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1. 事業の目的 東日本大震災およびその後の原子力発電所の事故をきっかけとし 再生可能エネルギー等を活用した自立型 分散型エネルギーシステムの導入等による 災害に強く環境負荷の小さい地域づくり が喫緊の課題となっている こうした地域づくりを進めるに当たって 本道は地域で十分に活用されていない多様なエ

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Academic year: 2021

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(1)

平成 27 年度

北海道

地域分散型エネルギーシステム普及拡大事業

(概要版)

報 告 書

平成 28 年 2 月

北海道バイオマスリサーチ株式会社

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1

1. 事業の目的

東日本大震災およびその後の原子力発電所の事故をきっかけとし、再生可能エネル ギー等を活用した自立型・分散型エネルギーシステムの導入等による「災害に強く環 境負荷の小さい地域づくり」が喫緊の課題となっている。 こうした地域づくりを進めるに当たって、本道は地域で十分に活用されていない多 様なエネルギー源が豊富に賦存している。 本事業では、地域内での供給と消費を一体的に行う地域分散型エネルギーシステム により、地域におけるエネルギーの効率的活用が図られることから、本道の特性を踏 まえた地域分散型エネルギーシステムに関する先進事例調査、アンケートおよびヒア リング調査を実施し、エネルギー種別の導入類型の整理・分析を行い、本道に優位性 があり普及拡大が見込まれる導入モデルを構築する。そして、導入モデルの特性にあ った地域において、その普及啓発に向けたフォーラムを開催し、エネルギーの地産地 消の取組みを促進する。 さらに地域分散型エネルギーシステムの実現による地域活性化やエネルギー自立の 取組みは「地方創生」「環境モデル都市」に資するものとして、特に活用が期待され ている。

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2. アンケート調査

2-1. アンケート調査の概要 道内における分散型エネルギーシステム普及・導入状況や導入検討の状況、情報提供 に対する要望の多いエネルギー資源を把握するためにアンケート調査を行った。調査対 象は市町村 179 団体、農業協同組合 109 団体、漁業協同組合 80 団体、森林組合 80 団体、 銀行・信用金庫・信用組合 32 団体の合計 480 団体である。 アンケートの調査項目は、地域分散型エネルギーに関する全体的な意見を集約すると ともに、各業界特有の課題が把握できるものとした。 2-2. アンケート集計結果 アンケートの集計結果を以下に示す。地方自治体、農業協同組合、漁業協同組合、森 林組合および金融機関の合計 480 団体のうち、287 団体から回答があった。地方自治体 からの回答率が最も高く、約 8 割の自治体から回答が寄せられた。 表 1 アンケート回答状況 送付先 送付数 回答数 回答率 (回答数/送付数) 回答数割合 (回答数/回答数合計) 地 方 自 治 体 179 142 79% 49% 農業協同組合 109 47 43% 16% 漁業協同組合 80 46 58% 16% 森 林 組 合 80 33 41% 11% 金 融 機 関 32 19 59% 7% 合 計 480 287 60% 100% 問 1.これまでに貴団体で地域分散型エネルギーの導入を検討したことがありますか。 34% 9% 57% 地域分散型エネルギーシステム導入について 検討したことがある 検討予定である 検討したことがない

