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障害のある生徒の進学の促進・支援のための高大連携の在り方に関する調査研究 (3)カリフォルニア州立大学ノースリッジ校

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(3)California State University, Northridge

(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)

1)California State University, Northridge の概要

・設立年,学生人数,組織について

California State University, Northridge (以下,CSUN) は , カ リ フ ォ ル ニ ア 州 ロ サ ン ゼ ル ス 郡 ノ ー ス リ ッ ジ 市 に 本 部 を 置く州 立大 学であ る.1958 年に設立された.約 36,000 名の学生,4,000 名の教職員を抱え, 64 の分野で学士号,52 の分野で修士号,そして教育学部で博士号を供給する.学部は次の 9 つで構 成さ れてい る.芸術学,経 営・経済 学 ,教育学,工学・情 報 科学,人 間 発達学,人 文科 学,科学・数学,社 会 学,拡張 プ ログラ ムが あげら れ,芸術学 部に は音楽 学科 ,映画学 科 ,テ レ ビ 学 科 , 社 会 学 部 に 心 理 学 科 な ど が 存 在 す る . こ の う ち 全米ではギャローデット大学に続 いてユ ニー クな分 野と しても 知ら れてい る,ろう研 究(Deaf Studies)という学科が存在する. 大学院 では ,教育学,人類学,コ ミュニ ケー ション 学,言語学,生 物学,芸 術 ,マスメ デ ィア 等 33 研究科で構成されている.

・障害学生と支援体制について

CSUN は,米国において長年,障害学生を積極的に受け入れ,入学前後の様々な面における 支援体 制も 整って おり ,障害者 向 けの高 等教 育機関 とし て聴覚 障害 学生対 象の ギャロ ーデ ット 大学と 並び 高く評 価さ れてい る.特に,様々 な学問 領域 で教育 や研 究を行 う統 合大学 では ,全 米 一 の 聴 覚 障 害 学 生 の 在 籍 人 数 で あ る と 言 わ れ て い る . 聴 覚 障 害 学 生 を 含 む 全 障 害 学 生 は 約 1,000 人おり,その半数近くを発達障害が占めている.表4に,CSUN に在籍している障害別 の学生 人数 を示す (但 し,障 害別 は日本 の障 害分類 にな らって 再整 理して いる ).

CSUN における障害学生支援の部局は,聴覚障害については National Center on Deafness (以下,NCOD:聴覚障害学生支援センター)が,それ以外の障害は Disability Resources and Educational Services(以下,DRES:障害学生のためのリソース及び教育サービスのセンタ ー)が担 っ ている.高 大連携 では ,聴覚障 害 の場合NCOD にある PEPNet-West (Postsecondary Education Programs Network-West)が担当し,それ以外の障害については DRES と Student Outreach and Recruitment Services が連携して担当している.後者の方は,近年の予算削減 により 障害 のある 高校 生対象 の移 行支援 プロ グラム の実 施が困 難と なり,CSUN が全学的に企 画 す る 高 校 生 ツ ア ー に 参 加 さ せ た り ,DRES 主催の説明会(OpenHouse)に来てもらってカ ウンセ リン グや情 報提 供等を 行っ たり高 校に 資料を 送る などの 取組 に変わ った という .

今回の 視察 では,NCOD と PEPNet-West における聴覚障害学生支援と高大連携を中心に行 った.

