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豊田市の中山間地域における高齢者の生活環境に関する調査研究

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Academic year: 2021

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豊田市の中山間地域における高齢者の生活環境に関する調査研究

Survey of the Living Environment of Senior Citizens

in a Mountainous Area of the Toyota District

神谷 清仁†, 小林 定教††

Kiyohito KAMIYA, Sadanori KOBAYASHI

Abstract:In towns and villages of remote mountainous regions there is a growing percentage of senior citizens in the

population and are even in the majority in some rural communities due to the flow of younger and middle aged

population into urban regions. It seems many seniors , as well as the middle aged people who support them wish to

continue their autonomous living in their own houses in the rural regions where they are accustomed to be and enjoy a

tightly knit web of communication with there neighbors. However, seniors often face difficulty in the upkeep of their

household, especially during the winter time.

This survey aims to obtain data to help improve the living environment of the senior citizens to make it more worth

living through questionnaire surveys on their present living conditions, their residential environment, and their way of

life during the winter time as well as how to establish and live an independent life in the future.

The survey was conducted in a mountainous area of the Toyota region where the percentage of seniors is quite high.

1. はじめに 中山間地域注 1)においては、近年、若者、中高年の都市 への人口流出などにより、高齢者人口の占める割合が一 段と高くなり、高齢者が社会の担い手となりつつある。 高齢者や、高齢者の生活を支える中高年の人々は、今 後も地域の交流の中で住み慣れた家や地域で自立した生 活をすることを望んでいると思われるが、高齢者世帯の 生活維持は、特に冬期において困難な場合が多い。 2005 年 4 月、豊田市は中山間地域の小原村、旭町、稲 武町など 6 町村と合併し、広大な自然と活力ある産業が 共生する文化都市づくりが始まり、今後の中山間地域に おける高齢者にも対応できる街づくりが注目される。 本研究では、高齢者の人々が自立した生活を維持する 上で抱いている不安、今後の生活環境づくりの問題点な どについてアンケート調査を行い、より生甲斐のある高 齢者社会の住まいづくりに役立つ資料を得ることを目的 とする。 † 愛知工業大学 工学部 都市環境学科(豊田市) †† 島根大学(松江市) 2. 調査概要 2・1 調査対象地域 調査対象地域は、豊田市北東部の、岐阜県に隣接する 小原支所、旭支所と、岐阜、長野両県に隣接する稲武支 所である。稲武支所は、小原・旭支所と異なり、支所周 囲に古くからの街が形成されているため街部と周辺部に 分けて調査を行った。(図 1) 図1 調査対象地域 (豊田市)

