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付録A.
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パート1.地すべり用語の解説
用語解説のための全参考・引用文献は、リストの最後に掲載してあります. 安全率 (factor of safety) 安全率は、設計段階における不確実性を許容するために理論的な設計容量の上 限を示すのに用いられる.その不確実性は、設計段階における多くの構成要素のどれかであり、例え ば計算値であったり、物質の強度などである.通常は、例えば工事対象の斜面においては、1 以下の 安全率は、崩壊の可能性を表しており、1 以上の安全率は安定であることを表している.(参考文献6) 膨潤土 (swelling soils) 含水すると体積が増加し、乾燥すると収縮する土あるいは軟岩.ベントナイト, 膨張土,モンモリロナイト質土としてもよく知られている.(参考文献1) 膨張土 (expansive soils) 湿潤率が低下あるいは増加すると収縮あるいは膨張するタイプの土.これらの 土の上に立てられた構造物は、土が収縮や沈下あるいは膨張して、変位したり亀裂が入ったり破損す る.膨潤土としても知られる. ボーリング孔 (borehole) 地中に掘られた丸い穴.予想される油,ガス,水の井戸としてあるいは調査 目的として掘られるもので、しばしば大深度まで掘られることもある.(参考文献3) 分帯 (zonation) ある明瞭な特徴によって、大なり小なり周辺地域から際だった緯度特性を持った地域 に関して一般的に用いられる用語であり、やや曖昧な用いられ方をする場合もある.例えば、地球の 熱帯,2 つの温帯,2 つの寒帯である.災害に関しては、地理的な区域分けであったり、いろいろ異 なった基準によって差別化された定義であったりする.例えば、住宅地域,災害の可能性の低い地域, 災害危険度の高い地域などである.(参考文献3) 地形学 (geomorphology) 地球表面の一般的形状を扱う科学.特に、地形の分類,記載,性状,起源, 発達および地盤の構造との関係やこれら地表形状によって記録された地質学的変化の歴史について の学問.(参考文献3) 地球物理学的調査 (geophysical studies) 量的な物理学的方法によって地球の構造,組成,発達に関する 研究を行う地球科学.これには、動的地質学や地形学に関する科学を含んでおり、地球のデータを集 めて解析するのに測地学,地質学,地震学,気象学,海洋学,磁気学,その他の地球科学を利用する. (参考文献3) 地質災害 (geologic hazard) 生命・財産に危険を及ぼすような自然あるいは人為的地質条件.例:地震, 地すべり,洪水,断層活動,海岸浸食,地盤沈下,汚染,廃棄物処理,地盤や基礎の破壊.(参考文 献3) 地質図 (geologic map) 岩石単元の分布,性状,年代関係および構造形態の発生状況を記録した図面.(参 考文献3) 沈下 (subsidence) 地表面が沈下することあるいは下方に定着すること.その速度,規模,範囲に規制 されない.沈下は、溶解,圧密,硬い地殻下からの流体溶岩の抜け出しといった自然の地質現象,あ るいは地下での採鉱,石油や地下水の汲み出しといった人間の活動に起因する.(参考文献3) 沈降池 (sag pond) 活動的な、または最近発生した断層とか地すべりの活動によって、排水路を囲い込 んでしまってできた凹地あるいは沈降地に貯まった小さな水域.(参考文献3)貯砂地 (debris basin) (時に遊砂地(catch basin)と呼ばれる) 土石流が流れ込むかあるいは誘導され るように大きく囲った凹地であり、そこに入るとすぐにエネルギーが消散してその荷重を落とすこと になる.放棄された砂利採取地とか採石場がよく貯砂地として利用される.(参考文献3)
沖積扇状地 (alluvial fan) 渓流によって運搬堆積された沖積層からなる緩く広がりを持った斜面.特に 乾燥あるいは半乾燥地域に発達し、渓流が狭い峡谷から平野とか谷底地に出るところに形成される. 上から見ると、その形は開いた扇の形をしており、谷の出口が要(頂点)になっている.(参考文献3)
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宙水 (perched ground water) 不飽和帯によって下位にある主地下水体から分離された非閉塞状態の地下 水.(参考文献3)
泥流 (mudflow) 細粒土の優勢な流体で特徴づけられるマスムーブメントの形態や現象に関する一般用 語であり、移動中に高い流動性を有する.含水比が60%にも達することがある.(参考文献 3) DEM (Digital Elevation Model) DEM(デム)は、一定の水平間隔で地面位置を表す地形等高線からなる
デジタルファイルである.(商業定義-新技術)
デルタフロント地すべり (delta-front landsliding) デルタフロントは三角州内での堆積作用が最も活発 なところであって、締まりのない粘土が急速に堆積すると、強度が低く間隙水圧が高いために、海岸 や三角州地帯に沿って水中地すべりが発生する.
