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教員養成カリキュラムの改善に関する調査研究 : 青年期の自己形成・自己変革を促す観点から

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(1)

教員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究

―青年期 の 自己形成・ 自己変革 を促 す観点か ら一

A Research Study on lmproving Curriculum and Teaching

in the Faculty of Education,Tottori l」 niversity

障害児教育教室

渡 部 昭 男

Akio Watanabe

I.目

H.方

法 III。 結果及 び考察 1.「教員養成」 とい う目的をめ ぐって

(1)入

学前の教職希望度

(2)入

学前の希望の質

(3)在

学中の教職希望の変化及び就職状況 但

)教

育学部 カ リキュラム検討の理念

2.1・

2年

次 における教員養成 カ リキュラム

(1)「

教養人」 としての力量形成の実態 121 教養課程 と専門教育課程 との関連

(3)1・

2年

次における教員養成 カ リキュラムの改善方策

3.専

門教育課程 における教員養成 カ リキュラム

(1)専

門教育課程での力量形成の実態

(2)教

員養成 カ リキュラム としての改善方策 Ⅳ

.結

I.目

的 本稿の目的は

,教

員養成系大学・学部 における教員養成 カ リキュラム及び教育の改善・充実の方 策 を

,調

査研究 に基づいて

,具

体的に明 らかにす ることにある。 近年

,政

府 レベルにおいて

,教

育職員免許法 を含 めて現行の教員養成制度 を改変 しようとの動 き が急である。 こうした状況の中で

,大

学人の意識 は

,や

や もすると

,法

規上の免許状取得のための 履修基準の改変 に即 して

,必

要な授業科 目の開設や最低修得単位数の引 き上 げ等の外枠 をいかに整 えるか という方向に向かいがち となる。 しか し

,い

かに教員養成系大学 。学部 といえども

,そ

のカ リキュラムは各々の大学 。学部の教育

(2)

412

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究 の一環 として位置づけ られ るべ きものであ り

,教

員養成 カ リキュラムの改善・充実 は

,全

国一律 に 法令等の改訂で推進 しうる というよ りは

,個

々の大学 。学部の自主的努力 に依拠 した極 めて実践的 な課題 であるといえよう。従 って

,大

学 。学部 ごとに実証的な検討 を進 める意義 は大 きい。 既 に

,少

な くない教員養成系大学・ 学部 において

,教

員養成 カ リキュラムの改善・充実のための 独 自の試みが行われている伊鳥取大学教育学部 において も,ま とまった報告 はされていないものの, わずかずつなが ら内部的努力が積 み重ね られて きている。本稿の基 になっている「教員養成カ リキ ュラムのあ り方検討のための学生アンケー ト」の実施 も

,そ

の一つである。 教師の力量形成 は

,大

学での養成段階のみで完結するのではな く

,養

成・ 採用・ 研修 を含めた教 師の生涯 に渡 る学習による自己形成・自己変革 によって果た され るものである。その意味 において, 教員養成 カリキュラムを教師教育の一環 に位置づけて検討すべきことが提起 されてきている

P本

稿は, この ような提起 を鳥取大学教育学部の実態に照 らして

,教

員養成 カ リキュラムが青年期 にある学生 たちの自己形成・ 自己変革 を促 しうる内実 を有するための改善・充実のあ り方を探 ることを

,特

に 企図 した。

H.方

法 1984年度鳥取大学教育学部 カ リキュラム委員会0の 実施 した「教員養成 カ リキュラムのあ り方検討 のための学生アンケー ト」を基礎資料 とした。同アンケー トは,「す ぐれた教員の養成 をはかるため, 鳥取大学教育学部カ リキュラムをさらに充実す る上 での基礎資料 を得 る」 目的で

,1984年

10月に実 施 した もので

,1985年

1月 に結果の概要が中間報告 されている。 調査対象母集団は

,鳥

取大学教育学部の専門教育課程在籍学生で教育実習 を経験 した者で

,資

料 として付 した調査用紙 を用いて

,教

育実習事後指導及び講義時間 を利用 して

,自

記 アンケー ト法 に より調査 した。 1984年度専門教育課程在籍学生 は総計で367名であったが,こ の内

,教

育実習経験 を有する調査対 象母集団は354名であ り

,有

効 回答総数 は264名 (回収率

74.6%)で

あった。 表

1

有効回答の属性

T 履

票屡馬憂西

TT死

ラ面

T 栗 買 薔T五

憂テ冨

T TFる

T 耳

巧誘

交習

1

修了

│(67.0)1

修 ア

│(72.か INA 1/1計

:(74.6) 登墾

│ マ

言与争争十 二 T話多許

T:墨

rt,今

十三護ギ盈多万

1-ギ

∵十 一 1号絲 皇 課程 1小 │(84.2)1中 │(49.5)│ │(71.4)l i(61,9)INA I/1計 │(74.6) ― ―羊 一二十壁と0-生 _生二生生上下王二 二 ・

1_全

生_生生

__2JI_=翌

生皇 性 1男

: 101

1女

1 141

INA 1 22 1計 i 264

___上

_上

___墨

_____1-ニ

ー…Ⅲ生

____上

__ど

笙上

_上

世生皇

1)( )内

は、調査対象母集団に対する有効回答の回収率。 有効回答の属性 を表 1に

,1984年

度専門教育課程学生の属性 を表2に示 した。鳥取大学教育学部 では

, 3年

次 (専門教育課程 に進学 した

1年

)に

観察参加実習を

, 4年

次 (同

2年

目以降

)に

本 実習を行 っている。課程別 。性別 は特 に説明 を要 しないであろうが

,養

護学校教員養成課程の小学 部 を甲で

,中

学部 を乙で表示 してある。有効回答者 は

,1984年

度専門教育課程学生 に比べて

,や

や 小学校課程が多 く

,中

学校課程が少ない。 また

,男

子の比率がやや小 さい。 しか し

,有

効 回答者 に

(3)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 27巻 第

2号

表2 1984年度専門教育課程学生の属性 単位 :人 (%) ―― ―― ―一 「 一 ―― 「 ‐ T― T― ― ― ―一 「 一 下 ― ― ―― ―‐ f‐― T ‐ 課程 !小 1221(60.2)1中 1103(28.1)1養 i 43(11.7)1計 1367(100) ― ― 一 十 一 生 __T__ 」 生 _T___十 一 二 ― ― ― __十 一 ■ ― ― ― ― 性別1 男

: 175(47,1) 1

1 194(52.9)1言

十1867(100) 注1)1984年度 8月 1日現在の専門教育課程在籍学生数調べによる。 2)入学年度別の項 目による調査 のため、年次別学生数は不明である。 3)表1の 対象母集団総数が354名と367名より少 ないのは、教育実 習未経験の専門教育課程学生が存在するためである。 極端 な属性の偏 りはない。 電算機処理 は,鳥取大学電子計算機 センターを通 じて行 った♂集計並びに考察 にあたつては,有効 回答全体の単純集計の他 に

