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(1)

資格の大原 税理士講座

固定資産税

(2)

1

固定資産税の位置づけ

租税には、法人税・所得税などに代表される国税と、住民税・事業税・固定資産税などに代表さ れる地方税がある。 このうち地方税は、課税する者が道府県であるのか市町村であるのかによって、道府県税と市町 村税とに分類され、さらに、その税収入の使途に制限があるのかないのかによって、目的税と普通 税とに分類される。 固定資産税は、市町村が課する「市町村税」であり、かつ、その税収入の使途に制限のない「普 通税」として位置づけられる。

2

租税債権の確定方法

租税債権の確定方法の代表的なものとして、賦課課税方式と申告納税方式とがある。 賦課課税方式とは、納付すべき税額を課税する者(課税権者)が確定する方法のことをいい、申 告納税方式とは、納税者の申告によって納付すべき税額が確定する方法のことをいう。 固定資産税では前者の賦課課税方式が採用されている。 申告納税方式 納税者が自ら税額を計算 所得税、法人税、相続税、消費税等 課税権者が税額を決定 固定資産税、不動産取得税、自動車税等 賦課課税方式 地方税 国   税 租   税 目 的 税 道 府 県 税 市 町 村 税 普 通 税 目 的 税 普 通 税

固定資産税の概要

(3)

−2−

3

固定資産税の課税要件

課税要件とは、課税するために必要となる要件のことをいうが、固定資産税の主な課税要件とし ては、課税客体、課税団体、納税義務者、課税標準等がある。

⑴ 課税客体(法342)

課税客体とは、課税の対象となる物件等をいうものであるが、固定資産税の課税客体は「固定 資産」である。 一概に「固定資産」といってもその範囲は非常に広いものであるが、固定資産税の課税客体と なる「固定資産」は、土地、家屋及び事業用の償却資産とされている。 参 考 ◦固定資産税は、従来の「地租」、「家屋税」、「船舶税」、「電柱税」等を昭和25年に廃止するとと もに、これらを統合して創設されたものであり、それぞれの課税客体を引き継いでいる。

⑵ 課税団体(法342)

課税団体とは、課税する権限を有する地方団体をいうものであるが、固定資産税の課税団体は 「固定資産が所在する市町村」である。 これは、「固定資産を使用するにあたりその所在市町村から様々な行政サービスを受けており、 その受益の度合に応じて固定資産税を負担すべきである。」という「応益負担的」な考え方に基 づくものである。 A市 甲:所有者(A市在住) 課税 自宅 B市 甲:所有者(A市在住) 課税 別荘

(4)

⑶ 納税義務者(法343)

納税義務者とは、地方税法の規定により地方税の納税義務があると定められた者をいうもので あるが、固定資産税は、所有者課税主義の考え方がとられており、その納税義務者は「固定資産 の所有者」である。

⑷ 課税標準(法341五、法349、法349の 2 )

課税標準とは、課税物件の数量的表現をいうものであるが、固定資産税の課税標準は「固定資 産の価格」である。 ポイント ◦固定資産税の課税標準となるべき価格は、実際に取り引きの際に使われる売買価額ではなく、 適正な時価として市町村長が固定資産評価基準によって決定するものである。(Q&A1参照)

⑸ 税  率(法350)

税率とは、課税標準に対する税負担の割合のことをいう。つまり、税額は課税標準に税率を乗 じて算定することとなる。 固定資産税の税率は、本来その市町村の財政状態や住民の意見をふまえ、その市町村の意思に よって定められるべきものであるが、全く基準を設けないとなると、全国を通じて租税負担の均 衡が崩れてしまいかねない。そこで、固定資産税では、通常よるべき税率(標準税率)を定める ことによって、租税負担の均衡を保っている。 ポイント ◦課税標準×税率=税額 ◦標準税率…100分の1≥4

⑹ 免 税 点(法351)

