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イチゴの休眠に関する生理学的研究 : II. 低温要求期における昼間温度が休眠打破におよぼす影響

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(1)

鳥大農研報

(Bull Fac.Agric,Tottori Univ)31 9∼

15(1979)

イチ ゴの休 眠 に関す る生理 学的研究

低温要求期に

19・

ける昼間温度が休眠打破におよばす影響

田辺 賢二 上林

真二 上平 田尚美

* 昭和53年8月31日受付

Physiological Studies on Dormancy of Strawberry

(F紹

騨 狗

,ど

%屁

o留

EHRH.Cult

ar HokoWase)

II Effect of Daytilne Temperatures in the Period of Chilling

Requirement on the Dormancy Breaking

Kenji TANABE:Shillii HAYASHlち

nd Naomi HIRATだ

In oder tO clarify the influence of daytilne temperatures on the dormancy breaking

of strawberry(Fγに こ万,g櫂2ヵ

"ο

tt EHRH cv,Hokowase),the foHowing investigation

都ras conducted

l The dormancy of stralvberry cv Hokowase did not break酪 ′hen the mean daytirne temperature都′as above 15°C,though chillng accumlation reached 500 hours

2 The groM′th of flollrer clusters treated ttrith 8-25° C daytime temperatures were not

significantly different,and not related to daytirne temperatures in the period from 0 to 200 hours chilling accunilations But in the period fron1 300 to 500 hours chilling accunllations, the rosset■ike plant and no runners ∬rere observed in the case of

daytirne temperatures above 20° C and 15°C,respectively

3 Stra都「berry cv IIoko、ァase、vere treated Mrith various periods of loMr and middle to high temperatures,4° C16 hours-15 to 20°C8hours,4°C48 hours-15 to 20° C24 hours,

and contindous 4°

C

Plants of the former tttro treatments exhibited poor growth and the symptoms of

rosset But in plants of the latter t郡 ′o treatments considerable vigorOus growth was

observed

4 From the results above mentioned, it 都′as considered that the dormancy of

stra郡/berry cv Hokottrase might not be broken in the case of daytilne temperature

above 15 to 20° C though chil ng accuHllation reached to the required hours for breaking dormany,and it was also considered that the chlling effect in strawberry

plants might be contradicted M′ ith high daytirne temperatures

*′

島取 大学農学部 農 学科 園芸 学研 究 室

(2)

イチ ゴには休眠打破のための低温 をあま り必要 としな い

,い

わゆる休眠の浅 い暖地型の品種 か ら, きわめて長 時間の低温 を必要 とす る休眠の深 い寒地型 の品種 まで, 生態型の異 なる品種 が多 く存在 し│'0それぞれ栽培地域 の 気象条件 に適 した品種 が栽培 されている。 しか しなが ら「宝交早生」 は低温要求性 が比較的強 い 品種で あるにもかかわ らず,その果実の品質がす ぐれ, かつ豊産性で あることか ら

,近

年西 日本 において,促 成, 半促成栽培 が さかん に行 われるよ うになった。 ところがイチ ゴが自然低温 に遭遇 して休眠 が打破 され る時期 に

,保

温 を開始す る半促成栽培 において

,晩

秋 か ら初冬 にかけて気温 の高い年 に

,低

温遭遇時間 が休眠打 破 に必要 な時間 に達 しているにもかかわ らず

,保

温 を開 始 して も春型 の草姿 にはな らず に矮化す ることが しば し ば見受 け られる。 この ことはイチゴ苗の冷蔵処理 にみ られるよ うな連続 した低温 の場合 と

,昼

夜間でかな りの温度較差 をもつ 自 然条件下の断続的 な低温の場合 とで

,同

じ低温遭遇時間 で も,その低温効果 にかな りの相違 のあることを予想 さ せ る。 本実験 はイチゴ「宝交早生」 の休眠打破 に要 す る低温 遭遇時間が

,昼

間の温度の ちがいによって, どの よ うな 影響 を受 けるかを明 らかにす るため に行 われた もので あ る。 実験材料および方法 本実験 は1972年11月よ り1974年3月 までの2年にわた って実施 された。初年度の19姥年 においては

