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チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮 ryo.yama

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2013~20年度

中期経済見通し

2013年10月25日

【日本経済中期見通しの概要】

<2014年度まで> ○消費税率引き上げを前にした駆け込み需要が発生する2013年度の実質 GDPは+2.9%の高成長。消費税率引き上げの影響で2014年度成長率 は+0.9%に低下。コアCPI(生鮮食品を除く総合消費者物価指数) 前年比は2013年度+0.6%、2014年度+2.5%(消費税率引き上げの影 響を除くと+0.4%)にとどまる見通し。 <2015~2020年度> ○金融緩和と成長戦略が相乗効果を上げ、設備投資の活性化による企業 の生産性・競争力向上、女性の労働参加率上昇による人口減の悪影響 緩和に成功すれば、中期的に成長率・インフレ率が高まっていく見通 し。特に、消費税率引き上げの影響が一巡する2016年度以降、期待成 長率・期待インフレ率は上がりやすくなると予測。2018年度以降の実 質GDP成長率は2%超、名目GDPも2019年度以降は3%成長を実現 する見込み。 ○インフレ率(コアCPI前年比)は徐々に高まり、2020年度に2%に到 達する見通し。

【世界経済・金融市場中期見通しの概要】

○2013年から2020年までの世界経済は、先進国経済が緩やかに持ち直す 一方、新興国のけん引力はやや低下した状態が続く見通し。世界経済 成長率は2%台にとどまる2013年から緩やかに加速し、予測期間後半は 3.5%前後の安定成長局面になると予測。 ○米国の金融引き締めが先行する2016年ごろまで為替(円ドル)レート は円安傾向で推移する見通し。日本の成長率・インフレ率の回復を受 けて日銀が量的緩和縮小を検討し始めるとみられる2017年ごろからは 円高方向に転換する見込み。国内の長期金利は中期的に上昇するが、 緩和的な金融政策の継続により上昇ペースは緩やかであると予測。

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チーフエコノミスト:高田 創 [経済予測チーム] 山本康雄(全体総括) 03-3591-1243 [email protected] ・米国経済 小野 亮 03-3591-1219 [email protected] 山崎 亮 03-3591-1289 [email protected] ・欧州経済 中村正嗣 03-3591-1265 [email protected] 松本 惇 03-3591-1199 [email protected] ・アジア経済 稲垣博史(総括) 03-3591-1379 [email protected] 伊藤信悟(中国) 03-3591-1378 [email protected] ・日本経済 徳田秀信(物価) 03-3591-1298 [email protected] 大和香織(外需・住宅) 03-3591-1284 [email protected] 千野珠衣(政府) 03-3591-1294 [email protected] 風間春香(企業) 03-3591-1418 [email protected] 坂中弥生(企業) 03-3591-1242 [email protected] 齋藤 周(雇用・消費) 03-3591-1283 [email protected] 中村拓真(外需) 03-3591-1414 [email protected] ・原油 井上 淳 03-3591-1197 [email protected] ・金融市場総括 武内浩二 03-3591-1244 [email protected] ●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではあり ません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確 性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されるこ ともあります。

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Ⅰ.日本経済の中期見通し(2013~2020年度)

(1) 2014 年度までの日本経済見通し

2013 年度の日本経済は高成 長 2013 年1~3 月期、4~6 月期の実質GDP成長率がいずれも前期比年率+3% を超えるなど、2013 年に入ってからの日本経済は回復力を強めている。今年 1 月に策定された緊急経済対策効果による公共投資増、株価・消費者マインドの 回復を背景とした個人消費拡大、企業業績の改善に伴う設備投資の持ち直し、 円安を追い風にした輸出回復が重なり、民間需要・公的需要・外需がそろって 拡大する好循環が生まれている。 2013 年度後半(2013 年 10~12 月期、2014 年 1~3 月期)は、消費税率引き 上げ前の駆け込み需要が国内需要を押し上げるとみられる。みずほ総合研究所 では 2013 年度中の駆け込み需要の規模を個人消費と住宅投資を合わせて 3 兆 円弱(GDP比 0.6%程度)と見積もっている。為替(円ドルレート)が 100 円/ドル近傍の円安水準で推移する中、輸出も増勢を維持すると予想される。 輸出・生産・企業収益の増加とともに、設備投資も年度後半にかけて増勢を強 める見通しである。その結果、2013 年度の実質GDP成長率は+2.9%の高成 長になると予測している(次ページ図表 1)。 消 費 税 率 引 き 上 げ 直 後 は マイナス成長となるが、景 気後退は回避 消費税率が 8%に引き上げられた直後の 2014 年 4~6 月期は、駆け込み需要 の反動が生じること、家計の実質所得が目減りすることにより、大幅なマイナ ス成長が避けられない。それでも、円安・海外景気回復を背景とした輸出増、 企業収益の改善に支えられた設備投資回復が続くことが支えとなり、景気後退 に陥る可能性は低い。駆け込み需要の反動による落ち込みから個人消費・住宅 投資が徐々に持ち直していく中で、7~9 月期以降の日本経済は緩やかな景気 回復軌道に戻ると予測している。 安倍首相は 10 月 1 日、5 兆円規模の経済対策を実施することを表明した。 現時点では内訳が不明な部分もあるが、消費税率引き上げ後の景気の落ち込み をある程度緩和する効果を持つとみられる。本見通しではこの経済対策の効果 を織り込み、2014 年度の実質GDP成長率を+0.9%と 9 月時点の予測である +0.7%から上方修正した。 2014 年度のコアCPI前年 比(消費税率引き上げの影響 を除く)は 2%に届かない見 通し コアCPI(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)の前年比は、2013 年 9 月時点で前年比+0.7%に高まっている。しかし、これは円安・原油高を受け たガソリン価格の上振れ、電気料金値上げなどを背景としたエネルギー価格上 昇によるところが大きい。2013 年度中はエネルギー価格による押し上げに加 え、高成長が続く中でGDPギャップのマイナス幅が縮小するため、米国基準 コアCPI(食料及びエネルギーを除く総合消費者物価指数)の低下にも歯止 めがかかるとみられる。2013 年度後半のコアCPI前年比は 1%近傍で推移 し、2013 年度通年のコアCPIは前年比+0.6%と予測している(次ページ図 表 2)。 しかし、2014 年度は、駆け込み需要の反動に伴う内需減少の影響でGDP ギャップのマイナス幅が 4~6 月期に拡大し、その後もマイナス圏での推移が

