吉川和良税理士事務所
注目トピックス
01|生産性向上設備投資促進税制の Q&A 公表
7 月1 日、経済産業省が生産性向上設備投資促進税制につ
いてのQ&A を公表しました。
特集
02|ふるさと納税で注意すべき点
生まれた故郷や応援した地方自治体に対して寄附を行う
「ふるさと納税」制度。各自治体から地元の特産品などを
受け取った場合に注意すべき点について解説します。
03|お中元をめぐる経理処理
アベノミクスによる景気回復を受けて、得意先に高価なお
中元を贈られた方もいるのではないでしょうか。得意先や
仕入先に贈るお中元をめぐる経理処理について解説しま
す。
付録
04|受動喫煙防止対策助成金について
話題のビジネス書をナナメ読み
05|仕事で数字を使うって、こういうことです。
(日本実業出版)
「数学科出身の主人公が転職先のア
パレル会社で出会ったのは、経験と
勘を頼りに仕事をしている営業部員
だった」物語調で進行する本著。ビ
ジネス数学の使い方講座で構成され、
実例も含めた解説で分かりやすく活
用しやすい内容です。
吉川和良税理士事務所
ニュースレター
2014 年 8 月号
YOSHIKAWA TAX JOURNAL
Aug. 2014
8
生産性向上設備投資
促進税制について
吉川和良税理士事務所
はじめに
7 月1 日、経済産業省が生産性向上設備投資促進税制につ
いてのQ&A を公表しました。Q&A は合計60 問にもおよ
びます。
ここでは、これまで多くの照会が寄せられていた生産性向
上設備投資促進税制について解説します。
制度の概要
生産性向上設備投資促進税制は、質の高い設備への投資に
よって、即時償却または最大5%の税額控除が適用出来る
税制措置です。
事業者の生産性向上を図り、我が国の経済の発展を図るた
めに、「先端設備(以下
「A 類型」と呼びます。)」や「生
産ラインやオペレーションの改善に資する設備(以下
「B
類型」と呼びます。)」を導入する際の税制措置として平成
26 年度税制改正において新設されました。
A 類型、B 類型それぞれに一定の価額以上の固定資産であ
ることなどの要件が付されており、所定の要件を満たした
場合、取得した固定資産について特別償却または税額控除
を選択適用することができます。
平成28年3月31日までに取得した固定資産については、
即時償却(100%)と税額控除(原則5%。ただし、建物・
構築物は3%)を選択することができるため、設備投資を
考えている事業者にとっては非常に注目度の高い制度と
なっています。
Q&A の内容
A 類型・B 類型共通のQ&A には、特別償却や税額控除の
対象となる取得価額に関する内容が掲載されており、取得
価額は①固定資産の購入対価、②外部付随費用(引取運賃、
購入手数料等)、③事業供用のために直接要した費用(据
付費、試運転費等)のうち、減価償却資産として計上され
るものの合計額である旨が掲載されています。
また、その他にも以下の記載があります。
既に有する資産の修理や改良等のために行った支出
に該当する部分については建物を除いて対象となら
ない
中古の固定資産を取得したとしても対象とならない
取得価額の判定に際し、消費税を含むかどうかは各事
業者の経理方法による
同一企業において設備単位で特別償却と税額控除の
使い分けをすることは可能である
A 類型・B 類型共通のQ&A が24 問、A 類型が12 問、B
類型が17 問、また中小企業に対してのみ認められている
上乗せ措置についても7 問が掲載されており、生産性向上
設備投資促進税制の概要資料やパンフレットと同様に経
済産業省のホームページにおいてご覧いただけます。
<参考URL:Q&A>
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryok
u_kyouka/seisanseikojo/q_and_a.pdf
生産性向上設備投資促進税制についてのご相談は、当事務
所までお気軽にお問合せください。
生産性向上設備投資
促進税制の Q&A 公表
7 月1 日、経済産業省が生産性向上設備投資促
進税制についてのQ&A を公表しました。Q&A
は合計60 問にもおよびます。その中で多くの
照会が寄せられた件について解説します。
吉川和良税理士事務所
はじめに
自分の生まれた故郷や応援したい地方自治体に対して寄
附を行う「ふるさと納税」制度に注目が集まっています。
「ふるさと納税」により、各自治体から地元の特産品など
を受け取った場合に注意すべき点について解説します。
制度の概要
「ふるさと納税」制度は、自分の生まれ故郷や応援してい
る地方自治体に対して一定の寄附を行うことで、所得税や
住民税の寄附金控除を受けることができる制度です。
節税メリットがある上に、その寄附金額に応じて地方自治
体から謝礼として地元の特産品などを受け取ることがで
きることもあり、最近とても注目されています。受け取れ
る特産品には、米、肉、野菜、フルーツなど各地方自治体
ならではの特色がみられます。
ふなっしーで話題の千葉県船橋市では、本年度ふるさと納
