理 学療 法 学
第36巻 第2号
41
〜
48頁 (2〔}09年
)研
究論文
人
工
股
関節
全
置換 術
後
に
お
け
る
股
関 節
・
膝 関 節 周 囲
筋
の
筋力
推 移
の
比
較
*膝 関節伸 展筋 力
の
回
復
は
遅 延す
る
一
塚 越
累
1)2)#建 内
宏
重
1)大
畑 光
司
1)江
1r
悟
2)奥 村 秀 雄
3)li轎
則 明
1)要 旨
【
目的
】
人
工股 関 節
全置換 術 (
THA
) 後 早 期
の股 関 節
と膝 関 節 筋 力
の推 移 を
比較 し
,
術 後
に最 も 回 復
の遅
延 す
る筋
を明
らか にす
る こと,【
方 法 】 変 形 性 股 関 節 症
に より
THA
を施 行
し た女 性
53
名
を対 象
とし,
術
側 と非 術 側
の股 関 節 外 転
,伸 展
,
屈 曲
,膝 関節 伸 展
お よ び屈 曲
の最 大 等
尺性 筋 力 を術 前 と術 後
2
週
,4
週
,
6
週 時 点
で測 定
した
。【
結 果 】 術 側
の股 鬨 節 筋 力
は術 後
2
週
で術 前
より有 意
に低 く
,
術 後
4
週
お よび6
週
で は 術前
値 と 有 意 な 差 は 認め ら れ な かっ たuづ∫
,
術 側 膝 関 節 伸 展 筋 力 は 術 後2
週,
4
週,
6
週の全 測 定 時期
に おいて術 前 値
よ り低
い値
を示
し た。
術後
の筋
力 推
移 を術
前
比 で 比較
し た場 合
,
術 後
6
週 で は術
側の股
関節 筋
力 お よ び 膝 関節 屈 山 筋
力の術前
比 は114
一
124
%で有
意 な 差 は 無 かっ た が,
膝関 節 伸 展 筋
力 は術
前
比86
% と他
の’
t
つ の筋 力
と比べ て有
意 に低
い値
を示
し た。
【
結 論
】THA
後
に は股 関 節 周 囲 筋 力
お よ び膝
関 節 屈 曲 筋 力
に比べ て,
膝 関 節 伸 展 筋 力
の回 復
が遅 延 す
る こと が判 明
し た。 キー
ワー
ド変 形 性 股
関節 症
,
人 匚股
関節 全
置換 術
,
等
尺性 筋 力
は じ め に変 形 性 股 関 節 症 (
Hip
Osteoarthritis
:以下
,
股
OA
)
患 者
で は,
病 期
の進行
に伴
い,
股 関 節 外 転 (
以ド
,
股 外
転 )筋 力
が有 意
に低
下 するとさ れ てい る コ]。
また,
股
OA
患 者
や人
」 二股 関 節 全 置換 術
(
Total
Hip
Arthrop
]asty :以
下
,
TIIA
) 後 患 者
に み ら れる跛 行
やト
レ ンデ レン ブ ル グ徴
候の主
な 原 因は股外
転筋 力
の低 下 とさ れてい る2) こ と や術 後
の脱
臼 要 因の1
つ と し て 股関
節
周 囲 筋
の筋 力
低 「が挙
げ ら れてい るこ と3〕,
手
術に よっ て中 殿 筋の レ バー
アー
ムが延 長
さ れる こと「1)な ど か ら,
THA
患 者
の * AComparisQnof Muscle Recc〕vcl
’
)’
aroumd Lhe rlip a[1d Kne巳」dnls after TbtaL Hip Arthr〔♪p且as1 }
・−
The Recovc /ry ぐ)f KlleeEx匸cnsor Strcngth is Dc[ayed
.
1〕 京都yt学 大 学 院 医 学研 究 科 人 間健 康 科 学 系 専 攻 〔:〒 6D6
.
8507 京 都 市左 京 区 護 院 川 原 町 531Rui
厂
「sukagoshi,
RPT.
Hlroshige Tatellclli、
RPT,
MS,
Koji Ohata,
Rヒ
)
T,
MS,
.
NorTaki ]chihashi、
RPT.
PhD :馬1edical
Graduarc
Coursc
.
School of ITea[th Sじiellce,
FauuLty o「Medicine、
Kyoto IJniversiLy2) 寿尚会洛陽 病 院 リハ ビ リ テ
ー
ショ ン科Rui TsLlkagoslli
.
RドT、
Satoru Eguchi,
RPT : DepartmenL ofRehabi[itatio11
.
Rakuyo Hospi亡al3) 寿 尚 会 洛陽病院整 形 外 科
Hideo OkLuinura
,
MD,
PhD:DeparLmcrlt o/Orrhopedic Surgery、
Rakuyo HospiLaL
宰
E
−
mni1 :tsuka9〔}shLr @f}.
7.
ecs.
ky〔,[〔〕一
しLadjp〔受付1「 2008 年 61116 】i/受理 Ll 2008年⊥2月22凵) 下 肢
筋
力 に 関 す る 研 究の多
くが 股外 転 筋
力 に 焦 点 を当
て て いる。
先 行 研 究 か ら,
股 外 転 筋 力 は 術 後 数ヶ月で術 前 の値
をL
回 り
5〕,
術 後 数
ヶ月
〜
1
年
で非 術 側
と同 程 度 ま
で回復 す
る と さ れてい るa−
S)、
ま
た,
健 常 者
と比 較
し た場 合
,
股 外 転 筋 力
は術 後
4
〜
5
ヶ月
また は2
年
を経 過
した 患 者
に おい ても低
下 が認
め ら れ ると
さ れ てい る79)
。
股 外 転 筋 力 を評
fllli
し た樶 告
に対
して,
THA
後
の股 関 節
伸 展(
以 下,
股 伸展
) 筋 丿J
や 股 関 節 屈 曲(
以.
