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動的作業環境におけるテレ-マニピュレーションの研究

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Academic year: 2021

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(1)

愛知工業大学研究報告 第

33

B

平成

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動的作業環境におけるテレーマニピュレーションの研究

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under a

Dynamic Environment

梅 沢 将 実 * 羅 志 偉 帥 ぺ 加 藤 厚 生 * へ 伊 藤 正 美 帥 * M.Umezawa, Z.W.Luo, A.kato, M.Ito

Abstract One of the most important problems in tele-manipulation is how to realize the human skill in performing the task by master-slave robot system. Experimental results show that

when human operator turns a crank directly

he/she actively uses the contact force along the normal direction of the crank. Although the normal contact force does not contribute to the rotation ofthe crank, it influences the arm-crank system's stability. 1n this research, we study on how to compensate the master-slave robot system to turn the crank skillfully

1

7

1.はじめに ステムが安定となるような設計をすることに重点が テレーマニピュレ}ションは,人聞が直接入れない おかれていたため,オベレータの入カには制限があり, 環境,スケ}ノレ的に人間と整合しない環境,また,人 作業自体の効率を犠牲にしているといえる.また,具 聞による直接操作が困難な動的な環境のもとで作業 体的な作業の想定がされていなかった. するための重要な技術である.また,明確に数式で記 そこで,本研究ではクランク回転作業を例として, 述することが困難な作業技能をロボットに教示する オベレータの能動性を最大限に発揮できるようにロ のにも有効な手法である.近年,ロボットによる人間 ボットシステムの制御補償を行うことを主要課題と の技能の実現が重要視されているが,現在のロボット した. はまだ簡単な作業しか行うことができず,人間のよう な優れた作業技能をロボットによって実現すること は,とても難しい問題とされている. テレーマエピュレ}ションの実現手段のーっとし て,マスタースレーブロボットを用いる方法がある. 従来より,テレーマニピュレーションの研究では,離 れた場所にいる操作者が実際に作業を行っているか のような臨場感の実現に関する問題。2)や,双方向時 間遅れによるシステム全体の不安定性の問題8),環境 やオペレータの不確かさから生じるマスタースレー ブロボット間のミスマッチングを吸収する制御設計 司】 法4)5)6)について議論されてきた.しかし,これらはシ * 愛知工業大学 大学院電気電子工学専攻 (豊田市) 帥 愛知工業大学電子工学科(豊田市) 帥*理化学研究所 バイオミメティッタ コントロ-}レ研究センター (名古屋帯) 図(1) A 2・D.O.F.arm turning a crank ロボットアームによるクランクの回転作業を図 (1) に示す.ここで,ロボットとクランクの基準座標を X=[X,

η

T

,ロボットの関節座標を q

=

[Q"Q2f,クラ ンクの半径rと回転角9による作業座標をr

=

[r,8}'

(2)

1

8

で表すものとする 関節座標空間で表す 2 自由度ロボットの運動方程 式は M(q

)

i

i

+h(q,q)= r-JTp で与えられる.ここで Mはアームの慣性行列 h l立遠心力,コリオリ力, τ=[ら,,]'は関節トルク,そ してJは 関 節 座 標 か ら 作 業 座 標 へ の ヤ コ ビ 行 列 を 表 す.また,クランクのハンドノレにおける相互作用力を F= [F,.,rFofとする. 一方,クランクの接線方向のダイナミクスは Iθ+ BB = .rろ (2) と表される.ここで 1はクランクの慣性モーメント, Bはクランクの粘性係数,

r

はクランクの回転半径で ある.また,クランクの幾何学的拘束により, r=戸=0 である. 人聞は未知の作業環境との複雑な相互作用の中で, 環境拘束に適応し,作業スキノレを獲得することによっ て巧みな運動を実現する 太田ら7)は,人聞によるク ランク回転作業について,くり返しトレーニングによ って人聞がし、かにクランクの幾何学的・動力学的拘束 に適応し,回転作業をスムーズに実現するかについて (1) おける手先接触力のベクトノレ変化を図 (2)に示す.た だ し , ク ラ ン ク の 回 転 軸 に は 粘 性 抵 抗 B = 0.3 [Nms/rad]を与えている その結果gはじめ, またはクランクが見えない場合には,被験者はクラン クを外側に引っ張りながら回転させていたが,熟練す るにしたがって,動作開始時と停止時を除いて,逆に クランクを内側

