はいたっく 2013 年 7 月号
はいたっく 2013 年 7 月号
本印刷物は、Topics
ビッグデータ利活用におけるプライバシー保護への取り組み2
http://www.hitachi.co.jp/hitac-magazine/ 写真家 富井 義夫 ■ ホームページにて 「フォトギャラリー世界遺産」を掲載中 http://www.tomiiyoshio.com/ 3KRWRJUDSKHU・7RPLL<RVKLR はいたっく誌情報提供サイト 花壇とフォンテーヌブロー宮殿 (フランス共和国・フォンテーヌブロー) その規模はフランスで最大を誇るフォンテーヌブ ロー宮殿。16世紀前半、王家の狩猟場の森にフ ランソワ1世が建築したのが始まりで、ルネサンス 様式の豪華な宮殿である。以降、フランスを支配 した歴代の王たちがさまざま拡張を繰り返し、最も 愛した城として美しさも屈指となった。各時代の建 築様式により芸術の粋を集めた装飾は優美、そし て、絢爛。特に「フランソワ1世の回廊」や「絵皿の 回廊」など王やエピソードにちなんだ名が付けられ た空間は見事だ。ナポレオン1世も好んで逗留し、 「玉座の間」や「退位の間」など歴史の舞台と なった部屋が残る。フランス革命を経て19世紀 のナポレオン3世の時代まで歴史とともに歩んだ 宮殿である。 ̶ 富井義夫の世界遺産の旅 ̶ 1 はいたっく2013-7はいたっくるぽ
オンプレミスからSaaSへの移行で運用負担とコストを大幅に軽減 ∼「SaaS型連結納税ソリューションC-Taxconductorサービス」∼ ―ヤマハ発動機株式会社―3
プラットフォーム&ソリューション・ケーススタディ
日立の最新プラットフォームとVMware製品で デスクトップ仮想化とDRシステムをワンストップ構築。 セキュリティ向上とBCP対応を実現。 ―大同メタル工業株式会社―7
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SOLUTION&SERVICE
健康経営の実現をクラウドで支援する 「はらすまダイエット/生活習慣改善」9
トラベルウォーキング 第125回
レトロな洋館、古代伝説が息づく杜、歴史ロマンに満ちた名古屋を巡る (愛知県名古屋市)13
プラットフォーム&ソリューション-1
国内企業のグローバル化を支援する Windows Azure™連携ハイブリッドクラウドソリューション17
プラットフォーム&ソリューション-2
お客さまシステムの長期安定稼働を支援する 「おまかせ安心モデル」のサービス内容を強化15
IT's eye ラボラトリー・レポート
列車運行と旅客の移動を可視化する「旅客流動シミュレータ」を開発 (日立研究所) 本誌は環境に配慮し、植物油インキを使用しています。 * 6 5 ; , 5 ; : 発 行 日 2013年7月1日 通巻554号 発 行 株式会社日立製作所 情報・通信システムグループ 情報・通信システム社 お問い合わせ 経営戦略室 ブランド・コミュニケーション本部 TEL(03)5471-8900(ダイヤルイン) 〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館 印 刷 日立インターメディックス株式会社 フォンテーヌブロー宮殿 ドイツ ベルギー イタリア スペイン イギリス 大西洋 地中海 フランスお問い合わせ先 (株)日立製作所 スマート情報システム統括本部 ビジネスイノベーション本部 TEL(03)5471-3384 プライバシー侵害の懸念が顕在化 お客さま企業のプライバシー保護対策も支援 プライバシー性のある情報を強固に保護
ビッグデータ利活用における
プライバシー保護への取り組み
近年、スマートフォンやICカードといったデバイス、またはECサイト やSNS※1などを通じ、さまざまなデータを大量に収集・蓄積、分析し ながら、新たな価値創出をめざすビッグデータ利活用ビジネスが注 目を集めています。 しかし、ビッグデータの利活用ではプライバシー侵害の懸念も根 強く指摘されており、個人情報保護法に基づく個人情報(特定の 個人を識別できる情報)以外の情報からも、プライバシーの侵害が 問題化した事例が国内外で発生しています。 このため、EUではデータ保護規則案、米国では消費者プライバ シー権利章典など、プライバシー保護強化の動きが世界的に進ん でおり、日本でも個人の行動・状態などに関する「パーソナルデータ」 を取り扱う際の、新たな保護対策の検討が進められています。 日立は株式会社博報堂とのビッグデータ利活用協働プロジェクト であるマーケット・インテリジェンス・ラボの活動として、商品の購入履 歴やGPSによる位置情報などがビッグデータとして扱われることに 対する生活者の声をまとめた「ビッグデータで取り扱う生活者情報 に関する意識調査」を実施しました。その結果、生活者はこれらの 情報がビッグデータとして利活用されることに少なからず不安や抵 抗感を持っており、それが個人情報保護法の規定外の情報だった としても、プライバシー関連情報として一定の配慮を求めていること がわかりました。 日立は、こうした動向を先取りし、お客さま企業がプライバシー侵 害の懸念なく、より安心してデータを利活用できるよう、プライバシー 保護のための取り組みを強化しました。具体的には、日立がお客さ ま企業にビッグデータの利活用を前提としたサービスやソリューショ ンを提供する際は、データ・アナリティクス・マイスターサービスのメ ニューとして、日立独自のチェックリストに基づいた「プライバシー影 響評価(PIA)」※2を実施し、お客さま企業のプライバシー侵害リスク を最小限にします。また導入後も、データの取得から蓄積、分析と いった各プロセスで適切なプライバシー保護対策※3を実施するた めのフレームワークを、新たに設置するプライバシー保護責任者のも とで体系的に運用します。さらに、プライバシー保護に向けて、技術 的対策、社員教育などの社内環境整備のための活動も行います。 この新しい日立のプライバシー保護対策により、お客さま企業 は、プライバシー性のある情報を強固に保護したビッグデータの利 活用により、新たな価値創出を安心して行っていただくことが可能 となります。 さらに日立では、これらの取り組みで培ったノウハウや知見などを 活用し、ビッグデータの利活用を検討しているお客さま企業に対し、 プライバシー侵害のリスク評価や対応策の立案、プライバシー保護 に向けた体制・運用ルール構築、技術活用、社員教育などを支援 する「プライバシー保護対策支援コンサルティング」の提供も開始し ました。同サービスの提供元となる株式会社日立コンサルティング は、データ・アナリティクス・マイスターサービスの提供にあたり日立社 内におけるプライバシー保護対策を支援するなど、PIAや社内環 境整備のためのノウハウを保持しており、安全かつ効果的なプライ バシー保護対策支援を行うことが可能です。 今後も日立は、国内外の法制度や技術進化に対応しながら、適 切なプライバシー保護とビッグデータの利活用の両立を図るソリュー ションの拡充を進め、価値創出の基盤となるビッグデータの利活用 推進に貢献していきます。 2 はいたっく2013-7※1 Social Networking Service