ド,
股屈
曲)
筋
力
に 関す
る報
告
は 比較
的少
ないが,
双方
と も股 外 転 筋
力
と 同様
に,
術 後 数ヶ 月では 術 前 よ り も 有 意に高い値 ま で回 復 す
る と報 告 さ
れてい るaS 」lo) 。自
立 し た 生活
やQOL
に 大 きく寄 与 す
るADL
能 力
を 反 映 する指 標
の1
つ とし て膝関 節 仲 展
(
以 ド,
膝 仰 展 )
筋 力 が 挙 げ ら
れる。股
OA
患 者
におい ても膝 仰 展 筋 力
の低 下
1⊥:1 お よ び膝 伸 展 筋
丿J
と運 動 機 能
との関 連 性
12}が 指 摘 さ れ てい る が,
TIIA
患 著の膝伸 展 筋
力に鬨
する報
告 は 股 関節
周 囲 筋力
に 比べ て少 ない。
THA
後の 膝 伸展
筋
力 は 舗 後3
〜
5
ヶ月経
過 し て も 健 側の値
よ り低
い と す る報 告
13冫⊥4〕があ り
,
THA
後
には 股 関 節 周 囲 筋
だけ
で は な く膝
関節 周
囲筋
も筋 力
低下 する こと が 示 唆 され る。
し か し,
これ らの先 行 研 究
は膝 伸 展 筋 力
のみ を評
価対 象
と して お り,
膝 関 節筋
力 と 股 関 節筋 力
との 関 連 性 は 不 明42 理学療 法 学 第36巻第27} である
。一
一
一
方
,
同
じ膝 関 節 周 囲 筋
で ある膝
関節 屈 曲 (
以下
,
膝 屈 曲 ) 筋 力
に関 し
てTHA
患 者 を 対 象
とした 報 告
は ほ と ん ど無
い。
前
記の よう
に,THA
患者
の 下 肢筋 力
を評 価
し た報 告
の殆
ど が,THA
の ア ウ ト カ ム を検
証 す
る という観点
か ら術 後 数
ヶ月
か ら 数年
を経 過
し た 患者
を対 象
と しており
,
筋 力
トレー
ニ ング や歩 行 練 習 等 が 積 極 的
に施 行 さ
れ,
理学 療 法
十に とっ てド肢 筋 力
の把 握
が重 要
であ
る術 後 早
期
にお ける報
告は非 常
に少
ない。
THA
後
早期
の筋 力 推
移
は ド肢 筋 力
の中
でも 手術
侵襲
の程 度
や,術
後
の活
動
性
低
ドに起
閃 す る萎 縮 性
の違い な ど か ら,
各
筋
間で差
が 生 じ る可 能性
が考
え ら れる。 し か し,
先 行 研 究
では股 外 転
筋 力
だけ
の評 価
や膝 伸 展 筋 力
のみの評 価
に留 ま
っ てい るも
の が多 く
,
股 関 節
と膝
関節
の術 後 筋 力 推 移 を 同 時
に評
価 した も
のや,
各筋 問
で筋 力 推 移 を比 較
し た報 告
はこれま
で に無
い。
また
,
膝 関 節 周
囲筋
の筋 力 発 揮
は股 関 節 周
囲筋
に よ る 股 関 節の安 定 を 肋 提 と してな さ れ る もの であ る た め, 術 後甲期
で 股 関節
周囲 筋 力
が低
下 し てい る 状 態 では膝 関節 周 囲
筋
の筋 力
発揮
も抑
制 さ れる可能
性 が ある こ と か ら,
股 関 節 周 囲 筋 力
の低
下 と膝 関 節 周 囲 筋 力
の低
下
は関 連 す
る と考 え
ら れる。そ
こ で本 研 究
で は,
THA
術 前
,
術 後
早期
の股・
膝
関節
周 囲筋
の筋 力
推 移を
比較
し,
THA
後
に最も
回復
の遅 延す
る股
・
膝
関節
周 囲筋
を明
ら か にす
ること を1’
i
的
と し た。
対 象 お よ
び方 法
1
.
対 象
2002
年
6
月 か ら2007
年
12
月
まで の間
に洛
陽 病 院 整 形外 科
で股
OA
を 原 因 疾 患
とし
て初 囘 片 側
セ メン1
・
レ スTHA
を施 行 し
た女 性
53
名 を対 象
とし
た。
神 経 学 的 疾 患
を有 す
る者
,膝
関節
に明
ら か な関 節 疾 患 を有 す
る者
,
手
術時
に 臼蓋
側骨 移 植
や大
腿骨 骨
切術 を 併
用 し た者
,
非 術
側
に歩 行 補 助
具 が必 要
な程 度
の重 度
の 股OA
を羅 患
して い る者
は研
究対
象
か ら除 外
し た。
対
象
者
の平 均 年 齢
は6L5
±8.
4
歳,
平 均
身
長 は152
.
4
±5
.
Ocm ,
平
均 体
重 は o「6
.
5
±8
.
6kg
で あ っ た。
日本 整ll
彡外 科
学 会 股 関 節機
能 判定
基準
(
JOA
IIip
score)
の術 前 平 均 値
は5L3
±5
.
tt
点
で あっ た
。
対 象 者
の35
名
は非
術 側 股 関 節 に 疾 患 を 有 し てい な かっ た が,
12
名
は 股OA
を 有 してお り,
残 りの6
名
はTIIA
後 (
平均 術 後 期
間33.
5
±25
,
8
ヶ月)
で あっ た。
手 術 時
の股
関節 進 入 法
は全 例
に前 外 側 進
人法
(
DalI
aPproach変 法 )
を用
い,
手 術
による脚 延 長
は平 均
9
.
2
±5
,
2mm
(0
〜
231nm
)であっ た。
対
象
者 には斛 究の内 容 を 説 明 し, 研 究 に参 加 す
ること の同 意 を得
た。
2
.
