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調査実施の背景 当研究所では 2008 度に 消費者と企業のコミュニケーション - 顧客と供給者 の関係における消費者側の意識 - をテーマに扱い調査を行いました その結果 情報源が多様化し 情報量が膨大となった社会において 1 消費者はネットを中心に消費に関する多量な情報を収集しているものの 2ネ

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Academic year: 2021

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2010 年2月 第一生命保険相互会社(社長 斎藤 勝利)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所 (社長 小山 正之)では、全国の 20~59 歳男女個人800 名を対象に、標記についてのアンケー ト調査を実施いたしました。この程、その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。 ㈱第一生命経済研究所 ライフデザイン研究本部 研究開発室 広報担当(田代・新井) TEL.03-5221-4771 <お問い合わせ先>

20~59 歳男女に聞いた

『消費に関する情報伝達(クチコミ)調査』

~ 家族・知人間でやり取りされる情報とネット上の情報の流通、質、信頼性 ~ 消費に関する情報交換(家族・知人間)の実態(P.3) z 女性は男性より家族や知人との消費関係情報の受発信が多い。 消費に関する情報を発信するときに誇張するか(P.9) z 家族や知人に話すときに誇張するとした人は全体で4割強。 z ネットでは家族や知人に伝えるときに比べると誇張が少ない。 消費に関するクチコミ情報の信頼性(P.10) z 家族・友人の体験談に続き、「ネット上の商品・サービス・価格の比較サイト」の信頼性が高い。 商品・サービスの良悪別の情報の発信相手と平均発信相手数(P.11・12) z 「配偶者・恋人」のほか「自分の母親」「娘」「女性の友人」等、女性が多い。 z 食品・日用品について「これはよい」と思ったときは平均 3.08 人に発信。 買い物における意識と実態(P.13) z 高額商品の購入の際は、女性は男性より誰かに相談してから購入するケースが多い。ただし衝 動買いも男性より多く、後悔も多い。 消費に関する情報を家族や知人に発信する理由とその内容(P.4・5) z 理由としては「役に立つ情報は誰かと共有したほうがいい」が最も多い。 z 内容では「よかった商品・サービス」の情報発信が最も多い。「悪かった・がっかりした」「怒りを感 じた」「評判と違っていた」ものについては、男性より女性の情報発信が多い。 消費に関する情報交換(ネット)の実態(P.6) z 6割が情報の受信をするものの、情報請求を含めた発信は少ない。 z ネット上での発信が多いのは 20 代。 消費に関する情報をネット上に発信する理由とその内容(P.7・8) z 理由としては家族や知人に伝達する場合と同様、「役に立つ情報は誰かと共有した方がいい」が 最も多い。 z 内容では「よかった商品・サービス」が最も多い。家族・知人間では多くなかった男性のネガティブ 情報(「悪かった・がっかりした」「怒りを感じた」等)が、女性と同等かそれ以上に発信されている。

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≪調査実施の背景≫

当研究所では、2008 度に「消費者と企業のコミュニケーション -『顧客と供給者』の関 係における消費者側の意識-」をテーマに扱い調査を行いました。その結果、情報源が多 様化し、情報量が膨大となった社会において、①消費者はネットを中心に消費に関する多 量な情報を収集しているものの、②ネット上に個人が発信している情報、いわゆる CGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)に対する信頼性は高くない点、③情 報の判別は多方面から集めた情報を自ら総合的に判断するとした人が多い点、④信頼性が 高いのは「新聞記事」や「クチコミ」(クチコミは特に女性において信頼性が高い)である 点、⑤コミュニケーション好嫌度をメインとした個人特性により、企業やスタッフとのコ ミュニケーションに求めるものが様々である点などが確認されました。 今日のような情報量の増加は、一見消費者にとって歓迎すべき変化に思えます。しかし、 現代のような情報流通環境において、消費者には選択肢が増えた分、さらに高い情報処理 能力が求められるようになってきました。 このような中で、クチコミの重要性は従来よりも高まっていると考えられます。クチコ ミは知人との間で行われるパーソナルコミュニケーションであり、元々の情報の発信源や 真偽はどうあれ、自分の耳に入る情報源が知人であるというクレジット(信用)が付与さ れていたからこそ、情報の信頼性が高いものとされてきました。こうした中で、今日、イ ンターネット上に個人が匿名で掲載した情報も「クチコミ」と解釈される傾向があります。 ネット上の「クチコミサイト」「クチコミランキング」などの情報のフィルターが、大量情 報の一次処理的役割を担うものとして、強い支持を受けるようになってきました。クチコ ミはもはや個人間の信頼関係を基盤としたものではなく、情報の一次処理的手段として扱 われるようになっています。 口を介したクチコミと、ネットを介した情報が混在し、クチコミの定義が大きく変化し てきた今日、人は消費に関する情報を人に対して、ネットに対してどのように発信してい るのでしょうか。その発信の動機や情報の信頼性にはどのような特徴があるのでしょうか。 これらの点にクローズアップし、現代の消費者がどのようにクチコミを活用し、その情報 を選別しているのかについて、「情報発信」という側面に重点を置きつつ、調査研究を行い ました。