電子距離計 (electronic distance meter) EDM 超音波を発し、固い目標物からはね返ってきた音波を捕ら える装置.測定器のマイクロプロセッサーがその経過時間を測定距離に置き換える.音波は 10 フィ ート測定毎に1 フィート広がる.いろいろなタイプのものがある. 土質力学 (soil mechanics) 土や堆積物その他の未固結堆積物の挙動や性状を扱う技術問題に関する力 学や水力学原理の応用.土の物理特性や利用、特に道路や基礎工事に関する研究.(参考文献3) ドローダウン (drawdown) 水が引くことによる川,湖,井戸あるいは地下帯水層内での水位低下.ド ローダウンによって支持力のないあるいは締め固まっていない地盤が、地表にさらされると地すべり の原因となることがある.(参考文献3)
DTM (Digital Terrain Model) 米国の防衛部門やその他の組織によってデジタル標高データを表すのに 用いられる用語.(参考文献3) 液状化 (liquefaction) 飽和して、締まりが悪く,粗い粒子の土が固体から液体の状態に変化すること. 土の粒子は、一時的に相互の接触を失い、土粒子の重さが間隙水に転化される.(参考文献4) 風化作用 (weathering) 土や岩盤が物理的な壊変や化学的分解を受ける環境に曝されて生ずる破壊現象 であり、結果として色,組織,組成,形が変化する.その現象は、物理的であったり、化学的であっ たり、生物学的であったりする.(参考文献4) 基盤岩・岩盤 (bedrock) 礫,砂,粘土,といったものの下にある堅い岩.地表に露出しているかある いは未固結の表層物質に被われた堅い岩.(参考文献3) 岩盤力学 (rock mechanics) 岩盤の力学的挙動に関する理論的応用科学であり、“岩盤の物理的環境での 応力場に対するその応答に関する力学分野”を意味する.(参考文献3) 岩石学 (lithology) 一般には顕微鏡レベルであるいは拡大鏡を利用して決定される岩石の物理特性.岩 石の顕微鏡的研究と記載.(参考文献3)
GIS (Geographic Information System) 形状の地理座標を問う形で地図製作情報(地質情報を含む)を取 り込むためのコンピュータプログラムとそれに伴うデータベース.一般にデータは水文,文化,地形, 等々の異なった地理項目を示す“レーヤー”に編成されている.地理情報システム (GIS) は異なった レーヤーからの情報を簡単に統合したり、解析することが可能である. (参考文献3) 歪計 (strainmeter) 二点間の相対変位を測定することによって地盤の変位を探知するために設計された 地震計.(訳者注:日本では、すべり面の判定にも用いられ、ボーリング孔内に挿入される塩ビパイ プに歪みゲージを貼り付けて、その歪み量を測定している)(参考文献3) 引張り応力 (tensile stress) 物体を作用面の双方に引き離そうとする垂直応力.(参考文献 3) 崩績土 (colluvium) ルーズで結合力のない堆積物に適用される一般的な用語であり、一般に斜面や崖の 脚部にあって、主に重力によってもたらされる.(参考文献2) 表層地質 (surficial geology) 土を含む表層堆積物の地質.この用語は、時には地表付近の岩盤の調査に も適用される.(参考文献3)
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地すべりダム (landslide dam) 地すべりが渓流や川を堰き止めた時に形成される土砂ダム. (参考文献3)
地すべり目録図 (landslide inventory maps) 目録は、地すべりによって崩壊したと思われる箇所を示す. それには土石流や切盛り斜面の崩壊を含む.(参考文献4)
地すべり影響度評価図 (landslide susceptibility map) この図面は目録図を越えるものであり、潜在的に地 すべりの危険がある場所を描写したものである.このような場所は、急斜面,飽和したときに強度低 下を起こすような脆弱な地質単元,排水性の悪い岩とか土,といった地すべりに寄与する主な要因と 過去の地すべり分布との対比によって把握される.(参考文献5)
地すべりハザードマップ (landslide hazard map) ハザードマップは、驚異を与える現象の範囲を示すも のである.すなわち、地すべり現象が過去に発生したことのある場所,現在起こっている場所,地す べりが将来発生するであろう様々な場所における可能性を示す.(参考文献5)
地すべりリスクマップ (landslide risk map) 統計的再現率で表した地すべり災害やその発生の可能性. リスクマップは、コスト・利益関係,潜在的損失,ある特定地域とか地域社会に与えるその他の潜在 的な社会経済的影響を示す.