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4 約 4 割の団体が、何らかの地域分散型エネルギーの導入について「検討したことがあ る」、または「今後検討を行いたい、検討予定である」と回答しており、自治体や協同 組合単位での取り組みがあることがわかった。 約 6 割の団体が「検討したことがない」という回答だが、その中には分散型エネルギ ーの一例としても挙げられている「畜産バイオガス発電」や木質バイオマスによるエネ ルギー供給に関わっていたり、既に行っている団体もある。導入当時に「地域分散型エ ネルギーシステムとして取組んだ訳ではない」として「検討したことがない」と回答し た団体があった。 問 1 で検討したことがある団体に対して、 検討後、整備されなかった例として、太陽光発電や風力発電が挙げられた。 検討中の団体には、具体的に調査業務を行っているものから、構想としては挙がって いるが具体的には動き出していないものまで、様々な段階のものが含まれている。 問 2.検討を行った(行いたい、予定がある)地域分散型エネルギーの種類について教えてくだ さい。(複数回答可) 太陽光は規模が様々で家庭や事業所ごとに導入検討している団体が多い。その他、地 域の特性に沿って工夫されたエネルギーシステムに興味を持っていることが分かる。 木質系バイオマスの導入を検討している団体が全回答数 235 件中 57 件(24%)と最も 多く、用途はチップボイラーが比較的多かった。 36% 11% 8% 13% 30% 2% 地域分散型エネルギーシステム整備状況 検討後整備した 整備中 整備予定 整備しなかった 検討継続中 その他 57 55 34 20 18 17 16 12 6 0 10 20 30 40 50 60 木 質 系 太 陽 光 畜 産 系 風 力 廃 棄 物 系 そ の 他 地 熱 雪 氷 冷 熱 B D F 導入・検討した分散型エネルギーの種類

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5 問 3.地域において分散型エネルギーを導入する目的はなんですか。(3 項目選択) ①バイオマス、廃棄物の利用 「地域エネルギー自給率向上」や「地域振興(雇用創出)」に加え「排泄物や廃棄物の 適正処理」に期待が寄せられていることが分かる。畜産バイオガスや木質バイオマスな どは原料供給を常に行う必要があることから、施設と同時に施設の保守管理や原料運搬 のための人員を要し、地域振興として新たな雇用創出が期待されている。 ②太陽光、風力、地熱などの利用 地域において地域分散型エネルギーを導入する目的は「売電による収益」よりも「地 域エネルギー自給率上昇」「エネルギーの施設内利用」など地域や施設内で利用する電 気については自給できるような体制が望ましいと考えている団体が多かった。また、 46 38 27 26 25 17 14 5 0 0 10 20 30 40 50 地 域 エ ネ ル ギ ー 自 給 率 上 昇 エ ネ ル ギ ー の 施 設 内 利 用 売 電 に よ る 収 益 災 害 時 の エ ネ ル ギ ー 対 策 自 治 体 の 政 策 空 き 地 ・ 未 利 用 資 源 の 有 効 利 用 地 域 振 興 ( 雇 用 創 出 ) 観 光 資 源 と し て そ の 他 地域分散型エネルギー導入の目的 (太陽光、風力など) 42 39 37 30 27 25 23 15 13 12 11 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 地 域 エ ネ ル ギ ー 自 給 率 上 昇 排 せ つ 物 や 廃 棄 物 の 適 正 処 理 地 域 振 興 ( 雇 用 創 出 ) 自 治 体 の 政 策 エ ネ ル ギ ー の 施 設 内 利 用 空 き 地 ・ 未 利 用 資 源 の 有 効 利 用 悪 臭 ・ 水 質 汚 染 等 の 環 境 改 善 売 電 ・ ガ ス 販 売 等 に よ る 収 入 排 せ つ 物 や 廃 棄 物 処 理 労 力 の 低 減 消 化 液 や 再 生 敷 料 の 利 用 災 害 時 の エ ネ ル ギ ー 対 策 観 光 資 源 と し て そ の 他 地域分散型エネルギー導入の目的 (バイオマス、廃棄物など)

