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女性の労働時間と子供数は同時に増加するか

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(1)

女 性 の 労 働 時 間 と 子 供 数 は 同 時 に 増 加 す る か

坂  爪  聡 子

要   旨   本 論 で は 、 家 計 内 の 子 供 の 需 要 に 関 す る モ デ ル を 用 い て 、女 性 の 市場 労働 時 間 と 子供 の 需 要 と の 関係 に つ い て 分析 し た。 本 論 の モ デル は 、 基 本 的 に はBeckerの 家 計 内 生 産 に 関 す る モ デ ル を 参 考 に す る が 、 子 供 の 生 産 要 素 間 の 関 係 につ い て 女 性 の 市 場 労働 時 間 の増 加 に よ る 育 児 時 間 の 減 少 分 は保 育 サ ー ビス な ど の 育 児 市 場 財 によ り 代 替 さ れ る と仮 定 した 。 そ し て 、 女性 の 賃 金 の 上 昇 や 育児 市場 財 の価 格 の 低 下 に よ り 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 が とも に増 加 す る の は 、 育児 時 間 と 育 児 市場 財 の代 替 可 能 性 が 高 い 場 合 で あ る こ と が い えた 。 キー ワー ド  子 供 の 需 要   市 場 労働 供 給   家 計 内 生産 関数 1.は じ め に   日本 で は1970年 代 半 ば 以 降 、 合 計 特 殊 出生 率 が 低 下 し 続 け 、 少 子 化 現 象 が 進 行 し て い る 。 こ の 要 因 と し て 、 女 性 の 就 業 機 会 の 増 加 、 労 働 賃 金 の 上 昇 、そ し て そ れ に伴 う 晩 婚 化 現 象 の 進 行 等 が 指 摘 さ れ て お り 、 女 性 の 就 業 が 出 生 率 に 与 え る 負 の 影 響 に つ い て 多 く の 分 析 が な さ れ て い る 。 近 年 、 少 子 化 対 策 と し て 、 女 性 が 仕 事 と 育 児 を 両 立 で き る 環 境 を 整 え る こ と が 急 が れ て お り 、 ま た 、 長 期 的 に も 少 子 化 の 進 行 に よ り 女 性 労 働 力 の 重 要 性 が 高 ま る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 で は 、 実 際 、 女 性 の 就 業 率 と 出 生 率 が 同 時 に 上 昇 す る よ う な ケ ー ス は あ る の だ ろ う か 。 本 論 で は 、 こ の よ う な ケ ー ス が 生 じ る 条 件 に つ い て 検 討 す る 。   本 論 で は 、 家 族 の 経 済 学 の 立 場 か ら 女 性 の 市 場 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 の 関 係 に つ い て 考 察 す る 。 す な わ ち 、 子 供 をBecker(1965)に よ り 定 義 さ れ た 家 計 内 生 産 物 と 考 え 、 家 計 内 生 産 に 関 す る 一 般 的 な モ デ ル を 参 考 に し て 子 供 の 需 要 に 関す る 意 思 決 定 を モ デ ル 化 す る1)。 そ し て 、 こ の モ デ ル を 用 い て 市 場 労働 時 間 と 子 供 の 需 要 の 関係 を 分 析 し 、 女 性 の 労 働 時 間 と 子 供 数 が 同 時 に増 加 す る ケ ー ス に つ い て 考 察 す る 。   女 性 の 就 業 と 子 供 の 需 要 の 関 係 に つ い て の 分 析 に は 、Mincer(1963)やWillis(1974)な ど の 先 行 1)家 計 内 生 産物 と は 家 計 内 に お い て 市 場 財 と 生 活 時 間 を 投 入 し て 生 産 さ れ 、 消 費 さ れ る 様 々 なも の と す る 。 例 え   ば 、食 事 、住 居 、 子 供 、レ ク リエ ー シ ョ ン 、家 族 間 の 愛 情 等 が あ る 。 生 産 に投 入 され る 生 産 要 素 につ い て 、 市   場 財 は 労働 時 間 と 賃 金 によ っ て決 ま り 、 生 活 時 間 は 総 時 間 か ら 労働 時 間 を 引い た も の で あ る 。 家 計 は家 計 内 生   産 物 を 最 大 に す る よ う に 、 生 活 時 間 と 労働 時 間を 配 分 す る(Becker(1965))。