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12 表 4 CSUN における障害別の学生人数4 種 類 人数 ( 注 ) 内 訳 発達障 害 480 名 学習障害 282 名,ADHD173 名,広汎性発達障害 25 名 聴覚障 害 250 名 ろう,難聴の両方含む 精神障 害 123 名 気分障害 64 名,不安障害 39 名,統合失調症や統合失調感情障害 12 名,睡眠 障 害 4 名,チック障害 4 名,摂食障害 1 名,認知症 1 名,解 離性同 一性 障害1 名など 肢体不 自由 115 名 慢性関 節リ ウマチ や骨 関節軟 部組 織疾 患 43 名,脊髄損傷やその他の 脊髄疾 患 14 名,手根管症候群 12 名,脳性まひ 8 名,筋ジストロフ ィー3 名,その他の運動障害 27 名など 視覚障 害 31 名 盲 5 名,弱視 16 名,その他 10 名(弱視ろう 1 名のみ) 病 弱 19 名 糖尿病 6 名,自己免疫疾患 9 名,クローン病 3 名,呼吸器系疾患 1 名など 注 ) 聴 覚 障 害 学 生 の 人 数 に 関 す る デ ー タ はNCOD,それ以 外の 障 害学生 のデ ー タは DRES から入 手し た .

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National Center on Deafness の概要

1962 年に設立.CSUN は,アメリカ合衆国で最初に聴覚障害学生のメインストリームプロ グ ラ ム が 始 め ら れ た こ と で も 有 名 な 大 学 で あ り ,NCOD は,聴覚障害学生に対し様々な場面 で必要 なサ ポート サー ビスや コミ ュニケ ーシ ョンア クセ スを供 給し ている .こ れまで 2,500 名 以上の 聴覚 障害学 生の 教育的 ニー ズに応 じて 必要な サー ビスを 提供 してお り,現在 ,ろう 教 育 免許コ ース ,ろう 研究 学科, NCOD,PEPNET-West に在籍する学生,教職員を含めて約 1,000 名もの の手 話使用 者( そのう ち約 500 名がアメリカ手話通訳を学んでいる)がおり,“にぎや かな”教育 コミュ ニテ ィが形 成さ れてい る.スタッ フは ,セン ター 長 1 名,副センター長 1 名, 支援コ ーデ ィネー ター 責任者 1 名,コーディネーター4 名,修学に関するアドバイサー2 名, 他スタ ッフ 4 名あわせて 13 名いる.また,NCOD は,ろう関係の書籍,学位論文,専門書等 を非常 に多 く蔵書 して おり,世 界 を代表 する ろう関 係の リソー スセ ンター の1 つとし ても 有名 である .さ らに後 述す るよう に ,NCOD は,PEPNet-West 本部でもあり,高校や大学等に対 4 CSUN の特別支援教育学科(教育学部内)では障害領域に応じて4つの教員養成プログラムが用

意 さ れ て い る が ,こ の 障 害 領 域 の 分 類 は 次 の よ う に な っ て い る .① ろ う・難 聴(Deaf and Hard of Hearing),②誕生から幼稚園入園までの障害児(程度・重複は問わない)及び家庭(Early Children Special Education),③軽度・中等度障害(Mild/moderate Disabilities) K-12 で特に学習上の困 難 を 持 つ 障 害 児 ( 知 的 , 健 康 面 , 情 緒 面 の 障 害 が 対 象 に な る ), ④ 中 等 度 ・ 重 度 の 障 害

(Moderate/Severe Disabilities) K-12 で重度の自閉症,重複障害,中等度から重度までの知的障 害 ,盲 ろ う ,情 緒 障 害 の 子 ど も が 対 象 に な る .な お ,視 覚 障 害 に 関 す る 教 員 養 成 プ ロ グ ラ ム は な い .

