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試験結果の概要
試験実施者(企業名) 武田薬品工業株式会社
商品名 TAK-085
有効成分名 Omega-3-acid ethyl esters 90 (Ph.Eur), Omega-3-acid ethyl esters (USAN)
試験の名称 TAK-085 の高トリグリセライド血症患者を対象とした第 III 相 長期投与試験 試験実施医療機関及び 試験責任医師名 日本における治験責任医師 50 名(日本における治験実施医療 施設 50 施設) 公表文献(本試験結果の報告文献) なし 試験期間 (最初の被験者の同意取得日~最 後の被験者の治療期終了日) 2009 年 11 月 11 日 ~2011 年 7 月 26 日 試験のフェーズ 第 III 相 試験の目的 生活習慣の改善指導を受けている高トリグリセライド血症患 者を対象に、TAK-085 を長期投与したときの安全性及び有効 性を検討する。 試験の方法 本試験は、生活習慣の改善指導を受けている高トリグリセラ イド血症患者に TAK-085 2 g(分 1)又は 4 g(分 2)を 52 週 間投与する第 III 相多施設共同非盲検試験である。また、 TAK-085 2 g 又は 4 g を 52 週間投与した安全性評価を行う際 の参考とするため参照群として EPA-E1.8 g(分 3)を 52 週間 投与する。被験者を各群に、HMG-CoA 還元酵素阻害薬投与 の有無により層別割付けを行う。 被験者数 (計画時・解析時) 計画: 無作為化:495 例(165 例/群) 完了例:450 例(150 例/群) 解析: 最大の解析対象集団(FAS):503 例(TAK-085 2g 群:165 例、 TAK-085 4g 群:171 例、EPA-E 1.8g 群:167 例) 安全性解析集団:503 例(TAK-085 2g 群:165 例、TAK-085 4g 群:171 例、EPA-E 1.8g 群:167 例) 対象基準 <対象> 高トリグリセライド血症患者 <主要な選択基準> Visit 1(Week -4)
2 1. 生活習慣の改善指導を受けている患者 2. Visit 1 (Week -4)に測定したトリグリセライド(TG)(空 腹時)が 150 mg/dL 以上 750 mg/dL 未満の患者 3. 性別不問、同意取得時点においての年齢が 20 歳以上 75 歳 未満 4. 外来 5. 治験の内容を理解し、それを遵守する能力がある者 6. 治験への参加に先立って、文書により同意が得られる者 7. 妊娠する可能性のある女性(閉経前の女性、不妊手術を受 けていない女性)の場合、観察期から治験期間中を通して 適切な避妊の実施(同意・説明文書に記載)に同意する者 Visit 2(Week -2) 8. Visit 2 (Week -2)に測定した TG(空腹時)が 150 mg/dL 以 上 750 mg/dL 未満の患者
9. Visit 1 (Week -4)、Visit 2 (Week -2)に測定した LDL-C(空 腹時)の 2 時点の値の差が高いほうの値の 25%以内*であ る患者 *小数点第一位で四捨五入。 <主要な除外基準> Visit 1(Week -4) 1. Visit 1 (Week -4)前 6 ヵ月以内に冠動脈疾患(確定診断され た心筋梗塞、狭心症)を発症した患者又は血管再開通術の 既往歴がある患者 2. Visit 1(Week -4) 前 6 ヵ月以内に大動脈瘤切除術を実施し た又は大動脈瘤を合併している患者 3. Visit 1 (Week -4)前 6 ヵ月以内に臨床上問題のある出血性 の疾患(例:血友病、毛細血管脆弱病、消化管潰瘍、尿路 出血、喀血、硝子体出血等)の既往歴又は合併がある患者 4. これまでに膵炎と診断されたことがある患者 5. これまでにリポ蛋白リパーゼ(LPL)欠損症、アポ C-II 欠 損症、家族性 III 型高脂血症と診断されたことがある患者 6. クッシング症候群、尿毒症、全身性エリテマトーデス (SLE)、血清蛋白異常症を合併している患者 7. 1 型糖尿病患者又はコントロール不可の状態(Visit 1
