○学校法人あけぼの学院認定こども園武庫愛の園幼稚園○
【モデル園はこんなところ】
尼崎市の住宅街に立地。周囲にはマンションや住宅が建 ち並ぶ。尼崎市域は平坦な地形に人口が密集しており、 園周辺に緑豊かな山や水と触れ合える川はないが、園内 にある畑での活動、武庫川・甲山等での園外保育、身近 な場所での自然探しなどにより自然と触れ合う機会づく りに取り組んでいる。★ふるさと環境体験学習★
★保育におけるエコ活動★
雑草園プロジェクト&武庫川のヨモギでお団子クッキング 〈主なねらい〉身近な自然を知ることで、“ふるさと”としての地域に親しみをもつ。 〈主な活動〉 地域に生えている雑草を集めて雑草園をつくったり、ヨモギを摘んでヨモギ団 子を作る。 ・保護者と地域を散策して、園に植えたい雑草を集める。 ・集まった雑草を順次、園庭に植えていき、雑草の名札を立てる。 ・雑草園の雑草を自由に使い良い、草花遊びや虫探しをする。 ・「ばばばあちゃんのヨモギだんご」の絵本を見て、図鑑を手にヨモギを摘みに行く。 ・摘んできたヨモギでヨモギ団子を作る。 〈活動を通して〉 ・自然物に直接ふれながら、雑草を探して雑草園を造り、植物の生態や生え方を見ること で、自然物に対しより興味や関心が深まった。 ・尼崎という住宅密集地でも身近な草花はたくさんあるが、それを使って遊びが展開でき ることや、身近な自然物が自分たちの遊びや生活を豊かにしてくれることに気づき、その 自然の保全に対する意識が芽生えた。 めざせ!もったいないチャンピオン!! 〈主なねらい〉水や電気を節約する方法を自分たちで考え、節約を通じて大切にしようという 思いをもつ。 〈主な活動〉 エコについての紙芝居を見て、もったないチャンピオンの表示を作り、電気の つけっぱなしや水のだしっぱなしを見つけたらシールを貼る。 ・エコについての紙芝居を見て、地球のためにできることを話し合う。 ・“もったいないチャンピオン”の表示を作り、電気のつけっぱなしや水のだしっぱな しを見つけた時に、シールを貼る。 ・降園前に振り返り、今日一日水や電気について気付いたことを話し合う。 ・「もったいない」を見つけた時はみんなで話したり、表がシールで埋まった時はみん なで喜び合ったりして、これからもできることを話し合う。 〈活動を通して〉 ・表があることで、目標をもつことができ、日々水や電気の無駄使いを意識するようにな ったり、気づいたときに行動に移すようになった。 ・子ども同士で教え合う意識が家庭に持ち込まれ、家でも水の出しっぱなしや電気のつけ っぱなしに気づいて行動するようになったり、水や電気を使わない方法を考えるように なった。植木は移植し、 土を耕す。 Before 種類やテーマ別 に雑草を植える
ふるさと環境体験学習実践報告 その1
(テーマ: “ふるさと尼崎”を再発見しよう! ) 認定こども園 武庫愛の園幼稚園 1 活動タイトル 「 雑草園プロジェクト 」 2 ね ら い ・雑草園プロジェクトの取り組み内容を理解し、関心をもつ。 ・身近な自然を知ることにより、ふるさととしての地域に親しみをもつ。 ・身近な環境を自らの生活や遊びに取り入れる。 3 実施場所 武庫愛の園幼稚園園庭(裏庭)及び地域 (写真は雑草園をつくる前の状態。) 4 活動概要 対象年齢:3~5歳児 実施時期:1学期~現在に至る 活動内容: ① 保護者に「雑草園プロジェクト」の取り組みを知らせ、協力を依頼する。(資料1参照) ② 裏庭の植木等を移植し、栽培場所を確保する。 ③ 放課後や休日、夏休みなどに、保護者とこどもで地域を散策し、園に植えたい雑草を探したり、採 取したりする。 ④ ③で集まった雑草を植え、名札を立てる。 ⑤ こどもが自ら関わりたくなるような環境を工夫する。