l

に押しながら回転するように変化し た.半径方向のカはクランクの回転方向に直交し,一 見回転作業には関係しないように恩われるが,なぜ半 径 方 向 の 力 が 必 要 で あ る の か と い う こ と に つ い て 数 理的な解析を行う. アームの運動方程式(式(1))とクランクのダイナミ クスの式(式(2))より,系金体の運動方程式は, rTMr'(r-jq)+rTh(q,tj)

+

1

T~ F,. ~J=rTr

(4) 11θ+BBI となる.ここで,クランクの拘束条件式(式(3))より, ア 1 ・ T ., "'

IM

I1 M"

1

1

B

1

r'MF'(ト Jq)+ r' h(q,ij)= 1 ,-," ,-;"11~, I (5) L M2I M2211B'1 と表すことができるので,式(4)に代入し

e

'

を消去 すると, (3) l'θ+Be+杭 =[k l]rT

(6) 実験的に計測を行い,作業技能の巧みさについて興味 となる.ただし, を与えない場合と,与えた場合のトレーニング前後に は回転方向 θの関数であるので,半径方向の接触カF,. は回転方向における系金体の運動に影響を及ぼすこ とが分かる目式(6)で回転速度について微小摂動Aθを 導入し, Taylor展開により第一次近似を取ると,左 深 い 実 験 結 果 を 得 て い る 彼 ら は , 被 験 者 を ク ラ ン ク に正対して座らせ,クランクのハンドルを握って方と ひ じ 関 節 の み を 使 っ て 水 平 面 内 で ク ラ ン ク を 一 回 転 させる作業を繰り返し行った.手先位置等の視覚情報

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1'(θ)=M2I -

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+1 (7)

時一号?

(8) 辺の各項は, グl' " " ok (1'(θ')+一:;::-M)(θ+11θ)+B(θ+11θ)+ (k(θ)+一-/::;θ)F

oe " " o e (9) となる.さらに式(6)と比較してムθについて整理する と, τ A 凸

-! ' 守 山 し F J J 刊 だ 品 川 一 m m θ た + A 凸 H A U 一一る町一 m w L U 山 、 す ペ = 一 ド ト ら K 且 寸 4 イ l 、 竹 川 N (10) (11) であり, 11τは微小摂動M に関する制御入力とする. ここで,

2

2

7

l

θ

' は微小であるため,

(3)

動的作業環境におけるテレーマニピュレーションの研究 r3k E同一~F r3B ' である. ここで,式(10)において,係数 1', Bは常に正である ので,F,の符号が系金体の安定性に影響することが わかる つまり,クランクを外側に引っ張ったとき, K>Oとなり,系を安定させる効果がある.逆に,ク ランクを内側に押したときにはK<Oとなり,系の安 定性を阻害する効果がある したがって,人聞は作業を行うとき,はじめは確実に 作業を遂行できるようにクランクを外側に引っ張っ て系の安定性を高めながら作業を行う.しかし,十分 に練習した後には,クランクを押しながら回す.これ は,むしろ系の不安定性を積極的に利用しているので はないかと推測される.つまり,クランクを巧みに押 すことによって,より速く,効率よく作業を実現しよ うとしているのではないかと考えられる. このような環境に接触するような作業をロボットに 行わせるとき,制御方法として,望ましい運動を,環 境の逆グイナミクスまたは逆モデルを通すことによ って作り上げるという方法も考えることができる.し かし,逆モデルだけでは環境に対してどうやって巧み に作業するかという操作性を表現することはできな い.このことから,人間の巧みな技能をロボットによ って実現することを考えたとき,環境のモデ、ノレが分か るだけでは不十分であり,人間の巧みな作業技能を実 現する必要があるといえる しかし,人聞が系の不安 定性を積極的に利用することによって,作業を巧みに 実現しているとすると,従来のような,系の安定性を 第一に考えた制御系の設計では人間のような巧みな 作業技能は実現できないと考えられる. (a) (b) (c) 図(3) "7スタロボットの制御補償

1

9

(12) 3 マスタロボットの制御補償 オベレータがマスタースレーブロボットを操作す ることによって遠隔作業を行うとき,人間の作業技能 を効果的に発揮させるためには,オペレータがマスタ ロボットからあたかもオペレータ自身が直接作業を しているかのように感じることが重要であると考え られる. したがって,図 (3)に示すような司作業対象 のモデ、/レや,スレーブロボットからの力や位置のフィ ードパックにより,マスタロボットが作業対象のダイ ナミクスを表現するような制御補償を施すべきであ る オペレータ,マスタおよびスレーブロボットの運動 方程式は次のように表される.