※2 Privacy Impact Assessment:プライバシーへの影響を事前に評価し、プライバシーの侵害を防ぐために 運用面、技術面での対策を講じる一連のプロセス ※3 ホワイトペーパー「ビッグデータビジネスにおける日立のプライバシー保護の取り組み」として日立のWebサイトで公開中 http://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/approach/wp_privacy.pdf パーソナルデータ、個人情報、プライバシーに関する情報の関係性 ■情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/bigdata/ 個人情報 プライバシー性 のある情報 パーソナルデータ 個人情報保護法で取り扱いが 明確に規定されている範囲 法令上の明確な取り扱い規定がなく 事業者による判断が必要となる範囲
3 はいたっく2013-7
h t t p : / / g l o b a l . y a m a h a - m o t o r. c o m / j p /
ヤマハ発動機株式会社
ヤマハ発動機株式会社 財務部 主計・税務グループ グループリーダー 武井 圭吾 氏オンプレミスからSaaSへの移行で
運用負担とコストを大幅に軽減
∼「SaaS型連結納税ソリューション C-Taxconductorサービス」∼
ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)は、国内の連結納税グループ21社による決算早期化と業務効率向上を目的に、日立クラウドソリューション Harmonious Cloudの「SaaS※1型連結納税ソリューション C-Taxconductor
サービス」を導入。従来のオンプレミス環境と同様の機能とレスポンスを継承しながら、サーバ導入コストや運用負担の
軽減を図り、毎年の税制改正にもすばやく対応できるグループ経営基盤の構築に成功しました。
※1 Software as a Service
4 はいたっく2013-7 創業以来、先進のエンジンテクノロジーを駆使した製品開 発で、世界中の人々に新たな感動と豊かな生活をもたらす 「感動創造企業」をめざし続けているヤマハ発動機。同社が 生み出す製品は、主力のモーターサイクルをはじめ、電動アシ スト自転車、ウォータービークル、船外機、スノーモビル、自動車 用エンジン、産業用ロボットなどにも広がっています。売上高 構成比の9割近くが海外という、日本を代表するグローバル企 業である同社は、2006年からは連結納税制度を採用し、国内 グループ21 社の決算早期化と業務効率向上を目的に、日立 の連結納税ソリューション「C-Taxconductor」の利用をスター トしました。 「当時のシステム導入にあたっては、IT部門とも相談した結 果、当社と同じメーカー側の視点で構築された日立さんのパッ ケージが適しているのではないかと判断しました。実際に日立 さんが連結納税でC-Taxconductorのベースとなったシステ ムを適用している実績、子会社の新規設立や合併などにも対 応している諸機能、また税理士法人の導入サポートサービス が用意されていたことも検討材料の一つでした」と話すのは、 財務部 主計・税務グループ グループリーダーの武井 圭吾氏 です。 C-Taxconductorは、日立が連結納税制度の煩雑な事務 処理の効率化とスピード化を図るため自社開発したシステム をパッケージ化したもので、会計・税務を包括した業務フロー を確立する幅広い機能を提供しています。ヤマハ発動機で は自社環境にデータベースサーバを構築・運用するフルパッ ケージ版を導入。2011 年までグループ企業の連結納税と決 算早期化に利用してきました。しかし同年、サーバ老朽化にと もなうシステム構成の見直しが迫ってきたため、日立は同じ機 能をクラウド環境で利用できるSaaS 型連結納税ソリューション C-Taxconductor サービスを提案。これが IT 部門のニーズ にマッチしたことから、SaaS への移行が本格的に検討される ことになりました。 「当社では数年前から社内に散在する膨大な数のサーバ の仮想化統合を進めています。各サーバのライフサイクルを 見極めながら、仮想化による集約、あるいはクラウドへの移行 という形でコストの低減と運用管理の効率化を図ることが目的 です。そこに日立さんからタイミングよくSaaS への移行提案を いただいたことで、われわれとしても、本当にクラウドが業務で 使えるのかどうか、他社のサービスも含めた比較検討を始め ることにしたのです」と語るのは、プロセス・IT部 IT技術戦略 グループ 主務の原子 拓氏です。サービスを提供するデータ センターと親法人 / 個社との接続方式やネットワーク経由での ヤマハ発動機株式会社 プロセス・IT部 IT技術戦略グループ 主務 原子 拓 氏 ヤマハ発動機株式会社 プロセス・IT部 ITアプリケーション戦略グループ 主事 高橋 一彰 氏 ヤマハ発動機株式会社 財務部 主計・税務グループ 主務 小澤 武彦 氏 連結納税の基盤に 「C-Taxconductor」を活用 USER PROFILE ヤマハ発動機株式会社 本 社:静岡県磐田市新貝2500 設 立:1955年7月1日 資 本 金:856億円66百万円(2013年3月末現在) 従業員数:10,180名(2012年12月末現在) 事業概要:モーターサイクル、電動アシスト自転車、ボート、ヨット、ウォー タービークル、船外機、四輪バギー、スノーモビル、自動車用 エンジン、サーフェスマウンター、産業用ロボットなどの製造 および販売 運用負担とコストの軽減を図るため SaaSヘ移行
エンドユーザー Harmonious Cloudセンタ 親法人 ・連結納税グループマスター管理 ・税額計算処理 ・申告書、管理帳票の作成 各個社 ・個社報告シート入力 ・申告書、管理帳票のダウンロード 暗号化通信により セキュリティを確保
