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その他の症例の概括安全度評価に関しては問題ないと判断した これより 申請品目の手関節機能が障害された患者における臨床的有用性が示されたと結論づけた 臨床試験結果の概要については 下記の表 8 に記載する 項目治験の目的 治験の種類対象患者選択基準 除外基準 症例数使用方法 検査 観察項目 使用期間観

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8.臨床試験の試験成績等 総括 本品は、Co-Cr-Mo 合金製の骨頭、Ti-6Al-4V 合金製の手根骨ステム及びボーンスクリ ュー、UHMWPE 製の橈骨ステムにて構成された全人工手関節である。当社既承認品目 と原材料・製造工程は同一であるが、国内において同形状の表面置換半拘束型人工手関 節 が 存 在 し な い こ と か ら 臨 床 試 験 デ ー タ が 必 要 と 判 断 し 、 治 験 実 施 計 画 書 番 号 : NM002-01 及び治験機器識別記号:NM002 として臨床試験を実施した。

有効性評価について、主要評価項目であるWrist Scoring System by Figgie の治験 機器埋植後18 ヵ月における評価が有効であった症例は 85.0%(17 例/20 例中:95%正確 信頼区間,62.1% to 96.8%)であった。

副次評価項目である THE DASH the JSSH version スコアが有効であった症例は 90.0%(18 例/20 例中:95%Wilson 信頼区間,69.9% to 97.2%)であった。また、 Visual Analogue Scale スコアについて有効であった症例は 100%(20 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間,83.9% to 100.0%)であった。 可動域による臨床的有効性について、埋植 18 ヵ月における掌屈スコアでは 55.0%(11 例/20 例中:95%Wilson 信頼区間,34.2%to74.2%)、背屈スコアでは 85.0%(17 例/20 例中:95%Wilson 信頼区間,64.0%to94.8%)、橈屈スコアでは 50.0%(10 例/20 例中: 95%Wilson 信頼区間,29.9%to70.1%)、尺屈スコアでは 50.0%(10 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間,29.9%to70.1%)、回内スコアでは 75.0%(15 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間,53.1%to88.8%)、回外スコアでは 60.0%(12 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間,38.7%to78.1%)、が有効であった。また、握力による臨床的有効性に ついては、78.9%(15 例/19 例中:95%Wilson 信頼区間,56.7%to91.5%)が有効であっ た。 安全性評価について、有害事象は全例で発生しており(20 例/20 例中:100.0%)、その うち副作用(治験機器との因果関係が否定できない事象)が発生していた被験者は 1 例 2 件(①手関節背側部の腫脹・熱感、②第 3 中手骨の骨透亮像の出現)であり、いずれも軽 度であった。重篤な有害事象は10 例で 16 件発生したが、そのうち副作用は発生していな かった。また、死亡例も発生しなかった。 治験機器の不具合については 2 件認められた。1 件は橈骨ステムの外包表示間違いで あり、埋植前に認められた事象であったため被験者への健康被害はなかった。もう 1 件は 埋植 18 ヵ月後観察時にボーンスクリューの折損が認められた事例であるが、1 ヵ月後の再 観察でも折損に関連する疼痛等の自覚症状やその他の問題は認められなかった。 X 線学的評価では、術直後及び術後 3 ヵ月時点で緩みありと判断された症例は認められ なかった。術後6 ヵ月で緩みありと判断された症例は 1 例(1 例/20 例中:5.0%)、術後 12 ヵ月で緩みありと判断された症例は4 例(4 例/20 例中:20.0%)、術後 18 ヵ月で緩みありと 判断された症例は4 例(4 例/20 例中:20.0%)であった。 18 ヵ月時点で判定された概括安全度について、ボーンスクリューの折損が発生した 1 症 例は「問題あり」であったが、その他の症例は「問題なし」であった(19 例/20 例中: 95.0%)。 以上の結果から、申請品目の臨床的な有効性は意図した通り明確に示されていた。ま た、安全性については、ボーンスクリューの折損が認められた 1 例は概括安全度評価にお いて「問題あり」とされたが、その他の症例については治験機器との因果関係を否定できな い有害事象が軽度な1 例 2 件に認められたのみであったこと、X 線学的評価上の緩みが 4 例で認められたが、実際の関節機能に明らかな悪影響は認められなかったこと、などから 57

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その他の症例の概括安全度評価に関しては問題ないと判断した。これより、申請品目の手 関節機能が障害された患者における臨床的有用性が示されたと結論づけた。 臨床試験結果の概要については、下記の表8 に記載する。 表8 臨床試験の概要 項 目 内 容 治験の目的 関節リウマチを原疾患とする手関節不全で、全手関節固定が適応となる患 者に対して、手関節機能の再建を目的として実施する。治験機器である人工 手関節NM002を埋植し、18ヶ月の経過観察にて安全性および有効性の確 認を行った。 また安全性に関しては、有害事象、X 線評価(透亮線の確認/沈み込み・偏 位/皮質骨の侵食)を判断指標とし総合的に安全性を評価した。 治験の種類 多施設共同単群オープン試験 対象患者 関節リウマチを原疾患とする手関節不全の患者。 選択基準 以下の条件を全て満たす事を選択基準とした。 ① 人工手関節置換術以外で手関節全固定が適応となる関節リウマチの患 者

② Wrist Scoring System by Figgie1)において、スコアが50 点未満の患者 ③ Larsen 分類 grade においてⅣ~Ⅴの患者 ④ 20 歳以上の患者 ⑤ 本人が同意説明文書の内容を十分に理解することができる患者 ⑥ 本人が同意文書に日付を記載し、署名する能力のある患者、又は病状に より本人が署名できない場合は、本人が同意し、本人が認める代筆者が 署名できる患者 除外基準 ① 人工手関節再置換の患者 ② 神経病性関節症の診断を受けた患者 ③ 手関節内部または周囲に感染症がある、若しくは潜在的感染の疑いがあ る患者 ④ 精神・神経疾患を有し、医師の指導を守れないと考えられる患者 ⑤ 妊娠中、あるいは妊娠している可能性のある患者 ⑥ 医師の指導による後療法が実施できないと考えられる患者 ⑦ 他の治験に参加している患者 ⑧ NM002 を埋植されたことのある患者 ⑨ 骨量が極めて少なく強固な固定が見込めない患者や、筋肉、腱の再建が 困難で機能の回復が見込めない患者 ⑩ 骨セメントの使用に伴う血圧低下、ショック、肺塞栓等の重篤な副作用の 既往のある患者 ⑪ その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適当と判断した患者 症例数 20 症例 使用方法 人工手関節全置換術に使用する。適用に応じて骨セメントを用いて骨内に 固定し、滅菌済み製品であるため1 回限りの使用のみで再使用はできない。 検 査 ・ 観 察 項 目 手関節機能不全の患者に治験機器を埋植し、埋植後18 ヵ月における有効 性及び安全性の確認を行っ た。有効性評価の主要評価項目は Wrist Scoring System by Figgie、副次的評価は THE DASH the JSSH version、Visual Analogue Scale、可動域、握力とした。

安全性評価項目は有害事象及びX 線学的評価とし、総合的に評価した。

使用期間 体内埋め込み

観察期間 18 ヵ月

治験期間 治験期間(年数):3 年 6 ヵ月 58

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最初の被験者の同意取得日:2010年3月 日 最終被験者の最終観察終了日:2013 年 9 月 日 代表施設名及 び施設数 北海道大学病院ほか1 施設 (施設数:2 施設) 結果 有効性に関する主要評価項目の結果:

治験機器埋植後18 ヵ月における Wrist Scoring System by Figgie が 70 点以上かつRange of Motion のスコアが 10 点以上である症例を「臨床的に 有効」と し た結果、85.0%(17 例/20 例中:95%信頼区間,62.1% to 96.8%)が「臨床的に有効」であり、閾値である 5%と比較して、統計学的優位 に改善が認められた。

有効性に関する副次的評価項目の結果:

埋植後18 ヵ月における THE DASH the JSSH version スコアが低下 していれば「有効性あり」とした結果、90.0%(18 例/20 例中:95%Wilson 信頼区間,69.9% to 97.2%)が有効であった。

