徳 吉 哲 夫 。中井 生央 鳥 取 大学 工学部 電気 電子 工学科
Dist bution ofparticle size l mechanically aⅡoyed YFe2 Tetsuo Tokuyosh and lkuo Nakai
Deparment OfElec
cЛ and Electro c Engineeringっ Tottori U versityTottori 689-8552 Japan
E―maih nakai@elettOttOri…uoacJp
Abstractt Mrc havc mcasurcd thc diatlacter of mcchanicЛ ly ttloyed ЧTe2'°WdCrS tO invcstigate changcs h thc particle sizc atld益
distribution dllriag hc mill g pЮccss,flhc mean diamctcr ofthc powders decreascs win hcrcasng he l g timc.羽随particlc sizc has a
widc distibution,Wc comparc tt wih somc distribution anctions,Thc log‐ nomal distribution ttnction is onc ofhc most suitable fomas for
hc rnillcd paHiclc.
Keywords:disttibution,pa clc siztt mechanical a1loying9 mean dialnctcr9 1og‐nomaldi飩 bution,noコ盟l diStribution,Poisson disttibution, Rosin‐Ralmler disttblltion,milling ine
1.は
じめに 現在,粉
体 は顔 料,塗
料,テ
ー プ レコー ダー用 材料 な どのあ らゆる分野で使 われ てい る。そ して粉 体の作成方法 に も,機
械 的処理,化
学反応 な どさま ざまな方法が ある。 本研究では機械 的処理 に よ り粉体 を作製す る。 この機械 的処理 は,固
体物質 に対 して,粉
砕,圧
延, 衝撃 な どの機械 的エネル ギー を加 え,粒
子 の変形, 粒子 の細分化 を引 き起 こす。 この とき結 晶粒 が小 さ くなる と,粉
体 の示す諸性質 は大 きな結品か ら成 る 物質 の性質 とは異 なつて くる [1]. 粉体 は多数 の粒子 の集合体で あ り,そ
の構成粒子 の大 き さ (粒子径,粒
子径分布)や
形態 を知 るこ と は,そ
の粉体の物性 を知 るために重要である. 我 々は,金
属 粉 末 を機 械 的 に合金 化 す る と同時 に粉砕す るメカニカル ア ロイ ング法 とい う方法 に よ り合金粉末 を作製す る。本論文 ではその合金粉末 の 粒子径 とその分布 について報告す る.2.粒
子 の大 きさ 粉 体 の粒 子 が 球 とか 立方 体,あ
るい は 円柱,円
板,角
柱 とい うよ うな,規
則 的,幾
何 学的形状 で, しか も相似 な粒子 か らなれ ば,直
径 とか,一
辺 の長 さ,高
さといつた 1次元 の値 で大 き さを表 わす こ と がで きる。 しか し,一
般 的に我 々が通常取 り扱 って い る粉体は,そ
の形状が複雑 かつ不規則 である。ま た大 き さも,通常,大きい ものか ら小 さい ものまで, 広い分布 を もつてい る [2]。 そ こでい くつ かの粒 子 径 の定義の 中か ら,本
研 究 にあつた定義 を選ぶ必要 がある。 2.1 粒子径 の定義 一般 的 に よ く用 い られ る粒 子径 と しては,平
均 径,統
計的径,相
当径,有
効径 な どが挙 げ られ る. 本論 文 で は,EPMA(clcctOn pЮbe microanalysis)に よる2次
電子像 か ら粒子径 を求 める.こ
の2次
電子 像では,粒
子 が投影像 となつて現れ る。そ こで この 粒子 についての平均的な直径 を知 るために,投
影像 の二方 向の平均値である三軸平均径 を,本
研究での 粒子径 の定義 とす る. 2.2 卸 晦 二軸 平均径 の求 め方 を図1に
示 す 。 まず粒 子 の 輪郭 に接す る2本