インターネット
個社報告シート(Excel®)、各種帳票を Webポータル経由で取得・提出 C-Taxconductor親法人機能を リモート操作 C-Taxconductor サービス環境 C-Taxconductor 動作環境 5 はいたっく2013-7 レスポンス、各種セキュリティ対策、サービスレベルなどの要素 を数値化し評価した結果、「エンタープライズで使うSaaSとし て、日立さんのサービスは性能面、セキュリティ面でも優れて おり、安心して使えるだろうと判断しました」と原子氏は強調 します。 同じくプロセス・IT 部 ITアプリケーション戦略グループ 主事の高橋 一彰氏も、「メインユーザーである財務部から、使 い慣れたC-Taxconductorのユーザーインタフェースをそのま ま使い続けたいという要望が強かったことが一つ。またSaaS なら、定期的なプログラムのバージョンアップやデータのバック アップ、トラブル対応などの運用負担が軽減できることも導入 の大きな決め手になりました」と話します。 ヤマハ発動機の正式決定を受けた日立は、同社グループ の 12 月決算を見据え、2012 年 8 月より本社とHarmonious Cloudセンタ間のVPN※2接続を開始したほか、既存環境から センタへのデータベース移行を実質わずか 2 週間で完了さ せ、スケジュールどおり2012 年 9月からの本稼働をスタートさ せました。 SaaS 型連結納税ソリューション C-Taxconductorサービス は、連結納税制度における法人税・地方税の計算、申告書 作成機能などをネットワーク経由で提供するクラウドサービス です。連結法人情報、所得調整項目情報、持株情報といっ た各種情報をマスターで一元管理できるほか、データ取得状 況の一覧把握などにより、グループ企業の税額管理・分析・ 運用業務にかかる負荷や作業効率などを大幅に改善するこ とができます。 また個別入力フォーム は使い勝手のよいスプレッ ドシートを採用。誤入力や エラーへのチェック機能を 備え、スキルの高低にか かわらず容易に入力でき、 回線接続の影響を受けな いオフライン入力であるこ とも大きなポイントです。機 密 性の高い税 務データ は、高信頼・高セキュアな 日立 の H a r m o n i o u s Cloud センタ内に格納さ れ、毎年の税制改正など にともなう改訂プログラム もHarmonious Cloud オンプレミスと変わらない レスポンスを高く評価Virtual Private Network ※2
6 はいたっく2013-7 センタ側で一括適用。このため、サーバやプログラムのメンテナ ンス負担が大幅に軽減し、事業継続性の向上にも寄与します。 「エンドユーザーからはオンプレミスと変わらないレスポンス でシステムが使えると好評です。日立さんのSaaSはVPNソフ トウェアを用いたリモート操作で実現されていますが、体感速 度が非常に速いので最初はネットワーク経由で使っていること を信じられなかったほどです。またPCとブラウザさえあればど こでもサービスが使えるので、大規模災害時のBCP※3対策と しても非常に有効だと思います」と原子氏は笑顔で語ります。 一方、長年 C-Taxconductorを使い続けてきた財務部も、 ユーザーインタフェースを変えることなく、SaaSにシステム環境 を移行できたことを喜びます。 「当社にとってはC-Taxconductor がなければ納税業務が 成り立たないほど、その存在感は大きなものとなっています。 そのため財務部としては引き続き同じ操作性で同じ機能を使 えることがシステム移行の大前提となっていました。特に使い 勝手のいい別表フォーマットは、SaaS版においてデータ入力を ナビゲーション形式で行える機能が標準装備されたことで、税 務のベテランでなくても容易に申請書を作成できることに驚き ました」と語るのは、財務部 主計・税務グループ 主務の小澤 武彦氏です。今後、財務部では国税電子申告・納税システム (e-Tax)に対応した電子申告オプションも検討中で、事務負 担のさらなる軽減と申告までのリードタイム短縮が期待されて います。 「当社にとって本格的なSaaS の導入は、これが初めての ケースとなりましたが、重要な業務でもクラウドを安心して使え ることが証明され、非常に大きな手応えを感じています。今後 はさらにクラウドの適用範囲を拡大していきたいため、日立さん には引き続き、幅広い活用提案をお願いしたいですね」と原 子氏は期待を寄せます。 サーバの自社保有からクラウドを活用した SaaS 型への移 行により、慣れ親しんだ操作性を変えることなく、運用負荷の 軽減とコストの最適化を両立することに成功したヤマハ発動 機。今後も日立は、同社のグローバルビジネスを加速する決算 早期化とIT 基盤の高効率活用を支援するため、クラウドソ リューション Harmonious CloudとC-Taxconductor サービ スの強化・拡充を図っていきます。 クラウドの適用範囲を さらに拡大していきたい お問い合わせ先・情報提供サイト (株)日立製作所 エンタープライズソリューション事業部 C-Taxconductorビジネスグループ http://www.hitachi.co.jp/c-tax/ht554/
Business Continuity Planning:事業継続計画 ※3
ログイン画面 C-Taxconductor利用風景
7 はいたっく2013-7 プラットフォーム & ソリューション・ケーススタディ 自動車、二輪車のエンジン用軸受から建設機械、船舶の ディーゼルエンジン用軸受まで、多種多様な産業分野のすべり 軸受を手掛ける大同メタル工業株式会社。自動車分野では国 内トップシェア、船舶分野では世界トップシェアを誇る部品メー カーです。 同社では、情報を社外に持ち出させないセキュリティポリシー を徹底するため、国内約1,200台もの端末のシンクライアント化を 検討。情報の持ち出しを防ぐとともに、サーバ上でデータを管理 することで、誤ってデータを消しても復元可能な構成としました。 「クライアントまわりは苦労が絶えず、データが消えてしまって 復元できなくなるなど、損失が発生しており、こうしたトラブルへの 対応が必須でした。また、一部の生産システムは2014年でサ ポートが切れるWindows® XPでしか動かないものがあり、レガ シーシステムの延命も喫緊の課題となっていました」と経営・財 務企画ユニット 情報センター 情報システムグループの伊藤 昭 人氏は語ります。 そこで、こうした課題に対応できるよう、デスクトップ仮想化製 品の導入を検討。検証環境を用意して比較検討した結果、メー ルを個々人の利用環境に一時保存したいという同社の運用ニー ズに合致したVMware Horizon Viewの採用を決定しました。 また、同社は部門ごとに製造する部品が異なるため、端末は 独自仕様となっており、OSも統一されておらず自社開発のアプリ ケーションも多く、一筋縄ではデスクトップ仮想化できないという 課題がありました。そこでヴイエムウェア社のコンサルティング サービスを活用。「知識がなくてもスムーズにプロジェクトを進めら れたのは、ヴイエムウェアのコンサルティングが大きかった」と伊 藤氏は高く評価します。