(2)

42    女性 の 労働 時 間と 子 供 数 は 同時 に増加 す る か 研 究 が あ る 。Mincerは 、 育 児 の 機 会 費 用 と し て 妻 の 賃 金 に 注 目し 、 賃 金 の 上 昇 に よ り 子 供 の コ ス ト が 増 加 す る と 考 え 、 妻 の 賃 金 は 出 生 率 に対 し て 負 の 影 響 が あ る こ と を 実 証 し た 。 さ ら に 、 女 性 の 就 業 率 と 子 供 数 と の 問 に 負 の 関 係 が あ る こ と も 証 明 し た 。 ま た 、Willisは 、 家 計 内 生 産 物 の 消 費 面 と 生 産 面 と を 統 合 し た 家 計 内 に お け る 一 般 均 衡 シ ス テ ム を 構 築 し 、 子 供 の 需 要 に つ い て 分 析 し た 。 そ の 際 、 妻 の 就 業 状 態 に つ い て 就 業 し て い る ケ ース と 無 就 業 の ケ0ス に わ け 、他 の 家 計 内 生 産 物 よ り 子 供 の 生 産 が 時 間集 約 的 で あ る 場 合 に は 、 妻 の就 業 率 と 子 供 数 の 間 に 負 の 関係 が 成 り 立 つ こ と を 指 摘 し た 。 し か し 、 妻 の 市 場 労 働 時 間 の 決 定 や 、 女 性 の 賃 金 率 と 子 供 数 の 関 係 に つ い て は 、 詳 細 に は 分 析 さ れ て い な い 。   本 論 で も 、 基 本 的 に はBeckerの 家 計 内生 産 に 関 す る モ デ ル を 参 考 に す る が 、 子 供 の 生 産 要 素 間 の 代 替 関係 に つ い て 新 た な 仮 定 を お く 。 子 供 の 生 産 要 素 で あ る 育 児 時 間 と 育 児 市 場 財(保 育 サ ー ビ ス な ど 子 供 の 生 産 に 投 入 さ れ る 市 場 財)と の 関 係 に つ い て 、 女 性 の 市 場 労働 時 間 の 増 加 に よ る 育 児 時 間 の 減 少 分 は 育 児 市 場 財 に よ り 代 替 さ れ る と し 、 育 児 市 場 財 の 量 は 市 場 労 働 時 間 に 依 存 す る と 仮 定 す る 。 そ し て 、 こ の モ デ ル を 用 い て 、 女 性 の 市 場 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 の 関係 に つ い て 比 較 静 学 分 析 を 行 う 。 そ の 際 、 女 性 の 市 場 労 働 賃 金 と 育 児 市 場 財 の 価 格 に 注 目し 、 こ れ ら2変 数 の 変 化 に よ っ て 、 市 場 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 が ど の よ う に 変 化 す る の か と い う こ と を 考 察 す る 。 本 論 の 分 析 で は 、 上 記 の 女 性 の 賃 金 の 上 昇 や 育 児 市 場 財 の 価 格 の 低 下 に よ り 女 性 の 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 が と も に 増 加 す る ケ ース は 、 育 児 時 間 と 育 児 市 場 財 の 代 替 可 能 性 に 依 存 し て 導 出 さ れ る こ と が い え る 。   本 論 は 以 下 の よ う に 構 成 さ れ て い る 。 ま ず 、 第2節 で は 、Beckerの 家 計 内 生 産 に 関 す る モ デ ル を 参 考 に し て 子 供 の 需 要 に 関 す る 意 思 決 定 を モ デ ル 化 す る 。 続 い て 第3節 で は 、 第2節 の モ デ ル を 用 い て 女 性 の 市 場 労働 時 間 と 子 供 の 需 要 の 関係 に つ い て 比 較 静 学 分 析 を 行 う 。       ド や 2.モ ァ ル   本 論 で は 、 子 供 を 家 計 内 生 産 物 の1つ と 考 え 、 以 下 で は 、Becker(1965)の 家 計 内 生 産 に 関 す る モ デ ル を 参 考 に し て 子 供 の 需 要 に 関 す る 意 思 決 定 を モ デ ル 化 す る 。   こ こ で は 、 家 計 内 生 産 物 を 子 供 と そ れ 以 外 の 家 計 内 生 産 物 に わ け 、 家 計 の 効 用 は こ の2変 数 に 依 存 す る も の と す る 。 こ の と き 、 家 計 の 効 用 関 数 を 次 の よ う に 与 え ら れ る 。 U=U(C,Z)