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≪調査の実施概要≫

1.調査地域と対象 全国、20~59 歳の男女個人 2.サンプル数 800 名 3.有効回収数(率) 752 名(94.0%) 4.サンプル抽出方法 第一生命経済研究所生活調査モニターのうち、本人 または家族の年齢が該当する人 5.調査方法 質問紙郵送調査法 6.実施時期 2009 年9月 7.回答者の属性 20 代 30 代 40 代 50 代 計 人 % 人 % 人 % 人 % 人 % 男性 91 12.1 90 12.0 98 13.0 95 12.6 374 49.7 女性 89 11.8 94 12.5 97 12.9 98 13.0 378 50.3 計 180 23.9 184 24.5 195 25.9 193 25.7 752 100.0

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消費に関する情報交換(家族・知人間)の実態

女性は男性より家族や知人との消費関係情報の受発信が多い

D

図表1 消費に関する情報交換(家族・知人間)の実態 (「よくある」と「どちらかといえばある」の合計)(全体、性別) 消費に関する情報(商品やサービスの良い・悪いや使い勝手など)について、家族や知 人と情報交換をするかについて尋ねました(図表1)。 女性はいずれの項目においても男性を上回っており、家族や知人の話を聞くこと(受信) も自分から伝達すること(発信)も多いことがわかりました。特に女性では「家族や知人 などが話をしてくる」よりも「自分から家族や知人などに意見や感想を聞く」が、「家族や 知人などに意見や感想を求められる」より「家族や知人などに自分から伝える」が多くな っており、「自分から」受信・発信行動をとることが多い点が特徴です。 (年代別) 20 代 (n=180) 30 代 (n=184) 40 代 (n=195) 50 代 (n=193) 商品やサービスに関する情報一般について、 家族や知人などが話をしてくる 68.9 65.8 56.0 67.9 自分が欲しい商品やサービスについて、 自分から家族や知人などに意見や感想を聞く 64.4 72.3 69.4 63.2 商品やサービスについての意見や感想を、 家族や知人などに自分から伝える 59.8 57.6 64.2 64.1 商品やサービスについて、 家族や知人などに意見や感想を求められる 49.7 54.9 50.8 52.3 64.5 67.3 61.5 51.9 57.5 57.5 49.3 47.4 71.4 77.0 73.5 56.3 0 20 40 60 80 100 商品やサービスに関する情報一般について、 家族や知人などが話をしてくる 自分が欲しい商品やサービスについて、 から家族や知人などに意見や感想を聞く 商品やサービスについての意見や感想を、 家族や知人などに自分から伝える 商品やサービスについて、 家族や知人などに意見や感想を求められる 自分 全体(n=752) 男性(n=374) 女性(n=378) (%) (単位:%) 情報受信 情報発信 情報受信 情報発信

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消費に関する情報を家族や知人に発信する理由

「役に立つ情報は誰かと共有した方がいい」が最も多い

図表2 消費に関する情報を家族や知人に発信する理由(全体、性別)<複数回答> (%) 45.0 25.4 13.4 11.0 5.1 57.7 44.0 50.4 24.9 27.5 25.5 69.5 51.5 51.4 43.4 33.1 18.4 20.8 64.2 44.9 46.4 46.1 35.8 24.4 25.9 10.8 13.6 16.0 12.3 6.0 4.2 74.5 56.0 41.2 10.9 9.8 0 20 40 60 80 役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから 何かさらなる情報を得られるかもしれないから コミュニケーションのきっかけになるから 相手のためになるから 自分も人から情報をもらっているから 嬉しい気持ちを誰かに伝えたいから 相手に興味を持ってもらえる・面白がってもらえるから しゃべる・伝えるのが好きだから 怒りの気持ちを誰かに伝えたいから 自分自身の考えの整理ができるから 感心されたい・認められたいから 社会の役に立つから 全体(n=689) 男性(n=328) 女性(n=357) 消費に関する情報を家族や知人に発信する理由について尋ねたところ、最も多かったの は「役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから」で、約7割を占めました(図表2)。以 下、「何かさらなる情報を得られるかもしれないから」「コミュニケーションのきっかけに なるから」と続いていますが、「役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから」と第2位以 下には 18 ポイント程度の差があり、情報の共有そのものが情報提供の動機として強く作用 していることがわかりました。 性別にみると、女性が男性を 10 ポイント以上上回ったものとしては、「役に立つ情報は 誰かと共有した方がいいから」「何かさらなる情報を得られるかもしれないから」「自分も 人から情報をもらっているから」「嬉しい気持ちを誰かに伝えたいから」「しゃべる・伝え るのが好きだから」「怒りの気持ちを誰かに伝えたいから」となっていました。

