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Academic year: 2021

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(1)2009年度秋学期 小川克彦研究会 卒業論文. 「体験空間」の可視化に見る、場所への愛着 ―デジタルな空間体験、リアルな空間体験―. 大学 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 慶應義塾大学SFC 学部学年 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 環境情報学部4年 学籍番号 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -70641002 氏名 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 一色健人 連絡先(在学中)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - [email protected] 連絡先(卒業後)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - [email protected]. 1.

(2) 2.

(3) introduction  Google Earthの登場により、私たちは手軽に世界中の実空間の地表に触れられるようになった。 だけどその一方で気付かされたことは、この広大に広がる世界に対して、私たちがいかに日常、 日々のルーティンの中で狭い範囲の空間だけを体験して生きているのか、ということであった。  そこで、人間が実世界で体験した空間の集積を「体験空間」と呼び、「自分の体験した世界」 そのものの地図を描き出してみることで、何か見えてくるものがあるのではないか、と考え取り組 んだのが、今回の論文の中核を担う「my world」というプロジェクトである。  デジタルな空間体験がこれからも大きく拡張しながら進化していくなかで、リアルな空間体験の 価値とはなんだろう?人間と空間、場所の関係を、「体験空間の可視化」という切り口から考え てみたい。 キーワード: 空間、場所、体験、地図、デジタルとリアル、GPS、Google Earth、ライフログ、グラウンディング. 3.

(4) 目次.  第1章 序論................................ 6. 1.1 導入................................6. 1.2 本研究の目的............................6. 1.3 本論文の構成............................7.  第2章 背景................................ 8. 2.1 研究動機「体験空間が可視化されるまで」............... 8. 2.2 デジタルな空間体験の現状..................... . 10. 2.3 ルーティン化された生活....................... 12 2.4 客観性から主観性へ流れる、メディアと情報.............. 12.  第3章 関連アプローチ...........................14. 3.1 GPSログの軌跡描画.........................14. 3.2 位置情報取得に関するアプローチ...................15. 3.3 「グラウンディング」........................16.  第4章 体験空間の可視化:my worldの提案..................17. 4.1 「my world」とは.......................... 17. 4.2 「自分の世界」地図が、できるまで................. . 18. 4.3 「体験空間」とは.......................... 20. 4.4 仕様・設計イメージ......................... 21. 4.4.1 レイヤー......................... . 21. 4.4.2 描画手法.......................... 22. 4.4.3 インターフェース・周辺機能................. 23. 4.4.4 「共有」..........................24. 4.5 開発:反省と失敗要因の分析..................... 24. 4.

(5)  第5章 考察................................ 25. 5.1 分析:体験空間の「カタチ」..................... 25. 5.2 点と線と面............................. 26. 5.3 「共有」から得られること...................... 27.  第6章 議論1................................ 28. 6.1 問題提起:デジタルな空間体験とリアルな空間体験の差異........ 28. 6.2 「デジタル」と「人の意識」の同質性................. 29. 6.3 場所の愛着............................. 30.  第7章 議論2................................ 32. 7.1 デジタルな空間体験の今後と、実体験の価値.............. 32. 7.2 線的な空間体験の価値........................ 33. 7.3 場所の愛着............................. 34.  第8章 結論................................. 35. 謝辞.....................................36 参考文献...................................37. 5.

(6) 第1章 序論 1.1 はじめに  Google Earthの登場により、私たちは手軽に世界中の実空間の地表に触れられるようになった。 だけどその一方で気付かされたことは、この広大に広がる世界に対して、私たちがいかに日常、 日々のルーティンの中で狭い範囲の空間だけを体験して生きているのか、ということであった。  そこで、人間が実世界で体験した空間の集積を「体験空間」と呼び、「自分の体験した世界」 そのものの地図を描き出してみることで、何か見えてくるものがあるのではないか、と考え取り組 んだのが、今回の論文の中核を担う「my world」というプロジェクトである。  デジタルな空間体験がこれからも大きく拡張しながら進化していくなかで、リアルな空間体験の 価値とはなんだろう?人間と空間、場所の関係を、「体験空間の可視化」という切り口から考え てみたい。. 1.2 本研究の目的  本研究は、今後さらに発展することが見込まれるデジタルな空間体験と、リアルな空間体験の 本質や差異に斬り込もうとするものである。その切り口として、現代の日本で生活する人々の体 験する空間がどのような地図を描くのか、というアプローチを行い、研究の中核として「自分の 世界」の体験空間地図をビジュアライズした。  「体験空間」を可視化することで得られるリアルな空間体験の現状分析を行い、デジタル・リ アル双方の空間体験のいまとこれからに対し、自身の考察や議論・主張を軸に論じることが、本 研究の目的である。. 6.

(7) 1.3 本論文の構成 第1章:序論  本研究の全体としての概要を述べる。 第2章:背景  本研究が生まれるに至った個人的な動機と、それに伴なう社会的背景について述べる。 第3章:関連アプローチ  本研究に関連する既存のアプローチを紹介・分析する。 第4章:「体験空間の可視化」  本研究の一つの大きな切り口である「体験空間の可視化」について、その手法やビジュアル、  アプリケーションとしての側面などを解説する。 第5章:考察  「体験空間の可視化」を通して得られた結果を踏まえ、そのエッセンスを考察する。 第6章:議論1  考察内容を踏まえ、本研究の主眼である「デジタル・リアルの空間体験」について議論する。 第7章:結論2  議論1の内容を踏まえ、体験空間の可視化による「表象」について議論する。 第8章:結論  本論文の主張をまとめ、結論とする。. 7.

(8) 第2章 背景(本研究にある背景、個人と社会). 2.1 研究動機「体験空間が可視化されるまで」  2008年の春、私は小川克彦研究室の門を叩いた。「場所とメディア」がテーマのこの研究 室に入って私が考えたのは、特別な場所や状況設定の中で人々に働きかけるのではなく、今普通 にそこにある、人々の日常生活している場所や空間を取り扱った提案をしたい、ということだっ た。もちろん、例えば駅や電車内、学校など日常生活の中で重要な特定の「場所」を扱うことも 人々の日常の生活空間に働きかける提案になるだろう。しかし、私がモチベーションを得たの は、家であれ、近所であれ、駅から電車、学校や会社、遊びや用事で行く場所まで、その全てを 「その人が存在し、体験する場所」と捉え、それ自体に対して普遍的に働きかけられる場所メ ディアを生み出したい、という考えだった。  そして、同時に以下のようなことを問題意識として捉えた。 「特に大人になるにつれて、現代の人々は、毎日のルーティンの中で空間的に非常に狭い世界し か生きていないのではないか?」 このことを非常に「もったいない」と感じ、アプローチとし てまず人々に、豊かに広がっているこの世界(地表)に対して、自分の生活している世界(空間的 体験範囲)がいかに狭いのか、気付きを与えるものを生み出したかった。  それを考える際に、初めに注目したのはGoogle Earthだった。自分が日常通っている場所や道を 自宅から学校までじっくり、Google Earthの俯瞰の視点でなぞってみる。普段自分が見ている「虫 の目」からの高さとは全く違う、空からの「鳥の目」の視点で描かれた自分の日常空間は、単純 に面白かった。「上から見ると、いつも通る道もこんななんだ… …。」 それに、自分がいつも 通っている道から少し横道に入っただけで、知らない川や、緑の綺麗な広い公園があることにも 気づいた。Google Earthで見るごく日常の空間の俯瞰視点の風景は、単純にそれだけで自分の日常 生活している空間の範囲をちょっと広げてくれる気づきやきっかけを与えてくれるのでは、と思わ せてくれた。当時iPhoneはまだ発売されておらず、シンプルにGoogle Earthのような衛星写真のデー タにリアルタイムのGPSデータを反映させることが出来るモバイル端末があれば、それだけで日常 の街歩きはもっと楽しくなるかもしれない、と考えた。  ところが、Google Earthで日常空間の衛星写真をこまめに見るようになるうちに、あることに気 がついた。こと日常の生活空間において、衛星写真で見る地表というのは、どこも緑がかってい るか、もしくは灰色がかった空間が広がっているばかりで、そのビジュアルそのものに関しては、 決してそれだけで多くの人を惹きつけられるような魅力は無いであろう、画像的性質を感じたの だ。もちろん、この雑然とした状態の俯瞰で見ても、それがどの場所なのか認識できるような特 徴的な場所においては話が別だろう。それゆえ多くの人が【ディズニーランド、東京タワー、富士 山、ピラミッド、エッフェル塔、ナスカの地上絵】などをGoogle Earth上で眺め楽しんでいる。. 8.

