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香川県の社寺林(1)調査法と結果の概要-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

香川県の社寺林

(1)調査法と結果の概要

新 居 正 敏 〒76ト24 香川県綾歌郡綾歌町東熊東323 綾歌町立東熊小学校

PrecinctWoodsofShintoShrinesandBuddhistTemplesinKagaWaPrefecture

(1)MethodsofSurveyandOutlenesofResults MasatosiNII,KurikumaPrimarγSchool,Aγauta−Cho,Kagawa,761−24,Jqpan 選んだ(図1)。 調査は,概況調査,保護利用状況調査,植生 植査を行った。概況調査として,森林の概況・ 特徴・位置,保護上価値ある動植物などの概要, および史跡の来歴,法人格,旧社格,各種の保 護指定(史跡・名勝・天然記念物・保安林等) について調査した.。これらほ対象の地域社会に おける位置を把握することができ,調査地の森 林の由来や,保護・利用状況を理解するうえで 役立つ。保護利用状況調査として,森林の保存 状況,更新状況,保護管理の経過,今後の保苦 利用等について調査した。これらの調査によっ て,森林の将来の保護や利用の指針を考察する ための重要な資料になる。植生調査として,調 査地内の主要な森林について,植物社会学的な 植生調査を行った。これほ,森林構成や,環境 条件を明らかにするうえで重要である。 今回の調査のうち,植生調査については303 社(植生調査区は307カ所),保存状況と保護 利用状況調査については規模の大きい10社にと どめた。標高差や地質一・地形等ほ今回は省いた。

結果の概要

調査結果をもとに,社寺林調査−・覧を表1の ように作成した。また,概況調査,保護利用状 況調査,および植生調査の例を図2に示した(土 井林学研究会,緑地研究会,1974)。

は じ め に

開発が進み森林が少なくなっている今日,社 寺林にほ比較的自然の原形をとどめているもの があり,良い状態で保存されているものも少な くない。したがって社寺林ほ本県の原植生を解 析していく手がかりになるだけでなく,自然環 境の保全の面からも価値がある。本県にほ,こ れまでに社寺林の植生(香川県環境保健部,19 81∼1987),独立樹の調査・各種の指定の記録 (香川県文化財保護協会,1989)はあるが,ま とまった報告ほされておらず資料も明らかでな い。そこで筆者ほ1981年から1991年にかけて県 内382社寺(神社372,寺院等10)を調査した ので,中間報告としでその概要を報告する。な お,この報告をまとめるにあたって,ご助言や 資料の提供をいただいた末広喜代仙・(香川大学 教育学部)・和気俊郎(香川県大手前高等(中) 学校)両氏に対↓心より感謝の意を表する。

調 査 方 法

調査地ほ本県全域の社寺を対象としたが,現 在全ての調査ほ完了していない。また,調査は 森林の規模や保護の状況の良好なものにとどめ ず,小規模のものや破壊が進んでいるものも調 査した。ただし,今回の対象ほ,それらのうち 比較的規模が大きく,保存状況も良好なものを

(2)

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図1・・調査した社寺∴ ○神社 ○寺院(地蔵)を示す..数字は表1の例にあげた

社寺林の番号を示すけ 野部から山間部にかけてほ,スギ・ヒノキ(植 林)も目立った(図3)。 混交林についで多いのがクロマツ林(全体の 10.2%),ついでツブラジイ(9.9%),■アラカ ・ン林(8.3%),ウバメガシ林(7.6%),ア カマツ林(5.9%)とつづく。その他,ウラジ ロガシ林(2.9%),コナラ・アベマキ林(2.9 %),スギ・ヒノキ林(植林)(2.3%),ク スノキ林(2.3%),アカガシ林,シリブカガ シ林,ツクバネガシ林 ,ホルトノキ林,タブノ キ林,エノキ・ムクノキ林,ナギ林,ケヤキ林, シデ林(イヌシデ,アカシデ等)等が認められ た(図4)。 クロマツ林は,平野部から海岸近くに分布が 限られているが,アカマツ林ほ,平野部から山 地にかけて多く分布していた(園5)。照葉樹 林の原植生の樹種と考え.られるツブラジイ(イ タジイほ区別して−いない)林ほ,主として内陸 部から山間部に分布しており,タブノキ林は, 財田町内に限られていた(囲6)。尚,タブノ 植生調査は,県内全域から303社(調査区ほ, 金刀比羅宮4区,藤尾神社2区り また,小規模 の社叢と寺林は,森林構成の植物リストのみ) について行った。その結果,混交林が128社(区) 41.9%と最も多く,県内全域に分布していた。 混交林の主な樹種ほ,アラカシ,クスノキ,ア カマツ,クロマツ,クロガネ・モチ,ツブラジイ, ヤプニッケイ,サカキ,ヤブツバキ,エノキ, ムクノキ,モッコク,アベマキ,ウバメガシ等 であった。島峡部や海岸近く(海岸よりおよそ 内陸に.31皿程度まで)では,ウバメガシ,クロ マツ,アベマキ,クスノキ,アラカシ等が多く 分布しているのに対して,平野部(中讃・高松 地域では,およそ海岸より内陸に12血程度まで, 東讃・西讃地域でほ,およそ5∼10血程度まで) や山間部でほ,アラカシ,クスノキ,クロガネ モチ,エノキ,アカマツ,モッコク,アベマキ, コナう等が多かった。南部山地から阿讃山地に・ かけては,ケヤキ,カシの類(アラカシ,ウラ ジロガシ,アカガシ等)が多かった。また,平