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家族・知人に発信される消費関係情報の内容

内容では「よかった商品・サービス」の情報発信が最も多い

「悪かった・がっかりした」「怒りを感じた」「評判と違っていた」ものについ

ては、男性より女性の情報発信が多い

図表3 発信される消費関係情報(家族・知人間)の内容(全体、性別)<複数回答> 消費に関する情報で、家族や知人に発信する内容について尋ねたところ、「よかった商 品・サービスについて」が全体の9割以上を占めて最も多く、「悪かった・がっかりした商 品・サービスについて」は7割弱にとどまりました(図表3)。ただし、これらの情報の影 響力については様々な研究結果があり、肯定的なクチコミの方が影響力が強いとするもの、 否定的なクチコミの方が影響力が強いとするものなど、両者を指摘する論文が存在してい ますので、注意が必要です。興味深いのは、「悪かった・がっかりした商品サービスについ て」に加え、「怒りを感じた商品・サービスについて」「評判と違っていた商品・サービス について」など、否定的な消費関連情報については、男性より女性での情報発信が多い点 です。いわゆる「情報提供」という側面より、「感情の発散」に近い情報発信については、 男性より女性で多いようです。この点は、後述するネットでの情報発信との違いがみられ ます。 (年代別) 20 代(n=180) 30 代(n=184) 40 代(n=195) 50 代(n=193) よかった商品・サービスについて 92.7 91.9 93.9 90.9 悪かった・がっかりした商品・サービスについて 63.6 68.2 69.6 69.7 面白かった商品・サービスについて 58.2 56.1 55.2 45.1 怒りを感じた商品・サービスについて 36.4 44.5 43.1 39.4 評判と違っていた商品・サービスについて 34.5 35.3 43.1 42.9 店員や店の状況について 35.2 38.2 39.8 40.6 よくわからなかった商品・サービスについて 21.2 14.5 21.0 18.9 (%) (単位:%) 92.4 53.4 17.8 47.3 18.9 38.5 39.0 40.9 53.6 67.9 31.8 33.8 34.1 62.3 89.9 19.9 44.8 44.0 53.8 73.1 94.7 0 20 40 60 80 100 よかった商品・サービスについて 悪かった・がっかりした商品・サービスについて 面白かった商品・サービスについて 怒りを感じた商品・サービスについて 違っていた商品・サービスについて 店員や店の状況について よくわからなかった商品・サービスについて 評判と 全体(n=694) 男性(n=337) 女性(n=357)

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消費に関する情報交換(ネット)の実態

6割が情報の受信をするものの、情報請求を含めた発信は少ない

ネット上での発信が多いのは 20 代

図表4 消費に関する情報交換(ネット)の実態 (「よくある」と「どちらかといえばある」の合計)(全体、性別) 続いて、消費に関する情報(商品やサービスの良い・悪いや使い勝手など)について、 ネットでの情報のやりとりをどの程度行っているか尋ねました(図表4)。その結果、「消 費に関する情報について、ネット上(掲示板やブログなど)で読む」については6割弱が 「よくある」「どちらかといえばある」と回答したのに対し、「自分が欲しい商品やサービ スについて、ネット上で意見を求める」については2割弱、「商品やサービスについての意 見や感想について、ネット上に書き込みをする」については1割弱の回答しかありません でした。受信する人の数と発信する人の数に大きな差がみられます。 性別にみても、大きな差はみられません。 年代別に比較すると、概ね年代が低いほど情報の受発信が多いことがわかります。特に 20 代においてはネット上からの情報受信が7割以上、30 代でも7割弱となっていますが、 40 代では半数、50 代では 30%台にとどまっています。また、情報発信についても 20 代で 最も多く、「商品やサービスについての意見や感想について、ネット上に書き込みをする」 とした人は 20 代で 15.6%となっていました。 (年代別) 20 代 (n=180) 30 代 (n=184) 40 代 (n=195) 50 代 (n=193) 消費に関する情報について、ネット上 (掲示板やブログなど)で読む 73.9 69.4 50.0 36.8 自分が欲しい商品やサービスについて、 ネット上(掲示板やブログなど)で意見を求める 21.7 19.7 13.9 19.5 商品やサービスについての意見や感想について、 ネット上(掲示板やブログなど)に書き込みをする 15.6 8.7 8.7 5.2 (%) 情報受信 情報発信 57.2 18.6 9.5 58.2 18.0 9.4 56.1 19.3 9.6 0 20 40 60 8 消費に関する情報について、ネット上 (掲示板やブログなど)で読む 自分が欲しい商品やサービスについて、 ネット上(掲示板やブログなど)で意見を求める 0 ービスについての意見や感想について、 ト上(掲示板やブログなど)に書き込みをする 全体(n=752) 男性(n=374) 商品やサ ネッ 女性(n=378) (単位:%) 情報受信 情報発信