(9)  そこでGoogle Earthを通して、自分がいかに狭い世界を生きているのかということを実感として 与え、日常の生活空間に対する気づきをもってもらいたいと考えた。そしてその気付きによって、 その空間から少し、外に足を伸ばして、「体験空間」(自分の体験する世界の広がりや範囲)を 広げてもらうきっかけにできないかと考えた。「自分の世界を描けるツール」としてこの「 m y world」というアプリケーションを考案し、「自分の世界」の地図のビジュアライズを行った。my worldは「世界の中をどう移動したか、という軌跡を衛星写真の地図上に描く」という従来のGPS ログなどによる自分の「位置」の軌跡の可視化アプローチではなく、「自分の存在し、体験して きた世界(空間)というものそのものが、衛星写真の地図上だとどのような地図として描かれる のか」という、ある種認知マップ的な、「体験した空間」の軌跡を可視化するというアプローチ をコンセプトにしている。. 【画像2.1-1】筆者の「体験空間」を可視化した地図。中心が自宅周辺でありそれを中心に、左上から時計回りに、       江ノ島、藤沢、大船、鎌倉、由比ガ浜周辺に面的な広がりのある領域ができている。. 9.

(10) 2.2 「デジタルな空間体験」の現状  近年デジタルメディアやアプリケーションの進化により、実空間情報へのデジタルアクセス、い わゆるデジタルな空間体験が増えてきている、と考えている。  最初のインパクトはGoogle Earthの登場だった。Google EarthはGoogle社が無料で提供している 「バーチャル地球儀ソフト」で、本物の地球儀を扱うような直感的な操作インタフェースの元、世 界各地を手軽に、地球全体の広大なスケールから人間1人が視認出来るような詳細なスケールま で、自由に閲覧することができるアプリケーションである(画像2.2-1,2参照)。PCや地理情報技術関 連の特別な知識などがない一般の人でも、手軽に世界中の空間情報にアクセスできる世界を実現 した功績は大きい。Google Earthは基本的に衛生写真や航空写真を扱っており、俯瞰的な視点であ れば地球上のどこであっても、クリック一つで訪れることが出来る。. 【画像2.2-1,2】Google Earthで見る風景。地球全体から、東京タワーまで。.  さらに、Google Earthは俯瞰からの「鳥の目」的な空間ビューワーであったが、より人間の空間 体験に近い、「虫の目」的な視点の空間ビューワーである「Googleストリートビュー」の登場によ り、デジタルな空間体験は、そのリアリティを一気に加速させたことは間違いないだろう。 Googleストリートビューは同じくGoogle社が無料で提供している、指定した道路沿いの風景が360 度のパノラマ写真で見れるWebサービスである。データの収集方法が車や自転車に特殊カメラを付 けて走らせるという人的なものなので、Google Earthと比べれば利用可能な地域や範囲は大きく限 定されるが、それでも現在はアメリカ全土、ヨーロッパ各国、日本、カナダ、オーストラリア…… などなど、多くの国の空間情報を収集・公開しており、今後も着々とサービスを拡大する予定で ある(画像2.2-5参照)。どの国でも多くの人の観光旅行で注目されるスポットの空間情報は真っ先 に取得しており、Googleストリートビューを用いたブラウザ上での360°の気軽な空間体験を多くの ユーザーが楽しんでいる(画像2.2-3,4参照)。インタフェースも非常に直感的で、画面上をドラッグ することで360°の景観を自由かつスムーズに見渡すことができる。. 10.

(11) 【画像2.2-3,4】Googleストリートビューの風景[フランス,エッフェル塔の上下2アングル]. 【画像2.2-5】Googleストリートビューの利用可能な地域[青:現在利用可能な地域、水色:サービス開始予定地域].  以上のようなものを代表的な例として、デジタルで手軽な空間情報へのアプローチが誰でも簡単 に行えるようになった。こうした「デジタルな空間体験」がより身近になっていく中で、人々の空 間感覚はどのような影響を受けるのだろうか。.  ただ、1つ言えることは、筆者が実空間での空間体験の現状に意識を向けたのは、逆説的だ が、実はデジタルな空間体験が普及してきたからこそだと考えている。Google Earthなどのように デジタルで世界の各地に手軽に訪れることができるようになったからこそ、逆にリアルにおける 体験に目が向いたのだ。デジタルやリアルに限らず、対局の技術が進歩することは決してマイナス ではなく、むしろそのもの固有の意義や価値が問い直される、実は非常に良いカンフル剤とな り、結果向上的な循環を産むものなのではないか。 . 11.

