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経営移転にみる近代的畜産経営の成立条件 (第1報) : 西日本における畜産経営移転の動向

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(1)

経営移転 にみる近代的畜産経営の成立条件

(第

1報

)

西 日 本 に お け る 畜 産 経 営 移 転 の 動 向

(鳥取大学農学部農業経営学科)

Thc Shift of Livcstock Far■

ling frOnュ

Urban Arcas and thc Conditions

for Establishing ヽ

[odcrn Farm

lanagcmcnt

l. Survey on thc Shift of Livestock Farnling in thc Western」

apan

Shigcru OzAKI

(Dψ″ 激 ο″ げ Fげ

4

βθ

"ο″ゲιs,Fクθ″秒 げ ノを″ゲθ″婉 ″¢

,駒

肋 ″ゲ1/2ゲυ珍盗り)

In recent years, livestock tarming in the urban areas has been briskly mov― ing into the farm areas because of the outbreak o£ hazards by livestock excre― ment POllution and A sudden risc Of land Prices and wages by the spread of urban areas.But,difficulties are being felt in the shift. For instance, it is not easy to get the land required for the relocation of farms and there is con― siderable local feeling against the trend. In order to deFine the actual con―

ditions o£ the livestOck Far■l shift in the lvestern Japan, the author made a questionnaire survey oE 296 Agricultural Extention StatiOns in 1973. The results are as follows :

(1)The mOve o二 £arms is consPiCuous in prefectures along the lnland Sea of Japan(Seto Naikai).

(2)FoHowing this,the Kyllshi District will be observed in terms of the suit_ able land into which livestock farms move.

(3)69% o£ the farms move individually, not in a group.

(4)The cOnditions required to carry on the relocation of farms smoOthly 2re facilities for disposal of livestock excrement and close cooperatiOn with both local residents and agriculturと l cooperative units.

(5)TO Obtain the land required for the relocation, it is necessary that a plan of land utilization is fOrmed and that a public institution acquires the land Previously, 繁

I緒

論 立地条件の優位性を背景に発展 してきた都市近郊の畜 産経営は

,急

速な都市拡大に伴 う畜産公害の発生

,地

価 な らびに労賃の高騰

,家

畜飼養環境の悪化などの原因に より

,近

年停滞ない しは衰退の一途をたどっている。 こ の傾 向は

,第

1図 に示す ように畜種によって差異はある が

,飼

養規模の大きな階層ではより顕著である。 このような立地条件の悪化に対する畜産農家の対応の 仕方は

,①

移転

,②

廃業

,①

現状維持の 3っ に大別でき る。①の農家には飼養規模拡大のための用地確保を兼ね 鳥取大学農学部研究報告

XXⅥ

1974

(2)

6 0 乳用牛 肉用牛 1964 1965 1966 1967 1968 第 1図 畜種別飼養農家総数に占める都市近郊飼養農家 数割合の推移 (農林省「畜産統計=家畜飼養の 概況」 より作成) て

,畜

産経営への積極的な取 り組みを示すものが多いの に対 し

,②

には経営主の老令化

,後

継者の確保難などの 内部事情も重なって

,畜

産経営に意欲を失 った農家が少 な くない。①の現状維持農家には①または②への移行過 程 としてとらえ られ るものと

,あ

くまで都市近郊畜産の 優位性を生かして, より資本集約的な経営を 目ざすもの とがある。 この論文では, これ ら3っ の対応の中か ら①の経営移 転に焦点を合わせ

,そ

れがどのような過程をへて近代的 畜産経営の確立に結びつ くかを とらえようとするもので ある。現在経営移転を考えている農家数は

,採

卵養鶏 と 肥育養豚を例に とっても

,第

1表 に示すとお り全国でそ 第 1表 畜産公害 として苦情を受けた ことのある 農家数割合 とその対策の内わけ(全国)*

*農

林省「蓄産統計

=家

畜飼養の概要」より作成。養 鶏は1972年 2月現在で

,成

鶏メス300羽以上の飼養 農家が対象。養豚は1971年2月 現在。 れぞれ676戸,1,481戸 にすぎず

,総

飼養農家数か らみる ときわめて少ない。 しか しこれ らの農家の特色 として, 前述 した ように経営近代化への意欲が強いことや

,都

市 近郊畜産 として企業的経営能力を身につけたものが多い 点をあげることができる。移転農家を対象 として選んだ のはこの ような理由によるものである。 と は い え,こ の 移 転に は 多 くの 障 害が伴 ってい る。こ)2)3)4)5)6)と りわけ移転用地の入手難

