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2019 年 8 月配信
【第 92 号】
名銀「アジアビジネスクラブ」
アジアクラブ通信
― CONTENTS (第 92 号) ―
○ トピックス
「インドネシアの伝統市場(パサール)について」
○ 次号のトピックス予告
次回は、中国・南通からの現地情報をご紹介する予定です
2 世界の主要な新興国のなかでインドネシア経済の堅調さは際立っています。2014 年以降の経済成長率 は 5%前後とやや鈍化しているものの、主要新興国の中で、2000 年以降経済成長率が一度もマイナスに なっていないのはインドネシアだけです。 インドネシアの経済成長は内需主導型であり、特に個人消費が堅調で安定感があります。個人消費は、 人口増加や最低賃金の大幅上昇などを追い風に年々拡大しており、これが経済成長のエンジンとなって います。 今般は、インドネシアの物価、庶民の日常風景について触れられる、伝統市場(パサール)を訪れて 参りました。 <パサール(Pasar)とは> 東南アジアや中国などで、野菜などの生鮮食品から生活で必要な日用品まで幅広く取り扱っている伝 統市場の事です。その国独特の匂いが有り、地元の人同士が売り買いする場所でもある為、その国の特 産品・物価を知ることができます。 ジャカルタ特別州のパサールは、州営企業(企業名:パサール・ジャヤ)によって管理・運営されて おり、州内に 153 カ所も存在しています。インドネシア庶民の台所と言われるパサールですが、近年拡 大している中間層・富裕層などのある程度収入のある人は、場内の衛生面・臭いから敬遠する傾向にあ り、現在は低所得者層向けとなってきているようです。 <ジャカルタのパサール『Pasar Santa』へ実際に足を運んでみた> 【建物外観】 【建物地下への入り口】 若者が集まるジャカルタのセノパティエリアにある「パサールサンタ」。2 階建て大型倉庫のような外 観で、1階は携帯電話等の電化製品、洋服を扱うフロア、2階は飲食フロアとなっており、地下フロア に、青果・生鮮食品・生活雑貨を扱う店舗があります。
3 地下フロア内は、2m四方に区切られた 70 を超える店舗が混在しています。シャッターが締められた 空き店舗が目立ち、営業している店は半数程でしたが、人の往来が多く賑やかな雰囲気でした。 パサールでは個人が各々商品を並べて販売しています。商品のほとんどに値段表示はなく、購入は量 り売りが基本です。金額や分量を伝えると取り分けてくれます。日本人の感覚からするとかなり安い価 格で商品が売られています。 衛生面は、お世辞にも整っているとはいえず、場内の食料品にはハエが群がり、足元はネズミが走っ ており、あまり良い環境ではありませんでした。 【野菜売り場】 【卵売り場】 【米売り場】 卵 (Rp/kg):鶏卵21,500Rp/1kg( ≒ 159円 ) 米 (Rp/kg):品種不明 12,000Rp~16,000Rp/1kg( ≒ 88~ 118円 ) 大根10,000Rp/1kg( ≒ 74円 ) 人参14,000Rp/1kg( ≒ 103円 ) ジャガイモ14,000Rp/1kg( ≒ 103円 ) 野菜 (Rp/kg): 野菜は、筆者が日頃頻繁に利用しているスーパーマーケットの商品よりも、色も形も整っており新鮮 な印象を受けました。 お米は、タイ米に近い品種のモノです。炊き上りが古米のような匂いがする為、私は苦手です。 【鶏肉売り場】 【牛肉売り場】 【魚売り場】 鶏肉 1羽(1.3kg): 35,000Rp( ≒ 2 5 9 円 ) 牛肉 100g: 18,000Rp( ≒ 1 3 3 円 ) 海老 100g: 7,000Rp( ≒ 5 1 円 ) 肉、魚等の生鮮食品は、その場で捌いて販売しています。必要な量をグラム単位で切り分けてくれる ようです。日本では見慣れない生々しい光景に戸惑いました。 インドネシアでは鶏肉が最も好んで食され、かなり安く販売されています。牛肉は高めで、豚は宗教 上(イスラム教)不浄なるものとして扱われており、訪れたパサールでは販売していませんでしたが、 他のパサールでは華僑系インドネシア人向けに販売している店もあるようです。