術 後
理学 療 法
術 後
1
日 目 より
カー
フ パン ピング お よ び 大腿
四 頭筋
セ ッ テ ィ ン グを行
い,
2
囗 凵より
関節
可動
域 運動
と股
関節
・
膝 関 節 周 囲 筋
の筋 丿
J
トレー
ニ ング お よび
ベ ッ ド端 座
位
・
移 乗 動作 練
習 を 開 始 し た。
術後
の 荷 重 制 限 は 設 け ず,
術後 離 床 時
より疼 痛
自制 内
での全荷
重 を許
可 し た。
術 後
5
日 目 より平
行
俸
歩行
,
約
2
週 目 より両 松 葉 杖
ま た は片
松 葉 杖
で の歩 行
,
4
〜
6
週 目 より
T
字 杖 歩 行
を行
っ た。
股 関節 周
囲筋
や膝 関節 周 囲 筋
の トレー
ニ ング は,
各 筋
力
の回 復 状 況
に応
じて行
っ た。
術 後 早 期
でMMT2
レベ ル の時期
は自動 介助
運 動 また は自
動 運 動 を 中 心 に 行い , その後
筋 力
が増 強 す
る に従
っ て徒 手 抵
抗
やセ ラバ ン ド,
重
錘 を使
用 して行
っ た。
筋 力 トレー
ニ ングの施 行
巾や施行 後
に強
い筋 痛
が 生 じず
,
患 者
が極 度
の疲 労
を感
じな
い こ と を念 頭
において負 荷
量 と 運動 回 数
を決 定
し た。徒 手
抵 抗
は股 外 転
・
伸 展
・
屈 曲
,
膝伸 展
・
屈曲
運動
に対
して用
いた
。
徒 手 抵 抗 運 動
での各 運 動 肢 位
は,股 外 転
は背 臥
位
,
股 伸 展
は腹 臥位
,
股
屈曲
と膝 伸
展・
屈曲
は端 座 位
と し, 運 動 回 数 は各
10
〜
20
回 と し た。
セ ラ バ ン ドは 背 臥位
での股外
転
運動
に 対 し て使
用 し, 運動
回数
は30
〜
50
回 と し た。
重 錘 は 腹 臥位
で の 股伸 展
運動
と膝 屈 曲
運動
,
端
座位
で の股 屈
曲 運動
と膝 伸 展
運動
に対
してlkg
ま た は2kg
のも
の を使 用
し,
運 動 回 数
は各
30
〜50
同
とし
た。単
関節
の筋 力
トレー
ニ ングに加 え
,
術 後
2
〜3
週 目 か ら ス ク ワ ッ ト, カー
フ ラ イ ズ,片 脚
立位 練
習 およ び白転
車
エ ル ゴ メー
ター
な どの多
関節
運動
を行
っ た。
スクワ ッ トお よ び カー
フ ライズ は各 30
回,
片 脚 立位
練 習 は30
〜
60
秒
を3
〜
5
回
,
自転 車
エ ル ゴ メー
ター
は25
〜
60W
の負 荷
で10
〜
15
分 間 行
っ た。
理
学 療 法
は 週6
同,
IH40
一
60
分 間 行
っ た。
ま た,
本 研 究
の対 象 者
を担
’
「G
し
た理 学 療 法 士
は7
名
であ
った
が
,
術 後 理 学 療 法
は前 記
の内容
で統
一
した
。
3.
筋 力
測定 方 法
(図1
)
筋 力
測定
に はHand−
Hcld
Dynamometer
(
日本
MEDIX
社
製
POwer
Track
H
;以下
IIHD
)
を使 用
し た。測 定 時
期
は術 前
,
術 後
2
週,
4
週,
6
週経 過 時 点
と し た。術 側
と 非 術 側の股外
転,
股伸 展
,
股 屈 曲,
膝 伸 展
お よ び膝 屈
山
の最 大 等 尺 性 筋 力
を測 定
し た。
測 定 肢 位
は,
股 外 転
は 仰 臥位
にて股外 転
o
度,
股仲 展
は 腹 臥位
にて股 仲 展
o
度
,
股 屈 曲 は 座 位に て股 関 節・
膝 関
節90
度 とした。
膝 仰 展
およ び膝屈
曲 は 座 位 に て膝 屈 曲
90
度で測定
し た。
筋
出力 を 受
け るHHD
の セ ンサー
部の位 揖
は,
股外 転
は 大 腿遠 位 部 側 面
,
股 仲 展
は大 腿 遠 位 部 後 面
,
股 屈 曲
は大 腿 遠
位部
前 面,
膝 伸 展
は 下 腿 遠位 部 前
面,
膝 屈 曲
は 下 腿 遠位
部 後
面 と し た。
3
回の最 大 下等
尺性
運 動 を行
っ た後
,
約3
秒 間
の最 大等
尺性
筋 力 を2回 繰 り返 し 測 定 し,
2回の平 均 値 を 採 用 し た。
同・
筋 群
に対 す
る2
回の測 定
の 閭に約
30
秒
間の休 息 時 問
を設 け
,
各 筋
群 の測 定 問
には約
1
分
の休 息
を取
人ll股 関 節 置 換 術 後にお ける股 関 節
・
膝 関 節 周 囲 筋の筋 力 推 移 43 図1 筋 力 測 定 方 法 *股 外 転 筋 力の測 定は側臥位で行 う 方法が一
般 的で ある と思わ れるが,
術 後 早 期の側 臥 位 は 禁 忌 肢 位であるこ と,
術 創 部の疼 痛 を 誘 発 する可 能 性があるこ となどの理 山か ら,
本研 究では仰 臥 位での測定と し た,
っ た。
各 筋 力
の測 定
は股外 転
,
股仙
展,
股 屈曲
,
膝伸
展,
膝 屈 曲
の順 に行
い,
全 て右
側 か ら行 っ た。
測 定
は1
人の検
査者
が 全て行
っ た。
ま た,
アー
ム長
の計 測
は,
股 外 転
は 大転 子
の最 突 出 部
か ら,
股 伸 展
は 坐骨 結 節
か ら,
股 屈
曲
は鼠 径 部 巾 央
か ら,
膝 伸 展
と膝 屈 曲
は膝 関節 中心
か ら,
そ れ ぞ
れの測 定 位 鴛
に当
てたセ ンサー
部 中央 ま
で とし
て布
メジャー
を 用い て計 測
し た。セ ンサ
ー
部
の力 (
N
)
と そ れ ぞ れのアー
ム長 (
m)
の積
で あ る トル ク(
Nm
)
を算 出
し,
その値 を対
象
者
の体 重 (
kg
)
で除
して トル ク 体 重 比 (Nm
〆kg
)を 求 め た。
ま た,
各 筋の術 後 の筋 力 推 移
を 比較 す
る た めに術 後
2
週
,
4
週
お よ び6
週
時 点で の術
前値
に対 す
る割 合
を術
前 比 (% )と して算
出 し た(
術
前 比≡
術後
トル ク /術前
トル ク ×100
)
。
4
.