(ここにある雑草は自由に遊びに使ってよい ことを伝える) ⑥ 保育者自身も草花でどんな遊びができるか教材研究をしたり、こどもたちに伝えたりすることで、 遊びを展開させていく。 5 保護者および園児の様子や変容 ・ 別紙の通り「雑草園プロジェクト」のお知らせをすると、大きな反響があった。これまで園からいろ いろなボランティアやお誘いを呼び掛けても保護者の関心は薄かったが、今回は配布直後より問い合 わせや申し出が続いた。 ・ ふるさと環境体験学習の一環として“ふるさと尼崎”を再発見しようと銘打ち、こどもたちと保護者 が共に地域を知ることの契機とした。それによりプリントに書いてある雑草を求めて、「おしろい花が 線路のところにあった。」「カラスノエンドウが中学校の横にあっ た。」と報告してくれる姿があった。 ・ 大人にとっては、自分の幼い頃のノスタルジーと重ね合わせ、雑草を使ってままごとをしたり、草花 あそびをしたりした経験を我が子にもさせてあげたいという思いが、この活動へ取り組む原動力にな っていたのではないかと感じる。 ・ こどもたちにとっては、雑草の種類や数が増え、雑草園が出来上がっていく過程よりも、自分たちで お目当ての雑草が生えている場所を発見していく、いわば“宝探し”のような経験そのものが楽しかったように感じる。探し当てたときには、まるで鉱脈を掘り当てたかのよ うに喜び、興奮と感動で紅潮した表情で園に持ち込んでいた姿が印象的で あった。 ・ 保護者も大変協力的で、自宅や祖父母宅からも七草を株分けして下さった り、れんげの種もたくさん持って来られ、レンゲ畑を造る等の新しいアイ デアへと拡げられた。 ・ 雑草園ができてくると、夏の太陽の力で生い茂り、虫の棲み処となっていった。 そこで草花遊びだけでなく虫探しなどの活動への展開も見られた。 6 環境学習としての保育のポイント ・ ふだん何気なく通っている道や地域にもさまざまな自然があり、身近な自然物が自分たちの遊びや生 活を豊かにしてくれることに気付かせることで、尼崎をふるさととして感じ、その保全に対する意識 づけの芽生えとする。 ・ ひとくくりにするとたかが雑草だが、秋の七草であったり、ジュズダマやオシロイバナ、トクサやネ コジャラシ、レンゲなど先人たちが遊びに利用してきた文化や風情を感じる機会とする。 ・ 雑草というキーワードを元に地域を歩き、地域を知り、地域に親しみをもつことの一つの方策として 有効であったのではと感じる。 7 成果・課題 ・ まだ道半ばで、雑草園でこどもたちが遊び込むまでには至っていないので、引き続いて屋外用のまま ごと道具などごっこ遊びが展開できるような環境を整えていきたい。 ・ 草花を自由に使ってよいと言っても、遊び方がわからず千切るだけの姿もあった。保育者がモデルと なり、遊び方を示さないと難しい側面も多く感じられた。 ・ これまではお月見会の行事の時に秋の七草のイラストや写真をパネルにしてこどもたちに見せていた。 また、花瓶に生ける七草も全ての種類が揃っていたわけではなかったが、今回雑草園を造ったことに より七草がどのように生えているのか、実際に見たり触れたりすることができ、より興味・関心が深 まったと感じる。
ふるさと環境体験学習実践報告 その2
(テーマ: “ふるさと尼崎”を再発見しよう! ) 1 活動タイトル 「 武庫川のヨモギでお団子クッキング 」 2 ね ら い ・ 園の近くの武庫川にはヨモギが生育していることを知り、ヨモギを摘み取る経験を通して地域に親し みをもつ。 ・ 摘み取ってきたヨモギを使って、よもぎ団子を自分たちで作る楽しさを味わう。 ・ 他にもヨモギの生えている場所がないか関心をもって地域を知る手掛かりとする。 After3 実施場所 ヨモギ摘み・・・武庫川河川敷 よもぎ団子クッキング・・・武庫愛の園幼稚園 保育室 4 活動概要 対象年齢:4・5歳児 実施時期: 平成26(2014)年5月7日~5月8日 活動内容: ① 絵本『ばばばあちゃんのヨモギだんご』を見る。 ② 武庫川に園外保育に行き、ヨモギを探して摘む。 ③ 摘んできたヨモギを洗い、陰干しする ④ 翌日、ヨモギ団子を作る(レシピ参照) 【ヨモギ団子レシピ】 ① ヨモギを熱湯にかけて茹でる ② 茹であがったヨモギをすり鉢・すりこ木ですり潰す ③ ボールに入れた白玉粉orだんご粉に、ぬるま湯を適量 足していく ④ 耳たぶくらいの柔らかさになったらOK! ⑤ ④にすりつぶしたヨモギを入れて、全体がヨモギ色になるまでこねる ⑥ ビー玉位の大きさに丸めて、熱湯にかける ⑦ 浮いてきたヨモギをザルにあげて、きな粉をまぶしたら出来上がり!! 5 園児の様子や気づき この取り組みは数年前から実施しているが、クッキングという一つの取り組みでしかなかった。 本年度は「ふるさと環境体験学習」の一環として、それをふまえた活動を意識して取り組んだ。
【数年前までの取り組み】
本園の年長組が4月のねらい(目標)として大切にしている事は、積極的に異年齢児(新入園児)と関わっ て“人の役に立つ”という経験から年長組としての自覚をもつという事である。 そこで、同じバスコースのクラス・徒歩通園のクラスを仲良しクラスとして、意図的に異年齢と交われる保育 を工夫している。その一つがクッキングである。 年長児は園内の『にこにこはたけ』で様々な野菜を栽培・収穫している。その野菜を給食に使ったり、クラ スでクッキング等に活用したりしている。クッキングの際には仲良しクラスを利用し、お世話する事を通して 更に年長組としての自覚を高められるようにしてきた。5月にはヨモギ団子作りを取り入れていたが、園内の行事等の都合もあって園児が 直接ヨモギを摘みに行く事が難しく、保育者が摘んできたヨモギを使ってクッキン グを行っていた。 ねらいの達成という観点から見れば、園児の様子や姿から効果的であったことは 感じていたが、どこか恒例の行事のような感覚で保育の発展が見られなかった。そ こで今回は環境教育としての観点を視野に入れ、園内でも大切にしている直接体験 を大切にして取り組む事にした。
【ふるさと環境体験学習をふまえた今年の取り組み】
導入として絵本『ばばばあちゃんのよもぎだんご』を読み、ヨモギの存在を知る。 (実際にヨモギを見せる)他にも生えている所があるか?と更に興味が広がるように 話を仕掛けると、「○○公園にあった!」道路の横(脇)に生えてた!」など情報がた くさん集まり武庫川公園へ。そこで、更に自然環境に興味が持てるよう、保育者がミ ニ図鑑(春の草花について)を作成した(次ページ写真参照)。導入から時間を掛けて取り組んできた事もあ り、当日は園児の気持ちも高まっており武庫川公園に着くまでの道中にもヨモギを見つけて喜ぶ姿も見られた。 武庫川公園ではミニ図鑑を頼りに「これで合ってるかな?」と友だちと確認しながら探す事を楽しんで、実 際にヨモギを目で見て、手で触れ、匂いを嗅ぎ、五感を通して興味・関心を高める事が出来た。 その後も、シロツメクサの指輪・冠を作ったり、まだ発見できていない草花を探したり、図鑑に載っていな いモノも探して楽しんだ。 翌日、各クラスで仲良しクラスの年中組(4歳児)と一緒に合同クッキングを行った。例年に比べて明らか に違っていた点は、自分の手で摘んできたヨモギという事もあって、どこか誇らしげに活動を進める姿が見ら れたことである。 クッキング終了後も「また作りたい」という声もあがり、実際に家庭でも取り組まれた話を聞いて嬉しく思っ た。 また後日、甲山登山に遠足に行ったが、今回の経験を活かして甲山の頂上で草花遊びを楽しむ姿も見られた。 6 環境学習としての保育のポイント ・現代の豊かさの中で生きる子ども達は完成形のモノを見る事はあっても、手間暇をかけてモノが出来上がっ ていくという過程を知らない事が多い。 ・昔は現代のような豊かさはなく、貧しさの中でいかに工夫して生活するかという人間の知恵が散りばめられ、 それが引き継がれてきた。 ・尼崎という住宅密集地にも身近な草花はたくさんあるが、それを使って遊びが展開できることを知らない人 (保育者・子ども)が多い。 ・現代の当たり前を保育者自身(大人)が「なぜ?」「どうして?」という疑問を子どもに投げかけていく事 で 身近な事・モノに興味関心をもつ。 7 成果と課題 ・満足感が得られやすい“クッキング”という形でヨモギだんご作りに取り組む事で、身近な植物に対して興 味関心を高めるきっかけになったと感じる。 ・武庫川に散歩に来ていた地域の方々から「何をしているの?」と声を掛けてもらう事もあり、交流のきっか けにもなると感じた。 ・今後は春だけでなく一年間を通して武庫川に出掛けて、季節の移り変わりだけでなく景色(草花)の変化にも気づきを深め、更に興味関心をもてるようにしていきたい。 ・園で取り組んだ事をクラスだよりやブログ等で保護者にも伝えていく事で、園と家庭との連携を強めお互い に情報を共有し合えるような関係を作っていきたい。
保育におけるエコ活動実践報告
(テーマ: 水や電気を大切にしよう!! ) 1 活動タイトル 「めざせ!もったいないチャンピオン!! 」 2 ね ら い ・水や電気を節約する方法を自分達で考えて取り組む。 ・節約を通じて、大切にしようという思いを持つ。 3 実施場所 武庫愛の園幼稚園 保育室 4 活動概要 対象年齢:5歳児 実施時期:12月~現在 活動内容: ① こども達にエコ活動の紙芝居を読む。 ② 自分達なりに地球の為にできることを話し合う。 ③ 水や電気の話から、もったいないチャンピオンの表示(資料3参照)を作り、自分で電気のつけっ ぱなし水の出しっぱなしを見つけた時にシールを貼るようにする。 ④ 降園前に振り返り、今日一日、電気や水の出しっぱなしにどれだけ 気づいたか認め合う。 ⑤ もったいないチャンピオンの表がシールで埋まった時は、みんなで 喜びを分かち合うと共に、これからもみんなで出来ることを話し合う。 5 保護者および園児の様子や変容 ・ 表があることで、こども達も目標がもて、日々、電気や水道を意識するようになった。また、気付い た時に行動に移す子が増えた。 ・ こども同士で教え合い、みんなで意識しあえるようになった。 ・ 幼稚園での節約の意識が家庭でも広がり、家でも、水や電気に気付いて行動するようになった。 ・ 手を洗う時など、日ごろの生活で水や電気を使わない方法を考えようとする姿が見られるようになっ た。6 環境学習としての保育のポイント ・こども達が自分で電気や水の“もったいない”を見つけた時にその姿をクラス全体に伝え、 みんなで意識がし合えるようにする。 ・こども達と出来る事を話し合い、他の事まで意識ができるようにする。また、どんなことが出来るのか を発表し合い、こども達が共通の意識を持って行動できるようにする。 7 成果・課題 ・表示を通じてこども達も自分から電気を消したり、水をとめようとしたりという姿が見られる様になっ た。しかし、電気を止められたことや水のだしっぱなしを止められた時にも、表示でしか成果が分かり づらかった。また、園全体で取り組めていなかったのもあって、いつでも電気が付いている状態も多く、 消す回数が増え、「見つけた!」ことに喜びも少なかったように感じる。課題としては、こども達が分か りやすいような目に見える成果をどう表すのかという事がある。また、園全体で取り組むことで、みん なで大切にしようという気持ちを育て、異年齢や、他クラスで競い合うなどの仕掛けをすることで、こ どもの姿も変わって来るのではと感じる。
( 資料1 )