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見込まれる。企業が値引きによってシェアを確保する動きも出やすくなり、物 価は上がりにくくなることが予想される。エジプト・シリア情勢の緊迫を受け て上昇していた原油価格が徐々に落ち着いていくこと、電気代値上げの影響が 一巡することからエネルギーの寄与も低下し、消費税率引き上げの影響を除い た 2014 年度のコアCPI前年比は+0.4%(消費税率引き上げの影響を含むベ ースでは+2.5%)と 2013 年度の+0.6%より低下し、日銀が目標としている 「2 年で 2%」には届かないであろう。 図表 1 日本GDP短期予測総括表 2011 2012 2013 2014 2015 年度 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 実質GDP 前期比、% 0.3 1.2 2.9 0.9 0.3 1.0 0.9 0.7 0.9 1.1 ▲ 1.3 0.7 0.4 0.4 前期比年率、% -- -- -- -- 1.1 4.1 3.8 2.9 3.4 4.7 ▲ 5.1 2.8 1.4 1.4 内需 前期比、% 1.3 1.9 2.6 0.2 0.3 0.6 0.7 0.8 0.8 1.1 ▲ 1.7 0.4 0.1 0.1 民需 前期比、% 1.4 1.2 2.3 ▲ 0.2 0.1 0.7 0.6 0.7 0.9 1.3 ▲ 2.4 0.4 0.4 0.5 個人消費 前期比、% 1.6 1.6 2.6 ▲ 1.3 0.5 0.8 0.7 0.3 0.7 1.8 ▲ 3.6 0.5 0.2 0.2 住宅投資 前期比、% 3.7 5.3 7.8 ▲ 6.2 3.6 1.9 ▲ 0.3 4.5 3.6 ▲ 3.8 ▲ 8.2 1.1 2.0 1.9 設備投資 前期比、% 4.1 ▲ 1.4 2.5 3.9 ▲ 1.2 ▲ 0.0 1.3 1.7 1.8 1.2 1.0 0.3 0.6 0.7 在庫投資前期比寄与度、%Pt ▲ 0.5 ▲ 0.1 ▲ 0.3 0.3 ▲ 0.2 ▲ 0.0 ▲ 0.2 0.0 ▲ 0.1 ▲ 0.1 0.4 ▲ 0.1 0.0 0.1 公需 前期比、% 0.9 4.3 3.3 1.4 1.1 0.3 1.2 0.8 0.6 0.5 0.7 0.5 ▲ 0.8 ▲ 0.8 政府消費 前期比、% 1.4 2.1 1.8 1.7 0.6 0.0 0.7 0.4 0.4 0.4 0.3 0.5 0.5 0.5 公共投資 前期比、% ▲ 2.2 15.0 9.9 ▲ 0.6 3.2 1.4 3.0 2.6 1.6 0.9 2.1 0.9 ▲ 5.8 ▲ 6.3 外需 前期比寄与度、%Pt ▲ 1.0 ▲ 0.8 0.2 0.7 ▲ 0.1 0.4 0.2 ▲ 0.1 ▲ 0.0 0.0 0.4 0.3 0.2 0.2 輸出 前期比、% ▲ 1.6 ▲ 1.2 4.8 6.0 ▲ 2.7 4.0 3.0 0.8 1.0 1.0 1.7 1.5 2.1 2.1 輸入 前期比、% 5.3 3.8 3.0 1.5 ▲ 2.0 1.0 1.5 1.2 1.0 0.8 ▲ 0.4 ▲ 0.2 0.8 1.0 名目GDP 前期比、% ▲ 1.4 0.3 2.5 2.1 0.1 0.6 0.9 1.1 0.2 1.1 ▲ 0.2 1.4 0.2 ▲ 0.2 GDPデフレーター 前年比、% ▲ 1.7 ▲ 0.9 ▲ 0.3 1.2 ▲ 0.7 ▲ 1.1 ▲ 0.5 ▲ 0.2 ▲ 0.6 ▲ 0.1 0.7 1.2 1.6 1.2 内需デフレーター 前年比、% ▲ 0.5 ▲ 0.8 ▲ 0.1 1.0 ▲ 0.8 ▲ 0.8 ▲ 0.3 0.2 ▲ 0.1 ▲ 0.1 0.7 1.1 1.1 1.1 (注)網掛けは予測値 (資料)内閣府「四半期別GDP速報」よりみずほ総合研究所作成 2014 2013 2012 図表 2 日本主要経済指標短期予測総括表 2011 2012 2013 2014 2015 年度 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 鉱工業生産 前期比、% ▲ 0.7 ▲ 2.9 3.1 1.5 ▲ 1.9 0.6 1.5 2.2 1.8 1.6 ▲ 1.5 ▲ 0.4 0.8 1.2 経常利益 前年比、% ▲ 2.0 8.1 14.2 1.9 5.9 5.6 21.5 19.4 13.4 4.8 ▲ 3.9 1.3 7.4 3.1 名目雇用者報酬 前年比、% 0.6 ▲ 0.3 0.8 0.7 ▲ 0.7 ▲ 0.0 1.1 0.3 0.9 0.6 0.8 0.7 0.7 0.6 完全失業率 % 4.5 4.3 3.9 3.7 4.2 4.2 4.0 3.9 3.8 3.7 3.7 3.8 3.7 3.6 新設住宅着工戸数 年率換算、万戸 84.1 89.3 97.7 90.0 91.8 90.4 98.1 100.1 99.5 92.3 88.0 89.2 90.5 93.1 経常収支 年率換算、兆円 7.6 4.4 5.1 11.0 4.3 3.1 8.9 4.5 4.9 3.5 11.0 9.6 13.3 11.3 国内企業物価 前年比、% 1.4 ▲ 1.1 1.8 3.4 ▲ 0.9 ▲ 0.3 0.7 2.2 2.4 2.0 3.2 3.4 3.4 3.6 消費者物価 前年比、% 0.0 ▲ 0.2 0.6 2.5 ▲ 0.1 ▲ 0.3 0.0 0.7 0.9 0.9 2.8 2.4 2.4 2.5 無担保コール翌日物金利 % 0.08 0.060~0.10 0~0.10 0.08 0.06 0.07 0.060~0.10 0~0.10 0~0.10 0~0.10 0~0.10 0~0.10 新発10年国債利回り % 1.05 0.78 0.75 0.86 0.75 0.70 0.73 0.77 0.70 0.80 0.75 0.80 0.90 1.00 日経平均株価 円 9,181 9,650 14,500 15,500 9,234 11,444 13,621 14,139 14,700 15,400 14,800 15,300 15,800 16,100 対ドル為替相場 円/ドル 79.0 83.0 99.0 103.0 81.0 92.0 99.0 99.0 98.0 99.0 101.0 102.0 103.0 104.0 WTI原油先物最期近物 ドル/バレル 97.0 92.0 99.0 96.0 88.0 94.0 94.0 106.0 100.0 96.0 96.0 96.0 97.0 96.0 (注1)網掛けは予測値。実数データより変化率を計算しているため、公表値と一致しないことがある (注2)経常利益は法人企業統計の全規模・全産業ベース(金融・保険、電気業を除く) (注3)消費者物価は生鮮食品を除く総合(2010年基準) (注4)完全失業率、新設住宅着工戸数、経常収支の四半期は季節調整値 (注5)金融関連の指標について、無担保コール翌日物金利は期末値、新発10年国債利回りは月末値の期中平均値、その他は期中平均値 (資料)内閣府「四半期別GDP速報」、経済産業省「鉱工業指数」、財務省「法人企業統計季報」、総務省「労働力調査」、「消費者物価指数」、 国土交通省「建築着工統計調査報告」、日本銀行「国際収支」、「企業物価指数」、「金融経済統計月報」、「外国為替相場」、 日本相互証券㈱「主要レート推移」、日本経済新聞、Bloomberg、よりみずほ総合研究所作成 2013 2012 2014

