要旨 本稿の目的は,ペーパータワー作成を通じた「深い学び」を測定,分析し,大学教員は学生たちへ「深 い学び」を提供するために何をすべきか検討することである。 ペーパータワー作成過程を通して,学生たちは「アイデアを出す,意見を出す」ことや「リーダーシッ プの重要性」が現実社会でも重要だという「深い学び」に至ったことがわかった。 本稿で明らかになったことは,倒壊するなど,ペーパータワー作成に失敗することも,重要だというこ とである。成功から学ぶだけでなく,失敗から学ぶことが学生を大きく成長させる。学生たちに,現実社 会に通じる体験を提供することが「深い学び」の第一歩であり,学生に対する学習支援であると結論づける。
キーワード:深い学び(Deep Learning),問題解決学習(Problem-based Lesson),能動的学修(Active
Learning),ペーパータワー(Paper Tower),テキストマイニング(Text Mining)
Ⅰ.はじめに
大学教員は,学生たちへ「深い学び(Deep Learn-ing)」をどのように提供したらよいのだろうか。たと えば,文部科学省中央教育審議会(2016)では,能動 的 学 修(Active Learning) を, 主 体 的・ 対 話 的 で 「深い学び」と捉え,授業,学習の改善が議論されて いる。その中では,「主体的な学び」,「対話的な学び」, 「深い学び」の 3 つそれぞれが相互に,かつ全体とし て影響し合い,「学びを人生や社会に生かそうとする, 学びに向かう力・人間性などの涵養」,「生きて働く, 知識・技能の習得」,「未知の状況にも対応できる,思 考力・判断力・表現力などの育成」を実現していくと いうものである。 「深い学び」を測定,分析し,学生たちへ「深い学 び」を提供するために大学教員は何をすべきか検討す ることが本稿の目的である。Ⅱ.先行研究
John Biggs and Catherine Tang (2007)では,深
い 学 び(Deep Learning) と 浅 い 学 び(Surface Learning)について,学習活動の動詞を使って分類し ている。その上で,John Biggs and Catherine Tang (2007)は,学生たちが「Reflect (振り返る)」,「Ap-ply: far problems(適用する:離れた問題に)」,「Hy-pothesize(仮説を立てる)」,「Relate to principle(原 理に結びつける)」,「Apply: near problems(適用す る:身近な問題に)」,「Explain(説明する)」,「Argue (主張する)」,「Relate(関係づける)」,「Comprehend: main ideas(理解する:中心的な考え)」,「Describe (記述する)」で示されている深い学び(Deep Learn-ing)を得るためには,教員の学習支援が必要である と説いている。
本 稿 は,John Biggs and Catherine Tang (2007) が説いた「深い学びに至る学習支援の提供(Supply activities to support for Deep Learning)」について検 証するものである。すなわち,教員の学習支援によっ てどれだけ「深い学び」が得られたのか,表 1 の通り, 評価基準を定め,学習活動の認知水準をアンケート調 査の結果から検証する。
Note
The Journal ofEconomic Education No.37, September, 2018
研究ノート
ペーパータワーを用いた
授業開発の取り組み
An experimental introduction of the paper tower challenge as a classroom activity forundergraduate students 竹田 英司(松山短期大学) 水野 勝之(明治大学) 井草 剛(松山大学) TAKEDA, Eiji MIZUNO, Katsushi IGUSA, Go
Ⅲ.アンケート調査の概要
1.調査方法 出席者 105 人に対する自記入アンケート 2.調査対象者 ・ 松山大学経営学部「2016 年度中小企業論」第 14 回出席者 53 人 ・ 松山短期大学商科「2016 年度中小企業論Ⅰ」第 14 回出席者 52 人 出席者を大企業グループ(学生 9 人以上),中小企 業グループ(学生 3 人)にそれぞれ分類した。グルー プの構成と規模は,表 2 の通りである。なお,表中 「短大 1-2 年」の不明 4 人は,大企業グループに 1 人, 中企業グループに 3 人がそれぞれ属して,ペーパータ ワーの作成実習を終えている。しかしながら,自記入 のアンケート調査質問紙には,所属グループの記載を もらしていたため,4 人の区別ができなかった。 3.調査日 アンケートは,それぞれ授業当日に実施し,当日回 収した。 ・ 松山大学経営学部「2016 年度中小企業論」第 14 回(2016 年 7 月 19 日) ・ 松山短期大学商科「2016 年度中小企業論Ⅰ」第 14 回(2016 年 7 月 15 日) 4.調査担当者 ・ 井草剛研究室(松山大学),水野勝之研究室(明 治大学),竹田英司研究室(松山短期大学) 5.質問項目 ・ 学生の所属:学部 3-4 年,短大 1-2 年 ・ 実習時のグループ規模:大企業(5 グループ 48 人),中小企業(19 グループ 57 人) ・ 事業目標の作成:多肢選択式 ・ 事業目標の達成:多肢選択式 ・ 成功要因と失敗要因:自由回答(アフターコー ディング) ・ 自分の役割達成度:多肢選択式 表 1 学習活動の認知水準(cognitive level of learning activities)stated in intended learning outcomes cognitive level of learning activities Reflect (振り返る)