HHD
の信 頼 性
諸 家
の報 告
15H6 〕に よ り,
HHD
の検 査 者 内 信 頼 性
(
lntraclass
Correlation
Coefficient
,
以
下ICC
)
は概 ね
高い信 頼 性 が不 さ れてい る
。
し か し,
本 研 究で用い た 測定方
法
は,
測
定
肢 位
や関
節
角 度
が先行
研
究 と は異
な る都
分
が あ る た め,HHD
のICC
を検 討
し た。
健
常 女性
7
名
の右
下肢
を対 象
と して股外 転
,
股伸 展
,
股屈 曲
,
膝 伸 展
お よ び膝 屈 山
の最
大等 尺 性 筋 力 測 定
を1
日に2
回
,
2
日連 続
で同
一
一
検
査者
に よっ て行
っ た。5.
統 計 処 理 方 法
得
ら れ た測 定値
お よび術 前
比 は平 均 値
±標 準 偏 差
で表
し た。
統 計 的 検 定に先 立 ち,
本 研 究で用いた 全ての デー
タに対
してxZ
適 合 度検
定 を 行い,
デー
タの正 規 性 を確
認
し た結
果,iF.
規 分 布
し ていな
い デー
タ の存 在
が明
ら か となっ た た め,
本 棚究
で得
ら れ た ト ル ク体
重比 お よ び術
前
比の全デー
タをノ ン パ ラ メ トリ ッ ク デー
タ と して扱っ た。
術 前 と 術
後
各
測定
時 期 にお け る各
筋
佯 内で の トル ク体
重 比の比較
,
術 後 各 測 定 時 期
におけ
る各 筋
群問
での術 前
比の比
較
を,
そ
れぞ
れFrledman
検 定
とSteei
−
Dwass
法
に よ る多重
比較 検 定
を用
い て行
っ た。
な
お,
各筋 群 内
で のト
ル ク体 重 比
の比 較
で は,
測 定 時 期 を要 因
と し,
補 前
,
術 後
2
週
,
4
週
および6
週 を 水 準
と した
。各 筋 詳 問
での術 前
比の 比較
で は,
筋 群
を 要 因と し,
股 外 転
,
股伸
展,
股 屈曲
,膝 仰
展 お よ び膝
屈 山 を水
準
と した。
筋
力
測定
の 工CC
は級 内 相
関係 数
を 用い て検 討
し,
標
準
誤 差
も併
せて 算 畠 し た17)。
全て の検 定の 統計
学 的 有 意水 準
は5
%未
満
と し た。結
果LHHD
の信 頼 性
筋 力
測定
に おけ
るICC
を級 内 相
関係 数
に よっ て検 討
し た結
果,ICC
(
Ll
)は それ ぞれ股 外 転
O
.
917
,股 仲
展0.
935,
股 屈
Wh
O.
91
5,
膝 伸 展
0.
902,
膝 屈 曲
0,
945
であ り
,
高い信 頼 性 を示 し た。
ま た,
標 準 誤 差 は そ れ ぞ れ 股 外 転O
.
e53
Nm
/kg,
股
伸
展
0
.
061
Nm
〆kg,
股屈 曲
0
,
050Nin
/kg,
膝 伸
展0
.
087NIn
/kg,
膝屍 曲
0
.
069
.
Nm .
fkg
で あっ た。
2
.
術
側筋 力
の術 後 推
移(
表
1
)
Friedman
検 定
の結 果
,
術 側
の 全て の筋
群 に おい て,
測 定 時 期
によっ て トルク体
重 比に差 が ある こと が明
ら か とな
っ た。多
重 比較 検 定
により各 筋
群内
の トル ク体
重 比 を 比較
し た 結 果,
術 側の股 関 節 筋 力 は 概 ね 同 様 な ]n[復 傾 向 を 示 し た,
,
術 側 股 外 転, 股 伸 展, 股 屈 曲 筋 力 とも に 術 後2
週で は術 前
よりも有 意
に低
い値
であ
った
が,
術 後
4
週 お
よび6
週で は術 前
と 比較
し て有
意な差は無
か っ た。
ま た,
3
つ の筋 力 と も術 後4
週で は2
週 よ り も 有 意に高 く,
術 後6
週 で は4
週 よ り も 有 意 に高
い 値 を 示 し たtt 術 側膝 仲
展44 理
学療法 学 第
36巻第
2号表
1 術 前お よ び術 後の筋力
推移 術 前 術 後2週 術 後4
週 術 後6週 股関節外 転
筋 力術 側 非 術側 股 関 節 伸 展 筋 力 術 側 非 術 側
1
役関 節 屈 曲筋
力術 側 」
・
F
彳市丁tl
「」 膝 関 節 伸 展 筋 力 術 側 非 術 側 膝 関 節 屈 曲筋 力 術 側 非 術 側0
.