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(2) 2015~2020 年度の日本経済見通し

金融緩和と成長戦略の相乗 効果に期待 前節で述べた通り「2 年で 2%」のインフレ目標は達成できない可能性が高 いが、それだけでアベノミクス全体が失敗したと悲観する必要はない。中長期 的にはアベノミクスが功を奏してデフレ脱却を実現できる可能性は十分にあ る。その条件は、「大胆な金融緩和」と「民間投資を喚起する成長戦略」が相 乗効果を上げることだ。金融緩和の強化は円安・株高を通じて輸出・個人消費 の短期的な回復をもたらしたが、企業の設備投資や家計の所得が本格的に回復 するには至っていない。それには緩和的な金融環境を維持しながら成長戦略を 着実に実行し、企業・家計の期待成長率・期待所得を向上させることが必要に なろう。 期待成長率と設備投資の回 復がアベノミクス成功のカ ギ 2013 年 6 月に閣議決定された日本再興戦略は、投資活性化を通じて産業競 争力を向上させ、内外需要を獲得していくことを目指している。10 月には 5 兆円規模の経済対策に設備投資減税(約 0.7 兆円)を盛り込むことが発表され たほか、復興特別法人税の 1 年前倒し廃止や法人税率の引き下げを今後の検討 事項とするなど、投資活性化のための政策が打たれつつある。地域を限定して 規制改革を先行的に実施する国家戦略特区についての議論も進んでいる。こう した施策が効果を上げれば、期待成長率の上昇とともに長期にわたって低下傾 向にあった企業の投資性向(設備投資/キャッシュフロー)も上昇に転じるこ とが期待される(図表 3)。法人税減税・規制改革は中長期的な企業活動の活 性化につながり、期待成長率及び投資性向の上昇をもたらすだろう。 ただし、消費税率引き上げの影響を見極めるまで、設備投資行動には慎重 さが残ることが想定される。本見通しでは 2014 年 4 月の 8%への消費税率引 き上げに続き、2015 年 10 月の 10%への引き上げも予定通りに実施されること を前提にしている。二度の消費税率引き上げを乗り越え、景気拡大が続くとの 見通しが描けるようになる 2016 年度以降に設備投資の伸びはさらに加速する と予測している(図表 4)。政府は設備投資を当面 3 年間(2015 年度まで)に 70 兆円以上にする目標を掲げているが、これは 1 年遅れの 2016 年度に達成さ 図表 3 期待成長率と投資性向 図表 4 実質設備投資増加率(5年平均) 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 (%) (年度) 予測 (%) 投資性向(左目盛) 期待成長率(右目盛) (注)キャッシュフロー=経常利益×0.5+減価償却費   投資性向=設備投資/キャッシュフロー 期待成長率は業界需要成長率見通し(今後5年間) (資料)財務省「法人企業統計」、内閣府「企業行動に関するアンケート調査」より     みずほ総合研究所作成 7.6 13.0 2.3 4.7 ▲ 1.6 0.9 ▲ 4.2 0.5 ▲6 ▲4 ▲2 0 2 4 6 8 10 12 14 80-85 85-90 90-95 95-00 00-05 05-10 10-15 15-20 (年平均%) (年度) 予測 (資料)内閣府「国民経済計算」より、みずほ総合研究所作成