(12) 2.3 ルーティン化された生活  自分が日常生活で訪れ、移動し、滞在する空間について意識をめぐらせてみたところ、自分が いかに日常生活で、同じ道しか通らず、同じ場所にしか訪れないか、ということに気付かされた。 自分の家という、生活の大きな拠点がある場所の周辺でさえ、近所をかけまわっていた子供の頃 依頼、決まった場所以外はほとんど訪れておらず、空間的な意味での新しい発見や経験した空間の 拡張などは、実はほとんどされていないのではないだろうか。  現代の人々の生活において、日常の多くの行動はルーティン化されている。空間体験的な切り口 から考えても、この傾向は顕著である。特に学生や会社勤めのサラリーマンの多くに至っては、 決まった道を通って自宅から駅やバス停に向かい、いつもと同じ電車やバスに乗って、同じ場所 (学校や勤め先)に行き、また同じルートを通って自宅に帰る、ということをほぼ毎日繰り返し ている。結果実際の空間体験としては、毎日同じ箇所を色濃く重ねて行くものとなっているだろ う。そうした状態では多くの人の場合において、空間や場所に対する意識は持たれておらず、人々 は日々に追われるばかりである。筆者にはこれらの人々の実空間での空間体験を拡張したいとの 思いがある。ほんの通り一つだけでも、普段通らない道に足を伸ばしてみるだけで、新たな気づ きや発見と共に、知らなかった世界が知れ、自分の世界が拡張されるのだから。. 2.4 客観性から個人性へ流れる、メディアと情報  体験空間を可視化するという手法によって生まれてくる空間情報は、完全に「個人性」だけを 持った情報である。 これまで多くの情報が「客観性」に主眼を置かれていたのは、多くの人に同 じ価値を提供するためという目的があるが、もちろんそれが個人に最適化されていれば、それに こしたことはない場合は多い。誰だって同じ値段で同じデザインであれば、S、M、Lの客観合理 に振り分けられたサイズの服より、オーダーメイドの服を求めるだろう。  このように客観性から主観性、個人性を中心に据えた情報やメディアはここ最近で急激に増加 しているように感じるが、その原因として1つ言えることは、おそらくiPhoneのような様々な情報 を高次にセンシング・使用・受発信できる情報メディアが一般個人にあたりまえに普及して来てい る現状があるということではないか。そうした高次の情報メディアの個人利用により、「多くの 人に一般化された情報」というのが当たり前だった情報体験のスタイルが、少しずつ「個人を主 軸にした情報」の発生と、それを利用した便利や楽しみを扱うスタイルに変わってきている。そ して、これからもより一層変わっていくだろう。my worldはそうした深くパーソナライズされた情 報の、「場所や空間」「地図」という領域における、一つのカタチである。  ただこれも同時に、デジタル・リアル論で触れた例で述べたように、今後個人化された情報が 一般的に楽しまれるようになれば、それに人々が慣れた際には、必ず今度は対局の客観化された 共通体験としての情報やメディアが注目を集める時期がくるだろう。もちろんこれも両極にとっ て、一方で学んだことが他方に生かされる、良い循環と流れなのだ。 12.

(13)  余談となるが、さらに言えば今の時代、こういった「流行」や「流れ」のカオスとも言える、 多種多様な状態が雑多に混在する状況は、こうした情報の普及と慣れのサイクルの自由度がネッ トというメディアにより大きく増加した影響を強く受けているのではないか。つまり、人によって 種々の情報に接触するテンポの「ずれ」が顕著になり、同時期に両極端に興味を持つ人が多数並 行して存在している状態が、ネットを中心とした今の社会なのかもしれない。. 13.

(14) 第3章 関連アプローチ 3.1 GPSログの軌跡による描画を利用したアプローチ  GPSを搭載した端末で取得した位置情報ログのデータを地図上にビジュアライズする手法、並び にそのビジュアルは既に周知のものになっている。(ビジュアルサンフル参照。)端末からのGPS ログデータを受け、「カシミール3D」という3D地理ソフトを使用して様々な手法でデータを描画 することが出来るし、Google Earth や Google Maps 上にGPSログの軌跡を描画することも、簡単な 接続と設定で行うことが出来る。     my worldのビジュアルは考え方も含め、GPSで取得した移動の軌跡を地図上に可視化するこれら サービスの影響を受けている、その一形態でもある。そしてそうであると同時に、既存のGPSログ 表示の手法と、表現としてのビジュアルコンセプトの現状に満足できないからこそ産まれたものだ とも言える。GPSログの地図・衛星写真上表示は、今自分の周りに広がるこの世界の上を、自分が どう移動しているか、という位置の軌跡の記録を可視化したものである。この場合だと、自分の 軌跡という視点のよりどころがあるものの、画像としては以前雑然としている。一方my worldを用 いた表示の場合は、自分が存在した位置の軌跡をもとに、特に視覚的な意味で、体験した空間の 記録を可視化したものである。画像としては視点がすっとさだまるものになっているし、地図の 作成者本人にとっては、地図として表示される全ての箇所に、そこにいたときの感覚や思い入れ などの意味付けが行える、シンプルで削ぎ落とされた地図となっているのではないだろうか。(画 像3.1-1,2参照). 【画像3.1-1,2】同じ箇所の同じ軌跡の、GPSログ表示と「my world」による表示サンプル。. 14.

(15)  また、TrekNavi(http://www.treknavi.com/)というサービスでは、Google. Maps. APIを用い、. 「G P Sデータでも、手描きでも」地図や航空写真の上に軌跡を載せた地図を作成し、投稿するこ とができる。ただしその利用スタイルとしては、扱うログが非常に一時的なもの(登山や散歩の 単発的ログなど)がほとんどである。また軌跡の表現は上記掲載画像( 画像3.1-1)のような赤線表 示が基本となっている。手描きによる軌跡の表記がGPSと合わせて利用できることは筆者の実現し たいmy worldの仕様に近いものがある。軌跡を描くインターフェースとしては、ベクトル指定のパ スツールでポイントを指定していきその点が軌跡として線で表示されるものであり、言い換えれば G P S端末で取得している座標データをクリックで指定出来るようになっている、というものであ る。. 3.2 位置情報取得に関するアプローチ  位置情報を取得し記録していく場合、今最も盛んに利用されているのがGPSシステムである。だ が、日常生活で位置履歴情報を取得し続けようとした場合には、GPSは必ずしも効果的でない場合 がある。というのもGPSは人工衛星にアクセスし現在の自分の空間的座標を取得するため、屋外を 歩き続ける際は非常に効果的にトラッキングができるのだが、主に室内など、屋根があったり、 空間的に開けていない場所にいる状況に非常に弱いのだ。電車などの乗り物に載っている時にト ラッキングをしようとしても、窓際に端末を貼りつけるような形で利用してやっと満足に位置座標 のログを記録していける。多くの人が日常室内活動を中心として生活している現状を考えると、そ の日常生活に特に焦点をあてた今回の研究には、必ずしもGPSが位置情報の取得に適切でない場合 が出ることが考えられる。(my worldが「手描き」という手段を並行して利用できるようにしてい るのは、そのためという部分もあるのだが。)  そこで、本研究のように継続的な位置履歴情報を記録しようとする場合に非常に効果的な活用 が見込める、GPSとは少し異なるアプローチの位置情報取得システムに関して、暦本純一氏の発案 した「PlaceEngine」(プレイスエンジン)という位置基盤システムがある。PlaceEngineはWi-Fi、 つまり無線LANのアクセスポイントを利用した位置情報取得システムである。無線LANと接続を 確立する必要はなく、アクセスポイントが定期的に発信している信号を受信し、その際に得られ るアクセスポイント情報をもとにWi-Fi対応端末の位置を割り出すシステムで、屋内外問わず利用 が可能だ。ユーザーによる位置検索や位置登録によりデータベースが更新されていき、集合知的に 精度を向上させている点も画期的だろう。  さらに現在PlaceEngineはWi-FiとGPSのハイブリッド測位が可能なバージョンをテスト公開中で あり、まさに屋内外問わず「どこにいても」な高次の位置履歴情報の記録、「セルフロギング」 が可能になろうとしている。. 15.