海食崖の後退 (sea cliff retreat) 波の作用で形成された崖であり、海岸の崖が陸に向かって浸食あるいは 後退する原因となる.(参考文献3)
海底地すべり (subaqueous (submarine) landslide) 水中あるいは水底に存在する状態や現象、あるいは形 態や堆積物.一般に地上(水底にまで及ぶ地すべり)で発生するか海底で始まる現象に特定して用い られる.例えば、スランピングする重力性の滑動である.(参考文献3) 間隙水圧 (pore-water pressure) 飽和土内の水頭によって生ずる圧力の測定値であり、間隙水を通して土 の底面に置き換えられた圧力.これは、土の中の自由地下水面の測定によって、あるいはピエゾメー ターを利用した直接の圧力測定によって現場で定量化することができる.間隙水圧は、急斜面の土の 破壊に関する重要な要素であり、主に土のせん断強度の荷重成分を減尐させるように作用する.(参 考文献2)
間隙水 (pore water, or interstitial water) 間隙内の地下水.(参考文献 3) 起伏 (relief) 地表の高所と低所の標高差.(参考文献 3) 機械的風化 (weathering, mechanical) 岩盤が風化に曝されて性状が変化し、腐食し、土に変わっていく 物理的現象.このような現象には、温度変化(膨張と収縮),凍結融解の繰り返し,動物の巣作りな ども含まれている.(参考文献4) クイッククレー (quick clay) 乱された後にほとんど全せん断強度を失う粘土.再整形後に認識できる程 の強度増加を示さない粘土.(参考文献3) マッドスライド (mudslide) 不正確ではあるが、米国カリフォルニア州で名付けられ、よく使用される 用語である.しばしば一般大衆やニュースメディアによって、土石を含んだ洪水から地すべりまでの 広範な意味に用いられる.技術的には正しい用語ではない.“泥流”の用語解説の項参照.(参考文献 5) 応力 (stress) 固体の中のあらゆる面に作用する単位面積あたりの力.平方インチあたりのポンドある いはトン,平方センチあたりのダインあるいはキログラムのように表される.伸張によって内部応力 を生ずる外圧も同様. ピエゾメーター (piezometer) 導管,タンク,あるいは土の中の圧力水頭を測定する機器.帯水層内の 地下水頭を測定するのに使用される小口径の水井戸である.(参考文献3) ラハール (lahar) 火山斜面上における火山砕屑物の地すべり,土石流,泥流.そのような土石流によっ て生成される堆積物.ラハールは、豪雨に起因したり、火口湖から溢れ出したり、融雪によって生成
63 されたりして水と混ざり合うと、ウエットラハールと呼ばれる.ドライラハールは、円頂丘の震動に よったり、堆積する砕屑物が急斜面上で不安定になることで発生することがある.砕屑物が非常に熱 いままの場合には、ホットラハールと名付けられている.(参考文献3) レス・黄土 (loess) 広範囲に及び,均質で,通常は無層理で,多孔質で,脆く,低固結で,一般に高石 灰質で,細粒な被覆層(一般に厚さは30m 以下)であり、シルトが優勢であるが、粘土から細粒砂ま での粒子からなっている.(参考文献3) リスク (risk) 災害にさらされる結果として損害の生ずる可能性あるいは予想される損害の程度.(参考 文献4) 差別風化 (weathering, differential) 風化が岩盤表面で生ずる時あるいは露岩状態の時に、主に岩盤の組 成や抵抗力の違いによって風化速度に差が生ずること.結果的に、抵抗力の強い材質部分が突き出し て凸凹になる. 砂防ダム (check dam) 砂防ダムは、河床を安定化させるために急な渓流の中に建設される小規模な貯 砂ダムである.通常の利用目的は、通り道のできた土石流の発生頻度や体積を抑制するためのもので ある.砂防ダムは、建設費が高いので、一般には重要な設備とか自然の居住地(キャンプ地とか珍し い産卵地のようなところ)が下流域にあるようなところにだけ建設される.(参考文献2)
スタルツストローム・岩屑なだれ (sturzstroms) (“落下流”(fall stream)に対するドイツ語用語) 崖や 山地斜面の崩壊によってもたらされ、急速移動する岩屑や塵の巨大な塊である.急斜面を流れ下り、 低地を横断し、しばしば100km/hr 以上のスピードで数 km を移動する.スタルツストローム(岩屑な だれ)は、あらゆるマスムーブメントのうちで最も激変的なものである.(参考文献3) せん断 (shear) ある物体の接触部をその接触面に平行方向に互いに反対方向に滑らせようとする応力 の結果として生ずる変形.(参考文献3) 震央 (epicenter) 震源直上の地表点.(参考文献 3) 伸縮計 (extensometer) 応力測定のような小変位を測定する機器.(参考文献 3) 浸み出し (seepage) 更地斜面上の湧泉,沈降池,あるいは湿地によってそれとわかる集中的な表層地下 排水路や道路切土沿いでの水の浸み出し箇所.これらの集中的な浅層流の位置は、活動的で不安的な 地盤の潜在的位置として平面図や断面図に記しておくべきである.(参考文献2) 測地 (geodesic/geodetic measurements) 地球の形状や規模に関係する科学的問題点の調査. 層理面 (bedding surface/plane) 堆積岩あるいは層状岩の中で、連続的に重なった層から一つ上あるいは 下の層を分離し、堺となっている面.通常は、岩相とか色による視覚的な変化で見分けられる.(参 考文献3) 水力学的 (hydraulic) 動いている液体についての,あるいはそれに関連する;水によって伝達あるいは 作用する;水攻採鉱のように水を使って操作あるいは動かす. 水文学 (hydrology) 地球の水に関する科学.(参考文献 3) スラリー (slurry) 水と細かく分離した材質との高液状化混合体.例;パイプラインによる運搬のため の粉状石炭と水、あるいはグラウチングに使用するセメントと水.(参考文献3) 踏査地質・図化 (reconnaissance geology/mapping) ある地域の主な状況についての一般的な探査試験あ るいは調査であり、一般には詳細調査の予備調査である.現場あるいは室内でなされるが、入手可能 な情報範囲による.(参考文献2) 抑制策 (mitigation) 災害の発生する可能性を低減したり消失させる行為.実際に発生した際には、差し 迫った影響とか災害を消散させたり弱めたりする行為.(参考文献5) 割れ目 (fracture) 粘着力の瞬間的な喪失あるいは差応力に対する抵抗力の喪失や蓄積した弾性エネル ギーの解放による脆性変形.節理も断層も割れ目である.(参考文献3)