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13 するア ウト リーチ (移 行支援 も含 む)や トレ ーニン グサ ービス を実 施して いる . 聴覚障 害学 生に焦 点を 当てた 様々 なプロ グラ ムにつ いて は,ろう 研 究学科 内の 手話通 訳養 成 コース ,手 話文学 コー ス,ろ う教 育コー ス,ろうコ ミュ ニティ ーサ ービス コー ス,ろ う文 化 コ ース ,特 別 支援教 育学 科ろう 教育 免許コ ース ,NCOD, PEPNet-West,そしてコミュニケー ション 障害 科学科(言 語聴覚 士, 聴力検 査技 師養成 コー スなど を含 む)が挙 げ られる . 聴覚障 害学 生に対 する サポー トサ ービス につ いては ,手 話通訳 (毎 年 130 名ほど),パソコ ン通訳 ,ノ ートテ イク ,チュ ータ リング ,ろ うの教 員に よる英 語,数学な ど直 接的コ ミュ ニ ケ ーショ ンク ラスの 開設 ,入学 オリ エンテ ーシ ョンの 実施 ,修学 上の 相談( 講義 など履 修に 関す るアド バイ スなど), キャリ ア支 援,就 職支 援など 多岐 にわた るサ ービス を提 供して いる . 他に,学生 自治会 の中 に Deaf CSUNians と呼ばれる聴覚障害学生団体があり,文化,政治, 社 会 的 な 側 面 で 聴 覚 障 害 学 生 の 主 体 的 成 長 及 び 権 利 意 識 の 向 上 に つ な が る 活 動 を 実 施 し て い る.

3)PEPNet-West の概要

NCOD 内にある PEPNet-West が聴覚障害高校生及び 高 校に 対 し て どの よ う な 移行 支 援 を 行っ て い る のか に つ いて,NCOD センター長兼 PEPNET-West 西支部監事の Roz Rosen 氏 ( 元 ギ ャ ロ ー デ ッ ト 大 学 副 学 長 ) と , PEPNet-West 西部のディレクターの Cathy McLeod 氏 (図6 )に インタ ビュ ーした .

PEPNet について

高 校 に 対 す る 移 行 支 援 は ,NCOD 内に あ る PEPNet の西支 部で ある PEPNet-West が主に担っている.

PEPNet ( http://www.pepnet.org/default.asp ) と は , ア メ リ カ 合 衆 国 の 障 害 者 教 育 法 (Individuals with Disabilities Education Act)に基づく障害児・者の教育を受ける権利の保 障と,ADA(Americans with Disabilities Act)による高等教育機関を含む公的施設における 障害者 差別 禁止の 法的 措置に より ,高等教 育 機関に おけ る聴覚 障害 学生の 機会 均等を 保障 する ため に作 ら れた 全米 聴 覚障 害学 生 高等 教育 支 援ネ ット ワ ーク であ る .1996 年に米国教育省と 特殊教 育局 の財政 的援 助を受 けて スター トし ,先進的 な 取組を 行っ てきた 大学 で長年 培わ れて き た 聴 覚 障 害 学 生 支 援 の ノ ウ ハ ウ を 全 米 の 各 大 学 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジ に 提 供 す る こ と で, アメリ カ全 体にお ける 聴覚障 害学 生支援 の水 準を高 め,充実さ せる ように 取り 組んで いる .ア メリカ 合衆 国の西 部,中西部,北 東部,南 部 の 4 地区に置かれた地域センター(図7)が中心 となっ て,それぞ れ地 区内の 大学 群との 下位 ネット ワー クを構 成し ている .い ずれの 地域 セ ン ターも ,米 国教育 省の 募集に 応じ て応募 して きた大 学・機関の 中か ら審査 を経 て決定 され て い るもの で,聴覚障 害学 生支援 に先 進的な 大学・機関内 に 設置さ れて おり,CSUN も当初から西 部の地 域セ ンター とし て担い 続け ている.前 述の財 政的 援助で は,5 年契約とし,全体で約 400 万ドル( 約 4 億 8000 万円)の補助金が支給され,各地域センターの運営やネットワークの活 動 に か か る 経 費 と し て 各 地 域 セ ン タ ー に 年 間 約 100 万ドル(約 1 億 2000 万円)配分される. これま で第 一期(1996-2001),第二期(2001-2006)の 5 年契約を満了し,現在は 2006 図 6 Roz 氏,Cathy 氏と