(1)

こ こ で 、cは 子 供 を 表 し 、Zは 子 供 以 外 の 家 計 内 生 産 物 を 表 す も の と す る 。 効 用 関数 は 凹 関数 で 、 微 分 可 能 性 な ど 通 常 の 仮 定 は満 た さ れ て い る も の と す る 。 家 計 内 生 産 物 は 市 場 財 と 生 活 時 間 を 投 入 し て 生 産 さ れ る も の と し 、 子 供 と 他 の 家 計 内 生 産 物 の 生 産 関 数 を そ れ ぞ れ 以 下 の よ う に お く 。 C=fc(xc,  tc) Z=fZ(吻 オz)

(2)

(3)

(3)

こ こ で 、xcは 子 供 の 生 産 に 投 入 さ れ る 市 場 材(以 下 で は 育 児 市 場 財 と 呼 ぶ)、 tcは 子 供 の 生 産 に 投 入 さ れ る 生 活 時 間(以 下 で は 育 児 時 間 と 呼 ぶ)、 吻 は 他 の 家 計 内 生 産 物 の 生 産 に 投 入 さ れ る 市 場 財 、 砺 は 他 の 家 計 内 生 産 物 の 生 産 に 投 入 さ れ る 生 活 時 間 を 表 し て い る 。 こ こ で は 簡 単 化 の た め 、 他 の 家 計 内 生 産 物 の 生 産 に 投 入 さ れ る 生 活 時 間 は 一 定 と し 、tZ二 砺 と す る 。 こ の と き 、(3)式 は 、 Z=ル@z,オz)

(4)

と な る 。 な お 、 生 産 関 数 は と も に 凹 関 数 で 、微 分 可 能 性 な ど 通 常 の 仮 定 は満 た さ れ て い る も の と す る 。 こ の と き 、 家 計 の 予 算 制 約 は 以 下 の よ う に 与 え られ る 。 pcxc+pzxZ=wfl

(5)

こ こ で 、pcはxc  1単 位 の 価 格 、 pzは りOz 1単 位 の 価 格 を 表 し 、1は 女 性 の 市 場 労 働 時 間 、 wfは 女 性 の 賃 金 率 を 表 し て い る2)。 育 児 時 間 と 市 場 労 働 時 間 に つ い て は 、 T=1+tc+tZ

(6)

が 成 立 し て い る 。Tは 女 性 の 総 時 間 を 表 し て お り 、 所 与 と す る 。   本 論 で は 、 子 供 の 生 産 に 投 入 さ れ る 生 産 要 素 間 の 代 替 関係 に つ い て 以 下 の 仮 定 を お く 。 子 供 の 生 産 要 素 で あ る 育 児 時 間 と 育 児 市 場 財 と の 関係 に つ い て 、 女 性 の 市 場 労働 時 間 の 増 加 に よ る 育 児 時 間 の 減 少 分 は 育 児 市 場 財 に よ り 代 替 さ れ る も の と し 、 育 児 市 場 財 の 量 は 市 場 労 働 時 間 に 依 存 す る と 仮 定 す る3)。   こ こ で は 、 育 児 市 場 財xcの 量 と 市 場 労 働 時 間 の 関係 は 、 xc=hc(の

(7)

で 表 さ れ る も の と し 、dxC/dl>0が 成 立 し て い る4)。(7)式 の 形 状 は 、 育 児 時 間 と 育 児 市 場 財 の 代 替 可 能 性 の 程 度 に 依 存 し 、 代 替 可 能 性 が 低 い ほ ど ∂娩/∂Zの 値 は 小 さ く な る も の と す る5)。 こ の と き 、T'=T一 砺 と す る と 、(2)式 は 、         cニfC(んo(z),  T'一 の と 書 き 換 え ら れ る 。

(8)