(16) 3.3 「グラウンディング」というアプローチ.  G P Sログの利用による情報の可視化や画像表現の作成にも、非常に洗練された例はある。その 代表的なものが、石川初さん、田中浩也さん、佐々木一晋さん、元永二朗さんらによって提唱さ れた「グラウンディング」というアプローチである。「グラウンディング」とは、場所の固有性を なくしたかに見える現在の都市において、それでもなおプリミティブに存在する「地面の感触」を たしかめに出る行為を指す。実際に都市にでて行う「体験」と、GPSやカシミール3Dなど様々な ツールを用いた、その体験の「記録」、そしてその記録を利用した「表現」に重きが置かれてい る。  グラウンディングでは「都市の地表を再発見する」ということをテーマに、様々な実験や表現 が試みとしてなされている。例えばよくテレビなどで紹介される、自分の移動の軌跡で地表に絵 を描く「GPSドローイング」も、日本では石川初さんによって代表されるアプローチである。. 【画像3.3-1,2】GPSドローイングの例 目黒に描かれた巨大タモリと、青梅に描かれた巨大クリスマスツリー (bs@web・石川初さんwebサイトより。).  他にも移動の際の速度や標高、心拍数などを「鳥の目」の地図にマッピングしたり、現在地の 座標を古地図上にマッピングしながら実際に都市を歩いてみたり、標高5m以上の場所だけを着 色した地図を用いて、都市における現在から過去に. る「水の流れ」や地面の高低の事情を探っ. たり… …などなど、地表や体験の記録などをテーマに実に多彩でさまざまなアプローチを行って いる。中でも石川初さんによる「スクラッチング」というアプローチでは、GPSでの体験ログを元 に石川さんが「見た」空間の軌跡の地図を表現しており、媒体が本のため写真を掲載できない が、これは絵としてはほとんど筆者のmy worldによって描かれるビジュアルと同じアプローチであ る。実際に石川さんにお会いして話も聞くことができたが、コンセプトも非常に近く、様々なお 話を聞ける有意義な時間をすごせたことは、記憶に新しい。. 16.

(17) 第4章 体験空間の可視化:my worldの提案  4.1 「my world」とは  「自分が体験した世界「だけ」を地図として描き出したら、その地図はどんな形で、どんな広が りのある世界を描くだろうか。」という着想の元、「my. world」というアプリケーションを考案. し、それによって産まれるビジュアルイメージを作成した。my worldはGPSなどの位置情報ログ利 用と手描きの2つの手法を併用して自分が体験した空間だけを「自分の世界」として描き出すこ とが出来る地図アプリケーションで、この世界の中で自分がどの空間を体験したか、というこれ までのGPSログやビューワーのアプローチとは違い、「自分の体験した世界」そのものがどんな形 の地図を描くか、というコンセプトでビジュアライズを行っている。. 17.

(18)  このプロジェクトはGoogle Earth APIをベースにWeb上で公開し、GPSログと手描き、2通りの手 法で手軽に「自分の世界地図」を作って遊んでもらえる状態をイメージして開発中のものである。 筆者の力不足で現在サービスの完成はしていないが、4.4節(P21)では意図している状態の、出来 る限り詳細な仕様や機能を記したい。. 4.2 「自分の世界」地図が、できるまで  my worldの発端は、今いる地点において、Google Earthのような衛生写真をリアルタイムで見な がら歩けたら楽しいのではないか、という着想だった。ところが、Google Earthで日常空間の衛星 写真をこまめに見るようになるうちに、あることに気がついた。それは、日常の生活空間におい ては、衛星写真の画像は持つ情報が雑多すぎる、ということだ。都心でも郊外でも、特に特徴の ある場所や有名なスポットの近くにでも住んでいない限り、衛星写真の表示域のほとんどが建物 や道路の灰色と、木々の黄緑で構成されてしまい、非常にぼんやりとした印象を与えやすいだけ にとどまってしまう、ということだった。つまり、たとえ今いる場所をリアルタイムに俯瞰で 表 示できようと、衛星写真の画像というのは、継続的に楽しく眺めるには、それ単体では魅力を持 ちにくい画像的性質がある、ということだ。(画像4.1-1,2参照). 【画像4.1-1,2】Google Earthで見る衛星写真の画像。左は渋谷駅、右はSFCのキャンパスが中心に置かれている。        どちらも対象スポット以外の周辺部分は、画像的にも雑然としていて意識が向きにくく、印象も弱い。.  そこで改めて、Google. Earthを楽しむ人がどのような利用をしているか考えてみたところ、ライ. トユーザーの多くは、観光地などの特定の特色のあるスポットに訪れてみたり、自宅などが上空 からどう見えるのかを確認してみたり、といった利用をしていることに気づいた。本来何か大した ことでなくても、目的を持って見ることが基本なので当たり前なのだが、つまりここで気づいた のは、衛星写真のような漠然とした画像を見て楽しもうとする場合には、その空間周辺全体を見 るのではなく、意識の注力点、「よりどころ」が必要であるということだ。(画像2.1-3,4参照). 18.

(19) 【画像4.1-3,4】Google Earthで見るSFCキャンパス。視覚的に意識が注がれる点に着色してある。.  衛星写真の情報を楽しむには、意識のよりどころが必要であるということ、そして、アウトプッ トは日常の生活で体験する空間全てに、普遍的に働きかけるものにしたいということ。この2点 を考えた結果、「日常も含めた自分が体験した空間全て」を衛星写真上の「意識のよりどころ」 にするというアプローチを考えだした。さらにGoogle Earthが手軽に「客観的な全世界」を眺めら れるのに対し、これに関しては「主観的に自分の世界だけ」を眺められるようにしたいと考え た。そして、このようなビジュアルイメージを作成した。(画像2.1-5,6参照). 【画像4.1-5,6】SFCキャンパス。自分(筆者)が体験した空間だけが面的に、強調して表示されている。.  これが私の考える俯瞰での「自分の体験した世界を可視化」した地図である。自分の体験の奇 跡をGoogle Earth上に表示させるのであれば、これまでもGPSログのデータを載せることで実現で きたが、GPSログのデータは完全に「点(座標)」の集合をつないだ「線」にしかならず、表現と して「どこを通ったか」の域を超えないビジュアルしか生まれないモノだと感じていた。それに 対して自身の「体験」という実感と結びつかない理由は、人間の空間体験は、凝縮された「点」  ではなく、それを中心として広がる「面」であることが言えるのではないかと考えた。つまり、 人間の体験の多くは、空間的の広がりという切り口から言えば視覚的な影響が最大のものであ り、1点にいて体験できる視覚的・面的な広がりを地図上で可視化してあげることで、より「自 分の体験した空間」という実感に近いビジュアルが生み出されるのでは、と考えたのだ。GPSが一 19.

(20) 般的なペイントソフトの「えんぴつツール」のような厚みのない線を軌跡として描くのに対して、 「my world」では、面的で周囲にボケのある「ブラシツール」のような軌跡を描き出している。. 【画像4.1-7,8】同じ箇所の同じ軌跡の、GPSログ表示(えんぴつ的)と「my world」による表示(ブラシ的)の例。.  このブラシ型の空間表現のアプローチには2つの理由がある。1つは線的であること以上に、 面的であることについて、人間の空間体験は身体という中心点1点のみのものでなく、身体を中 心に周囲に視覚的な広がりを持って形成されているのではないか、ということ。もう1つは、境 界がボケていてはっきりしないことについて、空間を「体験した」と意識的に実感できる範囲の 度合いは、自身を中心として、空間的に距離が広がるにつれてだんだん薄れていくのではないか、 ということである。これらの感覚的なものを視覚的に伝わりやすくするために、このような表現 手法を用いた。. 4.3 「体験空間」とは  「体験空間」とは文字通り、「自分自身が実際に体験した空間」そのものの概念を指す言葉で ある。おそらく、今回の提案の趣旨に合わせ、これを「日常レベル」で体感・体現するには「可 視化」が不可欠である。my worldのシステムを用い、空間の領域を「経験」と「未経験」の2分化 して可視化することで初めて目に見える「対象」として認識できる空間概念である。平たく言えば 「自分の体験してきた空間全て」を可視化することにより、それ自体を一つの「空間」として認 識してみることで、どんな気づきや感覚が生まれるのか、という試みである。  人間がある時ある地点で「存在」している「地点」は、GPSの軌跡が示してくれるように、その 1点のみである。そうした意味でGPSの軌跡を現してくれるこれまでのビジュアルは、「自分の存 在した地点の移動の軌跡」を表すアプローチとしては、正しいものである。  だが人間が「体験」している「空間」は、決してその1点で表されるものではなく、広がりを もった、文字通り「空間」なのである。もちろん場所によって、時間によって、さまざまな条件で 「体験している空間」の感覚は変わるだろうが、私はこれを、持っている性質上の個人性を最大 限に反映させながら、一般化したデータや表現として扱えるようにしたいと考え、この「体験空 間の可視化」という、自分の体験世界を地図上に描き出すというビジュアルアプローチに至っ た。 20.