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14

年 10 月から第三期の 5 年契約でプロジェクトを進行中である.同プロジェクトで特に進めて

いるこ とは ,高校か ら より高 度な 教育プ ログ ラム(大 学 ,コミュ ニ ティ・カ レ ッジ,そ の 他の トレー ニン グプロ グラ ム)への 移 行支援 であ る.その 背 景につ いて は,PEPNet が年 2 回発行 して いる ニ ュー スレ レ ター2008 年春号で,次の調査結果によって移行支援が重視されるよう になっ たと 述べら れて いる.①Schroedel & Watson(1991)の調査で,高校3年の聴覚障害生徒 や両親 が将 来に向 けて 重大な 決定 をする にあ たり,彼ら の 5%しかキャリア教育のクラスを受 けてい ない こと. ②Bowe(2003)の調査でも,コミュニティ・カレッジまたは 4 年制大学に入 学する 聴覚 障害学 生の3 分の 1 だけが卒業認定の対象になること.③他の調査でも,大学に入 学した 聴覚 障害学 生の うち,中 退 または 大学 の卒業 認定 を受け られ なかっ た者 が驚く べき こと に 70%もいること.以上の点が明らかになり,入学後の支援の発展だけでなく入学前支援, 移行支 援も 重要視 して いくよ うに なった とい う. また,第 一 期と第 二期 では地 域セ ンター ごと に活動 やサ ービス の役 割が別 々に 担われ てい た が,第三 期 からは,全 ての地 域セ ンター が PEPNet として共通のアイデンティティを持ち,活 動やサ ービ スの同 等性 と共同 性を 図るた めに ,これま で の地域 セン ターの 名称 が次の よう に改 称され た( 表5). なお,こ う したネ ット ワーク は世 界的に 類を 見ない が,唯一日 本で は,PEPNet をモデルに した「PEPNet-Japan」が 2005 年に設立され,現在は,文部科学省特別教育研究経費による 拠点形 成プ ロ ジ ェ ク ト( 筑 波 技 術 大 学 )の 活 動 の 一 部 と し て ,先 進 的 な 取 組 を し て い る 大 学 ・ 機関(宮 城 教育大 学も 含む)と の 連携の もと ,聴覚障 害 学生支 援に 関する 研究 ,養成研 修 ,支 援教材 の開 発,全 国大 会等を 実施 してい る. 図 7 PEPNet 地域センター(http://www.pepnet.org/default.asp) CSUN

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15 表 5 PEPNet 地域センターの名称及び設置されている大学名 設置さ れて いる大 学名 以前の 名称 (第一 期, 第二期 ) 現在の 名称 (第三 期) Saint Paul College

(セン トポ ール大 学)

MCPO

(Midwest Center for

Postsecondary Outreach)

PEPNet-Midwest

Rochester Institute of

Technology

(ロチ ェス ター工 科大 学)

NETAC

(Northeast Technical

Assistance Center)

PEPNet-Northeast

University of Tennessee, Knoxville (テネシー大学 ノックスビル校 )

PEC

(Postsecondary Education Consortium)

PEPNet-South

California State University, Northridge

(カリフォルニア州立ノースリッジ校)

WROCC

(Western Region Outreach

Center & Consortia)