また、埋植後18 ヵ月における Visual Analogue Scale スコアが術前よ りも低下していれば「有効性あり」とした結果、100%(20 例/20 例中: 95%Wilson 信頼区間,83.9% to 100.0%)が有効であった。 安全性評価項目の結果: 有害事象は全例(20 例/20 例中:100.0%)で発生しており、そのうち、副作 用(治験機器との因果関係が否定できない事象)が発生していた被験者数は 1 例(1 例/20 例中:5.0%)、事象は 2 件であり、いずれも軽度であった。その 他、死亡例0 例(0 例/20 例中:0.0%)、重篤な有害事象 10 例(10 例/20 例 中:50.0%)であったが、副作用は発生していなかった。 治験機器の不具合としては2 件認められた。1 件は橈骨ステムの外包の表 示間違い(左と右を誤表示)であったが、被験者への埋植前に認められた事 象であり、健康被害はなかった。もう 1 件は埋植後 18 ヵ月観察時にボーンス クリュー2 本のうち 1 本に折損が認められた事象であるが、その後 1 ヵ月後の 再観察で折損に関連する疼痛等の自覚症状やその他の問題は認められな かった。 X 線学的評価では、術直後及び術後 3 ヵ月時点で緩みありと判断された症 例は認められなかった。術後6 ヵ月で緩みありと判断された症例は 1 例(1 例 /20 例中:5.0%)、術後 12 ヵ月で緩みありと判断された症例は 4 例(4 例/20 例中:20.0%)、術後 18 ヵ月で緩みありと判断された症例は 4 例(4 例/20 例 中:20.0%)であった。 結論 有効性評価項目及び安全性評価項目に関する評価結果を総合し、手関節 機能が障害された患者における臨床的有用性が示されたと結論づけた。 59

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8.1 臨床試験成績等 8.1.1 臨床試験の概略 臨床試験の概略は表8.1.1(1)に、検査・観察項目及び概要は表 8.1.1(2)に示す通りである。 表8.1.1(1) 臨床試験の概略 治験の目的 関節リウマチを原疾患とする手関節不全で、全手関節固定が適応となる患 者に対して、手関節機能の再建を目的として実施する。治験機器である人工手 関節NM002を埋植し、18ヶ月の経過観察にて安全性および有効性の確認を 行った。 また安全性に関しては、有害事象、X 線評価(透亮線の確認/沈み込み・偏 位/皮質骨の侵食)を判断指標とし総合的に安全性を評価した。 治験の種類 多施設共単群オープン試験 対象患者 関節リウマチを原疾患とする手関節不全の患者。 治験調整医師 北海道大学病院 整形外科 教授 岩崎倫政 治験実施医療機関 及び治験責任医師 ●実施医療機関 北海道大学病院 〒 060-8648 北海道札幌市北区北 14 条西 5 丁目 北海道整形外科記念病院 整形外科 〒 062-0937 北海道札幌市豊平区平岸 7 条 13 丁目 5-22 ●治験責任医師(所属 職名 氏名) 治験期間 治験期間(年数):3 年 6 ヵ月 最初の被験者の同意取得日 :2010年3月 日 最終被験者の最終観察終了日:2013年9月 日 治験方法 (検査・観察項目) 関節リウマチを原疾患とする手関節不全の患者を対象とした単群、オープ ン、多施設共同試験にて実施した。選択基準に合致し、除外基準に抵触しな かった全手関節固定が適応となる患者 20 例を対象に、NM002 を埋植し、18 ヵ月間の有効性および安全性を検討した。

有効性評価としてはWrist Scoring System by Figgie、THE DASH the JSSH version、Visual Analogue Scale、可動域評価、握力を評価項目とし て設定した。安全性評価では有害事象観察及び X 線学的評価を評価項目と し、総合的に評価した。 症例数 20 症例 診断及び 主要な組入れ基準 関節リウマチを原疾患とする手関節不全患者を対象とし、以下の条件を全て 満たす事を選択基準とした。 【選択基準】 ① 人工手関節置換術以外で手関節全固定が適応となる関節リウマチの患者 ② Wrist Scoring System by Figgie1)において、スコアが 50 点未満の患者 ③ Larsen 分類 grade においてⅣ~Ⅴの患者 ④ 20 歳以上の患者 ⑤ 本人が同意説明文書の内容を十分に理解することができる患者 ⑥ 本人が同意文書に日付を記載し、署名する能力のある患者、又は病状に より本人が署名できない場合は、本人が同意し、本人が認める代筆者が署 名できる患者 【除外基準】 ① 人工手関節再置換の患者 ② 神経病性関節症の診断を受けた患者 60

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③ 手関節内部または周囲に感染症がある、若しくは潜在的感染の疑いがあ る患者 ④ 精神・神経疾患を有し、医師の指導を守れないと考えられる患者 ⑤ 妊娠中、あるいは妊娠している可能性のある患者 ⑥ 医師の指導による後療法が実施できないと考えられる患者 ⑦ 他の治験に参加している患者 ⑧ NM002 を埋植されたことのある患者 ⑨ 骨量が極めて少なく強固な固定が見込めない患者や、筋肉、腱の再建が 困難で機能の回復が見込めない患者 ⑩ 骨セメントの使用に伴う血圧低下、ショック、肺塞栓等の重篤な副作用の既 往のある患者 ⑪ その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適当と判断した患者 治験機器 一般的名称:全人工手関節(NM002) ・治験機器は、以下の4 種の構成部品からなる。 ①骨頭、②手根骨ステム、③橈骨ステム、④ボーンスクリュー ・①および③は左右の別がある。 対照機器:対照機器は使用しなかった。 使用期間 体内埋め込み 使用方法 人工手関節全置換術に使用する。適用に応じて骨セメントを用いて骨内に 固定し、滅菌済み製品であるため1 回限りの使用のみで再使用はできない。 対照治療等 該当なし 評価方法・評価基 準 有効性: (1)主要評価項目

治験機器を埋植後 18 ヶ月時点において、Wrist Scoring System by Figgie が 70 点以上かつ Range of Motion のスコアが 10 点以上である 症例を「臨床的に有効」とみなした。

Wrist Scoring System by Figgie

Pain relief * Points

None/ignores 50

Slight 45

Moderate 25

Severe 0

Range of motion **

Flexion(1 point for each 5°) 0-50°(Maximum 10) Extension(1 point for each 5°) 0-50°(Maximum 10) Function

Stable all positions arc of motion > 40° 30 Stable all positions arc of motion > 20° 25 Stable in neutral only 20 Unstable for power use 10 Cannot position wrist activity or unstable 0 A painless arthrodesis rates 70 points

*:疼痛判定は以下の基準に従った。 ・None/ignore:常時全く痛みを感じないか、まれに感じてもほとんど気にな らない。 ・Slight:安静時には痛みはないが、手作業を行ったときや天候・季節の変 化により痛みを感ずるが、鎮痛剤はほとんど必要ない。 ・Moderate:安静時にはほとんど痛みがないが、日常生活動作において痛 みを感じ、時に鎮痛剤の服用が必要となる。 ・Severe:安静時でも痛みを感じる。 * 61

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(2)副次的評価項目

副次的な有効性の指標として、①自他覚所見のうちTHE DASH the JSSH version に ついて は ス コ ア が低 下し ていれ ば 、ま た Visual Analogue Scale については術前よりもスコアが低下していれば有効性あ りとみなした。②可動域ついては術前よりも可動域が拡大していれば、③ 握力については握力が上昇していれば「臨床的に有効」とみなした。最終 的な判断は18 ヶ月観察終了時に行った。

① 自他覚所見(THE DASH the JSSH version、Visual Analogue Scale)

治験実施計画書別紙1(THE DASH the JSSH version)および 別紙2(Visual Analogue Scale)に定める評価方法を用いてそれぞ れ100 点満点で評価した。