,あ

る いは地 元住民の受け入れ拒否が移転難行の大 きな原因 となって いる。第1報ではその実態をとらえるため

,西

日本 (近 畿

,中

,四

,九

州 ブロック

)に

おける経営移転の動 向を調べ

,同

時に各府県別の移転受け入れの余地

,受

け 入れ条件

,関

係者がみた移転問題解決策などを整理 して みた。なお

,本

報は中国・ 四国地区国立大学共同研究「 瀬戸 内海環境改善の基礎的研究」の一環 として行 ったも のである。 工 調 査 方 法 今回行 った調査は次の2っに分け られ る。 1つ は瀬戸 内海沿い府県畜産課を対象 とした畜産公害および経営移 転に関す る概況聞き取 り調査であ り

,他

の 1つ は近畿以 西22府県の農業改良普及所を対象 としたア ンケー ト調査 である。 この報告では後者のアンケー ト調査を中心にと りまとめ

,前

者の調査はとりまとめ時の参考資料 として 用いた。 ア ンケー ト調査票は1973年 1月に22府県の329普及所 (一部府県では支所も合む

)に

郵送 し, 296普 及所 (90

%)か

らの回答をえた。調査項 目としては①畜産農家数 の動向

,②

畜産公害の発生状況

,③

経営移転の動向

,④

移転希望農家の受け入れ余地 とその条件

,⑤

移転問題の 解決策

,の

以上 5大 項 目と22の中項 目, 121の 小項 自を とりあげ

,各

普及所管内の ようすを調べた。 集計はブロック別を主 とし

,府

県別は一部の項 目のみ について行 った。 Ⅲ 調査結果 と考察 1.1972年における経営移転の実態 1972年の 1年 間における経営移転の状況は

,第

2表 に 示す とお りである。移転事例のあった普及所数は全体の 約半数で

,ブ

ロック別には九州の63%がもっとも高 く, 次いで四国

49%,近

畿42%の順になっている。府県別に は第 2図 でもわかるように滋賀

,大

,兵

,岡

,広

,香

サlI,愛媛

,福

,大

,宮

崎などの比率が高い。 普及所あた りの移転農家数においても

,九

州ブロックは 全県的に多 く

,そ

の他のブロックでも前記の府県が比較 的多 くな っている。 これ らのことか ら

,近

年の経営移転は瀬戸 内沿岸の府 % ・4 飼 養 農 家 数 割 合

(3)

繁 崎 尾 第2表 各普及所管 内において1972年中に移転 した農家の概況 近 畿 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和歌山 小 計 回収・ 集計普 及所数 7 10 7 22 7 7 60 畜 種 別** 鶏 牛 1 豚 5 15 55 4 12 107

%

68.8 40.0 32.7 83.3 38.3 56.3 100,0 86,7 45,5 100.0 100,0 63.6 13.3 54.5 36.4 1 43 80.0 26.7 43.6 25.0 8,3 38 3 13.3 3.6 25,0 91,7

%

25,0 20,0 60.0 47.3 50.0 39,3

・8 60 46 45 75 ・6 40 % 。3 一  ・ 3 ・ 9   一   一     ・ 0

i61丘

8 鳥 島 岡 広 山 小 中   国 島 川 媛 知 計 徳 香 愛 高 小 四     国 40 35 95 56 28 33 90 77 九 州 取 根 山 島 口 計 7 11 9 20 37 84 52 9 45 19 20 145 98.1 100.0 71.1 10.5 80.0 75,9 1.9 11.1 89.5 20.0 18.6 14,3 36.4 48.8 38,8 17.8 5.5 一   一   一   一   一   一 1,9 100.0 68.9 36.8 100.0 46 9 98.1 31.1 63.2 53.1 11.1 48.9 10.5 25,0 20.7 14.3 30.2 33.3 23.9 40.0 51.4 14,7 42.9 32.0 18.2 12.2 25,9 44.4 13.3 26.3 35,0 15,2 36,4 18.6 16.7 19,4 20,0 28.6 20,0 19.6 24.0 18.2 25.6 22.2 46.2 11.1 11.1 15.8 15,0 24.8 18,2 39,5 33,3 40.3 25.0 14.3 47.4 30.4 40,0 42.4 32.2 34.8 53.8 33.3 26,7 47.4 25.0 39,3 85,7 45.5 11.6 16,7 16.4 15.0 5.7 17.9 7.1 4.0 21.2 30.0 17.1 9 6 12 14 41 21 8 12 19 11 11 29 111 7 11 43 6 67 14.3 1.5 71.4 63.6 51.2 100,0 59.7 42.5 36.8 26.8 3.6 39,4 45,6 32.4 100.0 100.0 72.1 100.0 82.1 87.5 100.0 71,6 94,6 50.0 51.9 74,4 77.1 12.5 28.4 5.4 50.0 48.1 25.6 22.9 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿児島 小 計 50.0 100.0 63.2 73.2 85.7 60.6 54,4 66.0 合 計

