森枝大輔弁護士(熊本県弁護士会所属) 高齢者虐待の背景には、養護者や高齢者が抱える借金等様々な法律問題 があることや、虐待を受けた高齢者の支援に当たっては成年後見などの法 制度が活用されていることが紹介され、司法書士に求められる対応につい て講義を行った。 第3部 「簡裁代理業務の範囲と書類作成業務」 講 師 日本司法書士会連合会執務問題検討委員会委員長 小澤吉徳司法書士(静岡県会) 近時の簡裁代理権の範囲を巡る裁判例を中心に、裁判上の代理権と裁判 外の代理権の範囲、債務整理事案における「紛争の目的の価額」に関する各 説の比較について解説があり、司法書士の根幹業務の一つである裁判書類 作成業務を通じた本人訴訟支援のあり方についても、裁判例に基づく説明 があった。 ⑵ 業務ゼミナール ア 第1回業務ゼミナール 日 時 平成24年7月7日(土)10:00〜17:20 場 所 くまもと県民交流館パレア 会議室1 対象者 全会員 出席者 111名
講義内容 第1部 「各種財産管理の実務」 講 師 井上広子会員(熊本支部) 相続財産管理人、不在者財産管理人、成年後見人等の制度上の相違点を 理解することからはじまり、相続財産管理人事件における手続の流れを資 料のフローチャートに基づいて理解する内容となった。 第2部 「残業代請求事件の実務」 講 師 北田晋也会員(熊本支部) 基礎知識、基本的ルール、主要な争点についての裁判例、依頼者支援の あり方を提供することで、即実務に対応し得る研修内容となった。 イ 第2回業務ゼミナール 日 時 平成25年2月16日(土)10:00〜17:00 場 所 くまもと県民交流館パレア パレアホール 対象者 全会員 出席者 131名 講義内容 第1部 「家事事件手続法施行後の家事事件実務」 講 師 熊本家庭裁判所首席書記官 村上了三氏 家事事件手続法が平成25年1月1日に施行されたことに伴い、司法書 士実務に関連する家事事件手続法施行後の運用の変更点、注意点を、熊本 家庭裁判所の首席書記官より解説があった。 第2部 「債務者の包括承継に伴う根抵当権の変更登記の実務」 講 師 佐藤芽久美会員(熊本支部) 債務者の包括承継に伴う変更登記について、実体法上の視点から担保 される債権の範囲を理解し、特に債務者の相続に伴う根抵当権の変更登 記の諸問題について、再確認する講義となった。 第3部 「クーリングオフの実務」 講 師 堀 拓郎会員(熊本支部) クーリングオフの適用要件、行使方法、効果について、判例を参照しなが ら知識の整理を行い、クーリングオフの実務を習得する講義を行った。 ウ 第3回業務ゼミナール 日 時 平成25年3月9日(土)10:00〜17:20 場 所 くまもと県民交流館パレア 会議室1 対象者 全会員 出席者 94名 講義内容 第1部 「不動産鑑定士業務の実情(業務総論と司法書士との接点)」 講 師 村坂 亮不動産鑑定士〔(公社)熊本県不動産鑑定士協会〕
中 義喬不動産鑑定士〔(公社)熊本県不動産鑑定士協会〕 司法書士と意外に接点の少ない不動産鑑定士の業務内容等を概説した 上で、実際に司法書士からの依頼、又は司法書士と接点のある業務実例に ついて解説があった。 第2部 「渉外不動産登記・商業登記の実務」 講 師 吉田 聡司法書士(札幌会) 添付書類を中心に、外国人からの相談場面を映像で紹介したり、香港法 人の登記簿を取得したり、渉外事件を身近に感じることができる講義と なった。 ⑶ 簡裁代理認定考査対策研修会 日 時 平成24年4月14日(土)10:00〜17:00 場 所 熊本県婦人会館 対象者 簡裁代理認定考査受験予定者 出席者 17名 講義内容 「要件事実及び司法書士倫理」 講 師 中村信二副会長 要件事実の考え方及び司法書士の業務並びに司法書士倫理について、簡 裁代理認定考査に出題が予想される部分を中心に研修した。 ⑷ 補助者研修会 日 時 平成24年6月16日(土)13:00〜16:15 場 所 熊本県司法書士会館 2階会議室 対象者 登録後1年以内及び希望する補助者 出席者 5名 講義内容 第1部 「司法書士会の組織と司法書士の専門家責任」 講 師 村山鉄次総務部長 司法書士の組織について説明するとともに、司法書士の業務範囲、職責 及び倫理等を具体的事例を通じて解説した。 第2部 「補助者と日常業務」 講 師 今井一洋研修部長 補助者としての日常業務の心構えの説明を中心に、不動産登記、商業法 人登記、裁判事務等、各業務分野ごとの注意点を確認する講義となった。 ⑸ 新人研修会 ア 新人基礎研修 日 時 平成24年12月1日(土)10:00〜14:30 2日(日)10:30〜14:30 場 所 熊本県司法書士会館 2階会議室