,必

要 に応 じて属性等 によるクロス集計 を利用 した。ただ し

,専

攻 (専 修

)の

属性 は

,有

効回答者3ない し4名の ところもあったので

,考

察か ら除いた。 なお

,考

察 に際 して

,デ

ータの持つ意味 をよ り鮮明 にす るために

,同

時期 に行われた

3種

の調査 結果 との比較 を行 った。それは

,鳥

取大学学生生活実態調査専門委員会が

,1983年

12月に実施 した 「昭和58年度学生生活実態調査

P(以

下「学生生活調査」とする

)が ,ま

ず一つ目である。 そして, 鳥取大学第

7期

入学者選抜方法研究委員会「入学者選抜方法等の改善 に関す る基礎的研究」 グルー プが

,1983年

9月 に実施 した「入学者選抜方法等の改善 に関す る教官アンケー ト

?(以

下「教官入試 調査」とする

)及

び1984年10月に実施 した「同学生 アンケー ト

?(以

下「学生入試調査」とする

)が

, 二つ目及び三つ目である。 Ⅲ

.結

果 及 び考 察 1.「 教員養成」 とい う目的 をめ ぐって

(1)入

学前の教職希望度 現在

,我

が国の教員養成 は開放制及 び大学 における養成 を原則 としている。教員養成系学部のカ リキュラム及び教育 のあ り方 を論議す るに際 して

,常

に問題 となるのが

,教

員養成 を目的 とした学 部か否か とい うことである。戦後

,教

員養成制度改革の中で

,教

員養成 を唯―の目的 とす る教育機 関はつ くらない ということか強調 された ことを想起 すれば

,教

育学部が教員養成のみ を目的 とした 学部でない ことは

,理

念的に認 めうるところであろう。 しか し

,実

際 には

,教

員養成 を主たる目的 としている側面が大 きい。鳥取大学教育学部の場合

,教

員養成の機能が どの くらい認識 されている のであろうか。 本調査で「入学前の教 職希望度」

(Ql)を

尋ね てみた ところ

,教

職希望 は75.2%に も上 った

pし

か し

,入

学時点では

,教

職以外 を希望 している者 も

14.8%存

在 していた。 それは

,特

に女子 (及び 女子学生の多い小学校課 程

)に

多 く

,21.3%と

5

牝認

小 中 養 養   男 女 課 程     性 別 (181) ( 48) (14) (13) (101) (141) 図

1

入学前の教職希望度

(Ql)

単位

:%

(4)

414

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善に関する調査研究 名 に 1名 が教職以外 を希望 していた。 このように,「入学前の教職希望度」か らは

, 4分

の3の学生 が教職 を希望 し一応 は目的的に教育学部へ入学 して くることが伺 えた一方で

,教

員以外 を希望す る 学生 も教育学部 に入学 していることが判明 した。(図1)

12)入

学前の希望の質 鳥取大学教育学部学生の特徴 として

,ま

ず挙 げ られ るのは

,県

内高校出身者が共通一次学力試験 制度 が 導 入 され て以 降

3

鳥取大学入学者における県内高校出身者の比率の推移 (学部別

)単

:%

§警│:こよ

&3冴

単:憲垣台

:丞

≡≡至イ亜至T至三軍亜至1亜亜f亜亜r巨豆:巨豆千憂憂:亜亜軍憂亜:

たということである

(表

受壁壁型

1空

ヰ翌王

146.2173。-――十一―十一―十一―十一―十一―十一―十一――1175。7174.2181,3186.8184.5188。3

腎ぢ

§

││→

1器

│こ

│と

│こ

│と

│と

:と

│と

:と

:

,鳥

暮轟

1死

i醤

1斗

│1辞

1善

│1善

1書

;1務;1辞

山陰 の小 県 に位 置 す る と

1死五すあ :万

1

どち鰐

巨ξ士

#挽

盈守

T「

置叢戻事事圧覇

│ス

軍表騒雇占チ百嘉蕃

I妄

唇栗蔑

「 ア方

F ‐

他 の

3学

部 と比 較 してみ る と

,教

育学 部 な らで は の特徴 となっている。 「学生生活調査Jとこ基づけば

P鳥

取大学 を選択 し た学生の動機 は

,全

学的には

,第

1位

「自分の学 力に見合 う大学だったので

J(51.2%),第 2位

「国 立大学だか ら」

(41.0%),第 3位

「地元大学だか ら」

(28.5%)で

あったが

,教

育学部の場合 には, 「地元大学だか ら」(49.4%)が第

1位

,第

2位

「自分の学力 に見合 う大学」(40。

7%),第

3位

「将 来の職業 を考 えて」(25。

9%;全

学第

5位 11.8%)

であつた。「地元大学だか ら」は,特に女子の場合,

51.5%(第

1位

)と

極 めて高 く

,入

学者の女子 の割合 は

,教

育学部の場合約

6割

であった (表4)。 教育学部 に地元出身者が多いこと

,ま

,地

元大学 であることを選択の動機 としていることは, 入学前の教職希望が,「地元に残 りたいために教職 を希望する」 というものであった り,「地元 に就 職す るためには教職 しかない

Jと

いうものに限定 された内容であることをも疑わせ る。 また

,女

子学生の中には

,教

育学部外の文化系学部を希望 しなが らも

,県

外 に出 した くない とい う親の願 いか ら

,鳥

取大学教育学部 を選んだ者 も少な くない。教職 を希望 していたか否かに関わ ら

,希

望の内容・ 質 を吟味する必要があろう。

13)在

学中の教職希望の変化及び就職状況 教育実習経験 によって教職希望が どのように変イヒしたのかを図2に示 した。結果 は

,本

実習修了 生の場合

,本

実習 を修了 した時点で

,入

学前 に教職以外 を希望 していた者の

60.0%が

教職希望 に変 化 していた。一方

,逆

,入

学前に教職希望の者の

13.7%が

教職以外の希望 に変わ っていた。 実際の就職状況 をみると(表

5),教

職 に

8割

前後が就 いてお り

,教

員待機者 を含 めると卒業生の

9割

前後が教職 に就 くか

,教

職 を希望 している。教職 を希望 しない者が

,卒

業前 に退学 した とい う ことも考 えられ るが

,教

育学部卒業生の教職への就職率が低下 している全国的な傾向の中で

,極

4

女子入学者の比率の推移 (学部別) ― ――――T―――丁 「 T‐ 入学年度 11976119791198211985 -――――十一 ―十一―十一一十一―― 教育学部159.9158,0157.2157.2 -――――十一―十一―十一一十一―― 彦こ弓浩言ヽ + 10。7 1 13.2 110,0117.2 -― ― ― 一 十 一 ― 十 一 ― 十 一 ― 十 一 一 ― 工学部 1 0。41 1.012.81 1.8 -― ― ― 一 十 一 一 十 一 ― 十 一 ― 十 一 一 ― 房≧弓吉言 ` 1 10.01 9。 4 117.4 112.5 -――――十一―十一―十一―十一 ―― 杞手 HI 1 18.6 1 18.2 1 19.6 1 18,5 注1)鳥取大学学生部『入学試験 に 関する調査

J(各

年度)より。

(5)

て高 い数値0と な ってお り, 入学前 \変 化 教 職 希 望 どちらともいえなし 教職以外を希望 鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 27巻 第

2号

特 徴 的 で あ る。 教職希望へ 教職以外希望ヘ 図

2

本実習修了生の教職希望の変化

単位

:%

(Ql×

Q6本

実習を体験 して) 注1)変化の「教職希望へ」は

Q6の

選択肢1・ 3・ 5が、 「 教職以外希望へ」は2・ 4・ 6が、「 分か らない」 は7が該当する。 表

5-1

教育学部卒業生の就職状況 (%) 表

5-2教

員の県内就職率及び臨時講師の状況 ―― ――― ―一―T―‐ヨ 下 T ― 一― 十 一 一一T― 下 下 「 卒業年度 119781198011982 1984 葛お雪鷺全F】盟 1 1978 1 1980 1 1982 1 1984 「 ―――十一一十一―十一―十一―― 職│その他15.515。3110,2 6.1 -―十一十一十一―十一―十一―十一―― 進 学 等