1 2961 6961 63.21 31.31 3101

∞ ユ

1鉤

│%お

府県間の移転農家38戸については同一農家の重複が考えられるが,この調査ではこれ ら農家の追跡をしていな いので

,正

しくは移転延べ戸数である。 移転農家戸数に対する割合で示 したもの。 県な らびに九少Hブロックで活発に行われているものと推 察できる。 しか しこ浄はわずか 1年 間のみの結果である ので

,累

積結果 とは くい違いのあることも予想 され る。 以下の考察についても同様の注意が必要である。 次に これ ら農家の移転範囲をみると,696戸のうち95

%が

同一府県内での移転であ り,さ らにその

%は

同一市 町村内に限 られていることがわか る。 この傾向は とくに 中国ブロックに顕著であるが

,反

対に近畿 ブロックのよ うに

,市

町村のわ くはおろか

,府

県のわ くを越えた移転 が22%にも及ぶ ところもある。 しかし府県別に詳細 にみ ると,これ らの傾 向は同 じブロック内でもかな り異 って いる。

(4)

珍彦

0- 20% 21- 40 41∼ 60 61∼ 80 81-100 第 2図 1972年 中に管内で移転農家のあった普及所数割 合 (数字 は当該普及所数)

つ′

第 3図 1972年中に同一市町村 のわ くを越えて移転のあ った農家数割合 (数字 は移転農家数の合計) すなわち第 3図 に示す ように

,中

国ブロックの中でも 広島

,岡

山では

,市

町村あるいは県のわ くを越えた移転 がかな り行われている。四国ブロックでは徳島

,香

'11, 愛媛に

,九

州ブロックでは佐賀

,大

分をのぞ く諸県に こ の傾 向が強い。 また,1大都市の密集 している大阪, 兵 庫

,滋

,福

岡などの府県では

,県

外に移転先を求める 傾 向が強い。 これ らの農家の移転先は不明であるが

,第

2表の数字か らみるかざ り

,他

府県か らの転入割合が多 い奈良

,兵

,岡

,徳

,大

分などが考え られ よう。 兵庫

,滋

,福

岡のように転 出と転入の両方が行われて いるところもある。 このような府県による移転範囲の相違は

,都

市化の速 度

,移

転問題の緊迫度, これ までの移転の進捗度

,土

地 条件か らみた畜産経営許容度

,移

転先までの遠近

,行

政 側 の取 り組み方などによって生 じたものと考え られ る。 移転方式は全体的にみると

%が

個人で

,残

りが2戸以 上 の集団移転の形をとってい る。 しか し中国ブロックで は集団方式が過半数を占めているのに対 し

,四

国ブロッ クでは個人方式が82%を占めるとい う地 域 差 もみ られ る。 また府県のわ く

,あ

るいは同一県内でも市町村のわ くを越えた移転には

,第

3表 にみ られるように個人移転 の比率が高い。 移転農家の畜種 は

,移

転範囲がほとんど同一府県内に 限 られてい る関係で

,ブ

ロックあるいは府県の主要畜種 を反映 したものとなってい る。た とえば九州および四国 では肉用牛および養豚農家の移転害」合が

,他

方近畿では 酪農 と養鶏

,中

国では養鶏がそれぞれ全体の移転割合を 上回 ってい る。なお

,府

県によってとくに高率を示す畜 種 があるのは

,多

くの場合

,集

団移転あるいは畜産団地 造成事業にもとづ く移転があった場合である。また

,府

県のわ くを越 えた移転には

,酪

農または養鶏農家の割合 が高いことも 1つ の特色 といえるが

,事

例が少ないので これが一般的傾向だとはいいがたい。

□日

吻∞

□□

吻甥

0∼

20%

21-- 40 41^ヤ 60 61^ヤ 80 81^ヤ100 第3表 移転の範囲別にみた移転方式および飼養畜種別農家数割合 移転方式 と畜種 個 人 で 1集 団 で 移 転 方 式

1雨

「掲

岳品ず了

移転の範囲

(尾

9騒

::│〔 %│ 32,3 26.9 28.1 20.2 45,0 47.1 18,0 20.2 35,9 23.4 18.0 36.2 100 c440)