,鳥

取 大学 農学部付属農場 で育苗 したイチゴ「宝交早生

Jを

10月中 旬 に育苗用 ビニールボ ッ トに植込み

,■

月10日よ り低温 効果 におよぼす昼間温度の影響 を調査 した。 処理区は

1.露

地逃光区

, 2.露

地区

, 3.無

加温 ガ ラス室区

, 4.15∼

20℃加温温室

, 5.25℃

加温 フ ァイ トトロ ンの合計5区と し

,午

前9時∼午後5時の8時間 処理 を行 い

,午

後5時∼午前9時の16時間 は各 区 とも露 地条件下 にお き,自然低温 に遭遇 させた。 処理開始 と同時 に自記サー ミス ター温度計 によ り各処 理区 および夜温 の測定 を行 い

,各

処理区の5℃以下の低 温遭遇時間 が350,400および500時 間 に到達 した時 に, それぞれの処理区 よ り10株ずつ16時間 日長

(100W自

熱 燈 による補光),15∼20℃加温温室 に搬入 し,その後の葉 柄長

,花

房長の動 きを調査 した。 1973年においては

,前

年の結果 をさらに詳細 に調べ る ため

,午

後5時か ら午前9時までの夜間温 を4℃に

,午

前9時∼午後5時の昼間温度 は

, 8,10,15,20お

よび 25℃の5区として

,前

年 と同様 に して育苗 し鉢上 げ した 「宝交早生」 を供試 し,11月 8日よ り試験 を開始 した。 開始後夜間の低温遭遇時間の積算値 が

,80,200,300,

400および500時間 に達 した とき

,各

区 よ り10鉢ずつ16時 間 日長,15∼20℃加温の温室 に搬入 し,その後の葉柄 長, 葉幅 および花房長, ランナー発生数 の動 きを調査 した。 またこれ とは別 に,イ チゴの休眠打破 に有効 な低温 の 持 続時間 と,それを中断す る中・高温 の持 続時間 との周 期性 がどの程度低温効果 に影響 をおよぼす かど うかを明 10 20 30 10 20 31 10 20

Nov. Dec.

」an.

1972 1973

Fig l ヽlean daytime or night temper― atures and chilling accumlation in the periOd Of experiment

(1972-1973) 1, ×iShade in field 2. ● :Field 3. △:Glass house

4.

□:Heasng greenhousc(15∼20℃) 5. O I PhytotorOn(25℃ ) ▲:Night temperatures in ficid

O iChilling accumlaЫ on(be10w 5℃)

緒 ︵ p ぃ 4 追 。 や ヽ ∽ H F E 捜 や 、 ︻ g コ ∪ o 、 的 頂 〓 一 F O

24 20 16 ・2 8 ︵ p ︶   o 隣 o 中に H o a g O 卜

(3)

イチ ゴの休 眠 に関す る生理学的研究 らかにす るため, 4℃16H寺間-15∼20℃ 8時間, 4℃24 時間-15∼20℃24時間

,4℃

48R寺間-15∼20℃24時 間, 連続4℃の5処理区 を設定 した。 各 区 とも5℃以下 の低温遭遇時間が450時間 に達 した とき

,前

述 と同 じ条件 の温室 に搬入 し,その後 の葉柄長 花房長 の動 きを調査 した。 実 験 結 果 自然低温 による休眠打破 におよばす昼間の温度の影響 を調 べた1972年 の処理期間中 における

,各

区の平均昼 間 気温 と夜温, な らびに 5℃ 以下の低温遭遇時間 を示す と 第1図の とお りで ある。 露地 区で は■ 月中旬 まで は

,か

な り高 い気温 をみ した ものの,11月下旬以降 は1時期 を除いてほぼ8℃前後 を 示 していた。露地退光区は露地区 とほぼ同様 の気温 の動 きを示 したがつ ねに1∼2℃ 低 かった。無加温 ガ ラス室 区は■月下旬以降

,露

地区 よ り4∼ 5℃ 高 く推移 した。 15∼20℃加温温室 および25℃フ ァイ トトロン区は

,ほ

ぼ設定 どお りに経過 した。 夜温 は11月 20日頃 よ り5℃ 以下の 日が多 くな り, また 低温遭遇時間 も急速 に増加 し,11月下旬100時間,12月 中旬200時間,12月下旬350H寺問, 1月上旬450R寺間 とな った。 次 に各区の低温遭遇時間が350,400および500時間 に 到達 した時 に