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れる見込みである。その前提として、政府には法人税減税・規制改革な ど企業活動の活性化策を継続し、投資の阻害要因を着実に取り除いて いくことが求められる。特に、安価で安定的なエネルギー供給体制を早期に 実現することは重要であろう。本見通しは再生可能エネルギーの利用拡大、安 全の確認された原子力発電所の再稼動により電力不足は成長抑制要因になら ないとの前提に立っているが、将来の電力供給体制に不安を残したままでは、 国内の投資活性化はおぼつかない。 労働生産性上昇がもたらす 持続的な賃金増 企業の投資活性化は、賃金デフレを終息させる重要なファクターでもある。 日本では 1990 年代末からのデフレ期を通じて名目賃金の低下傾向が続き、 2013 年度時点でも明確な上昇の兆候は現われていない。安倍政権は政労使協 議の場などで企業に賃上げを働きかけるほか、最低賃金の引き上げ幅を拡大す るなど、賃金増に向けた諸施策を講じている。しかし、持続的な賃金増を実現 するには企業の競争力・生産性向上が不可欠である。それには研究開発投資や ベンチャー投資も含めた広い意味での投資を活性化させることにより、成長性 の高い企業が増え、競争力のある製品・サービスを生み出すような新陳代謝が 常に働く経済・産業構造を構築することが必要になる。 本見通しでは、2016 年度以降に設備投資の回復が本格化することを受けて、 労働生産性上昇率が高まり、これまで低迷していた実質賃金(時間当たり)の 伸びが 2020 年度にかけて 1%程度まで高まると予測した(図表 5)。また、 景気回復と少子高齢化・人口減少の影響で労働需給は徐々にひっ迫していくこ とが予想される。現在 4%前後の失業率は、2020 年度までに 2%台後半まで低 下すると予測している(図表 6)。名目賃金の伸びは予測期間の終盤にかけて 3%程度まで高まる見通しである。 予測期間中の個人消費(実質)については、消費税率引き上げの影響が残る 2015・2016 年度は+1%前後の伸びにとどまるとみられる。賃金の回復による 所得環境の改善を受けてその後は徐々に伸びを高め、2018~2020 年度の個人 消費は前年比+1.7~+1.8%程度の伸びが見込まれる。 図表 5 実質賃金と労働生産性 図表 6 名目賃金と失業率 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 80 85 90 95 00 05 10 15 20 (前年比、%) 時間当たり実質賃金 労働生産性 予測 (年度) (注)労働生産性は潜在GDP/潜在労働投入量。実質賃金 は消費者物価(消費増税の影響を除く)により実質化 (資料)厚生労働省「毎月勤労統計」、内閣府「国民経済計      算」などよりみずほ総合研究所作成 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 80 85 90 95 00 05 10 15 20 0 1 2 3 4 5 6 (前年比、%) (%) 名目賃金 (左目盛) 失業率 (右・逆目盛) 予測 (年度) (資料)厚生労働省「毎月勤労統計」、総務省「労働力      調査」よりみずほ総合研究所作成

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成長目標の達成には、労働投 入量の維持も不可欠 投資活性化・生産性上昇に加え、労働投入量の確保も日本再興戦略が目指 す実質 2%の成長目標を実現する上では重要な課題となる。団塊の世代(1947 ~1949 年生まれ)が 65 歳を超え、20~64 歳以上人口の減少ペースは足元で速 まっている。就業率(就業者数/生産年齢人口)が現在の水準のままだと、予 測期間中の就業者数は減少を免れない。 就業率の上昇により、労働 投 入 量 の 減 少 幅 を 抑 制 す ることは可能 日本再興戦略は、保育所の充実など育児をしながら働き続けられる環境を 整えることにより、女性の労働参加率を上げることを企図している。さらに、 求人・求職のマッチング強化などが若者の就労支援策として挙げられ、これら の施策により、20~64 歳の就業率を現状(2012 年時点)の約 75%から 2020 年までに 5%引き上げる目標を示している(図表 7)。仮に 5%の就業率上昇に 成功すると、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口に基づく 2020 年 時点の 20~64 歳人口に就業率 80%を乗じた就業者数は 5,442 万人となり、 2012 年 5,594 万人から約 150 万人減少(年平均減少率は約 0.1%)する計算に なる。その減少分は、65 歳以上の就業者数増によりある程度カバーすること が可能であろう。 労働投入量(就業者数×労働時間)は、就業率が現在の水準で推移する自 然体ケースでは 2012~2020 年度の間に年平均 0.8%のペースで減少すると試 算される(図表 8)。成長戦略が奏功すれば、この間の労働投入量はほぼ 2012 年度の水準を維持できる計算になり、本見通しはこの成長戦略成功ケースを前 提としている。 長期的には少子化対策、移 民政策も重要に ただし、就業率 80%は過去にない水準であり、達成へのハードルは高い。 女性・若者の就労支援策を前倒しで充実させていく必要がある。また、2020 年度までという期間でみれば、就業率の上昇で労働投入量の減少を抑制するこ とができても、その先さらなる就業率の上昇は見込みにくい。より長期の視点 からは、少子化対策を強化することに加え、移民受入れを増やすことも検討す る必要があろう。 図表 7 就業率と就業者数(20~64歳) 図表 8 労働投入量 5,200 5,300 5,400 5,500 5,600 5,700 5,800 5,900 6,000 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20 50 55 60 65 70 75 80 85 20~64歳就業者数 就業率(右目盛) (万人) (%) 75% 80% 5,594 万人 5,442 万人 (年) 政府目標値 (注)2020年の就業者数は、「将来推計人口」の20~64歳人口に政府目標の    就業率80%を乗じて算出 (資料)総務省「労働力調査」、国立社会保障・人口問題研究所「将来推計     人口」などよりみずほ総合研究所作成 80 85 90 95 100 105 110 115 1980 85 90 95 00 05 10 15 20 自然体 成長戦略成功ケース (1980年度=100) (年度) 予測 (注)労働投入量=就業者数×労働時間    自然体ケースは、就業率が現状レベルで推移した場合    成長戦略成功ケースは、就業率の上昇に成功した場合 (資料)総務省「労働力調査」などよりみずほ総合研究所作成