100(218)

100(2つ

100(17)

(倍

牌 騒

38.1 94.1 61,9 5.9 10.0 5.8 40.0 47.1 倣

11趾

91れ

51ヱ

91

41

21mり

(5)

2. 畜産団地造成事業にもとづ く集団移転 国は1970年か ら畜産経営移転施設資金 (現在は畜産経 営環境保全資金

)を

設 けて

,経

営移転に助成を行 ってい る。 これには単独融資を受けて個人で移転する場合 と, 農協や地方公共団体 などが補助金を受けて行 う畜産団地 造成事業に乗 り, 5人以上が集団で移転する場合 とがあ る。 これ ら集団移転を対象 とした団地造 成 事 業 につい て

,各

普及所管内で行われている事例をブロック別にま とめると

,造

成済み団地が企体で50ヵ所

,計

画中のもの が61ヵ所あった。造成済みのものは近畿

,中

国に比較的 多い し

,計

画中のものは九州に多い。 計画中の団地の うち計画が比較的具体化 しているもの 46団地に

,造

成済みの50団地を合せた96団地についてそ の内容をとりまとめると

,第

4表 および第 5表 のように なる。造成方式 として多いのは

,移

転希望者が予定地を 繁 取得 して農協や市町村に団地造成を申請・ 委託するもの で

,全

体の46%を占めている。 これに対 して

,農

協など が造成 した団地を分譲あるいは借用する方式は34%しか ないので

,移

転希望農家 自らが用地確保に乗 り出さなけ ればな らない場合も多い ことがわか る。 移転の範囲は第2表に示 した傾向とほぼ同 じく

,同

一 市町村 内に限 らたてい る事例が多い。 とりわけ計画中の 団地では

,そ

のほとんどが同一市町村内の農家のみを対 象 とした計画をたてている。地元農家の移転対策 さえ難 行 しているところに

,他

地区の農家にまで手がまわ りか ねるとい うのが実情である。それだけに農家が

,県

外は もちろんのこと

,他

市町村に用地をみつけて移転するこ とは

,今

後ますますむずか しくなるものと予想され る。 移転範囲が狭い ことはまた

,通

勤畜産を可能 としてい る。反対に通勤畜産に対する強い希望が7), 移転範囲を 122 第 4表 ブロック別にみた畜産団地造成事業の進展状況 と団地造成方式 (第5表 へつづ く) 造成済 みの団地 が あ る も の 及所数1団地数 ブ ロ ック

*│ 畿 国 国 州 近 中 四 九 11 15 7 11 15 10 11 25 25 22 15 34 56.0 45,5 40.0 41.2 20. 27.3 33 3 17・6 9,1 6.7 14,7 9。1 13.3 11.8 4.5 6.7 8, 4.5 14.7 12. 4,0 46 1 9,41

│ 44 1 50 1 61 1

%14■

81Z91■

う │ 2.0 造成済みの団地に

,計

画 中のものの うち計画が比較的具体化しているものを加 えた団地数 (第5表 にも適 用)。 これには農協や地方公共団体が独 自で行 っている団地造成事業も合む。 移転希望者が予定地を取得 して

,農

協や市町村に団地造成を申請 。委託す る方式。 農協や市町村が造成 した団地を

,移

転希望者に分譲 しても らう方式。 農協や市町村が造成 した団地を

,移

転希望者が借用する方式。

*****

前記 3方 式の組合せ (2事例)。 第 5表 ブロック別にみた畜産団地造成事業の内容 (第4表よりつづ く) 移 転 の 範 囲* 1無

** *** **** 者 み 事 従 の 族 み る 一 家 ぐ 町 ら 市 か 他 村

同 町 〓   ・0 ・0 ,7 4 . 0 8 . 2 一 2 . 9 畿 国 国 州 近 中 四 九

.駒

│ 79ユ │

%

40.0 31.8 20.0

29

M劉

.『 4う

14お

― 十 一 一

1147

13,31 5,91 6.7 6.71 且 お │ 8.0 13.6 6.7

88

44. 63.6 86,7 64.7 24.0 9.1 6.7

29

48.0 4.5 6,7 20 6 4.5 13,3 14.7 9,1 33.3 26.5 50.0 8, 8, 32. 合 計 1 62.5 な 91

401■

1銭 41骸

lnユ 1脚 lnユ 1邸

1泌Юl α 3 8.2

*

ブロック別の各項 目ごとの合計が 100%に ならない場合

,そ

の不足分は回答不明の団地によるものである。 数字はいずれも団地数 (第4表 参照

)に

対する割合である。

(6)