の平行線 を引き,そ
の間隔 をχと す る.χ の うち最小の ものを 物 ヵ=う とお き,こ
れ を 短軸径 とす る。その短軸 に垂 直 な2本
の平行線 の間 隔 ガ=′ を長軸径 と定義す る.こ
の よ うに測定 した う と ′か ら,次
式(1)によ り二軸 平均径 を評価す る [3].徳吉哲夫・中井生央:メカニカルアロイング法により作製 した YFc2の 粒径分布 に定義 され る。 F(死
)=∫
亀/(死)′打 /(χ)〓σ
Ⅳ
垣
弓
万
eXpt―早
│ (2) 図1
短軸径,長
軸径 の定義 ′ 十 b 2 2。3 modal径
とmedian径
粒径分布 曲線 を描 くとき,曲
線 の山を決定す るの にmodal径 とmcdian径の どち らを取 るか に よつて 曲線 が大 き く異 な る.こ
のため,modal径
と median 径 について知 ってお く必要があ る. 粒径分布 曲線 の曲線 の最高点が示す粒 子径 を多数 径 またはmOdal径 とい う.山が二つ以上 あ るときは, 最高の ものを とる.し たがつて,全粒子 中で頻度 (粒 子数)の
最 も多い粒 子径 であ る。 累積 曲線 の中央累積値(50%)に
当た る粒子径 を 中位径 またはmedian径
とい う。その場合 この大 き さ以上 と以下 との粒 子数 が等 しくな る [4].3.粒
径分布 の関数表示 粒径分布 が比較的簡 単 な数学的分布 関数 で表現 で きれ ば,そ
の関数 に特有 のパ ラメー タに よつて分布 を表現でき,粒
子特性 を解析的 に求 めるこ とがで き る。また,数
少 ない測 定値 か ら分布 の推 定 も可能 に なる。 測定 した粒径分布 を検討す るた めに用い る4つ
の 分布 関数 につ いて説 明す る。 3.1 醐 姉 正規分布 は,統
計学 な どで最 もよ く用い られ る分 布で ある。 これ は,一
∞<ガく∞に対 して,次
の よ う ここで,μ は平均値 (median径),σ
は標 準偏差 で ある.χ を横軸 に とれ ば,頻
度分布 yμ)は
μ で ピ ー クをもつ左右対称 の曲線 となる。曲線 とχ軸 との 間の面積 は 1に規格化 されてい る [5].3.2 Poisson姉
μ を正 の定数 として, P(χ)=9
(χ=0,1,2,…・) (3)
で与 え られ る離散分布 が Poisson分布 で ある。μ は 平均値 である。 この分布 は長 い期 間,大
きな面積 あ るいは大 きな空間にわた つて,ラ
ンダムに起 こる不 連続 な事象 の度数 を確率変数 とみ なす場合 に適用 さ れ る [6].3.3
対教正規介布 対数正規分布 は,自然粉砕 され た粉末 の粒度分布, 寿命,材
料強度,化
学工業での濃度や収率 な どに適 してい るといわれ てい る。 この対数 正規分布 は,式
(2)において横軸 メの対数 が正規分布 に従 うな らば, 次式 の よ うに表 され る. (4) _μ μ ア 死! 2(χ)〓i亀?(ガ)′(lnア) ?(χ)=σ
メ
湧
eXpt―と
些
│':1争立
生
│ ここで /Jxは hア の平均値 (幾何平均径),σ はh労 の標準偏差である。また /rxは 2徹)=0.5と なる値で ある.鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 29巻 3.4 Rosin―
Rammler姉
Rosin―Rttmler分
布 は,粉
砕 な どで得 られ る よ う な分布 の幅 が割 と広 い粉 体 に よ く用 い られ,次
式 で 表 され る. ここで,ヵ と χ?が
この積算分布 を決 めるパ ラメー タとなる.χ =死¢とお くと,R徹)=eXp(-1)=0.368
とな り,粒
度特性数 と呼 ばれ る ガ¢は分布 の位 置 (積 算分布 の36.80/0)を表す一種 の代表粒子径 で あ る。η は分布 の広 が りの度合 い を示す 定数 で,ヵ が大 きい ほ ど分布 が狭 く,粒
子径 が揃 つてい るこ とにな るの で均等数 と呼ばれ る. この分布 は,ln χに対 して h[In(1/R①)]をプ ロッ トす る と直線 にな る.ま
た,R①
を χで微分 した も のが頻度分布 関数 で ある [3].4.簸
辮 メカニカル ア ロイ ング法 とは,次