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表 1 に小原、旭、稲武各支所の人口、世帯数、老年人口 割合(%)を示す。老年人口割合は、旧豊田市が 11.7% であるのに対し、小原、旭、稲武各支所では 32.3%、 38.8%、34.5%と 20%以上高い値を示す。各支所では3 人に 1 人が 65 才以上の高齢者である。 図 2 に 1960∼2004 年の 3 支所の人口、世帯数の動態を 示す。3 支所の人口減少は 1960∼1975 年間が特に大きく、 旭支所では、2004 年までの 44 年間で 1/2 以下に減少して いる。1980 年以降の小原、稲武の人口減少は以前より緩 やかである。 2・2 調査方法と内容 調査は、2006 年 9∼10 月に豊田市、小原、旭、稲武各 支所ならびに各支所役員の協力を得て各支所内の高齢者 を対象にアンケート用紙を配布し、郵送で回収する「配 付郵送調査法」により行った。 アンケートの配布数は、小原支所:300 部、旭支所: 300 部、稲武支所・街部:200 部、稲武支所・周辺部:200 部である。 調査内容は、中山間地域における高齢居住者の日常生 活に関する問題、現在の生活環境、住環境の種々の問題 点に対する評価、医療、および高齢者用施設に関する項 目である。 3. 調査結果と検討 表 1  調査対象支所の概要 小原支所  旭 支所 稲武支所    注 人   口 4,182 3,322 2,977  2004年 世 帯 数 1,242 1,103 1,079  2004年 老年人口割合 32.3 38.8 34.4 (%)2004年 幼 稚 園 1 0 1 1)   小 学 校 3 3 1 1) 中 学 校 1 1 1 1)  高等学校 0 0 1 1)  分校 医   院 6 2 3 1)   歯   科 2 1 3 1)    市役所まで 23 km 30 km 44km  距離 (km) 1)愛知県統計年鑑、平成17年度刊 愛知県 アンケートの配布数、回答者数、回答率を表 2 に示す。 調査結果の検討に当たっては高齢居住者の人口割合、 回答者の属性割合が異なるので支所毎に、高齢居住者の 生活・住環境の現状と問題点について考察する。 以下、小原支所を小原、旭支所を旭、稲武支所の街部を 稲武街、稲武支所の周辺部を稲武周辺(又は稲武周)と 記す。       表 2 アンケートの回答者数 (高齢者) アンケート  回答数 回答率  男性  女性   配布数   (人)  (%)  (%)  (%)  小 原 300 193 64 75 25   旭 300 221 74 82 18  稲武街 200 140 70 69 31  稲武周 200 143 72 62 38 3・1 回答者の概要 4 地区の回答者の性別・年齢、職業を図 3、図 4 に示す。 1)小原:男性 75%、女性 25%、平均年齢は、男 73.2 歳、 女 73.9 歳、職業は「事務・技術職」2%、「技能・販売 職」4%、「農林」33%、「専門職」1%、「自営業」7%、 「管理職」1%、「主婦」6%、「無職」41%、「その他」 5%、「無回答」3%である。 図3 アンケート回答者の性別・年齢別 24 7 12 4 12 4 11 8 22 7 15 8 15 8 22 10 15 5 25 14 25 14 15 15 15 7 16 6 16 6 15 6 25 69 31 69 31 38 75 62 0 20 40 60 80 100 小原 (男) 小原 (女) 旭  (男) 旭  (女) 稲武街 (男) 稲武街 (女) 稲武周辺 (男) 稲武周辺 (女)   ∼69才  70∼74才  75∼79才  80才∼ 計(男女別)

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2)旭:男性 82%、女性 18%、平均年齢は男 72.5 歳、女 73.9 歳、職業は「事務・技術職」2%、「技能・販売職」 5%、「農林」46%、「専門職」1%、「自営業」7%、「管 理職」1%、「主婦」4%、「無職」32%、「その他」3%、 「無回答」0%である。 図 4 回答者の職業(高齢者) 1 2 6 41 5 3 46 1 5 1 2 4 32 0 19 13 0 4 1 2 6 1 3 31 1 1 0 8 1 1 4 33 1 7 7 3 50 3 4 50 0 10 20 30 40 50 60 農林業関係 自営業 専門職 技能・販売 管理職 事務・技術職 主婦 無職 その他 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 3)稲武街:男性 69%、女性 31%、平均年齢:男 75.1 歳、女 75.2 歳、職業は「事務・技術職」2%、「技能・ 販売職」4%、「農林」19%、「専門職」0%、「自営業」 13%、「管理職」1%、「主婦」6%、「無職」50%、「そ の他」1%、「無回答」3%である。 4)稲武周辺:男性 62%、女性 38%、平均年齢は男 75.5 歳、女 72.6 歳、職業は「事務・技術職」0%、「技能・ 販売職」3%、「農林」31%、「専門職」1%、「自営業」 4%、「管理職」1%、「主婦」8%、「無職」50%、「そ の他」1%、「無回答」1%である。 農林業に携わる人が、小原 33%、旭 46%、稲武 31% と若手居住者を対象とした調査の 3∼6%に比べ多い。 3・2 生活上の問題 3・2・1 生活上の問題に対する関心度 図 5 は、過疎化、少子・高齢化が進む地域で問題にな る 7 項目についての関心を 5 段階評価したものである。 「過疎化」「高齢者の一人暮らし」が全支所において「非 図 6 将来の生活に関し不安に思うこと 36 34 41 34 26 30 26 27 19 22 41 22 11 12 12 10 21 23 22 22 13 10 16 13 28 35 21 26 32 36 29 31 35 38 29 27 31 27 24 19 26 26 22 25 19 26 19 17 34 30 30 29 5 4 4 4 8 6 6 6 10 11 4 10 21 18 15 20 16 16 14 8 17 15 16 13 8 9 10 10 6 6 4 4 5 7 5 3 4 5 4 1 11 14 12 15 6 7 6 6 10 12 6 7 4 4 5 7 3 3 1 6 2 2 3 6 4 6 1 10 5 9 4 12 7 9 6 11 18 14 8 19 5 5 2 3 18 17 21 22 22 15 26 24 29 19 21 30 20 20 33 24 24 19 30 28 23 23 34 31 20 18 32 25 34 稲武周辺 33 稲武街 39 旭 37 小原 0% 20% 40% 60% 80% 100% 過疎化 高齢者だけの暮らし 在宅介護 子供家族との同居 高齢者用介護施設 施設での生活 医療 非常に高い 高い どちらとも言えない 低い 非常に低い 無回答 図 5 現在および将来の生活上の問題点 32 40 44 32 31 29 37 27 26 28 33 24 13 13 16 11 21 22 26 21 18 14 24 13 28 38 29 29 34 34 29 34 38 35 34 34 24 22 18 15 28 30 25 24 28 27 21 29 32 24 29 21 14 10 5 11 9 8 4 6 12 7 4 6 23 18 21 22 16 12 12 11 20 21 16 15 13 10 11 13 1 0 1 3 3 2 4 3 2 5 2 3 15 15 9 15 10 9 8 11 5 11 6 8 5 7 4 7 1 1 1 0 1 2 1 1 1 3 1 1 4 10 6 7 4 6 3 4 3 1 5 3 2 2 1 2 20 21 29 27 22 22 26 31 21 23 31 29 21 21 26 29 25 26 28 33 20 19 26 29 36小原 38 旭 26 稲武 街 36 稲武周辺 19 14 19 20 0% 20% 40% 60% 80% 100% 過疎化 高齢者の一人暮らし 高齢者だけの暮らし 子供家族との同居 高齢者用介護施設 冬期の高齢者の生活 医療 非常に高い 高い どちらとも言えない 低い 非常に低い 無回答