租税負担の均衡という見地からすれば、固定資産税はすべての固定資産に対して課税すべきで あるが、零細な課税客体にまですべて課税することとなると、徴税の事務が煩雑となるばかり か、徴税費も増加し、徴税の効率はかえって悪化することとなる。そこで免税点を設け、それに 満たないような零細な課税客体には課税を行わないこととしている。 具体的には、一の所有者の所有する土地、家屋又は償却資産の課税標準となるべき額が土地に A市 甲:所有者(A市在住) 課税 自宅 納税 B市 甲:所有者(A市在住) 乙:使用者       課税 別荘 納税

(5)

−4−

4

賦課期日(法359)

固定資産税は、市町村の会計年度(その年の 4 月 1 日〜翌年 3 月31日)単位で課税することとさ れている。つまり、市町村の一会計年度に一度だけ課税される税金である。 一方、固定資産税の課税客体である固定資産の状況(土地の使用状況、家屋の状態等)や納税義 務者である固定資産の所有者等は、永久に変化しないというものではなく、市町村の一会計年度中 にその状況が変わることも当然予想される。したがって、固定資産の現況に応じた課税を厳密に行 おうとするならば、毎日その固定資産について調査を行う必要があるが、膨大な数に上る課税客体 の一つ一つについて毎日調査することは物理的に無理があり、また事務手続が増加する分、徴税効 率も悪化することとなる。 そこで、地方税法では課税要件を確定する日として賦課期日を定め、この賦課期日における現況 により課税を行うこととしている。特に固定資産税では賦課期日を「当該年度の初日の属する年の 1 月 1 日」と定めている。 具体的には、平成29年度分の固定資産税については平成29年 1 月 1 日が賦課期日となり、この日 の現況によって課税要件を確定し、平成29年度分の課税を行うこととなる。 図 解 1 / 1平成29年(暦年)12/31 4 / 1 A 3 /31 B 1 / 1 賦課期日= 所有者 価 格 異動 ・ 変動 平成29年度

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具体例

⑴ 下記に掲げる家屋に対して平成29年度分の固定資産税が課されるか否かを判定しなさい。 ① 平成28年11月 9 日に建築された家屋 ⇨課税される ② 平成28年11月 9 日に建築された家屋が平成29年 1 月 2 日に火災により全焼した場合 ⇨課税される ③ 平成28年11月 9 日に建築された家屋が平成28年12月31日に火災により全焼した場合 ⇨課税されない ⑵ 以前からAが所有していた家屋を、平成29年 3 月31日にBに譲渡した場合における平成29 年度分の固定資産税に係る納税義務者を判定しなさい。 ⇨A 図 解 課税される 課税される 課税されない H29 1 / 1 H294 / 1 H303 /31 焼失 Aが所有 Bに譲渡 焼失 aq aw ae Aが納税義務者 s 賦課期日 平成29年度 課税要件の確定

(7)

−6− 参 考 ⑴ 賦課期日を 1 月 1 日としている理由 ◦例えば、平成29年度分の固定資産税を平成29年 4 月(平成29年度の最初)から徴収するため には、当然それまでに課税客体、納税義務者、課税標準等をあらかじめ確定しておかなけれ ばならない。そこで、その手続に要する期間をおよそ 3 ヵ月と想定し、 4 月から 3 ヵ月さか のぼった時点を賦課期日としている。 ◦固定資産税は賦課期日の現況によって課することとなるが、賦課期日において土地の造成、 家屋の増改築、所有者の異動等があった場合には、その正確な把握が困難となる場合が考え られる。そこでそれらの異動が最も少ないと考えられる 1 月 1 日(元旦)を賦課期日として 定めたのである。 ⑵ 台帳課税主義 ◦固定資産税は「台帳課税主義」を採用しており、賦課期日における現況により確定された課 税要件が固定資産課税台帳に登録され、この登録された事項に基づき課税が行われる。 なお、固定資産課税台帳とは、土地課税台帳、土地補充課税台帳、家屋課税台帳、家屋補充 課税台帳、償却資産課税台帳の 5 種類の台帳を総称するものである。

(8)

