引き抜き抵抗杭
地震時や地下水位が高い場合など
に、建物の荷重バランスが崩れて転
倒あるいは浮上がらないように、杭
に引抜きに対する抵抗力を持たせる。
これまでは、地盤アンカーを多数打
設したり、建物下部のスラブを厚くし
て建物を安定化させるなどして引抜
き抵抗力を持たせていた。地震時に
はスレンダーな建物や、上部が重い
安定性の低い建物ほど引抜き力は
大きくなる。
杭の施工法による分類
z
既成杭
{ 打撃工法
z ディーゼルハンマー
z 油圧ハンマー
{ 埋込み工法
z プレボーリング工法
z 中堀り工法
z 回転根固め工法
z
場所打ち杭
{ 機械掘削
z オールケーシング工法
z アースドリル工法
z リバースサーキュレーション工法
z 地中壁杭工法
{ 人工掘削
z 深礎工法
ディーゼルハンマの作動機構
z ディーゼルハンマーは,
ディーゼルエンジンのピス
トン(ラム)をシリンダー内
で自由落下させます。
z シリンダー内のディーゼル
油の混合空気は圧縮され
着火し爆発します。
z 爆発力はラムを上方に跳
ね返すのと同時に杭頭を
下方に打ち込む力となり
ます。
z ラムは再度,自由落下し,
爆発を繰り返すことにより,
杭を打ち込んで行きます。
プレボーリング工法
z プレボーリング工法は,アース
オーがーで地盤に孔を掘削し,
掘削孔に既成杭を挿入する工法
で,杭先端の支持力を得るため
に打撃や圧入によって支持層へ
の定着を行います。
z 支持層に定着させるため打撃を
行う工法をプレボーリング最終打
撃工法と呼びます。
z 支持層に圧入する工法は,掘削
部に根固め用のセメントミルクを
注入したのち杭を圧入するもの
をプレボーリング根固め工法と呼
び,杭先端部の杭口径を拡大掘
削し,セメントミルクを注入する工
法をプレボーリング拡大根固め
工法と呼びます。
中堀り工法
z 中堀り工法は,既成杭の中空部
にスパイラルオーガーを挿入し,
このオーガーによって,杭先端地
盤を掘削し,また杭の中空部を
利用して,掘削土を排出させ,自
重および圧入装置により,杭を
所定の深さまで埋設される工法
です。
z 杭先端部の支持力を得る方法と
しては,プレボーリング工法と同
じであり,杭先端の施工法によっ
て,中堀り打撃工法,中堀り根固
め工法,中堀り拡大根固め工法
があります。
場所打ち杭工法
z
場所打ち杭工法は,地盤を機械または人力で掘削
した後,コンクリートを打設して構築する杭です。
z
場所打ち杭は,騒音,振動が比較的小さく,大口径
の杭が施工できること,支持層の確認や杭長さの変
更が容易です。
z
場所打ち杭の施工では,泥水,泥土の処理が必要
であり,スライム除去や掘削孔内泥水管理が難しい。
スライム:場所打ち杭の掘削段階で,水や安定液を使用する工
法において孔底に緩く体積する土の堀屑。
オールケーシング工法(ベノト工法)
z 鋼製のケーシングチューブを動
揺圧入し,これにより掘削孔壁の
崩壊を防止しながら,ハンマーク
ラブによりケーシング内の土砂を
掘削し,支持層に達したら孔内に
鉄筋を挿入し,コンクリートを打
設して杭を構築します。
z ケーシング内の掘削では,ヒービ
ングやボイリングを防止するため,
孔内に注水し水位を一定に保持
します。
z 泥水は用いないのでスライムの
除去は容易です。
ヒービング ボイリング
土砂の持ち上がり
土砂の沸きだし
アースドリル工法
z アースドリル工法は,地表部の
みに鋼製のケーシングを用い,
ロッド先端に掘削ドリルと土砂搬
出のバケットを兼ねたドリリング
バケットがついており,ロッドを回
転させ掘削します。
z 孔壁の崩壊防止はベントナイトを
主とする安定液を用います。
z 支持地盤に達したら孔内に鉄筋
を挿入し,コンクリートを打設して
杭を構築します。
z 孔壁保護に泥水を用いているの
で,スライムの除去はベノト工法
に比較して大変です。
z 杭先端部を拡大して先端支持力
を増す,各種の拡底杭工法が開
発されています。
リバースサーキュレーション工法
z 地表部分にケーシングを兼ねたスタ
ンドパイプを設置し,ビットを回転さ
せて地盤を掘削します。
z 掘削土の地上への排出はロッド管を
用いて水とともに泥水として吸い出
す工法です。
z 一般のボーリングではロッドを通して
水を送り,先端ビットから水を噴出し
て土砂を地上まで排出しており,こ
の水の循環を正循環と呼びます。リ
バースサーキュレーション工法では,
泥水を掘削先端部から吸いだし,水
を逆循環させるので,この工法名が
付いています。
z 循環水で土砂を排出するので,多量
の泥水が発生するため,大規模の
沈殿槽が必要になります。