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予測期間中の輸出は緩やか に増加 2015~2020 年度の海外経済については、年 3.5%前後での安定成長局面が 続くと予測している(図表 9、詳細は「Ⅱ.世界経済の中期見通し概要」で後 述)。また、その間の為替(円ドル)レートは 100~110 円/ドル程度の円安水 準で推移するとみられる(詳細は「Ⅲ.金融市場の中期見通し概要」で後述)。 リーマン・ショックの発生した 2008 年 9 月から 2012 年まで、欧米を中心とす る海外経済の低迷、円高という日本の輸出にとって厳しい条件が重なっていた が、2020 年度までは比較的良好な輸出環境が想定される。 ただし、海外経済の成長率が 4~5%台に高まっていた 2004~2007 年度ほど まで輸出環境が改善することは見込みにくい。当時の欧米経済は住宅・不動 産・株式などの資産価格上昇により成長率がかさ上げされていたほか、中国が 2 ケタ成長を続けるなど、新興国の成長率も全般に高かった。2015~2020 年度 は欧米経済がリーマン・ショック後の調整から持ち直す一方、中国経済の減速 が続くなど新興国の成長ペースはやや落ち着いたものとなろう。 こうした条件のもと、2015~2020 年度にかけて日本の輸出(実質)は、年 4~6%程度のペースで緩やかに増加すると予測している。 経常収支黒字は所得収支を 中心に拡大 リーマン・ショック後の輸出低迷、東日本大震災後の原子力発電所停止に 伴う燃料輸入の増加などによって貿易収支が赤字に転じたことから、2012 年 度の経常黒字は 4.4 兆円まで縮小した(図表 10)。 経常収支黒字は 2013 年度も 5 兆円程度と低水準にとどまるが、2014 年度以 降は拡大が顕著になり、2020 年度時点で 20 兆円強まで水準が高まると予測し ている。海外経済の緩やかな拡大・円安に後押しされた輸出増により貿易収支 (国際収支統計ベース)は徐々に改善し、2016 年度に黒字に戻る見通しであ る。もっとも、貿易黒字は 2020 年度時点でも 3 兆円弱の水準にとどまるとみ られる。対外資産の増加と円安を背景に増加を続ける所得収支黒字が、経常黒 字拡大の主因となるであろう。 図表 9 海外経済成長率と輸出 図表 10 経常収支の見通し ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20 2000 05 10 15 20 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 6 7 予測 (前年比、%) (前年比、%) 日本の実質輸出 (左目盛) 世界経済成長率 (右目盛) (年度) (注)世界経済成長率の実績はIMFベース (資料)内閣府「国民経済計算」、IMF"World Economic Outlook" などより、みずほ総合研究所作成 18.2 4.4 24.5 11.0 16.3 19.1 21.9 ▲ 20 ▲ 10 0 10 20 30 40 50 04 06 08 10 12 14 16 18 20 貿易収支 サービス収支 所得収支 経常移転収支 経常収支 (兆円) 予測 (年度) (注)グラフ内数値は経常収支黒字額 (資料)日本銀行「国際収支統計」よりみずほ総合研究所作成

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公共投資は 2013 年度でピー クアウト 公共投資(公的固定資本形成)は、東日本大震災からの復興需要及び 2013 年 1 月の緊急経済対策の効果により、2012~2013 年度に高い伸びとなるが、 財政事情を踏まえると 2014 年度以降も予算を拡大し続けることは難しい。 2013 年度補正予算で公共事業費を追加することにより、2014 年度前半までは 公共投資の増加を維持できそうだが、その後は減少に転じるとみられる(図表 11)。年度ベースでみると、公共投資は 2013 年度にピークをつけ、2014・2015 年度は前年比減少、2016 年度以降はほぼ横ばいで推移する見通しである。 高齢化に伴う社会保障費の増大が続くため、政府消費(政府最終消費支出) は緩やかに増加するものの、公共投資がピークアウトするため、2014 年度以 降の公的需要(公共投資・政府消費・公的在庫品増加の合計)の伸びは低位に とどまるであろう。2014 年度以降、2012・2013 年度のように公的需要が景気 をけん引する局面が生じることは期待できそうもない。 プライマリーバランスを黒 字化するには一段の歳出削 減・増税が必要に 政府は基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字(GDP比)を 2010 年度の実績(▲6.6%)から 2015 年度までに半減、2020 年度までに黒字化す ることを財政再建の目標としている。本見通しでは予定通り 2014 年 4 月、2015 年 10 月に消費税率がそれぞれ 8%、10%に引き上げられることを前提として いるが、その場合、2015 年度のプライマリーバランス赤字半減目標は達成で きる見込みである。しかし、その後、追加の消費税率引き上げや社会保障費削 減(年金支給開始年齢の引き上げ等)などの歳出合理化策が講じられなければ、 2020 年度時点でもGDP比 2%程度のプライマリーバランス赤字が残存する とみられる(図表 12)。消費税の増税だけで黒字化を達成しようとすればさら に 4~5%の税率引き上げが必要になる計算だが、歳出合理化や所得税・法人 税の課税ベース拡大などを組み合わせ、受益と負担のあり方を総合的に見直し ていくことが必要であろう。 図表 11 公的需要の見通し 図表 12 プライマリーバランス ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 06 08 10 12 14 16 18 20 (前年比、%) 予測 実質公的需要 公的固定資本形成 政府最終消費支出 (年度) (注)棒グラフは折れ線グラフに対する寄与度(%ポイント) (資料)内閣府「国民経済計算」よりみずほ総合研究所作成 ▲ 2.0 ▲ 6.6 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 90 95 00 05 10 15 20 (対GDP比、%) (年度) 予測 基礎的財政収支 (プライマリーバランス) (注)SNA統計の一般政府(社会保障基金を除く)ベース。    政府の財政試算と同様、財政投融資特別会計等からの繰入等    は控除した。 (資料)内閣府「国民経済計算」、財務省資料などよりみずほ総合研      究所作成