3 (Week -4) に測定したヘモグロビンA1C(HbA1C)が 8.0% 以上)である 2 型糖尿病患者 8. III 度高血圧(降圧薬投与の有無にかかわらず収縮期血圧 が 180 mmHg 以上、又は拡張期血圧が 110 mmHg 以上)を 合併している患者 9. Visit 1 (Week -4)に測定したアラニンアミノトランスフェ ラーゼ(ALT)又はアスパラギン酸アミノトランスフェラ ーゼ(AST)が基準値上限の 2 倍以上の患者 10. 妊婦又は授乳婦である女性 11. アルコール量換算で 1 日平均 100 mL を超える程度の飲酒 を常習とする患者又は薬物の濫用、依存症並びにそれらの 既往のある患者 12. Visit 1 (Week -4)前 4 週間以内に高脂血症治療薬の投与を 開始した患者 13. Visit 1 (Week -4)前 12 週間以内に他の治験薬(製造販売後 臨床試験薬も含む)を服用した患者 14. 過去に治験で、TAK-085 の投与を受けたことがある者 15. その他、治験責任医師又は治験分担医師が当該治験の被験 者として不適当と判断した患者 Visit 2(Week -2)
16. Visit 2 (Week -2)に測定した ALT 又は AST が基準値上限の 2 倍以上の患者 17. 観察期間中に高脂血症治療薬、糖尿病治療薬の用量の変 更、新たな治療薬剤の追加又は治療薬剤の変更を必要とす る患者 18. その他、治験責任医師又は治験分担医師が当該治験の被験 者として不適当と判断した患者 Visit 3(Week 0) 19. 観察期間中に高脂血症治療薬、糖尿病治療薬の用量の変 更、新たな治療薬剤の追加又は治療薬剤の変更を必要とす る患者 20. その他、治験責任医師又は治験分担医師が当該治験の被験 者として不適当と判断した患者 被験薬、用量・投与方法、ロット TAK-085 2 g(2 g 1 日 1 回)又は 4 g(2 g 1 日 2 回)の 52 週間
4 番号 経口投与 バッチ/ロット番号 Z6462102, Z6462122, Z6462132, Z6462133, Z6462141, Z6462152, Z6462164, Z6462172, Z6462181, Z6462201, Z6462211 対照薬、用量・投与方法、ロット 番号 イコサペンタエン酸エチル(EPA-E)1.8g(0.6 g 1 日 3 回)の 52 週間経口投与 バッチ/ロット番号 Z646Z061, Z646Z062, Z646Z071, Z646Z081 治療期間 56 週間(4 週間の観察期間及び 52 週間の投与期間) エンドポイント 有効性: TG、LDL-C(直接法)、総コレステロール(TC)、高比重リ ポ蛋白コレステロール(HDL-C)、non-HDL-C (TC - HDL-C) 安全性: 有害事象、バイタルサイン、体重、心電図、臨床検査 統計手法 (1)有害事象: 有害事象について、「安全性データの解析対象集団」を対象 として要約した。有害事象発現頻度及び発現率について、治 験薬との因果関係が「関連なし」の事象を含めた場合と除い た場合の 2 通りの集計を投与群別に行った。また、程度別、 発現時期別の集計を投与群別に行った。なお、MedDRA を使 用して読み替えられた有害事象は、基本語(PT)及び器官別 大分類(SOC)で要約した。 (2)バイタルサイン、体重、ECG、臨床検査: 「安全性データの解析対象集団」を対象として、各評価時点 の観測値、ベースラインからの変化量について、要約統計量 を投与群別に算出した。検査項目ごとに治験薬投与前後のシ フトテーブルを投与群別に作成した。