Apply: far problems(適用する:離れた問題に) Hypothesize(仮説を立てる)
Relate to principle(原理に結びつける)
Apply: near problems(適用する:身近な問題に) Explain(説明する)
Argue(主張する) Relate(関係づける)
Comprehend: main ideas(理解する:中心となる考え) Describe(記述する)
Deep Learning
(※ Supply activities to support) ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ Paraphrase(言い換える) Comprehend sentence(文章を理解する) Identify, name(確認する,名前) Memorize(記憶する) ↓ ↓ ↓ Surface Learning 出所:John Biggs and Catherine Tang (2007). p.27, Figure 2.1 を基に筆者作成。
表 2 グループの構成と規模(N = 105) 単位:人 合計 大企業 中小企業 不明 全体 105 47 54 4 100% 45% 51% 4% 学部 3-4 年 53 18 35 0 100% 34% 66% 0% 短大 1-2 年 52 29 19 4 100% 56% 37% 8% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の集計結果から作成。
・ チーム内での役割:自由回答(アフターコーディ ング) ・ ペーパータワーを作り終えた感想:自由回答(ア フターコーディング)
Ⅳ.アンケート調査の結果
1.事業目標の作成とその達成度 ペーパータワーの作成過程を,企業における 1 つの 事業として考えた場合,タワーの高さを具体的に決め ることが,事業目標の設定に当たる。企業では事業目 標を定めた後,ヒト,モノ,カネの経営資源を効率的 に配分していく。本節では,学生たちが事業目標を設 定し達成できたかどうか,学生間の差異を検証する。 これは,学生が立てた事業目標に対する達成度を測る ものであり,「学習活動の認知水準」(表 1)の評価項 目「Comprehend: main ideas(理解する:中心となる 考え)」を測るものである。 (1)事業目標の作成(クロス集計結果) まず,学生たちが事業目標を設定できているかどう かについて調べた。表 3 に示されたように,事業目標 を「作成した」と回答したのは参加学生全体(105 人)の 78%(82 人)であった。事業目標を「作成し た」学生(82 人)について学年別では,「短大 1-2 年」 43 人(83%)に対して,「学部 3-4 年」39 人(74%) であった。事業目標を「作成した」学生(82 人)に ついて企業規模別では,「大企業」38 人(81%)に対 して,「中小企業」41 人(76%)であった。事業において,「Comprehend: main ideas(理解す る:中心となる考え)」があるかどうかは,事業目標 を設定しているかどうかと不可分である。ペーパータ ワー作成において,中心となる考えは,「倒れず,い かに高さを伸ばすか」である。中心となる考え「倒れ ず,いかに高さを伸ばすか」を理解しているからこそ, 105 人中 78%(82 人)もの学生が事業目標を作成した のである。「Comprehend: main ideas(理解する:中 心となる考え)」は,概ね達成していたと考えられる。 (2)事業目標の達成度(クロス集計結果) 表 4 は,表 3 の事業目標を作成した 82 人について, 学年別と企業規模別に事業目標の達成度を示したもの である。参加学生全体(82 人)として,事業目標を 達成「できた」28 人(34%),達成「できなかった」51 人(62%),「不明」3 人(4%)となっている。事業目 標を達成「できなかった」学生(51 人)について,学 年別では「学部 3-4 年」20 人(51%)に対して,「短 大 1-2 年」31 人(72%)であった。事業目標を達成 「できなかった」学生(51 人)について企業規模別で は,「大企業」26 人(68%)に対して,「中小企業」23 人(56%)であった。 参加学生全体で見ても,規模別で見ても,事業目標 の達成度はかなり低い。事業目標を達成できないこと は,現実社会でも日常茶飯事である。この結果は,い かに事業目標の達成が難しいか,学生たちへ現実社会 を学ぶ機会を与えていたと言える。 2.事業目標の達成理由と未達成理由 本節では,事業目標の達成理由と未達成理由を検証 表 3 事業目標の作成(N = 105) 単位:人 合計 作成した 作成しなかった 不明 全体 105 82 13 10 100% 78% 12% 10% 学 年 学部 3-4 年 53 39 11 3 100% 74% 21% 6% 短大 1-2 年 52 43 2 7 100% 83% 4% 13% 企 業 規 模 大企業 47 38 7 2 100% 81% 15% 4% 中小企業 54 41 6 7 100% 76% 11% 13% 不明 4 3 0 1 100% 75% 0% 25% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の集計結果から作成。 表 4 事業目標の達成度(N = 82) 単位:人 合計 できた できなかった どちら ともい えない 不明 全体 82 28 51 0 3 100% 34% 62% 0% 4% 学 年 学部 3-4 年 39 17 20 0 2 100% 44% 51% 0% 5% 短大 1-2 年 43 11 31 0 1 100% 26% 72% 0% 2% 企 業 規 模 大企業 38 12 26 0 0 100% 32% 68% 0% 0% 中小企業 41 15 23 0 3 100% 37% 56% 0% 7% 不明 3 1 2 0 0 100% 33% 67% 0% 0% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の集計結果から作成。
