• 検索結果がありません。

うつ・不安に対する8週間のマインドフルネス集団療法の効果とプロセス変数の検討―マインドワンダリング 、セルフコンパッション、BIS/BAS―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "うつ・不安に対する8週間のマインドフルネス集団療法の効果とプロセス変数の検討―マインドワンダリング 、セルフコンパッション、BIS/BAS―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-28 352

-うつ・不安に対する 8 週間のマインドフルネス集団療法の効果とプロセス変数の検討

―マインドワンダリング 、セルフコンパッション、BIS/BAS―

○高橋 徹1,2)、杉山 風輝子6)、木甲斐 智紀1)、川島 一朔3)、管 思清1)、小口 真奈1)、内田 太郎4) 熊野 宏昭5) 1 )早稲田大学大学院人間科学研究科、 2 )日本学術振興会特別研究員、 3 )早稲田大学総合研究機構、 4 )早稲田大学人 間科学部、 5 )早稲田大学人間科学学術院、 6 )文京学院大学 目的今この瞬間の体験に意識的に気づき、評価判断 しない心のあり方を、マインドフルネスという。マイ ンドフルネスに基づいた介入の標準化されたものとし て、マインドフルネスストレス低減法とマインドフル ネス認知療法という 8 週間のプログラムがある。これ らは多くのランダム化比較試験によって、うつや不安 などの心理的問題に対して効果があることが示されて いる。また、その作用機序も多くの研究で検討されて いる。近年の系統的レビューによると、自己評定のマ インドフルネス傾向の向上と、ネガティブな反復的思 考の減少が、効果を媒介することが頑健に示されてい る(Alsubaie et al., 2017)。しかし本邦では、う つ・不安の問題に対して 8 週間のマインドフルネスプ ログラムの効果を検討した研究は未だ多くない。そこ で、うつ・不安の問題を抱える人に対して、標準プロ グラムを基にした 8 週間の介入を行い、その効果を検 討することを第一の目的とする。次に、 8 週間のマイ ンドフルネスプログラムの効果を媒介する変数の候補 は多くあり、未だ十分な検討がなされていないものと して、マインドワンダリング、セルフコンパッション、 BIS/BASに着目する。マインドワンダリングとは、目 の前の課題や出来事とは関係のない思考や感情に注意 が逸れる現象である。マインドワンダリングのしやす さは、抑うつの高さ(Smallwood et al., 2007)、マ インドフルネス傾向の低さ(Mrazek et al., 2012) と関連する。マインドワンダリングの減少は 8 週間の マインドフルネス介入の効果を媒介すると考えられる が、意外にも検討がされていない。セルフコンパッ ションは、自己の苦痛の緩和のために、思いやりの気 持 ち を 持 っ て 自 己 と 接 す る こ と で あ る(Neff, 2003b)。再発性のうつに対するマインドフルネス認知 療法で、セルフコンパッションが重要な媒介変数であ ることが示されているが(Kuyken et al., 2010)、現 在のうつ・不安に対する検討は十分になされていな い。BIS(Behavioral inhibition system)は、罰や無 報酬の信号に対して活性化して行動を抑制し、BAS (Behavioral activation system)は、報酬などの信 号に対して活性化して行動を賦活するシステムであ る。BISはうつ・不安の高さと関連し、BASはうつの低 さと関連する(山形他, 2011)。マインドフルネス傾

