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第3学年4組 数学科学習指導案
平成26年10月6日(月) 第5校時 場 所 3年4組教室 生徒数 男子18名 女子15名 計33名 指導者 毛利 岳志 1 単元名 二次方程式(二次方程式の活用) 2 単元について (1)教材観 小学校第6学年では,数量を表す言葉や□、△の代わりに,aやxなどの文字を用いて式に表 したり,文字に数を当てはめて調べたりすることを学習している。 中学校第1学年では,文字を用いた式の学習の上に立って,方程式の必要性と意味及びその解 の意味を理解し,等式の性質を基にして一元一次方程式の解き方を学習している。第2学年では, 二元一次方程式とその解の意味や二元一次方程式を連立させることの必要性と意味及び連立二元 一次方程式の解の意味を理解し,連立方程式の解き方を学習している。第3学年では,二次方程 式を解くことができ,それを具体的な問題解決の場面で活用できるようにし,方程式をこれまで より多くの場面で問題の解決に活用できるようにする。 (2)生徒観 本校の3学年においては、クラス単位の一斉指導を行っている。生徒は明るく素直な生徒が多 く、真面目に学習に取り組む態度が備わっている。平成 26 年度の全国学力・学習状況調査の生 徒質問紙の結果からは、「数学が好き」「数学は大切だ」と感じている生徒は全国平均を上回って おり、全体的には数学を肯定的に捉えているが、「数学ができるようになりたいか」については低 い数値を示しており、意欲面での課題が見られる。数学A・数学 B の調査結果に目を移すと、埼 玉県全体としては全国平均よりも下回っているのが現状である。本校生徒については、全体的に は概ね満足できる結果が得られているが、基礎・基本の定着という点においては、個人の学力差 が大きく、個に応じた手立ての必要性を感じる。また、B 問題の設問別では、2(3)「予想された 事柄が成り立たない理由を説明すること」4(2)「証明を振り返って考え、ことがらを用いること」 6(3)「グラフの特徴を事象に即して解釈し、結果を改善して問題を解決する方法を説明すること」 については、県や全国同様に低い正答率であり、数学的に考えたり(数学的な思考力)、理由を説 明したり(数学的な表現力)することに課題がみられる。さらに、B 問題では、無解答率が高い設 問も多く、問題に正対する姿勢や数学に対する学習意欲について、改善の必要性を感じる。 (3)指導観 本単元では、知識や技能の習得はもとより、事象を数学の舞台にのせ、課題を解決する数学化 の過程の重要性に触れたり、経験したりすることにもねらいがあるので、二次方程式の形式的な 処理とともに数学用語や記号を十分に使いこなしながら論理的に考えていけるよう、継続した指 導が必要である。また、発展問題や活用に関する問題に取り組む際に、問題に正対せずにすぐに あきらめてしまうなど、意欲面で課題のある生徒も多くいるので、授業の中で課題設定の工夫を したり、言語活動の充実を図ったりするなどして、生徒が意欲的に、かつ主体的な態度で学習を 進められるよう留意したい。 本時は、二次方程式の活用の3時間目で、図形への応用である。正方形 の2つの頂点から同じ速さで動く点がつくる面積について考察し、課題を 設定する。生徒は、これまでの学習で動点に関する問題には取り組んでき ているものの、数は多くない。導入問題を把握する場面では、分かりやす く(マグネットなどの活用)提示し、問題に正対させたい。導入問題の解決 においては、面積を求める式表現と面積の値を表にまとめることで、課題2 1の解決時に考え方を振り返るきっかけ(手立て)とし、思考や表現を振り返る価値を見いださせ たい。また、方程式の活用場面では、解の吟味が欠かせない。解が本当にその問題の答えとして 適当であるか、論理的に説明させたい。課題1の解決後には、問題の条件変えを考えさせ、課題 を発展させ課題2を設定していく。その際、「問題の条件のすべての場合を確かめてみたい!調べ て見たい!」という数学のあるべき姿勢を大切にする。課題2を設定する 場面では、面積を3cm2のままにしておくことで、課題2の問題解決で不 都合が生じる(解が得られない)。そこで、課題2の条件を振り返り、面積 の数値に着目させる。この課題2の解決に必要とされる数値を全員で検討 していくが、その際に課題1の設定場面を振り返り、具体的に数を代入し て適当な面積の数値を探ったり、表にまとめて考えたりする意見が出て欲 しい。課題2の解決については、課題1の解決をもとに考えさせ、より洗 練された表現で解決を図っていく。課題2の解決後に残された条件変えの発展課題については、 自分で課題を設定し、解決(解く)するよう伝え、開いた形で授業を終わらせることで生徒の学習 意欲を喚起したい。 