(21) 4.4 仕様・設計イメージ 4.4.1 レイヤー  my worldは、Google Earth APIを用いたアプリケーションスタイル、またはGoogle Maps APIを用 いたwebサービスを基本として考えている。  設計イメージとしては、まずGoogle Earth APIで表示されるGoogle Earthの画面上に、黒塗りのレ イヤーを1枚重ねる。このレイヤーは基本的に透過度 7 3 %程度を目安に透過表示し、下位レイ ヤーの衛星写真がうすく見える程度の暗さを与える。(画像4.4.1-1参照). ← 描画レイヤー. ← Google Earth レイヤー. 【画像4.4.1-1】レイヤーの重ね合わせイメージ. 【画像4.4.1-2】レイヤー透過度のイメージ.  レイヤーが透過性を持っているのは、自分の世界を描画した際、同時にその「周辺の空間」に 対する興味を持ってほしいという意図があるからだ。自分の体験空間に関してはきちっと強調さ れて視認されつつ、かつうっすら見えるその周囲の空間に興味を持ってもらうのに適切な透過度を 検証したところ、概ねこの透過度の目安に落ち着いた。このレイヤーが「自分の体験空間」の描 画レイヤーとなっており、描画の際は「軌跡を上に表示する」というよりも、「軌跡の部分の黒 を消していく」というようなイメージの操作感となっている。  この描画レイヤーはGoogle. Earthのレイヤーと座標をベースに同期している。ズームやパンなど. でカメラアングルを操作しても、レイヤーがずれるようなことはない。. 21.

(22) 4.4.2 描画手法  「自分の体験空間」を描画する際は、G P Sの位置情報ログを利用する手法と、手描きで描画す る手法の、2つのアプローチを併用することを考えている。同じ範囲をGPSによって描画しても手 描きによって描画しても、基本的に描画表現としての違いはあたえられず、あくまで自分の体験し た空間として均質に扱われる。どちらも一般的なペイントソフトにおける、輪郭のボケた円形の 消しゴムツールのような感覚で、黒で塗りつぶされた描画レイヤーの指定範囲(体験空間範囲)の 黒色を消していくき、下位のGoogle Earthレイヤーを見えるようにする、といったシステムと感覚 になっている。  また、体験空間として扱う「描画範囲」については、実寸に直した時に半径およそ7mほどの 大きさを基本としているが、GPSと手描き、それぞれ以下のような形で範囲を調整しても良いかも 知れないと考えている。 ・GPSの場合:速度に応じて調整。 (例えば電車や車に乗っていたら体験空間の範囲を狭く、ゆっくり歩いていたら体験空間の範囲 を広く、描画する) ・手描きの場合:感覚に合わせて任意で調整。 (例えば移動速度に応じて調整しても良いし、対象の場所の空間構成に合わせても良いし、と いったように。)  手描きで地図を描く場合にはユーザーに自由度が大きくあるので、自身の体験範囲だと思う空 間を出来るだけ忠実に描きつつも、出来た地図を見て自分の体験感覚に合うように、感覚的に描 いてくれれば良いのでは、と考えている。. また、描画手法による手描きとGPSの意味付けと考察をここで簡単に述べる。 「手描き」 自分で自分の体験空間をなぞってみるというプロセスによって、地形に想いを体感的にしみ込ませ る感覚が得られる。また、実際的にGPSなどの位置情報取得メディアを手に入れる以前の体験も地 図に落とし込むことができる。地図で表示される全ての場所に「意味付け」ができ、認知マップ 的な側面が強調される。自分の世界として描く範囲全てに、地図としても、意識をいきわたらせ ることができる。 「GPS」  GPSでログを取得しているときの体感感覚が体験としてあり、地図に起こす際には即時性をもっ て描画出来る点は簡便で良い。また、例えば本システムをiPhoneアプリなどの形で携帯デバイスと して扱うことができれば、未体験の空間をまさに今、リアルタイムで[描きながら、塗りなが ら]、自分の世界を広げる実感を得ながら地表を進む体験ができる。GPSによってデータを反映で 22.

(23) きる場合は、なにより地図を作るプロセスが非常に簡便になるので、多くの人に使ってもらいた いという希望の元では大きな力を発揮するだろう。またGPSが持つ「高さ」の座標データや、「時 間」データを用いることで、アプリケーション自体の応用もより一層広がるのではないか、と考 えている。. 4.4.3 インターフェース・ 周辺機能 インタフェースとして備えていたいのは、まず描画レイヤーで自分の世界の範囲を塗っていく「描 画ツール」(=黒塗りのレイヤーを消していく「消しゴム」ツール)と、描画範囲を黒に戻すこと ができる「塗りなおしツール」、そしてそれらのサイズ調整が出来るツールが必要である。  ズームや回転などのブラウザ上の操作はGoogle Earthに元々ついているのでそれを利用するが、 座標系は完全共有して扱い、レイヤーがズレるといったことは起こらないようにする。レイヤー の調整要素として備えたい機能が、描画時にGoogle Earthの面が見やすくできるなどの用途のため に、透過度の調整機能を搭載したい。  また、「タイムスライダー」を配置することで、時間に対応してどのように自分の世界が広がっ ていったかを動的に可視化出来る機能を備えたい。ただし位置に対応した時間情報を保持してい る、GPSログを利用した描画データの場合にしか、この機能を使うことは難しいかもしれない。. 4.4.4 「共有」  「自分の世界」を、例えば友人や家族、時に知らない人など「他の人の世界」と重ねて見るこ とで、どのような交わり方や、どのような新たな広がり方をするだろうか?  本プロジェクトのアプローチが非常に個人的な情報生成であるにもかかわらず、そのアウトプッ トを「地図」というフォーマットを用いることで一般化した一つの大きな目的は、この「共有」 という部分にある。.  例えば家族の地図と重ねてみたら、拠点は「自宅」となり、例えば学校の友人と重ねてみた ら、拠点は「学校」となる。そうしたお互いの共通点的中心地から、どのような広がりを持ち、 どのようなところで重なり、合わさることでどんな世界を描いていくのか。共有された体験空間 という新たなビジュアライズにより、当事者同士のコミュニケーションに留まらず、より深い体験 共有感覚が生まれてくるのでは、と考えている。. 23.