狭めているともいえる。 しか し移転先の住民には

,通

勤 農家は公害 だけをまき散 らすだけで地 元 に は 恩恵がな い,とい う不満が多いので

,今

後は公害防止を完壁に し ないかざ り通勤方式の問戸 も鎖 される可能性が強い。 飼養畜種についても

,前

述の1972年における動向とほ ぼ同 じである。 なおここで注 目すべきことは

,造

成済み団地47ヵ ( 50ヵ所中不明分 3ヵ 所を除 く

)の

うち過半数 の 25ヵ 所 で

,ぶ

たたび公害問題が発生 しているとい う事 実であ る。乳用牛または鶏の団地を主軸とする近畿ブロックで は

,70%に

ものぼる発生率を示 しているし

,四

国の

57%

が これについでいる。 これ らの府県では

,す

でに再移転 の必要にせまられているところもある。 3. 畜産公害の発生状況 経営移転の直接の契機 となっている畜産公害の発生状 況を

,公

害の種類別に順位づけすると第 6表 のようにな る。 まず都市部 と農村部に分 けてみると

,都

市部では悪 臭公害がもっとも顕著であ り

,次

いで汚水

,病

,騒

音 の順 となっている。 これに対 して農村部では汚水公害が 目だち, これに悪臭

,病

,騒

音が次いでいる。両地域 における悪臭 と汚水の順位逆転は

,民

家の密集程度や下 水施設の整備状況の差をあ らわ したものと考えてよい。 ブロック別にもほぼ これ と同様な傾向がみ られ るが

,四

国のように病虫 より騒音の方が問題 となってい るところ もある。 これ らの違いは

,各

ブロックで飼養 されている主要畜 種 の違いによるもの と考え られる。すなわち豚

,乳

用牛 では病虫よりも騒音の方が問題 となるようであるし

,肉

用牛では悪臭 よりも病虫

,鶏

では悪臭が他に くらべて と びぬけた公害発生源 となっている。畜種による公害発生 の頻度の点では豚が圧例的に多 く

,次

いで鶏

,肉

用牛, 乳用牛の順 となっている。 この傾向は全国調査の結果の とおおむね一致するところであるが, ここにあ らわれた 順序は同時に

,畜

種別にみた経営移転 または畜舎施設改 善 の緊迫度を示すもの といえる。 4. 移転希望農家の受け入れ余地 移転問題の解決には用地の確保が先決 となる。用地確 保にあた っての着限点は

,近

代的畜産経営発展の可能性 か らみた適地性 (自然的

,経

済的立地条件

)と

,地

元の 受l●入れ体勢に分けて考えることができる。 以下 当該普 及所数の割合を使 ってこの問題を検討 してみる。 まず適地性についてみると

,第

7表に示す ように

,全

般的には近畿ブロックが38%でもっとも乏 しく

,九

州が 62%でもっとも富んでいる。 しか し九州

,中

・ 四国ブロ ックにおいても福岡

,大

,岡

,広

,香

'II,高 知の ように

,適

地性の乏 しい県が散在 している。近畿 ブロッ 第 6表 地域別および畜種別にみた畜産公害の発生状況

*(1973年

1月現在)

魂澱

3位

1位 12位

3 3位 畿 国 国 州 計 近 中 四 九 小 都 市 部 64.

教角

45.5 36.4

%

2.4 4.5 4.5

29

33. 34.2 38_1 32.8

3331

47.4! 42.9 41.0 33. 5,1 35. 59 33. 74.3 65,0 50.0 59.1 18.4 19,0 26.2 5,9 11,8 11,8 20,6 17.6 27.5 27.0 73.5 70.6 60 8 80.0 83.3 75,0 畿 国 国 州 計 近 中 四 九 小 農 村 部 牛 牛 用 用 豚 鶏 乳 肉 畜 種 別 42.0 40.3 31.4 41,7 40.0 50.0 55.6 62.9 43,7 50.8 48,9 53.5 52.9 11,7

80

4.2 5.7 14.6 9,2 50,0 61.4 67.6 47.0 54.3 34,0 30.0 26.5 35,0 32.3 16.0 8.6 5,9 18.0 23.0 27.4 12.5 57,7 15.9 15.8 13.8 24.4 19。1 70.5 80.7 86.2 61,1 71.4 お   ・5 一   ・4   ・ 5 20.0 3.2 40,0 10.0 9.1 12.9 21.2 44.5 60.0 90,0 80.0 90,9