する。本節は,「学習活動の認知水準(表 1)」の「Ar-gue(主張する)」と「Explain(説明する)」を検討す るものである。 (1)事業目標の達成理由(テキストマイニング結果) 表 5 は事業目標の達成理由を示したものである。表 5 中の事業目標「達成」グループ(28 人)の事業目標 達成理由は,「全員の考え方を短時間で共有できた」12 人(43%),「役割分担した」9 人(32%),「目標を明 確にし,共有できた」8 人(29%),「チームワークが 良かった」5 人(18%),「土台がしっかりしていた」4 人(14%)の順で高い。このように事業目標「達成」 グループ(28 人)は,コミュニケーション能力が高 く,事業目標とペーパータワー組み立て方法の共有化 を短時間に進めていたことが,事業目標達成の要因で ある。 他方,表 5 の事業目標「未達成」グループ(51 人) の多くがペーパータワーを倒壊させていた。しかし, この事業目標「未達成」グループ(51 人)は,目標 未達成(ペーパータワー倒壊)の理由を「土台がしっ かりしていなかった」14 人(27%),「アイデア不足」 10 人(20%)と記述していて,自分たちで失敗の理 由付けができている。 (2)事業目標の未達成理由(テキストマイニング結 果) 表 6 は,事業目標の未達成理由を示したものである。 表 6 中の事業目標「未達成」グループ(51 人)の事 業目標未達成理由は,「人数が多くてまとまらない」10 人(20%),「チームワーク不足」9 人(18%),「最初 に検討する時間を取るべきだった」7 人(14%), 「リーダーシップを発揮できなかった」5 人(10%), 「無計画に進んだ」5 人(10%),「目標が明確でなかっ た」5 人(10%)の順で高い。このように事業目標 「未達成」グループ(51 人)は,コミュニケーション の不足,事業目標と事業計画の欠如,リーダーシップ の欠如によって,ペーパータワーを倒壊させたことが 事業目標未達成の要因である。 (3)小括:テキストマイニングを用いた「学習活動 の認知水準(表 1)」の把握 本章第 1 節と第 2 節で検討した通り,学生たちは 「学習活動の認知水準(表 1)」の「Argue(主張す る)」と「Explain(説明する)」を達成していた。 事業目標の達成理由(表 5)を見ると,参加学生全 体(105 人)として,「役割分担した」17 人(16%)や 「目標を明確にし,共有できた」11 人(10%)など, ペーパータワー作成過程を通して現実社会を考察して いる。事業目標の未達成理由(表 6)を見ても,参加 学生全体(105 人)のうち,「最初に検討する時間を とるべきだった」10 人(10%),「チームワーク不足」 10 人(10%),「人数が多すぎて意見がまとまらな かった」10 人(10%)など,現実の事業失敗にも当て はまる理由があげられている。このように,ペーパー タワーの作成過程を通して,学生たちは失敗理由をあ げられるだけでなく,企業における事業活動そのもの の失敗理由も同時に学ぶことができている。以上のこ とから,「学習活動の認知水準(表 1)」の「Relate (関係づける)」についても,実習結果を理解した上で, 現実問題に関連づけられていると言えよう。 3.チーム内での役割とその達成度 本節では,学生たちが自分の役割を理解した上で実 践できたかどうかについて検証する。単に実践できた という自己満足度を測るのではなく,自分の役割を経 営学理論に結びつけて理解できているかどうかを検証 する。つまり,「学習活動の認知水準(表 1)」の「Re-late to principle(原理に結びつける)」ができているか どうかである。本稿で取り上げたペーパータワー作成 のような実践的経営実習において,自己の役割を理解 できているかどうかは,経営学理論そのものを理解で きているかどうかにつながる。 (1)自分の役割達成度(クロス集計結果) 表 7 に示されたように,チーム内で自分の役割が果 たせたかどうか,参加学生全体(105 人)のうち, 62%(65 人)が自分の役割を「果たせた」と回答して いる。学年別で見ると,学部 3-4 年(53 人)で自分の 役割を「果たせた」が 75%(40 人)と高く,短大 1-2 年(52 人)で 48%(25 人)と低い。企業規模別で見 ると,中小企業(54 人)で自分の役割を「果たせた」 76%(41 人)に対して,大企業(47 人)で自分の役割 を「果たせた」49%(23 人)であった。組織規模的に は小規模な方が,個人的な役割は機能しやすいことが わかった。 ペーパータワー作成過程が終わった直後,全体の振 り返りを行った。その振り返りの中で,企業規模と自 分の役割について,学生たちに発言を求めたところ, 表 7 の結果と同じく,「中小企業の方が自分の役割を 果たしやすい」という回答が多かった。全体の振り返 りを通して,中小企業の方が自分の役割を果たしやす いことを学生たちは共有した。このように実習を終え た後,その実習を振り返り,「Relate to principle(原 理に結びつける)」や「Apply: far problems(適用す