の よ うな固相拡 散反応 を用いた合金作製 法で ある.ま
ず金属混合粉 末 に力学的エネル ギー を加 えるこ とで,試料 は粉砕, 圧延 され る.こ
の とき試料 内に歪みや格子欠 陥が作 成 され る。 この歪みや格子欠陥の緩和過程 で,固
相 状態での原子拡散 が起 こ り,合
金化 が促進 され る。 本研 究では このメカニカル ア ロイ ング法 に よ りY
とFeの
混合粉末 か ら YFe2合金 (m‐YFe2)を
作製 す る.そ
してEPMA像
よ りその合金粉末 の粒子径 を求 める. 4.1 齢 の作製Yと
Feの
金 属粉末 (表1)を
原 子数 比で1:2
となるよ うに,合
計 158の混合粉末 を用意 した。次 に,図
2に
示 す 装 置 を用 い て,ス
テ ン レス容 器 (SUS-304製,直
径54mm,高
さ 40mm)にステ ン レ ス球(SUS-304製,直
径1lmm,質
量68)を 18個 (試 料の約7倍
の質量)と
混合粉末 を入れ,容
器 内を真 空 に 引 き振 動 させ た.振
動 板 を動 か す 周 波 数 は 10.8Hzにして実験 を行 つた。また,容
器 内の温度 が上昇す るの を避 け るために冷却水 を常 に流 してお いた.ミ
リングは,最
大400時間まで行 つた. 表1
試料データ (室温) 図2
メカニカルアロイング装置 (スー パ ー ミス ニ NEV―NTA8,日 新 技 研) 4.2 粒子径 の測定 粒径 の測 定 には,EPNIA装
置 (ⅨA‐8900RL,
日 本 電子製)を
用 いた 。口■TAと
は,細
く絞 つた高 エネル ギーの電子線 を試料 に照射 して,試
料 か ら出 て くる各種信 号 を検 出 し分析す る装置で ある。 今 回,我
々はこの装置 を利用 して試料か ら出て く る2次
電子,反
射電子 を検 出 して,試
料 の形状 を映 像 と して とらえた。そ して,70∼
150個
程度 の粒子 に対 して三軸平均径 を測定 し,適
当な粒子径 間隔 に 入 る粒子数 を数 え,分
布 を求 めた。S.実
験結果 図3,4,5は ,2h,80h,310hと ミリング時間の異 な る試料 の2次
電子像 で ある。写真 の 中の横線 が長 さ の尺度 を表 わす.ミ
リング時間2hの
試料 (図 3) は扁平 な形状 を示す が, ミリング時間が 80h,310h (図4,5)と
進む につれ,球
形 に近 くなつてい る。 この2次
電子像 か ら求 めた二軸平均径 の粒径分布 を図6,7,8に
示す 。図の横軸 は粒子径,縦
軸 は相 対個数頻度 (全個数 に対す る百分率)を表 してい る。 れ ︱ に r i J ガ 一 売 一 r l J l l に p X C 〓 χ 尺 Y Fe 原 子 量 88.905 55.847 粒 子径 20メ ッシ ュ (約 800μ m) 300メ ッシ ュ (約 50μ m) 純 度 99.9% 99.90/0ステ ンレス球
徳吉哲夫・中井生央:メ カニカルアロイング法により作製 した YFc2の 粒径分布 図
3
ミリング時間2hの
m‐YFe9 のEPMA像
倍率 150倍 図4
ミリング時間80hの
m‐YFe2 のEPMA像
倍率4000倍
図5
ミリング時間310hの
m‐YFe2 のEPMA像
倍率6000倍
お
・ 単
b
卜
一
100 200 粒 子 径 [μm] 図
6
ミリング時間2hで
のm‐YFe2の 粒径分布 m‐YFe2(80■) 20 40 6.0 粒 子 径 [μm] 図7
ミリング時間 80hで のm―YFe2の 粒径分布6.株
各 ミリング時間での粒径分布 図6,7,8を見 ると, 粒子径 の大 き さに広 が りが見 られ る。そ して3つ
の 分布 とも左右対称 でな く山が左 に偏 つてい るとい う 特徴 を持 つてい る. これ らの分布 を関数表現す るために,3節
で説 明 した4つ
の分布 関数 を310hのミ リング時間でのm‐ YFe2の粒径分布 と比較 し検討す る,そ
して最後 に, ミリング時間 と粒子径 の関係 について考察す る。 6。1
正規分布 との比絞 式(2)を使 つて粒径分布 を表現す る と,図 9の
よ うにな る。 この とき平均値 μにmedian径
を用い る と,粒
子径 の小 さい分布 と大 きい分布 に偏 りが ある ために,分