対象者 試験合格者及び大臣認定者 出席者 14名 講義内容 下記表に記載のとおり イ 新人実務研修 日 時 平成25年3月30日(土) 9:30〜17:00 31日(日)10:00〜17:00 場 所 熊本県司法書士会館 2階会議室 対象者 試験合格者及び大臣認定者 出席者 11名 講義内容 下記表に記載のとおり 講 義 内 容 講 師 新人研修 開講式 ①会長挨拶 ②新人研修説明 松本和雄会長 今井一洋研修部長 第1部 会の組織と規則・司法書士制度 ①司法書士会の組織解説 ②司法書士会の歴史 ③司法書士制度と日常業務 村山鉄次総務部長 第2部 司法書士職業倫理 ①職業倫理解説 ②注意を要する倫理事例 村山鉄次総務部長 第3部 司法書士業務 ①業務の解説 ②実務事例報告 ③業務上の注意点 今井一洋研修部長 第4部 司法書士ビジネスマナー ①配属先でのマナー ②社会人のビジネス知識 ③依頼人応対のためのビジネス知識 人材育成コンサルタント 桑原たか子氏 講 義 内 容 講 師 不動産登記の常識 中嶋亜志火会員(熊本支部) 演習取引立会 後藤隆一会員(熊本支部) 商業登記の常識 後藤久美子会員(熊本支部) 成年後見の実務 坂井孝臣(公社)成年後見センター・ LS熊本支部副支部長 執務に関する諸規則について 稲本信広企画部長 質疑応答 今井一洋研修部長
ウ 配属実務研修 基本研修期間 平成24年12月3日(月)〜平成25年3月29日(金) 対象者 試験合格者及び大臣認定者 受講者 10名 内 容 希望者を対象に、配属先事務所として登録された司法書士事務所において、原則と して30日間実務修習ができる研修とした。なお、基本期間以外でも、申込は随時受け つけており、配属期間も受講者の希望により任意に設定できるものとしている。 ⑹ 調停実施者人材育成研修会 日 時 平成24年8月11日(土)10:00〜17:00 場 所 くまもと県民交流館パレア 会議室7 対象者 手続実施者名簿登載希望会員 出席者 18名 講 師 名波直紀司法書士(静岡県会) 内 容 ①静岡県調停センター「ふらっと」の現状 ②調停に必要なスキルについて(講義) ③調停ロールプレイ 本研修においては、司法書士の調停センターとして調停実績が多い静岡県会 から講師を招き、今後の調停センターのあり方もふまえ、調停に必要なスキル を学ぶ研修となった。 2 組織対応研修(支部開催研修)の企画、講師養成 目的 広く情報伝達を必要とする複数の業務分野において、各支部との連携により組織的 な対応をすべく、支部における選択式の研修を企画する。 内容 下記記載の業務分野につき支部の希望から研修を企画及び講師養成をし、希望する 支部に対し、支部の予算にて講師を派遣した。 記 研修A:『オンライン申請実務研修』(90分) 研修B:『不動産登記実務研修』(90分) 研修C:『商業登記実務研修』(90分) 研修D:『動産・債権譲渡担保登記実務研修』(90分) 研修E:『成年後見実務研修』(90分) 研修F:『裁判実務研修』(90分) 講師派遣(※会場費・講師報酬・講師交通費・印刷費は全て開催支部にて負担) ⑴ 御船支部 支部研修 日 時 平成24年12月14日(金)16:00〜17:30 場 所 通潤山荘(山都町) 出席者 9名
研修内容 研修C:「NPO法人等特殊な法人の登記手続の実務」 講 師 山﨑隆弘会員(熊本支部) ⑵ 天草支部 支部研修 ア 日 時 平成25年1月26日(土)10:00〜11:30 場 所 天草宝島国際交流会館「ポルト」(天草市) 出席者 15名 研修内容 研修B:「筆界特定申請の実務」 講 師 武田真佳会員(熊本支部) イ 日 時 平成25年3月16日(土)10:00〜11:30 場 所 天草宝島国際交流会館「ポルト」(天草市) 出席者 11名 研修内容 研修F:「建物明渡請求事件の実務」 講 師 山本拓馬会員(熊本支部) 3 年次制研修会(日本司法書士会連合会主催会員義務研修) 日 時 平成24年11月3日(土・祝)12:30〜17:00 場 所 熊本県婦人会館 対象者 日本司法書士会連合会が指定する本年度受講対象者 出席者 65名 研修内容 ①基調講義(DVD研修) 講 師 馬橋隆紀弁護士(埼玉弁護士会所属) ②グループディスカッション(グループごとに事例検証) ③総括講義全体討議・まとめ(DVD研修) 講 師 馬橋隆紀弁護士(埼玉弁護士会所属) 全講義の内容は、司法書士倫理に関するものを中心とした講義であった。 4 その他 情報収集 日司連及び九州ブロック等主催の研修会やシンポジウムに会員を2名派遣し、上記各研 修事業における情報を収集した。