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は 1∼4%で、高齢者の転入は少ない。 人が小原 30%、旭 43%、稲武街 48 ・3・3 現在の家に住み続けたいか 「今後も現在の家に住み続けたいか」についての回答 ,「住み続けたい」が小原 88%、旭 87%、稲武街 90%、 らとも言えない」が 」 22 常に高い」、「高い」の両者を合わせて(以下『高い』 という)60%以上と高い。つぎに「高齢者だけの暮らし」 58∼67%、「医療」50∼62%と高い。「子供家族との同 居」は 26∼37%と関心はやや低い。全項目に亘って無回 答率(14∼33%)が高い。 3・2・2 将来の日常生活で不安に思うこと 図 6 は、今後の不安に関する 7 項目について 5 段階評 価したものである。「過疎化」「高齢者だけの暮らし」 の評価が 60%以上と『高い』を全地区で示す。つぎに「医 療」(51∼65%)、「在宅介護」(49∼70%)と高く、 「高齢者用介護施設」(44∼49%)、「子供家族との同 居」(29∼42%)は、旧豊田市から離れるほど小さくな っている。「施設での生活」(20∼26%)は最も低い。 全項目に亘って無回答の割合(15∼34%)は高い。 3・3 各支所での生活状況 3・3・1 在住年数 回答者の在住年数を図 7 に示す。在住年数 60 年以上の 人が小原 66%、旭 70%、稲武街 70%、稲武周辺 63%と 6∼7 割を占め、40∼59 年の居住者(小原 18%、旭 20%、 稲武街 21%、稲武周辺 25%)を加えると在住年数 40 年 以上の人が小原 84%、旭 90%、稲武街 91%、稲武周辺 88%と 8∼9 割になる。20∼40 年は 5∼10%、20 年未満 3・3・2 家族構成 家族構成は、夫婦二 %、稲武周辺 37%で、つぎに「夫婦と子又は子供家族」 (小原 41%、旭 29%、稲武街 24%、稲武周辺 27%)が 多く、夫婦が中心(小原 71%、旭 72%、稲武街 72%、 稲武周辺 64%)である(図 8)。家族数は小原 3.6 人、 旭 3.3 人、稲武街 3.0 人、稲武周辺 3.1 人である。 図 8 家族構成 3 5 6 6 41 3.6 3 4 4 5 13 3.3 5 7 24 3 3.0 3 5 11 27 8 3.1 30 8 43 29 48 6 6 37 9 0 10 20 30 40 50 あなた(男) 貴方(男)と子供or子供家族 あなた(女) 貴方(女)と子供or子供家族 夫婦2人 夫婦と子供or子供家族 その他 家族数 小原 旭 稲武街 稲武周辺 3 は 稲武周辺 83%と多く、次いで「どち 7∼11%、「住み続けたくない」は 2∼4%と少ない。 図 9 は「住み続けたい」と回答した理由である。「生 活が好き」の評価が最も高く 50∼55%、次に「家が好き」 38∼39%、「近所との交流」35∼39%、「風土が好き ∼36%、「不便なし」16∼43%、「近くに子供がいる」 15∼17%と続く。稲武街の「不便なし」が 43%と高いの は、日常の用事は街内で可能なためと思われる。 図 7 当地での在住年数 4 10 18 66 2 3 7 20 70 0 1 5 21 70 3 3 6 25 63 3 0 20 40 60 80 20年未満 20‐40年未満 40-60年未満 60年以上 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 図 9 現在の家に住み続けたい理由 39 31 4 15 35 16 7 50 38 36 5 16 36 20 6 52 39 22 10 17 39 43 2 50 38 24 12 16 36 22 3 55 生活好き 家が好き 風土が好き 交通便利 近くに子供 近所と交流 不便なし その他 0 20 40 60 80 小原 旭周辺 稲武街 稲 周辺