ただしTHE DASH the JSSH version の選択項目のうちスポー ツ/芸術活動および仕事についての回答に関しては被験者の自由 意思に任せ、全ての被験者に求めるものではないこととした。 ② 可動域 手関節機能に関する可動域について評価する。評価対象は以下の 6 項目。 掌屈 / 背屈 / 橈屈 / 尺屈 / 回内 / 回外 ③ 握力 握力計又は血圧計(被験者の手関節機能の状態により握力計によ る測定が不可能な場合)を用いて治験対象側の握力を測定した。ただ し、1 例の被験者については埋植前後で測定方法が異なった。 安全性: (1)有害事象 治験実施期間に発生した全ての有害事象に関して、有害事象名、発現 日、程度、治験の継続、処置、転帰、転帰日、治験機器との因果関係を評 価し、治験機器との因果関係を否定する場合には因果関係否定の理由を 記載した。 程度、治験機器との因果関係、治験機器の因果関係否定の理由は以 下の基準による。 【程度】 治験実施計画書別紙 4 の厚生省薬務局安全課長通知「医薬品等の副 作用の重篤度分類基準について(平成4 年 6 月 29 日薬安第 80 号)」を 参照し、以下の3 段階(1.軽度、2.中程度、3.重度)を参考にしてその程度 を判定した。 1.軽度: 軽微な異常と考えられるもの。(グレード1に該当) 2.中程度: 重篤な異常ではないが、軽微な異常でもないもの。(グレード 2 に該当) 3.重度: 重篤な異常と考えられるもの。(グレード3 に該当) すなわち、被験者の体質や発現時の状態等によっては、死亡 または日常生活に支障をきたす程度の永続的な機能不全に陥 る恐れのあるもの。 【治験機器との因果関係】 以下の4 段階(0. 因果関係なし、1. たぶん因果関係なし、2. たぶん因 果関係あり、3. 因果関係あり)で判定した。 0.因果関係なし 治験機器と事象発現の時間的な順序関係が成立せず、 原疾患、合併症、併用薬、併用処置等、他の要因による と考えられる場合。 62

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1.たぶん因果関 係なし 治験機器と事象発現の時間的な順序関係が成立する が、原疾患、合併症、併用薬、併用処置等、他の要因に よると推測でき、治験機器による可能性はほぼ否定できる 場合。 2.たぶん因果関 係あり 治験機器と事象発現の時間的な順序関係が成立し、且 つ、原疾患、合併症、併用薬、併用処置等、治験機器以 外の要因が、ほぼ否定される場合。 3. 因果関係あり 治験機器と事象発現の時間的な順序関係が成立し、且 つ、因果関係を支持する明らかな理由がある場合。 大分類として、因果関係が「0.因果関係なし」または「1.たぶん因果関係 なし」の症例については「因果関係が否定された事象」とし、因果関係が 「2.たぶん因果関係あり」または「3.因果関係あり」の症例に関しては「因果 関係が否定できない事象」と定義した。 【因果関係否定の判断理由】 治験機器との因果関係が否定された事象については、否定の判断理由 を必須で記録することとした。判断理由は次の6 つに分類し、「6.その他の 要因による事象」を選択した場合は、コメント欄にその理由を記載した。 1. 生理的変動の範囲内の事象 2. 原疾患または合併症の増悪による事象 3. 一過性、且つ、偶発的と考える変動による事象 4. 併用薬または併用処置等に起因する事象 5. 手術に伴う事象 6. その他の要因による事象 (2)X 線評価 各観察期間のX 線撮影(掌正面、側面)によって得られた画像から治験 実施計画書別紙3 に従い、インプラントの緩みについて評価した。 次の評価項目に基づき、①~③のいずれか一つでも認めた場合はイン プラントの緩み有りと判定した。②に関しては手根骨ステムについてのみ 判定することとした。 ① 透亮線(lucent line)の確認: 各Zone において透亮線の最大値を計測した。その値が、術直後の 値よりも2mm 以上増加していれば進行ありとした。 ② 沈み込み、偏位: 第 3 中手骨頭-中手骨ステム先端の距離(a)及び、中手骨ステム 先端と中手骨ステムの長軸が骨頭近位と交わった点の距離(b)を測 定し、術直後と比較し3mm 以上の変化があれば進行ありとした。詳 細は治験実施計画書別紙 3-2 に従った。なお、人工指関節置換術 を行っている症例では、「第3 中手骨頭」を「第 3 中手骨骨切り部」と 読み替えて測定した。 ③ 皮質骨の侵食: インプラント先端周囲の皮質骨の侵食像の出現の有無を判定した。 (3)臨床検査 治験機器埋植後の感染症の有無をモニターするため、実施医療機関の 標準的検査法に従い、WBC 及び CRP を測定した。治験責任医師は施設 基準値一覧を予め入手しておいた。 検査値の異常(施設基準値からの逸脱)が認められた場合、治験機器 埋植前からの変動の程度を考慮して有害事象として扱うかどうかを判断し た。 63

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(4)概括安全度評価 治験責任医師又は治験分担医師は、上記の(1)有害事象と(2)X 線評 価の評価結果を基に総合的に評価し安全性の有無を判断し、コメントを記 載した。 統計解析手法 統計手法: 解析対象集団: 1)Enrollment Set(ENR) 本試験に登録されたすべての被験者の集団とした。 2)安全性解析対象集団[SAF] 治験機器が埋植された被験者の集団とした。ただし、GCP 不遵守例、埋植 未実施例はSAF から除外した。 3)最大の解析対象集団[FAS] SAFに含まれる被験者で、有効性の解析を実施できる最大の被験者の集団 とした。FASは以下に示す項目にすべて合致した被験者の集団とした。 (1)GCP不遵守例ではない。 (2)主要な登録基準(有効性評価に影響を及ぼす「選択・除外基準」など)を満 たしている。なお、主要な登録基準は、4.2.5.1.選択基準の(1)、(3)および 4.2.5.2.除外基準の(1)とした。 (3)治験機器が埋植された後に1回以上の有効性評価が行われていた。 4)治験実施計画書に適合した対象集団[PPS] FASに含まれる被験者で、計画された有効性解析に影響を及ぼす重大なプ ロトコール逸脱がない被験者の集団とした。PPSは以下に示す項目にすべ て合致した被験者の集団とした。 (1)被験者の取り扱い基準で示す不適格例ではない。 (2)併用医療機器に示されている治療法を実施していない。 (3)観察期終了時及び最終評価時において,主要評価項目のデータが存在し ている。 【評価項目と解析対象集団】 有効性の主要な解析

「埋植18か月後におけるFiggieらのwrist scoring system」において、当 該医療機器NM002を埋植することによって、自然経過から期待されるFiggieら のwrist scoring system 70以上かつRange of Motion のスコアが10 点以 上となる割合5%に対する優越性を示すために、帰無仮説を5%とした一変量の 割合の差の検定を行った。 有効性の副次的な解析 1)術前と比較し、18ヶ月観察終了時における各解析項目の臨床的有効割合と Wilsonの方法に基づく95%信頼区間を求めた。 2)術前、術後6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月時点における各解析項目の要約統計量を 求めた。 以下の場合を臨床的に有効性ありとした。

・THE DASH the JSSH version:スコアが低下したとき ・Visual Analogue Scale:スコアが低下したとき

・可動域:6項目の評価対象のそれぞれについて可動域が拡大したとき ・握力:握力が上昇したとき 安全性の解析 1)全体の有害事象、副作用 (1)有害事象の発現者数の集計を行った。 (2)死亡者数、重篤な有害事象・副作用発現者数の集計を行った。 2)有害事象の分類(自覚症状、他覚所見および臨床検査値異常変動) 64

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(1)有害事象、副作用のSOC別、PT別の発現頻度の集計を行った。また,発 現率が一定以上の有害事象、副作用について、同様に集計を行った。 (2)重篤な有害事象、重篤な副作用のSOC別、PT別の発現頻度の集計を行 った。 3) 臨床検査 (1)各時点における要約統計量(実測値及びベースラインからの変化量)を算 出した。 (2)各時点における臨床検査値の異常値の頻度分布を算出した。 4)X線評価 (1) 「緩みあり」とされた症例割合とWilsonの方法に基づく95%信頼区間を算 出した。 5)有害事象一覧 (1) 埋植後からの日数(埋植日を0日とする)と個々の有害事象の一覧を作成し た。 表8.1.1(2) 検査・観察項目及び時期の概要 時 期 項 目 術前 術中 術後 同意 取得時 スクリー ニング時 術直後 術後 1 週間 術後 2 週間 3 ヶ月 6 ヶ月 12 ヶ月 18 ヶ月 又は 中止時 被験者候補への説明 及び同意取得 ○ 患者背景 ○ NM002 埋植 ○ 術中所見 ○ 有効性評価 Wrist Scoring System by Figgie ○ ○ ○ ○ THE DASH the JSSH version ○ ○ ○ ○ Visual Analogue Scale ○ ○ ○ ○ 可動域評価 ○ ○ ○ ○ 握力 ○ ○ ○ ○ 安全性評価 術前随伴症状観察 ○ 有害事象観察 WBC、CRP ○ ○ ○ X 線撮影 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 概括安全度評価 ○ 随 時 65