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2018~2020 年度は実質2%成 長を実現 以上のような各セクターの見方に基づき、実質GDP成長率は 2015 年度以 降、徐々に高まっていくと予測している。特に消費税率引き上げの影響が一巡 した後の 2017 年度からは成長ペースが加速する見通しである。具体的には 2015 年度+1.6%、2016 年度+1.7%の後、2017 年度は+1.9%に加速し、2018 年度以降は 2%を超える成長が実現するであろう(次ページ図表 14)。 2%のインフレ目標に到達す るのは 2020 年度と予測 その結果、予測期間後半のGDPギャップ(潜在GDP比、みずほ総合研 究所による推計値)は安定的にプラス圏で推移するとみられる。インフレ率に ついても 2016 年度まで緩やかな上昇にとどまった後、2017 年度以降は賃金上 昇率とともに加速していく見通しである。GDPギャップとインフレ率の関係 を示すフィリップスカーブは、1990~2000 年代に下方シフトした直線から、 1980 年代に観察された直線に向かって上方シフトしていくと予測している (図表 13)。コアCPI前年比(消費税率引き上げの影響を除く)は、2016 年度まで 1%を下回って推移するものの、2017~2019 年度は 1%台に高まり、 2020 年度には 2%に到達するであろう(次ページ図表 15) 予測期間終盤に名目 3%成長 に到達するが、一人当たりG NI目標(150 万円増)の達 成は困難 実質GDP成長率、インフレ率の高まりにより、名目GDP成長率も 2016 年度以降は 2%を超えて推移(ただし、2016 年度は消費税引き上げの影響含む) し、2019~2020 年度には 3%に到達する見通しである。なお、日本再興戦略で は一人当たりGNI(国民総所得)を 10 年間で 150 万円増やすことも目標に 掲げられている。今回の中期見通しでは、2020 年度の一人当たりGNIは 481 万円と 2012 年度の 384 万円から 8 年間で 97 万円増加すると予測している。予 測期間前半の名目成長率が 3%を下回るため、一人当たり 150 万円増のGNI 目標達成は難しいであろう。 図表 13 GDPギャップとインフレ率(フィリップスカーブ) ▲ 1.0 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ▲ 6 ▲ 5 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 (GDPギャップ、%) 2013年度 2020年度 (コアCPI前年比、%) 1980年代のフィリップスカーブ 1990・2000年代の フィリップスカーブ (注)コアCPIは生鮮食品を除く総合消費者物価指数(消費税率引き上げの影響を除く)    GDPギャップ(潜在GDP比、%)は1年ラグ (資料)内閣府「国民経済計算」などよりみずほ総合研究所作成