VMware Horizon Viewの基盤には、日立の最新プラット フォームが採用されました。「これまでサーバやストレージがクラッ シュし、トラブルに見舞われた経験があり、ハードウェアの信頼性 を重視しました」(伊藤氏)。 サーバには、拡張性に優れたBladeSymphony BS500を本 番用23ブレード、検証用4ブレード導入し、予備1ブレードでN+1 コールドスタンバイ構成を採用。ストレージには仮想デスクトップ の書き込みスピードを考慮して高性能なHitachi Virtual Storage Platformを導入し、日立独自のストレージ仮想化機能 であるHDP(Hitachi Dynamic Provisioning)機能を採用。こ れらは、日立のデータセンターに設置され、日立サポート360によ る遠隔監視サービスを利用しています。アンチウイルスソフトに は、ウイルススキャン時にシステムに負荷がかからないエージェン トレス型ソフトウェアであるvShield Endpoint対応の「Trend
Micro Deep SecurityTM」が採用されました。
経営・財務企画ユニット 情報センター 情報システムグループ 主任の嶺川 隆利氏は「これまで日立さんのハードウェアは小規 模な導入実績しかありませんでしたが、先行して選定していた
セキュリティ向上、データ喪失防止、レガシーシステム延命が課題
日立ハードウェアの信頼性とサポート力を評価
Platform & Solution
case study
大同メタル工業株式会社
▶http://www.daidometal.com/
日立の最新プラットフォームとVMware製品で
デスクトップ仮想化とDRシステムをワンストップ構築。
セキュリティ向上とBCP対応を実現。
多種多様な産業分野のすべり軸受を手掛ける世界で唯一の総合すべり軸受メーカーが、大同メタル工業株式会社。 すべり軸受とは、回転するシャフトを支える部品の一種で、エンジンなどの機器の性能を左右する重要な部品です。 同社では、セキュリティ向上、BCP対応を目的に、 日立の最新プラットフォームにVMware製品を活用した仮想基盤を構築し、 デスクトップ仮想化とディザスタリカバリ(DR)を実現。 データセンターからハードウェア、システム構築、保守サポートまで、日立がワンストップで提供しています。 大同メタル工業株式会社 経営・財務企画ユニット 情報センター 情報システムグループ 伊藤 昭人 氏 大同メタル工業株式会社 経営・財務企画ユニット 情報センター 情報システムグループ 主任 嶺川 隆利 氏8 はいたっく2013-7 本 社 設 立 従業員数 愛知県名古屋市中区栄二丁目3番1号 名古屋広小路ビルヂング13階 昭和14年11月 (連結)3,937名(個別)1,116名(2013年3月期、臨時従業員含まず) 大同メタル工業株式会社 USER PROFILE データセンターが日立さんに決まり、DR環境構築およびシンクラ イアントの提案も複数社コンペの結果、日立さんに決まりました。 すべてをワンストップでサポートいただいており、総合力を高く評 価しています」と選定理由を説明します。現在、600ユーザー分 の仮想デスクトップ環境の構築が終了し、2013年5月よりパイロッ トユーザーを募って社内に順次展開していく予定です。 時を同じくして同社では、事業所にあるサーバ群を集約して 仮想基盤を構築し、遠隔地にレプリケーションするDRシステムの 構築を進めていました。陣頭指揮をとった嶺川氏は、「生産シス テムなど、すべてのシステムを仮想基盤に移行する予定です。 RFP(提案依頼書)を作成して複数のベンダーの提案を受けまし たが、最も将来性があったのが日立さんの提案でした」と語ります。 日立アドバンストサーバHA8000/RS210にVMware vSphere による仮想基盤を構築し、ストレージにはHitachi Unified Storage 150を採用。事業所と日立のデータセンターに同様の環境を構 築し、ストレージ間でデータを同期し、VMware vCenter Site
Recovery Manager 5により短時間でのサイト切り替えを実 現します。 「万が一データが喪失したり、サーバに障害が起きたときに、 すぐに復旧することが可能です。また、仮想化された共通プール を利用することで、ライセンス費用なども抑えられます。今後はメ インフレームもオープン化して集約し、さらなるコストメリットを追求 していきたいと考えています」(嶺川氏)。 さらに嶺川氏は「将来的にはサーバをなくしたい」と同社の方 向性を示します。「日立さんの提案にあったVMware vCloud Datacenter Services※を活用し、データセンターとクラウドサー ビスの間でDRを行えば、事業所にサーバは置かなくて済みます し、将来性を高く評価しました」。また伊藤氏は「ネットワーク装置 を効率的に運用できるVMwareのネットワーク仮想化は、次回 のリプレースで検討していきたい」と語るなど、日立とVMwareの 今後に期待を寄せています。 メインフレームのオープン化を推進。vCloud、ネットワーク仮想化に期待
Platform & Solution case study
お問い合わせ先 ■ 情報提供サイト 統合サービスプラットフォーム BladeSymphony http://www.hitachi.co.jp/bds/ 日立アドバンストサーバ HA8000 http://www.hitachi.co.jp/ha8000/ 卓越した技術により主力製品の自動車用軸受をはじめ、多種多様な産業分野 の総合すべり軸受メーカーとして世界に高く評価されています。日本のトライボ ロジーリーダーから世界のトライボロジーリーダーへ、真のグローバル企業をめ ざしています。 HCAセンタ 012 0 -2580 -12 利用時間 9:00∼12:00、13:00∼17:00(土・日・祝日を除く) BCP:Business Continuity Plan DR:Disaster Recovery