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8.1.2 症例構成(患者の内訳) 同意を取得した被験者の内訳を図 8.1.2 に示した。同意を取得した被験者数は 21 例であり、 登録し、治験機器を埋植した被験者数は 20 例であった。中止、逸脱による除外、死亡した被験 者はなく、全例が安全性、有効性の解析対象となった。 計画された被験者:20 例 、同意取得:21 例、スクリーニング:21 例(北海道大学病院の 1 症 例で同意撤回により登録に至らなかった) SAF を対象とした死亡者数、重篤な有害事象発現者数、不具合及び中止者数等を表 8.1.2 に示した。 図8.1.2 患者の内訳 表8.1.2 死亡者数、重篤な有害事象発現者数、不具合および中止者数 全体 被験者数 20 有害事象発現例数 20 (100.0%) 因果関係の否定できない有害事象 1 ( 5.0%) 死亡数 0 ( 0.0%) 重篤な有害事象発現例数 10 ( 50.0%) 因果関係の否定できない重篤な有害事象発現例数 0 ( 0.0%) 不具合発現例数(治験機器埋植前) 1 ( - ) 不具合発現例数(治験機器埋植後) 1 ( 5.0%) 中止した被験者数 0 ( 0.0%) ENR:20 名 SAF:20 名 FAS:20 名 PPS:20 名 GCP 不遵守 治験機器埋植埋植前の中止 (同意撤回を含む) 0 例 治験機器埋植後の中止 0 例 プロトコールの不遵守 0 例 ENR:本試験に登録されたすべての被験者集団 SAF:治験機器が埋植された被験者集団 FAS:有効性の解析を実施できる最大の被験者集団 PPS:計画された有効性解析に影響を及ぼす重大な プロトコール逸脱がない被験者集団 66

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8.1.3 中止・脱落・治験実施計画書からの逸脱 本治験において、中止・脱落の症例はなかった。治験実施計画書からの逸脱については表 8.1.3 に示す。 表8.1.3 治験実施計画書からの逸脱一覧 逸脱の種類 登録番号 内容、理由 医療機関名 組み入れ基準を満たしていない にもかかわらず,治験に組み入 れられた被験者 該当せず 治験期間中に中止基準に該当 するようになったが,中止されな かった被験者 該当せず 使用方法が不適切であった被験 者 該当せず 禁止されている併用療法を受け た被験者 該当せず 主要項目の観測に関する違反・ 不備のある被験者 該当せず 副次評価項目の一部が欠測した 被験者 治験機器埋植2週間後の臨 床検査欠測 北海道大学病院 副次評価項目の測定方法が逸 脱した被験者 握力測定における測定方法 の不統一(握力計、血圧計の混在) 北海道整形外科 記念病院 8.1.4 患者背景 治験機器を埋入した20 症例の患者背景は表 8.1.4 に示すとおりである。 表8.1.4 患者背景 項 目 内 訳 性別 男性: 5 症例(25.0%) 女性:15 症例(75.0%) 年齢(平均±標準偏差) 64.0 歳±8.8 身長(平均±標準偏差) 155.2cm±9.8 体重(平均±標準偏差) 53.8kg±10.8 治験の対象となる手関節 右:12 症例(60.0%) 左: 8 症例(40.0%) 利き手 右:17 症例(85.0%) 左: 3 症例(15.0%)

Larsen 分類 Grade gradeⅣ 16 症例(80.0%) gradeⅤ 4 症例(20.0%) 手関節に関する手術歴 なし:12 症例(60.0%) あり: 8 症例(40.0%) 手関節以外に関する手術歴 なし: 1 症例( 5.0%) あり:19 症例(95.0%) 合併症 なし: 1 症例( 5.0%) あり:19 症例(95.0%) 術前随伴症状 なし:12 症例(60.0%) あり: 8 症例(40.0%) 67

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8.2 結果の解析 8.2.1 有効性の解析

8.2.1.1 個別被験者データ一覧表

本治験においては「Full Analysis Set(FAS)」と「Per Protocol Set(PPS)」の間に 相違がなかったため、FAS に対する解析のみ行った。主要評価項目および副次評価項目に ついて、18 ヶ月後における成績の解析を行った。

8.2.1.2 主要評価項目

8.2.1.2.1 Wrist scoring system by Figgieスコアの解析(FAS)

FAS での 18 ヵ月における Wrist scoring system by Figgie の総スコア 70 点かつ Range of Motion(Flexion+Extension)10 点以上となる割合の解析結果を表 8.2.1.2.1(1)に示し た。割合は85.0%(17 例/20 例、95%正確信頼区間 62.1%~96.8%)であり、閾値である 5%と比較して、統計的に有意であった (p<0.0001)。

表8.2.1.2.1(1) Wrist scoring system by Figgie(FAS)

設定基準 症例数 パーセント

総スコア70 点以上 かつ Range of

Motion 10 点以上を満たす 17 85.0 総スコア 70 点以上 または Range

of Motion 10 点以上を満たさない 3 15.0

8.2.1.2.2 Wrist scoring system by Figgieスコアの推移(FAS)

Wrist scoring system by Figgieの各スコアについて術前から術後6、12および18ヵ月ま での推移を図8.2.1.2.2(1)~(6)に示した。また、要約統計量を表8.2.1.2.2(1)に示した。 各スコアの推移は、Pain relief(疼痛)の改善の程度が最も顕著であり、次いでFunction の改善が明らかであった。これらの改善は6ヶ月後の改善以降はほぼ横ばいで推移した。 被験者毎の推移もぼぼ同様の傾向であった。Range of motionは、これらの指標に比較し 改善が顕著ではなく、Flexionはほぼ横ばい、ExtensionおよびFlexion+Extensionは全体 としては緩やかな改善傾向を示した。 68

(13)
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(15)
(16)

表8.2.1.2.2(1) Wrist scoring system by Figgie 各スコアの要約統計量(FAS) 測定項目 検査時期 症例数 平均(点) 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 20 2.5 7.7 0 0.0 25 6ヶ月後 20 48.8 2.2 45 50.0 50 12ヶ月後 20 49.3 1.8 45 50.0 50 18ヶ月後 20 48.8 2.2 45 50.0 50 術前 20 4.6 3.2 -1 4.0 12 6ヶ月後 20 5.6 3.1 1 6.0 12 12ヶ月後 20 4.7 2.9 1 4.5 12 18ヶ月後 20 4.8 2.8 1 5.0 11 術前 20 3.9 2.3 1 4.0 8 6ヶ月後 20 6.8 3.6 -3 8.0 10 12ヶ月後 20 7.2 4.1 -4 8.0 12 18ヶ月後 20 7.4 4.5 -5 9.0 12 術前 20 8.5 4.5 1 9.5 17 6ヶ月後 20 12.4 4.0 5 13.0 20 12ヶ月後 20 11.9 3.6 6 12.5 18 18ヶ月後 20 12.2 3.4 5 13.5 16 術前 20 16.5 6.3 10 20.0 25 6ヶ月後 20 29.3 1.8 25 30.0 30 12ヶ月後 20 29.3 1.8 25 30.0 30 18ヶ月後 20 29.3 1.8 25 30.0 30 術前 20 27.5 7.2 17 28.0 46 6ヶ月後 20 90.4 5.2 80 90.0 100 12ヶ月後 20 90.4 5.0 81 91.0 98 18ヶ月後 20 90.2 4.8 80 90.0 96 Figgie_Total

Wrist Sc orin g Syste mby Figgie

Figgie_Pain relief Figgie_Range of Motion: Flexion Figgie_Range of Motion: Extension Figgie_Range of Motion: Flextion+Extension Figgie_Function 8.2.1.3 副次評価項目

8.2.1.3.1 DASH the JSSH version の臨床的有効性の解析(FAS)

埋植 18 か月後における DASH the JSSH version の臨床的有効性の解析結果を表 8.2.1.3.1(1)~(3)に示した。

【機能障害/症状スコア】

機能障害/症状スコアにおける臨床的に有効と判定された症例の割合は 90.0 %(18 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間, 69.9% to 97.2 %)であった。

表8.2.1.3.1(1) DASH the JSSH version:機能障害/症状の臨床的有効の割合 DASH_機能障害/症状スコアの改善 症例数 パーセント 臨床的に有効 18 90.0 臨床的に無効 2 10.0 【スポーツ/芸術活動スコア】 スポーツ/芸術活動スコアが無効だった人数は 2 例であり、その他は欠測であった。少数の ため、信頼区間は算出しなかった。