3 特定課題研究との関連 (1)研究テーマ 「数学的な思考力・表現力を育成する学習指導の工夫~発展的な学習指導に焦点を当てて~」 (2)研究仮説とその手立て 研究テーマである数学的な思考力・表現力を育成するために、以下のように仮説とその手立て を設定し、検証することとする。 【具体的な手立て】 手立てア 主体的な活動ができるように、考える必要感のある問題(課題)を設定する。 手立てイ 表現された自他の見方や考え方を読んだり、説明したりする活動を取り入れ、生徒 の思考と表現を促進させる。 【具体的な手立て】 手立てア つながりのある教材や発展性のある教材を提示し、発展的に考えさせる。 手立てイ ノートや板書をもとに思考の「振り返り」を効果的に行い、比較・検討場面を充実 させる。 手立てウ 振り返る「きっかけ」が見える構造的な板書になるように工夫する。 4 単元の指導計画 (1)単元目標 二次方程式について理解し,それを用いて考察することができるようにする。 ①二次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解する。 ②因数分解したり平方の形に変形したりして二次方程式を解く。 ③解の公式を知り,それを用いて二次方程式を解く。 ④二次方程式を具体的な場面で活用する。 (2)指導と評価の計画 本単元「二次方程式」を、内容のまとまりである6つの小単元と単元のまとめで構成し、それぞ れの授業時間数を次のように定めた。 仮説2:学習過程において、「振り返り」を効果的に行い、発展的な学習指導ができれば、数学 的な思考力・表現力が育成されるであろう。 仮説1:主体的に問題解決に取り組み、思考と表現がくり返し行われる学習指導ができれば、 数学的な思考力・表現力が育成されるであろう。
3 小単元6の指導のねらい、生徒の学習活動及び評価規準と評価方法は、次の表のとおりである。 表中、各評価規準の文頭に付けた記号の意味については、『評価規準の作成、評価方法等の工夫改 善のための参考資料【中学校 数学】』(国立教育政策研究所)を参照されたい。また、表中、各評 価規準の文末の〔 〕には、次のような生徒の学習の状況を把握するために想定される評価方法を 示した。 〔観察〕・・・・生徒の発言やつぶやき、机間指導等を通じて捉えた生徒の学習への取組、ノートの 記述などに基づいて評価する。 〔ノート〕・・・生徒のノートやワークシート、レポート等を授業後に回収し点検して評価する。 小単元等 授業時間数 1 二次方程式 2時間 16時間 2 平方根の考えを使った解き方 3時間 3 二次方程式の解の公式 3時間 4 因数分解による解き方 1時間 5 いろいろな二次方程式 2時間 6 二次方程式の利用 3時間(本時3/3) 5 単元のまとめ 2時間 時 間 ねらい 学習活動 評価規準・評価の方法 数 学 へ の 関 心・意欲・態 度 数学的な見方 や考え方 数学的な技能 数量や図形な どについての 知識・理解 1 小単元6 具体的な問題 を二次方程式 を活用して解 決することが できる。 具 体 的 な 問 題 の 解 決 に 方 程 式 が よ り 広 く 活 用 で き る こ とを知ったり、数量 の 関 係 を 捉 え 二 次 方 程 式 を つ く り 解 いて、解の吟味をし たりする。 ◎二次方程式 を活用するこ とに関心をも ち、問題の解 決に生かそう としている。 〔観察、ノー ト〕 ○具体的な事 象の中の数量 の 関 係 を 捉 え、二次方程 式をつくるこ とができる。 〔観察〕 ○問題の中の 数量やその関 係を文字を用 い た 式 で 表 し、それを基 にしてつくっ た二次方程式 を解くことが で き る 。〔 観 察〕 2 面 積 や 体 積 の 性 質 について、二次方程 式 や 解 の 公 式 を 用 い て 問 題 を 解 決 す る。 ○求めた解や 解 決 の 方 法 が 適 切 で あ る か ど う か を 振 り 返 っ て、論理的に 説 明 す る こ とができる。 〔観察〕 ◎二次方程式 を活用して問 題を解決する 手順を理解し ている。〔小テ スト〕 3 図 形 の 問 題 に つ い て、条件変えをした 問 題 を 発 展 的 に 考 え、既習の考えをも とにして解決する。 (本時) ○条件変えし た問題を既習 の考え方を基 にして解決す ることができ る。〔観察〕