失敗してもあきらめず,焦らなかっ た 1 1% 0 0% 1 2% 0 0% 1 2% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 1 4% 人数が多かった 1 1% 1 2% 0 0% 1 2% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 1 4% 土台がしっかりしていなかった 15 14% 2 4% 13 25% 7 15% 7 13% 1 25% 1 4% 14 27% 0 0% 0 0% 行動力/実行力不足 4 4% 1 2% 3 6% 1 2% 3 6% 0 0% 1 4% 1 2% 0 0% 2 9% 行動力/実行力があった 2 2% 1 2% 1 2% 1 2% 1 2% 0 0% 1 4% 1 2% 0 0% 0 0% 責任感を持って行動した 2 2% 0 0% 2 4% 2 4% 0 0% 0 0% 1 4% 1 2% 0 0% 0 0% 慎重になりすぎ,失敗に気づいても 修正,改善(チャレンジ)しなかった 2 2% 0 0% 2 4% 1 2% 0 0% 1 25% 1 4% 0 0% 0 0% 1 4% 作業効率が悪かった 2 2% 1 2% 1 2% 1 2% 1 2% 0 0% 1 4% 0 0% 0 0% 1 4% 目標の設定が低すぎた 1 1% 1 2% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 1 4% 0 0% 0 0% 0 0% 条件が悪かった 1 1% 1 2% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 1 4% 0 0% 0 0% 0 0% 中小企業だからこそ意見が反映され まとまりやすい 3 3% 2 4% 1 2% 0 0% 3 6% 0 0% 1 4% 0 0% 1 33% 1 4% 意見が出たら否定せずとりあえずや ってみる姿勢が成功につながった 1 1% 1 2% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 1 4% 0 0% 0 0% 0 0% 失敗した方法の原因を話し合えた 2 2% 2 4% 0 0% 0 0% 2 4% 0 0% 1 4% 0 0% 0 0% 1 4% 役割分担できていなかった 5 5% 3 6% 2 4% 2 4% 3 6% 0 0% 2 7% 3 6% 0 0% 0 0% 沢山のアイデアがでた 3 3% 0 0% 3 6% 1 2% 2 4% 0 0% 2 7% 0 0% 1 33% 0 0% リーダーの求心力が良かった 8 8% 4 8% 4 8% 5 11% 2 4% 1 25% 2 7% 0 0% 1 33% 5 22% アイデア不足 16 15% 10 19% 6 12% 3 6% 13 24% 0 0% 3 11% 10 20% 0 0% 3 13% 土台がしっかりしていた 5 5% 0 0% 5 10% 0 0% 5 9% 0 0% 4 14% 0 0% 0 0% 1 4% チームワークが良かった 13 12% 9 17% 4 8% 3 6% 9 17% 1 25% 5 18% 3 6% 1 33% 4 17% 目標を明確にし,共有できた 11 10% 9 17% 2 4% 6 13% 5 9% 0 0% 8 29% 3 6% 0 0% 0 0% 役割分担した 17 16% 10 19% 7 13% 10 21% 5 9% 2 50% 9 32% 3 6% 1 33% 4 17% 全員の考えを短期間に共有できた 17 16% 11 21% 6 12% 5 11% 11 20% 1 25% 12 43% 0 0% 0 0% 5 22% 合計 105 100% 53 100% 52 100% 47 100% 54 100% 4 100% 28 100% 51 100% 3 100% 23 100% 単位:人 全体 学部 3-4 年 短大 1-2 年 大企業 中小企業 不明 達成 未達成 不明 目標 未作成 学 年 企 業 規 模 事 業 目 標 表 5 事業目標の達成理由(テキストマイニング結果,N = 105,複数抽出) 出所:筆者らが実施したアンケート調査の「成功要因と失敗要因」集計結果から作成。 注 1:表中の網掛け箇所は前向き意見,表中の白抜き箇所は後ろ向き意見をそれぞれ表している。 注 2:学生 1 人に対して一意ではなく,文章を単語や文節で区切り出現の頻度から抽出した。
人数が多すぎて意見がまとまらなか った 10 10% 0 0% 10 19% 9 19% 1 2% 0 0% 0 0% 10 20% 0 0% 0 0% チームワーク不足 10 10% 4 8% 6 12% 6 13% 3 6% 1 25% 0 0% 9 18% 0 0% 1 4% 最初に検討する時間をとるべきだっ た 10 10% 4 8% 6 12% 7 15% 3 6% 0 0% 0 0% 7 14% 1 33% 2 9% リーダーシップを発揮できなかった 5 5% 1 2% 4 8% 5 11% 0 0% 0 0% 0 0% 5 10% 0 0% 0 0% 無計画に進んだ 6 6% 3 6% 3 6% 4 9% 2 4% 0 0% 0 0% 5 10% 0 0% 1 4% 目標が明確でなかった 8 8% 5 9% 3 6% 5 11% 3 6% 0 0% 0 0% 5 10% 0 0% 3 13% 支柱が弱かった 4 4% 0 0% 4 8% 2 4% 2 4% 0 0% 0 0% 4 8% 0 0% 0 0% それぞれの意見を聞き出せなかった 