74
±022
(0
.
73)0
.
87
±0
.
21
(
0.
80)0
.
56
±0
.
21
(0
.
56
) 0.
79 ±0.
26 (0.
76)0
.
63
±0
.
19
(0
、
60)0
.
87
±0
.
16
(0
.
85
) α97±0
.
25 (O.
96) 1.
19 ± O,
30 (1.
14)0
.
53
±0
.
14
〔0
.
51〕0
.
f)O
±0
.
15
(0.
58)0
,
41±0
.
1* (0.
38)冖
*0
.
69
±0
.
1
’ (D
.
68
) 0.
32 ±0.
14 〔O.
29) 0.
65 ± 0.
26 (0
,
64
) *0
、
39
±0
.
14
(0
.
38
)0
.
80
± 0.
ユ6 (o
.
79)
0.
51 ± 0ユ9* (0.
49) 1.
07 ± 0.
27 (1、
05) *O
.
45 ±0
』1 〔o.
47)0
.
59
±0
.
14
〔0
.
60
) 0.
67±0
,
19§0
,
81
±0
、
/9
§1 (〔}.
68) (0,
78) 0.
84
±0
.
18fi O
.
93
±0
.
22
§ 〔O
.
79
) 〔0
.
90
) 0.
53± 0.
17 §0
.
64 ± D.
18NI (0
.
52) 〔0.
63) 0.
77± 0.
31
0
.
83± 0
.
3 ⊥§〔
O
.
70
)〔0
.
75)0
.
58
±0
、
21
§0
.
71
±0
.
21
§i (
0
.
56
, (0
.
66
) 0.
91± 0.
19§O
.
96± 0.
209 〔0、
90) (0.
94) *§ *§ † 0.
68 ± 0.
20 0.
80± 0.
19 (0.
68) (0.
79) Ll3 ± 0.
28 1、
20± 0.
30 (1,
12) (1.
20) O.
54 ± 0.
12§〔}
.
60±0
.
14*§ (0.
55) (0.
58)0
.
63
±0ユ4
0
.
65
±0
.
16
(0
,
63) (0
.
65
) (’
ド均値
±標準偏
差,
括
弧 内は中央 値
.
申
f
・
}二:Nm ,’kg
) * ;術 前 値 に 対 す る有意 差.
* p<0.
05 § ;2週 に 対 す る 有 意 差,
)く
0
,
05
t :4週に対 する有 意 差.
↑p<0.
05筋 力
は術 後
2
週,
4
週 お よ び6
週の術 後
全測 定 時 期
にお いて術 前
と比
べ て有 意
に低
い値 を示 し
,
術 後
6
週 問
で は術 前
レベ ルま
で の回 復
は認
められ な か
った
。しか し
,
術
後
4
palra
で は2
週
より も 有 意
に高 く
,
術後
6
週で は4
週よ りも有 意
に高
い値
であ
っ た。
術 側 膝
屈 曲筋 力
は,
術 後
2
週
で は術 前
と比 較 し
て有 意
に低
い値
であっ たが,
術 後
6
週 で は 術 前 よ り も右
意 に高
い値
に まで回 復 し たtt 〔%)140120100 まo6n4c 〕*
*
,
k3
.
非 術 側筋
力の術 後 推
移(
表
1
)
Friedman
検
定の 結 果,
非 術
側 に おい て も 全て の筋
群 で測 定 時 期
に よっ て トル ク体 重
比に差
があ
るこ と が明
ら か と なっ た。多
重 比較 検 定
の結 果
,
非 術 側 股 外 転 筋 力
は術 前
と比較
して術 後
2
週
は有 意
に低 値 を示
した
が,
術 前
と4
週
お よ び6
週との 間に は有 意
な差
は無
かっ た。
非 術 側の 股御
展 お よび股 屈 曲 筋 力
は,
術 前 値
と 比較
して術 後 各 測 定 時 期
との問
に有 意
な差
は認
め ら れ な かっ た が,
双 方
とも術 後
2
週 より も
6
週の ほう
が有 意
に高
い値
であ
っ た、
,
非 術 側
の 膝 イ11i展 および 膝 屈 曲 筋 ノJには各 水 準
間に おける有 意 な差
は 認 め ら れ な かっ た。
4
.
術後 各
測定
時期
に お ける術前
比 の 比 較 (図2
,
3
)
Friedmali
検 定
の結 果
,
術 側
と非 術 側
とも
に術 後
2
週
,
4
週 お よ び6
週の各
測 定 時 期 に おい て,
筋
群間
で術前
比 に差
が あ るこ と が判
明 し た。
多
重 比 較検 定
を用い て各
時 期にお ける術 側の各
筋力
の一
一
一
一
+ 股 外転一
◆一
股’
中 展一
一
一
一
□
責一
一
股 π 面一
匸一
膝fll竪一
一
一
一
羸
◇ 膝 屈lh 20o 訥「「 2坦 4週 f/la 図 2 術 側 術 前 比の平 均値の}隹移 *2 週 1膝 屈曲 は 股 外 転,
股伸 展,
股屈 曲お よ び膝 仲 展よりも 有 意に高い 〔p <0.
05).
* 1 週:膝 仲 展は1
↓殳外 転,
股 伸 展,
股 屈 曲お よ び膝 屈ll
「1
より も有意に低い (p< 0.
05),
膝 屈 曲は股 外 転お よ び股 屈曲 よりも有意 に高いCp
<0.
05).
***6 週 :膝 伸 展は 股外 転,
股 伸 農,
股 屈 曲お よ び膝 届 曲よりも有
.
意にf
丘い(p< 〔〕
,
05
).