4 【コーヒー売り場】 【煎餅売り場】 【生活雑貨売り場】 コーヒー豆 100g: 10,000Rp~20,000Rp( ≒ 7 4 円 ~ 1 4 8 円 ) 煎餅 100g: 2,000Rp~3,000Rp( ≒ 1 4 円 ~ 2 2 円 ) ティッシュ1箱20,000Rp( ≒ 1 4 8 円 ) キッチンペーパー3ロール25,000Rp( ≒ 1 8 5 円 ) 生活雑貨 : コーヒーは、世界第 4 位の生産量を誇るインドネシアの特産品であり、種類も豊富で店頭には 30 種類 以上の商品が並んでいます。このコーヒー店は日本人客も多く訪れているそうです。 煎餅は日本の茶菓子の扱いではなく、インドネシアでは料理の付け合わせに利用される食事に欠かせ ない一品です。海老等の海産物で作られた煎餅でほとんどの料理に付いてきます。 生活雑貨であるティッシュ等の紙類は、日本よりも高い印象です。インドネシアでは、紙は高価で貴 重なものであり大事に使用されています。 <インドネシアの飲食小売業態について> 業態 面積 顧客層 主要プレイヤー 400㎡未満 低所得~ 富裕層 トラディショナル トレード ハイパーマーケット スーパーマーケット ミニマーケット (コンビニエンスストア) 5,000㎡以上 中間~ 富裕層 400~ 5,000㎡未満 中間~ 富裕層 FOOD HALL RANCH MARKET 特徴 低所得 (~富裕層) Indomaret Alfamart FamilyMart ・インドネシアの食生活に根付いている ・輸入品の取扱いは稀 ・主に出店先はショッピングモール内と、郊外の 独立店舗 ・買いたいものが一度で揃い、休日は家族連れで にぎわう ・輸入食品も多く取り扱われている ・ショッピングモール内への出店が多い ・輸入食品を多く取扱い、高品質な生鮮食品(大 半が輸入品)を販売 ・食品以外も様々な商品を取扱う ・都市部から郊外へ急速に展開 ・取扱い商品も幅広く、日常の食事に欠かせない 主食、総菜、ベーカリー、加工食品、一部冷凍食 品や生鮮品などを取扱う 個人商店 屋台・路面店 移動式屋台 TRANS mart LOTTE Mart AEON 【図:インドネシアの飲食小売業態について】 インドネシアの飲食小売業態は主に上記の 4 つに分かれています。パサールはトラディショナルトレ ードに位置付けられます。最低賃金の上昇により、中間所得者層が増加し、近年のジャカルタには、多 くのハイパーマーケット、スーパーマーケットが作られ、トラディショナルトレード(パサール)は低 所得者層向けになりつつあります。
5 <最後に> 多くの外国人が滞在しているジャカルタでは、「外国人及び中高所得者向けの物価」と「庶民(低所得 者)向けの物価」の「2 つの物価」が存在しています。 筆者もジャカルタで生活する上で、物価の高さに大変困っています。基本的に日本人は、「安心・安全」 を考慮し、日本の 1.5~2 倍程度の値段で日系スーパーや高級スーパーで食材を調達しています。 今般、パサールを訪れインドネシア庶民の日常風景に触れ、「本当のインドネシアの物価」を知ること が出来ました。パサールは外国人客は少なく、1 人で行くのはハードルが高いかもしれませんが、インド ネシアにお越しの際は、ローカルの雰囲気を楽しめるパサールへ足を運んでみてはいかがでしょうか。 名古屋銀行 法人営業部 インドネシア駐在 水野 大樹 【参考】 ・為替レート:100 ルピア≒0.74 円(2019 年 8 月 15 日)小数点以下切り捨て ・「JETRO 調査レポート ジャカルタスタイル 食」(ジェトロ) https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/4841b3060c70781d/4_foo.pdf
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