5 要約・結論 有効性: 1. 治験薬投与終了時におけるベースラインからの TG 変化率 (平均値)は、TAK-085 2 g 群で-13.944%(両側 95%信頼 区間[CI]:-18.6225%、-9.2658%)、TAK-085 4 g 群で -25.517%(-29.8032%、-21.2307%)、EPA-E 群で-12.046% (-18.1983%、-5.8935%)であった。治験薬投与終了時に おけるベースラインからの TG 変化率の投与群間差(平均 値)は、TAK-085 4 g 群と EPA-E 1.8 g 群とで-13.4711% (-20.9342%、-6.0079%)、TAK-085 2 g 群と EPA-E 1.8 g 群とで-1.8983%(-9.6183%、5.8217%)であった。いずれ の群においても Week 4 から TG の低下がみられ、Week 52 まで持続した。Week 4 以降いずれの時点においても、 TAK-085 4 g 群の TG 低下作用は EPA-E 群より大きく、 TAK-085 2 g 群の TG 低下作用は EPA-E 群と同程度であっ た。 2. 治験薬投与終了時におけるベースラインからの LDL-C 変 化率(平均値)は、TAK-085 2 g 群で-0.421%(両側 95%CI: -3.0814%、2.2391%)、TAK-085 4 g 群で 2.379%(-0.7199%、 5.4786%)、EPA-E 1.8 g 群で-1.486%(-4.0516%、1.0788%) であり、治験薬投与終了時の LDL は TAK-085 2 g 群及び EPA-E 1.8 g 群においてベースラインからの低下がみられ た。一方 TAK-085 4 g 群ではベースラインからの増加がみ られたが、投与期間を通じて臨床上重要な変化はみられな かった。 3. 治験薬投与終了時の TC 及び non-HDL-C において、いず れの群にもベースラインからの低下がみられ、HDL-C に おいてはいずれの群にもベースラインからの増加がみら れた(いずれも平均値)。各 TAK-085 群と EPA-E 群の副 次評価項目に対する作用に違いはみられなかった。 4. 治験薬投与終了時におけるベースラインからの TG 変化率 (平均値)について、ベースラインの TG 及びスタチン併 用の有無によって層別した結果、いずれの層でも TAK-085 の投与量に応じた TG 低下作用がみられ、全体の結果と同 様の傾向を示した。 安全性:
6 1. 有害事象の発現率は、TAK-085 2 g 群で 83.6%(138 例/ 165 例)、TAK-085 4 g 群で 86.0%(147 例/171 例)、EPA-E 群で 89.2%(149 例/167 例)であり、投与群間で大きな 違いはみられなかった。 2. 治験薬との因果関係が否定できない有害事象の発現率は、 TAK-085 2 g 群で 13.3%(22 例/165 例)、TAK-085 4 g 群で 9.9%(17 例/171 例)、EPA-E 群で 12.6%(21 例/ 167 例)であった。 3. いずれの群においても最も発現率が高かった有害事象は 鼻咽頭炎であった。いずれかの群で発現率が 2%以上であ った有害事象は、鼻咽頭炎、上気道の炎症、咽頭炎、血中 クレアチンホスホキナーゼ増加、背部痛、下痢、気管支炎、 肝機能検査異常、糖尿病、季節性アレルギー、歯周炎、胃 炎、齲歯、湿疹、肝機能異常、挫傷、血中尿酸増加、γ-グ ルタミルトランスフェラーゼ増加、胃腸炎、インフルエン ザ、逆流性食道炎、蕁麻疹、関節痛、感覚鈍麻、便秘、腸 炎、頭痛、筋肉痛、アレルギー性鼻炎、転倒、アレルギー 性結膜炎、四肢痛、変形性関節症、交通事故及び口腔咽頭 痛であった。EPA-E 群に比べて TAK-085 群で発現率の高 い有害事象は便秘及び湿疹であり、TAK-085 2 g 群よりも TAK-085 4 g 群の発現率が高かった。いずれも程度は軽度 であり、治験薬投与の中止に至った有害事象はなかった。 湿疹が発現した TAK-085 2 g 群及び TAK-085 4 g 群の各 1 例を除き、いずれの有害事象も治験薬投与終了時までに回 復した。 4. いずれかの群で発現率が 1%以上であった治験薬との因果 関係が否定できない有害事象は、下痢、肝機能異常、 腹 部膨満、 血中クレアチンホスホキナーゼ増加、 便秘、 2 型糖尿病、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、 肝機 能検査異常、血中ブドウ糖増加及び血中尿酸増加であっ た。 5. 有害事象のほとんどが軽度又は中等度であった。程度が高 度の有害事象の発現率は、TAK-085 4 g 群で 1.2%(2 例/ 171 例)、EPA-E 群で 0.6%(1 例/167 例)であった。程 度が高度の有害事象として TAK-085 4 g 群ではウイルス