●Microsoft Office、Windows は、米国 Microsoft Corporation. の米国およびその他の国における登録商標です。 ●VMware は、VMware,Inc. の米国および各国での商標または登録商標です。 ●トレンドマイクロお よびトレンドマイクロ株式会社のその他の製品名称は、トレンドマイクロ株式会社の商標または登録商標です。 ●文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 ●本文書は情報提供を唯一の 目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。 ●記載されている製品情報は、製品の改良により予告無く変更されることがあります。 ●発言者の部署名 / 役職名等は、2013 年 4 月時点の情報です。 ●本記事は、日立発行の事例パンフレット(2013年6月作成)を転載したものです。
※ヴイエムウェアが世界のサービスプロバイダーと協業し提供するクラウドサービスプログラム 「VMware vCloud Datacenter Services(vCDC)」に日立製作所が国内企業としては2
社目の参加を表明。 BladeSymphony BS500 日立データセンター 仮想デスクトップ環境 WAN 事業所 拠点 拠点 VM VM VM VM VM VM VM VM
VMware vSphere VMware vSphere VMware vSphere
VMware Horizon View
Hitachi Virtual Storage Platform
:Trend Micro Deep Security
HA8000/RS210 HA8000/RS210 HA8000/RS210 HA8000/RS210
HA8000/RS210 HA8000/RS210 バックアップサーバ ブレード管理サーバ Deep SecurityManagerサーバ サーバActive Directory
仮想サーバ群 仮想サーバ群
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・・・
名古屋が飛躍する契機は、徳川家康が 尾張藩の城下町を清須から名古屋に移転 させ、名古屋城を築いたことに始まります。以 来、尾張藩の中心地として発展してきました。 名古屋城下は城を 中心に武家地、町人 地、寺社地に分かれて おり、城の東側に位置 する現在の東区白壁・ 主税町・橦木町は、江 戸時代は中級武士の屋敷が連なっていま した。明治半ばから財界人の邸宅や教会、 学校などが建設されるようになり、モダンな 建物が立ち並ぶ町へと一変します。現在、 この界隈は名古屋の近代化の歩みを伝え る建物などの歴史遺産が残されたエリアと して「文化のみち」と名づけられています。 名古屋の歴史を尋ねるウォーキングは、 町並み保存地区に指定された一角に建つ 「文化のみち二葉館」から。赤い瓦ぶきの屋 根が印象的な建物は、和洋折衷のデザイン の斬新さと豪華さから二葉御殿と呼ばれた 往時の姿そのまま。創建された大正時代に は、電力王として知られる福沢桃介、日本の 愛知県名古屋市 (取材日:2013年5月) トラベルウォーキング 女優第1号といわれた川上貞奴が居住、御 殿のデザインも貞奴の好みが隅々まで反映 されているといわれています。かつて社交の 場として用いられた大広間で、皆さまは大 正ロマンの雰囲気にひたります。中部プラン トサービスの森 紗智子さんは「地元なのに、 こんな建物があるなんて知りませんでした。 光が差し込んで色鮮やかなステンドグラス が美しいですね。女優ならではの審美眼で しょうか」と、いたく気に入られたようです。 「文化のみち」を見学して歩く皆さまは、 「文化のみち橦木館」で足を止めます。陶磁 器商として活躍した井元為三郎の邸宅で、 優美な意匠が施された洋館のほか、広々と した縁側が昔懐かしい和館、茶室などが設 けられています。応接室・食堂を改造した喫 茶室では、のんびりとお茶を楽しみながら庭 を観賞できます。次に、近くの「カトリック主税 町教会」へ。名古屋最古の教会堂で、礼拝 堂の玄関の三連アーチがじつに風雅。さら に、白壁や黒壁 が続く町並みを 歩くと、表通りか らはうかがいし れない場所を発 見。その「文化 のみち百花百草」では、四季折々の花をめ でることができます。皆さまは母屋跡に新築 されたホールから庭を眺めながらひと休み。 見事に手入れされた庭園の花々を堪能 した皆さまは、「徳川園」へ。総けやき造りの 黒門をくぐりぬけて進むと、二代藩主徳川 光友が隠居所として大曽根屋敷を造営し たことを起源とする、池泉回遊式庭園に到 着します。園内は、滝や川、岩組などがあり、 深山幽谷の趣が漂う高低のある散歩道を 歩くと初夏の緑に染まるかのよう。龍仙湖と いう大きな池は、かつて大名が舟を浮かべ て楽しんだ泉水をしのばせます。中部プラン トサービスの宇佐美 比奈子さんは「都会の 真ん中なのに、静かな落ち着いた雰囲気で リラックスするのにもってこいですね。紅葉の カエデも見事だそうなので、その時期にまた 訪れたいです」と目を輝かせます。 武家文化と大正ロマンの 遺産を訪ね、「文化のみち」へ
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レトロな洋館、
古代伝説が息づく杜、
歴史ロマンに満ちた名古屋を巡る