術 前
比を
比較
し た結 果
,
術 後
2
週で は 股外 転
(
56
土17
%)
,
股 伸 展 (62
士30
%)
,
股屈
山 (64
±23
%)
及 び膝 伸 展
(
55
±18
% )の問
に は有 意
な 差 は無 く
,
全て 膝 屈 山 (88
± 18%)
よ り も 有 意 に 低い値
で あっ た。
補 後4
週で は膝仲
展の術前
比は 72 ± 20 %であ り,
その他 の4
つ の筋 群 (
股 外 転
94
±23
%
,
股 伸 展
105
±45
%
,
股 屈 曲
100
±57
%,
膝 屈 曲
105
±17
%)
より も有 意
に 低い 値 を示
し た、
術 後6
週 におい て も 同様
に,
膝 伸展
(86 ± 25 % )の み が その他の 筋 群(
股 外 転 ll4 ± 27% ,人工股関
節
肯 換 術後
に お け る股 関 節・
膝
関節
周 囲筋
の筋 力 推 移・
t5
〔%〕140L20Iuor−一
一
一
一
RO6 〔〕 葡 20望
塞
κ…
,
多
示 驚ミ
…
「
黨.
:
電一
投外 彰一
◆−
i殳伸 屡一
一
一
一
一
一
十.
伎 皀山一
巳一
隷IIリ蚤一
一
一
.
斗 膝1出曲 エ,L
− 一一一_一一一一_一一一一一
Pt/
.
]1 2i剴 4芭 6 眉 図3
非 術 側 術 前比の平 均 値の推 移 * 2 週:股 外 転は股 屈 曲,
膝 伸展 およ び膝屈曲より も 有 意に低い (p <
0
.
D5
).
股 伸展 は 股凧 曲お よ び膝 屈曲 より も有意に低い (P〈
0
.
05}
.
** 4週 :膝
伸 展は股屈
曲お よ び膝屈
曲より
も有
意に低
い 〔p< O.
05).
*’”
6 週 :膝f
帳 は 股 屈Phよ e
)も 有 意 に 低い (P〈 0.
05).
且殳fll
監展
124
±47
%,
E
殳屈 曲
122
±61
%,
朕
ミ屈 曲
116
±20
%)
と 比較
して有
意に低
い値
を示
し た。 ま た,
術 後
4
週
に おけ
る膝 屈 曲
の術 前 比
は股 外 転
お よび 股 屈 曲
よ りも
有 意
に高 か
った
が,
術 後
6
週
にお
いて は膝 仲 展
以外
の4
つ の筋
佯 問 に は有
意 な 差は認 め ら れ な かっ た、
、
非
術 側 の術 諭
比 で は,
術後 2
週 に お い て 股外 転
(80
±14
%)
が 股屈
1
[[[(
93
±15
%)
と膝 伸 展
〔90
± 工2
%)
お よ び膝 屈 曲 (
99
±16
% )
と 比較
して有 意
に低
く
,
股 伸 展
(8
・
1
± 上3
% ) も股 屈 山
お よ び膝 屈 曲
と比 較
して有 意
に低
い値
であ
っ た。
術 後
4
週
で は膝 仲 展
(
95
±ll
%)
が股 屈 曲
(
105
±17
%)
お よ び膝
1
出曲
006
±17
% )
に 比べ有 意
に低
い値 を 示
した
が,
その他
の筋 群 問 に は 有 意 な 差 は 無 かっ た。
術 後6
週で は,
股 屈11
[1
〔
ln
±20
%)
が膝 伸
展
(101
±12
%)
より
も有
意 に高い値
を 示 し た が,
その他の筋 祥 間には 有 意 な 差は み ら れず
,
全て術 前
比100
% 以H
に同復
してい た。
考
察
1
.
術 側 股 関 節 周
囲筋 力
につ い て術 側
の股 外 転 筋 力
は術 後
2
週
で は術 前
より も有 意
に低
下 して いた が,
術 後4
週で術 酊 値 まで回 復 し た。
ま た,
術 後
2週 よ り も4
週,i’
[;」後
4
週よ り も6
週の ほう
が 有意
に高
い値 を 示 し た。
この こと か ら,
股外
転筋 力
は 術 後一
日筋 力 低 下 す る が,
その後の6
週 間 に 亘っ て は 有 意 な 改善 傾 向
にあ
ること が確 認
さ れ た。
術後 早 期
の 股外 転 筋
力 に 関 して は 少 数の報
告 が あ り,
島 添 らIS)はM
例のTIIA
患 者 を 対 象 に 術前
及び術 後4
週 問の股外
転 筋 丿J
を 測定
し た結
果,
術 後
2
週で は術 前 値
の /31
.
0
% で あ り,
術 後
4
週
で はMl
.