1

算  式

固定資産税額は、次の算式によって算出される。 課税標準額×税率=固定資産税額 ポイント ◦「課税標準額」とは、税額算出のために税率を乗ずべき額をいう。 ◦「課税標準額」は、個々の固定資産の課税標準(=価格)を基礎として、市町村ごと、所有者 ごとに求める。(「課税標準」と「課税標準額」の違いについては、Q&A3参照)

2

計算方法

具体例

平成29年 1 月 1 日現在における甲氏所有の固定資産 A市(標準税率を採用)

⑴ 課税標準額

① 免税点の判定(法351本文) 固定資産の種類 免 税 点 の 額 土   地 300≤000円 以上で課税 家   屋 200≤000円 償 却 資 産 1≤500≤000円 家屋         12≤345≤000円  土地(宅地)   9≤876≤554円  土地(田)    80≤000円  1≤000≤000円  償却資産(田植機)

税額計算の基本

(9)

−8− ポイント ◦零細な課税客体を排除し、徴税の合理化を図るために「免税点制度」が設けられている。 ◦資産の種類(土地、家屋、償却資産)ごとに価格を合計し、資産の種類ごとに免税点の判定を 行う。 土  地 9≤876≤554円+80≤000円=9≤956≤554円≧300≤000円 家  屋 12≤345≤000円≧200≤000円 償却資産 1≤000≤000円<1≤500≤000円 ② 土地、家屋、償却資産の価格を合計(免税点に満たないものは合計しない。) 9≤956≤554円+12≤345≤000円=22≤301≤554円 ③ ②に千円未満の端数があるときは切捨(法20の 4 の 2 ①) 22≤301≤554円→22≤301≤000円

⑵ 固定資産税額

① 課税標準額×税率=固定資産税額 22≤301≤000円×1≥4100=312≤214円 ② ①に百円未満の端数があるときは切捨(法20の 4 の 2 ③) 312≤214円→312≤200円 ポイント ◦固定資産税の標準税率は1≥4100である。 ◦A市は、固定資産税額(312≤200円)等を記載した納税通知書を甲氏に対して交付することに より固定資産税を徴収する。 ◦甲氏がA市以外の市町村内に他の固定資産を所有している場合には、それぞれの市町村ごとに 課税標準額、固定資産税額を求める。

(10)

1

家屋とは

家屋とは、住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。 一般に、土地に定着し、壁・床・天井を有し、風雨をしのぎ得る、外界から遮断された一定の空 間を有するものが家屋に該当するが、鶏舎、豚舎、堆肥舎等の構造の簡易なものについては原則と して課税客体たる家屋から除かれることとなっている。

2

家屋の表示

ポイント ◦独立区画……独立的に区画されたそれぞれの部分(構造上及び利用上の独立性を有している部 分)をいう。 ◦用  途……その独立区画がどのように使用されているかを表す。 ◦床 面 積……その独立区画の広さを表す。 居住用 80g  事務所 40g 店   舗  120g 家屋の用途…居住用、別荘、店舗、事務所、倉庫等 家屋の床面積 独立区画

家屋の計算の概要

(11)

−10−

3

家屋の種類

区分所有家屋(分譲マンション) 区分所有家屋 以 外 の 家 屋 一戸建住宅  ひとつの家屋にひとつ( 1 世帯)の住居が存在するもの  −具体例− 居住用        60㎡ 居住用        60㎡  店 舗        40㎡ 共同住宅等  ひとつの家屋にふたつ( 2 世帯)以上の住居が存在するもの  −具体例− 居住用        60㎡ 居住用        50㎡ 店 舗       50㎡ 居住用        60㎡ 居住用        50㎡ 居住用       50㎡

(12)

4

家屋の課税標準(法349)