2)こ こ で は簡 単 化 の た め 、女 性 以外 の 家 計 構 成 員 の 所 得 と 生 活 時 間を 表 す 変 数 は省 略 し て い る 。 こ れ ら の変 数 を   導 入 し て も 、 以 下 の 分 析 に つ い て 同様 な こ と がい える 。 3)(6)式 よ り 、 女 性 の 労働 時 間 と 育児 時 間 の合 計 は一 定 で あ る こ と か ら 、 こ れ ら の 関係 が い え る。 4)こ れ は 、 育 児 市 場 財 物 の 量 は 労 働 時 間 に よ っ て 決 ま り 、 労働 時 間 が増 えて 育 児 時 間が 減 少 す る と 、 育 児 市 場財   が 増 加 す る こ と を 意 味 す る。 5)代 替 可 能 性 は 、 育 児 市 場 財 の種 類(質)や 供 給 状 況 な ど に 依 存 す る と 考 え ら れ る 。(7)式 の 形 状 につ い て 例 を   挙 げる と 、例 え ば 、 す べ て の 育児 時 間 が 育 児 市 場 財 と1対1で 代 替 可 能 で あ る と す る と 、(7)式 は 傾 き1の 線   形 と な る 。 ま た 、 育 児 市 場 財 の供 給 が 不 十 分 で あ る と き(保 育 サ ー ビス の 不 足 や 多 様 化 が 不 十 分 で あ る とき)   や 、育 児 時 間 の 中で 育 児 市 場 財 と 代 替 不 可 能 な 部 分(例 え ば親 子 間 の愛 情 な ど)が 大 き く な る と 、(7)式 の傾   き は 緩 や か に な る 。

(4)

44    女性 の 労働 時 間と 子 供 数 は 同時 に増加 す る か 以 上 の 仮 定 の も と で 、 効 用 最 大 化 問 題 を 解 く と 、Zと りOzに 関 し て 以 下 の 式 が 導 出 さ れ る6)。 1=1(wf,  pc,  pz) 吻=00z(wf,  pc,  pz)

(9)

  lo) (8)式 に(9)式 を 代 入 す る こ と に よ り 、 子 供 の 需 要 関 数 C=C(wf,  pc,  pz)

(11)

が 求 め ら れ る 。

3.比

較 静 学 分 析:女

性 の 市 場 労働 時 間 と子 供 の需 要 の 関係

  以 上 の モ デ ル を 用 い て 、 女 性 の 市 場 賃 金 と 育 児 市 場 財 の 価 格 の 変 化 に よ っ て 、 女 性 の 市 場 労働 時 間 と 子 供 の 需 要 が ど の よ う に 変 化 す る の か と い う こ と を 分 析 す る 。(9)式 をwfとpcに つ い て 微 分 す る と 、

     昜 一おλ

磯(η

α+UxzAxz) 

(12)

     晶 一一ゐλ

畿`1藷+UxzAxz) 

(13)

が 導 出 さ れ る 。 こ こ で 、Dは 縁 付 き ヘ シ ア ン の 行 列 式 で 、 D>0が 成 立 し て い る と す る 。  ijは そ れ ぞ れ 以 下 の こ と を 表 し て い る 。 ま ず 、 ηα と η砒zは そ れ ぞ れ 、 労 働 時 間iと 生 産 要 素 吻 の 量 の 変 化 率 に 対 す る 、 効 用Uの 変 化 率 の 比 、 つ ま り 弾 力 性 を 示 し て お り 、       c  ∂σ    z∂c

    ηα一U∂c●c∂1 

(14)

    η翫z-zaUU 

aZ・ 鶉

  (15)

で 表 さ れ る7)。(14)式 は 効 用 のZ弾 力 性 、(15)式 は 効 用 のaOz弾 力 性 を 示 し て い る 。(14)式 右 辺 の ∂C/alに つ い て は 、

     acal一

器 讐 一∂ac(T'-1) 

       

(16)