(3)

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(4)

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(6)

キの分布は綾上町で1カ所と仲多度郡,三豊郡 内で,22カ所確認した(図7)。ウバメガシ林 ほ,海岸近くと島峡部に分布が集中していた(図 6)。アラカシ林は県内全域に分布していた。 ウラジロガシ林・アカガシ林ほ,山間部から山 地に分布しており,アベマキ林は,海岸近くか ら平野部に多かった。図8ほ,地域別の307調 査区の樹林の割合を示した。混交林は地域によ ってその分布に差が認められ平野部が特に・多か った。クロマツ林は平野部と海岸でそれはどの 差ほないが,ウバメガ・ン林ほ平野部で極端に少 なくなっていた。■7カマツ林・アラカシ林・ツ ブラジイ林は大体よく似た傾向を示しており, 平野部と山間部で多くなっていた。 以上の社叢の分布は,気候・地形・地質等, 自然環境の相違によることが考えられるが,植 生に与える人間の影響も大きいと思われる。特 に海岸,平野部でほ人為的な環境による影響は 極めて大きいと思うが,この点の確かなデータ ほ収集していない。図9ほ,県内でよく発達し ている社叢例を示したものである。

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エ/キルムクノキ林 シラカシ林 ケヤキ林 シテ顆林 ナキ林 タフ/キ林 ホルト/キ林 ッ ツリブRカン林 アカカシ林 クス/キ林 スキ川ヒJざ杯 7ベ﹁キこ一ナラ林 ウランロカシ林 7カマッ林 り.ハメガシ林 アラカシ林 ッフラ.シイ林 クロマフ林 混交林 図3.相観による社叢の種類と社数 (調査区) ・

・一二、

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(7)

ヽ−、/、′ 図5アカマツ林,クロマツ林の分布 (○クロマツ林,△アかマツ林を示す) 1−、/ 1 / †′− ̄ノ ′ 図6.ツブラジイ林,ウバメガシ林 ,タブノキ林の分布 (●ツブラジイ林,○ウバメかン林,△タブノキ林を示す)

(8)

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窃ダ.▽h

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嘩漕鰭。

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し 、醇 ● ● ● ● 0 ● ○ ● ・ノ・ t_、 ′\ ノ \ ′ 「ヽ′1 ̄ ̄\/■ t / + l 9 ヽ / 0 ■. し/ ーー、/

図7タブノキの分布 (○印ほ社叢以外を示す)

●混交林,○クロマツ林 ●アカマツ林,×ツブラジイ林 △ウバメガシ林,㊥アラカシ林 保存と保護管理の状況 県下の社寺林のうち,金刀比羅宮ほツブラウ イ林,アラカシ林,クスノキ林,アカマツ林, ナラ・アベマキ林等々の樹林があり,その規模 においても種類の豊富さにおいても県下最大で あった(図9−2)。藤尾神社もツブラジイ林, アラカシ林等があり,面積が広くよく発達して いる社叢であった(図9−4)。その他,大水 上神社(高瀬町),菅生神社(山本町),春日 神社(仲南町),天川神社(琴南町),宇佐八 幡宮(長尾町)(図9−5),西谷八幡神社(塩 江町),冠楼神社(香南町)(図9−3),水 主神社(大内町),伊喜末神社(土庄町)(囲 9−6),厳島神社(財田町)(図9−1)等々 立派な社叢が多かった。これらほ,山や丘ある いは斜面等,地形的な要因が考えられるが,内 陸部から山間部にかけて多く分布していた。海 0 1 山間部 平野部 海岸付近 島唄郡 地域別樹林の割合. 図8..