表8.2.1.3.1(2) DASH the JSSH version:スポーツ/芸術活動の臨床的有効の割合 DASH_スポーツ/芸術活動スコアの改善 症例数 パーセント

臨床的に有効 0 0.0

臨床的に無効 2 100.0

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(18)
(19)
(20)

【橈屈】 埋植 18 か月後における橈屈スコアが有効だった割合は 50.0 %(10 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間, 29.9% to 70.1 %)であった。 表8.2.1.3.5(3) 可動域:橈屈に関する臨床的有効性 可動域:橈屈 症例数 パーセント 臨床的に有効 10 50.0 臨床的に無効 10 50.0 【尺屈】 埋植 18 か月後における尺屈スコアが有効だった割合は 50.0 %(10 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間, 29.9% to 70.1 %)であった。 表8.2.1.3.5(4) 可動域:尺屈に関する臨床的有効性 可動域:尺屈 症例数 パーセント 臨床的に有効 10 50.0 臨床的に無効 10 50.0 【回内】 埋植 18 か月後における回内スコアが有効だった割合は 75.0 %(15 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間, 53.1% to 88.8 %)であった。 表8.2.1.3.5(5) 可動域:回内に関する臨床的有効性 可動域:回内 症例数 パーセント 臨床的に有効 15 75.0 臨床的に無効 5 25.0 【回外】 埋植 18 か月後における回外スコアが有効だった割合は 60.0 %(12 例/20 例中:95% Wilson 信頼区間, 38.7% to 78.1 %)であった。 表8.2.1.3.5(6) 可動域:回外に関する臨床的有効性 可動域:回外 症例数 パーセント 臨床的に有効 12 60.0 臨床的に無効 8 40.0 8.2.1.3.6 可動域の推移(FAS) 可動域について、術前から術後6、12 および 18 ヵ月までの推移を図 8.2.1.3.6(1)~(6)に示 した。また、要約統計量を表8.2.1.3.6(1)に示した。 76

(21)
(22)
(23)
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表8.2.1.3.6(1) 可動域の推移(FAS) 検査時期 症例数 平均 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 20 23.0 16.0 -5 20.0 60 6ヶ月後 20 28.0 15.6 5 30.0 60 12ヶ月後 20 23.5 14.3 5 22.5 60 18ヶ月後 20 24.0 14.0 5 25.0 55 術前 20 19.3 11.6 5 20.0 40 6ヶ月後 20 33.8 18.3 -15 40.0 50 12ヶ月後 20 36.0 20.4 -20 40.0 60 18ヶ月後 20 36.8 22.4 -25 45.0 60 術前 20 4.9 4.3 0 5.0 15 6ヶ月後 20 4.4 5.3 -10 5.0 15 12ヶ月後 20 4.0 4.2 0 5.0 15 18ヶ月後 20 6.0 5.2 -8 5.0 15 術前 20 9.9 6.0 3 10.0 25 6ヶ月後 20 13.2 6.5 5 14.0 25 12ヶ月後 20 12.0 6.6 5 10.0 30 18ヶ月後 20 13.1 6.9 5 10.0 30 術前 20 68.5 13.0 40 70.0 90 6ヶ月後 20 81.5 8.1 65 80.0 90 12ヶ月後 20 82.0 5.7 65 80.0 90 18ヶ月後 20 82.0 5.7 70 80.0 90 術前 20 80.8 8.2 60 80.0 90 6ヶ月後 20 83.5 6.3 70 85.0 90 12ヶ月後 20 85.3 6.6 70 90.0 90 18ヶ月後 20 86.8 5.7 70 90.0 90 可動域_回内 可動域_回外 可動域(度) 可動域_掌屈 可動域_背屈 可動域_橈屈 可動域_尺屈 8.2.1.3.7 握力に関する臨床的有効性の解析(FAS) 埋植18 か月後における握力に関する臨床的有効性の解析結果を表 8.2.1.3.7(1)に示した。 埋植18 か月後における握力が有効だった人数は 15 人であった。1 例は術前が握力計、埋植後 18 ヶ月が血圧計で評価されており、有効性の評価が行えなかった。有効だった割合は 79.0% (15 例/19 例中:95% Wilson 信頼区間, 56.7% to 91.5 %)であった。 表8.2.1.3.7(1) 握力に関する臨床的有効性 握力 症例数 パーセント 臨床的に有効 15 79.0 臨床的に無効 4 21.1 8.2.1.3.8 握力の推移(FAS) 握力について、術前から術後6、12 および 18 ヵ月までの推移を図 8.2.1.3.8(1)および(2)に 示した。また、要約統計量を表8.2.1.3.8(1)に示した。 80

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(26)

表8.2.1.3.8(1) 握力の推移(FAS) 測定項目 検査時期 症例数 平均 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 13 7.5 4.3 2 7.0 19 6ヶ月後 13 8.5 4.4 2 8.0 16 12ヶ月後 12 8.5 3.8 3 8.5 14 18ヶ月後 12 9.1 4.5 2 8.5 18 術前 7 60.9 32.4 20 50.0 100 6ヶ月後 7 80.6 61.1 10 56.0 180 12ヶ月後 8 113.3 52.7 42 120.0 190 18ヶ月後 8 113.9 48.0 52 127.0 168 握力 握力_握力計(kg) 握力_血圧計 (mmHg) 8.2.1.4 有効性の結論

主要評価項目である術後18 ヵ月における Wrist scoring system by Figgie の総スコア 70 点以上かつRange of motion10 点以上を満たす症例の割合は 85.0 %(17 例/20 例中:95%信 頼区間, 62.1% to 96.8 %)であり、閾値である 5%と比較して統計学的有意に改善が認められた (P<0.0001)。

Wrist scoring system by Figgie 各スコアの推移は、Pain relief(疼痛)の改善の程度が最 も顕著であり、次いで Function の改善が明らかであった。これらの改善は 6 ヶ月後の改善以降 はほぼ横ばいで推移した。被験者毎の推移もぼぼ同様の傾向であった。Range of Motion は、 これらの指標に比較し改善が顕著ではなく、Flexion はほぼ横ばい、Extension および Flexion +Extension は全体としては緩やかな改善傾向を示した。

以上の結果から、主要評価項目で設定した申請品目の有効性が明確に示された。

DASH the JSSH version では、全症例でデータが得られた機能障害/症状スコアにおいて は 90%の高い臨床的な有効性が認められ、仕事スコアでは約半数で有効性が認められた。これ らの項目の推移では、ゆるやかな改善傾向が認められた。

Visual Analogue Scale による疼痛の評価では、埋植手術後全例で臨床的有効性が認めら れ、推移では明確な疼痛低減又は消失が認められ、主要評価項目でのPain relief と高い相関 を示した。 可動域では、臨床的有効性においては背屈が最も高い値(85%)を示し、次いで回内(75%)、 回外(60%)が続き、他の項目はこれらに続き約半数で有効性が認められた。推移では、背屈で 緩やかな改善傾向が認められたが、その他の項目ではあまり明確な傾向を示さなかった。 握力では、臨床的有効性において 80%と高い有効性が認められた。推移では、握力計により 測定が行われた症例ではほぼ横ばいで推移したが、血圧計により測定が行われた症例では改 善傾向が認められた。 以上の結果から、本治験機器の臨床的な有効性は明確に示されたと考えられる。 82

(27)