839

71.4 100.0 71,2 47.9 31.0 31.9 44.7 87 9 20.1 14.6 2.3 0.4 56.2 52.2 54.9 7,7 20.8 20.4 32.5 34.6 17.8 43.2 3.6 9.4 32.2 15,9 14.4 50,2 50,0 40,9 82,1 40.4 28.6 7,7 7.5

*公

害の種別に発生の程度に応 じて 3位 まで順位を記入 してもらい

,順

位別の比率を算出した。

(7)

繁 崎 尾 府県別 市 が 的 元 村 種 地 町 消 57. 80.0 100,0 68.2 100,0 85,7 78.3 71,4 80.0 100.0 59.1 100,0 85.7 76.7 71.4 90.0 71.4 63.6 100,0 85,7 76.7 71.4 50 0 100,0 50.0 71,4 57.1 61.7 次に示 す条件 が必要 28. 30.0 14.3 13.6 42.9 57.1 26.7 100,71 60.01 85,7

%

50,0 20.0 28.6 36.4 14.3 42.9 30.0 1100.0 30.0 14 3 27 3 14.3 57.1 31.7 30.0 42,9 27.3 57.1 28,6 30,0 50.0 10.0 42.9 9.1 23.6 16.71 20.0 9,1 14.3 8,3 ① 移転希望農家に対する地元の環境 畜産 の 適地が ない

%

57.1 50,0 71.4 72.7 71.4 28.6 61.7

1忌

F省

1至

橿

1

鶉《

│ 滋 /Th 大 兵 奈 和歌 /」ヽ 賀 都 阪 庫 良 1山 計 畿 54.5 71.4 71.4 63.3 第7表 移転希望農家に対する地元の受け入れ余地 と受け入れ条件* 取 根 山 島 口 計 鳥 島 岡 広 山 小 中     国 57.1 54.5 66.7 80 0 62.2 65,5 71.4 45.5 66.7 75.0 51.4 59 5 85.7 27.3 55.6 65.0 62.2 59.5 71,4 36.4 55.6 50.0 40.5 46,4 28.6 45.5 55,6 50.0 35.1 41.7 27.3 22.2

150

43 2 28 6 57.1 63.6 77.8 45.0 75.7 65.5 42,9 54.5 55.6 30.0 54.1 47.6 14.3 27.3 55.6 20.0 37.8 32.1 14,3 27.3 33,3 20.0 24,3 23.8 14,3 9,1 15,0 13.5 11 9 13.2 11.1 5,0 10.8 9.5 島 川 媛 知 計 徳 呑 愛 高 小 四   国 44,4 83.3 75.0 78.6 70.7 66.7 100.0 66,7 71.4 73.2 33.3 100,0 75.0 78.6 70.7 22.2 100.0 50.0 14.3 39,0 44 4 66.7 25,0 57.1 46.3 22.2 16.7 33.3 28,6 26.8 66.7 83.3 75,0 78.6 75.6 44.4 16.7 33.3 28.6 31,7 55.6 33.3 50,0 50.0 48.8 22.2 33.3 16.7 42.9 29,3 11,1 33.3 14.3 12.2 33.3 8.3 21.4

146

九 福 岡 佐 賀 長 崎 ,長 フト 大 分 宮 崎 鹿児島 /1ヽ 言 l‐ 85.7 62.5 50.0 68.4 72.7 54.5 34.5 59 5 76.2 50,0 33 3 63.2 63.6 27.3 34.5 50 5 71.4 37.5 33 3 63.2 63.6 54.5 27.6 49.5 52.4 37.5 25,0 57.9 63.6 27.3 17.2 38,7 71,4 37.5 25,0 31.6 54.5 27.3 20.7 37.3 14,3 62.5 41.7 47.4 36.4 45.5 51,7 41.4 57.1 87.5 91.7 78.9 72,7 63.6 82,8 75。7 33.3 75.0 50.0 52.6 18.2 45 5 55 2 46.8 23.8 37.5 41.7 21.1 54.5 18.2 58、6 37.8 38.1 25.0 41.7 63.2 27.3 45 5

448

43.2 25 0

83

15,8 18.2 10.3 9.9 14.3 12.5 16.7 21.1 27.3 18.2 6.9 15,3

ど 計

16■

56∝

814&61生

9287∝

314■

61邸

lj二

五十

テあ

│あi5

*

回答のあった普及所数に対する割合で示す。この数字は担当普及員が普及所管内のようすを独自の判断で回 答した結果である。①②いずたも重複回答。

**

前項「次に示す条件」の内わけを示したものである。 クをはじめとするこれ らの諸県では

,畜

産そのものが重 点作 目となってお らず

,移

転農家まで受 け入れて畜産を 伸ぼす休勢 となっていない。 このことが逆に, これ らの 地域における経営移転の動きを活発化しているともいえ る。 適地性が このように乏 しい ことは

