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香川県高松市屋島のミサゴPandion haliaetusの採餌と潮汐の関係-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(KagawaSeibutsu)(31):23−24,2004

香川県高松市屋島のミサゴ劫乃dわ〝ゐαJgαe餌∫の

採餌と潮汐の関係

馬 場 智 子

〒70卜4271岡山県邑久郡長船町長船216

TherelationshipbetweentideandforaglngintheospreyPandionhaliaetus

atYashima,Takamatsu,kagawaPrefecture

SatokoBaba,2Jら05αん〟乃ち0∫αゐ〟〝e−dqO血−g〟均0たの′α刑α,乃ノー427J,J呼α〝 を「ダイビング個体数」とし,潮汐との関係で 分けた3区分で比較した。この3区分は「干潮 前後1時間」,「干潮と満潮の中間前後1時間」, および「満潮前後1時間」であり,これはそれぞ れ干潮,干潮と満潮の中間,および満潮の前1 時間と後1時間である。そして∵それぞれの前1 時間と後1時間の「出現個体数」および「ダイ ビング個体数」において,有意水準0一.05で有意 な差が見られない場合にこれらを同等のもの として−扱った。 その結果,1時間あたりの出現個体数は干潮 前後1時間(以下,干潮前後と略す)で4..57羽, 干潮と満潮の中間前後1時間(以下,中間前後 と略す)で4..18羽,満潮前後1時間(以下,満 潮前後と略す)で2.08羽であり(図1),干潮 前後と中間前後は満潮前後より有意に多かっ た(Mann−Ⅵ仇血ey,sUtest,干潮前後と満潮前後 p<仇05;中間前後と満潮前後p<0・・05)小1時

間あたりのダイビング個体数は干潮前後で

1∼93羽,中間前後で0り94羽,満潮前後で0.31 羽であり(図1),干潮前後は満潮前後より有意 に多かった(Mann−Whitney,sUtest,p<0..05)。 今回の調査では,出現個体数およびダイビン グ個体数は干潮前後に多かったが(図1), Fleming&Smith(1990)の研究では,干潮と満 潮との間の時間帯に多かった。その要因として, ミサゴアα〝成0〝んα〟αe血5はタカ科の鳥であ る。主に魚を餌とし,海や河川でダイビングを して採餌するが,ダk研削吻&ぶ明地(1990)に よると,カナダのノヴァスコシア州で狩りをす るミサゴのダイビング回数は潮汐との関係で みると干潮と満潮との間の時間帯に多かった という。しかし,日本では採餌時刻についての 研究は行われていない。著者は香川県高松市屋 島におけるミサゴの採餌に、ついて調べたので 今後の資料のために報告する。 観察地点は,香川県高松市屋島西町,屋島東 町および屋島中町にわたる丘陵(最高標高292 m)の西側に位置する。その地点は新川・春日 川・詰田川が合流する河口付近であり,水位は 潮汐の影響を大きく受ける場所である。観察は

2002年11月12日から2002年12月27日までの期

間に11回(1日の観察時間446∼600分;平均時 間±標準偏差=553小6±44.5分)行った。記録 は,観察地点から各個体について目視によりミ サゴと確認されてから観察を終えるまでの間 行った。項目は,各個体の観察開始と終了の時 刻,ダイビングの有無,ダイビングした場合は その時刻および魚捕獲の有無である。魚描獲の 有無は双眼鏡(Action8×408.20,ニコン製) で確認した。観察地点から確認されたミサゴの 個体数を「出現個体数」,ダイビングした個体数 ー 23 −

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

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四出現個体数 ロダイビング個体散く失敗) ■ダイビング個体数く魚捕獲〉 さ ヰ 8 8 丁 8 く羽〉 0 1 2 8 4 1 8 丁 出撃個体数(1時間あたり〉 l O t 2 く羽) ダイビング価体扱く1時間あたり) 図1.ミサゴの出現個体数およびダイビング個体数 研究地域でミサゴの餌の約90%を占めるカレ イ目の魚が,水深の深い満潮には底におり,水 深が浅い干潮にはより深い場所へ移動するた め,干潮と満潮の間の時間帯における水深の時 が,ミサゴが最もカレイ目の魚を採餌しやすい ということを挙げていた。このように,餌とな る魚の生息域や動きと,潮汐による水深の関係 がミサゴの採餌に影響を与えていると考える と,屋島で採餌される魚は水深が浅い干潮付近 の時間帯に調査地付近に多いのだろう。しかし, 著者が屋島で繁殖中のミサゴの食べ残しを調 べて同定した魚,すなわちボラ,スズキ,タイ 科,ウマヅラハギ,フナ属の詳細な生息域や動 きと潮汐による水深との関係はわからなかっ た。 今回の報告にあたり,ミサゴの情報・文献の 提供,御指導をいただいた川自敏氏には心から 御礼申し上げる。また,始終御指導いただいた 香川大学教育学部生物学教室の金子之史教授, また同教室の諸先生方に感謝の意を表する。

引 用 文 献

Flemming,SP.&Smith,P.Cり1990.,Envir・Onmental influences on osprey氏)raglngln nOrtheastern

NovaScotia.J.RaptorResearch24(3):64−

67叫

ー 24 −

参照

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