13.014.413.615,5

-一 ― ― ― ― 十 一 ― 十 一 一 十 一 一 十 一 ― ― 卒業者 (人)1 19912061 1961 163 注1)鳥取大学教育学部「就職状況」 (各年度)より。ただ し、78年度 ―■/1、 80,82年度-10/1、 84 年度-6/1調べ。

2)就

職には、臨時 (非常勤)講師 を合めてある。 9(N) (102) 取 │ (%) 143.8 142,0 171.6179,0 県 トー十一―十一―十一―十一―十一―― 内 1講師人数

+67 1 57 182 185

注1)鳥取大学教育学部「就職状況」 (各年度)より。

2)県

内教員就職率の母数 は、教員就 職者中、公立小・ 中・高校教員就 職者の県内・県外の総数。従 って、 国 。私立、公立 の盲・聾・養讃学校・ 幼稚園教員 は含 まない。

3)臨

時講師率の母数 は、公立小・中・ 高校教員就職者 の各々県内、県外 ご との総数。 ― ― T一 一 ― 十 一 ― 十 一 一 十 一 ― 十 一 十 一 T十 一 ― 十 一 ― 十 一 ― 十 一 ― ― 就 1教 員

183.9176.2+76.0 77.9

鳥 1就職人教

167 158 196 194

待 1教 員16.0 14.H8。7110。

4 1 (%)1100198.3185。

4190.4 機 トーーー十一 ―十一―十一一十一――

一 上

____十

一―十一―十 一一‐十一―― 者│その他1 1.51 -1 1.5十 一

県外講師率%17.0127.5121.1136,0 -―‐―一一十一―十一―十一一十一――

――――――‐

__‐

__‐ __‐

___

)教

育学部カ リキュラム検討の理念 上 にみて きた ように

,目

的論議 は置 くとして も

,教

育学部が教員養成の機能 を果た している実態 は事実 として否定で きない。従 って

,す

ぐれた教員養成 を行 うという柱 を一 つの理念 として

,カ

リ キュラム及び教育 の改善方策 を探 ってい く必要 を指摘す ることがで きる。 確かに

,教

育学部のカ リキュラムは

,教

育職員免許法 に規定 されている履習基準(科目及び単位) を満たすように編成 されてお り,卒業要件 を充足すれば教員免許状が取得で きるようになっている。 しか し

,こ

の ことが直ちに

,教

育学部のカ リキュラム及 び教育 がす ぐれた教員養成 の機能 を果た し ていることを意味 しているわけでないことは

,明

白である。 では,「す ぐれた教員養成」 とは何であろうか。 ここで留意 したいのは,「す ぐれた教員養成」 と は,「す ぐれた教員」の養成ではな く

,す

ぐれた「教員養成」の意味で使用 しているとい うことであ る。 既 にみたように

,教

職以外 を希望 して入学 して くる学生 も存在 しているし

,少

数 とはいえ教職以 外に就職 してい く卒業生 もいる。 これ らの学生 をも含 めた「教員養成

Jカ

リキュラムが検討 される べ きであるとい う側面 を一つには含 んでいる。

(6)

渡部昭男 :教 員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究 しか し

,よ

り大 きくは,「す ぐれた教員」像 は確定 しがた く

,仮

に引確 にしえた として も

,そ

れは 一つの理想型があって型 はめ していけば達成 されるというものではな く

,教

師 としての生涯 に渡 る 自己形成 。自己変革 を通 して追求 されるべ き性格の ものであるとの考 えか らである。 教育実習 を挟んで

,学

生 自らが希望 を深化 させてい くという調査結果か らみて も,「す ぐれた教員 養成」 とは

,教

員養成 を通 じて

,広

くは教育学の学習・ 研究 を通 じて

,自

己形成 。自己変革 (多く は青年期の

)を

促 しうる ものでなければな らない。卒業後

,教

職 に就 く者 とそうでない者 に分かれ るとして も

,教

員養成 を通 じて自己形成 。自己変革 を目ざすべ きことは共通 といえるであろうし, 教職 に就 く者に とっては教師教育の一環 として養成段階 を積極的に位置づけることをも可能 にす る と考 える。 以上の ような意味 を込 めて

,教

員養成系学部のカ リキュラムを「教員養成 カ リキュラム」 と把 え て

,改

善方策 を検討 して行 きたい。

2.1・

2年次 における教員養成カ リキュラム

(1)「

教養人」 としての力量形成の実態 鳥取大学では

,教

養部 を設置 し

, 1年

次 (入学1年目

)及

2年

次 (同

2年

目及 びそれ以降で教 養課程 に在籍す る場合

)は

教養課程 に在籍 し

,所

定の単位 を修得 し

,教

養課程の修了 を認定 された 者が専門教育課程 に進学するシステムを採 つている。従 って

,教

員養成 カ リキュラムを改善・ 充実 する上で

,教

養課程 と専門教育課程 とが どのような分担及 び連携 を行 うか ということが一つの検討 課題 となって くるが,部局 が教養部 と教育学部 に分かれることもあって事態 はなかなか複雑である。 教養課程の目標 を「教養人」形成 とする点で意見の違 いはあると思われ るが

,教

養部での学習 を 通 じて

,仮

に「教養人」として どの程度の力量 を身につけてい ると自己評価す るか を尋ねた(Q2)。 結果 は

,図

3に示 した ごとく

,全

体 として「 どちらともいえない」及 び「身につけていない」が 多かった。「身につけている」 と回答があったのは,「体育」が最 も多い

30.3%で

,つ

いで「人文科 学」の

22.0%で

あった。語学関係 はさらに悪 く,「英語」は「身 につけている」

9.5%,「

身 につけて いない」

41.1%,「

その他の外国語」に至 っては「身 につけている

Jは

わずかに

1.5%で

,「身につけ ていない」が

80.6%に

も上 った。 「学生生活調査」に基づ けば,0全学的にみて

,教

養部学生 は専門教育課程

(4学

)学

生 に比 し て

,在

籍学部に不満 を持 ってお り (教養

35.9%―

専門

31,1%;以

下同様

),再

受験

(14.9-5,7)及

び転学科 。課程

(12.3-5.1)を

希望 している者 も少 な くない。 また

,学

習態度 については,「卒業 または課程修了に必要 な単位が取れ るよう最小限の努力 をする」者が多 く

(39.5-32.5),授

業が「全 体 に難 しすぎる」(36.6-23.6),「やや難 しいが予習や復習によって理解で きるものが多い」(40.6 自己評価 身につ けてい る どち らともいえない 身につけていない

(N)

人文科学 社会科学 自然科学 英

語 他 の 体 育 (264) (264) (261) (263) (263) (264) 図

3

「 教養人」としての力量形成への学生の自己評価

(Q2)

単位

:%

(7)