PEPNet-West

PEPNet-West における移行支援の取組

PEPNet-West は,アメリカ全域の半分に相当する西部を支援対象範囲にしていたため,高 校対象 の移 行支援 を実 施する にあ たって,他 の地域 セン ターと 比べ て遠方 の高 校や大 学へ 支援 するた めの 経費が 非常 にかか って いた.しか しなが ら後 述する よう に,現 在は ,Web コンテン ツやビ デオ 電話な どを 有効活 用し た移行 支援 を行っ てい る. 高校か ら大 学への 移行 支援に つい ては, 以下 のよう な方 略をと って いる. 第一に ,い くつか の学 区を担 当す る IEP コーディネーターが,学区内の高校に聴覚障害学 生がい るか ,ど のよう なニー ズを 持って いる のかを 把握 し,その結 果を PEPNet-West に伝え て支援 を依 頼する.高 校から 難聴 学生が いる ので協 力し てほし いと 依頼し てく ること は皆 無に 近いた め,IEP コーディネーター自ら赴いて把握しなければならない.PEPNet-West は,IEP コーデ ィネ ーター から の依頼 内容 に応じ て高 校を訪 問し て説明 した り話し 合う .グアム ま で飛 んで ,アメ リカ領 サモ ア諸島 ,サ イパン 島を 含む北 マリ アナ諸 島か ら来た 聴覚 障害生 徒や そ の 家族に 情報 提供や 助言 をする こと もある .ま た,メ ール での対 応で も可能 な場 合は,必要 な電 子資料(ニ ュース レタ ー,パ ンフ レット 等)を添付 して 情報提 供す る.し かし ながら 聴覚 障 害 や育児 に関 する親 の意 識の低 さが ,移行支 援 サービ スを 妨げて しま うこと につ ながる とい う問 題が慢 性化 してお り,充分に サポ ートで きて いると は言 い難い との ことで ある .例え ば,聴覚 障 害 児 に と っ て わ か り や す い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 や 係 わ り 方 に つ い て 十 分 に 配 慮 さ れ て いない こと ,コ ミュニ ケーシ ョン アクセ スや 教育サ ービ スが整 って いる聾 学校 より ,教育 サ ー ビスが 不十 分では なく てもよ いか ら家の 近く にある 学校 に通わ せた いこと など ,他の州 で も同 じ問題 状況 が続い てい る.できれ ばお互 いに 手話を 使っ てコミ ュニ ケーシ ョン できる 場所( 聾 学校)に集 まって 支援 してい くの が理想 的で ある.しか し現在 ,高 校にメ イン ストリ ーム して 分散し てい る状況 では ,一人 ひと りの手 元に「大学 とは 何か」など の情報 が行 き届き ,か つ 助 言やカ ウン セリン グを 行うこ とが できる よう な体制 が求 められ る.したが って ,PEPNet-West

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16 にとっ ては ,個々の 高 校の状 況を 把握で きる IEP コ ー デ ィ ネ ー タ ー と の 連 携 は 不 可 欠 で あ る と い え る . IEP コーディネーターの実態把握力や教育機関との コーデ ィネ ート能 力が ,聴覚障 害 高校生 の移 行支援 の 鍵 を 握 っ て い る と い っ て も 過 言 で は な い だ ろ う . 第二に ,NCOD や PEPNet-West が,西部の各 州 で 開 か れ る 様 々 な 集 ま り ( 校 長 会 議 , 学 校 教 育 関 係 の カ ン フ ァ レ ン ス , ろ う 者 コ ミ ュ ニ テ ィ の フ ェ ス テ ィ バ ル な ど ) に 積 極 的 に 参 加 し , PEPNet-West についてカンファレンスや説明会を 開 い た り パ ン フ レ ッ ト 等 を 配 布 す る な ど の 啓 蒙 活 動 を 展 開 し て い る . 相 談 ブ ー ス を 設 置 し て 聴覚障 害高 校生,親 や 教員等 のニ ーズ評 価や カウン セリ ングを 行う ことも ある .NCOD セン ター長の Roz Rosen 氏は,「太鼓を叩いたときの振動が響き広がるように」高校だけでなく 教 育 関 係 , ろ う コ ミ ュ ニ テ ィ の 集 ま り に も 足 を 運 ん で 積 極 的 に 啓 蒙 し て い く こ と の 大 切 さ を 主張し てい た. 第三に ,近 年,全 米の ろうコ ミュ ニティ ーで は,Video Phone(以下,VP:テレビ電話) や Video Relay Services(以下,