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消費に関する情報をネット上に発信する理由

家族や知人に伝達する場合と同様、「役に立つ情報は誰かと共有した方

がいい」が最も多い

図表5 消費に関する情報をネット上に発信する理由(全体、性別)<複数回答> (%) 60.2 40.9 30.7 25.0 14.8 18.2 7.0 12.0 12.0 13.0 15.5 16.5 16.5 17.0 21.5 33.5 52.5 54.5 7.1 14.3 10.7 14.3 27.7 18.8 16.1 18.8 13.4 8.9 54.5 50.0 19.3 4.5 10.2 5.7 13.6 50.0 0 20 40 60 8 役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから 何かさらなる情報を得られるかもしれないから 自分も人から情報をもらっているから コミュニケーションのきっかけになるから 嬉しい気持ちを誰かに伝えたいから 相手のためになるから 怒りの気持ちを誰かに伝えたいから 相手に興味を持ってもらえる・面白がってもらえるから 社会の役に立つから しゃべる・伝えるのが好きだから 自分自身の考えの整理ができるから 感心されたい・認められたいから 0 全体(n=200) 男性(n=112) 女性(n=88) 注:質問対象者は「商品やサービスについての意見や感想について、ネット上(掲示板やブログなど)に書き込 をする」との設問に対して「ほとんどない」と回答した人を除いたもの 「商品やサービスについての意見や感想について、ネット上に書き込みをする」とした人 に対して、消費に関する情報をネット上で発信する理由を尋ねました(図表5)。その結果、 最も多かったのはここでも「役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから」となっており、 全体で 54.5%を占めました。特に女性においてこの点をあげた人が多く、男性で 50.0%で あるのに対し、女性では 60.2%となっています。ほかに女性が男性を大きく上回ったもの をみると、「コミュニケーションのきっかけになるから」(16.4 ポイント差)、「嬉しい気持 ちを誰かに伝えたいから」(14.3 ポイント差)、「自分も人から情報をもらっているから」 (13.2 ポイント差)などがあげられました。 家族・知人への情報発信(図表2)と比べると、ほとんどの項目において回答が少なく なっている中、男性において「何かさらなる情報を得られるかもしれないから」をあげた 人が 54.5%となっており、家族・知人への情報伝達における同項目の男性の回答 44.9%を 約 10 ポイント上回ったのが特徴です。

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ネット上に発信される消費関係情報の内容

内容では「よかった商品・サービス」が最も多い

家族・知人間では多くなかった男性のネガティブ情報(「悪かった・がっか

りした」「怒りを感じた」等)が、女性と同等かそれ以上に発信されている

図表6 発信される消費関係情報(ネット)の内容(全体、性別)<複数回答> (%) 同じく「商品やサービスについての意見や感想について、ネット上に書き込みをする」 とした人に対して、ネット上で発信する消費関係の情報の内容について尋ねました(図表 6)。その結果、やはり上位には「よかった商品・サービスについて」があげられました。 家族・知人への情報発信についての結果(図表3)と比べると、男性における「悪かっ た・がっかりした商品・サービスについて」「怒りを感じた商品・サービスについて」「評 判と違っていた商品・サービスについて」などの否定的な情報については、家族・知人間 では女性に比べてかなり低かったのに対して、ネット上では女性とほぼ同程度か、もしく は若干女性より多い回答がみられたことが特徴です。 (年代別) 55.0 40.5 30.0 29.0 19.5 14.0 90.8 55.2 29.9 19.5 12.6 81.0 73.5 54.9 41.6 30.1 32.7 19.5 15.0 24.1 39.1 0 20 40 60 80 100 よかった商品・サービスについて 悪かった・がっかりした商品・サービスについて 面白かった商品・サービスについて 評判と違っていた商品・サービスについて 怒りを感じた商品・サービスについて 店員や店の状況について よくわからなかった商品・サービスについて 全体(n=200) 男性(n=113) 女性(n=87) (単位:%) 20 代(n=69) 30 代(n=54) 40 代(n=47) 50 代(n=30) よかった商品・サービスについて 78.3 88.7 78.7 77.4 悪かった・がっかりした商品・サービスについて 56.5 52.8 61.7 45.2 面白かった商品・サービスについて 39.1 41.5 40.4 41.9 評判と違っていた商品・サービスについて 26.1 28.3 34.0 35.5 怒りを感じた商品・サービスについて 23.2 32.1 34.0 29.0 店員や店の状況について 15.9 22.6 23.4 16.1 よくわからなかった商品・サービスについて 15.9 13.2 17.0 6.5 注:質問対象者は「商品やサービスについての意見や感想について、ネット上(掲示板やブログなど)に書き込 をする」との設問に対して「ほとんどない」と回答した人を除いたもの