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6 「災害時のエネルギー対策」や「自治体の政策として」との回答も多く寄せられた。 問 5.地域において分散型エネルギーを導入する際の課題はなんですか。(3 項目選択) 建設や維持管理等の「資金関係の課題」が多く、導入を検討しているものの経済的な 面からなかなか動けないと考える団体が多いことが分かる。 問 6.地域における分散型エネルギーの普及・拡大に必要なことはなんですか。 課題として取り上げられていた資金面の措置や工夫が必要なのはもちろんだが、その 他に、政策の位置づけや推進体制の構築など、システム導入に向けての推進力が必要と されていることが分かる。 92 80 42 31 17 17 16 14 8 8 6 3 3 1 1 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地域分散型エネルギー導入における課題 65 52 51 50 31 17 17 16 13 12 11 10 8 7 6 4 2 0 0 0 10 20 30 40 50 60 70 地域分散型エネルギー導入に必要とされること

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7 問 7.地域分散型エネルギーの検討や導入を行うための具体的な情報提供を希望しますか。 回答数 参考資料を提供して欲しい 44 今のところ考えていない 42 地域でフォーラムや勉強会を開催して欲しい 26 役場や組合で詳しい情報を聞きたい 7 情報はもう十分である 4 計 123 「地域でフォーラムや勉強会を開催してほしい」「参考資料を提供して欲しい」「役 場や組合で詳しい情報をききたい」等、具体的な情報提供を希望する団体が約 6 割、 「情報はもう十分である」「今のところ考えていない」といった情報を希望しない団体 が約 4 割であった。

3. 先進地域、導入検討地域へのヒアリング調査

地域特性を活かした分散型エネルギーを導入している先進地域、事業所、ならびに今 後導入を検討している地域を次の通り選定した。 表 2 ヒアリング先一覧 畜 産 系 先進地域 興部町、JA 士幌町、鹿追町、野村牧場(釧路市)別海町 導入検討地域 浜頓別町、猿払村、西興部村、清水町、標茶町、根室市、真 狩村、八雲町 木 質 系 先進地域 南幌町、美深町、足寄町、占冠村、津別町 導入検討地域 当別町、南富良野町、白糠町、安平町、平取町、美瑛町 太 陽 光 導入検討地域 栗山町 風 力 先進地域 稚内市 雪 氷 冷 熱 先進地域 美唄市、JA 美唄 廃 棄 物 系 導入検討地域 大空町 また、道外の先進地の事例についても、北海道での取組に資するところが多いので、 次の自治体について紹介している。 東近江市(滋賀県)、都留市(山梨県)、牛久市(茨城県)、大木町(福岡県)、 真庭市(岡山県)、北九州市(福岡県)

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4. 導入モデルの構築

4-1. 導入モデルの対象となるエネルギー源について 道内自治体、農業協同組合、漁協協同組合、金融機関等に対して「地域分散型エネル ギーシステム」に関して実施したアンケート結果によると、木質系バイオマスの導入を 検討している団体が全回答数 236 件中 57 件(24.2%)と最も多く、2 番目に太陽光が 55 件(23.3%)、3 番目に畜産系バイオマスが 34 件(14.4%)であった。 また、道内先進地域のヒアリング調査により、足寄町において木質系バイオマス、士 幌町および鹿追町において畜産系バイオマスの導入事例があり、この事例を基に、道内 他地域においても普及可能性の高いモデルを構築することが可能と考えられる。 よって、木質系バイオマスと畜産系バイオマスを導入モデルとして検討することとす る。 なお、太陽光発電については、固定価格買取制度における買取価格が他のエネルギー 源に比べ高く、設置が比較的容易なため、既に多くの地域で検討または普及が進んでい ることから、導入モデルの構築は行わない。 4-2. 導入モデル構築のための検討 畜産系バイオマスについては、酪農地帯において日常的に大量発生し、これまでコス トと手間をかけて処理していた家畜ふん尿をバイオガスプラントで処理することにより、 労力の軽減と共に、液肥となる消化液や再生敷料の利用が可能となり、悪臭・水質汚染 等の環境問題及び酪農家の経営安定化などの地域課題を解決するとともに、バイオガス をエネルギーに変換して熱や電気として利用することにより、エネルギーの自給と地域 資源の循環に寄与するものである。モデルの構築に当たっては、酪農家の経営規模や経 営形態が多様であることから、中規模の酪農家単位で維持管理が可能な「個別型」と、 複数農家による共同処理で大規模な発電と熱利用が可能な「共同型」の 2 類型について 検討する。 木質系バイオマスについては、広大な森林を有し森林バイオマスが豊富な本道におい て、間伐などの森林作業に伴い発生する林地未利用材等をエネルギーとして有効利用す ることにより、森林資源の循環利用が進むとともに、森林整備の推進にも寄与するもの である。モデルの検討においては、地域関係者の理解と連携による継続的・安定的な原 料供給体制の構築が必要であることから、より地域に密着した小規模モデルについて検 討する。