4 5 本時の指導 (1)本時のねらい ① 求めた解や解決の方法が適切であるかどうかを振り返って、論理的に説明することができる。 (数学的な見方や考え方) ② 条件変えした問題を既習の考え方(課題1の考え方)を基にして解決することができる。 (数学的な技能) (2)本時の展開 ※教科研究主題との関連 学習活動・生徒の反応 ○指導上の留意点 ●評価 ■指導の手立て 1 問題場面を提示する。 2 問題を解決する。 ・AP が1cm のとき,DQ も1cm になるから, AQ は5cm になるはず。 ・面積は (2.5) 2 5 2 1 ) 1 6 ( 1 になる。(※) ・2,3,・・・も同じように求めると,次のよ うに整理できる。 点P が動いた長さ 1 2 3 4 5 6 △APQ の面積 2.5 4 4.5 4 2.5 0 3 △APQ の面積が3cm2になるのは、点P が A から何 cm 動いたときか考える。 ・1cm と2cm の間でなりそう。(4cm と5cm でもなりそう) ・2回なるかも 4 課題1を設定する。 5 課題を理解し,解決の見通しをもつ。 ・AP の長さをxとおいて,方程式をつくって解 けば問題解決できそうだ。 ・AP の長さをxとすると、DQ もxになるから, AQ は6xと表せるはず。 ・面積を使って方程式がつくれそうだ。 6 二次方程式をつくり,課題を解決する。 ・AP=xとすると、△APQ の面積は3cm2 だから, 3 2 1 ) 6 ( x x となる。 ○問題を黒板に提示する。 ○生徒には、ワークシートを配布する。 ○問題の状況がうまくつかめない生徒には,コンピ ュータのシミュレーションなどを使って問題場面 を把握させる。 ○問題の解決においては,1cm や 2cm の場合の図を 図示するなどして,面積の変化を捉えさせる。 ○面積を求める計算式は,方程式を立てる手立てに なるので,数のルーツが分かるように表現する。 ○面積の表をつくることにより,変化の様子を関数 的な見方で考察することも大切にしたい。 ○面積が3cm2になるのは,表から2回あることを押 さえておき,解の吟味に活用できるようにする。 ○解決の見通しをもたせられるように生徒と十分な やりとりをする。 ○(※)の式をもとにして,方程式を立てられないか考 えさせる。 ○できるだけ,解の公式と平方完成の考え方両方を 取り上げる。 課題1 △APQ の面積が3cm2になるのは、点P が A から何 cm 動いたときか求めてみよう。 問題 右の図のような正方形ABCD で,点 P は A を 出発してAB 上を B まで動きます。 また,点Q は,点 P が A を出発するのと同時に D を出発し,P と同じ速さで DA 上を A まで 動きます。 点P が A から1cm,2cm,・・・,6cm 動いた ときの△APQ の面積を求めてみよう。
5 これを解くと,
x
(
6
x
)
6
0 6 6 2 x x x2 6x60 解の公式(平方完成)を使うと,x3 3 ・近似値を用いて,解の吟味をする。 73 . 1 3 とすれば、3 331.734.73 3 331.731.27 になるから,予想の通り2回ある。 答え.(
3
3
)
cm 7 問題の条件を変え、課題を発展させる。 ・全部で5パターン 8 点 P や点 Q のスタート場所を変えた課題2 を設定する。 9 課題2を解決する。 ・台形ABCQ の面積で考えると, 3 2 1 ) 6 ( 2 1 6 2 1 6 ) 6 (x x x x よって,x2 6x300 これを解くと, ○xの変域を意識させ,近似値を利用して吟味させ る。その祭、表と予想を振り返りながら,論理的 に説明させる。 ●二次方程式の解が題意に適するかどうか論理的に 説明することができる。 <見・考>(ワークシート・発表) ■なぜ(
3
3
)
を答えとしてよいのか問いかけ、近似 値での計算による解の吟味を促す。 できるようにさせる。 ☆条件変えによる問題づくりによっ て生徒の関心を引き出し,学習内 容の定着を図る。 ○考え得るすべての場合について,検討し,発表さ せる。 ○課題1からの難易度を考慮して,条件変えの図を 選択し、課題2を設定していく。 ・課題2の解決においては,台形ABCQ の面積に着 目させ,課題1の考え方(面積を2通りで表して方 程式を立てる)を活用させる。 ☆なぜ解けないのか,問題解決過程を振り返って検 証し,△APQ の面積の値に着目させる。 点P,Q の動く向きは変えずに,出発点を変えるとしたら,どんな場合が考えられますか。 課題2 右の図のような正方形 ABCD で,点 P は B を 出発してBC 上を C まで動きます。 また,点Q は,点 P が B を出発するのと同時に C を出発し,P と同じ速さで CD 上を D まで 動きます。 △APQ の面積が3cm2になるのは,点P が B から何cm 動いたときか求めよう。 6 の中が負になり解けない。 10 △APQ の面積の値を検討する。 ・正方形の半分より小さそうだから16。 ・1cm,2cm、・・・6cm の表をつくって面積 を調べてみる。 11 生徒とのやりとりから,数値を設定し、課 題を解決する。 ・(例:16 の場合) 16 2 1 ) 6 ( 2 1 6 2 1 6 ) 6 (x x x x よって x2 6x40 解の公式(平方完成)を使うと,x3 5 23 . 2 5 とれば、3 5 32.235.23 3 532.230.77 になるので, 答え.