鳥取大学教育学部研 究報告 教育科学 第 27巻 第

2号 417

-434)と

感 じている割 に

, 1日

平均の自主学習の時間 は

3分

の2の者が1時間以 内 (65.5-44.8) であった。 ところで,「教官入試調査」の結果 によれば 'ゆ 教養部の教官の

60.5%が

,大

学教育 の目的を「高度 の専門性 をもつ職業人の養成」

(15.8%)で

はな く,「広 く知識 を授 け

,教

養人 を形成する」 ことに 重点 を置 くべ きである として,「職業人の養成」を重視す る工学部(職業人養成

71.2%―

教養人形成

203%,以

下同様

),医

学部

(60.4-23.6),教

育学部

(58.5-22.0),農

学部

(51.9-26.6),の

教 官の意向 と相違 をみせていた。 しか し

,以

下で検討すべ きは

,部

局間で教官の意向に差異があるとい うことで はな く

,教

養課程 及び専門教育課程の双方の立場か ら

,学

生の「教養人」 としての力量形成 をどのよ うに促 してい く か とい うことと思われる。 確

)教

養課程 と専門教育課程 との関連 教養課程の修了を認定 された者のみが専門教育課程 に進学するシステムは

,教

養課程 (一般教育 科 日

,外

国語科 目

,保

健・体育科 目

)の

履修が専門教育課程の学習の基礎であ り

,前

提であるとす る考 えに立脚 しているように も推察 され る。 しか し

,実

態 はそうではない。 1984年度開講授業科 目の配 当年次 を表6に示 したが

,教

育学部では

,小

学校課程 で

41,6%,中

学 校課程で

51.0%,養

護 甲課程で

46.5%,養

護 乙課程で

52.3%の

科 目が1・

2年

次配 当になっている のである。一方

, 4年

次前期 は教育実習

,後

期 は卒業研究 に当てるため

,専

門教育課程 の授業料 目 のわず か

2.3%が 4年

次配当 として開講 されているだけである。 専門教育課程の約半数の授業が1・

2年

次配 当 となっている中で

,学

生が

,教

養部での学習の際, 専門教育課程の学習 とのかかわ りをどの程度考 えてい るのかを尋ねた (Q3)。 図4に示 した ように

, 3分

2(66.7%)の

学生 は双方 をかかわ らせて認識 して はいなかった。 かかわ らせて考 えていたのは

27.2%で

,男

子 よ り女子 に多かった。 教養課程 と専門教育課程の学習 を時間的には同時並行的に進 めていて も

,そ

れ は有機 的に関連づ けられ るというのではな く

,関

連 な く分立 した もの として把 えられ る傾向が認 め られた。 ところで

,学

生 は

,教

養課程での講議等が

,将

来教員 になった として実際 にどの程度役立てるこ とがで きると考 えているのであろうか (Q4)。「役立 てることはで きない」 と考 えてい る者が64.4 %と お よそ

3分

の2を占め,「役立てることがで きる」 と考 えていたのは

16.3%で

あつた (図 5)より 区 分 N 64   01 狙 男 女 かかわ らせて 1考えた

/

どちらとも

かかわ らせては いえない

1考

えなかった 図

4

教養課程 と専門教育課程の学習の関連認識

(Q3)

単位

:%

立蒸

3乏

3患

(N)

1 /// /

Q6ゆ

5

教養課程の学習の教職への活用予測

(Q4)

単位

:%

(8)

418

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善 に関する調査研究 表6 1984年度閉講援業科 目の配当年次 単位:科目 注1)鳥取大学教育学部『昭和59年度 履修の手引』より。従って、年度途中の変更は

lg自

│,│:│:│!111:十

│こ │こ │,こ

l];:写

:すF哲

)

1専 1巨

│ど

│││ユ

│;│;│:IZ日

塔蓄範駐転豊互

1361*■*電気工学通論 (演)

:1門

:言冨キそiぞ

i::そ ii::i;i;itti目

:三

■ =二笙坐ど互

i_

考慮 していない 2)1984年度に開講 年度に開講 して

3)通

年の科 目は、 数えた。 かかわ らせて考え ど うらともいえなし かかわ らせては 考えなか っ されていた授業科 いない科 目は含ん 前期1後期 1と し 目を集計 した。従 って、開設 されていても1984 でいない。 て数えた。後期 もクラス開設の科目は前期のみ `!拿

≡食肇言を営重書票そ暴写

]:?早

戻彦諦亀練娑

t帝

命脅キた観察参加実習が、

││!i客

惑 号

Fプ

C、

[壕

8)もちろん、課程共通で開講 されている援業科 日等 も多いので、実際には本表の集 計数より少な くなる。 区分 役立てることが

どちらとも

役立てることは できる

いえない

できない N 72 ︲6 76 図

6

関連認識 と活用予測 との関連 (Q3×

Q4)

単位

:%

(9)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 27巻 第

2号

しか し

,注

目すべ きは

,図

6及

び表7に示 した ように

,教

養課程の学習 と教育専門課程の学習 を 重 生_四萱 聟壁教養課程での力量形成 (Q3×

Q2)

?言

_理

り,また,「 人文科学」,「社会科学」,「英語」の力 _三__生_生_引 量形成 に関 しては特 に有意 な差 (関 連認識

5段

階 理 と二主生上

i巨亜1亜至i憂王二こ亜I巨至1亜Ξ:

区分で5%水準

)を

認め得たことである。

_三

全生空■上」

教養課程での力量の未形成の原因を学生 にのみ 押 しつけた り

,教

養部のカ リキュラムや教育 の責 任 にするのではな く

,実

際 に1・

2年

次 に専門教 育課程の授業科 目の半数が配当されている中では, 教養課程 と専門教育課程のカ リキュラム及び教育 が有機的に連携 してい く必要 とその有効性が示唆 されていると考 える。

0 1・

2年

次 における教員養成カ リキュラムの改善方策 教員養成 カ リキュラムは

, 3年

次 に専門教育課程 に進学 して以降について該当す るので はな く, 現状 を踏 まえるな らば, 1・

2年

次か らその充実がはか られなければならない。 1年次の専門教育課程のカ リキュラムの改善希望 について尋ねた ところ

(Q5),「

教育入門的科 目 (例えば

,現

代教育 の諸問題

,現

代教師論

)Jの

開設 には

89.4%の

,「ゼ ミや学校見学

,授

業参観 の形態」の導入 には

90.2%の

学生が希望回答 を寄せていた (図

7-1)。

ところで,入学前の教職希望度 は教養課程での学習にどのような影響 を与 えているのであろうか。 教養課程での力量形成への自己評価 と高い関連性 を有 していた

Q3「

関連認識

Jと

の関係 をみた と ころ

,教

職希望者の方が認識が高い とい う結果 は示 されていない(図8)。 また

,教

養課程での力量 \改善希望 希望する 希望 しない

(N)

1)昆

B葉 3托F箪

価し

2)宮

3:,:岳

::3ζ

ttξ

::ヨ

:。 (ガ検定)

7-1 1年

次の専門カ リキュラムヘの改善希望

(Q5)

単位

:%

ゆ 蝉

t i認

教職以外を希望 七王三三王王王正三三≡基憂正三三三三王圭王主主主置ヨ │::│ 図

7-2

入学前の教職希望度 との関連 (Ql×

Q5)

単位

:%

注1)_L段:教育入門的科目の開設、下段:ゼミ等の形態の導入。

(10)

420

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究 関連認識 考えた

どちらともいえない (N) (198) (26) ( 39) 教 職 希 望 どちらともいえなし 教職以外を希望 図

8

入学前の教職希望度と関連認識との関連 (Ql×

Q3)

単位

:%

形成への自己評価

(Q2)と

の間 にも有意な関係 は認 め られなか った。 図8をみると

,教

職か否かを問わず

,む

しろ希望 を持 っていた者の方が,「どちらともいえない」 回答者 よ り関連認識が高い ことがわかる。入学前の希望 を深化 させ

,卒

業後 の進路への意識 を高め ることが

,教

職 を希望す るか どうかは別 にして

,教

養課程 での学習に対 してプラス方向の影響 を与 えることが推察で きよう。 図

7-2に

よれば

,ゼ

ミ等の形態の導入 は入学前の教職希望いかんを越 えて改善希望が高い。力日 えて

,教

職希望者 は

, 1年

次か ら教職希望 を深化 させ うるような教育入門的科 目の開設 を強 く要望 している。 表6において

, 1年

次配当 として集計 された授業科 目は総計で98であったが

,課

程が複数にまた がった り

,通

年開講 でダブルカウン トされているもの を除 くと

,実

際 には1984年度で29科目 (表 6 に「1年次配当授業科 目名」 を明示

)で

あった。 現行の

1年

次配 当授業科 目には

, 1)学

問体系の基礎 をなす(例えば

,数

学専攻の集合論等

), 2)