,地

元市町村や農協 の受け入れ姿勢にも反映 し

,受

け入れに消極的と判定 さ れた地区は調査普及所数の65%程度 となっている。全般 的には市町村 よりも農協の方が積極的であるが

,な

かに はこれ と反対の場合もあるし

,兵

庫県のように不適当な 立地纂件の中にあ りなが ら

,か

な り積極的な取 り組みを しているところもある。 条件 によっては移転受け入れ可能 とい うところもある が

,九

州 ブロックをのぞ くとあま り期待はできない よう

(8)

である。条件 としては,いうまでもな く,ぶん尿処理を完 全に して公害を出さないことが第一にあげられている。 このほか移転先の農協や農家 と協調 して

,地

元畜産の発 展のために積極的につ くす ことも重要な条件 としてあげ られている。そのためには生活の本拠を移 して

,地

元住 民の生活に とけ込む努力が必要であるとしている。 このように一家あげての移転が受け入れの条件 となる と

,用

地確保の着限点には畜産の適地性 とともに家族の 生活面か らみた適地性

,す

なわち教育・ 医療・ 通信など の生活環境がどの程度整備されているかも取 りあげなけ ればならない。移転農家の経営確立のためには

,か

って 開拓農家が経験 したのと同 じように

,き

わめて広範囲か つ複雑な条件が横たわ っているといえよう。 5。 移転の円滑化とその方策 以上にのべた調査結果からも明 らかなように

,農

家の 移転希望がかなえ られ る可能性は

,現

状ではかな り低い と判断せざるをえない。 この問題解決の方策は種々考え られ るが

,い

ま普及所 (主に畜産相 当普及員

)が

とりあ げた意見を整理 してみると

,第

8表のようになる。方策 は大別 して用地確保

,公

害防止

,移

転方式の3っに分け て考え られるが

,そ

の75%は用地確保の問題に集 中して お り

,し

かもその半数近 くは国や地方公共団体による用 地の先行取得 と

,畜

産団地の造成を強調 している。 団地造成 は本報告でもふれた ようにすでに実施に移 さ れているものであるが

,計

画が中途で挫折 した り

,所

期 の成績をおさめていない団地が散見 されるのは

,多

くの 場合

,畜

産公害防止施設の不完全 とか地元住民の同意不 十分

,移

転資金の不足などに起因9)するものである。そ れだけに団地造成計画は

,単

に用地確保の手段 として考 えるのではな く

,公

害防止や移転方式の問題 とも総合的 に調整して立案されるべきものといえる。 いずれにしても団地造成 と用地確保には

,国

の畜産振 第 8表 ブロック別にみた経営移転を円滑化するための問題点または対策* 四 国 8 1 2 3 1 3 1 1 5 23 19 15 11 5 3 141 (16.の (13.5) (10.6) (7.り

(3.D

(2.1) (75.の o4.7) (■ .め (11.8) (11,8) (18.1) 九 州 合計 (割合)***

%

65 (46.1) 用地確保に 関する問題 22 4 4 4 34 ・2 2 2 一 ︲6 一   26 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① ② ③ ④ に 題 止 問 防 る 害 す 公 関 星山地石雀談団体 による先行取得 と畜 国有林野の払下 げと入会権の調整 長期

,低

利資金の融資わ く拡大 畜産適地の選定 と土地利用計画の策定 地価抑制対策の強化 行政区画を越えた用地情報の交換 離農開拓地のあ と地利用 採算ベースにのる公害防止法の開発 公共投資による下水処理施設の整備 畜産経営環境整備事業の強化 移転先の住民 との十分な話合い 対ヽ

計 16 3 3 1 3 3 2 1 2 8 20 8 6 3 2 2 21 11 8 8 5 3 2 58 4 1 5 1 1 1 一 3 ① ② ③ ④

方 る 転 す 移 関 畜種別集団移転方式の採用 当該市町村立会による移転同意書作成 移転農家 自身の取 りくみの積極的姿勢 市町村

,農

協の積極的な取 りくみ 小

計 1 1 1 1 4 数字は問題点または対策について指摘のあった普及所数。重複回答もある。 項 目の作成な らびに仕分けは筆者が行 ったものである。 項 目別の数字は小計に対する割合。小計の数字は合計に対する割合。 2 2 1 5 4 (30.8)