⑴ 原  則

固定資産税は、固定資産の価値に着目して課税するものであるから、本来であれば毎年その資 産の価格を見直すべきである。 しかし、土地及び家屋についてはその数が多いことから、一定の年度における価格を 3 年度間 据え置く( 3 年に 1 度だけ評価替えを行う)ことにより、課税事務の簡素化を図っている。(価 格の据置制度) この評価替えを行う一定の年度を「基準年度」といい、その翌年度及び翌々年度をそれぞれ 「第二年度」及び「第三年度」という。 したがって、家屋については基準年度に決定された価格が、基準年度から第三年度までにおけ る原則的な課税標準となる。 参 考 ◦基準年度とは、昭和31年度及び昭和33年度並びに昭和33年度から起算して 3 年度又は 3 の倍数 の年度を経過したごとの年度をいう。近年では平成24年度及び平成27年度が基準年度に該当す る。 ◦第二年度とは、基準年度の翌年度をいう。近年では平成25年度及び平成28年度が第二年度に該 当する。 ◦第三年度とは、第二年度の翌年度(昭和33年度を除く。)をいう。近年では平成26年度及び平 成29年度が第三年度に該当する。 H24 H25 H26 H27 H28 H29 基準年度(H24、H27)の価格が、 第三年度(H26、H29)まで据え置かれる。

(13)

−12−

1

概  要

下記の「減額の適用要件」を満たす新築住宅については、新たに固定資産税が課されることと なった年度から 3 年度分の固定資産税に限り、当該住宅に係る固定資産税額の 2 分の 1 に相当する 額を減額する。

2

減額の適用要件

⑴ 建築時期

昭和38年 1 月 2 日から平成30年 3 月31日まで の間に新築(完成)されたもの。

具体例 1

平成26年 2 月 1 日に着工し、同年11月30日に完成した。 ⇨平成26年11月30日が建築時期 ↓ 平成27年度から課税の対象   ∴可

具体例 2

平成27年10月20日に完成し、翌年 1 月31日までに登記等の手続は終了した。 ⇨平成27年10月20日が建築時期 ↓ 平成28年度から課税の対象   ∴可 ポイント ◦完成した日により、建築時期の判定を行う。 ◦いつから課税の対象となるのかを建築時期から読み取ること。 課税初年度 H27 H26 H28 H29 H30 H31 H32 減額 新築後 3 年度間 減額の適用あり

新築住宅に対する減額(法附則15の 6 ①)

(14)

⑵ 居住部分の割合(令附則12②)

人の居住の用に供する部分の床面積 家 屋 の 総 床 面 積 ≧ 12(0≥5)

具体例 1

⇨居住部分の割合 60㎡+100㎡ 100㎡× 2 =160㎡200㎡(0≥8)≧12(0≥5)     ∴可

具体例 2

⇨居住部分の割合 60㎡ 100㎡× 2 =200㎡(0≥3)<60㎡ 12(0≥5)      ∴不可(適用なし) ポイント ◦居住部分の割合が 2 分の 1 以上である家屋のみが減額の対象となる。 A 居住用 60g B 倉庫 40g C  居 住 用      100g A 居住用 60g B 倉庫 40g C  店   舗      100g

(15)

−14−

⑶ 床面積要件(令附則12③一、①七)

共同住宅等の床面積要件は、以下の基準に基づき判定する。 貸家居住用 自己居住用 40㎡≦X≦280㎡ 50㎡≦X≦280㎡ ◦X…人の居住の用に供するために独立的に区画された一の部分の床面積 ポイント ◦貸家居住用と自己居住用とで、判定基準が異なるため、問題文からその独立区画の用途を正確 に読み取ること。

具体例 1

床面積要件の判定を行いなさい。 1 ≥ 平成27年 3 月に完成したものである。 2 ≥ Cは自己用である。 ⇨床面積要件 貸家用 A 40㎡≦270㎡≦280㎡   ∴可 B 40㎡≦45㎡≦280㎡    ∴可 D 300㎡>280㎡      ∴不可 自己用 C 45㎡<50㎡       ∴不可 ポイント ◦独立区画ごとに判定する。 ◦居住用部分のみ判定する。(居住用以外の部分については、判定する必要はない。) ◦不可になった独立区画は減額の対象とはならない。 A 居住用 270g B 居住用45g C 居住用45g D 居住用  300g E 店舗 60g