(24) 4.5 開発: 反省と失敗要因の分析  本プロジェクトはGoogle Earth APIをベースにWebサービス、もしくはアプリケーションとして公 開し、GPSログと手描き、2通りの手法で手軽に「自分の世界地図」を作って遊んでもらえる状態 をイメージして開発中のものであるが、筆者の力不足で現在完成はしていない。  本論文で利用しているビジュアルはPhotoshop上で作っているものだが、プログラミングをして 制作を進める際にも、それと同じ形のプログラミングを行うことでこのサービスの実現を試みて いた。つまり、Google. Earth. APIのレイヤーの上に1枚黒塗りのレイヤーを重ね,描画(消しゴ. ム)ツールでなぞった範囲を透過することでこのビジュアルを実現する、といったことだ。だ が、実際このアプローチで取り組んでみると、ベクトルレイヤー(Google Earth)上にベクトルレイ ヤー(黒塗りの全域レイヤー)を重ね、さらにそこでアナログの情報を扱い、体験空間範囲の描 画を、「乗せる」のではなく「消す」という処理を行おうとすると、シンプルに見えるこの作業 の実現が複雑な処理を要求することに気づいた。  なんとか上記の手法で実現しようとプログラミングに取り組んでいたため完成はしなかった が、この手法で実現出来ないことは学んだので、以下に視点を変えた形での、実現が可能そうな 処理モデルを簡単に記述する。 最下層にGoogle Earth レイヤー、その上に範囲外対象として表示させるための透過黒塗りレイヤー を置く。次にGPSログや手描きにより、体験空間指定範囲としてデータ入力された箇所に関して、 Google Earthから指定箇所を最適化された範囲で画像データとして抽出し、さらに対象範囲を切り 出した状態で描画レイヤーに貼りつけていく。境界の「ボケ」を演出するには処理が重くなるよ うだが、それ以外の部分に関してはこの手法での実現が見込めると考えている。. ← 描画レイヤー. ← レイヤー. ← Google Earth レイヤー. 24.

(25) 第5章 考察 5.1 分析:体験空間の「カタチ」  体験空間を可視化して見えてきたことが一つある。それは、現代日本人は、自宅や駅を中心に 「部屋」を作り、車や電車で「道」を伸ばしそれをつなげる、「アリの巣」のような世界を生き ているのではないか、ということである。 .  この画像のように、1つの拠点となる部屋と「部屋」を出来る限り最適化された複数の「通 路」によってつなぎながら拡張していくのが、現代の日本の人々の空間体験の広がり方の特徴では ないか、と考えている。  こういった地図の形になるのは、今現在我々が生活している社会の空間的構造や文化的構造、 そして交通網の構造によるところが大きい。最も大きな影響は交通網の整備によるものである。 特に電車がこの地図の特徴に与える影響は大きく、思いもよらぬ中・長距離をひたすらの一本道 でつなぎ、自宅という拠点から広く離れた地点で大きな部屋を形成していることも多くの人の地 図の中で珍しくはないことだろう。上記画像は最大限の拠点である自宅を中心にその周辺駅の部 屋までの範囲の体験空間を可視化した地図であるが、自宅から近いほど、周辺の部屋へつながる 道の数は多くなりやすいことが分かる。これは交通手段として自家用車、バス、電車などの選択 的利用が基本的に見込める状況にあるためだろう。 25.

(26)  基本的に自宅周辺の「部屋」が面的に最も大きくなることが見込めるが、それに関してはおそ らく、幼少期を同じ自宅で過ごしたか、という条件がつく。というのも多くの人の自宅周辺の部 屋の大きさが一定にとどまっているのは、その部屋の拡張を基本的に小学生のときにしか行って ない場合が多いからだ。中学からは行動範囲も広がり、自宅周辺の拡張よりバスや電車などの移 動手段を利用し、移動という線的な空間体験をし、それらの着く駅を新たな拠点としてまた面的 な空間体験をし、部屋の広さを拡張していく。大人になるにつれさらに部屋と部屋の間隔は広が り、移動距離の大きく伸びた先にぽつんと、拠点と言える部屋を作れるようになる。このように 人間は「アリの巣」型の体験空間を形成し、それをお出かけや遊び、デートや旅行で「通路」と 「部屋」を広げながら拡張していっているのではないか、と考えている。  ただし文化・社会的側面として、多くの人が日常のルーティンの中で同じ空間だけを体験しな がら生きている。可視化を通して自分の世界がいかに交通網に影響された線的な空間を生きてい るのかを気づき、その狭さを感じる中で、日常の生活範囲がより一層狭まって固定化されること に対する気づきを得られるのではないか、と考えている。. 5.2 点と線と面  人々の空間体験は点と線と「面の3段階を軸に構成されているようだと考えられる。  まず「点」について。これは空間的スポットを指す。自宅や駅もスポットの1つだが、そこか ら拡張される、もっと小規模のスポットがより中心となる:例えば、東京タワー、ディズニーラン ド、竹下通り、表参道ヒルズ、池袋サンシャインシティなどなど。どういう事かと言うと、現代 人々が出かける時には、多くの場合目立った目的地があることが多い、ということである。人間 が「意識」を持って対象として捉える空間は基本的に点、スポットなのだ。  人の空間体験はまずそうした「点」を目指すので、それを「線」でつなぐのが移動というプロ セスとなる。実際的には人の体験している空間は、殆どが点と点をつなぐ線なので、この可視化 を通してみて言えることは、人間の空間体験の基本は連続性を持った「線」で構成されている、と いうことができるのかもしれない。現代の交通網の発達により、中長距離の線で繋がれる体験空 間は、地図として可視化した場合にも顕著に現れ、どこにも寄り道せずに長い距離の線が一筋伸 びるような形が散見されるのは、ある種現代日本で生活する人々の地図の、最も特徴的な部分の 一つかもしれない。  そして、「線」でつないだ「点」を中心に構成されるのが、「面」的な体験空間である。ここ で言う「点」は人々が意識的に訪れるスポットである特定の地域の特定の場所やもの、といった ものよりも、自宅や駅を代表とする「拠点」としての意味合いが多い地点としての「点」である。 面的な体験空間は基本的に「歩く」というプロセスによってのみ形成されるのでは、と考えてい る。つまり、移動の速度が上がるにつれて、その移動手段は点と点をつなぐ形での最適化をされ てしまっており、「線」としての空間形成しか基本的にはなし得ないのだろう。実際にその場で 26.