4(30.り

3(23.1)

2(15.o

13(6.9)

* 料 線

(9)

興に対する積極的な姿勢 と

,未

利用地を畜産用地 として 開発するための行政区画を越えた組織が前提 となること はい うまでもない10)11)。 とくに後者の用地開発組織は , 移転希望農家に対する用地の情報提供の役割を果す こと もあわせて望 まれる。 この意味で1973年度か ら始 った農 地保有合理化法人に よる用地買入れや

,農

林地移動情報 収集組織などの施策ワ),さ らには抜本的な「土地問題 と その対策」13)にかける期待は大きい。 Ⅳ 要

約 都市近郊の畜産経営は近年

,急

速な都市拡大に伴 う畜 産公害の発生

,地

価な らびに労賃の高騰

,家

畜飼養環境 の悪化 とい った悪条件か ら逃れて

,農

村部へ移転する動 きが活発 となった。 しか し

,移

転用地の入手難あるいは 住民の反対にあって移転は難行 している。 この報告は西 日本におけるこれ ら移転の実態を とらえるとともに

,各

府県の移転受け入れの余地な らびに受け入れ条件などを 調べたものである。調査を行 ったのは1973年 1月で

,近

畿以西22府県の329農業改良普及所を対象に した。集計 は回答のあった296普及所について行 った。結果を要約 すると次の とお りである。 は)1972年の 1年 間に合計 696戸の農家移転があった

,地

域的には瀬戸 内沿岸の府県で活発である。 (舛 移転農家の95%は同一府県内での移転であ り,さ らにその2/3は同一市町村内の移転に限 られている。

0)移

転農家の69%は個人で移転 したものである。府 県あるいは市町村を越 えた移転には個ノ入、移転の比率が高 ヤヽ。 14)畜産団地造成事業にもとづ く集団移転事例96ヵ所 (計画中のものも合む

)の

うち44ヵ所は

,移

転希望農家 自身が用地を取得 して

,農

協や市町 村 に団地 造 成を申 請・ 委託する方式で占め られている。 この場合も移転農 家の多 くは同一市町村 内のもので,しかも通勤方式を と っている。 また造成済み団地の過半数では, ふたたび公 害問題が発生 し

,再

移転の必要にせまられている。 lFDl 公害 の発生源は都市部で悪臭

,農

村部で汚水が第 1位 を占めている。畜種別には豚が圧倒的に多 く

,つ

い で鶏である。 繁

(0

移転の適地 としては九州がもっともよく

,近

畿 ブ ロックがもっとも不適当である。 このことは地元市町村 や農協の移転農家受け入れ姿勢 とも関係が深い。 (71 移転受け入れの条件 としては

,ぶ

ん尿の安全処理 とともに

,地

元の農協や農家 と協調 して畜産発展に協力 す ることがあげ られ る。 181 移転用地の確保のためには

,行

政区画のわ くを越 えた土地利用計画の策定

,公

共機関による用地の先行取 得 と畜産団地の造成が急務である。 稿を怒 るにあた り

,調

査にご協力たまわ った当該府県 の畜産課な らびに農業改良普及所担当普及員に深謝 した い。 また本報告は,1972年 度文部省科学研究費補助金 ( 特定研究

,課

題番号 92221)で 実施 した ことを付記 して お く。 文

献 近畿農政局 :大規模畜産団地設置計画調査 。西播磨 地区畜産移動立地調査結果 (1972) 農林省畜産局 :畜産経営移転の実態 (1969) 小,II政則 :農 業経営研究,N915,26∼56(1971) 尾崎 繁 :畜産の研究,26, 25∼28, 273∼278 (1972) 小野塚功一 :農 業 と経済,3質 引,39∼47(1971) 竹島嘉平 :農 業 と経済,35俗】23∼30(1969) 近畿農政局 :大規模畜産団地設置計画調査・ 西播磨 地区畜産構造意向調査報告 (1972)

8)農

林省畜産局 :畜産経営の動向,262(1971)

9)井

上和衛 :都市化 と農業公害,123∼133,労働科学 研究所 (1971) 10)昭和47年度農業の動向に関する年次報告 :昭 和47年 度図説農業白書

,210,農

林統計協会 (1973) 11)昭和48年度において講 じようとする農業施策 :昭 和 47年度図説農業白書, 46∼47, 農林統計協会 (1973) 12)三上喜彦:af£ (農林省広報

),419,9∼

13(1973) 13)経済企画庁 :土地問題 とその対策 (中間報告

),

朝 日新聞 (1973年10月 2日 号)

参照

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