4 4% 2 4% 2 4% 3 6% 0 0% 1 25% 0 0% 4 8% 0 0% 0 0% 他の人の意見を聞くべきだった 4 4% 3 6% 1 2% 1 2% 2 4% 1 25% 0 0% 4 8% 0 0% 0 0% 時間不足 5 5% 2 4% 3 6% 2 4% 3 6% 0 0% 0 0% 4 8% 0 0% 1 4% 他のグループが気になったり,時間 が無くなったりして焦った 5 5% 3 6% 2 4% 2 4% 2 4% 1 25% 0 0% 3 6% 0 0% 2 9% 他人のモノマネで独自のアイデアで はなかった 2 2% 0 0% 2 4% 2 4% 0 0% 0 0% 0 0% 2 4% 0 0% 0 0% 失敗の原因をつきとめ改善しなかっ た 3 3% 1 2% 2 4% 2 4% 1 2% 0 0% 0 0% 2 4% 0 0% 1 4% コミュニケーションがとれなかった 3 3% 2 4% 1 2% 2 4% 1 2% 0 0% 0 0% 2 4% 0 0% 1 4% 自分の意見を出すことができなかっ た 2 2% 2 4% 0 0% 1 2% 1 2% 0 0% 0 0% 2 4% 0 0% 0 0% 時間配分ができていなかった 2 2% 1 2% 1 2% 0 0% 2 4% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 1 4% 他のグループに関心を向け参考にす べきだった 3 3% 3 6% 0 0% 0 0% 3 6% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 2 9% 人数不足 2 2% 1 2% 1 2% 0 0% 2 4% 0 0% 0 0% 1 2% 0 0% 1 4% 意見を聞いてもらえなかった 1 1% 0 0% 1 2% 1 2% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 1 4% 目標を具体的にしなかったので各個 人が頑張れた 1 1% 0 0% 1 2% 1 2% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 1 4% 合計 105 100% 53 100% 52 100% 47 100% 54 100% 4 100% 28 100% 51 100% 3 100% 23 100% 単位:人 全体 学部 3-4 年 短大 1-2 年 大企業 中小企業 不明 達成 未達成 不明 目標 未作成 学 年 企 業 規 模 事 業 目 標 表 6 事業目標の未達成理由(テキストマイニング結果,N = 105,複数抽出) 出所:筆者らが実施したアンケート調査の「成功要因と失敗要因」集計結果から作成。 注 1:表中の網掛け箇所は前向き意見,表中の白抜き箇所は後ろ向き意見をそれぞれ表している。 注 2:学生 1 人に対して一意ではなく,文章を単語や文節で区切り出現の頻度から抽出した。
る:離れた問題に)」を促すことも,学生に対する教 員の学習支援である。 (2)自分の役割(テキストマイニング結果) 学生たちが自分の役割を経営学理論にそって実践し ていたかどうかを検証する。チーム内での自分の役割 を示したものが表 8 である。チーム内での自分の役割 について,参加学生全体(105 人)では,「アイデア を出す,意見を出す」37 人(35%),「構想を練る」17 人(16 %),「 リ ー ダ ー シ ッ プ を 発 揮 す る 」16 人 (15%)といった概念的な役割をあげている場合と, 「パーツ作り」20 人(19%),「強度の確保 / 土台の安 定」18 人(17%)などの具体的な作業内容をあげてい る場合がある。前者は経営者の役割,後者は労働者の 役割である。経営者と労働者の役割を区別することは, 実践的経営における役割分担の検証にも通じ,学生た ちはある程度,経営学理論を理解していると言えよう。 学生たちは「学習活動の認知水準(表 1)」の「Re-late to principle(原理に結びつける)」について,おお むね到達していると考えられる。 チーム内での自分の役割について,表 8 より企業規 別に見ると,大企業(47 人)では,「アイデアを出す, 意見を出す」19 人(40%),「パーツ作り」13 人(28%) などが高い。大人数の中で自分の役割を理解した上で, 実践している学生もいる。その一方で,大人数での 「自分の役割がよくわからない」4 人(9%)という学 生もいた。「自分の役割がよくわからない」学生は,5 人全員,自分の役割が「果たせなかった」グループに 属している。大企業ほど受動的・消極的な態度では, 自分の存在意義が見つけられないことを,ペーパータ ワー作成過程を通して学生たちは体感している。 チーム内での自分の役割について,表 8 より役割達 成度別に見ると,自分の役割が「果たせた」グループ (65 人)で,貢献度が高いものは,「アイデアを出す, 意見を出す」25 人(38%),「構想を練る」13 人(20%), 「チームのサポート」12 人(18%)である。具体的な アプローチを行った学生ほど,自分の役割を果たせた と認識していることが明らかになった。自分の役割が 「果たせなかった」グループ(35 人)で,貢献度が低 い も の は,「 ア イ デ ア を 出 す, 意 見 を 出 す 」12 人 (34%),「パーツ作り」8 人(23%),「強度の確保/土 台の安定」8 人(23%)である。これらの中で,「アイ デアを出す,意見を出す」は,経営者と労働者の両方 の役割である。「構想を練る」と「チームのサポート」 は,経営者の役割であり,「パーツ作り」と「強度の 確保/土台の安定」は労働者の役割である。