技能の練磨・修得 に継続的な とりくみ と長 い時間 を要す る (教科専門科 目の演習・実習関係), とい う側面 を見 いだす ことができる。 このように

,各

教科専門領域での系統性 を意識 しての改善・充実 も

,さ

らに必要である。 しか し

,系

統性・ 体系性 を専門分化 をはかる方向 として把 えるな らば

,開

設授業科 目が増加 し, いわゆる「過密問題」 を引 き起 こした り

,教

養課程の授業時間枠 を一方的に侵食する事態 をも惹起 し

,ま

,同

一領域 の中でかえって関連が薄 くな り

,系

統的でな くなることもある。精選 しなが ら 系統化・ 体系化 を追求する必要があろう。 これが, 1・

2年

次の教員養成 カ リキュラムの改善方策 の一つ目である。 二つ目は

,学

問 としての系統性・体系性 をはか る中で各教科専門科 目の関係 づけを進めると同時

,教

職専門科 目及 び養護学校教員養成課程 にあっては特殊教育専門科 目を含め

,小

・ 中・養護 課 程 としての有機的な分担 と連携 を築 いてい くということである。学問領域 としての系統性・体系性 だけではな く

,教

員養成 としての系統性・ 体系性が教員養成 カ リキュラムには求 め られている。 それでは

,教

員養成 カ リキュラムの1・

2年

次 には

,

どのような内容 を準備すればよいのであろ うか。本調査 によって示唆 された ことを踏 まえるな らば

,特

に1年次 においては

,入

学前か ら有 し ていた将来への希望 を深化 させ

,目

的意識 を持 って自己形成 に臨 めるような意欲 を育成す る内容が 指摘できよう。現行の1年次配当授業科 目の中では

,教

職専門科 目の「教育心理学概論」,「教育社 表8 1年 次 の専 門 カ リキ ュ ラム ヘ の 改 善 希 望 (Q5・ 自由記 述) (N=27) 「 ― ― ― ― ― ― ―― ― ―一― 一一 ―― ― ― ― ― ―― ―――――― ―― ―― │.1■・ 1年 次配当の専門教育科目を増やす。力HF当ゐ 菅 田 男 書 とこ日え 催 あ オ イ(11)11ヽ ・ 1年次から専門教育課程に所属させる。 (2) i孝

:旨

ξ

9字

,身

(9) i早

聯密

3選

監炭ま

轟毛彗

まと

述撃

ほぃ

(1)

(11)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第27巻 第

2号

421

会学」,「同特殊講義」が

,特

にそうした内容 を含 めることが期待 される。更 には

, 9割

の学生が望 む教育入門的科 目の開設

,ゼ

ミ・ 学校見学・授業参観の形態の導入が検討 されて よいよ

9表

8に示 し た改善希望 に対する学生の 自由記述か らも

,こ

の方向での改善・充実が求 め られていることがわか る。 これが三つ日である。 四つ日は

,上

記の ことが

,教

養課程での学習,「教養人」への自己形成 を促すべ く

,教

養課程 と専 門教育課程 との有機的な分担 と連携が行われなければならない ということである。

&耳

'り

ξ

;蛋

?伝

_翌

1) づ けを確立す る とし】う点 を強調 したい。鳥取大学

望登 笠笙 1亜巨

IIII亜

至I正三: 教育 学部 で は

,現

職 教育 を行 って はい るが

,入

教育学部 │ 1 23.8 1 24,0 1 29。 2 151.5 (し て はい ない。

医学部 制度 の 中 に「社会人 入 学」 を導ノ

__十

一―十一一十一一― 学生 を構 成 す るの は

,

まず全 て青年期 にあ る男女 ´

ェ学部 178.6171.9179。 4160.1 で あ る 。 表 9に 示 す ご と く,教 育 学 部 入 学 者 は 現 曜 事 覇 † 十 一 ― 十 一 一 十 一 一 ― 156。1 1 54.7 158,0 155,0

i癸

ζ

:毒

:t宅

「禁

:iこ

B【

_至

:晟 :二

に県内高校出身者が約

9割

を占め

,

しか も

,限

注1)島テる調査大学学生部『入学試験に

J(各

年度)よ り。 れた県内「進学高校」出身者 になって きていると いう傾向がある。少 しデータは古いが

,表

10をみると

,共

通第一次試験が導入 されて県内高校出身 者が急増

(73.1%)し

た1979年度入学者 において

,A∼

Eの

5高校 出身者が

,県

内高校出身入学者

)都

市部の大学 と比較す るまで も の

97.2%,全

入学者の71.0%も の構成 になっていることがわかるc な く

,異

様 とまでいい うる実態である。 しか し

,県

内高校出身者が急激 に減少す る等々の事態の変 化があまり望 めないな らば

,鳥

取大学教育学部 の教員養成 カ リキュラムは

,後

期 中等教育段階 を終 えて間がない青年たちの「青年期教育」の実質 をも備 える必要がある上 に

,そ

れ は

,鳥

取県の大学 以下の諸教育や子育 て と切 り結 んだ「青年期教育」 の創造 に支 えられた ものでなければな らない。 以上 を総 じて重要なのは

,(青

年期の

)学

生 自らの自己形成 。自己変革 を1・

2年

次か ら促す

,否

むしろ

, 1・

2年次だからこそ促すという観点の確立と実践の創造であろうよ

°

(り 表10鳥取県内高等学校別入学者の比率の推移 (教育学部

)

単位

:%

注】

;息

と貧

(12)

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究

3.専

門教育課程 における教員養成カ リキュラム

(1)専

門教育課程 での力量形成 の実態 専門教育課程での学習を通 じて

,学

生 はどの ような力量 を形成 しているのであろうか。 それ を特 定 し

,客

観的に測定することは容易ではない。不十分 ではあるが

,こ

こでは

,将

来教員 になった時 に発揮す ることが求め られ ると予測 され る「力量」 を15項目設定 して

,学

生 に自己評価 して もらっ た (Q7)。 結果 を図9に示 したが

,総

じて「身 につけていない」及 び「 どちらともいえない」が多 く,「身 に つけている」が

20,0%以

上の項 目は,「専門科 目に関す る理解

J(34.1%),「

クラブ活動」

9(25.0%)

の2つに留 まった。「専門科 目に関す る理解」及 び「教材研究、教科教育法に関す る理解」を除 く他 の13項目については

, 4分

の1以上 の学生が「身 につけていない」 と回答 してお り,「父母・地域住 民 との提携」(70.7%),「校内校務分掌、学校経営」(65.9%),「生活指導 。進路指導」 (63.5%), 「問題 を持つ子や障害児への適切 な指導」(62.4%),「同和教育 の推進」(61.7%),「授業の評価, 学力評価」(61.6%),「学級集団の とりまとめ

,学

級経営」(59.5%),「担当学年及 び担当教科の教 育課程の編成」

(54.9%)の

8項

目については

,過

半数が「身についていない」 と自己評価 してい た。 設定 した15の「教員」 としての力量の中には

,実

際 に教職 に就いてか ら練磨 され深め られるもの が多い。 しか し

,教

員養成 は完成教育 を目ざしてはいない という考 えに立つ として も

,こ

れ らの力 量の基礎 は形成 されてお くべ きであ り

,現

に同様の名称で授業科 目として開設 されているもの もあ る。 専門教育課程 での学習内容 は将来教職 に就いて どの程度役立てることがで きるか について間 うた

