山形県県土整備部における資材単価及び歩掛等
の決定方法について
1 資材単価について 使用頻度の高い資材等については、県土整備部建設企画課において、以下に基づき「土木関 係設計単価(以下「県単価表」という。)」として決定する。 なお、県単価表に掲載されていない資材等については、実勢取引価格(消費税相当分は含め ない)を採用することとし、以下により決定することを標準とする。 1-1 資材単価の決定方法 単価決定方法の優先順位は以下の「ア」⇒「イ」⇒「ウ」の順とする。 ア.物価資料による場合 物価資料とは(一財)建設物価調査会発行の「建設物価(月間版・Web 版)」及び(一 財)経済調査会発行の「積算資料(月間版・電子版)」をいう。 a)物価資料に掲載されている実勢価格の平均値を採用する。 ・決定資材単価は、平均価格を四捨五入し、物価資料と同じ単位にまとめる。 ・一方の物価資料にしか掲載のないものについては、その価格を採用する。 ・該当する掲載都市がない場合は、以下の優先順位により、現場から近い地域名の 価格を採用する。 「山形」→「東北」→「仙台」→「全国」 b)物価資料において、公表価格として掲載されている資材価格は、メーカー等の販売 希望価格であり、実勢価格と異なるため、積算には使用しない。 ただし、公表価格で、割引率(額)の表示がある資材については、その割引率(額) を乗じた(減じた)価格を採用する。 イ.特別資料による場合 特別資料とは、下記の資料をいう。 ①資材の実勢価格を適切に把握できる調査機関に委託して調査(以下「特別調査」と いう。)した資料 ②山形県農林水産部制定の「建設工事労務資材単価表」 ③他の公的機関が公表している単価資料 ④協会等(公益法人、メーカー等で構成する団体)の単価資料a)特別調査の対象資材 ■橋梁上部工工事で設置するゴム支承 ■一工事における調達価格(単価×数量)が100万円以上となるもの b)採用価格の決定 ・特別資料①及び②については、当該資料の価格をそのまま採用する。 ・特別資料③及び④については、妥当性(類似品価格との比較等)を判断し、採用 可能とする。 ウ.見積書による場合 【見積対象資材】 上記「ア」及び「イ」により難い場合 ①一工事における調達価格が100万円未満の場合 ②特別調査の対象資材であるが、特別調査において、調査適用外(調査不可能)と なった場合 ③(製造)メーカー1社の直販による‘特許製品’等、市場に競争性がない場合 ④土木関係設計単価のうち建設廃棄物処理単価で受入れ条件により別途対応が必 要な場合 a)見積条件の提示 形状寸法、品質、規格、数量、納期、納入場所、受渡し方法、見積有効期限等の条 件に加え、公表価格(定価)ではなく、実勢取引価格としての見積依頼であること 及び工事完成後における設計図書に関する開示請求の際は、採用価格を公開するこ とを必ず文書に明記する。 また、必要に応じて、県単価表、物価資料及び特別資料における類似品と比較でき るように見積を依頼する。 b)見積社数 原則として3社以上に見積を依頼する。 なお、見積書が3社に満たない場合は、その理由を明確にしておく。 ただし、上記③及び④のような市場に競争性がないことが明らかな場合は、1社見 積としてよい。 c)採用価格 全見積の平均額に対して±30%以上の差異がある場合は、その値を異常値として排 除し、残った見積の平均価格を採用する。 ただし、見積が3社の場合、原則として同じく平均価格を採用するが、1社だけ特 別に高(低)価格で、他の2社の見積価格との差異が大きい(直近上下位の価格との
差が 30%以上ある)場合は、その見積以外の2社の平均価格を採用する。 また、有効な見積社が3社に満たない場合の採用価格の決定は、下記のとおりとす る。 ⅰ)2社の場合は、低い価格の方を採用する。 ⅱ)対象資材が①及び②の場合に1社となった場合は、再見積を徴収する。再 見積の際には、見積条件等を精査し、必要に応じて見積条件を変更・修正し た後、再見積を依頼する。再見積を徴収してもなお有効な見積が1社となる 場合は、その見積の妥当性(類似品価格、過去の見積決定価格との比較等)を 判断し、採用してよい。 ※ 平均価格の端数処理については、下記によることを標準とする。 ① 1,000 円未満の場合・・・四捨五入による 1 円単位 ② 10,000 円 〃 ・・・ 〃 10 円単位 ③ 100,000 円 〃 ・・・ 〃 100 円単位 ④ 100,000 円以上の場合・・・ 〃 1,000 円単位 ⑤セメント、生コン、アスファルト合材、骨材、石材等 ・・・ 1 円以上 49 円以下は切り捨てによる 100 円単位 ・・・50 円以上 99 円以下は切り捨てによる 50 円単位 ただし、1,000 円未満の資材については、切り捨てによる 10 円単位とする。 2 市場単価について 市場単価は、以下により「土木工事市場単価」として、県土整備部建設企画課において、以 下により決定する。 2-1 市場単価の決定方法 ア.物価資料(以下の2誌)に掲載されている「山形」価格を平均し、採用する。 (一財)建設物価調査会発行「土木コスト情報(季刊誌)」 (一財)経済調査会発行「土木施工単価(季刊誌)」 イ.平均価格は四捨五入により物価資料と同じ単位にまとめる。 ウ.一方の資料のみの掲載品目については、その価格を採用する。 エ.標準積算基準書(歩掛)に基づき、各工種に定められている加算率、係数により補正 した価格を採用する。 なお、補正後の価格は1円単位まで(1円未満切り捨て)とする。 3 資材単価及び市場単価の管理について 「県単価表」掲載の資材単価及び「土木工事市場単価」掲載の市場単価は、県土整備部建設 企画課において、以下のとおり管理する。 ■改定頻度 【通常時】 年4回(4月、7月、10 月、1月)の定期改定を実施する。
【物価変動が大きい時の臨時措置】 価格変動の大きい資材については、定期改定に加え、中間(臨時)改定を実施する。 ■改定基準 定期改定時において、直近の設計単価に対して価格変動がある場合は、変動率によらず改 定する。 なお、実勢価格の動向等により、上記により難い場合は、別途対応できるものとする。 4 積算基準(歩掛)について 標準的な積算基準について、国土交通省の基準書(4月制定)等に基づき、「土木工事標 準積算基準書」、「設計業務等標準積算基準書」として、県土整備部建設企画課において決定 し、管理する。 なお、決定時期は毎年 10 月を標準とする。 また、標準積算基準書に記載のない歩掛については、実態に即した歩掛の把握に努めるこ ととし、以下により決定することを標準とする。 歩掛決定方法の優先順位は、「ア」⇒「イ」の順とする。 ア.特別資料による場合 特別資料とは、下記の資料をいう。 ①特別調査した資料 ②新技術情報提供システム(NETIS)登録技術の(暫定)歩掛 ③他の公的機関が公表している歩掛資料 ④協会等(公益法人、メーカー等で構成する団体)の歩掛資料 a)特別調査、資材単価における手続きに準ずる。 b)採用歩掛の決定 ・特別資料①及び②については、当該資料の歩掛をそのまま採用する。 ・特別資料③及び④については、各所属により妥当性(類似歩掛と比較し、著しく乖 離していないか等)を判断し、採用可能とする。 イ.見積書による場合 a)見積条件の提示 使用、適用(施工)時期、適用(施工)場所等の条件及び歩掛として採用された場 合、参考資料として公表する旨を提示した上、見積依頼することを標準とする。 特に建設コンサルタント業務等に関する見積依頼では、見積を提出する企業が業務 内容・業務量を的確に把握し、項目(工種)毎に詳細な内訳の提出ができるよう、具 体的な業務内容及び詳細な業務量等明示を行うこととする。
b)採用歩掛 徴収した見積書の内容を県の労務(技術者)単価、資材単価、損料等に置き換え再 構成した上で、見積書単位毎の単純平均見積額を算定し、その額に対して±30%を 超える見積は異常値として排除し、その他の見積額の平均直下の社の見積(歩掛) を採用し、見積書の明細書、単価表の工数及び数量の最低値を集める手法は行なわな いものとする。 5 損料について 一般的な機械損料について、国土交通省の資料(4月制定)等に基づき、「建設機械等損料 算定表」として、県土整備部建設企画課において決定、管理する。 なお、決定時期は毎年 10 月を標準とする。 また、「建設機械損等算定表」に掲載されていない損料等については、「4 積算基準(歩掛) について」に準じた取扱いとして、見積を徴する場合は、建設機械等の基礎価格、耐用年数、 類似規格機種等についても同時に徴することを標準とする。