8.2.2 安全性の解析 8.2.2.1 安全性の解析 安全性の主要な解析対象集団はSAF とした。 割合を算出する場合の分母は、特に断りがない限り各解析対象例数より欠測例数を除いた例 数とした。 8.2.2.2 有害事象 有害事象の検討においては、症例報告書に記載された有害事象名をMedDRA(医薬品規制 用語集)/J ( ver.16.1 ) を用いて読替えた。器官分類には MedDRA / J の器官別大分類 (SOC)を、症状名には基本語(PT)を用いた。症例報告書に記載された事象名と集計に用いた 事象名の読み替え一覧表を「検証資料ヘ-1 治験総括報告書添付資料 11.7.3.1.有害事象名 MedDRA/J 読替え一覧表」に示した。 8.2.2.3 有害事象の簡潔な要約 有害事象は20 例中すべての症例で発現し、発現率は 100.0%であった。有害事象の発現件 数は、SOC では 94 件、PT では 187 件が認められた。因果関係の否定できない有害事象は 1 例、2 件が認められた。重篤な有害事象は 10 例で発現し、発現率は 50%であった。重篤な有害 事象の発現件数は、SOC では 16 件、PT では 20 件認められたが、治験機器との因果関係は否 定できないとされたものはなかった。治験を中止した被験者はいなかった。 8.2.2.4 有害事象の表示および分析 治験機器埋植後から術後18 ヵ月までに発現した有害事象を解析の対象とした。 発現者数は、同一被験者で同じ有害事象が複数回発現した場合には 1 件として集計を行っ た。 被験者ごとの有害事象の一覧表を「検証資料ヘ-1 治験総括報告書添付資料 11.7.3.2.被験 者毎の有害事象一覧」に示した。 SOC および PT 別の有害事象発現件数および解析対象例数に対する割合(発現割合)を表 8.2.2.4(1)および表 8.2.2.4(2)に示した。また、これらのうち治験機器との因果関係の否定でき ない有害事象(副作用)を表8.2.2.4(3)および表 8.2.2.4(4)に示した。 有害事象の発現例数および発現率は、20 例中 20 例、100%の発現が認められた。有害事象 の発現件数は、器官別大分類(SOC)では 94 件、基本語(PT)別では 187 件であった。 死亡例は1 例も認められず、治験を中止した例はなかった。 SOC 別の有害事象は、傷害、中毒および処置合併症が 20 例(100.0%)、一般・全身障害お よび投与部位の状態が17 例(85.0%)、皮膚および皮下組織障害が 11 例(55.0%)、筋骨格系 および結合組織障害が 8 例(40.0%)、胃腸障害、臨床検査が各々6 例(30.0%)、代謝および 栄養障害が5 例(25.0%)、心臓障害、神経系障害、精神障害が各々4 例(20.0%)、外科および 内科処置、感染症および寄生虫症、眼障害が各々2 例(10.0%)血管障害、呼吸器、胸郭および 縦隔障害、腎および尿路障害が各々1 例(5.0%)であった。 83

(28)

表8.2.2.4(1) 器官別大分類(SOC)別の有害事象(SAF) MedDRA_SOC 度数 発現割合 傷害、中毒および処置合併症 20 100.0% 一般・全身障害および投与部位の状態 17 85.0% 皮膚および皮下組織障害 11 55.0% 筋骨格系および結合組織障害 8 40.0% 胃腸障害 6 30.0% 臨床検査 6 30.0% 代謝および栄養障害 5 25.0% 心臓障害 4 20.0% 神経系障害 4 20.0% 精神障害 4 20.0% 外科および内科処置 2 10.0% 感染症および寄生虫症 2 10.0% 眼障害 2 10.0% 血管障害 1 5.0% 呼吸器、胸郭および縦隔障害 1 5.0% 腎および尿路障害 1 5.0% 有害事象のSOC分類 PT 別の有害事象で発現割合が 10%以上であったものは、処置による疼痛および適用部位腫 脹20 例(100.0%)、状態悪化が 13 例(65%)、処置による出血が 11 例(55.0%)、創部分泌が 5 例(25%)、そう痒症、感覚鈍麻、処置による嘔吐および発熱が各 4 例(20%)、術後発熱、処置 による悪心、処置による低血圧、処置部位反応、徐脈、食欲減退、水疱、不眠症および便秘が 各 3 例(15%)、ならびに、ヘモグロビン減少、関節形成、関節痛、血圧上昇、処置による高血圧、 創合併症、低血糖症、背部痛および嘔吐が各2 例(10%)であった。 これらのうち、治験機器との因果関係が否定できない事象(副作用)とされたものは、「手関節 背側部の腫脹・熱感(右)」(SOC:傷害、中毒および処置合併症、PT:適応部位腫脹)、および 「第3 中手骨の骨透亮像の出現」(SOC:骨格筋系および結合組織障害、PT:骨障害)の 2 件で、 同一症例(HU02)に認められたものであり、その程度はいずれも軽度かつ非重篤であった。 「手関節背側部の腫脹・熱感(右)」は、埋植手術41 日後において認められ、発現から 35 日後 に消失が確認された。「第3 中手骨の骨透亮像の出現」は埋植手術 468 日後に認められたが X 線評価で設定した透亮線最大値2mm を超えず、18 ヶ月最終確認時においても不変であったた め、この時点で観察を終了した。 その他の事象はすべて治験機器との因果関係が否定され、その判断理由の多くは、手術に 伴う事象、偶発性かつ一過性に伴う事象、原疾患の悪化に伴う事象等であった。 84

(29)

表8.2.2.4(2) 基本語(PT)別の有害事象(SAF) MedDRA_PT 度数 発現割合 MedDRA_PT 度数 発現割合 処置による疼痛 20 100.0% 局所腫脹 1 5.0% 適用部位腫脹 20 100.0% 筋骨格系胸痛 1 5.0% 状態悪化 13 65.0% 筋断裂 1 5.0% 処置による出血 11 55.0% 結膜炎 1 5.0% 創部分泌 5 25.0% 血圧低下 1 5.0% そう痒症 4 20.0% 血栓性閉塞性血管炎 1 5.0% 感覚鈍麻 4 20.0% 限局性感染 1 5.0% 処置による嘔吐 4 20.0% 口腔咽頭痛 1 5.0% 発熱 4 20.0% 口腔咽頭不快感 1 5.0% 術後発熱 3 15.0% 紅斑 1 5.0% 処置による悪心 3 15.0% 骨壊死 1 5.0% 処置による低血圧 3 15.0% 骨障害 1 5.0% 処置部位反応 3 15.0% 骨粗鬆症 1 5.0% 徐脈 3 15.0% 細菌感染 1 5.0% 食欲減退 3 15.0% 四肢痛 1 5.0% 水疱 3 15.0% 視神経症 1 5.0% 不眠症 3 15.0% 歯周炎 1 5.0% 便秘 3 15.0% 治癒不良 1 5.0% ヘモグロビン減少 2 10.0% 処置によるめまい 1 5.0% 関節形成 2 10.0% 処置後血尿 1 5.0% 関節痛 2 10.0% 処置後出血 1 5.0% 血圧上昇 2 10.0% 処置合併症 1 5.0% 処置による高血圧 2 10.0% 上顆炎 1 5.0% 創合併症 2 10.0% 須毛瘡 1 5.0% 低血糖症 2 10.0% 創傷出血 1 5.0% 背部痛 2 10.0% 総蛋白減少 1 5.0% 嘔吐 2 10.0% 脱水 1 5.0% C-反応性蛋白増加 1 5.0% 爪囲炎 1 5.0% アフタ性口内炎 1 5.0% 適用部位内出血 1 5.0% フィブリンDダイマー増加 1 5.0% 糖尿病 1 5.0% プリンツメタル狭心症 1 5.0% 頭痛 1 5.0% 悪心 1 5.0% 白血球数増加 1 5.0% 異常感 1 5.0% 疲労 1 5.0% 胃炎 1 5.0% 皮下出血 1 5.0% 医療機器位置異常 1 5.0% 皮膚乾燥 1 5.0% 下部消化管出血 1 5.0% 皮膚嚢腫 1 5.0% 角膜炎 1 5.0% 末梢性浮腫 1 5.0% 感染性腸炎 1 5.0% 慢性閉塞性肺疾患 1 5.0% 汗疹 1 5.0% 嵌入爪 1 5.0% 関節可動域低下 1 5.0% 肛門周囲痛 1 5.0% 眼乾燥 1 5.0% 膀胱結石 1 5.0% 偽膜性大腸炎 1 5.0% 譫妄 1 5.0% 有害事象のPT分類 有害事象のPT分類 表8.2.2.4(3) 器官別大分類(SOC)別の因果関係の否定できない有害事象(SAF) MedDRA_SOC 度数 発現割合 筋骨格系および結合組織障害 1 5.0% 傷害、中毒および処置合併症 1 5.0% 副作用のSOC分類 85

(30)