(Q8)結

果 を

,図

10に示 した。教科専門科 目よ り教職専門科 目の方が

,演

習及 び実験 。実習 よ り 講義の方が,教育実習本実習 よ り卒業研究の方が活用予測 は低かった。しか し,講義・ °(38.7%)を 除 いて

,他

の全てについて

50.0%以

上が「役立てることがで きる」 と回答 していた。 予測 される「 教員」の力量\ 自己評価 教育の基礎理論に関する理解 (専攻・専修)専門科目に関する理解 教材研究、教科教育法に関する理解 子ども理解・子 ども把握 身につ けている どちらともいえない 身につけていない

(N)

担当学年及び担当教科の教育課程の 授業の計画、教材研究・教材構成 実際の援業の指導・展開 援業の評価、学力評価 生活指導・進路指導 学級集回のとりまとめ、学級経営 校内校務分掌、学校経営 父母・地域住民 との提携 問題を持つ子や障害児への適切な指導 同和教育の推進 クラブ活動

9

「教員」としての力量形成への 自己評価

(Q7)

単位

:%

(13)

鳥取大学教育学部研 究報告 教育 科学 第 27巻 第

2号

区分 役立てることが できる 役立てることは できない ― 教科尊門科目 教職専門科目 講義 演習 実駿 ・実習 教育実習・ 教育実習・本実習 卒業研究 (120)

副免の学習・教育実習

1 813 1136皓

J(235) 図10 専門教育課程の学習の教職への活用予測

(Q8)

単位

:%

注1)本実習、卒業研究 は、本実習修了生のみで集計。

2)専

修専門教科 は、小学校課程のみで集計。

3)特

殊教育専門教科 は、養護学校課程 (甲・乙)のみで集計。 区分 配慮 されている どちらともいえない 配慮 されていない (N) 計

Q帥

H

教言語ぞ

8れ

とた

島写ち

埜昂

籍々

,量

:%

に もかかわ らず

,図

11に示すように,「現在 の専門課程のカ リキュラムは

,す

ぐれた教員 としての 資質や能力が形成で きるよう配慮 されていると思い ますか。」の問

(Q9)に

対 して

,42.9%が

晒己 慮 されていない」 と回答 してお り

,昭

己慮 されている」の

23.8%を

大 き く上回っていた。 鳥取大学教育学部の場合

,個

々の授業科 目ではな く

,専

門教育課程のカ リキュラム全体 として, どの ような力量 を学生 に形成 して もらうのか とい う合意 は

,教

官内で も未形成であるとい え

,そ

の ことが以上の調査結果 にも表われているように思われ る。 (21 教員養成カ リキュラム としての改善方策 専門教育課程のカ リキュラムヘの改善希望 を尋ねた

(Q10)結

果 を

,図

12に示 した。 回答者の総 計で集計 した9つの項 目についてみると,「学生側 の学 び方」(66.3%),「 授業科 目の配 当年次」(59.

7%),「

講義

2単

位,演習1単位の単位配分」(59.3%),「授業科 目の形態」(49,0%),「授業科 目の 種類

J(42.8%),「

授業科 目の開設数」(40.5%),「 教官側の指導法」(38.2%),「 授業科 目間の関連J

(288%),「

最低修得単位数」

(14.0%)の

順で

,改

善希望が高か つた。ただ し,「授業科 日間の関 連」

(47.5%)及

び「教官側 の指導法」

(46.2%)は

「 どち らともいえない」 との回答が約半数 を占 めていた。 しか し,「最低修得単位数」 を除 く8つの項 目は,「現在の ままでよい」 よ りも改善希望 の方が多 かつた。 以下

,順

,自

由記述回答 も交 えて検討 したい。 ①最低修得単位数及び単位配分 「最低修得単位数」については,「現在の ままで よい

J(554%)が

過半数 を越 えてお り,「改善の ど ちらとも しヽえない (N) (264) (264) (261) (264) (257) 0修 60

20

(14)

424

渡部昭男:教員養成 カ リキュラムの改善 に関す る調査研究 区分 現在のままでよい どちらともいえない 改善の必要を感 じる (N) 最低修得単位数 授業科 目の開設敷 援業科目の種類 授業科 日の形態 講義2単位・ 演習1単位の単 援業科目の配 当年次 授業科日間の関連 教官側の指導法 学生側の学び方 観察参加実習の時期 観察参加実習の期間 観察参加実習の実習校 観察参加実習中の指導 教育実習の事前 。事後指導 本実習の時期 本実習の期間 本実習の実習校 本実習中の指導 教育実習の事前事後指導 事業研究 小学校課程の専修制度 (258) (259) (257) (255) (258) (258) (257) (262) (258) (122) (123) (122) (121) (120) (121) (119) (121) (121) (120) (121)

Q70

図12 専門教育課程のカ リキュラムヘの改善希望 (Q10) 単位

:%

注1)観察実習関連の項目は、観察参加実習修了生のみで集計。

2)本

実習関連の項 目及び卒業研究 は、本実習修了生 のみで集計。

3)専

修制度 は、小学校課程のみで集計。 必 要 を感 じ る」 は14.0%に 留 ま っ た 。 鳥取大学教育学部 における専門教育科 目の最低修得単位数 は

,表

11に示す ように

,卒

業研究5単 位を含めて

,全

課程共 に88単位 となっている。 この88単位 の内

,52.3∼ 61.4%は

教育職員免許法 に 規定 されている免許基準 としての最低修得単位である。 また

,88単

位の内

,自

由選択科 目は24(27

3)∼

32(36.4%)単

位 となってお り

,お

よそ

3分

の1は学生が自由に選択で きるシステムになって ①

③ (N) ③ ② ① 免許合計数 計 コマ数 観察参加実習修了 本実習修 ア生

図13 取得計画免許状の合計数

(Q12)

単位

:%

(N) (120) (120) 図14 1984年 度後期受講申請コマ数の週合計 (Q13) 単位

:%

(15)

いる。 また

,88単

位 は, 大学設置基準に規定のあ る専門教育課程76単位の 要件 より12単位だけ多い。 改善希望の具体的記述 は

,合

計28件が寄せ られ た。その内,「現状では忙 しす ぎる」及び「最低修 得単位数 を減 らす」が19 件(67.9%)と 多 く,「単 に増や して も無意味。内 容 を濃 く。」との意見 もみ られた。 一方,「最低修得単位数 を増やす」 との見解 も8 件

(28.6%)あ

,中

に は,「現在の単位数で よい 教師になれるか不安だか ら。」との理由 も示 されて いた。 ところで

,図

13に示す ように

,学

生の約

4分

3が 3種

類以上の教員免 許 を取得す る計画 を立 て てお り

,卒

業要件 を充足 することによって取得で きる教員免許状 (主免許 状 と呼ぶ

)に

加 えて

,数

種類 の副免許状 を取得す る者が多い。従 って

,卒

業時 の取 得 単 位 総 数 が 100単位 を越 える者 が一 般的になっている。いわ ゆる履修上の「過密スケ ジュール」 は

,最

低修得 単位数88単位 に起因す る のでな く

,免

許状の多数 取得 を目ざす傾 向による もの と思われる。(表 12) 鳥取大学教育学部履修

ittTttg彊

「千

i::1憂

i卜

i弓I猛

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 27巻 第

2号 425

表■ 鳥取大学教育学部・専門教育科 目の最低修得単位数 (1984年度) 一― ――一 ―――――一――― 一一―― ― 「 r T― ―T ¬ T T \ \ \ 科目区分 \ \ 課程区分