が 成 立 し て い る 。 次 に 、(13)式 の η昭 は 、 6)こ れ ら は 、 ラ グ ラ ン ジ ュ 関 数LニU+λ(wfl一 物 蜘 一pzxz)を 、 Z,物,λ に つ い て 微 分 し て ゼ ロ と す る こ と に よ   っ て 求 め ら れ る1階 の 条 件 か ら 導 出 さ れ る 。 な お 、(9)式 と(10)式 に つ い て 、 外 生 変 数 丁'は 省 略 し て い る 。 7)弾 力 性 と は 、 労 働 時 間 や 生 産 要 素 の 量 が1%変 化 す る と き 、 効 用 は そ れ ぞ れ 何%変 化 す る か を 表 し て い る 。

(5)

      1  dxc         η 昭=       x c  dl と な り 、 ηα/η昭 は 、 効 用 の 物 弾 力 性 を 表 し て い る 。 最 後 に 、Axzに つ い て は 、         Axz=rl  MRSxz十rl MPxz          ( 17) が 成 立 し て い る 。(17)式 に つ い て 、 η澀8、,zは 、 限 界 代 替 率MRSのaOz弾 力 性 を 表 し て お り 、 ηM驫zは 、 要 素 吻 に 対 す る 限 界 生 産 性MPの 弾 力 性 を 表 し て い る8)。 従 っ て 、 A物 は 、 生 産 要 素 りOzに 対 す る 限 界 代 替 率 の 弾 力 性 と 限 界 生 産 性 の 弾 力 性 を 合 計 し た も の で あ る 。 な お 、 す べ て の   ij に つ い て   2」>0が 成 立 し て い る 。   こ の と き 、(12)式 と(13)式 の 符 号 は 、(14)式 の 符 号 に 依 存 し て 、 以 下 の2ケ ー ス に つ い て 導 出 さ れ る ・ 蛾ac  ducax c  di>acatcで あ る 駘 は ・acal>・ が 成 立 し ・(14)式 の 符 号 は プ ラ ス1こ       ∂i        ∂iな る 。 こ の 場 合 、(12)式 と(13)式 に つ い て 、       〈0が 成 立 す る 。 こ の ケ ー ス で       >0と       aw f       apc は 、(11)式 をwfとpcに つ い て 微 分 し た 偏 微 係 数 に つ い て 、         ∂σ   ∂c ∂z       _  >o       aL  awf         awf         ac    ac  ai       <o       ∂z         apC       apc が 成 立 す る 。 従 っ て 、 こ の ケ ー ス で はwfが 上 昇 す る かpcが 低 下 す る と 、Zとcの 両 方 が 増 加 す る 。 次 に ・ac  dxca xc  dl<1匙 あ る 場 合 は ・acal〈 ・ が 成 立 し ・(14)式 の 符 号 は マ イ ナ ス1こ な る ・       acこ の 場 合 、(12)式 と       に つ い て は 、       a wf       ac         ai       ησ賜       くO   if  一ησz<       >o

        Axz

     awf

          awf

        aiawf<・acawf>・if跏>rlUxzAxz       ac が 成 立 す る9)。 ま た 、(13)式 と       に つ い て は 、       a pC         ∂Z〈 。 ∂c>。if一 ησ・<Uxz       A餌z         apc       apc       η昭 8)  MRSxzに つ い て は ηM認 鞄二一       MRS zc  伽z

一蹴

が成立している・

吻    dMRSzc         MUZ      )が 成 立 し て お り 、MPxzに つ い て   MPxzニ(MRSzc=        MU c

(6)