,長

日条件の温室 に搬入 し50日後 における 新生第二葉の棄1丙長 および花房長 を示す と第2図の とお りで ある。低温遭遇時間350時間 においては

,葉

柄長, 花房長 ともに

,昼

間の温度の低 い区ほ どよ く伸長 し

,15

℃以上 の温度の高 い区ではいず れも著 しく伸長 が抑 えら れ

,矮

化 していつた。 400時 間で保温 を開始 した場合の各区の状態 をみ ると, 露地 区 および露地進光区では著 しい伸長 を示 した ものの, 15∼20℃温室区,25℃フ ァイ トトロ ン区で は同 じ低温遭 遇時間で あるにもかかわ らず

,葉

柄 な らびに花房 の伸長 が著 しく劣 り

,葉

身 も暗緑色 を呈 し

,強

度 の矮化症状 を 示 した。 宿 も ︶ 聖 o ‘ o 一 Ч o f ¨ 口 ω 口 20 18 ・6 ︲4 ︲2 ・0 8 6 ︵ 0 ︶ F や ∞ 。 O ︼ 喜 ︻ ゃ め ︻ O 二 0 嘔   ︼ O   o 一 事 ω は

12345 12345

Fig 2 Effect of daytime

On the rfrO、Vth Of

flower stalk O i Flower stalk

350hrs 400hrs 500hrs Treatment and Chilling accumlation

8 10 15 20 25 Daytime temperature(℃)

Fig 3 Effect of daytime temperatures on the growth of petiole in various periodS Of chilling accumlation

※Data were shown by chilling accumlation(hrs)

12345

temperatures petiole and ● I Petiole ヽ ※500hrs 30孟

rs//`

(4)

︵ 日 0 ︶ H ︻ っ の ︻ 0 芸 0 唱   Ч o   議 や ¨ 目 0 日 8 10 15 20 25 Daytime temperature(℃)

Fig, 4 Effect of daytime temperature

On the gro、vth of flo、ver stalk

in various periods of chilling accumlation

※Data were shown by chilling accumlation(hrs) さらに「宝交早生

Jに

おいては

,休

眠打破 に要 す る低 温遭遇時間 をは るかに超 えていると考 えられる500時間 で加温 を開始 した場合 をみ ると

,葉

柄長 は露地

,露

地遮 光

,無

加温 ガ ラス室 の3区

,す

なわち昼間の平均気温 が 12∼ 13℃以下 の区で良好 な伸長 を示 し

,低

温要求 が十分 に満 された状態 にあつたが,15℃以上の2区で は

,低

温 遭遇時間は十分で あるにもかかわ らず,400時間の場合 と 同様 に著 しい矮化状態 を示 した。 一方花房長 は

,露

,露

地逃光の2区では葉柄 と同様 に良好 な伸 長 を示 したものの

,無

加温 ガラス室 区で は, 前の2者よ りかな り短 か く,また15℃以上の2区では葉 柄 と同様 に著 しく短 かかった。 次 に夜温 を4℃ とし昼間の温度 を

8,10,15,20お

よ び25℃に設定 して

,低

温遭遇時間 と昼間温度 との関係 を 調査 した1973年 の結果 を示す と第3∼ 6図の とお りで あ る。 まず葉柄 長 につ いてみ ると

,低

温遭遇時間が80∼ 200 時 間の場 合 には

,昼

間の温度 が低 い区ほど葉柄が長 くな る傾向 にあつたが

,区

間の差 は大 きくなかった。 遭遇時間300∼400時 間で保温 を開始 した場合 をみ ると, 昼間温 度 が10℃の区が最 も棄i丙の伸長 がよ く,15℃以上 で は温度 が高 くなるほ ど劣 り,また葉身 も小型で濃緑色 を呈 し矮化 の徴候 を示 した。低温遭遇時間 が500時間 を 経過 した場合 には,昼間温度 が低温 の区ほどよく伸長 した。 しか し15℃以上 になると伸長 が著 しく劣 り

,明

らかに矮 化 の様相 を呈 していた。(第5図) 一方低温遭遇時間 と昼間温度 との関係 を

,花

房長の動 きでみ ると第4図の とお りで ある。80∼200時間の低 温

2. Chilling accumlation 400 hours

Fig 5 EfFect of daytime temperatures

On the gro、vth Of Strawberry

cv.Hoko、vase in various periods of chilling accumlation

209Ⅲrs

`ヽ

fF,サ

lfr

80hrs

accumlation 200 hours

(5)

accumulation 200hrs

10 20 30 40 50 60 Days after treatment

10 20 Days Fig. 6 Effect of daytime temperatures

:8℃

●:10℃

○:15℃ 遭遇後 に加温 したものでは

,処

理温度間 にほとん ど差 が み られなかった。 低温道遇時間300∼400時 間で は

,処

理区の温度 が最 も 低 い 8℃ よ りも,10℃において良好 な伸長 がみ られ,ま た15℃以上の区では著 しく短 かかった。 低温遭遇時間500時間後 に加温 した場 合 には,10℃で 最高の伸長 を示 し,15℃以上の温 度 になると著 しく伸長 が劣 り