VRS),Web 技術を活用した視 覚的コ ミュ ニケー ショ ン・メディ ア が 浸 透 し て い る ( 図 9 ) .VP と は 手 話 話 者 が お 互 い の 映 像 を 見 て 会 話 す る シ ス テ ム で あ り , VRS とは手話通訳の資格を持つ 第 三 者 が 入 っ て 話 し 手 が 発 信 す る 音 声 や 手 話 を 通 訳 し て 伝 え る システ ムで ある .利用 者本人 が聴 覚障害 者で あれば VP 本体,設置 料,接続 料 は無料 にな る(一部 メ ーカー 有料 あり).ま た,イン タ ーネッ トテ レビ会 議の ソフ トウェ アの 技術も 進歩 してお り,多人数 の相 手(最 大 100 名までは可能)とテレビ会議をした り 画 面 内 に ド キ ュ メ ン ト 等 を 同 時 に 呈 示 し て 文 面 や 画 像 を 見 な が ら 相 談 で き る ソ フ ト ウ ェ ア (Nefsis)が開発され,どのような状況で会話したいかニーズに合わせて選択・調整すること ができ る. この遠 隔通 信技術 を使 って PEPNet-West の8支部に配置されている PEPNet サイトコーディネーター同士でテレビ会議等を行なったり(図 10),地域に広く散 在して いる 聾学校 への 支援も 容易 になっ た.そのお かげ で PEPNet から配分される予算の大部 分を占 めて いた遠 方へ の支援 に必 要な経 費が 減り ,Web 技術を生かした移行支援の充実化を目 指 す こ と が 可 能 に な っ た と い う . Web 技 術 を 生 か し た 移 行 支 援 で は , PEPNet (http://www.pepnet.org/default.asp)の 図 9 VP 及び VRS(http://www.pepnet.org/default.asp) 図 8 高 校 生 対 象 の 説 明 資 料 の 表 紙

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17 ト ッ プ ペ ー ジ に あ る 「 Resources 」 → 「Transition Toolbox」で学生,親,教員を対 象にし たリ ソース の紹 介,「Online Trainings」 →「iTransition」で学生を主な対象にした大学 入 学 に 向 け た 無 料 オ ン ラ イ ン ト レ ー ニ ン グ プ ロ グ ラ ム の 提 供 を し て い る .「Transition Toolbox」 で は, 移 行 支 援に 関 わ る 様々 な イ ベ ント情 報の 発信,利 用 できる マテ リアル の提 供, 関 連 す る ウ ェ ブ サ イ ト の 紹 介 が 非 常 に 充 実 し ている. 「iTransition」(図 11)は,2008 年 に開発 され ,14 歳から成人までの聴覚障害生徒, 成人の ほか ,教員,大 学サー ビス 担当者,ト ランジ ショ ン専門 家,高校の 生徒 指導カ ウン セラー ,両 親,職 業や 修学関 連相 談員な どが 利用す るこ とがで きる .こ のトレ ーニン グプ ロ グ ラ ム に は 4 つ の コ ン テ ン ツ が 入 っ て い る ( ① Career Interests and Education Choices: It's My Plan!,②First Year College Success: Be the One!,③Essential Skills for College Living: It's My Life!,④eFolio: My Online Portfolio!).これらは,聴覚障害生徒 が自分 自身 につい て理 解を深 め,自身の キャ リアの ゴー ルを考 え,その将 来に 向かう ため の 必 要 な ス キ ル を 学 ぶ こ と を 支 援 で き る よ うに作 られ ている . 以上か ら,PEPNet-West は,図 12 のよう に,①IEP コーディネーターとの連携で高校 への直 接的 な移行 支援 を行う ,② 教育や ろう コ ミ ュ ニ テ ィ 関 係 の 集 ま り に 参 加 し た り 自 ら カ ン フ ァ レ ン ス を 開 催 し て 啓 発 活 動 を 行 う,③Transition Toolbox や iTransiton の

よう に Web コンテンツを充実させて本人, 家 族 及 び 学 校 や 関 係 者 へ 情 報 提 供 す る と い っ た 方 略 で 移 行 支 援 に 取 り 組 ん で い る こ と が明ら かに なった . 図11 iTransition のポスター 図10 PEPNet‐West サイトコーディネーター

参照

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