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図表 14 日本GDP中期予測総括表 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 年度 実質GDP 0.3 1.2 2.9 0.9 1.6 1.7 1.9 2.3 2.3 2.3 内 需 1.3 1.9 2.6 0.2 1.0 1.1 1.7 2.0 2.1 2.1 民 需 1.4 1.2 2.3 ▲ 0.2 1.3 1.2 1.8 2.4 2.3 2.4 個 人 消 費 1.6 1.6 2.6 ▲ 1.3 1.0 0.7 1.4 1.7 1.8 1.8 住 宅 投 資 3.7 5.3 7.8 ▲ 6.2 ▲ 0.7 ▲ 0.3 0.9 0.6 0.8 0.6 設 備 投 資 4.1 ▲ 1.4 2.5 3.9 2.9 3.7 4.0 5.1 4.5 4.8 公 需 0.9 4.3 3.3 1.4 0.0 0.9 1.1 1.1 1.3 1.2 政 府 消 費 1.4 2.1 1.8 1.7 1.5 1.3 1.3 1.2 1.5 1.4 公 共 投 資 ▲ 2.2 15.0 9.9 ▲ 0.6 ▲ 6.0 ▲ 0.8 0.0 0.2 0.3 0.4 外 需(寄与度) ▲ 1.0 ▲ 0.8 0.2 0.7 0.6 0.4 0.2 0.2 0.2 0.2 輸 出 ▲ 1.6 ▲ 1.2 4.8 6.0 6.8 5.9 4.8 4.5 4.5 4.5 輸 入 5.3 3.8 3.0 1.5 3.3 3.3 3.7 3.5 3.6 3.6 名目GDP ▲ 1.4 0.3 2.5 2.1 1.9 2.0 2.1 2.7 3.0 3.2 GDPデフレーター ▲ 1.7 ▲ 0.9 ▲ 0.3 1.2 0.3 0.4 0.1 0.4 0.7 0.9 内需デフレーター ▲ 0.5 ▲ 0.8 ▲ 0.1 1.0 0.4 0.5 0.3 0.5 0.8 1.0 一人当たり名目GNI(万円) 382.0 384.4 396.0 405.3 414.1 423.9 434.4 448.1 463.7 481.3 +97万円 (注)単位は前年比(%)、網掛けは予測値 (資料)内閣府「国民経済計算確報」、国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」などより、みずほ総合研究所作成 図表 15 日本主要経済指標中期予測総括表 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 年度 GDPギャップ(%) ▲ 3.0 ▲ 2.8 ▲ 0.5 ▲ 0.4 0.1 0.5 1.0 1.8 2.6 3.3 コアCPI 0.0 ▲ 0.2 0.6 2.5 1.2 1.4 1.0 1.4 1.8 2.0 コアCPI(消費税の影響除く) 0.0 ▲ 0.2 0.6 0.4 0.5 0.7 1.0 1.4 1.8 2.0 鉱工業生産 ▲ 0.7 ▲ 2.9 3.1 1.5 2.8 2.0 2.6 2.5 2.5 2.5 経常利益 ▲ 2.0 8.1 14.2 1.9 3.5 4.3 5.5 5.5 5.5 5.5 就業率(%) 56.5 56.6 56.8 56.8 56.8 56.8 56.9 57.1 57.3 57.5 名目可処分所得 ▲ 0.3 ▲ 0.4 0.6 0.7 1.0 1.5 1.9 2.5 2.8 3.1 名目雇用者報酬 0.6 ▲ 0.3 0.8 0.7 1.4 1.8 2.4 2.9 3.3 3.6 雇用者数 ▲ 0.1 0.2 0.6 0.2 0.0 0.1 0.2 0.3 0.3 0.3 名目賃金 ▲ 0.3 ▲ 0.7 0.4 0.5 0.7 1.1 1.6 2.2 2.6 3.0 消費性向(%) 98.0 99.1 101.1 100.6 101.0 101.0 100.9 100.9 101.1 101.2 完全失業率(%) 4.5 4.3 3.9 3.7 3.5 3.4 3.3 3.1 3.0 2.9 新設住宅着工戸数(万戸) 84.1 89.3 97.7 90.0 88.7 88.1 88.6 89.0 89.4 89.8 政府債務残高(名目GDP比、%) 231.5 240.5 238.7 241.4 243.7 247.9 252.2 254.0 255.0 255.2 経常収支(名目GDP比、%) 1.6 0.9 1.1 2.2 2.7 3.2 3.4 3.5 3.7 3.8 (注)1. 単位は前年比(%)、網掛けは予測値    2. コアCPIは生鮮食品を除く総合消費者物価指数。経常利益は法人企業統計の全規模・全産業(金融・保険業及び電気業を除く)ベース (資料)内閣府「国民経済計算確報」、総務省「消費者物価指数」「労働力調査」、経済産業省「鉱工業指数」、財務省「法人企業統計」、     国土交通省「建築着工統計」、日本銀行「国際収支統計」などより、みずほ総合研究所作成

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Ⅱ.世界経済の中期見通し(2013~2020年)概要

世界経済成長率は 3%台半ば の安定成長局面へ 足元の世界経済をみると、先進国には上向きの動きがみられるが、新興国に やや停滞感が生じている。米国・ユーロ圏など主要先進国ではリーマン・ショ ック後の調整が進み、低迷期を脱しつつある。他方、中国など一部の新興国は、 これまでの過剰投資の是正を迫られている。 2013 年から 2020 年までは先進国経済が緩やかに持ち直す一方、新興国のけ ん引力はやや低下した状態が続くと予想される。世界経済成長率は、2%台に とどまる 2013 年から緩やかに加速し、予測期間後半は 3.5%前後で推移する 見通しである(図表 16)。欧米で住宅・不動産バブルが発生し、中国が 2 ケ タ成長を続けるなど新興国も全般に高成長となっていたリーマン・ショック前 の数年間(2004~2007 年度)には及ばないものの、緩やかな景気拡大が続く 安定成長局面となろう。 米国経済は、内需が堅調に拡大して 2%台半ば~後半の成長を維持する見通 しである。リーマン・ショック後の調整期を脱し、世界経済をけん引する力を 徐々に取り戻していくであろう。ユーロ圏は、ユーロ崩壊といった極端なリス クが生じる可能性が後退する中、南欧諸国の調整が進展することを受けて 2016 年以降は 1%台半ばの成長ペースを回復すると予測している。 一方、投資依存からの脱却を図る中国経済は、7%台から 6%台の成長へ減 速傾向が続くとみられる。NIEs(韓国・香港・台湾・シンガポール)は生産年 齢人口の伸びが鈍化することなどから予測期間終盤にかけて成長率が徐々に 低下していく見通しである。ASEAN5(タイ・マレーシア・インドネシア・フィ リピン・ベトナム)は総じて内需が堅調に推移する見通しだが、タイやベトナ ムで人口高齢化の影響が出始めるであろう。政権基盤の弱さによる改革停滞が 予想されるインド経済は、4~5%台の成長にとどまると予測している。 図表 16 世界経済中期予測総括表 (前年比、%) 暦年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 (実績) (実績) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) 世界実質GDP成長率 4.0 3.2 2.8 3.3 3.5 3.6 3.5 3.5 3.5 3.5 日米欧アジア計 3.9 3.4 2.9 3.3 3.6 3.7 3.6 3.6 3.6 3.5 日米ユーロ圏 1.4 1.4 0.9 1.6 1.9 2.1 2.0 2.1 2.1 2.1 米国 1.8 2.8 1.5 2.2 2.7 2.8 2.5 2.4 2.4 2.4 ユーロ圏 1.6 ▲ 0.6 ▲ 0.4 0.8 1.1 1.4 1.5 1.5 1.5 1.5 日本 ▲ 0.6 2.0 2.0 1.8 1.3 1.5 1.9 2.2 2.3 2.3 アジア 7.5 6.1 5.8 5.8 5.9 6.0 5.9 5.8 5.7 5.6 NIEs 4.1 1.7 2.3 3.0 3.3 3.2 3.1 3.0 2.8 2.7 ASEAN5 4.4 6.1 4.9 4.9 5.0 5.1 5.1 5.2 5.2 5.2 中国 9.3 7.7 7.4 7.2 7.0 7.1 6.9 6.7 6.5 6.3 インド 7.5 5.1 4.5 4.7 4.9 5.1 5.3 5.4 5.5 5.6 日本(年度) 0.3 1.2 2.9 0.9 1.6 1.7 1.9 2.3 2.3 2.3 (注) 日米欧アジア計はIMFによる2011年GDPシェア(PPP)により計算。