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I],)ξ (ο1め) 5 ここで'添え字の0仏 m,Sはそれぞれ,オペレータ, マスタロボット,スレーブロボットを表す また,

F

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ヲTB

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F

[

Jθ+Bθ'j' (16) はスレーブロボットと作業対象の接触カベクトノレで あり,Fmはオベレータとマスタロボットの力ベクト ルである. 作業対象のダイナミクスを -Fm =1λ,,+8)'m+K,(

ι

ーらd) (17) で 表 現 さ れ る イ ン ピ ー ダ ン ス と し て オ ペ レ ー タ が 感 じるためには,マスタロボットに対して, τm -I r_I I .r-r" I

J1Lmde14│+K10

1

)

+

札)+札+J'

(18) の非線形制御補償,または,スレーブ側から得る情報 によって τm -1, " -1, _ _

I

r

m

I

I

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r'(

(凡 +8'1~:

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札)+札+J'

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F

となるようなパイラテラル制御補償を施す必要があ る.ここで, ﹁Ill111 ﹂ ハunu k r o ﹁ Ill111L

一 一

e k ﹁Ill111

o

及 つ 0 ﹁ 1 1 1 1 1 1 1 1﹂

一 一

e B ﹁1 1 i i﹂ ハU v l F G ハ U ﹁ 1 1 1 1 1 1 1 1 ﹂

一 一

e F d はそれぞれ,作業対象の慣性行列,粘性行列,弾性行 列を表す. 4 テレーマニピュレーションの作業実験

(4)

愛 知 工 業 大 学 研 究 報 告 , 第

3

3

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, 平 成

1

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1

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8

Operator 図 (4) 実験システムの構成 図(5) 実験システム このようにして得られる制御補償の効果を調べる ため,図 (4),(5)に示すマスタースレーブシステムを 用いた.ここで,マスタおよびスレーブロボットには 水平面内で動作する 2台の同型のダイレクトドライ ブロボットを用いた.また,マスタおよびスレーブロ ボットの手先にカセンサを取り付け,スレーブロボッ トの先にはクランクを取り付ける凶 2台のロボッ卜の 関節角度情報,およひ、手先の接触力情報はパルスカウ ンタボードおよび A/D変換ボードを経由して計算機 に 入 力 さ れ , 実 時 間 オ ペ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム

VxWorks

DSP

によってそれぞれのロボットの関節 駆動トルクを計算する.この駆動トルク情報を D/A 変 換 ボ ー ド か ら ロ ボ ッ 卜 コ ン ト ロ ー ラ に 送 る こ と に より,ロボットを駆動する.ここで,スレーブロボッ トはマスタロボッ卜との関節角度偏差による位置運 (,) (c) [N) 0.05ト _,c.ぬ内み」 ¥ 20 - 盟 盟 掴MasterRobot =-,師時,Slave Robot 10 Y 0十主 F,

-10 刊にこニノ -20 (b) 司0.1 ー0.05 1m] (d) 3 X Timc [scc] frad/sccJ 20r [N)

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1¥ 10 品 百m' ほ,[c3l Tim巳 2 l'∞3 1 図(6) 実験結果(条件A) (,) (c) [m]

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-20 [mj 1凡m' 3 - 3 0 0 [5ec] 図(7) 実験結果(条件B) (c) dN] Timc !scc3

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-10 20 3 -300 2 lsm3l Timc I民'1 1凡mc 図(8) 実験結果(条件 C)

(5)