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった天下人ゆかりの地として知られる名古屋。 江戸時代、尾張藩の城下町だった頃の面影を残すだけでなく、 市内には大正ロマンの息吹を今に伝える町並み保存地区、古代の歴史ロマンに満ちた史跡などの見どころがいっぱい。 今回のトラベルウォーキングは、エネルギッシュで元気な街・名古屋の歴史を尋ねて、 “キラリの技、ホットな心”をモットーに、地域経済の発展に貢献する 株式会社中部プラントサービス(以下、中部プラントサービス)の皆さまと歩きます。 「文化のみち二葉館」 ステンドグラスの 美しさにうっとり 2 い 「熱田神宮」 土用殿の前 にて 9 ちから しゅ もく しゅ もく かいわい 「カトリック主税町教会」 礼拝堂の玄関前 4 「白鳥庭園」市内随一の規模を誇る日本庭園 11 「文化のみち二葉館」 赤い屋根がひときわ目立つ 1 「文化のみち百花百草」季節ごとの花の庭園 5 「徳川園」龍仙湖を背景に 7 「徳川園」総けやき造りの黒門の前 6 「文化のみち橦木館」橦木館カフェにて 3 もり 9 はいたっく2013-7田代 雅知さん(情報システム部 担当副部長)(写真左) 硬式テニスの練習を40年近く続けていて、土曜・日曜 のどちらかはテニスで汗を流しています。今回のウォーキ ングのコースは、会社の近くで、よく知っている場所なの にたくさんの発見があって驚きと感激の連続。休日にま たゆっくり訪れてみようと思いました。 森 紗智子さん(経営戦略本部 経営企画部 主任)(写真中) 運動はあまりしていないので、今回のウォーキングは最初 不安でした。ですが、行ったことのない場所ばかりで新鮮 でしたし、苦にならず楽しむことができました。これで自信 がついたので、これからはウォーキングにもチャレンジして みたいですね。 宇佐美 比奈子さん(総務部)(写真右) 社会人になってクラシックバレエの練習を再開しました。 近頃は気候もよくなってきたので、通勤時に歩く距離を伸 ばしたいと思っています。古墳・遺産好きな私にとって、今 回のウォーキングは内容充実。今度、白鳥古墳の近くの 断夫山古墳に行ってみます。 ■導入製品 BladeSymphony、HA8000、JP1など ■担当営業 日立製作所 中部支社 電力システム営業部 担当:新美、田中 設 立 従 業 員 数 事 業 内 容 1961年11月15日 1,792名(2012年7月1日現在) 発電設備の建設・保守・運転事業、 ガス供給設備および熱供給設備の建設・保守事業、 石油・化学プラント設備の建設・保守・点検事業など 株式会社中部プラントサービス 今年、創祀1900年を迎え、にぎわいをみ せる熱田神宮。名古屋市民から「熱田さ ん」と親しみを込めて呼ばれる熱田神宮 は、三種の神器の一つである草薙神剣をま つり、古くから崇敬を集めてきました。1893 (明治26)年に伊勢の神宮同様の神明造 に改められた本宮をはじめ、境内には、1別 宮、12摂社、31末社のほか、戦勝のお礼に 織田信長が奉納した信長塀などがあり、い にしえの歴史の記憶を呼び起こします。 1893年の本宮御改造まで草薙神剣が 奉安されていた土用殿の先には、清水社 がたたずんでいます。清水社のすぐ裏手に ある湧き水では、水面からつき出た岩に三 回水をかけて願掛けすれば願いが叶うと、 若い女性たちの人気を集めているとのこと。 ガイドの話に聞き入る中部プラントサービス の田代 雅知さんは「土用 殿のいわれや清水社のこと を初めて聞きましたし、大楠 の下に卵が置いてあるのが 蛇へのお供えだとは知りま せんでした。身近な場所で もいろんな新発見があるん ですね」と驚きを隠せないよ うです。 静寂に包まれ、心が洗わ れる熱田神宮を後にして、 皆さまは草薙神剣を授かっ て東夷を平定した日本武尊 にちなんだスポット・白鳥古墳へ向かいま す。白鳥となってこの地に舞い戻った日本武 尊の墓と伝えられていましたが、現在は豪 族の尾張氏の陵と考えられているそうです。 皆さまは、さらに堀川を渡って「白鳥庭 園」を訪れます。市内随一の規模を誇る日 本庭園で、中部地方の地形をモチーフに、 築山は御嶽山、そこから流れる川は木曽 川、川の水が注ぎ込む池は伊勢湾に見立 てられていることに一同みな感心しきり。 「水の物語」をテーマとした広大な庭園は、 茶室や喫茶室などもあり、市民の憩いの場 となっています。 今回のウォーキングで、名古屋という大都 市の中にも新発見や魅力に満ちた古い歴 史が潜んでいることを知った中部プラント サービスの皆さま。地域の中にしっかりと根 ざした取り組みを継続することの大切さを あらためてかみしめたかのようでした。 静寂な熱田神宮と古代の息づかいが 体感できる白鳥古墳 本社:愛知県名古屋市熱田区五本松町11-22 TEL(052)679-1200 http://www.chubuplant.co.jp/ はいたっく誌読者の皆さまで、当コーナーに参加をご 希望される方がいらっしゃいましたら、当社担当営業 または、はいたっく誌事務局までご連絡ください。 ウォーキング参加者募集 「きよめ餅」は、1785(天明5)年頃、参詣客でにぎわった熱 田神宮の西門そばに設けられた「きよめ茶屋」に由来します。 北海道産の小豆をていねいに炊き上げたこしあんを、柔らか い羽二重餅でくるんだ人気のお菓子で、つるりとした食感は 秋田産の白玉粉を加えるのがミソだそうです。江戸半ば、参 詣客の多くが「きよめ茶屋」でお茶を飲み、疲れを休めたよう に、その伝統を引き継ぐ銘菓は甘さ控えめの上品な味わい で、参拝に訪れる人々の疲れをいやしています。 愛知県名古屋市 125 「きよめ餅」 観光お問い合わせ先 ●公益財団法人 名古屋観光コンベンションビューロー TEL(052)202-1145 http://www.nagoya-info.jp/ お問い合わせ先 ご参加いただいた 株式会社中部プラントサービスの皆さま きよめ餅 総本家 TEL(052)681-6161 http://www.kiyome.net/ そう し ほん ぐう やまとたけるのみこと くさなぎのみつるぎ 10 「白鳥古墳」にて 「熱田神宮」静寂な境内を巡る 8 参詣の折には 「きよめ餅」をどうぞ 12 t/ ぞ 明道町 JCT 山王 JCT 新洲崎 JCT 丸田町JCT 19 22 11 東片端 JCT 東片端 JCT 鶴舞南 JCT 中央本線 東海道新幹線 熱田駅 白鳥古墳 白鳥庭園 清水駅 森下駅 尼ケ坂駅 神宮前駅 徳川園 文化のみち 二葉館 文 化のみ ち 百花百草 文化のみち 橦木館 カトリ ッ ク主税町教会 名鉄瀬戸線 熱田神 宮 土用殿 きよめ餅 総本家 9 6 7 1 3 45 2 10 11 8 12 東海道本線 名鉄名古屋本線 10 はいたっく2013-7