(16)

具体例 2

床面積要件の判定を行いなさい。 1 ≥ 建築時期…平成27年 1 月 5 日 2 ≥ Bを貸家の用に供している。 ⇨床面積要件 自己用 A 300㎡>280㎡     ∴不可 貸家用 B 40㎡≦120㎡≦280㎡  ∴可 ポイント ◦一の独立区画内に居住用部分と居住用以外の部分が併存する場合であっても、床面積要件の判 定は居住用部分のみで行う。 参 考  一戸建住宅の場合 一戸建住宅については、共同住宅等の「自己居住用」に準じて判定する。

具体例

床面積要件の判定を行いなさい。 ◦平成27年 2 月に建築されたものである。 ⇨床面積要件 50㎡≦60㎡≦280㎡  ∴可 ポイント ◦一戸建住宅については、貸家居住用、自己居住用の区別をする必要はない。 A  居 住 用      300g B 居住用 120g  店 舗 180g 居住用 60g  店 舗 40g

(17)

−16−

3

減額する税額

⑴ 標 準 型

「減額の適用要件」を満たす新築住宅については、当該住宅に係る固定資産税額の 2 分の 1 の 額を当該固定資産税額から減額することとなる。 しかし、「減額の適用要件」を満たす新築住宅の中でも、居住部分の割合が 2 分の 1 ギリギリ であるものや、床面積要件が不可になってしまう独立区画等もあるため、一律に固定資産税額の 2 分の 1 を減額するわけではない。 具体的には、次の手順によって「減額する税額」を求めることとなる。 ① 減額対象床面積(令附則12④二) 床面積要件を満たした独立区画の床面積(減額対象床面積)の合計が減額の対象になる。た だし、床面積要件を満たした独立区画であっても、その床面積が120㎡を超える場合には、そ れぞれの独立区画につき120㎡を限度とする。 ② 減額する税額

具体例

平成29年度分の固定資産税額から減額する税額を求めなさい。 1 ≥ 平成29年度分の価格:72≤000≤000円 2 ≥ 税率は標準税率とする。 3 ≥ 平成28年 3 月に完成したものである。 4 ≥ Cは自己用である。 ⇨床面積要件・減額対象床面積 貸家用 A 40㎡≦270㎡≦280㎡  ∴可(270㎡>120㎡→120㎡) B 40㎡≦45㎡≦280㎡   ∴可(45㎡) D 300㎡>280㎡     ∴不可 自己用 C 45㎡<50㎡      ∴不可 ⇨減額する税額 72≤000≤000円×1≥4100×120㎡+45㎡720㎡ × 12 =115≤500円 ポイント ◦「減額する税額」の計算の下ごしらえのため、床面積要件の判定後に「減額対象床面積」を ( )書きで示しておくこと。 家屋の価格×税率 ×       ×  =減額する税額減額対象床面積の合計家屋の総床面積 12 円未満切捨 A 居住用 270g B 居住用45g C 居住用45g D 居住用  300g (家屋の総床面積:720g) E 店舗 60g

(18)

範 例

下記の資料に掲げる家屋を所有する甲に対して課する平成29年度分の固定資産税額から減額す る税額を標準税率により求めなさい。 1 ≥ 平成27年12月20日に完成した地上階数 2 を有する耐火建築物であり、独立した 4 の区画か ら構成されている。 2 ≥ 平成29年度分の価格は56≤000≤000円である。 3 ≥ 甲はB独立区画を自ら使用しているが、その他の独立区画はすべて他の者に賃貸してい る。 4 ≥ 各独立区画の床面積には共用部分の床面積が算入済である。 −平成29年度分− (単位:円) <家 屋> ⑴ 法附則15の 6 ①の判定 ① 建築時期 一定期間内に新築      ∴可 ② 居住部分の割合 160㎡+40㎡× 2 (160㎡+40㎡)× 2 =240㎡400㎡≧12         ∴可 ③ 床面積要件 貸家用 A 40㎡≦160㎡≦280㎡       ∴可(160㎡>120㎡→120㎡) D 40㎡≦40㎡≦280㎡      ∴可(40㎡) 自己用 B 40㎡<50㎡       ∴不可 ∴平成28年度から 3 年度間適用あり ⑵ 減額する税額 56≤000≤000×1≥4100×120㎡+40㎡400㎡ × 12 =156≤800 答 156≤800円 A 居住用  160g B 居住用 40g D 居住用 40g C 店 舗  160g