(
3
5
)
cm 12 他の条件変えについて,各自で新たな問題 を設定し,レポートにまとめる。 ・他の4パターンについて考える。 ・点P,Q の動く向きを変えた場合について考 える。 ・もとの正方形を変形した場合について考え る。 など 13 まとめをする。 ・面積に着目すれば(視点をもつ),条件変えし た問題も解決することができる。 ・答えが問題の条件に合わないこともあるの で,解の吟味が大切である。 14 授業を振り返り、学習感想を記入する。 ・学習感想カードに記入する。 ○課題1の設定場面を振り返りつつ,△APQ の面積 の変化を捉えさせ,問題設定として適切な数値を 検討していく。 ●既習の考え方をもとにして,条件変えをした問題 を解決することができる。<技>(ワークシート・ 発表) ■板書やノートの課題1の解決方法(プロセス)を振 り返らせながら、台形の面積に着目させる。 ●二次方程式の解が題意に適するかどうか論理的に 説明することができる。 <見・考>(ワークシート・発表) ■課題1の解の吟味の方法を振り返らせる。 ☆条件を変えることによって,問題の題意に合う答 えが求められないこともあることから,解の吟味 の必要性や適切に仮定(数値)を設定することの重 要性を再確認する。 ○板書内容を振り返りながら考え方、表現の方法な どを確認し、それらを基に学習感想カードに記入 させる。 ○ワークシート、学習感想を集め、評価する。7 (3)板書計画 問題 右の図のような正方形ABCD で,点 P は A を 出発してAB 上を B まで動きます。 また,点Q は,点 P が A を出発するのと同時に D を出発し,P と同じ速さで DA 上を A まで 動きます。 点P が A から1cm,2cm,・・・,6cm 動いた ときの△APQ の面積を求めてみよう。 ・AP が2cm のとき,DQ も2cm になる。AQ は4cm。 ・面積は 2 2 1 ) 2 6 ( 2 になる。 点P が動いた長さ 1 2 3 4 5 6 △APQ の面積 2.5 4 4.5 4 2.5 0
面積が3cm
2になる場合はあるか? 2回ありそう!
課題1 △APQ の面積が3cm2になるのは、点P が A から 何cm 動いたときか求めてみよう。二次方程式を活用して、図形(動く点)の問題を解決しよう
※タイトルは最後につける。
・AP の長さをxとおいて,方程式をつくる。 ・AP=xとすると、DQ=x,AQ=6xと表せる。 ・面積を使って方程式がつくれそうだ。 (解答) △APQ の面積は3cm2だから, 3 2 1 ) 6 ( x x 0 6 6 2 x x よってx3 3 73 . 1 3 とれば、3 331.734.73 3 331.731.27 答え(3 3)cm点 P,Q の動く向きを変えずに、出発点を変えると
したらどんな場合が考えられるか?
課題2 右の図のような正方形 ABCD で,点 P は B を 出発してBC 上を C まで動きます。 また,点Q は,点 P が B を出発するのと同時に C を出発し,P と同じ速さで CD 上を D まで 動きます。 16 △APQ の面積が3cm2になるのは,点P が B から何cm 動いたときか求めよう。 台形ABCQ の面積をつかって考える。 16 2 1 ) 6 ( 2 1 6 2 1 6 ) 6 (x x x x よって x2 6x40 x3 5 23 . 2 5 とすれば、3 532.235.23 3 532.230.77 答え.(
3
5
)
cm・面積に着目すれば,二次方程式を活用して問題解決することができる。
・答えが問題の条件に合わないこともあるので,解の吟味が大切である。
8 <実際の授業の板書>(第1時)