税寄附者に対して贈っているオリジナルデザインの「ふな
っしークリアファイル」が好評で、これまでの年間最高寄
附額をはるかに上回る寄附がたった 1 か月で集まったよ
うです。
特産品を受け取った場合の注意点
上記の通り、「ふるさと納税」制度を利用した場合、地方
自治体から特産品を受け取ることが一般的です。しかし、
税務上、「ふるさと納税」制度を利用して寄附金をした者
が特産品を受け取った場合には、その経済的利益が
一時所
得として所得税の課税対象となります。
一時所得は、総収入金額から「その収入を得るために支出
した金額」を控除し、さらに50 万円の特別控除額を控除
した金額が課税対象となります。
※一時所得の金額=総収入金額-支出した金額-50 万円の特別控除額
地方自治体に支払った寄附金は、そもそも特産品を受ける
ために支出したものではないため、一時所得の計算上控除
する「その収入を得るために支出した金額」には該当しま
せん。したがって、支出した金額は0 円となります。
ふるさと納税の場合、地方自治体から受けた特産品に係る
経済的利益の額は総収入金額に含まれる一方で、支出した
寄附金は「その収入を得るために支出した金額」には該当
しない点に注意が必要です。
もちろん一時所得の金額の計算にあたっては50万円の特
別控除額が存在するため、ふるさと納税による特産品から
得る経済的利益だけで所得税が課税されることはまずな
いと考えられます。
しかし、ふるさと納税による経済的利益を得た年と同一年
に生命保険契約に基づく一時金や競馬での払戻金など他
の一時所得がある場合には、あわせて課税されてしまうこ
とになります。
<参考:制度の概要>
http://www.soumu.go.jp/main_content/000254924.pdf
ふるさと納税で
注意すべき点
「ふるさと納税」制度に注目が集まっていま
す。「ふるさと納税」により、各自治体から地
元の特産品などを受け取った場合に注意すべ
き点について解説します。
吉川和良税理士事務所
はじめに
アベノミクスによる景気回復を受けて、得意先に高価なお
中元を贈られた方もいるのではないでしょうか。
得意先や仕入先に贈るお中元をめぐる経理処理について
解説します。
食料品の贈答と飲食費
得意先へのお中元といえば食料品が一般的だと思われま
すが、ここで問題となるのが、食料品のお中元が接待飲食
費に該当するかどうかです。
平成18 年度税制改正により、得意先や取引先との飲食等
の代金で、1 人 5,000 円以下のものについては飲食に参
加した者の名前等一定の事項を記載した書類を保存する
ことで、全額損金に算入することができるようになりまし
た。
また、平成26 年度税制改正において、交際費等の額のう
ち、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入が認められ
ることとなりました。
※ただし、中小企業は年間 800 万円までを全額損金算入する制
度との選択適用となります
したがって、食料品のお中元も接待飲食費にしたいと考え
るところではあります。ただし、お中元名義で食料品を得
意先や仕入先その他事業に関係ある者に対して贈ったと
しても、残念ながら飲食費
には含まれません。
5,000 円基準の飲食費も
50%損金算入の対象とな
る接待飲食費も「飲食その
他これに類する行為のため
に要する費用(社内接待費
を除く)」と規定されているからです。
飲食その他これに類する行為の範囲については、「得意先、
仕入先等の業務の遂行や行事の開催に際して、得意先、仕
入先等の従業員等によって飲食されることが想定される
弁当等の差し入れが含まれることに留意する」と規定され
ています。
これは差し入れ後、比較的短時間で飲食ができ、飲食を行
う者がある程度特定できる飲食物等に対しては飲食費と
して取り扱うことが認められているということです。
結論
業務の遂行や行事の開催に際して差し入れられる弁当等
が飲食費に該当する一方で、「例えば中元・歳暮の贈答の
ように、単なる飲食物の詰め合わせ等を贈答する行為は、
飲食等には含まれない。」と租税特別措置法通達 61 の 4
(1)-15 の2 に規定されており、食料品のお中元は贈答
にほかならず、飲食費には含まれないこととなります。
社会通念上、贈答品と考えられるような食料品を得意先へ
提供した場合、飲食費には含まれないものと考えた方がよ
いでしょう。
交際費課税の取り扱いについては、当事務所までお問い合
わせください。
お中元をめぐる
経理処理
アベノミクスによる景気回復を受けて、得意先
に高価なお中元を贈られた方もいるのではな
いでしょうか。得意先や仕入先に贈るお中元を
めぐる経理処理について解説します。
吉川和良税理士事務所
はじめに
この助成金は、労働安全衛生法に基づく快適職場形成の一
環として、受動喫煙防止対策を講じる事業主に対してその
改修など費用の一部を助成するものです。
今までは空間的に分離された喫煙室の設置などが主な助
成対象でしたが、この度飲食店などの分煙・換気措置につ
いても助成対象とすることになりました。