布 曲線 の ピー クの位 置 が棒 グラフの ピー ク と一致 しない。 このた め分布 曲線 の ピー ク と棒 グ ラフの ピー クを一致 させ るよ うに,mOdal径
を用 い 正規分布 を描 くことにす る また粒子径 の大 きい分布 を考慮 に入れ る と,分
布 曲線 の幅が広 がって ピー クの高 さが小 さい点線 で示 す分布 曲線 になる。また粒子径 の大 きい分布 を無視 して分布 曲線 を描 くと,実
線 の よ うにな る. 図9
正規分布 関数 この結果か ら,泣
子径 の小 さい分布 に関 してはあ る程度正規分布 関数 に一致 してい るこ とがわか る。 しか し正規分布 関数が左右紺称 な関数 であるのに対 して,粒
径分布 は平均値 の値 よ り大 きな偏 りを持 つ ていて左右対称 になっていない ので,分
布 を正規分 布関数 で表す こ とはできない と考 え られ る。 [誤 ] 盤 懸 慈 畢 [誤 ] 超 照 黙 里 m‐ YFc2(2h) m‐YFc2(310■) 粒子径 [μm] m‐YFc2(310h) 粒 子径 [μm] 図8ミ
リング時間 310hで のm‐YFe2の 粒径分布徳吉哲夫・中井生央:メカニカルアロイング法 により作製 したYFe2の粒径分本 6。2 Poisson分 布 との比較 式(3)を使 つて粒径分布 を表現すると
,図
10の
よ うな曲線 になる.こ
の とき,平
均値 μには正規分布 と同 じように modal径 を用いて分布曲線 を描いた。 図10 Poisson分布 関数 Poisson分布 関数 は,正
規 分布 関数 と同様 に粒子 径の小 さい分布 に関 して,あ
る程度一致 してい るこ とがわか る.そ
して,こ
の関数 は正規分布 関数 とは 違い左右対称 になつてい ないが,正
規分布 関数 と同 様 に粒子径 の大 きな分布 を表 現す るこ とがで きない, したがって,こ
の Poisson分布 関数 に よつて も粒径 分布 を表す こ とはで きない と考 え られ る. 6.3 正規対数分布 との比較 式(4)を使 つて粒径 分布 を表現す る と,図
11の
よ うになる。正規対数分布 関数 は,平
均値 としてIn χ の平均値 み を用い るが,為
の値 はおお よそ棒 グラ フの ピー クの位 置 と一致 して い る.こ
の平均値 はmodal径
とは違 い,全
体の分布 を考慮 に入れ てい る ので,分
布 の平均粒子径 を求 め る上で重要 な値 であ ると考 え られ る。 この関数 は,上
述 した2つ
の分布 関数 と同様.粒
子径 の小 さな分布 を表現す るこ とが で きる.更に加 えて,上
述 の2つ
の関数 とは異 な り, 粒子径 の大 きな分布 を も表現す るこ とがで きる とい う特徴 がある。また粒子径 がマイナ スの分布 を持つ よ うな こともない。 したがって,正
規対数分布 は上 の2つ
の分布 関数 よ りも,m_YFc2合
金粉末粒 子 の 分布 を よく表現 してい る と考 え られ る。 図11
正規対数分布関数 6.4 Rosin‐Rammler姉
との障 式c5)を使 つて,粒
径分布を表現す ると図 12の よ うな曲線 になる。この とき,分
布関数の ピークを示 す粒子径は,積
算分布R⑪
の36.80/0を示す ぇの値で ある。 図12 Rosh‐ Rammler分布 Rosin‐Rammler分
布 関数 は,正
規対数分布 関数 と 同様 に粒子径 の大 きな分布 を表現す ることができる. しか し粒子径 の小 さな分布 につ いては,こ
の関数 の 特徴 と して ピー クが鋭 くなるた めに,正
規対数 関数 の よ うには表現で きない。それ ゆえ Rosin‐Ralnmler 分布 関数 は,幅
の広 い分布 をもつ ものに適用できる が,本
研究の粒径分布 を的確 に表現す ることはでき ない と考 え られ る。 [ざ ] 超 螺 黙 里 [ざ ] 超 墨 慈 里 [ざ ] 慨 懸 無 里 m‐YFc2(310h) 粒 子径 [μm] m‐YFc2(3101) 粒 子径 [μm] m‐YFc2(310h) 粒 子径 [μm]︱ ︱ ︲ 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 29巻