経営者の 役割を担った学生は,自分の役割を果たしたと感じて いる。その一方で,労働者の役割を担った学生は,自 分の役割を果たしていないと感じている。 (3)小括:ペーパータワー作成授業の改善点 経営者の役割を担った学生は,自分の役割を「果た せた」と感じていて,労働者の役割を担った学生は, 自分の役割を「果たせなかった」と感じている傾向が あった。経営者だけでなく労働者も問題解決を図る役 割を担うべきだとするトヨタ自動車の生産方式「カイ ゼン」を体感するまでには至らなかった1)。 ペーパータワー作成授業の改善点は,労働者の役割 を担った学生たちが,トヨタ自動車の「カイゼン」の ように知恵を出し合える仕組みづくりが必要であろう。 4.自由記述式の振り返りなど(テキストマイ ニング結果) 表 9 は,ペーパータワー作成過程の振り返りに関す る自由記述を整理したものである。表 9 に示されたよ うに,参加学生全体(105 人)の中で,「グループ ワークは楽しく,役立った」37 人(35%)や「全員で 協 力 す る こ と / 共 有 化 す る こ と の 重 要 性 」31 人 (30%)が多く,ペーパータワー作成過程を感覚的に 捉えている傾向がある。 感覚的な回答を除くと,短大 1-2 年生は「各人の適 性に合わせた役割の重要性」16 人(23%),「リーダー シップの重要性」10 人(19%)など,組織運営を意識 している傾向がある。学部 3-4 年生は「企業規模の差 を学び,就職先を考える際の参考になった」8 人 (15%)という個人的な目的志向も見られた。短大 表 7 チーム内での役割達成度(N = 105) 単位:人 合計 果たせた 果たせなかった 不明 全体 105 65 35 5 100% 62% 33% 5% 学 年 学部 3-4 年 53 40 10 3 100% 75% 19% 6% 短大 1-2 年 52 25 25 2 100% 48% 48% 4% 企 業 規 模 大企業 47 23 22 2 100% 49% 47% 4% 中小企業 54 41 10 3 100% 76% 19% 6% 不明 4 1 3 0 100% 25% 75% 0% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の集計結果から作成。
1-2 年生が意識している組織運営や,学部 3-4 年生で 見られた個人的な目的志向も,「学習活動の認知水準 (表 1)」の「Apply: near problems(適用する:身近な
問題に)」である。 「成功要因と失敗要因」(表 5,表 6),「チーム内で の役割」(表 7),「ペーパータワーを作り終えた感想」 (表 9)について,抽出語を用いた対応分析の結果を 図 1 に示した。図 1 に示されたように,表中「中小企 業・役割を果たせた」グループの付近には「チーム」, 「目標」,「楽しい」などが抽出されているので,事業 目標を設定し,チームワークも良く,楽しみながら自 分の役割を果たしたという「自分の役割を果たせた中 企業」グループの特徴が表れている。表中「中小企 業・役割を果たせなかった」グループの付近には「企 業」が抽出されているので,大企業と中小企業の企業 規模の違いは理解できたという「自分の役割を果たせ なかった中小企業」グループの特徴が表れている。 また,表中「大企業・役割を果たせた」グループと 表中「大企業・役割を果たせなかった」の付近には, 「役割」が抽出されているので,大人数における自分 の役割を見つけ出せたかどうかという「自分の役割を 果たせた大企業」グループと「自分の役割を果たせな かった大企業」グループの特徴が表れている。
Ⅴ.考察
ペーパータワー作成を通じた深い学びの到達度を表 10 にまとめた。本稿で検証した通り,ペーパータ ワー作成過程から,学生たちの深い学びを汲み取るこ とができた。ペーパータワー作成過程を通して,①中 小企業の方が大企業よりも,自分の役割を果たしやす いことを学生たちは学生間で共有していた。②また, 表 8 チーム内での役割(テキストマイニング結果,N = 105,複数抽出) 単位:人 合計 アイデアを出す,意見を出す パーツ作り 強度の確保/土台の安定 構想を練る リーダーシップを発揮する チームのサポート グループ内で共有させる 行動に移す/実行力 アイデア共有の場をつくる 役割分担の指示 自分の役割がよくわからない 全体 105 37 20 18 17 16 15 9 6 5 5 5 100% 35% 19% 17% 16% 15% 14% 9% 6% 5% 5% 5% 学 年 学部 3-4 年 53 20 8 10 7 10 11 7 4 4 5 0 100% 38% 15% 19% 13% 19% 21% 13% 8% 8% 9% 0% 短大 1-2 年 52 17 12 8 10 6 4 2 2 1 0 5 100% 33% 23% 15% 19% 12% 8% 4% 4% 2% 0% 10% 企 業 規 模 大企業 47 19 13 5 8 6 7 4 2 1 1 4 100% 40% 28% 11% 17% 13% 15% 9% 4% 2% 2% 9% 中小企業 54 16 7 12 8 8 8 5 4 4 4 1 100% 30% 13% 22% 15% 15% 15% 9% 7% 7% 7% 2% 不明 4 2 0 1 1 2 0 0 0 0 0 0 100% 50% 0% 25% 25% 50% 0% 0% 0% 0% 0% 0% チーム内での役割 果たせた 65 25 10 9 13 11 12 6 5 5 4 0 100% 38% 15% 14% 20% 17% 18% 9% 8% 8% 6% 0% 果たせなかった 35 12 8 8 3 5 3 1 1 0 1 1 100% 34% 23% 23% 9% 14% 9% 3% 3% 0% 3% 14% 不明 5 0 2 1 1 0 0 2 0 0 0 0 100% 0% 40% 20% 20% 0% 0% 40% 0% 0% 0% 0% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の「チーム内での役割」集計結果から作成。 