,特

に20125℃区で は顕著 に短 かかった。(第5図) 次 に各処理 区の低温遭遇時間200,300お よび500時 間 に おける

,加

温後の葉の生育 を秦柄長 ×葉幅の指標で示 す と第6図の とお りで ある。 す なわち低温遭遇時間 が200時間の場 合 には

,昼

間温 度 が25℃でやや他 の区 よ り劣 る傾 向 にあったが,その他 の区では明 らかな孝 はみ られなかった。 一方300時間の場合 には

, 8,10℃

の両区は加温 を開 始す ると急速 に生長 を始 めたが

,他

の区す なわち15℃以 上の3区では

,温

度の高 い区ほ ど生長 が劣 る傾 向が強 ま っていた。 さらに500時 間 後 に加 温 した場 合 には

,200,300時

間 で加温 を始めた株 に比べて

, 8,10℃

の両区は特 に急速 な生長 を示 した。 しか し20,25℃両区は低温遭遇時間 そ の ものは休眠打破 に十分で あるにもかかわ らず

,強

度の 矮化症状 を呈 していた。 イチゴの休眠 に関す る生理学的研究 accumlation 300hrs 40 50 60 treatment 10 20 30 40 50 60 Days after treatment On the growth of strawberry cv.HokOwase,

□:20℃

×:25℃ 次 に休眠が打破 されたかど うかの指標 の一つで あるラ ンナー発生数 につ いてみ ると

,第

1表の とお りで ある。 低 温 遭 遇 時 間 が80∼200時 間では

,各

区 とも全 くラン ナーの発生 がみ られず

,300時

間 を経 過 しては じめて昼 間温度8℃ ,10℃の両区 において発生す る株 が少 しばか り認 め られた。 また400時間で も

8,10℃

両区で それぞ れ処理個体 の約50%にランナーの発生がみ られた。 さらに遭遇時間が500時間 を経過 したものでは8∼10 ℃ の区で個体 あた り約1本の発生 がみ られたが,15℃以 上で は休眠が打破 され るに十分 な低温遭遇時間 に達 して

Table. l Effect of daytime temperatures on the runner formation of sttawberry cv.Hokowase 300           200           100 ︵ σ ︶ ω や 、 ︻ つ Ч 、 。 ︻ X   ︵ 日 0 ︶ 0 ︼ 写 o 出 chining accumlation(hrs)

No. of runners formed

15 20 25℃

0 0

0 0

0.3 0,4

0.5 0.6 0.8 1.0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 accumlation

(6)

︵ 日 ︶ O ︻0 いや α  彎o   〓゛ E O劇 いるにもかかわ らず

,全

く発生 が認 め られなかった。 次 に低温4℃と中・高温 (15∼ 20℃

)の

時間 を種 々に 組合せた場 合

,休

眠打破 に対す る低温効果が, どの よ う な影響 を受 けるかを調べた結果 を示 す と

,第

7図の とお りで ある。 す なわ ち連続4℃の場合 には常 に最 も良好 な生育 を示 し

,つ

いで48時 間4℃ -24時間15∼ 20℃の処理 区で良好 な生育 が認め られた。 30 40 50 60 70 Days aFter treatment

Fig 7 Effect of various cycles of low or middle to high temp― eratures on the growth of

petiole

O iCOntinueous 4℃

×:4℃ 16 hours-15∼ 20℃ 8 hours

Z\:4k3 24 hours-15´ ヤ201C24hours

E]:4k3 48 Lours-15∼ 20ヨC24hours

しか し24時間4℃ -24時間15∼ 20℃区で は

,低

温遭遇 時間が450時間 に達 しているにもかかわ らず

,前

述 の2 区 に比べてかな り生育が劣 った。 さらに16時間4℃

-8

時間15∼ 20℃の区で は一層劣 る傾向 にあ り

,低

温 の継続 時間の短 い区ほど,その後 の中高温 による打消 し効果 が 強 くあ らわれることが うかがわれた。 考

察 秋季の短 日低温で誘導 されたイチ ゴの休眠 は,その後 さらに低 い温度 に一定時間遭遇す ることによ り打破 され る。本実験 に供 試 したイチゴ品種「宝交早生」 において は