\ \ 合 互

T夏

T示

「千

禿

│:千

Etti至 :こ

iZ:至

I::::こ

:こ

:

1衰

1晨

1萩

1議

1雲

1露

1震

1薔

1薔

示甘尋

『千

=:五

│ 誦

1再

1寸

F i乙

教 科

1161131/123131151母

8

1)目

T浜

r霙

ζ

ぞ旨鷲罐景発韓裏モ誓例警

「奢

fに

;こ

数の

位は

%。 表12 免許状の取得予定状況 (主免・副免別)(Qll)単位:人。 (%) ――‐一―T ― ――― 「 T ‐ T ‐ 「 「 可‐ ― 「 ――― 「 免許 1小

1小

1中 1中

1高 1養 1養 1幼 1幼

│1専

lgttEiζ

:を

ζ

!な

:旨

i \ │ 自 1卒 │

│ │

由 1業 │

‖ 選 1研 │

│ │

択 1究 │

│ │

(16)

渡部昭男 :教 員養成カリキュラムの改善に関する調査研究 規程 は,「 1年間に履修 することので きる授業科 目数の最高限度」を50単位 としてお り

,過

密履修 を 防止す る立場 をとっている。現 に

,図

14に示 したように

,観

察参加実習修 了生 の

5分

4が

,週

16 コマ以下の受講 申請 となってお り

, 1日

4コマ制

,水

・ ± 2コ マを原則 としている鳥取大学教育学 部 で

,20コ

マ全てを埋 めている

3年

次学生 は

4分

の1程度 と予測で きた。 単位 に関 しては

,最

低修得単位数 よ りも単位配分の方が改善希望が59。

3%と

高か った。単位の計 算方法に関 しては

,大

学設置基準第26条に規定 されてお り

,各

大学 。学部で 自由に裁量す る余地 は 少ない。 しか し

,自

由記述回答が合計103件寄せ られ

,全

てが「演習の増単位」及 び「講義

2単

位・ 演習1単位 は不当」とす る内容であった ことは

,軽

視 で きない。大学設置基準の規定では,「1単位 の履修時間 を教室内及 び教室外 を合せて45時間」 とす ることを基本 とした上 で

,実

験 。実習に関 し ては「すべて実験室

,実

習場等で行われる」 としてあるものの

,講

義及 び演習に関 しては

,教

室内 の学修 と教室外 における準備のための学修の複数の時間組 み合せを認 めてお り,改善 は可能である。 「演習の準備の方が大変である」 とか「講義 よ り身 につ く」 との意見 は

,単

位の計算方法の見直 し とともに

,講

義のあ り方は

0(特

,準

備のための学修 のあ り方

)に

ついて検討 を要請 していよう。 ②授業科 目の開設数・ 種類・ 形態 授業科 目の開設数 については

,40.5%が

「改善 の必要 を感 じる」と回答 してお り,「現在 の ままで よい」

(32.0%)と

する者 を上 回った。 自由記述回答 は合計で61件寄せ られたが

,56件 (91.8%)が

開設数 を増やすべ きであるとしてお り

,精

選すべ きであるという

2件 (3.3%)を

圧倒 していた。他 に

,隔

年開講 をな くすべ きであるとする意見が

3件 (4.9%)あ

った。 授業科 目の種類 について も

,428%が

「改善の必要 を感 じる」とす る回答であ り,「現在の ままで よい」

(29.6%)を

上 回っていた。 自由記述回答 は合計で70件寄せ られたが

,50件 (71.4%)は

もっ と多様 にすべ きである としていた。現在多様す ぎるので絞 るという意見は

2件

(2.9%)に留 まった。 他に

,具

体的な要望 として,「興味 に応 じた広領域 の ものを」,「もっ と実践的 な ものを」,「現代的な 内容の もの を」,「子 どもの実態把握 について」,「父母 との関わ り方について」,「保育 内容 を」,「福祉 に関す るものを」,「特殊教育の中に盲・ろう。肢体不 自由関係の ものを」,「実技系の科 目を増やす」 等の意見が

, 1な

いし

2件

あった。 授業の形態について も,「改善の必要 を感 じる」が49.0%と,「現在の ままでよい」の

29.0%を

上 回った。 自由記述回答 は合計で79件寄せ られた。最 も多かったのは

,講

義以外 の演習 。実験等 を増 やす というもので

,53件 (67.1%)に

上 った。逆 に

,講

義 を増やす としたの は

,わ

ずかに1件 (1.

3%)で

あった。具体的 には,「講義がつまらない」,「一般的なことや抽象的 な話が多す ぎる」,「活 気がない」 との意見 も示 されていた。演習等 を増やすに続 いて多かった意見 に

,ク

ラスサイズを小 さくするというのが

7件

(8。

9%)あ

った。 授業科 目の種類及 び開設数 を増やすべ きであるとい う希望 には

,施

設・設備や人的条件 もあって 直ちに応 えることはで きに くい。 しか し

,学

生の増設要求の背後 には,「受講 したい科 目が少 ないJ という不満があるもの と予測 され るのであ り

,例

えばぅ少人数の授業や演習形式の ものを増やすな どの工夫(161によって

,精

選 を図 りなが ら学生の要望 に応 えてい くことは可能である と思われ る。 ③授業科 目の配当年次・ 関連 授業科 目の配 当年次 については,「改善の必要 を感 じる」が59,7%と,「現在 の ままで よい」の17.

1%を

はか るに上回った。 自由記述回答95件か ら

,そ

の改善方向を探 ってみると, 1・

2年

次 (特に 1年次

)配

当を増やす (68件

,71.6%),年

次 を指定せず自由にす る(13件

,13.7%)と

い うものが 多数意見であった。理由 として,「

3年

次 に集中 しす ぎ」,「各年次均等 に」というように年次 による

(17)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 27巻 第

2号

負担の均衡 を挙 げているもの もあったが,「専門課程の学習が役立てうるか否かは

,学

生側 の問題意 識の有無 によ り決 まると思 う。

1年

次か らの専門科 目の導入や本実習の早期実施で動機 づ けをして か ら

,よ

り深 く専門教科の学習 を大学生活の間 にで きるよう切 に改善 を望みたい。」 とい う1・

2年

次のあ り方 にまで言及 した意見 もあった。その他 に

, 1年

次か ら演習 を導入す る

,教

育実習 を早期 化するとの意見 もあった。 これに反 して, 1・

2年

次配 当を減 らすべ きであるとい う意見 は

, 1件

(1.1%)に

留 まった。 授業科 目間の関連 については,「どち らともいえない」が47.5%と最 も多かつたが,「改善の必要 を感 じる」

(28.8%)が

「現在の ままで よい」

(23,7%)を

わずかに上回った。 自由記述回答 は合計 36件寄せ られたが

,関

連づけ 。系統づけを図る とするのが25件

(69,4%)あ

った。具体的 には

,基

礎理論の重視

,前

・ 後期のつなが り

, 4年

間 に渡 る見 とお しを挙 げるもの もあった。他 に

,時

間割 編成上関連のある科 目を重ねない とするのが

9件

(25.0%)あ

った。

4年

次配当科 目を増やす とい う意見 もあった。 教育実習に関 しては

,項

目を立てて後述するが

,既

に述べた1・

2年

次における教員養成 カ リキ ュラムの充実 とあわせて

,授

業科 日間の関連及 び配 当年次が総合的に検討 されるべ きであ ろう。 ④教官側の指導法・学生側の学 び方 教官側の指導法 については,「どちらともい えない」が46.2%と最 も多かつたが,「改善の必要 を 感 じる」

