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編集後記

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Academic year: 2021

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 8 月下旬から約 10 日間、共同研究者とともにドイツの経 済教育事情を調査してきました。ドイツの大学では経済教 育を専攻する学生が(そしてそれを教える教員が)相当数 いることが新たな発見でしたが、中等教育段階までは、日 本と同様に、経済に関する学校教育の充実化に向けた取組 みが近年なされていて、政策当局も経済界もそれを支援し ています。本学会でも、海外の動向に目を向け、海外の研 究者や教員と交流しながら、日本の経済教育と経済教育研 究の在り方を見つめ直すことの必要性を改めて確認できた 10 日間でした。 (淺野)  ‘ 社会科教員は経済を知らない ’ と受け取れるような意見 をかねから耳にします。そのたびに私は複雑な心境になり ます。何よりも,私自身が社会科教員ですから,自分の不 明を恥じる気に駆られるからです。同時に,こうした意見 を持つ方は現場教師が身に付けるべき経済学,経済観の吟 味検討をしているのだろうか,という問いも浮かんでくる からです。例えば,価格は需要と供給を調節する機能があ るという見方は教科書的常識ですが,リカード,マルクス, スラッファといった経済学者の理論的枠組みからは,これ とは全く異なる価格の機能を導き出すことができます。経 済教育学会とはこうした複数の経済観を対峙させながら, 教育的議論を深めていく場であるはずだと思います。是非 ともこのような知の論争がより活性化することを望んでい ます。 (越田)  編集委員で 3 年かかわってきました。この間,考えてき たことは,学会誌のあり方です。査読付の論文と論考の関 係はトレード・オフです。そのバランスはなかなか微妙で 難しい問題です。これは学会のあり方ともかかわります。 経済学なのか経済なのか,また教育との関連はどうなのか 等々。今後も建設的な論議が必要だと感じています。 (新井) 編集後記  学会誌の校正では,すべての論文を読むのが大変です。 また,投稿原稿のジャンルの検討も気を遣うところです。 しかしながら,苦というわけではなく,新しい発見があり ます。最近はインターネットを使うことが多く,自分の興 味ある所だけを検索しているような気がしていましたが, 学会誌を読むことで,経済教育に関する新聞(全体像とい う意味での新聞)を読んでいる感じがしました。読みなが ら「広がり」を感じたのです。産学連携やキャリア教育, インターンシップなどを含んできた結果,経済教育の範囲 は揺らいでいるかもしれませんが,経済教育は学生の「生 きる力」の育成と近い関係にあると思います。アダム・ス ミスの『道徳感情論』を想起しながら,経済学がもともと 道徳哲学(人間研究)だったと考えると,経済教育は人間 教育の一部分であると,納得した次第です。 (田中)  今号から編集担当に加わりました。よろしくお願いしま す。昨年の東日本大震災と福島原発事故は,学生と教員の 社会意識に少なくない変化をもたらしていると思います。 女性教員が原発問題を積極的に取り上げ,目を見張るもの があります。多くの学生が,社会の出来事を自分に関わる こととして捉え,「正しい」ことを疑い自分の頭で考える 必要があることを実感していることは,経済教育にとって 見過ごすことのできない変化です。 (長谷川)

The Japan Society for Economic Education

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