向 はBISの 低 さ、BASの 高 さ と 関 連 す る(Reese et al., 2015)ことから、BIS/BASは、マインドフルネス プログラムの効果を媒介する可能性があるが、未だ検 討されていない。以上から本研究の次の 3 点を検証す ることを目的とする。 1 )アウトカムの改善: 8 週間 のマインドフルネスプログラムがうつ・不安を減少す る、 2 )プロセス変数の改善:マインドフルネス、セ ルフコンパッション、BASの向上、マインドワンダリ ング 、BIS、 3 )アウトカムの改善とプロセス変数の 改善が相関する。 【方法】 手続き・参加者関東圏の精神科クリニックで,不安 や気分の落ち込みに悩む人を対象に,標準プログラム を基にした 8 週間のマインドフルネス介入を実施し た。 2 クール実施し,計17名が参加した。介入前後 (pre, post)と、 2 ヶ月後(follow up: FU)で以下 の尺度に回答を求めた。早稲田大学「人を対象とする 研究に関する倫理委員会」の承認を得た。測定指標ア ウトカム:うつ(BDI-2; Kojima et al., 2002),特 性不安(STAI- T ; 清水・今栄, 1981),プロセス変数: マ イ ン ド フ ル ネ ス(F i v e F a c e t M i n d f u l n e s s Questionnaire; FFMQ; Sugiura et al., 2012: Mindful Attention Awareness Scale; 藤 野 他, 2015), マ イ ン ド ワ ン ダ リ ン グ(Mind Wandering Questionnaire; 梶村・野村, 2016)、セルフコンパッ ション尺度短縮版(Self-compassion scale-short form; 有光他, 2016)、BIS/BAS尺度(高橋他, 2007)。 解析postとFUで回答が得られなかった 1 名を除き、16 名(平均41.3歳, SD 9.2)を解析対象とした。 1 要因 分散分析(参加者内)をアウトカム、プロセス変数に 対して行った。介入前後の変化量(post, pre-FU)を算出し、アウトカムとプロセス変数の変化量間 で、スピアマンの順位相関係数を算出した。結果各変 数の平均・標準偏差と、分散分析と事後検定の結果を 表 1 に示す。アウトカムに関しては、うつと不安が有 意に改善し、その改善がFUでも維持されたことが示さ れた。プロセス変数に関しては、FFMQ合計とその下位 因子である観察、反応しない、が介入前後で有意に改 善した。判断しない、はFUまでで有意に改善した。そ の他、セルフコンパッション合計と、その下位因子で

(2)

日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-28 353 -あるポジティブ因子、ネガティブ因子がFUまでで有意 に改善した。変化量間の相関の結果を、表 2 に示す。 うつと不安の両方において、介入前後では反応しない の改善が有意あるいは有意傾向で関連した。FUまでに 改善においては判断しないの改善が有意に関連した。 また、特性不安とは体験の言語化の改善が有意に関連 した(介入前後とFUまでの両方で)。セルフコンパッ ションの改善は、うつと不安の両方の改善と有意に関 連した。マインドワンダリングとBASの改善は、アウ トカムと関連しなかったが、BISの減少は不安の改善 と関連し(pre-post)、pre-FUでは有意傾向でうつと 不安の両方と関連した。考察まず、アウトカムの改善 が示され、本邦においても 8 週間のマインドフルネス 介入がうつや不安の問題に有効であることが示され た。次に、プロセス変数においては、先行研究と同様 にマインドフルネスの改善が示された。その中でも、 反応しないと判断しないの改善は、うつと不安の改善 と関連し、その重要性が示された。セルフコンパッ ションはFUまでで有意に改善した。セルフコンパッ ションの改善とうつ・不安の改善の関連は大きく、先 行研究と一貫して、媒介変数としての重要性が改めて 示された。一方で、マインドワンダリングとBIS/BAS に関しては、有意な改善が見られなかった。マインド ワンダリングは、必ずしも反すうなどのように固執的 な認知となるとは限らず、非機能的ではない要素も あった可能性が考えられる。BIS/BASに関しては、気 質的なものとして想定されているため、 8 週間の介入 では変化しない可能性が考えられる。本研究の限界点 として、統制群がなかったことが挙げられる。今後 は、統制群を設け、因果関係を検証する必要がある。 主要引用文献Alsubaie, M., Abbott, R., Dunn, B., Dickens, C., Keil, T. F., Henley, W., & Kuyken, W. (2017). Mechanisms of action in mindfulness-based cognitive therapy (MBCT) and mindfulness-based stress reduction (MBSR) in people with physical and/or psychological conditions: A systematic review. Clinical psychology review, 55, 74-91.

参照

関連したドキュメント

様々な国の子供の死亡原因とそれに対する介入・サービスの効果を分析すると、ミレニ アム開発目標 4

少子化と独立行政法人化という二つのうね りが,今,大学に大きな変革を迫ってきてい

今日のお話の本題, 「マウスの遺伝子を操作する」です。まず,外から遺伝子を入れると

一般社団法人日本自動車機械器具工業会 一般社団法人日本自動車機械工具協会 一般社団法人日本自動車工業会

 がんは日本人の死因の上位にあり、その対策が急がれ

 第一の方法は、不安の原因を特定した上で、それを制御しようとするもので

*課題関連的訓練(task-related training)は,目的志向的訓練(task-oriented

推計方法や対象の違いはあるが、日本銀行 の各支店が調査する NHK の大河ドラマの舞 台となった地域での経済効果が軒並み数百億