そこで日立は、多くの企業で導入実績を持つ内臓脂肪減量プ ログラム「はらすまダイエット」の手法を拡張し、減量指導に加え、 生活習慣の可視化、改善にも着目した健康増進サポートを図るこ とで、企業の健康経営の実現をサポートする「はらすまダイエット/ 生活習慣改善」の提供を開始しました。 本サービスは、メタボと診断されていない従業員や、特定保健 指導の対象外である40歳未満のメタボ、その予備群の従業員な どを対象に、生活習慣の改善や減量の支援を、導入しやすいクラ ウド(SaaS)型サービスとして提供するものです。本サービスを導 入することで、従業員の生活習慣病への発症リスクを効果的に 抑制し、罹患による休業などに伴う業務影響の低減や医療費の 削減といった効果が期待できます。また、個々人の健康意識を向 上させ、より生き生きと働ける職場づくりにも貢献します。 従来、企業における従業員の健康管理は福利厚生施策や安 全衛生法順守の観点から取り組まれてきましたが、近年の社会保 障負担の増大や従業員の罹患による労働生産性の低下、今後の 労働人口の減少などを背景に、従業員の健康向上に積極的に投 資を行うことで、従業員の能力を最大限に引き出し、企業の収益 性を高めていく「健康経営」という概念が注目を集めています。 近年、日本の企業では、健康保険組合が主体となり、中高年の 従業員に対しては、特定保健指導※3制度を活用して、メタボリックシ ンドローム(以下、メタボ)※4の改善に取り組む場面が増えています が、主に内臓脂肪に起因する病である生活習慣病の予防には、 若年層においても、早期の段階から生活習慣の改善に取り組み、 健康的な生活習慣を身につけることが重要な課題となっています。 従業員の健康管理を経営課題としてとらえ、企業の持続的成長につなげようという「健康経営」※1の考え方が注目されています。 そこで日立は、効果的な減量プログラムとして開発された「はらすまダイエット」の手法を活用し、企業の「健康経営」実現を支援する クラウド(SaaS※2)型サービス「はらすまダイエット/生活習慣改善」を発表しました。
健康経営の実現をクラウドで支援する
「はらすまダイエット/生活習慣改善」
11 はいたっく2013-7 企業の「健康経営」を支援 ※1 従業員の健康が企業にとって不可欠な資本であることを認識し、従業員への健康情報の提供や健康投資を促す仕組みを構築することで、生産性の低下を防ぎ、 医療費を抑えて、企業の収益性向上をめざす取り組み。健康経営は、NPO 健康経営研究会の登録商標です ※2 Software as a Service 「内臓脂肪を減らすことで生活習慣病のリスクを減らす」ことを目的に、忙しい人でも日常生活での少しの工夫によって無理な く続けられる手法として、日立健康管理センタの中川医師によって考案されたプログラムです。参加者は食事や運動の目安を 100kcal単位で示した「100kcalカード」を使い、90日間で体重の5%減量を目標とした生活習慣の改善に取り組みます。指導 者から届く定期的な支援メールによってモチベーションを維持できるのも大きなポイントです。なお、日立の社員は従来より「はらす まダイエット」に取り組んでお り、2013年3月末時点の結 果として、継続率93.9%、メ タボに該当した445名のう ち71.5%がメタボから解消 されるという非常に高い効 果が得られています。 ※3 40歳以上のメタボリックシンドローム該当者や予備群に生活習慣の改善を指導することを目的として実施する保険制度 ※4 内臓脂肪型肥満(男性の腹囲85cm以上、女性の腹囲90cm以上)、かつ、高血糖、高血圧、糖質異常の3項目中2項目 以上で基準値を超えた状態 ※株式会社日立製作所 日立健康管理センタでの 実施結果「はらすまダイエット」
とは
りかん本サービスを利用する従業員は、付与されるIDを使い、PCや タブレット、携帯電話/スマートフォンなどから「はらすまダイエット」 の専用Webサイトへログインします。専用Webサイトでは、減量に つながる食事や運動のメニューの選択や目標体重などを設定し、 「はらすまダイエット」の特長の1つである100kcalカードをみずから 選んで毎日実施します。その実施状況と朝晩の体重を専用Web サイトに登録し、生活習慣の改善に取り組みます。容易な入力方 式と、わかりやすい経過表示、さまざまな生活イベント(飲み会、出 張、深夜の食事など)と体重の増減関係などが可視化されるた め、どなたでも楽しみながら効果的な健康施策に取り組むことが 可能です(図1)。 企業に保健師や管理栄養士などの指導者がいない場合で も、特定保健指導で豊富な経験のある管理栄養士が、参加者の 状況に合わせ、カロリーを抑えた食事メ ニューや効果的な運動など、生活習慣 の改善に関するアドバイスを10日に一 度メールで提供します。参加者からも、 管理栄養士にメールで相談ができるた め、適切なアドバイスのもと、効率的に 減量や生活習慣の改善を行うことがで きます。 ■健康施策をスムーズに開始するためのツールを準備 さらに日立では、「はらすまダイエット/生活習慣改善」を使った健 康増進施策を従業員に周知し、参加者を募るためのキャンペーン サイト(Web)や掲示物、参加者が「はらすまダイエット」の考え方を 理解し、スムーズに開始するための学習用コンテンツ(e-Learning など)も提供します。これにより、企業側ご担当者の負担を軽減しな がら、スピーディなサービスインの実現が可能です(図2)。 お客さま企業のご要望に合わせ、参加者への継続支援サー ビスであるメールの内容により、3種類のサービスコースをご用意 しました(図3)。 日立は、2009年から提供している「はらすまダイエット/特定保健 指導」と、「はらすまダイエット/生活習慣改善」を企業の健康経営に 寄与するクラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」として体 系化し、今後もさらなる機能強化やラインアップの拡充を図って いきます。 (株)日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ TEL(03)5632-7412 お問い合わせ先 12 はいたっく2013-7 ■情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/harasuma/ 「はらすまダイエット/生活習慣改善」の特長 ■容易に取り組める健康施策 ■管理栄養士が適切なアドバイスをメールで提供 ■3種類のサービスコースを用意 図1 参加者が記入・閲覧するWebサイトの画面例 図2 企業内で参加者を募集するためのキャンペーンサイト 図1 参加者が記入・閲覧するWebサイトの画面例 図2 企業業内で参加者を募集するためのキャンペーンサイト 図3 「はらすまダイエット/生活習慣改善」の3種類のサービスコース などの指導者がいない場合で のある管理栄養士が、参加者の 食事メ 活習慣 日に一 からも、 きるた 率的に とがで 系化し、今後もさらなる機能強化やラインアップの拡充を図って いきます。 図3 「はらすまダイエット/生活習慣改善」の3種類のサービスコース 3か月サポートコース 1か月サポートコース セルフモニタリングコース 30日間 支援メール 支援メール 情報提供メール 60日間 支援メール 情報提供メール 情報提供メール 90日間 支援メール 情報提供メール 情報提供メール 継続支援サービス(10日に一度のメール) 支援メール:管理栄養士からの個人の取り組み状況に合わせたアドバイス 情報提供メール:システムから自動送付される、生活習慣改善のアドバイス