,低

温処理3,0ぁるいは露地条件 における保温開始時期 と生育 との関係 か らl'95℃以下の低温遭遇時間 力望00∼ 500時間 に達 したとき,休眠が打破 されると考 えられている。 実際栽培 においては

,こ

の時間 に到達 す るの を待 って 被覆加温 が開始 されている。 しか しなが ら晩秋 か ら初冬 にかけて温暖 な年 には

,遭

遇日寺間 力望00∼500時 間 に達 しているにもかかわ らず,カロ 温開始後 に春型 の草姿 とはな らず

,矮

化 し

,著

しく収量 と品 質の低下 を招 いている例 が多 く見受 け られる。 この ことは

,気

温 が昼夜間の変化 をす る中で間歌的 に 低温 に遭遇す る自然条件 と

,連

続的 な低温条件 とを同一 視す ることに問題 があることを予想 させ

,自

然条件下で の休眠打破過程 における低温 と

,そ

れ を断続的 に してい る昼 間の温度 との関係 を考慮す る必要 があるよ うに思 わ れ る。 本実験 を開始 した初年度 および2年目の結果 において, 夜間 は同 じ条件下の低温 に遭遇 させ

,昼

間 にそれぞれ温 度条件 の異 なる処理 を施 した場合

,明

らかに昼間温度 が 高 い区,こ とに15℃以上の区で

,低

温遭遇時 間が同時間 で も休眠が打破 されていないことが認め られた。 OVERCACH,CAMPBELL両 氏°は モ モ の 葉 芽 の 休 眠 打 破 に対す る温度の影響 を調べ,3.3℃ の低温 に連続的 に750 および950時間 さらした場合

,後

者 の方 がよ り強 い打破 効果 を示 したが

,同

じ低温遭遇時 間で も21℃の高温 と低 温 を交互 にさらした場合 には打破効果 が著 しく劣 ること を報告 してい る。 さらに吉村氏0もカキ

,モ

jナ

シで 同様 な実験 を行い

,冬

季の高温 が萌芽の不 ぞろい

,す

な わち休 眠 打破 が不 十 分 とな ることを報 じている。 また W EINBERGER分 も,モモの芽の 自発休眠 の打破 には昼間の 高温 が低温 の効果 を阻害 す るとのべてい るも 本結果 およびこれ らの ことか ら

,休

眠打破 と低温遭遇 時間 との間 には

,連

続的 な低温 の場 合

,打

破 にかかわる 内的 な生理上の動 きと低温遭遇時間 との間 に比例的関係 が認 め られるものの,自然条件 の場 合 のよ うに間歌的 な 低温 の場合 には

,低

温 による休眠打破 にかか る内的 な動 きが高温 によって消去 され るため

,低

温遭遇時間が同時 間で も

,打

破 に至 るまで にさらに長時 間の低温 を要す る もの と考 えられる。 ここで低温 の継続 を中断 させ る温度 の高 さと低温 によ る休眠打破効果 との間 における関係 をみ ると,15℃以上 で はかな り強 い矮化状態 が続 き, 8∼10℃で は低温 の効 果 を相殺す るよ うなことはな く

,む

しろ低温効果 を強 め る傾向 にあった。

(7)

イチ ゴの休眠 に関す る生理学的石升究 一方 イチ ゴの休眠打破 は前 。中および後期 の過程 を経 るもの と仮定 した場 合

,有

効 な低温 に遭遇 して間 もない 80∼20餌寺間後では,昼間の温度 が8∼25℃の範囲内では, 花房長 にほ とん ど差異 はな く,また葉柄長 および加温後 の生育 にも区間差 が少 いこと,な どか ら打破過程 の前期 では昼間の温度 が15∼ 25℃程度で も,それほど強 く低温 効果 を消去せず

,低

温遭遇時間は昼間温度 にかかわ らず 有効 とみなせ るよ うに思 われる。 しか し低温遭遇時間300時間の頃 よ り

,昼

間温度 の高 い区ほ ど矮化症状の出現す る割合 が高 くな り, と くに25 ℃で明 らかにみ られた。 また低温遭遇時間500時間で は 顕著 な差 が認 め られたことならびに矮化 には至 らない も ので も15℃以上では ランナーの発生 が全 くみ られなかっ たことなどか ら