表8.2.2.4(4) 基本語(PT)別の因果関係の否定できない有害事象(SAF) MedDRA_PT 度数 発現割合 骨障害 1 5.0% 適用部位腫脹 1 5.0% 副作用のPT分類 8.2.2.5 死亡、その他の重篤な有害事象 8.2.2.5.1 死亡、その他の重篤な有害事象および他の重要な有害事象の簡潔な要約 死亡した被験者はいなかった。 重篤な有害事象は20 例中、10 例(発現率 50%)で、SOC 別で 16 件、PT 別で 20 件が認め られた。 この内治験機器と因果関係の否定できない重篤な有害事象は 1 例も認められなかった。これ らの重篤な有害事象が原因で中止した被験者はいなかった。 8.2.2.5.2 死亡 死亡した被験者はいなかった。 8.2.2.5.3 その他の重篤な有害事象 器官別大分類(SOC)別の有害事象一覧を表 8.2.2.5.3(1)、基本語(PT)別の有害事象一覧 を表8.2.2.5.3(2)に示した。 SOC 別では、一般・全身障害および投与部位の状態が 7 例(35.0%)、胃腸障害、外科およ び内科処置、ならびに筋骨格系障害および結合織障害が各2 例(10.0%)、さらに血管障害、心 臓障害、および腎および尿路障害が各 1 例(5.0%)であった。PT 別では、状態悪化が 7 例 (35.0%)、胃腸障害 2 例(10.0%)で、その他は各 1 例(5.0%)が認められた。 これらの重篤な事象のなかで治験機器との因果関係の否定できないとされたものは1 例もなか った。 表8.2.2.5.3(1) 器官別大分類(SOC)別の有害事象一覧(SAF) MedDRA_SOC 度数 発現割合 一般・全身障害および投与部位 の状態 7 35.0% 胃腸障害 2 10.0% 外科および内科処置 2 10.0% 筋骨格系および結合組織障害 2 10.0% 血管障害 1 5.0% 心臓障害 1 5.0% 腎および尿路障害 1 5.0% 重篤な有害事象SOC分類 86

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表8.2.2.5.3(2) 基本語(PT)別の有害事象一覧(SAF) MedDRA_PT 度数 発現割合 状態悪化 7 35.0% 関節形成 2 10.0% プリンツメタル狭心症 1 5.0% 医療機器位置異常 1 5.0% 下部消化管出血 1 5.0% 感染性腸炎 1 5.0% 関節可動域低下 1 5.0% 偽膜性大腸炎 1 5.0% 血栓性閉塞性血管炎 1 5.0% 骨壊死 1 5.0% 発熱 1 5.0% 疲労 1 5.0% 膀胱結石 1 5.0% 重篤な有害事象のPT分類 8.2.2.6 不具合 治験機器に認められた不具合を表8.2.2.6(1)に示した。 表8.2.2.6(1) 治験機器に認められた不具合 事象名 関連する 被験者 被験者への 健康被害 橈骨ステムの外包の左右 表示間違い なし なし ボーンスクリューの折損 SK10 なし これらの不具合の概要は以下のとおりであった。 8.2.2.6.1 骨頭の外包の左右表示間違い 北海道整形外科記念病院に搬入された治験機器のうち、橈骨ステムの外包に左右表示の間 違いが埋植手術の直前に発見された(2011 年 5 月 27 日)。NM002 治験における機器管理に 関する標準業務手順書では埋植手術時の不測の事態に備えて各構成品を2 セット準備すること としていたため、もう 1 セット分の橈骨ステムを使用して埋植手術は予定どおり施行され、被験者 への影響は発生しなかった。 同医療機関から直ちに治験機器提供者に表示間違いについて連絡し、原因調査と改善措置 の依頼が行われた。2011 年 6 月 6 日に治験機器提供者から治験責任医師に出された報告書 「DARTS 人工手関節橈骨ステム マーキング不具合について」によれば、発生原因は製造工程 において、作業従事者が目視で図面と照合し左右を判別しているが、その際の人為的ミスであっ た。治験機器提供者で製造済みの左右別のある構成品について全品確認した結果、表示間違 いが発生した同日に製造された橈骨ステム 3 個に同様の表示間違いが発見されたため、これら の機器は廃棄処分された。再発防止対策として目視のみの確認に替え、専用ゲージに嵌め合わ せて左右確認を行う方法に改められた。以上のことから、現状で表示間違いの治験機器は排除 され、また改善措置も適切と判断された。 8.2.2.6.2 ボーンスクリューの折損 治験機器埋植後、12 ヶ月から 18 ヶ月の間に発生したと考えられるボーンスクリューの折損が 1 例(発現率5.0%)認められた。折損は 2 本使用しているスクリューのうちの 1 本のみであった。18 ヶ月観察時のX 線撮影から発見されたもので、当該被験者には痛み、安定性の低下等、折損に 87

(32)

基づく自覚症状、緩み、関節機能の低下は認められなかったため特に処置は行わず、経過観察 とした。折損の原因は明らかではなかった。約1 か月後に再度観察を行ったが変化が認められな かったため、この時点で治験としての観察を終了した。 以上の不具合についてはPMDA に報告した。報告書は添付資料 11.7.3.6 に示した。 8.2.2.7 X 線評価 X 線評価は、透亮線(lucent line)の確認、沈みこみ、偏位、および皮質骨の侵食により行っ た。 「検証資料ヘ-1 治験総括報告書 4.2.6.5.8. X 線評価」の項に記載した基準に従い、これ らのうちいずれか1 つでも認めた時は緩みありと判定した。 表 8.2.2.7(1)に各時点におけるこれらの出現割合を示した。また、これらの結果から緩みあり とされた症例の割合を表8.2.2.7(2)に示した。 88

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表8.2.2.7(1) X 線評価 透亮線、沈みこみ、偏位、および皮質骨の侵食の割合 症例数 出現割合(%) X=0mm 14 70.0 0mm<X≦2mm 6 30.0 2mm<X 0 0.0 X=0mm 14 70.0 0mm<X≦2mm 6 30.0 2mm<X 0 0.0 X=0mm 11 55.0 0mm<X≦2mm 9 45.0 2mm<X 0 0.0 X=0mm 10 50.0 0mm<X≦2mm 10 50.0 2mm<X 0 0.0 X=0mm 10 50.0 0mm<X≦2mm 10 50.0 2mm<X 0 0.0 X=0mm 17 85.0 0mm<X≦3mm 3 15.0 3mm<X 0 0.0 X=0mm 2 10.0 0mm<X≦3mm 18 90.0 3mm<X 0 0.0 X=0mm 2 10.0 0mm<X≦3mm 18 90.0 3mm<X 0 0.0 X=0mm 1 5.0 0mm<X≦3mm 17 85.0 3mm<X 2 10.0 X=0mm 1 5.0 0mm<X≦3mm 16 80.0 3mm<X 3 15.0 無 20 100.0 有 0 0.0 無 20 100.0 有 0 0.0 無 19 95.0 有 1 5.0 無 18 90.0 有 2 10.0 無 18 90.0 有 2 10.0 X線所見 18ヶ月後 X線_透亮線最大値 X線_沈み込み、偏位 術直後 3ヶ月後 6ヶ月後 12ヶ月後 18ヶ月後 3ヶ月後 6ヶ月後 12ヶ月後 18ヶ月後 X線_皮質骨の侵食 6ヶ月後 12ヶ月後 術直後 術直後 3ヶ月後 89

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表8.2.2.7(2) X 線評価における緩みの割合 緩みの有無 例数 割合(%) Wilson 9 5 % 信頼限界 有 0 0.0 無 20 100.0 有 0 0.0 無 20 100.0 有 1 5.0 無 19 95.0 有 4 20.0 無 16 80.0 有 4 20.0 無 16 80.0 0.0~16.1 0.0~16.1 0.9~23.6 8.1~41.6 8.1~41.6 埋植直後 埋植3 ヶ月後 埋植6 ヶ月後 埋植1 2 ヶ月後 埋植1 8 ヶ月後 X 線評価上から緩みありとされた症例は埋植 3 ヶ月後時点までは認められなかったが、6 ヶ月 後時点で1 例(発現率 5.0%)、12 ヶ月後および 18 ヶ月後時点で 4 例(発現率 20.0%)となった。 これら4 例のうち、18 ヶ月後時点において、沈み込み・偏位が 3mm を超えた症例が 3 例、皮質 骨の侵食が2 例認められたが、透亮線最大値 2mm を超えたものは 1 例もなかった。 8.2.2.8 臨床検査値 8.2.2.8.1 被験者ごとの個々の臨床検査値の一覧表 NM002 治験では臨床検査として CRP と WBC を測定した。被験者ごとの個々の臨床検査値 を「検証資料ヘ-1 治験総括報告書添付資料 11.7.1.1.有効性に関する被験者データ一覧表」 に併せて記載した。また、「検証資料ヘ-1 治験総括報告書添付資料 11.7.3.4.被験者毎の 個々の臨床検査異常値一覧」に施設基準値から外れた検査値を示した。 8.2.2.8.2 各臨床検査項目の評価 8.2.2.8.2.1 治験期間を通しての臨床検査値 全ての被験者の臨床検査値の要約統計量を求め表 8.2.2.8.2.1(1)に、それぞれの検査値の 推移を図 8.2.2.8.2.1(1)および(2)に示した。また、各臨床検査値の各時点のベースラインとな る術直前からの変化量の要約統計量を求め、表 8.2.2.8.2.1(2)に、その推移を図 8.2.2.8.2.1 (3)および(4)に示した。さらに、表 8.2.2.8.2.1(3)に臨床検査異常値(施設基準値からの外れ) の割合を示した。 認められた臨床検査異常値の変動の程度はいずれも軽度であり、埋植手術の侵襲に伴うもの、 原疾患の状態に関連するものと考えられ、治験機器との因果関係のある有害事象とされたものは なかった。 90