(27) 働く意識的にも、移動速度につれて空間情報のインプットにかけられる時間も減り、空間体験の 感覚は必然的に狭まっているだろう。結果、実際に自分の足というもっともプリミティブな移動 手段によって行われる、通りを歩き、お店をのぞき、路地に入り、といった体験を重ねることに よってこそ、面的な空間として、人間の体験空間全体の中における「部屋」と呼べる一種の「より どころ」を作っていけているのではないか。. 5.3 「共有」から得られること  地図の共有から得られること、その1つとして注目したことは、「拠点を中心とした空間体験 の同質性」である。つまり、特に観光地やデートスポット、遊びで訪れる街など、自宅周辺から 少し足を伸ばして訪れる場所の場合、その土地での訪れる場所(=「点」)が多くの場合同じな ので、体験している空間の同質性が顕著に現れるのではないか、ということである。  まず拠点として駅を中心としていることが基本のため、その駅までの道のりを繋ぐ電車移動に よる「線」は等しく重なる。さらに駅から訪れる「スポット」も、多くの場合は共有されること が多いので、「点」として重なりやすく、その周辺で広げられる「面」的な空間体験の拡張も、 似た傾向が出ることが多いのではないか。  例えばみなとみらいに訪れれば、コスモワールド、ワールドポーターズ、赤レンガ倉庫など、池 袋に訪れればサンシャインシティ、原宿に訪れれば竹下通りや表参道ヒルズ、などなど。人が遊び に訪れる土地には大概、その駅や都市に行けば訪れるような,特定のスポットを持っている場合 が多い。多くの場合駅からスポット、スポットからスポットの間に通る道も重なることが多いの で、自宅から中距離で訪れた都市において、私たちは空間的には同質な体験を多くの場所や場合 でしているのではないか。  これは言い換えれば、みんなが同じ都市では、同じ場所を体験しているのではないか、という ことである。だが、その体験空間としての同質性がある一方、実際にその空間でしている体験は多 くの場合異なることが多いだろう。同質的な空間で体験の質が異なるのは何故か。答えは、一緒 にいる人が違う、時期が違う、時間が違う、注目して見るものや聞くものが違う、などなど。単 純だが個人性はもちろんだけれども、これを一般化して言い換えると、「場所に対するインタラ クション」が違う、と言うことができるのではないか。それこそが人々に「虫の目」目線での実 世界での固有の体験を作っているし、純粋に「体験」ということそのものに関して言えば、「場 所」というのは、それ自体に行くことが固有の目的を持つのではなく、人々に「何か」を提供す るきっかけをつくるための空間であるだけなのかもしれない。  デジタルな空間体験が一般化されれば、人々がそれによって訪れる場所は一層同質化するだろ う。それは個人にとっての「空間の価値」を失わせることにつながるのか、それともそこでまた 固有の体験が生まれてくるのかは、今後楽しみなところではないか。 27.

(28) 第6章 議論1 6.1 問題提起:デジタルな空間体験とリアルな空間体験の差異  デジタルな空間体験は、現在大きな進化過程の中にある。Google Earthでは俯瞰で世界中の地表 に訪れることができるようになったし、Googleストリートビューではある地点での360°の「虫の 目」目線での視界を得ることができるようになった。ストリートビューにも見られるように、既 に実用化出来るレベルで360°の全方位画像記録システムは完成している訳だが、今後それに対応す るように360°の全方位を投影・表示できるディスプレイと、それを体験できる空間も登場するだろ うし、いずれはそれに映し出される空間情報も、画像から映像になるだろう。もしそうした空間 体験の装置が実現したら、実際にそこに(その座標値点に)訪れて感じる空間体験との違いは、 あえて言葉にするならなんなのか。これについて何人かの友人と議論を交わしたところ、ある人 は「空気の匂い」といい、ある人は「風」と言った。どちらも非常に「実空間だからこそ」の実 感に伴なうものだが、では、それすらも緻密に再現できるようなシステムが生まれたらどうだろ う? つまり、人間が空間から「情報」としてインプットする全ての知覚情報を再現した空間が現 出させてしまう、いわば「パーフェクト・デジタル」な空間体験がもし実現したら、デジタルな空 間体験と、リアルな空間体験の違いとは何なのだろうか。  これについて、まずこの状態のものに関して言えば、インタラクションが足りないということは 一つの核となる。人々がその空間で体験する経験を固有のものにしているのは、場所とのインタ ラクションが固有のものだからである。全く同じ場所を訪れても、誰といて、何を話すか、温度 は肌をどう刺激し、光に照らされているか、その場所の人やモノに対して能動的に働きかけ、どん なフィードバックが得られるか、などのインタラクションこそが、場所体験の固有性を形成してい る一つの大きな側面である。  では、それすらもデジタルが包括したら、どうなるだろう? もしその場の全ての空間情報を、 インタラクションやライブ性まで含めて再現してみたら、どうなるだろう? 空気感も風も一 緒、空間的に見れる風景は360°ライブのものだし、空間に対する働きかけをしてもきちんと対象 の空間からフィードバックが帰ってくる、直接目の前にいるのと視覚的解像度も何も変わらないレ ベルで、自身がそこにいるのさえリアルなその地点にきちんと投影されている。それでも、なお デジタルとリアルの空間体験で違うのは、なんだろう?. 28.

(29) 6.2 「デジタル」と「人の意識」の同質性  my. worldではリアルな体験空間を可視化し、その形を描き出した。それと同時に逆説的に気付. かされたことが一つあった。それは、デジタルは「点」の空間体験なのだということである。例 えば第2章の2節「デジタルな空間体験の現状」で紹介したGoogleストリートビューなどを例と して考えてみると分かりやすい。例えばG o o g l eストリートビューで例にも出したエッフェル塔に 行ってみようと考えた場合、多くの人は検索窓に「エッフェル塔」と打ち込むか、大きな俯瞰の 視点でフランスをざっと探し、そこから持っている知識を元にエッフェル塔の位置を予測し、探し 出す。そして、ストリートビューのアイコンを地図上のエッフェル塔の部分に置き、エッフェル塔 ならびに少しその周辺を「人の目」で見てみるという、「エッフェル塔」という「点」的な空間 体験をするのだ。エッフェル塔のストリートビュー体験という目的が最初からあり、検索という インターフェースも用意されているのに、今PCを開いている場所から空港までの道をなぞって、そ こから飛行機の航路をさらになぞり、フランスの空港からエッフェル塔までの道をなぞる、とい う操作を行う人は、おそらくその行為自体に目的がない限りはまずしないし、そういった行為を 目的とする場合さえ、一般的な感覚ではないだろう。もちろん自身の通学路などを「線」的にな ぞったことがある人も多くいると思うが、それは「人間としての空間体験」をデジタルで追体験し ようとした行為に他ならないだろう。  合わせて、現在の人間の「意識」の上での空間体験も、非常に「点」的なものである。例え ば、渋谷のハチ公像、原宿の竹下通り、ディズニーランドのシンデレラ城、、、SFCの学生であれ ば湘南台駅の地下広場、θの広い教室、鴨池の芝生、、、などなど、行ったことのある場所、なじ みのある場所に関して、私たちは頭の中に瞬時にその空間を描くことができる。ある日の思い出 や体験の「流れ」を追想するという場合でなければ、私たちは頭の中に瞬時にその空間を思い起 こすことができるし、そしてそれは多くの場合、そのスポットに至るまでの移動の道のりの印象 よりも、強い。つまり、私たちは「空間」に対して意識を向ける場合、体験した空間をスポッ ト、つまり「点」として捉えている傾向が、間違いなくあるのではないか。ある空間からある空 間へ意識を向ける場合、私たちは頭の中でその「点」と「点」の間に「線」を描こうとはせず に、即時的に意識を「点」から「点」に移すことができるのだ。  もちろんそうした空間体験を、意識的にもデジタル的にも、リアルのように移動を伴った連続 したものとして体験することは「できる」。ただ私たちはそれを「しない」のだ。  この「意識上の空間体験」は「デジタルな空間体験」と非常に良く似た性質と傾向を持ってい るのではないか。もしかしたら「デジタル」とは、その技術の進歩によって表現の幅を広げてい く、「人の意識」の働きを表象し、可視化しているメディアなのかもしれない。. 29.