注 1:学生 1 人に対して一意ではなく,文章を単語や文節で区切り出現の頻度から抽出した。 注 2:回答者数 5 人以上の 11 項目を表示しているが,回答者数 4 人以下の残り 4 項目は割愛している。大企業ほど受動的・消極的な態度では自分の存在意義 が見つけにくいと学生たちは体感していた。③さらに, 「アイデアを出す,意見を出す」ことや「リーダー シップの重要性」は,経営者と労働者のどちらの役割 でも重要であることを学生たちは体験を通じて学習し た。ペーパータワー作成を経験した学生は,「アイデ アを出す,意見を出す」ことや「リーダーシップの重 要性」が現実社会でも重要だという「深い学び」に 至ったと言える。 しかしながら,ペーパータワー作成過程だけで,学 生たちに深い学びが得られたわけではない。ペーパー タワー作成実習に入る以前の授業 13 回の積み重ねに よって,大企業と中小企業における経営資源,賃金, 生産性などの企業規模格差に関する深い学びを提供し ていた影響もある。本稿における分析結果は,ペー パータワー作成実習に参加した学生だけを調査対象に した結果である。ペーパータワー作成過程の学習効果 を測るなら,ランダムに学生を「ペーパータワー実習 に参加するグループ」と「ペーパータワー実習に参加 しないグループ」にわけた上で,「学習活動の認知水 準(表 1)」を比較すべきであった。 また,本稿では「深い学び」の分析方法としてデー タマイニングを用いて,文章を単語や文節で区切り出 現の頻度から抽出した。しかし,単にコーディングを 行うのではなく,「深い学び」とは問題解決で使われ るスキルの修得と捉え,Donald R. Woods (1994)の 「『問題解決』で使われるスキル」を基にコーディング すべきであった2)。 調査対象と分析手法の改善は,次稿へ持ち越したい。 本稿には特筆すべき気づきがあった。教員は,学生 たちのペーパータワー作成を成功させて学ばせること に主眼を置きがちである。しかしながら,本稿の分析 表 9 ペーパータワーを作り終えた感想(テキストマイニング結果,N = 105,複数抽出) 単位:人 合計 グループワークは楽しく,役立 った ることの重要性 全員で協力すること/共有化す 要性 各人の適性に合わせた役割の重 リーダーシップの重要性 全員で意見を出すことの重要性 であること 意見を積極的に出すことが重要 りやすく,団結力も強まる 中小企業の方が自分の意見も通 りがい)は相関関係にない 企業規模と業務内容(安心・や く,求心力が必要 大企業は自分の意見が通りづら 考えるときの参考になった 企業規模の差を学び,就職先を 目標設定の重要性 全体 105 37 31 16 16 11 10 10 10 9 9 8 100% 35% 30% 15% 15% 10% 10% 10% 10% 9% 9% 8% 学 年 学部 3-4 年 53 14 16 4 6 6 5 2 2 2 8 2 100% 26% 30% 8% 11% 11% 9% 4% 4% 4% 15% 4% 短大 1-2 年 52 23 15 12 10 5 5 8 8 7 1 6 100% 44% 29% 23% 19% 10% 10% 15% 15% 13% 2% 12% 企 業 規 模 大企業 47 21 15 10 9 9 3 4 8 7 1 2 100% 45% 32% 21% 19% 19% 6% 9% 17% 15% 2% 4% 中小企業 54 14 15 5 6 2 6 5 2 2 8 5 100% 26% 28% 9% 11% 4% 11% 9% 4% 4% 15% 9% 不明 4 2 1 1 1 0 1 1 0 0 0 1 100% 50% 25% 25% 25% 0% 25% 25% 0% 0% 0% 25% チーム内での役割 果たせた 65 20 20 12 11 5 9 6 5 4 8 4 100% 31% 31% 18% 17% 8% 14% 9% 8% 6% 12% 6% 果たせなかった 35 17 10 4 5 6 1 3 5 5 0 4 100% 49% 29% 11% 14% 17% 3% 9% 14% 14% 0% 11% 不明 5 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 100% 0% 20% 0% 0% 0% 0% 20% 0% 0% 20% 0% 出所:筆者らが実施したアンケート調査の「ペーパータワーを作り終えた感想」集計結果から作成。 注 1:学生 1 人に対して一意ではなく,文章を単語や文節で区切り出現の頻度から抽出した。 注 2:回答者数 8 人以上の 11 項目を表示しているが,回答者数 7 人以下の残り 10 項目は割愛している。
でわかったことは,ペーパータワー作成に失敗したほ うが,「学習活動の認知水準(表 1)」の達成度が大き かったことである。具体的には,第 1 に,学生たちは 事業目標を達成できなかったことについて,自分たち で理由付けできたことである。第 2 に,「パーツ作り」 に貢献できなった,「役割がよくわからない」学生た ちが企業や組織における「リーダーシップの重要性」 を説いていることである。成功から学ぶだけでなく, 失敗から学ぶことで,学生たちを大きく成長させる3)。
Ⅵ.むすびに