(19)

−18−

1

概  要

下記の「減額の適用要件」を満たす中高層耐火建築物である新築住宅については、新たに固定資 産税が課されることとなった年度から 5 年度分の固定資産税に限り、当該住宅に係る固定資産税額 の 2 分の 1 に相当する額を減額する。 ポイント ◦家屋はその構造により、木造建築物、準耐火建築物(建築基準法第 2 条第九号の三イ又はロに 該当するもの)、耐火建築物(主要構造部を耐火構造としたもの)の 3 種類に分類されるが、 そのうち耐火建築物(準耐火建築物を含む。)で地上階数 3 以上のものを中高層耐火建築物と いう。 ◦地上階数とは、家屋の総階数から地階の階数を控除した階数をいう。(令附則12⑥) 課税初年度 H27 H26 H28 H29 H30 H31 H32 減額 新築後 5 年度間減額の適用あり 木 造 家 屋 準耐火 耐 火 地上階数 3以上 中高層耐火建築物 (法附則15の 6 wを適用)

中高層耐火建築物に対する減額(法附則15の 6 ②)

(20)

2

減額の適用要件

⑴ 建築時期

昭和39年 1 月 2 日から平成30年 3 月31日まで の間に新築(完成)されたもの。

⑵ 居住部分の割合

法附則15の 6 ①と同じ。

⑶ 床 面 積 要 件

3

減額する税額

法附則15の 6 ①と同じ。

(21)

−20− 別荘とは、 ⑴ 日常生活の用に供しないものとして総務省令で定める家屋又はその部分のうち ⑵ 専ら保養の用に供するもの をいう。 なお、⑴については、総務省令において「毎月 1 日以上の居住(年間を通じてこれと同程度の居 住を含む。)の用に供する家屋又はその部分以外の家屋又はその部分」と具体的に定められている。 ポイント ◦住宅から除外される「別荘」とは、日常生活の用に供しない家屋又はその部分(毎月 1 日以上 の居住(年間を通じてこれと同程度の居住を含む。)の用に供するもの以外のもの)のうち専 ら保養の用に供するものをいい、例えば週末に居住するための郊外等の家屋、遠距離通勤者が 平日に居住するための職場の近くの家屋等については、住宅の範囲に含めるのが適当であるこ と。(取扱通知、市町村税関係第 3 章) ◦「別荘」に該当するか否かは、その使用頻度と用途に基づき判定すること。 使用頻度 用途 毎月 1 日以上の居住(毎 週 末) ( 2 ヶ月に 1 日、年に数日間)左 記 以 外 専 ら 保 養 (避暑、レジャー) 居 住 用 別   荘 上 記 以 外 (通 勤、 療 養) 居 住 用 居 住 用 居住の用に供する家屋又はその部分 別 荘 専ら保養の用に供するもの 毎月 1 日以上の居住の用に 供する家屋又はその部分 ↓ 日常生活の用に供しないものとして 総務省令で定める家屋又はその部分

別荘の意義

(22)

具体例

平成11年度本試験問題・改 次に掲げる家屋について、別荘に該当するか否かの判定を行いなさい。 1 ≥ 家屋A:所有者であるAは、年に 4 日程度当該家屋に居住し、専ら保養の用に供している。 2 ≥ 家屋B:所有者であるBは、当該家屋の近隣の職場に勤務するため、当該家屋を 2 ヵ月に 1 日程度居住の用に供している。 ⇨ 1 ≥ 家屋A 別荘に該当する ⇨ 2 ≥ 家屋B 別荘に該当しない(居住用として取扱う)