(38.2%)が

「現在の ままでよい」

(15.6%)を

上回った。 自由記述回答 は52件寄せ られた。 極めて多様 な意見でい くつかに集約す ることは困難であるが

,概

して厳 しい指摘 となっている。具 体的には,「だ らける教官がいる」,「古いノー トを使用 しないで」,「興味あるテーマを選 んで」,「指 導 したい ことを明確 に」,「l旨導法 を勉強 してほ しいJ,「何 を言っているのかわか らない教官がいる」, 「実践的な内容 を」,「現場での実体験が必要では」,「理想論 す ぎる」,「もっと将来 に役 に立 つ こと を」,「積極的・行動的にJ,「熱意 をもって」,「サラ リーマ ン教官がいる」,「教育学部 の教官 とは思 えない教官がいる」,「講義 をもっ と厳 し く」,「安易 に単位 を出 さないように」,「もっ と学生 と対面 して」,「討論 をとり入れては」,「学生の実態 をみて工夫 してほしい」,「自己満足でな く」,「教 官差 を 感 じる」等々であつた。 一方

,学

生側の学 び方 については,よ り厳 しい自己評価 をしていた。即 ち,「改善の必要 を感 じる」 が66.3%と 回答 を求めた項 目中で最高 となってお り,「現在 の ままでよい」はわずか に

8.5%で

あつ た。 自由記述回答 は合計で70件あつた。や る気 を持つべ き

,積

極性 を持つべ き

,真

面 目に

,目

的 を 持 って

,主

体的に

,等

の自己評価が54件

(77.1%)に

上 った。他 には

,さ

ぼつている

,単

位 さえと ればよい という感 じであるとの意見 もあった。学び方 を身 につけるべ き

,講

義のための 自学 をすべ き

,実

践的に学ぶ ように

,

とい う積極的な指摘 もあった。 「理論 ばか りで自分達 は本当に生徒 を知 っているとい う風 に考 えてお られ る方が

,生

の子 どもを 考 えないで,自 分達が勝手 にイメージした子 どもを使 って講義 をしてお られ る。J,「

OO学

としての 教育 と

,実

際の教育 との間にはギャップがあ りす ぎる。」等の指摘 に対 しては

,教

官側 が謙虚 に耳 を 傾 けなければな らない面 も多い。特 に

,講

義 に関 しては,「実習等 は時数 は少 なかったにせ よ有意義 であったが

,講

義 は抽象的・特殊的範囲のため役 に立たない と思 う。」,「講義 は試験 が終 わ る と忘れ て しまう。」,「お もしろ くな くて も体系的な もの を。」な ど

,講

義の内容及び講義の方法・ 技術面で の改善・充実(161を求 める意見が散見 された。 しか し

,教

官側 だけの問題 としてではな く,「講義 その ものに役立つ。役立たないはあると思いますが

,大

切 なのは学生の姿勢なのではないで しょうか。」, 「理論が実際 と結 びつ くのは現場 に出てか らになって しまうと思 うが

,や

は り知識 を持 ってお く必

(18)

渡部昭男:教員養成カリキュラムの改善に関する調査研究 要がある。」 と

,学

生 自らの学 び方 と関わ らせた意見 もあった。 教員養成 カ リキュラムの充実 とは

,正

に学生 と教官が一体 となって実践的に創 り出 してい く課題 であるといえよう。 ⑤教育実習 (観察参加実習

,本

実習

,事

前事後指導) 教育実習に関 しては

,観

察参加実習 は観察参加実習修了生の

,本

実習 は本実習修了生の回答 につ いて集計 し

,事

前事後指導 については双方 をそれぞれ集計 した (図12)。 まず

,鳥

取大学教育学部 における教育実習の概要 について説明 してお こう。教育実習の期間 と単 位は

,小

学校課程が

6週

4単

,中

学校課程が

5週

3単

,養

護学校 甲・ 乙課程 はそれぞれ に 小 。中学校課程 に加 えて障害児教育実習

4週

3単

位がある。教育実習 は卒業要件 として必修 であ り

,主

免許状の教育実習単位が修得できない場合 は卒業で きない。既述のように

,小

学校教育実習 及び中学校教育実習 は

, 3年

次 に1週間の観察参加実習があ り(10月の前期試験休 み中

), 4年

次前 期 に残 りの期間 1/Jヽ5週間

,中

4週間)の本実習があ る。障害児教育実習には観察参力日実習はな く, 4年次前期 に一括 して行われ る。本実習は

,観

察参加実習を履修 し

,か

,専

門教育科 目を60単位 以上修得 している者でなければ履習で きない。主免許状 に加 えて副免許状の教育実習 もあ り

,小

学 校

,中

学校及 び障害児教育実習は

4年

次前期 に

2週

2単

位で

,幼

稚園教育実習は

4年

次後期 に2 週間

1単

位 で設 けられている。実習校 は

,主

免許状 に関 していえば

,附

属小・ 中・ 養護学校 で行 う ことを原則 としつつ

,小

学校教育実習について協力校 (鳥取市内小学校 で回 り持ち

)で

一部実施 し ている。出身校方式は採 つていない。なお教育実習の評価 は

,学

部委員 と各附属校委員 とによって 構成 される教育実習委員会 において行われている。事前`事後指導 は無単位である。 それで は

,

まず

,観

察参加実習に関す る改善希望 について検討 したい。全ての項 目について,「改 善の必要 を感 じる」が「現在の ままでよい」 を上 回った。具体的には

,時

(56.6%),期

間 (52.0

%),事

前・ 事後指導

(48,3%),実

習中の指導

(42.1%),実

習校

(36.9%)の

順で,「改善の必要 を 感 じる」との回答が多かった。 自由記述回答 は

,時

期 に関 しては51件寄せ られ

,内

49件

(96.1%)が

もっ と早 い時期 に行 うべ き であるとしていた。具体的には,「

3年

次の春」,「

2年

次」,「

1年

次」,「 2回実施Jの案が示 されて いた。

2件

,試

験休 み期間中を外 してほ しい とい うものであった。 期間 に関 しては45件寄せ られ

,44件 (97.8%)が

延長希望であった。 その内

, 2週

間案が

9件

あ つた。残 りの1件は

,分

割実施希望であった。 実習校 では36件寄せ られ

,全

てが附属校以外 も可能 に してほしい とい う希望であった。 実習中の指導 については22件寄せ られ

,も

っ とていねいに

,詳

しく

,親

切 に

,

というものが10件

(45,5%)あ

った。 もっ と授業参加 したい とい う希望 も

2件

あった。 事前・事後指導 については29件寄せ られ

,実

施す ることの意義 を疑 うものが

9件 (31.0%),実

習 中の実施 をさけて事前 に行 うべ きであるとする ものが11件

(37.9%)あ

った。一方

,必

修 に して単 位化すべ きであるとの希望 も

2件 (6.9%)み

られた。 次に本実習に関 して検討する。「改善の必要 を感 じる」が「現在 の ままでよい」 を上 回ったのは, 時期の項 目だけであった。

56.6%が

本実習の時期 について改善 を希望 していた。他 は

,期

間 (75.6

%),実

習中の指導

(73.6%),実

習校

(60.3%),事

前・事後指導

(50.0%)の

順で,「現在の まま でよい」 との回答が多かった。 改善希望回答 の方が多かった本実習の時期 については

,合

計52件の自由記述回答の内

,48件

(92.

3%)が

もっ と早期 に実施すべ きであるというものであった。具体的には

, 3年

次案が26件

, 2年

参照

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