5
%
であ
っ た と報 告
して い る。本
釧究
で は術後
2
週にお ける股 外 転筋
力 は 術 舸 値の56
%,
術 後4
週で は94
%で あ り,
島 添 らの報 告 と 大 き く異 なっ てい る。
これ は, 彼 らの報 告
と本 研究
と で は術 前
の筋 ノ
丿値
に少
な か らず 差
が あ るこ と が一
因 と考 え
られ る。
本研
究
では被 験 者
の筋 力 値 を ト
ル ク体 重 比
(
Nm
・’
kg
)
で表
現
して い る が,
島 添
ら は力 体 重 比
(N
/kg
)
で表
して い る。
彼 らの報
告 に お ける術 前の 術 側 股 外 転筋
JJ
値 は1,
71N
!kg
で あっ た こ と に対
し て,本 研
究の彳11;1前
筋力
値
を力 体
重 比で表
し た 場合
2
,
36N
!kgと なり
,
本 研 究の ほ う が 術 前 筋 力 が 高い傾 向 に あっ た。
そのた め,
術 前値
を 基準
とす る と術 後 早 期
の筋 力
の低
下幅
が 大 きく
,
術 前
比 が先 行 研 究
より も低 く
なっ た と摎
えら れ る。
ツ
∫,
本研
究
で は補 後
6
週
で股 外 転 筋 力
は術 前 値
のll4
% ま
で 回復
し
て い るu女性 股
OA
患 著
20
例 を 対 象 と
し たShih
ら 5〕 の研究
で は,
術 後
6
ヶ月では 術前 値
の112
%で あっ た と報
告 さ れてい るこ と か ら, 術後
の股外 転 筋
力 は 術後
6
週 ま で は 大 きく
回復 す
る が そ れ 以降
の回復
は緩
や か なも
の で ある可 能 性
が示 唆
さ れ た。
股 外 転 筋 力
と同 様
に,
股 伸 展
お よ び股
1
出曲筋 力 も術 後
2
週
で は術 前
に比
べ て有 意 な 低
下 が認
めら
れ た。
本研 究
で被 験 者
に用
いた前 側 方 進
入法
で は大 腿 筋 膜 脹 筋
や 中 殿筋
,
小
殿筋 を 切
開 し,症
例 に よっ て は 腸 腰筋
の大 腿 骨付
着 部 を
・
部 切 離
,
ま
た,
股
関節
の固定 筋
と して作
用 す る外
旋筋
群 も症
例 に よっ て は部 分 的
に 切離
さ れ る。
その た め,
術 後 早 期
に お ける股関 節 周 囲
の筋 力
は手 術 侵 襲
の影
響
により
全 般 的に低
i
・
』
す
る と 思 わ れ,
木研 究
の結 果
か ら こ の こ と が明
ら か とな
っ た。ま
た,
術 後
4
週
で は股 伸 展
筋 力
と股 屈 曲 筋 丿
J
とも術 前 値
と同 じ
レベ ルま
で回 復
し,
術 後
6
週で は術 前
f
直
の ユ20
%以k
ま
で増加
した。
これ は術 後
の筋 力
トレー
ニ ン グ に よ る筋 力
増 強効 果
と考 え
ら れ る。
2
,
術 側 膝 関 節 周 囲筋 力
につ い て本
耕 究ではTHA
前 後
の膝 関 節 筋 力
を股
関節 筋 力
と同
時
期に評 仙
し,
その筋 力 推
移お よび 股関 節 筋 力
との関 連
性
を検 討
し た。術 側
の膝 伸 展 筋 力
は術 後
2
週
で は術 前 値
の55
%,
術 後
4
週で 72%,
術 後
6
週
で86
%と,
術 後
6
週
に おい ても術 前
レベ ルま
で の 回復
が認
め られ な かっ たc先 行 研 究
に おい て,
Suetta
ら13〕はTHA
後
に標 準
的 な リハ ビ リテー
シ ョ ンを 行っ た 場 合.
膝 伸 展 筋 力 は 術 後5週で は 術前 値
の78
%で あっ た と報
告 して お り, ま た,Reardon
ら⊥4)も 膝fil
「展筋
力 は 術後
6
週 で は 術 前 よ り も 低い値で あっ た と してい る。
本 研 究の結 果 もこれ ら の報 告
と同様
の結 果
と なっ た。
注
目 すべ きこ と は,
本研
究 に おい て術 後6
週 間 に 亘 る 筋 力 推 移 を 股 関 節 外 転,
伸 展,
屈 曲,
膝 仲 展 およ び屈 山の各 筋
問で比較
し た結 果,
術後
6
週に お ける膝 伸
展筋 力
の術 前
比は他
の4
つ の筋 丿
J
と比較
して有 意
に低
い値
を示
し たこ とであ
る。
これによ り,
TH
へ後には 膝 伸 展 筋 力の 回 復 が 股 関 節 周 囲 筋や膝 屈 曲 筋 に 比べ て遅 延 す ること が 判 明 し た。T
日A
後 早 期 の5Z
ち 上 が りや 立位
,
歩 行
19) など の 日常 生 活 動 作
に お46
理 学 療 法 学 第36
巻 第2号 いて,
荷 重 制
限を設
け な くと も
,
疼 痛
や筋 力 低
下,
荷 重
へ の不
安感
な ど に起 因
し て術
側 下肢
へ の荷
重 が不
十分
と な る。
活動 性
の低
下 に よ る筋
萎
縮 や筋 力
低
ドは殿 部 筋
や ハ ム ス トリ ン グ ス に比べ て大腿
四頭 筋
の ほう
が遥
かに大
き
いた
め20)21),
こ の よう な 下 肢 荷 重 不 卜分 が 術 側 下 肢
筋
の活 動 低 ドを招 き
,
特
に萎 縮 し易
い大 腿
四頭 筋
の筋 力
回復
が遅 延
した と考 え
ら れる。
ま
た,
膝 仲 展 筋 力
の発 揮
に は 股 関節
周 囲筋
に よ る股
関節
の固定
が重 要
であ
ることも
,
膝伸
展筋 力
の回復
遅 延 に 関係
してい る と考
え ら れ る。
本 研 究 で 測 定対 象
と し た 股 関 節周 囲
筋 は 術 後4
週で術 前 レベ ルまで の筋 力 回復
が確 認
さ れ た が,
測 定 対 象 外
であ
っ た股 関 節 外 旋 筋 群
の機 能
が.