7 性胃腸炎及びくも膜下出血が、EPA-E 群では肺炎が発現 し、いずれの被験者も有害事象によって治験薬投与を中止 した。程度が高度の有害事象の転帰は、くも膜下出血が未 回復、ウイルス性胃腸炎及び肺炎が回復であり、いずれも 治験薬との因果関係が否定された。 6. 試験期間中に死亡例はみられなかった。重篤な有害事象は 22 例 23 件であり、発現率は TAK-085 2 g 群で 3.0%(5 例 /165 例、6 件)、TAK-085 4 g 群で 5.8%(10 例/171 例、 10 件)、EPA-E 群で 4.2%(7 例/167 例、7 件)であった。 治験薬投与中に発現した重篤な有害事象は、TAK-085 2 g 群では扁桃周囲膿瘍、大腸癌、脱水、神経原性ショック、 睡眠時無呼吸症候群、心房細動、TAK-085 4 g 群では乳癌、 脳梗塞、前立腺癌、ウイルス性胃腸炎、十二指腸潰瘍、白 内障、鎖骨骨折、くも膜下出血、胆石症、頚髄症、EPA-E 群では子宮頚部癌、狭心症、肺炎、自律神経失調、統合失 調症、冠動脈狭窄、鼡径ヘルニアであった。重篤な有害事 象のほとんどが軽度又は中等度であり、程度が高度の重篤 な有害事象は TAK-085 4 g 群で発現したウイルス性胃腸 炎及びくも膜下出血、EPA-E 群で発現した肺炎であった。 重篤な有害事象はいずれも治験薬との因果関係が否定さ れた。重篤な有害事象の転帰は、未回復である睡眠時無呼 吸症候群及びくも膜下出血を除き、いずれも治験薬投与終 了時までに軽快又は回復した。 7. 治験薬投与の中止に至った有害事象が 42 例 53 件であり、 発現率は TAK-085 2 g 群で 5.5%(9 例/165 例、14 件)、 TAK-085 4 g 群で 9.9%(17 例/171 例、19 件)、EPA-E 群で 9.6%(16 例/167 例、20 件)であった。TAK-085 4 g 群及び EPA-E 群でやや高かったものの各投与群間で大き な違いはみられなかった。程度が高度の治験薬投与の中止 に至った有害事象は、TAK-085 4 g 群ではウイルス性胃腸 炎及びくも膜下出血、EPA-E 群では肺炎であり、いずれも 重篤な有害事象であった。治験薬との因果関係が否定でき ない治験薬投与の中止に至った有害事象は、TAK-085 2 g 群では肝機能異常、腹部膨満、喘息、感覚鈍麻、四肢痛、 胸部不快感及び倦怠感、TAK-085 4 g 群では浮動性めまい、 薬疹及び肝機能異常、EPA-E 群では肝機能異常(2 例)、
8 味覚異常及び霧視であった。治験薬投与の中止に至った有 害事象の転帰は、未回復である肝機能異常、喘息、血中ブ ドウ糖増加及びくも膜下出血を除き、いずれも治験薬投与 終了時までに軽快又は回復した。 8. 臨床検査値、バイタルサイン、体重、心電図で、臨床的に 有意な変化は認められなかった。 9. 高トリグリセライド血症患者を対象に TAK-085 2 g(分 1) 又は 4 g(分 2)を投与した結果、TAK-085 は十分忍容性 があることが示された。 結論: 高トリグリセライド血症患者を対象に TAK-085 を 52 週間長期 投与した結果、TAK-085 は高トリグリセライド血症患者に対 し安全であり、十分な忍容性があると考えられた。 1. 高トリグリセライド血症患者を対象に、TAK-085 2 g/日又 は 4 g/日を長期投与した結果、52 週の長期投与においても TAK-085 は十分忍容性があることが示された。 2. TAK-085 を投与したいずれの群においても Week 4 から TG の低下がみられ、52 週まで持続することが確認され た。 本概要の作成日 2013 年 1 月 31 日