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Ⅲ.金融市場の中期見通し(2013~2020年)概要

米国の金融引き締めが先行 する 2016 年ごろまで対ドル での円安が続く見通し 2013 年 9 月にも始まるとみられた米国の量的緩和(QE3)縮小は、政府 債務上限問題を巡って議会が紛糾したことなどを受け、年内は実施が見送られ る可能性が高まっている。それでも米FRB(連邦準備制度理事会)は、2014 年前半から資産買入れ規模を徐々に縮小していくことが予想される。一方、 2014 年度に 2%のインフレ目標に到達しないことから、日銀は量的・質的金融 緩和を延長するとみられる。米国でQE3が出口に向かうのに対し、日銀が緩 和を続けることで米日金利差が拡大する 2016 年ごろまで為替(円ドル)レー トは円安傾向での推移となろう(図表 17)。 米国は 2015 年、ユーロ圏もやや遅れて 2016 年には利上げを開始すると予測 している。日銀が金融引き締めに転じる時期はFRB・ECB(欧州中央銀行) に比べて遅れるが、2017 年ごろからは量的緩和の縮小が検討され始めるであ ろう。その結果、米日金利差は緩やかに縮小し、円高ドル安方向に転換すると みられる。 国 内 株 価 は 上 昇 基 調 で 推 移 国内株価は、景気回復と企業業績の改善を背景に上昇基調をたどる見通しで ある。名目成長率が高まる 2018 年以降の日経平均株価は 2 万円台を回復する と予測している。 国 内 長 期 金 利 は 緩 や か に 上昇 国内の長期金利は、景気回復・株高・米金利上昇という環境下で中期的に上 昇基調での推移が見込まれる。ただし、日銀による大量国債購入により需給が 引き締まった状況が続く中、長期金利の上昇ペースは緩やかであろう。アベノ ミクスが奏功して成長率・インフレ率が高まってくる局面では、長期金利の急 上昇により景気回復を阻害しないためにいかなるペースで量的緩和縮小・利上 げを行っていくかという出口戦略のあり方が問われることになりそうだ。 図表 17 金融市場中期予測総括表 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 無担O/N(期末値、%) 0~0.1 0~0.1 0~0.1 0~0.1 0~0.1 0~0.1 0.10 0.25 0.50 1.00 ユーロ円TIBOR3M(%) 0.33 0.31 0.22 0.22 0.22 0.22 0.40 0.80 1.30 1.80 金利スワップ5年(%) 0.50 0.35 0.45 0.56 0.80 1.10 1.20 1.40 1.60 1.90 新発10年国債(%) 1.05 0.78 0.75 0.86 1.40 1.70 1.80 2.00 2.20 2.50 日経平均株価(円) 9,183 9,649 14,500 15,500 17,000 18,100 19,200 20,300 21,500 22,800 FFレート(期末値、%) 0.25 0~0.25 0~0.25 0~0.25 0.75 2.25 3.50 3.50 3.50 3.50 新発10年国債(%) 2.76 1.79 2.30 3.00 3.90 4.45 4.50 4.50 4.50 4.50 ECB政策金利(期末値、%) 1.25 0.75 0.50 0.50 0.50 0.75 1.25 1.75 2.25 2.75 独新発10年国債(%) 2.65 1.57 1.65 2.00 2.25 2.65 3.10 3.40 3.50 3.50 ドル円(円/ドル) 80 80 97 101 110 110 108 106 104 102 ユーロドル(ドル/ユーロ) 1.39 1.29 1.33 1.29 1.22 1.22 1.24 1.26 1.28 1.30 ユーロ円(円/ユーロ) 111 103 129 131 134 134 134 134 133 133 原油 WTI先物価格(ドル/バレル) 95 94 99 96 96 98 100 103 106 109 (注)日本は年度、米国、為替相場、原油価格は暦年。 (資料)みずほ総合研究所 日 本 米 国 欧 州 為 替

図表 14  日本GDP中期予測総括表  2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 年度 実質GDP 0.3 1.2 2.9 0.9 1.6 1.7 1.9 2.3 2.3 2.3 内 需 1.3 1.9 2.6 0.2 1.0 1.1 1.7 2.0 2.1 2.1 民 需 1.4 1.2 2.3 ▲ 0.2 1.3 1.2 1.8 2.4 2.3 2.4 個 人 消 費 1.6 1.6 2.6 ▲ 1.3 1.0 0.7 1.4 1.7 1.8

参照

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