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「当地に住み続けたくない人」は少数で、全回答者の 7∼9%である。地域によって「住み続けたくない」理由 に差がある。主な共通意見としては、「病院が遠い」「当 地の将来」「冬期の生活」「事故」「教育」の不安が挙 げられる。 3・4 日常生活と問題点 3・4・1 買い物の主な交通手段と所要時間(複数回答) 日常生活に必要な買い物の主な交通手段を図 10 に示 す。中山間地域での生活のため、交通手段はほとんどの 人が「自動車」(小原、旭 79%、稲武街 42%、稲武周辺 74%)である。稲武街では「徒歩」50%、「自動車」42%、 「自転車」12%と他の地域と異なる。「自動車」の片道 所要時間の平均値は、小原 30 分、旭 31 分、稲武街 23 分、 稲武周辺 26 分である。 3・4・2 医院への交通手段 医院への交通手段は、「自動車」が最も多く小原 78%、 旭 83%、稲武街 49%、稲武周辺 76%で、稲武街の車の 利用率が低い。これは街の中に医院があるためと思われ るが、買い物の交通手段より自動車が7%、バスが 8% 多く、徒歩は 11%少ない。 3・4・3 冬期(降雪時)の不安(複数回答) 降雪期の生活上の心配な事項は、「病気」が 35∼45% と最も高い。「公道までの除雪」は稲武街 40%、稲武周 辺 45%で、小原 24%、旭 15%より高いが、これは稲武 の降雪量が他支所より多いためと思われる。続いて「買 い物」17∼24%、「室内の寒さ」9∼15%と続く。「特に 心配ない」は小原 31%、旭 16%、稲武街 29%、稲武周 辺 24%である。(図 11) 図 11 冬期の生活で心配なこと 41 24 15 4 31 35 15 12 3 16 12 6 29 24 45 45 9 3 24 17 17 40 41 17 0 20 40 買い物 病気 公道までの除雪 室内の寒さ その他・無回答 特に心配ない 60 小原 旭 稲武街 稲武周 辺 図 10 買い物の交通手段 8 3 3 79 2 2 0 1 7 14 0 3 79 2 0 4 0 2 50 12 1 42 1 0 1 1 4 3 0 5 74 12 1 5 1 5 0 20 40 60 80 100 徒歩 自転車 バイク 自動車 バス タクシー   訪問販売 近所に依頼  その他 小原 旭 稲武街 稲武周辺 3・4・4 生甲斐、楽しみ(複数回答) 生甲斐、楽しみとしては、「家族」55∼60%、「人と の交流」30∼44%、「仕事」35∼36%、「TV、ラジオ」 「旅行」27∼45%、「趣味」27∼31%、「田畑・菜園」 などが続く。(図 12) 図 12 生甲斐、楽しみ 28 44 32 37 26 37 7 3 17 5 6 27 30 26 20 23 19 10 3 12 3 3 36 44 28 47 31 28 12 1 27 4 7 40 28 34 0 3 6 18 10 30 44 38 0 10 20 30 40 50 仕事 人との交流 家族 TV、ラジオ 旅行 田畑・菜園 スポーツ 創作活動 趣味 その他 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺

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3・5・2 自宅で改修した所(複数回答) 、「浴室」16 様、水周りの改修希望が高い。(図 15) 項目は「特に無 い 3・5 現在の住居 3・5・1 自宅の築後年数 自宅の築後年数の平均は小原 59 年、旭 65 年、稲武街 56 年、稲武周辺 62 年である。 自宅の築後年数は、50 年以上が小原 42%、旭 41%、稲 武街 45%、稲武周辺 50%と多く、0∼50 年まで 10 年毎 の建築数がそれぞれ約 10%ある。(図 13) 自宅で改修した所は、「便所」20∼26% ∼19%、「台所」12∼13%など水周りが中心で、「玄関」 「廊下」「居間」は 10%以下である。「特に無い」は 16 ∼24%である。(図 14) 3・5・3 今後、改修したい所(複数回答) 「特に無い」が 31∼34%で最も多いが、「浴室」11∼ 15%、「便所」9∼11%、「台所」8∼12%と、3.5.2 と同 3・5・4 改善したい項目(複数回答) 図 15 今後、改修したい場所 7 4 12 15 12 9 7 7 8 4 10 5 8 11 11 2 34 8 8 9 15 2 16 33 2 6 10 32 14 10 14 8 6 31 6 5 0 10 20 30 4 玄関 廊下 居間 台所 便所 浴室 その他 特に無い 無回答 0 図 13 自宅の築後年数 6 11 11 13 6 42 10 8 13 10 13 9 41 8 6 6 10 11 10 45 12 1 13 5 11 11 50 9 0 10 20 30 40 50 60 10未満 10∼20年 20∼30年 30∼40年 40∼50年 50年以上 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 小原 旭 稲武街 稲武周辺 日常よく使用される部屋で改善したい 」が 41∼46%で最も多く、「暖かさ(冬期)」26∼32%、 「段差」7∼15%、「隙間風」8∼13%、「明るさ」6∼10% などである。(図 16) 図 16 部屋で改善したい項目 14 31 1 5 1 46 10 15 10 7 11 32 11 1 11 41 9 5 9 11 13 10 46 7 6 11 26 9 11 14 26 5 3 8 1 46 広さ 明るさ 暖かさ(冬) 涼しさ(夏) 段差 隙間風 その他 特に無い 無回答 0 10 20 30 40 50 図 14 高齢になってから改修した場所 9 4 6 13 21 16 2 24 5 10 8 7 12 20 18 3 18 4 7 4 7 13 26 19 2 16 7 9 9 7 13 21 17 1 18 6 0 5 10 15 20 25 30 玄関 廊下 居間 台所 便所 浴室 その他 特に無い 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 小原 旭 稲武街 稲武周辺

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3・5・5 暖房機器(複数回答) 室内の暖房機器の使用率は、ストーブ(42∼47%)、 エアコン(8∼16%)で、小原、旭がそれぞれ 60%、59% と稲武よりやや高く、「こたつ」の使用は稲武街、稲武 周辺の方がやや高い。(図 17) 3・5・6 暖房の評価 「暖房すると温かい」は、小原 69%、旭 72%、稲武街 76%、稲武周辺 77%である。「少し寒い」は小原 24%、 旭 20%、稲武街 16%、稲武周辺 13%で、両者で、93%、 92%、92%、90%である。「寒い」は 3∼4%である。 (図 18) 3・6 将来の生活 3・6・1 子供との同居の希望 図 19 は、将来、夫婦だけ、あるいは一人暮らしになっ た時、子供(身内)と同居することについての回答をま とめたものである。 一緒に住む「完全同居」は小原 49%、旭 52%、稲武街 49%、稲武周 50%とほぼ半数であり、一緒に住むが生活 は別々にする「独立型同居」は小原 18%、旭 14%、稲武 旭 66%、稲武街 63%、稲部周 58%と半数以上が同居を 希望している。「近くに住む」は、小原 5%、旭 7%、稲 街 8%、稲周 8%、「断る」は 3∼6%、「分らない」は 15∼21%である。 図 17 暖房機器 47 13 37 3 16 38 4 44 11 42 3 42 8 46 3 43 0 20 40 6 ストーブ エアコン こたつ その他 0 3・6・2 一人暮らしが困難になった場合(断った人) 図 20 は、将来一人暮らしが困難になった時、どのよう に暮らしたいかを示したものである。「介護施設に入居 する」(小原 31%、旭 33%、稲街 36%、稲周 36%)、 「子供(身内)と同居」(小原 10%、旭 16%、稲街 14%、 稲周 14%)、「子供を呼ぶ」(小原 11%、旭 12%、稲 街 14%、稲周 8%)である。「分らない」(小原 32%、 旭 25%、稲街 27%、稲周 21%)で、約 3 割の人が決め かねている。 図 19 子供との同居の希望 49 18 5 3 20 0 6 52 14 7 6 15 0 6 49 14 8 4 21 1 4 50 8 7 4 20 0 11 0 20 40 60 完全同居 独立型同居 近くに住む 断る 分らない その他 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 図 20 一人暮らしが困難になった場合 10 31 11 5 32 11 16 33 12 2 25 11 14 36 14 2 27 7 14 36 8 4 21 17 0 10 20 30 40 子供の所 施設入居 子供を呼ぶ その他 分からない 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 小原 旭 稲武街 稲武周辺 図 18 暖房の評価 68 24 4 4 72 20 3 5 76 16 3 6 13 3 8 77 0 20 40 60 80 100 あたたかい 少し寒い 寒い 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺

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する」と回答した人の希望 す 3・6・4 冬期の一時入居施設 希望は、「強く希望す 3・7 施設 する施設(複数回答) 施設」50∼54%、 「 3・7・2 入居を望む住宅・施設(複数回答) いかにつ . まとめ 豊田市は 2005 年に周辺の 6 町村と合併し、総合的な地 域 住環境、冬期の住まい方、ならびに今後の自立した生活 人が小原 66%、旭 70%、 は、「生活が 買い物の主な交通手段は、中山間地 自動車」が小原 78%、旭 83%、 稲 期の生活上の心配事項は、「病気」が多く、稲武 しては、「人との交流」「家族」、 み続けたくない人」は、回答者の 7∼9% 3・6・2 で「介護施設に入居 る介護施設の場所は、地元の施設(46∼60%)、「子 供のいる地域」(19∼28%)、「地域にこだわらない」 (14∼26%)、「分らない」2∼10%である。 「冬期のみ入居できる施設」の る」「希望する」の両者で小原 25%、旭 23%、稲街 31%、 稲周 21%である。「希望しない」は小原 24%、旭 27%、 稲街 30%、稲周 31%で、「希望しない」方がやや高い。 「分らない」25∼30%である。 3・7・1 希望 居住する地域に希望する施設は、「介護 医療施設」29∼44%の要望は高いが、「冬期一時入居 施設」(10∼15%)、「高齢者向け賃貸住宅」10∼15% の希望は少ない。(図 21) 居住する地域に住宅・施設があれば入居した いては、「介護施設」34~45%、「冬期の一時入居施設」 15∼22%、「高齢者向け賃貸住宅」8∼15%で、無回答は 28∼38%である。(図 22) 4 づくりが期待されている。本調査ではその内の旧豊田 市と隣接しない中山間地域の小原支所、旭支所、稲武支 所(以下各支所という)を対象に高齢者の生活の現状、 づくりについてアンケート調査を行い、現状の問題点と 要望について考察した。下記にその結果を要約する。 1)現在および将来の生活上の問題点としては、全支所で 「過疎化」「高齢者の一人暮らし」が高く、「高齢者だ けの暮らし」「医療」「高齢者用介護施設」が続く。 2)将来の生活に関し不安に思う項目としては「過疎化」 「高齢者だけの暮らし」が高く、「医療」「在宅介護」 「高齢者用介護施設」が続く。 3)当地の在住年数は、60 年以上の 稲武街 70%、稲武周辺 63%と多く、40 年以上では小原 84%、旭 90%、稲武街 91%、稲武周辺 88%を占める。 家族構成は、「夫婦二人」が最も多く、「夫婦と子又は 子供家族」が続き、夫婦が中心である。 4)「現在の家に住み続けたい」理由として 好き」の評価が高く、次に「家が好き」「近所との交流」 「風土が好き」「不便なし」と続く。なお、稲武街の「不 便なし」が 43%と高いのは、日常の用事は街内で可能な ためと思われる。 5)日常生活に必要な 域での生活のため、多くの人が「自動車」であるが、稲 武街では「徒歩」50%、「自動車」43%「自転車」12% で、他の地区と異なる。 医院への交通手段は、「 図 21 介護施設の場所 60 24 14 2 46 19 26 8 46 21 23 10 52 28 18 2 0 10 20 30 40 50 60 70 地元の施設 子供いる地域 こだわらない 分らない 小原 旭 稲武街  稲武周辺 図 22 必要な施設・住宅 15 8 45 11 31 12 11 34 19 33 22 15 35 16 28 13 10 37 8 38 0 20 40 60 80 一時入居 賃貸住宅 介護施設  その他 無回答 小原 旭 稲武街 稲武周辺 武街 49%、稲武周辺 76%で稲武街の車の利用率が他に 比べ低い。これは街の中に医療機関があるためと思われ る。 6)降雪 では「公道までの除雪」が多い。続いて「買い物」、「室 内の寒さ」である。 7)生甲斐、楽しみと 「仕事」「TV、ラジオ」「旅行」「趣味」「田畑・菜園」 などが続く。 8)「当地に住