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消費に関する情報を発信するときに誇張するか

家族や知人に話すときに誇張するとした人は全体で4割強

ネットでは家族や知人に伝えるときに比べると誇張が少ない

図表7 家族・知人に発信するときに誇張するか 図表8 ネットで発信するときに誇張するか 5.8 18.0 17.7 18.4 13.0 30.2 25.8 66.5 69.9 62.1 72.5 50.9 78.7 61.3 8.8 8.7 9.7 -3.2 1.9 2.3 3.5 3.0 6.4 12.5 17.2 17.0 14.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=200) 男性(n=113) 女性(n=87) 20代(n=69) 30代(n=53) 40代(n=47) 50代(n=31) 非常によくある どちらかといえばある あまりない まったくない 7.9 37.8 38.9 36.8 40.0 39.9 32.0 39.7 49.2 48.1 50.3 45.5 48.6 54.7 47.7 4.0 3.9 4.0 4.9 6.2 3.7 8.6 6.7 6.8 8.1 9.3 7.5 9.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=693) 男性(n=337) 女性(n=356) 20代(n=165) 30代(n=173) 40代(n=181) 50代(n=174) 非常によくある どちらかといえばある あまりない まったくない クチコミ情報など、いわゆる「ウワサ」については、大げさに言ってしまったり、話を 大きくしてしまうことがよくあります。これについての自覚の有無について尋ねたところ、 家族・知人に対する発信では 42.7%が「ある」(「非常によくある」と「どちらかといえば ある」の合計)と回答したのに対し、ネット上への発信については 21.0%にとどまってい ました(図表7、8)。

(11)

消費に関するクチコミ情報の信頼性

家族・友人の体験談に続き、「ネット上の商品・サービス・価格の比較サイ

ト」の信頼性が高い

図表9 消費に関するクチコミ情報の信頼性 注:「聞かない・見ないのであてはまらない」を除いて集計 54.2 23.4 10.2 7.2 40.3 60.1 54.0 48.8 40.3 44.6 34.0 20.2 24.1 14.7 12.8 27.9 32.3 39.1 43.4 46.3 46.7 54.9 50.7 7.9 11.7 13.8 9.0 17.2 31.7 19.7 34.2 0.4 1.3 1.4 2.6 3.0 6.8 4.4 1.1 3.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 家族が体験した話 友人が体験した話 ネット上にある商品・サービス・価格の比較サイトの 情報 知り合い・顔見知りの人が体験した話 ネット上で紹介している商品やサービスに対する、 個人の利用者からの情報・書き込み、ユーザー評 価やレビュー(体験談・使用感・評価) 家族が誰かから聞いたという話 ネット上でブログを作成している人の、本人のブログ 上での情報・書き込み ネット上の掲示板や誰かのブログ上に作成者以外 がコメントした情報・書き込み 友人が誰かから聞いたという話 知り合い・顔見知りの人が誰かから聞いたという話 信頼性は高い 信頼性はやや高い 信頼性はやや低い 信頼性は低い 消費に関するクチコミ情報の信頼性を、情報の種類別に尋ねました(図表9)。その結果、 最も信頼性が高かったのは「家族が体験した話」で、94.5%が「信頼性は高い」(「信頼性 は高い」と「信頼性はやや高い」の合計)と回答しました。「信頼性はやや高い」を除いた 結果だけでも過半数が信頼性を認めています。次いで「友人が体験した話」が 83.5%とな っており、上位2位までを「家族」「友人」が占めました。 これに続くのが「ネット上にある商品・サービス・価格の比較サイトの情報」で、64.2% が信頼性の高さを認めています。これについては、「知り合い・顔見知りの人が体験した話」 や「家族が誰かから聞いたという話」「友人が誰かから聞いたという話」など、知人を媒介 している情報をしのいでいる点が特徴です。

(12)