(30) 6.3 場所の愛着  デジタルと人の意識の上では、空間体験は非常に「点」的であることが分かった。だが m y worldにより可視化してみることで分かったことは、「実際に人が経験している体験空間」は、そ れに対し非常に「線」的に構成されている、ということであった。以下にもう一度図を示す。.  このビジュアルからも見て取れるように、人の実際の体験空間において、その最も大きな特徴 を作っているのは、実は「点」や、「点」を中心とした「部屋」である「面」ではなく、それら を実際に、確かにつないでいる「線」だったのである。この体験空間として「線」を構成するこ とこそが、こうした空間表現における、「実際の人間の体験の記録」だからこその「リアル」で ある部分だということが、「体験空間の可視化」というアプローチによって得られた一つの結果 である。. 【図6.3-1,2】左:意識とデジタルの上での空間体験:点と点は多くの場合独立して存在する。       右:リアルな空間体験:点と点は必ず「線」でつながれる。. 30.

(31)  「場所の愛着」ということは、これまでさまざまなところで論じられ、その要素や要因につい ては多くの切り口での研究がなされている。ただ、これまで人が場所に対して持っていた愛着は、 人に空間意識にも見受けられるように、「点」に対するものであった。そして、いずれデジタルな 空間体験によって「場所への愛着」が生まれるにしても、そこで得られるのは同じく「点」として の愛着だろう。一方「線」であることこそが「リアルな体験だからこそ」のものだということ が、体験空間を可視化してみることによって得られたのだが、ならば空間・場所に対する「線的な 愛着」を持つことも出来るのではないか。  この「鳥の目」の地図上で描かれる「線」は、実際の人の目の視点に戻した際には、「移動」 を指すものである。つまり空間的な移動の連続性こそが、リアルな空間体験だからこそのものと 言うことができる。だが、それが人の視点で分かっても、私たちはその連続したもの全てに対し 意識を向けることは、できない。人が意識を向けることができるのは、基本的に何か「1つ」な のである。  つまり、ここに今回の「可視化」というアプローチによる功績がある。その名の示す通り、自 身の体験した空間全体を「体験空間」とする本研究の可視化アプローチだからこそ、「線的なま ま」1つの空間であるという「対象」として認識することができる。 人が「愛着」も含め何かに 意識を持つには、その意識を向ける「対象」が必要であるが、描かれた軌跡を「1つの線」と呼 び、それに呼応する空間情報がある、ということは、その「線」を意識を向ける「一つの対象」 として捉えられるということである。可視化するというアプローチによって、「線的な空間」を意 識や愛着の「対象」として描きだせたことは、「体験空間の可視化」に際しての一つの功績という ことができるのではないか。.  全ての空間情報を、インタラクションまで含めて再現しても違うのが、手間や時間を使う移動を 主にした「線」の空間体験概念で、もしかしたら、いずれその「線の愛着」を楽しむことこそ が、本当の「贅沢」になる社会がくるかもしれない。. 31.

(32) 第7章 議論2 7.1 『点』と『線』  この「線」とはなにを表象しているのだろうか? これまで人間が意識を向けられたのは、「点」。 ここからこの第7章で扱う「点」という概念は、空間的な場所の1点、にとどまらない。 時間や意識の概念も加わった、「時空間の1点」である。. :例証 例えば写真を良いというのは、ここがこうでここがこうで、というのではなく、結局その写真と して集約される何か「一点」. その考えは「イイ線」いってるなんていうのは、点じゃなく「流れ」のある線だから : それに対比して、Google. Earthや、Googleストリートビュー、セカンドライフやアバターなどのデ. ジタル空間体験は何かが足りない。何がことなるのだろう? いろんないろんな「点と線」の事象や体験があって、それらはどのように結びつき、どのように異 なるのだろう???. 7.2 『線』の空間体験に「見る」時間の表象. 32.

(33) my world が描き出す「線」的な地図こそがデジタルとは違う、実世界での人間が体験する空間の もっとも重要な特性である。体験空間の可視化によって、人間がこれまでとらえられなかった 「線」的な空間に対する意識や愛着をもてるのではないか。 つまり、、、連続した空間の「場所」化? 「線」は体験空間において、基本的には空間的な点と点をつなぐ「移動」を表すものである。 だが、同時にこの線は、地図という空間メディアにおける、「時間」という概念の表象なのでは ないか。 Google Earthやストリートビュー、などの空間体験がごそっと抜け落ちさせてしまっているもの、 それはこの空間的に表象される時間概念なのではないか。. この地図の「線」が表すのは、「時間」なのだ。. 33.

(34) 第8章 結論 本論文では。. * 加えて、大事なことは、デジタルな体験よりリアルな体験が価値がある、というわけでは、実は ないということ。というのも、逆説的だがデジタルな体験が産まれたからこそ、リアルな体験に 目が向いたのだから。デジタルなものの価値を手軽に享受できるようになり、それに慣れ親しん だ期間があったからこそ、逆に反対のリアル、アナログというものに目が向いた。どちらも相互 に、お互いを活かし合いながら進化していく。デジタルだからこそ、リアルだからこそ、という体 験がより洗練されていき、その二つの掛け合わせや境界の体験も生まれてくる。そうしているうち に、またそこに新たな尺度や切り口が加わることによって、それぞれの体験は相互に影響しあ い、さらなる拡張をしていく。. なお、本論文の完成は研究会・最終発表後を目処とさせていただく。. 34.

(35) 謝辞. 35.

(36) 参考文献 ・「空間の経験 ー 身体から都市へ」(1993年)  (著)イーフー・トゥアン (翻訳)山本浩 ・「10+1 No.42 特集=グランディング 地図を描く身体」(2006年)  (著)石川初、田中浩也、佐々木一晋、元永二朗、メディア・デザイン研究所 ・「地図のたのしみ」(1980年)  (著)堀淳一 ・WHEN-becomes-WHERE: WiFiセルフロギングによる 継続的位置履歴取得とその応用(2007年)  (著)暦 本 純 一、味 八 木 崇. ・PlaceEngine: 実世界集合知に基づくWiFi位置情報基盤(2006年)  (著)暦本純一 、塩野崎敦 、末吉隆彦 、味八木崇. ・地形学的な観点から見た東京(2008年)  石川初. http://pingmag.jp/J/2008/09/29/tokyo-topographies/. ・bs@web(石川初web). http://fieldsmith.net/. ・Google Earth . http://earth.google.com/intl/ja/. ・Google Earth API. http://code.google.com/intl/ja/apis/earth/. ・Google Maps . http://maps.google.co.jp/maps. ・Google Maps API. http://code.google.com/intl/ja/apis/maps/. ・Google Maps 活用講座. http://googlemaps.googlermania.com/. ・Google Maps API for Flash + Street View. http://plug.heteml.jp/motulog/2009/04/google-maps-api-for-flash-stre.html. ・Place Engine . http://www.placeengine.com/. ・TrekNavi. http://www.treknavi.com/. ・Earth Walker . http://web.sfc.keio.ac.jp/~htanaka/earthwalker/. ・Wikipedia. http://ja.wikipedia.org/. 36.

(37) 付録:筆者の体験空間(自宅∼近隣駅周辺範囲の一部). 37.

(38)

参照

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