要件について
主な要件は以下すべてに該当する場合です。
労働災害補償保険法の適用事業主であること
以下のいずれかに該当する中小企業主であること
小売 サービス 卸売 その他
資本金 5,000 万円
以下
5,000 万円
以下 1 億円以下 3 億円以下
常時労
働者数 50 人以下 100 人以下 100 人以下 300 人以下
一定基準(喫煙室の入口において、喫煙室内に向かう
風速が0.2m/s 以上)を満たす喫煙室を設置等する
こと。または、喫煙可能な飲食店などのサービス業に
おいて、禁煙スペースに煙が流れないように新たに換
気装置などを設置すること
原則として事業所内は喫煙室以外を禁煙とすること
助成額
喫煙室の設置、換気装置の設置などにかかる経費のうち、
工費、設備費、備品費、機械装置費 などの経費の2 分の
1 の額。(上限200 万円)
※支給は1 事業所につき1 回までに限ります。
手続きの流れ
この助成金の申請の流れは以下の通りです。
1. 工事の着工前に「助成金交付申請書」を労働局に提出
し、あらかじめ交付決定を受ける。
2. 喫煙室設置の工事を行い、工事後に「事業実績報告書」
を労働局に提出。
3. 労働局から「交付額確定通知書」が届き、助成金が口
座に振り込まれる。
4. 喫煙室の運用状況について、「実施状況報告書」で報
告を行う。
その他:受動喫煙防止対策の支援
職場の受動喫煙防止対策に取り組む事業者に対する支援
が、厚生労働省で行われています。
無料で利用することが出来ますので活用をご検討下さい。
相
談
支
援
喫煙室の設置について、専門家による電話相談が
受けられます。
また、受動喫煙防止対策に関する説明会を全国で
実施しています。
測
定
支
援
職場環境の実態把握などを行う際の支援として、
デジタル粉じん計、風速計の無料貸出しを行いま
す。 また、 専門家が事業場に行って、測定や測
定方法を説明します。
この助成金に関するご相談はお気軽に当事務所までお寄
せください。
受動喫煙防止対策
助成金について
受動喫煙防止対策助成金において平成26年7
月 1 日より、宿泊業・飲食業の換気措置につ
いても助成対象とすることになりました。
吉川和良税理士事務所
はじめに
「数学科出身の主人公が転職先のアパレル会社で出会っ
たのは、経験と勘を頼りに仕事をしている営業部員だっ
た」物語調で進行する本著。
ビジネス数学の使い方講座で構成され、実例も含めた解説
で分かりやすく活用しやすい内容です。
ビッグデータは有効なのか?
昨今叫ばれているビッグデータの有用性。解析ツールや分
析するスペシャリストが注目されています。特にツールに
おいては、大規模なデータを解析しても最後に仕事をする
のは生身の人間で、ツールが最後までやってくれるわけで
はありません。
この書籍の主人公はこのメッセージを次のように喩えて
います。
「イチロー選手が使っているバットをバッティングセン
ターで空振りばかりしている素人に与えても打てるよ
うにはならない」
つまり、ビッグデータの時代が来たからこそ、その分析ツ
ールを正しく使うことができる人材を育てなければなら
ないということです。
平均値だけで分析しても無意味
一般的な仕事をする上で、売上は次のように表すことがで
きます。
売上 = 客数 × 平均購入金額(客単価)
本著では、アパレル業界が舞台となり物語は進みます。そ
の中で行われる営業会議において、「表参道店」と「新宿
店」が議題に上がります。
【2 店舗の平均購入単価】
・表参道店:15,000 円
・新宿店:10,000 円
新宿店の売上を上げ、表参道
店の水準に近づけるべく
「15,000 円以上の購入でノ
ベルティキャンペーン」を企
画しますが、主人公はそれを否定します。
なぜなら、これだけでは何も
分からないからです。
上のデータで、よく起こる勘違いは「表参道店では15,000
円前後の物がよく売れている」というものです。
しかし、例えば「5,000 円の商品」と「25,000 円の商品」
ばかりが売れていた場合、平均は
15,000 円になります。
このように、単一の指標だけを見ても真実は分からないと
いうことを本著では何度も読者へ呼びかけています。
数字のチカラが仕事を変える
本著では「昨年対比の数字で体感的に業績を判断してよい
のか」または「エクセルのグラフをそのままプレゼン資料
に使ってよいか」など、実際のビジネスシーンでありがち
な問題を物語を追いながら学ぶことができる良著です。
締めくくりの最終章は、成長した登場人物たちによる感動
的な構成になっており、読者が実践しようとする気持ちを
後押ししてくれるでしょう。
「75%のコストカット」「人件費を増やさず売上を上げる」
「数字で人事異動を決める」など、数学という学術的な手
法で片付けると思いきや、きちんとそこには「人の心」が
入っており、全てのポジションの人に気付きを与えてくれ
ることでしょう。
仕事で数字を使うって、
こういうことです。
深沢 真太郎 著
単行本:253 ページ
出 版:日本実業出版社
価 格:1,400 円(税抜)