商品・サービスの良悪別の情報の発信相手

「配偶者・恋人」のほか「自分の母親」「娘」「女性の友人」等、女性が多い

「食品・日用品」「旅行・外食」の「これはよい」と思った情報の発信が多い

図表 10 消費に関するクチコミ情報の伝達相手(商品・サービス別)<複数回答> 配偶者 ・恋人 自分の 父 親 自分の 母 親 兄・ 弟 姉・ 妹 息子 ( 中学 生 以上 ) (単位:%) 職場・ 学 校 ・習 い 事 で 会う 人 家の 近 所 の 人 ・ 地 域の 人 ネッ ト 上 の 不 特 定 多数 男性の 友 人・ 知人 女性の 友 人・ 知人 娘 ( 中学 生 以 上 ) 誰に も 伝 え な い n= 620 508 641 454 433 214 227 562 660 750 623 210 752 「これはよい」と思ったとき 82.1 22.2 62.1 14.8 41.3 43.0 63.4 21.9 44.2 33.3 12.7 8.6 3.6 食品・日用品 「これはだめだ」と思ったとき 78.3 22.1 55.6 12.4 32.6 40.8 60.2 16.7 36.0 28.6 9.3 5.7 5.9 「これはよい」と思ったとき 78.2 19.6 29.6 16.5 27.3 43.0 48.0 25.2 27.7 25.3 5.0 7.1 9.3 家電、情報家 電(PC・携帯 電話) 「これはだめだ」と思ったとき 75.4 18.7 29.6 16.0 25.6 42.0 49.8 23.9 26.6 24.4 4.7 6.6 11.4 「これはよい」と思ったとき 80.3 23.4 46.5 15.2 38.8 41.1 54.2 30.4 49.4 34.8 9.3 10.5 4.8 旅行・外食 「これはだめだ」と思ったとき 78.3 20.5 40.8 11.5 31.9 38.0 52.7 25.3 40.7 29.2 6.4 6.7 8.0 「これはよい」と思ったとき 57.8 15.9 23.7 6.5 14.2 15.6 14.8 9.3 10.4 8.2 1.0 2.4 33.5 金融商品 (投資・保険) 「これはだめだ」と思ったとき 55.9 16.1 23.8 7.2 15.2 14.3 15.3 9.9 10.6 8.4 1.1 1.9 34.5 「これはよい」と思ったとき 76.7 16.6 35.2 10.4 30.1 29.9 47.8 29.8 48.6 33.2 8.7 9.1 6.7 利用した店の 雰囲気・店員 「これはだめだ」と思ったとき 76.3 15.4 33.3 9.7 27.5 29.0 47.8 26.9 43.4 30.4 7.7 6.2 8.4 注:n はそれぞれ対象者が存在しているとする人の数 商品・サービス5項目について、その商品・サービスがよかったとき(「これはよい」と 思ったとき)と、悪かったとき(「これはだめだ」と思ったとき)のケースごとにそれぞれ 誰にそれを発信するかを尋ねました(図表 10)。その結果、全体として「食品・日用品」に ついて、「これはよい」と思ったときに「配偶者・恋人」に伝えるとした人が最も多い結果 となりました。全体的にみて、ここでも、「これはだめだ」と思ったときより「これはよい」 と思ったときの発信の方が多いことが確認されました。 また、父親より母親、兄・弟より姉・妹、息子より娘に伝達するケースが多く、より女 性に情報が流れやすい様子を示しています。特に母娘間での情報交換は多く、50 代になっ ても父親への発信を大きく上回って母親に発信しているとの結果も得られています(図表 省略)。 金融商品については「誰にも伝えない」と回答した人が多く、他の商品・サービスでは 「誰にも伝えない」とする人は概ね1割を切っているのに対し、「これはよい」と思ったと きで 33.5%、「これはだめだ」と思ったときで 34.5%が「誰にも伝えない」と回答してい ました。それでも、金融商品について、「これはよい」と思ったときは 57.8%、「これはだ めだ」と思ったときは 55.9%が「配偶者・恋人」に発信すると回答しています。

(13)

商品・サービスの良悪別の情報の平均発信相手数

食品・日用品について「これはよい」と思ったときは平均 3.08 人に発信

金融商品についてはいずれの属性でも平均 1 人強

図表 11 消費に関するクチコミ情報の平均発信相手数(全体、性別、年代別) (単位:人) 0.09 2.50 2.60 -0.03 1.37 1.35 0.27 2.65 2.92 0.05 2.29 2.34 0.32 2.85 3.17 50代 0.10 2.25 2.35 -0.03 1.17 1.15 0.44 2.45 2.89 0.13 2.05 2.18 0.44 2.60 3.04 40代 0.18 2.57 2.76 0.02 1.42 1.44 0.28 2.71 2.98 0.07 2.35 2.42 0.39 2.74 3.13 30代 0.28 2.62 2.89 0.02 1.06 1.08 0.49 2.60 3.09 0.07 2.34 2.41 0.35 2.61 2.96 20代 0.20 2.70 2.90 0.02 1.34 1.36 0.42 2.90 3.32 0.11 2.36 2.47 0.54 3.03 3.58 女性 0.13 2.26 2.39 -0.02 1.18 1.15 0.32 2.29 2.61 0.05 2.15 2.20 0.20 2.37 2.57 男性 0.16 2.48 2.64 0.00 1.26 1.26 0.37 2.60 2.97 0.08 2.25 2.33 0.38 2.70 3.08 全体 A-B 利用 し た 店 の 雰囲 気 や店 員 ( 悪 い ) B 利用 し た 店 の 雰囲 気 や店 員 ( 良 い ) A A-B 金融商 品 ( 投 資 ・ 保 険 ) ( 悪 い ) B 金融商 品 ( 投 資 ・ 保 険 ) ( 良 い ) A A-B 旅行・ 外食 ( 悪 い ) B 旅行・ 外食 ( 良 い ) A A-B 家電 、 情 報家電 ( 悪 い ) B 家電 、 情 報家電 ( 良 い ) A A-B 食品、 日 用品 ( 悪 い ) B 食品、 日 用品 ( 良 い ) A 0.09 2.50 2.60 -0.03 1.37 1.35 0.27 2.65 2.92 0.05 2.29 2.34 0.32 2.85 3.17 50代 0.10 2.25 2.35 -0.03 1.17 1.15 0.44 2.45 2.89 0.13 2.05 2.18 0.44 2.60 3.04 40代 0.18 2.57 2.76 0.02 1.42 1.44 0.28 2.71 2.98 0.07 2.35 2.42 0.39 2.74 3.13 30代 0.28 2.62 2.89 0.02 1.06 1.08 0.49 2.60 3.09 0.07 2.34 2.41 0.35 2.61 2.96 20代 0.20 2.70 2.90 0.02 1.34 1.36 0.42 2.90 3.32 0.11 2.36 2.47 0.54 3.03 3.58 女性 0.13 2.26 2.39 -0.02 1.18 1.15 0.32 2.29 2.61 0.05 2.15 2.20 0.20 2.37 2.57 男性 0.16 2.48 2.64 0.00 1.26 1.26 0.37 2.60 2.97 0.08 2.25 2.33 0.38 2.70 3.08 全体 A-B 利用 し た 店 の 雰囲 気 や店 員 ( 悪 い ) B 利用 し た 店 の 雰囲 気 や店 員 ( 良 い ) A A-B 金融商 品 ( 投 資 ・ 保 険 ) ( 悪 い ) B 金融商 品 ( 投 資 ・ 保 険 ) ( 良 い ) A A-B 旅行・ 外食 ( 悪 い ) B 旅行・ 外食 ( 良 い ) A A-B 家電 、 情 報家電 ( 悪 い ) B 家電 、 情 報家電 ( 良 い ) A A-B 食品、 日 用品 ( 悪 い ) B 食品、 日 用品 ( 良 い ) A 注:(良い)は図表 10 の「『これはよい』と思ったとき」、(悪い)は同じく「『これはだめだ』と思ったとき」を意味する A-Bは「『これはよい』と思ったとき」の平均伝達人数から「『これはだめだ』と思ったとき」の平均伝達人数を 引いたもの 図表 10 のデータについて、それぞれ平均発信相手数を計算した(図表 11)。それによる と、情報発信相手数が最も多いのは「食品・日用品」について「これはよい」と思ったと きで、平均 3.08 人に発信するとの結果を得ました。次に多かったのは「旅行・外食」につ いて「これはよい」と思ったときの 2.97 人です。 平均人数が少なかったのは金融商品で、「これはよい」と思ったとき、「これはだめだ」 と思ったときのいずれも 1.26 人となっていました。属性別にみると、男性より女性でやや 平均人数が多い。また、年代別では 30 代で他の年代より多いとの結果を得ました。