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用語解説の参考文献
1. Creath, W.B., 1996, Homebuyers’ guide to geologic hazards: An AIPG issues and answers publication: Department of Natural Resources, Colorado Geological Survey, Miscellaneous Publication (MI) no.58, 30 p.
2. Chatwin, S.C., Howes, D.E., Schwab, J.W., and Swaston, D.N., 1994, A guide for management of landslide-prone terrain in the Pacific Northwest, 2d edition: Research Branch, Ministry of Forests, Province of British Columbia, Victoria, British Columbia, Crown Publications.
3. Jackson, Julia A., ed., 1997, Glossary of geology, fourth edition: Prepared by the American Geological Institute, Alexandria, Virginia, USA, Doubleday.
4. Jochim, Candice L., Rogers, William P., Truby, John O., Wold, Robert L., Jr., Weber, George, and Brown, Sally P., 1988, Colorado landslide hazard mitigation plan: Department of Natural Resources, Colorado Geological Survey Bulletin 48.
5. Shelton, David C., and Prouty, Dick, 1979, Nature’s building codes, geology and construction in Colorado: Department of Natural Resources, Colorado Geological Survey Special Publication No.48, 72 p.
6. Turner, A. Keith, and Schuster, Robert L., 1996, Landslides--- Investigation and mitigation:: National Research Council, Transportation Research Board, Special Report 247, National Academy Press, Washington, D.C., 673 p.
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パート2.地すべりのパーツ -現象の記述・用語解説-
Crown:冠頂,Crown cracks:冠頂亀裂,Original ground surface:元の地盤面,Main scarp:主滑落崖,Head:頭部, Minor scarp:二次滑落崖,Surface of rupture:すべり面,Right flank:右側部,Main body:本体,Transverse cracks:
横断亀裂,Toe of surface of rupture:脚(すべり面の末端),Transverse ridges:横断リッジ(畝),Radical cracks:放射
状亀裂,Toe:末端 Foot:脚部,Surface of separation:分離面
図 A1 地すべりのパーツ(Varnes (1978)を改変,参考文献 43) 分離面 (surface of separation) 地すべりの脚部に被われた元の地盤面の部分. 頂点 (top) 移動土塊と主滑落崖との最高位接点. 本体 (main body) 主滑落崖と地すべり面の末端との間の地すべり面上に乗っている地すべり移動物質 の部分. 移動物質 (displaced material) 地すべり活動によって斜面上の元の位置から移動した材料.削剥体と堆 積体の両方からなる. 滑落崖 (main scarp) 地すべりの上端にあって、乱されていない地盤上の急斜面であり、乱されなかっ た地盤からの移動物質の分離によるものである.すべり面が目に見える部分である。 冠頂 (crown) 実質的に移動せずまだその場所に残っている主滑落崖最高点の隣接部. 脚部 (foot) すべり面の末端を越えて元の地盤面の上に乗っている移動体部分. 末端 (toe) 地すべりによる移動土塊の下端で、一般にカーブしている.