46    女性 の 労働 時 間と 子 供 数 は 同時 に増加 す る か 議 〉・acapc〈 ・if咢 〉 無 が 成 立 す る10)。 従 っ て 、 こ の ケ ー ス で は 晦 が 上 昇 す る かpcが 低 下 す る と 、iと0が 逆 の 方 向 に 変 化 す る 。   以 上 の こ と を ま と め る と 下 の 表 の よ う に な る 。 wf pc ∂σ ∂物     ∂c         > ∂ 物   ∂z   ∂tc al      ac     >o       >o ∂ uケ         ∂uケ al       ac     <o       <o 砌 σ         ∂Pc ∂c  ∂娩     ∂c         < ∂ 物   ∂1   ∂tc         Uxz 一ησz〈         Axz         Uxz 一ηα>       Axz η・・ 〈Uxz η昭       Axz η・㌧Uxz η躍c`       .4靴 ∂1     ∂o       GO     >o         ∂uケ ∂親ケ al  __  7C       >o     <o         a wf ∂親ケ ∂z    ∂c       >o     <o         a pc のc ∂z    ∂c        GO     >o         の σ クρo   上 記 の 表 よ り以 下 の こ と が い え る 。(市 場 労 働 時 間 の変 化 に よ る)育 児 市場 財 の 変 化 の ほう が 、 育 児 時 間 の 変 化 よ り 子供 の 生 産 量 を 大 き く 変化 さ せ る 場合 、 賃金 の 上 昇 あ る い は 育児 市 場財 の 価 格 の 低 下 に よ り 、 市 場 労働 時 間 と 子 供 の 需 要 は とも に 増加 す る11)。一方 、 育児 時 間 の 変 化 の ほ う が 子 供 の 生 産 量 を 大 き く 変 化 させ る場 合 、 賃金 の 上 昇 あ る い は 育児 市 場財 の価 格 の 低 下 に よ り 、 子 供 の 需 要 は 増加 す る が 市場 労働 時 間 は減 少 す る ケ ース と 子 供 の 需 要 は減 少 す る が 市 場 労働 時 間 は 増加 す る ケ ース が 導 出 さ れ る も の の 、 子供 の 需 要 と市 場 労 働 時 間 とも に増加 す る ケ ース は導 出 され な い12)。   以 上か ら 次 のこ と がい える 。 育 児 市 場 財 と 育 児 時 間の 代 替 可 能 性(dx(ノ 副 の 値)が 大 き い と き は 、 賃 金 が 上昇 する か あ る い は育 児 市 場 財 の 価 格 が 低 下 す る と 、 育児 市場 財 の 限界 生 産 性(∂ci∂物)が 育 児 時 間 の 限 界 生 産性(∂C/∂tc)を上 回る か ぎ り 生 産 要 素 は 育児 時 間 か ら 育児 市場 財 にシ フ ト し て 、 労 働 時 間 と 子 供 は 増加 す る13)。しか し 、 育児 市場 財 の供 給 が 不 十分 で ある か あ る い は 育児 時 間 の 中で 育 児 市 場財 と 代 9)条 件 に つい て 詳 細 に検 討 し て み る 。1つ め の 条件 で あ る 不等 式 につ い て 、左 辺 はZの 増 加 によ る(σ が 減 少 す     るた め)Uの 減 少 率 を 表 し 、右 辺 は 吻 の 増加 に よ るUの 増 加 率 を 吻 が増 加 す る と き のMRSとMPの 減 少 率     の合 計 で 割 っ た も の で あ る 。 こ の と き 、 ∂〃∂wf>0が 成 立 す る た め の 十 分 条件 は 、一ηα<η σ。zかつ ん 、〈1で     あ る。 つま り 、Zの 増 加 によ る σ の減 少 よ り 吻 が 増加 に よ るUの 増加 の ほ う が大 き く 、か つ 吻 が 増加 す る と    き のMRSとMPの 減 少 が 小 さ い ケ ー ス と 考 え ら れ る。 な お 、2つ め の条 件 につ い て も 同様 に考 え る こ と が で     き る。 10)条 件 に つ いて 詳 細 に検 討 して み る 。1つ め の 条 件 で あ る 不 等 式 に つ い て 、 左 辺 は(Zの 増加 に よ る)物 の 増加     に よる σ の 減 少 率 を 表 し て い る 。 注9と 同 様 に 考 え る と 、∂Z/∂wf>0が 成 立 す る の は 、(Zの 増 加 によ る)晩 の    増 加 によ る σ の 減 少 よ り 物 が増 加 によ るUの 増加 の ほ う が大 き く 、か つ 物 が 増 加 す る と き のMRSとMP     の減 少 が小 さい ケ ー ス と 考 え ら れ る 。 な お 、2つ め の 条件 に つ いて も 同様 に考 え る こ と が で き る 。 11)つ ま り 、 市 場 労働 時 間 を 増 や し て 育 児 市 場 財 を 増 加 さ せ た ほ う が 、育 児 時 間を 増 や す よ り 、子 供 の 生 産 量 が 増     え るケ ース で あ る 。       ac       <0が 成 立 して い る こ と か ら も 上 記 の こ と は 明 らか であ る 。12)このケ ース で は 、       ∂z