(9)

図9. 1.厳島神社(財田町)タブノキ林. 2.金刀比羅宮(琴平町)ツブラジイ・アラカシ・クスノキ株 3.冠櫻神社(香南町)ツプラジイ林. 4.藤尾神社(高松市)アラカシ・ツブラジイ林. 5.宇佐八幡宮(長尾町)ツプラジイ林.6.伊善夫神社(土庄町)ウバメガシ林. 岸から平野部の社叢ほ面積がせまく樹林の形成 林は急速に姿を変えている。寺林では,弥谷寺 も貧弱なものが多く,特に市街地では,自動車 (三野町),三谷寺(飯山町),八乗寺(庵治 の排気ガスや,人間の立入りなどによる荒廃が 町)等は規模の大きい樹林が形成されているが, 著しかった。また,マックイムシの被害でマツ 相観的にも森林と認められるものは,寺院より

(10)

神社の方がほるかに多かった。 保存をおびやかす要因とその例をあげると, 人為要因によるものとして,人間の立入(満濃 町の大宮神社),道路の開設(善通寺市の大麻 神社,香川町の平尾神社),自動車の排気ガス (塩江町の岩部八幡神社),下刈・伐採(豊中 町の宇賀神社),整地工事・施設建設(琴南町 の落合神社)があった。また,自然要因として, 病害虫(飯山町の三谷神社)があった。 自然環境保全地域,自然記念物等の指定,あ るいほ,宮司(住職)が区域内に居住している 場合ほ,保護管理がゆきとどいていた。しかし, 多くの場合,−・般にほ氏子の手によって管理さ れており,この場合は秋祭りなどの行事にかか わる管理であり,森林本体にほあまり注意がは らわれていないようで,荒れるにまかせている 所も少なくなかった。また,周辺の開発や境内 に遊園地として遊具を設置したり,あるいほ, スギ・ヒノキの植林等のために森林の−い部また ほ大部分を伐採するなど,内外からの破壊が進 んでいる場合も少なくなかった。 摘 要 香川県内382社寺の植物を調査し,その内の 303社(307区)の植生調査,概況調査,保護 利用状況調査を行った。その結果,アカマツ・ クロマツ・アラカシ㌧・ツブラジイ・クスノキ・ サカキ・ヤブツバキ・ウバメガシ・エノキ・ム クノキ・・モッコク・ヤプニッケイ等の混交林が 最も多く,以下,クロ・マツ林,ツブラジイ林, アラカシ林,ウバメガシ林,アカマツ林…等々 が確認できた。また,島峡部,海岸付近,平野 部,山間部等によって樹林の差異が認められた。 金刀比羅宮(琴平町),藤尾神社(高松市), 大水上神社(高瀬町),天川神社(琴南町), 川上神社(綾上町),水主神社(大内町)等, 内陸から山間地の社叢ほよく発達しており,保 存状況も良好なものが多かった。保存をおびや かす要因の主なものほ,人間の立入り,下刈・ 伐採,道路・遊園地の開設,周辺の開発,病害 虫(マックイムシ)等であった。環境保全や記 念物の指定,宮司の居住により管理がゆきとど いている社寺林以外ほ,保護管理が充分でなく 多くの社凝ほしだいに縮小され姿を消しつつあ った。また,スギ・ヒノキを植林するために, 従来の樹林の−・部または大部分を伐採した所も あった。 本調査ほ過去10年間(およそ300社寺は3年 間)のもので,調査期間中1∼2カ月間で道路 その他の工事で社叢の大部分が消えた例からも, 社寺に.よっては,現在多少とも変貌しているこ とが予想さわる。 文 献 緑地研究会.1974.社寺林の研究.森林(1). 222pp.土井林学振興会.

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.1976.社寺林の研究.森林(5). 51pp.土井林学振興会. 香川県神社総代連合会誌編輯委員会.1983.香 川県神社総代連合会誌.252pp.香川県神社 総代連合会. 香川県文化財保護協会.1989.香川の文化財 (市町編).289pp.香川県文化財保護協会. 香川県環境保健部.1981.香川県自然環境保全 指標策定調査報告書(土器川水系).216pp. 香川県. 1982.香川県自然環境保全 指標策定調査報告書(香川県中讃西部地域). 422pp.香川県. 1985.香川県自然環境保全 指標策定調査報告書(香川県中讃東部地域). 345pp.香川県. 1986.香川県自然環境保全 指標策定調査報告書(香川県東讃地域).331 pp.香川県. 1987.香川県自然環境保全 指標策定調査報告書(香川県小豆島地域). 228pp.香川県.

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