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、 42∼47%)、 らしになった時、子供 なった時の希望は、「介護施設」 「地元」46∼60%、「子供 の 間の一時入居施設」の希望は、「希望する」 「冬期一時入居施設」15∼22%、「高齢者向 け 当たり、豊田市、小原・旭・稲武支所の関係 位、ならびに各自治区の役員の方々にご協力いただき 加茂 7 市町村の合併の記録,豊田市,平成 17 年 4 月 意識に関する調査研究,人間と生活環境, 3) 注 る農業地 域 4 類型、都市的地域、平地農業地域、中間農業地 冬期の生活、事故、教育の不安」が挙げられている。 9)自宅の築後年数は 50 年以上が、小原 42%、旭 41% 稲武街 45%、稲武周辺 50%と最も多く、0∼50 年まで 10 年毎の建築数は、それぞれ約 10%ある。 10)利用暖房機器については、ストーブ( エアコン(8∼16%)の利用は小原・旭が稲武に比べ高 く、両者を合わせると約 6 割になる。「こたつ」の使用 率は小原、旭(37、38%)より、稲武街、稲武周辺(42、 46%)の方がやや高い。「暖房すると温かい」は 68∼77%、 「少し寒い」は 13∼24%、両者で、小原、旭、稲武街 92%、 稲武周辺 90%と約9割になる。 11)将来、夫婦、あるいは一人暮 (身内)と一緒に住む「完全同居」の希望は 49∼52%で、 「独立型同居」は 8∼18%、両者で 58∼67%で半数以上 が同居を望んでいる。 12)一人暮らしが困難に 31∼36%、「子供(身内)と同居」10∼14%、「子供を 呼ぶ」8∼14%である。「分らない」は 21∼32%で、約 3 割の人が決めかねている。 「介護施設」の希望地は、 いる地域」19∼28%、「地域にこだわらない」14∼26% である。 13)「冬期 「分らない」「希望しない」の割合はそれぞれ約 1/3 で ある。      (受理 平成19年3月19日) は低い。 高齢者向け施設への入居希望については「介護施設」 34∼45%、 賃貸住宅」8∼15%で、無回答は 28∼38%である。 5. 謝辞 本調査に 各 ました。記して感謝の意を表します。 6. 文献 1)豊田、 2)小林定教:山陰地方の中山間地域における高齢者の 生活環境 10(1),pp.9-17,2003 愛知県統計年鑑(平成 17 年度版),愛知県 1)中山間地域:中山間地域は、日本におけ 域、山間農業地域のうち、山寄りの山間地域と中間 地域の 2 類型を合わせた地域の総称である。

表 1 に小原、旭、稲武各支所の人口、世帯数、老年人口 割合(%)を示す。老年人口割合は、旧豊田市が 11.7% であるのに対し、小原、旭、稲武各支所では 32.3 %、 38.8 %、 34.5 %と 20 %以上高い値を示す。各支所では3 人に 1 人が 65 才以上の高齢者である。  図 2 に 1960 〜 2004 年の 3 支所の人口、世帯数の動態を 示す。 3 支所の人口減少は 1960〜1975 年間が特に大きく、 旭支所では、2004 年までの 44 年間で 1/2 以下に減少して いる。

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