動的作業環境におけるテレーマニピュレーションの研究 21 動制御を行うものとした. 実験結果を図(6)から図(8)に示す.ここで,図(めは マ ス タ ロ ボ ッ ト に 対 し て 何 も 制 御 補 償 を 加 え な い 場 合(条件 A)

図 (7)は作業対象であるクランクのモデル のみを用いた場合(条件B),図(8)は実際にスレーブロ ボ ッ ト か ら 得 た 情 報 に よ っ て マ ス タ ロ ボ ッ ト に 補 償 を施した場合(条件

C

)

を示す.また,各図(a)は基準座 標における各ロボット手先軌道,各図(b)は時間ーク ランク回転角速度,各図 (c)は半径方向の接触力,各図 (d)は時間一接線方向の接触力を示す. これらの結果を比較すると,マスタロボットを自由 に動かすことができる場合は,オペレータは作業対象 の拘束を感じることができないため‘オペレータとマ ス タ ロ ボ ッ ト の 手 先 軌 道 は ス レ ー ブ ロ ボ ッ ト の 手 先 軌道,つまり実際のクランク軌道からずれを生じてい る.また,スレーブロボットは作業対象であるクラン クによって拘束を受け,かっ,マスタロボットの位置 との偏差によって制御されているため,スレーブロボ ット手先には大きな接触力が発生している作業対象 の拘束モデソレのみを用いた場合には,図(7)に示すよ うに, 7スタロボットの手先軌道はスレーブロボット の実際の位置とほぼ一致しており,クランクから受け る接触カも望ましい値に制御できている,ただし,モ デノレの不確かさの影響を考慮するためには,直接スレ ー ブ ロ ボ ッ ト か ら フ ィ ー ド パ ッ ク 情 報 を 得 る 方 が 望 ましい.しかし,この場合には図(8)に示すように, 手先軌道や手先の接触カは振動を起こし,モデルのみ を用いた場合と比較すると,あまり望ましくない結果 となった.この主な原因は,マスタースレ}ブ開動作 時間および位置の遅れや,作業環境との接触による反 力を制御に用いたパイラテラノレ制御の不安定性から 生じものと考えられる 5. まとめ 本研究では,動的作業環境における人間の作業技能 の数理的な解析から,人聞は拘束方向の力を利用する こ と に よ っ て 腕 と 作 業 対 象 を 含 め た シ ス テ ム の 不 安 定性を積極的に利用していることを示した. また,テレ マニピュレーションによって人間の巧 みな作業技能を実現するためには噌オペレータに対し て,あたがも直接作業しているように感じさせるよう に環境を示すことが有効であり,作業対象のモデルを 用いることによって,より効率よくクランクの回転を 行うことが可能であることを示した 参考文献 1) 横小路,吉)11:理想的な筋運動感覚を与える7 スタ・スレーブマニピュレータのパイラテラ/レ 制御,計測自動制御学会論文集, Vo1.24, No.1, pp.56-63, 1991 2) 舘.榊 インピーダンス制御型マスタ・スレー ブ・システム (I) (II) (m) ,日本ロボッ ト学会誌,Vo1.8, No.3, pp.241-264, 1990, Vol.lO, No.3

pp.418-421

1992

3) R.J.Anderson and M.W.Spong: Bilat巴ralControl

of Tele-operators with Time Delay

IEEE Trans. Auto-matic Control, AC-34田5,494/501, 1989

4) Kazerooni, T. 1. Tsay and K. Hollerbach : A Controller Design Framework for Telerobotic Systems

IEEE Transactions on Control Systems Technology, Vo1.1, No.1, pp.50・62, 1993

5) M. H. Leung, B. A. Francis and J. Apkarian : Bilateral Controller for Teleoperators with Time Delay viaμ-Synthe呂is, IEEE

Transactions on Robotics and Automation, VoL11, No.1, pp.105-116, 1995 6) 吉川1,横小路・環境とオペレータ特性の不確実さ を考慮したマスタ・スレーブシステムのロバスト 制御, 日本ロボッ卜学会誌, Vo1.l4, No.6, pp.836・845,1996 7) 太田,羅,伊藤:作業環境との相互作用のもとで の 生 体 運 動 解 析 , 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 誌 , Vol.J80-D-2, No.7, 1997,ページ未定 ( 受 理 平 成10年 3

20日〉

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