(23)

−22−

〔 1 〕 固定資産税の課税客体

 (法341一、法342①、法359) ★★

固定資産税の課税客体は、固定資産である。ここに固定資産とは、土地、家屋及び償却

資産を総称するものである。

なお、課税客体となり得るか否かは、賦課期日(当該年度の初日の属する年の 1 月 1 日

をいう。)における現況により判定される。

〔 2 〕 土地の意義

 (法341二、法343⑦) ★★

「土地」とは、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地を

いう。

〔 3 〕 家屋の意義

 (法341三) ★★

「家屋」とは、住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をい

う。

なお、鶏舎、豚舎、堆肥舎等の簡易な建物は、社会通念上家屋と認められないものがほ

とんどであるため、原則として課税客体からは除かれる。

〔 4 〕 償却資産の意義

 (法341四) ★★

「償却資産」とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産でその減価

償却額又は減価償却費が、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必

要な経費に算入されるものをいう。

なお、これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものは課税客体

たる償却資産に含まれる。

課税要件

問題

1−1

課 税 客 体

(24)

内容解説 1 ≥ 固定資産税の課税客体 ⑴ 概 要 法342①に「固定資産税は、固定資産に対し、当該固定資産所在の市町村において課する。」 と規定されているように、固定資産税の課税の対象は固定資産とされている。ここでいう固定 資産とは企業会計上の有形固定資産とおおむね一致するものである。 ⑵ 賦課期日との関係 固定資産税が課される資産は、当該年度の賦課期日において存在するもののみである。した がって、賦課期日前に新築された家屋については当該年度分の固定資産税は課されることとな り(ケース 1 )、反対に、賦課期日後に新築された家屋については当該年度分の固定資産税は 課されないこととなる(ケース 2 )。 ⑶ 用語の解説 ◦「賦課期日」とは、「課税客体、課税団体、納税義務者、課税標準その他の課税要件を確定 する日として地方税法上定められているもの」である。 2 ≥ 土地の意義 ⑴ 概 要 土地の意義について積極的に規定したものではなく、単に土地の種類(地目)を列挙してい るだけである。この種類は不動産登記法の規定による土地の概念とおおむね一致するものであ り、この分類により、それぞれの資産価値に応じて評価を行い、課税の公平を図ることとして いる。 X1 12/31 1 / 1X2 1 / 2X2 ケース 1 ケース 2 ※ X2年度分の固定資産税の賦課期日はX2年 1 月 1 日である。 X2年度分は課される X2年度分は課されない

(25)

−24− 3 ≥ 家屋の意義 ⑴ 概 要 家屋の意義について積極的に規定したものではなく、単に家屋の種類を列挙しただけであ り、この種類は不動産登記法の規定による建物の概念とおおむね一致するものである。 なお、不動産登記法において「建物」とは、「屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、 土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの(風雨をしの ぎ得る、外界から遮断された一定の空間を有するもの)」をいうが、畜舎等についてはその構 造等が簡易なものがほとんどであるため、原則的には課税客体たる家屋から除かれる。 ⑵ ポイント ◦〔 3 〕「家屋の意義」の文章中では、家屋ではなく建物となっている点に注意すること。 ⑶ プラスα ◦家屋の所有者が所有する電気設備、ガス設備等の建築設備で、家屋に取り付けられ、家屋と 構造上一体となって、家屋の効用を高めるものについては、家屋に含めて評価することとさ れている。 4 ≥ 償却資産の意義 ⑴ 概 要 固定資産税における償却資産とは、原則として法人税法又は所得税法上の減価償却資産をい うものである。 ⑵ 法人税又は所得税を課されない者 法人税又は所得税を課されない者については、税法上の所得計算は不要であるため、その所 有する償却資産の減価償却額又は減価償却費を所得の計算上、損金又は必要な経費に算入する という行為は行われないが、このような者が所有する一定の資産についても固定資産税の課税 客体となる償却資産に含まれる。 建  物 家  屋 簡易な建物

参照

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