元の地盤面 (original ground surface) 地すべりが発生する前にあった斜面.
二次滑落崖 (minor scarp) 移動物質内の異なる動きによって形成された地すべり移動物質上の急斜面. 削剥 (depletion) 主滑落崖と削剥体と元の地盤面によって囲まれた部分の浸食形態.
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削剥域 (zone of depletion) 移動物質が元の地盤面の下にある地すべり域. 削剥体 (depleted mass) すべり面の上にあり、元の地盤面の下にある移動土塊.
すべり面 (surface of rupture) 元の地盤面の下にあって、移動物質の下面を形成する(あるいは形成され ていた)面.
すべり面の末端 (toe of surface of rupture) すべり面の下部と元の地盤面との交わる部分(一般に埋没し ている). 先端 (tip) 地すべりの頂点から最も遠い末端の点. 側部 (flank) すべり面の側部に隣接する不動地.側部の方向は、磁石の方位で記述する方が望ましいが、 左右という場合には、冠頂から見たものとしての側部をいう. 堆積 (accumulation) 元の地盤面の上に乗っている移動土塊の運搬堆積形態(同上). 堆積域 (zone of accumulation) 移動物質が元の地盤面の上に乗っている地すべり域. 頭部 (head) 移動物質と主滑落崖との接触部に沿った移動体の上部. 命名法に関する情報源
1. Cruden, D.M., 1993, The multilingual landslide glossary: Richmond, British Columbia, Bitech Publishers, for the IUGS Working Party on World Landslide Inventory in 1993.
2. Varnes, D.J., 1978, Slope movement types and processes, in Schuster, R.L., and Krizek, R.J., eds., Landslides--- Research Board Special Report 176, National Research Council, Washington, D.C., p.11-23.
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パート3.地すべりの原因と引き金の要因
物理的要因 -引き金- ・ 豪雨 ・ 急激な融雪 ・ 長引く豪雨 ・ 急激なドローダウン(洪水や高潮による)あるいは湛水. ・ 地震 ・ 火山噴火 ・ 氷解 ・ 凍結融解による風化作用 ・ 収縮膨張による風化作用 ・ 洪水 自然要因 地質要因 ・ 脆弱材質.例えば火山斜面とか圧密していない海成堆積物 ・ 影響を受けやすい材質 ・ 風化材質 ・ 破砕材質 ・ 節理や割れ目の発達した材質 ・ 不利な方向に向いた岩体不連続面(層理面,片理面など) ・ 不利な方向に向いた構造的不連続面(断層面,不整合面,接触面など) ・ 透水性の違い ・ 硬さの違い(硬さ,塑性材を覆う高密度材) 形態要因 ・ 構造運動あるいは火山活動による隆起 ・ 氷河の後退によるリバウンド ・ 氷河融解水の噴出 ・ 斜面脚部の河川浸食 ・ 斜面脚部の波食 ・ 斜面脚部の氷河浸食 ・ 側方端浸食 ・ 地下浸食(溶解,パイピング) ・ 斜面上あるいは斜面肩部への堆積荷重 ・ 植生の除去(山火事,干ばつ)68 人為的要因 ・ 斜面あるいはその脚部の掘削 ・ 建設のための不安定盛土の使用 ・ 斜面頂部への盛土などのような斜面上あるいは斜面肩部への荷重, ・ 水位降下あるいは湛水(貯水池の) ・ 森林伐採 -木材の伐採とか作物栽培のための切り払い,不安定な木材運搬路 ・ 灌漑とか芝生への給水 ・ 鉱山廃棄物の封じ込め ・ 杭打ち,発破,その他の強い振動といった人為的振動 ・ 上下水道のような公共設備からの漏水 ・ 桟橋,堤防,堰などといったものの建設による川の流れや長い沿岸流の転換 (計画されたものかどうかにかかわらず) 詳しくは参考文献9, 3, 45 参照