学生たちに大学教員は,「深い学び(Deep Learn-ing)」を,どのように提供したらよいのだろうか。筆 者らは,授業 13 回を積み重ねた後の振り返り実習と して,ペーパータワー作成実習を実施した。ペーパー タワー作成過程を通して,①中小企業の方が大企業よ りも,自分の役割を果たしやすいことを学生たちは学 生間で共有していた。②また,大企業ほど受動的・消 極的な態度では自分の存在意義が見つけにくいを学生 たちは体感していた。③さらに,「アイデアを出す, 意見を出す」ことや「リーダーシップの重要性」が, 経営者と労働者のどちらの役割でも重要であることを 学生たちは体験を通じて学習した。 ペーパータワー作成を通して,学生たちは「アイデ アを出す,意見を出す」ことや「リーダーシップの重 要性」が現実社会でも重要だという「深い学び」に 至った。本稿で明らかになったことは,倒壊するなど ペーパータワー作成に失敗することも,重要だという ことである。成功から学ぶだけでなく,失敗から学ぶ ことが学生を大きく成長させる。学生たちに,現実社 会に通じる体験を提供することが「深い学び」の第一 歩であり,学生に対する教員の学習支援であると結論 づける。 中企業・役割を果たせた 中企業・役割を果たせなかった 大企業・役割を果たせなかった 大企業・役割を果たせた 先生 行動 多い 人数 協力 大企業 分かる アイディア 企業 グループ 自分 チーム 目標タワー 人 楽しい リーダー 意見 成分1(48.8%) 成分 2( 34.89 %) 2 ワーク まとめる -2 -1 0 1 2 3 役割 体験 経験 作業 授業 中小企業コミュニケーション 少ない 1 0 -1 3 図 1 抽出語を用いた対応分析の結果 出所:筆者らが実施したアンケート調査の「成功要因と失敗要因」,「チーム内での役割」,「ペーパータワーを作り終えた感想」の 各集計結果から作成。註 1) 日本経団連出版編(2011)『人事・労務用語辞典第 7 版』 によれば,カイゼンとは,主に製造業の生産現場で行わ れている作業の見直し活動のことを指す。以下,日本経 団連出版編(2011)による。カイゼンは,作業効率の向 上や安全性の確保などに関して,経営陣から指示される のではなく,現場の作業者が中心となって知恵を出し合 い,ボトムアップで問題解決をはかっていく点に特徴が ある。この概念は海外にも「kaizen」という名前で広く 普及し,とくにトヨタ自動車のカイゼンは有名であり, トヨタ生産方式の強みの一つとして高く評価されている。 2) ドナルド R. ウッズ(2001)では,「『問題解決』で使われ るスキル」(邦訳 20 頁,図 3-1)を整理した上で,「問題 解決についてのフィードバック」(邦訳 38 頁,表 3-6)12 項目を示している。 3) 潮(2014)では,事業に成功したほうが学びの効果が大 きく(「総じて黒字グループの方が,教育効果が高かった」 25 頁)),本稿の分析とは逆の結果となっている。 参考文献
[1] John Biggs and Catherine Tang (2007). Teaching for Quality learning at University, 3rd Edition, London; Soci-ety for Research into Higher Education and Open Uni-versity Press.
[2] Donald R. Woods (1994). Problem-Based Learning: how to gain the most from PBL, Woods publishing, Hamilton; W.L. Griffin(ドナルド R. ウッズ著,新道幸恵訳(2001) 『PBL(Problem-Based Learning):判断力を高かめる主 体的学習』医学書院). [3] 潮清孝(2014)「ペーパータワー」を用いた会計教育の取 り組みとその効果」,日本会計教育学会『会計教育研究』 20-30 頁。 [4] 日本経団連出版編(2011)『人事・労務用語辞典第 7 版』 日本経団連出版。 [5] 文部科学省中央教育審議会(2016)「次期学習指導要領な どに向けたこれまでの審議のまとめ補足資料」。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/ 004/gaiyou/1377051.htm 表 10 ペーパータワー作成実習を通じた深い学びの提供
stated in intended learning outcomes Paper Tower cognitive level of learning activities Reflect(振り返る)
Apply: far problems(適用する:離れた問題に) Hypothesize(仮説を立てる)
Relate to principle(原理に結びつける)
Apply: near problems(適用する:身近な問題に) Explain(説明する)
Argue(主張する) Relate(関係づける)
Comprehend: main ideas(理解する:中心となる考え) Describe(記述する) 到達 到達 到達 到達 到達 到達 到達 Deep Learning
(※ Supply activities to support) ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ Paraphrase(言い換える) Comprehend sentence(文章を理解する) Identify, name(確認する,名前) Memorize(記憶する) ↓ ↓ ↓ Surface Learning