(35)
(36)
(37)

8.2.2.9 概括安全度 概括安全度の判定結果を表 8.2.2.9(1)に示した。ボーンスクリューの折損が認められた 1 症 例で問題ありと判定された他は、埋植後18 ヶ月時点で安全性上問題とされたものはなかった。 表8.2.2.9(1) 概括安全度の割合 症例数 割合(%) 問題なし 19 95.0 問題あり 1 5.0 評価不能 0 0.0 概括安全度 8.2.2.10 安全性の結論 1) 治験機器との因果関係の否定できない有害事象 因果関係の否定できない有害事象は 1 例における「手関節背側部の腫脹・熱感(右)」 (SOC:傷害、中毒および処置合併症、PT:適用部位腫脹)、および「第 3 中手骨の骨透亮像 の出現」(SOC:骨格筋系および結合組織障害、PT:骨障害)の 2 件で、その程度はいずれも 軽度かつ非重篤であった。 重篤な有害事象が 10 例に SOC 別で 16 件、PT 別で 20 件認められたが、いずれも治験 機器との因果関係は否定された。 2) 治験機器の不具合 治験機器の不具合のうち、埋植後の1 例でボーンスクリューの折損が認められた。この不具 合に起因したと考えられる被験者の健康被害は治験期間内には認められなかったが、総合的 に判断した結果、当該症例における概括安全度は問題ありと判定された。 3) X 線評価 X 線評価上で緩みありとされた症例は、6 ヶ月後時点で 1 例(発現率 5.0%)、12 ヶ月後およ び18 ヶ月後時点で 4 例(発現率 20.0%)認められた。しかし、これら 4 症例においても Wrist scoring system by Figgie での Function において他の症例と同等の改善が認められるなど、 実際の関節機能においては18 ヶ月時点において特段の問題は認められなかった。 4) 臨床検査値 施設基準値を外れた軽度の異常値が認められたが、治験機器との因果関係の否定できな いものはなかった。 5) 概括安全度 以上の結果を総合的に判定した結果、ボーンスクリューの折損が生じた症例で安全性に問 題ありとされた以外は問題なしとされた。 以上のことから本治験における20症例のうち、19例(95%)において安全性に問題はないと 考えられた。 8.2.3 欠測データや逸脱症例の統計解析上の取扱い方 各評価時期における各種観察・検査の実施時期が治験実施計画書「6.7. 観察・検査時期」に 適合する結果を解析用データとして採用した。なお、許容範囲から逸脱した場合または実施しな かった場合は、該当する観察・検査データは不採用または欠測値として取扱った。 8.2.3.1 中止または中断した症例およびその理由 治験中、中止または中断した症例はいなかった。 93

(38)

8.2.4 有効性および安全性に関する試験結果

有効性評価について、主要評価項目である術後18 ヵ月における Wrsit scoring system by Figgie の総スコア 70 点以上かつ Range of motion10 点以上を満たす症例の割合は 85.0 % (17 例/20 例中:95%信頼区間, 62.1% to 96.8 %)であり、閾値である 5%と比較して統計学的 有意に改善が認められた(P<0.0001)。Pain relief(疼痛)、Function の改善も明らかであった ことから、主要評価項目で設定した本治験機器の臨床的な有効性が明確に示されたものと考え られる。

DASH the JSSH version では、全症例でデータが得られた機能障害/症状スコアにおいて は 90%の高い割合で、仕事スコアでは約半数で有効性が認められるとともに、これらの項目の推 移ではゆるやかな改善傾向が認められたことから、患者自身のQOL としての改善も認められるも のと考えられる。

Visual Analogue Scale による疼痛の評価では埋植手術後全例で臨床的有効性が認められ、 推移では明確な疼痛低減又は消失が認められ、主要評価項目でのPain relief と高い相関を示 した。 可動域では、項目により臨床的有効性にやや相違が認められたが、低い場合でも約半数の症 例での有効性が認められた。一方、可動範囲の改善の程度は全般的に明確ではなかったが、手 関節全固定術が行われた場合可動域が完全に失われることを考慮すれば、治験機器の有用性 を必ずしも減ずるものではないと考えられる。また、治験機器は従来品で見られるような緩みや破 損などの不具合の発生を抑えるために可動域を一定範囲に制限した半拘束型としていることか ら、もともと可動域の制限は意図されたものである。 握力では、臨床的有効性において 80%と高い有効性が認められた。推移では、握力計により 測定が行われた症例ではほぼ横ばいで推移したが、血圧計により測定が行われた症例では改 善傾向が認められた。 以上の結果から、NM002 治験における治験機器の臨床的な有効性は当初の意図したとおり 明確に示されたと結論した。 安全性については、ボーンスクリュー折損が認められた 1 例が概括安全度評価において安全 性問題ありとされたが、他の症例においては有害事象の面から治験機器との因果関係を否定で きない軽度な事象が1 例 2 件に認められたのみであったこと、X 線評価上の緩みが 4 例で認め られたが、実際の関節機能に明らかな悪影響は認められなかったこと、などから、その他の症例 の概括安全度評価に関しては問題なしとされた。 これより、NM002 治験における治験機器の有効性および安全性に関する評価結果を総合す ると、手関節機能が障害された患者における臨床的有用性が示されたと結論した。 94

(39)

表 8.2.1.2.2 ( 1 )  Wrist scoring system by Figgie  各スコアの要約統計量( FAS ) 測定項目 検査時期 症例数 平均(点) 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 20 2.5 7.7 0 0.0 25 6ヶ月後 20 48.8 2.2 45 50.0 50 12ヶ月後 20 49.3 1.8 45 50.0 50 18ヶ月後 20 48.8 2.2 45 50.0 50 術前 20 4.6 3.2 -1 4.0 12 6ヶ月後 20 5.6 3.1 1
表 8.2.1.3.6 ( 1 )  可動域の推移( FAS ) 検査時期 症例数 平均 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 20 23.0 16.0 -5 20.0 60 6ヶ月後 20 28.0 15.6 5 30.0 60 12ヶ月後 20 23.5 14.3 5 22.5 60 18ヶ月後 20 24.0 14.0 5 25.0 55 術前 20 19.3 11.6 5 20.0 40 6ヶ月後 20 33.8 18.3 -15 40.0 50 12ヶ月後 20 36.0 20.4 -20 40
表 8.2.1.3.8 ( 1 )  握力の推移( FAS ) 測定項目 検査時期 症例数 平均 標準偏差 最小値 中央値 最大値 術前 13 7.5 4.3 2 7.0 19 6ヶ月後 13 8.5 4.4 2 8.0 16 12ヶ月後 12 8.5 3.8 3 8.5 14 18ヶ月後 12 9.1 4.5 2 8.5 18 術前 7 60.9 32.4 20 50.0 100 6ヶ月後 7 80.6 61.1 10 56.0 180 12ヶ月後 8 113.3 52.7 42 120.0 190 18
表 8.2.2.4 ( 1 )  器官別大分類( SOC )別の有害事象( SAF ) MedDRA_SOC 度数 発現割合 傷害、中毒および処置合併症 20 100.0% 一般・全身障害および投与部位の状態 17 85.0% 皮膚および皮下組織障害 11 55.0% 筋骨格系および結合組織障害 8 40.0% 胃腸障害 6 30.0% 臨床検査 6 30.0% 代謝および栄養障害 5 25.0% 心臓障害 4 20.0% 神経系障害 4 20.0% 精神障害 4 20.0% 外科および内科処置 2 10.
+6

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