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買い物における意識と実態

高額商品の購入の際は、女性は男性より誰かに相談してから購入する

ケースが多い。ただし衝動買いも男性より多く、後悔も多い。

図表 12 買い物における意識と実態 (「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」の合計)(全体、性別) (%) 58.6 80.1 58.5 56.1 47.4 28.5 34.1 39.6 43.4 47.3 70.3 81.6 88.7 48.7 31.5 32.5 41.8 39.5 38.4 58.8 60.4 80.3 86.3 44.2 25.5 35.7 37.4 53.2 82.8 91.0 0 20 40 60 80 100 日用品や食品など、よく使うものは同じものを 買うことが多い 何か買うときは、よく考えてから買うほうである 買物が好きである 買い物全般に関して、自分の「見る目」や 「選択」に自信がある 買い物をしてから、「やっぱりやめればよかった」 「別のものにすればよかった」と後悔することがある 自分でとても気に入ったもので、「高額」と思うものを 思い切って買う時は、誰かに相談することが多い 衝動買いをすることがある 買物において、店員やスタッフと コミュニケーションをよくとっている 良いか悪いかわからない商品・サービスを 「ためしに買ってみる」ことがある いつもと違うものを買うとき、あとで家族や知人に あれこれ言われるのが気になる 全体(n=752) 男性(n=374) 女性(n=378) 買い物における意識と実態についてみると、9割近くの人が「日用品や食品など、よく 使うものは同じものを買うことが多い」と回答しています(図表 12)。また、「何か買うと きは、よく考えてから買うほうである」とする人も8割以上となっていました。「買い物全 般に関して、自分の『見る目』や『選択』に自信がある」については性差はみられません でした。 また、「自分でとても気に入ったもので、『高額』と思うものを思い切って買うときは、 誰かに相談することが多い」とする人は男性より女性で多いですが、「買い物をしてから 『やっぱりやめればよかった』『別のものにすればよかった』と後悔することがある」とし たのも男性より女性で多くなっています。衝動買いも男性より女性で多いことがわかりま す。8割の女性が「買い物が好きである」としていることから、買い物そのものの機会が 男性より多いことも影響しているでしょう。