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9 以上のことから、本道の地域特性を活かした地域分散型エネルギーシステムとして、 以下の 3 つの導入モデルを構築することとする。 【1】畜産系バイオマス ①個別型営農モデル(200 頭規模) 【2】畜産系バイオマス ②共同型営農モデル(1,500 頭規模) 【3】木質系バイオマス 小規模木質バイオマスモデル(チップ、ペレット)

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10 【1】 畜産 系バ イオ マス ①個 別型 営農 モデ ル( 200 頭 規模 )

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11 【2】 畜産 系バ イオ マス ②共 同型 営農 モデ ル( 1,500 頭規 模)

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12 【3】 木質 系バ イオ マス 小規 模木 質バ イオ マス モデル (チ ップ 、ペ レッ ト)

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5. フォーラムの開催

平成 28 年1~2月に、道内各地の4個所において、地域分散型エネルギーフォーラ ムを開催し、有識者による講演を実施した。 表 3 フォーラムの開催地と参加者数 開催日時 開催地 参加者 講演者 平成 28 年 1 月 22 日(金) 13:00~16:00 釧路市観光国際交流センター 3階 研修室 (釧路市幸町3丁目3) 59 名 4 名 平成 28 年 2 月 12 日(金) 13:00~16:30 帯広経済センタービル 6階 大会議室 (帯広市西 3 条南 9 丁目) 70 名 5 名 平成 28 年 2 月 15 日(月) 13:00~16:00 北海道大学学術交流会館 1階 小講堂 (札幌市北区北8条西5丁目) 97 名 4 名 平成 28 年 2 月 18 日(木) 13:00~16:30 駅前交流プラザよろーな1階 大会議室 (名寄市東 1 条南 7 丁目 1 番地 10) 42 名 5 名 フォーラムの概要 導入モデルの提案(全会場) 基調講演(釧路) ・環境保全と再生可能エネルギー (札幌) ・北海道農業・農村の現状とバイオマス活用について 事例報告(釧路) ・太陽光発電と酪農 ・農村振興バイオガスビジネスのつくりかた (帯広) ・鹿追町が進めるバイオガス政策 ・酪農地帯における地域分散型エネルギーとしてのバイオガス利用 ・地場産業がバイオマス産業へ ・地域活性化を促進するシンクタンク (札幌) ・バイオガスのフロンティア ・畜産電力を利用する市民生活 (名寄) ・畜産バイオガスで地域活性化 ・森林バイオマスで地方創生 ・酪農業のための小型バイオガスプラント 話題提供(名寄) ・バイオマス何でも質疑応答 (全会場)・エネルギーを巡る最近の動き「電力の小売全面自由化」 アンケートの実施 各会場のフォーラム参加者にアンケートに協力してもらい、バイオマスに対する意識 を取りまとめた。 フォーラムの内容については、どの会場でも「非常に有意義であった」「有意義であ った」という回答が 70%以上であり、参加者の多くから満足を得られた。 また地域分散型エネルギーの導入については、どの会場でも「新規に導入したい」 「既に検討を始めている」「該当する人に導入を勧めたい」が 40%を超え、今後の導入 への理解が進み、積極的に取り組む姿勢が現れていた。

参照

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