(7)

替 不 可能 な部 分 が 大き い とき は 、育 児 市 場 財 と育 児 時 間 の 代 替 可 能 性(dx(/dlの 値)が 小 さ い た め に 、 賃金 が 上 昇 す る か あ る い は 育 児 市 場財 の価 格 が低 下 す る と 、 初 め は 労働 時 間 と 子 供 の 両 方 が 増加 す る 可 能性 も あ る が 、す ぐ に子 供 か 就 業 か の 選 択 に な る14)。 4.お わ り に   本 論 で は 、 家 計 内 の 子 供 の 需 要 に 関 す る モ デ ル を 用 い て 、 女 性 の 市 場 労働 時 間 と 子 供 の 需 要 と の 関 係 に つ い て 分 析 し た 。   本 論 の モ デ ル を 用 い た 分 析 か ら2変 数 の 関 係 に つ い て2つ の ケ ー ス が 導 出 さ れ た 。 ま ず 、(市 場 労 働 時 間 の 変 化 によ る)育 児 市 場 財 の 変 化 が 、 育 児 時 間 の 変 化 よ り 子 供 の 生 産 量 を 大 き く 変 化 さ せ る ケ ー ス で は 、 賃 金 の 上 昇 あ る い は 育 児 市 場 財 の価 格 の 低 下 によ り 、 市 場 労 働 時 間 と 子 供 の 需 要 は と も に 増 加 す る 。 一 方 、 育 児 時 間 の 変 化 の ほ う が 子 供 の 生 産 量 を 大 き く 変 化 さ せ る ケ ー ス で は 、 賃 金 の 上 昇 あ る い は 育 児 市 場 財 の 価 格 の 低 下 に よ り 、 子 供 の 需 要 は 増 加 す る が 市 場 労 働 時 間 は 減 少 す る 場 合 と 子 供 の 需 要 は 減 少 す る が 市 場 労働 時 間 は 増 加 す る 場 合 が 導 出 さ れ る も の の 、2変 数 とも に 増 加 す る 場 合 は 導 出 さ れ な い 。   そ し て 、 上 記 の2ケ ー ス の ど ち ら の ケ ー ス に な る か は 、 育 児 市 場 財 と 育 児 時 間 の 代 替 可 能 性 に 依 存 し て お り 、 代 替 可 能 性 が 大 き い ほ ど 前 者 の ケ ース に な る 可 能 性 が 高 い 。 (参考 文 献)

Becker, G.S. (1965) "A theory of the allocation of time", Economic Journal, Vol. 75, No. 299

Mincer, Jacob. (1963) "Market Prices, Opportunity Cost and Income Effects", in C. Christ, ed., Measurement in Eco-nomics, Stanford, CA: Stanford University Press, pp. 67-82

Willis, R.J. (1973) "A New Approach to the Economic Theory of Fertility Behavior", Journal of Political Economy, March-April, pp. S14-s64 13)こ れ は例 え ば 、 夜 間保 育 や 一 時 保 育 な ど 多 様 な 保 育 サ ー ビ ス が 供 給 さ れ て お り 労働 時 間 を 十分 にカ バ ー で き る   状 況 で あ り 、 ま た 、保 育 サ ー ビ ス の 質 が 高 く 親 の 育 児 の 中で 保 育 サ ー ビ ス によ っ て 代 替 でき る 部 分 が 大 き い 状   況 であ る 。 14)こ こで は 、 限界 生 産 性 逓 減 の 法 則 が 成 り 立 っ て い る た め 、∂α∂晩 と ∂α∂tCの値 は 、 そ れ ぞ れ 晩 と 孟oが増加 し    て い く と 、小 さ く な る 。 そ の た め 、 生 産 要 素 が 育児 時 間か ら 育児 市場 財 にシ フ ト し て い く と 、 ∂α∂物 の 値 は 小 さくな り・逆 にac/atCの 値は大きくなり・条件 の不等式 力鶚 誓 〉 論 畷 嘗 綴 一と変化す    る。 こ のス イ ッ チ ポ イ ン ト は 、 育 児 時 間 と 育 児 市 場財 の代 替 可能 性 が大 き い ほど 遅 く な る 。

参照

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