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自由回答より

・ 「クチコミ」に関しては、自分とどのくらい距離があるかによってちゃんと聞いたり聞かなかったり を判断します。また、「クチコミ」について、例えば家族から聞いたとしても、他の人の意見も集めて から判断することが多いと思っております。全くうのみにするということはないですね。(20 代 男性) ・ インターネット上の「クチコミ」はあまり参考にしていません。顔が見えない分、信頼性に欠けるか らです。「クチコミ」を信用するのは、実際に人と面会した上で成立するものではないかと考えます。 (20 代 男性) ・ インターネットショッピングで実際に購入した人のレビューは自分が購入するときの参考によく使う。 レビューが多ければ安心するし、少なければ少々不安。商品に対する良いところ、悪いところがしっ かり書かれているのが嬉しい。(20 代 女性) ・ やはり、使った本人など直接口から聞くのには信憑性がある。ホームページなどの「クチコミ」も同 様に信用してしまう。しかし、その人個人の意見でもあるから、自分に合っているとは限らず、やっ ぱり自分で使用したり買ったりするのが一番なのかな、と思います。(20 代 女性) ・ インターネットのブログやモニターの価格比較サイトなどのクチコミ的な情報は、家電を検討すると きにけっこうよいですが、メーカー側にとってよいクチコミ情報も、マイナス情報も書き込んでいる 人が何らかの意図をもっているように感じながら、「信頼性低」と思って読んでいる。価格とかスペッ クとか客観的な情報に価値をおいている。(30 代 男性) ・ 女性同士のクチコミ、姉妹のクチコミ、友人(女性)のクチコミは、自分に感性の近い人ほど、信頼 性を感じます。(30 代 女性) ・ 「クチコミ」の情報は「サクラ」さんが書いているということを聞いたことがあるので、ほとんど信 用しません。商品を買う際はお店の担当者に説明してもらい「デメリット」「メリット」「他製品」と どう違うのか、きちんと説明を聞いた上で買います。(30 代 女性) ・ ブログのクチコミは、公平な観点から書かれているものが少なくなってきているような気がするので、 参考にはするが、完全には信頼はしないようにしている。(40 代 男性) ・ ある程度知っている人の「クチコミ」は信頼できるが、ネットやブログで個人が発信している情報は 個人的な感想なので鵜呑みにはできない。(40 代 男性) ・ 相手に(話し手)に合っていても、私には合わないということは多々ある。特に化粧品・健康関連もの などは。なのでほとんど当てにしていない。またネット上のものはクチコミで広げることで何らかの メリット(金銭の受け取り、商品をもらえる、ディスカウントサービス等)があるため、純粋な意見 とは思えない。(40 代 女性) ・ 私は商品に対する「クチコミ」は大事にしています。いろんな情報をもとにして、商品を購入してい ます。「クチコミ」を利用して、なるべく失敗しない買い物をしたいと思っています。(40 代 女性) ・ 「クチコミ」にプラスαがあって信用する。ネット上での情報より新聞・雑誌など活字の方を信用す る。(50 代 男性) ・ 高額な商品を購入する際、ネットの口コミを見ることもあるが、あくまである程度のことで、全てを うのみにすることはない。なぜなら、アフィリエイトなど、匿名性を利用して利益を得ている場合も あり、あくまで参考にしている。(50 代 男性) ・ インターネットでいろんなクチコミを読んでますが、かなりオーバーだなと思うことがあります。あ る程度参考にはしますが、やはり自分の目で見て調べて購入したいと考えてます。(50 代 女性)

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≪研究員のコメント≫

今回の調査から、消費に関する情報の伝達や収集においては、性差が非常に大きいことが 再確認されました。また、大きな特徴として、一般的に「クチコミ」として十把ひとからげ にされがちな、家族や知人間での情報のやりとりと、ネット上での不特定多数との情報のや りとりにおいて、消費者がかなり使い分けている様子が明らかになりました。 情報の信頼性という側面においては、家族・知人間での顔の見える情報交換の方が信頼性 が高いですが、これらの情報のやりとりが「コミュニケーションのきっかけ」として扱われ るケースが多いため、情報が誇張されやすい傾向があります。一方で、ネット上の不特定多 数から発信された情報は、信頼性という面では家族・知人間での情報交換には及びませんが、 発信する側は話題性やコミュニケーションツールという側面を意識することが少なくなる ためか、誇張がそれほど行われないという結果を得ました。 しかし、自由回答結果でもあるように、何らかの報酬をもらってネット上に「クチコミ」 と称する情報を書き込むケースが目立つようになったことから、ネット上に書き込まれた情 報を純粋に一個人のつぶやきとしての中立的な意見ととらえることはできないという見方 をする消費者も少なくありません。情報発信の動機としては、家族・知人に対してもネット に対しても、「役に立つ情報は誰かと共有した方がいいから」という、いわば情報共有その ものを目的としている人が多いものの、販売側や企業の息のかかった情報がネット上には 多々存在するという認識が消費者に浸透したため、ネット上の情報に懐疑的になっている人 も多々存在しているようです。 ただ、現代の消費者はメディアや世論の意見をそのまま鵜呑みにするというよりは、若い 人を中心に「多方面から多くの情報を集めて、自分で総合的に判断する」としている人が多 いのが特徴です(宮木 2008)。このため、ネット上の情報は、単体で決定要因とはならな いものの、判断材料としては非常に価値を認められており、「多方面から多くの情報」とい う側面で大きく貢献していると考えられます。 (研究開発室 副主任研究員 宮木由貴子)

参照

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