卜分
に回復
していな かっ た とす
れば,
股 関 節
の固 定
は不
十分
と なり
,
膝 伸 展 筋 力
の発 揮
が抑 制
さ れ た可 能性 も考 え ら
れ る。膝 伸 展 筋 力
は股
関節
周 囲筋 力
や足
関節 背
届筋 力
よ りも歩 行 能 力
と の 関連
が 強い とさ れ て お り22 ), 膝伸
展筋
力の 回復
遅 延はTHA
後
の歩 行 能 力
の低
下9)19)に大 き
く影
響
し てい ると
思 わ れ る。
Trudel
]e−Jackson
ら6)はTHA
後の 下 肢 筋 力 とバラン ス
能 力
との関 係
につ い て調
査 しており
,
THA
後
の バ ラ ン ス能 力
は膝 伸 展 筋 力
と相 関
が認
め ら れ た と して い る。歩 行 能 力
だけ
で はなく
バ ラ ン ス能 力
の要 因
ともな
る膝 伸 展 筋 力
の 回復 遅 延
は重 要 な 問 題 と し
て捉 え られ
るべき
であ
る。
術 側の 股 関
節 筋 力
や膝
伸
展筋 力
は術 後
2
週 で 術前
の60
%程
度
の低
下を示
し た こと
に 比べ ,膝
屈 曲筋
力
は術
後
2
週におい て も術 前
の88
% と 高い値
を 示 し,
術 後6
週
では術 前
の値
をF.
回
る筋 力 増 加
が認
め られ た。膝 屈 曲
筋 力
の主働 筋
であ
るハ ム ス ト リングスは,
予術
によ る侵
襲
が無 く
,
目.
つ活 動 低
下に よ る萎 縮 も穏
や か であ
る た め2ω,
本 研 究
の結 果
のよ う
に術 後
の筋 力 低
下 が比 較 的
軽 度
であ
っ た と考 え
られ
る。3.
非 術 側 股
・
膝 関節 周
囲筋 力
につ い て本
研究
で は術
側の筋 力 推 移
に加 え
て,
非
術 側 の股・
膝 関節
周 囲筋
の筋 力 推 移 も 評 価 し た。
非 術 側の股 外 転 筋 力 につ い て, 術 後2
週 で は 術前
に 比べ て低値
を示
し た が,
術 後
6
週で は 術前
比108
%に まで 囘復
し た。
股外 転 筋 力
が 術 後2
週で低 値 を 示 し た 理 山 と して は,
術 側 の股 外転
筋
力の低
.
ドが影 響
し た と考
え ら れ る。
背 臥 位
で の股外 転
筋 力
の測 定
で は 反対 側
下肢
の 固定
が重 要
であ る が,
反 対側 股 外 転 筋 力
が低
下し てい る場 合
で は,
反 対 側の骨
盤 と大 腿
との問
の固 定 性
が低
下す
るため,
測 定 側
の股 外 転 筋
力 を最
大 限 に 発揮
す ること が困 難
で あっ た可 能性
が考
え ら れ る。一
方
,
非術
側の股 伸 展筋
力 と股 屈 曲 筋力
に関 し て は,術 後
2
週,4
週,6
週と も 術 前の値
と 比較
して有
意 な差
はみ ら れず
,
術 後
の筋 力 低
.
ドを き
た さ ない こ と が 示 さ れ た。
今
回測 定
し た非 術 側
の股 関節 周 囲筋 力
は何 れ
も術 後2
週 か ら6
週 に か けて筋 力の 改 善 を 認め てお り,
術 後
の筋 力
トレー
ニ ン グ が好 影 響 を及
ぼ し た と考 え
ら れ た。
非 術
側の膝 仲 展 筋 力
と膝 屈 曲 筋 力
は 双方
と も術 前 か ら術 後
6
週 まで の間
に有 意
な変 化
を示
さず
,
筋 力
が維 持
され
てい た。術 後
の安 静
や身体 活 動 鼠
の低 下 に も関
わらず
膝 関 節 周 囲 筋 力
が維 持 さ
れてい た理 由
と しては,
術 側 ド
肢
の活 動 性
や支 持 性
が低
下 した一
方
で,
非 術 側
が術 側
の活 動 を代 償 す
ること
に よ り非 術
側 下肢
の活 動 性
が維 持
さ れ た た め と考
え ら れ た。
4
.
臨床 的 関 連
本 研 究
の結 果
か らTHA
後
に は膝 伸 襞 筋
の筋 力 回 復
が股 関 節 周 囲 筋
や膝 屈 曲 筋
に比べ て遅 延 す
る こ と が判 明
した
。 これ に対
しては,
術 後 早 期
か ら術 側
へ の荷 重 学 習 を
積
極 的 に促
すこと と膝
イ1隈 筋
に対
す る重 点 的
な トレー
ニ ン グ が 必 要 で ある と思 わ れるが, その介
入方
法につ い て は今 後 検
討
して いく
必要
が あ る.
ま た,
木 研 究
に よ りTHA
後に股 関節
筋 力 が 術 前 レベ ル まで 回復 す
る に は 術後
4
ma
間
を要 す
ることが 明
ら か とな
っ た。 こ の時 期 ま
で は股 関 節 筋 張 力
が低 下 し
て いる と考 え
られ
るた
め,
術 後
の運 動 療 法
や脱 臼
予防 指 導
は こ の こ とを念
頭に置
い て行
う必 要 が あ
る.
5
,
本
研 究の限界
本 研
究
で は,TIIA
後
の 下肢 筋 力
を研 究 対
象
と し,
THA
後
に は膝 伸 展
筋力
の 回復
が 遅延 す
る こ と を明
ら か にし
た が,
そ
の要 因
と思
われ
る筋 体 積
の変 化
や神 経 性 因
了
一
の影 響 な
どにつ い て は今 後 詳 細 な 分 析 が 必 要
であ
る。ま
た,
筋 力
に影 響 す
る因 子 と して疼
痛の存 在
が挙
げ ら れ る が,本 研 究
で は疼 痛
の評 価 を 行
っ てい ない た め,術
前
・
術 後
の疼 痛
が筋 力
囘復
に どの程
度影 響
を 与え
てい る か は 不 明 で あ る。
結
論
THA
前後
の股 関節
・
膝 関節 周 囲 筋 力
を測 定
し,
術 後
の筋 力 推 移
を 比較
し た。結 果
,
股 関 節 周 囲筋 力
や膝 屈 曲
筋 力
に比べて膝 伸 展 筋 力
の回 復
が遅延 す
る こ と が判
明 し た。
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