,打

破過程 の中期以後 には

,よ

り連続 し た低温 が体 内の休眠打破 にかかる生理 の進行 に強 く要求 されていることを示 しているよ うに思 われ る。 一方低温 と中高温 の周期的 な変動の中で休眠打破 が進 行 してゆ く場 合

,低

温16時間 ―中高温8時間 および低温 ・中高温 ともに24時間の場合 には

,低

温効果は中高温 に よってかな り強 くヤ肖去 されるのに対 し

,低

温48時 間―中 高温24時間の場合 には

,低

温16時間―中高温8時間の場 合 と同 じ比率で あるにもかかわ らず

,中

高温 による消去 作用 はそれほ ど強 くみ られなかった。 これ らの ことか ら休眠打破 にかかる生理的 な動 きが進 行す るため には

,打

破過程 の中期以後

,温

度 が 日変動す る中で も

,48時

間前後の よ り収束 した連続低温 を要求 し てい るもの と思 われる。 いず れにせ よ自然条件下で イチゴの休眠 が打破 されて いるか否 かを知 る目安 としての低温遭遇時間 につ いては, 昼間の温度 を考慮す る必要 があると考 えられ, したがっ て従来用い られていた 5℃ 以下 の温度のみの道遇時間 を 積算 す るよ りも

,各

温度 について打破効果の「重みづ け」 をす ることによ り

,よ

り正確 な休眠打破の時期の把握 が 可能 となるのではないかと考 えられる。 摘

要 自然条件下 におけるイチ ゴ「宝交早生」 の休眠打破 に およばす昼 間の温度の影響 を調べ るため本実験 を行 った。 結果 を要約 す ると次の とお りで ある。

1.自

然条件下における5℃ 以下の低温遭遇時間 力

M00

時 間以上 に達 しても

,昼

間の温度 が15℃以上 の場合 には 「 宝交早生」 の休眠 が打破 されず

,強

い矮 化 症 状 を示 し た。

2.夜

間温度 を4℃

,昼

間温度 を

8,10,15,20,25

℃ に設定 した場合

,低

温遭遇時間が100∼200時 間の時期 には

,花

房長 は昼間温度 に関係 な くほぼ同 じ長 さで あつ た。 しか し300時間後の頃か ら昼間温度 が20℃以上の場 合 にやや矮化 の徴候 がみ られた。400∼500時 間後 には, 20℃以上の ものでかな り強 い矮化 を示 した。 また昼間温 度 が15℃以上の場合

,低

温遭遇時間力M00∼500時 間 に達 して も,ラ ンナーの発生 は全 くみ られ なかった。

3.低

温16時間―中高温8時間

,低

温 ―中高温24時 間, 低温48時 間―中高温24時間および連続低温 の4区につ い て450時間の低温 を与 えたの ち加温 を始 めた ところ

,前

2者の生育 が劣 り矮化の様相 を呈 したが

,後

の2者は順 調 な生育 を示 した。

4.以

上 よ り自然条件下 におけるイチ ゴ「宝交早生」 の休眠 は

,低

温遭遇時間が十分で あって も

,昼

間の温度 が15∼ 20℃以上 に高い場合 には十分 に打破 されないこと が明 らかとな り

,断

続的 な低温 に遭遇 して休 眠 が打破 さ れ る場合 には

,昼

間の温度 を十分 に考慮 す る必要 がある と考 えられた。 文

1)香

川 彰:イチゴ栽培 の理論 と実際

,誠

文堂新光社, 東京

(1971)pp.46-48

2)木

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,132(1968)

3)小

林 尚武 ・柴田 進・藤村 良:園芸学会昭和46年 度秋季大会研究発表要 旨

,116(1971)

4)OvERCASH, J.R, CAMPBELL, JA.:PrOc Amer.

Soc.Hort,Sci.,66 87-92(1955)

5)高

橋和彦 ら :農 業技術大系

,野

菜編

3,イ

チ ゴ

,農

文協

,東

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6)田

辺 賢二 ・林 真二 ・平田尚美・山本推慈 :鳥大農

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7)lVEINBTRGER, 」.H.I PrOc. Amer Soc. Hort.

Sci, 91 84-89

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