国内企業のグローバル化を支援する
Windows Azure™連携ハイブリッドクラウドソリューション
国内企業のグローバル展開が加速する中、Windows®ベースの既存IT資産をクラウド化し、
迅速な海外事業展開に活用したいというニーズが増えています。そこで日立は、
日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト)との協業により、日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」と
マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft® Windows Azure™(以下、Windows Azure)」を連携した
ハイブリッドクラウドソリューションを開発し、提供を始めています。 両社のクラウドをセキュアに接続し、IT投資効率の向上と安全・安心なクラウド活用を実現します。 なぜ、日立とマイクロソフトが協業 したのでしょうか。 事業をグローバル展開しているお客 さまから以下のようなご要望があったから です。 ・コンプライアンスの観点から、海外に重 要な業務データを置きたくない ・海外のクラウドサービスを活用したいが、 サポートが心配だ ・ワールドワイドでクラウド基盤を適材適所 で活用することで、運用の効率化やコス トの改善を図りたい ・海外で幅広い導入実績のあるクラウドを すばやく安全に利用したい なかでもクラウド化をしたいIT資産は、 Windows®ベースで扱われるケースが多 く、Windows Azureと連携できないかと いうご要望もいただきました(図1)。 これらのご要望にお応えするため、高い 信頼性が求められる事業を支えるクラウド として、多数の導入実績がある日立のクラ ウドと、柔軟性が高く海外拠点が豊富で、 Windows®ベースのアプリケーションと親 和性の高いマイクロソフトのクラウドが連 携しました。これにより既存IT資産の有効 活用や安全・安心なクラウド間連携がで き、業務環境の変化にも迅速な対応が可 能な、ハイブリッドクラウドソリューションを提 供することができました。このソリューション によって、国内企業のグローバル化を支援 し、ビジネスの強化に寄与していきます。 Harmonious CloudとWindows Azureは、どのような形で連携されるの ですか。 日立は、マイクロソフトが2013年4月に 発表した、Windows Azureをより安全に 接 続 できる仮 想 専 用 網「 W i n d o w s Azure 仮想ネットワーク」に、いち早く対応 した「Windows Azure向けVPN※1サー ビス」を提供しています。Harmonious CloudとWindows Azureは、このセキュ アな専用VPNサービスで接続されます。 本サービスでは、回線のみならず機器も冗 長化したうえで、帯域まで保証された高品 質なネットワーク環境を提供します。 このネットワークサービスの提供に加え、 Windows Azureに対応した日立のクラウ ドサービスプラットフォーム「Cosminexus」、 および、統合システム運用管理「JP1」を適 用し、Windows Azureと連携したハイブ リッドクラウドを実現しています。 ハイブリッドクラウドでは国内にある日立 のクラウドサ ービス 提 供 拠 点 で ある Harmonious Cloudセンタと、米国・欧州・ アジアで稼働しているマイクロソフトの海 外データセンターを接続し、サーバの特性 に応じて適材適所でクラウドの活用が行 えます。例えば、重要なデータを持つデー タベースは国内のHarmonious Cloudセ ンタに預けて、グローバルでのアクセスポイ ントやエンドユーザーへのサービスには Windows Azureを利用できます。 13 はいたっく2013-7 プラットフォーム & ソリューション 図1 グローバル展開しているお客さまからの要望
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A.
Q.
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ハーモニアス クラウド コズミネクサス Windows®ベースの 既存IT資産を 有効活用したい 運用効率化、 コスト改善したい すばやく安全に 利用したい サポートが 心配 海外に業務データを おくのが不安 今後は、ワールドワイドでクラウド基盤を活用・展開したいまた、Cosminexus のアプリケーションサー バを活用することで、 既存のWindows®ベー スの業務アプリケーショ ンのみならず、企業内 で実績のあるJava™ のアプリケーションも海 外のWindows Azure の基盤上で利用可能 となります。 さらに、JP1により、ハ イブリッドクラウド上のシ ステムの稼働監視やリ ソースの利 用 状 況を 統合的に24時間365日 監視・管理することで、 安 全・安 心な業 務 環 境を実現します。これ により、お客さま(システム管理者)の運用 負荷とコストを低減します。 日立とマイクロソフトは国内サポートと現 地サポートを連携する体制を共同構築し、 問い合わせ対応や障害発生時の切り分 けを迅速に行い、お客さまの問題解決を トータルに支援します(図2)。 ハイブリッドクラウドは、主にどのよ うな利用シーンで効果が期待できますか。 安全・安心なHarmonious Cloudと、 柔 軟 性 が 高く海 外 拠 点 が 豊 富 な Windows Azureの特長を生かし、次のよ うなユースケースで効果が期待できます。 ■グローバルWebシステムへの活用 海外から参照されるWebシステムで、 重要なデータを日本のデータセンターに保 管したいケースです。 海外から参照されるWebサーバは利 用者に近いWindows Azure上に設置 し、アクセス数の増減に合わせて柔軟に サーバを利 用できます 。管 理 用 W e b サーバとデータベースサーバは国内の Harmonious Cloudセンタに設置し、重要 なデータをセキュアに保管します。 ■オフショア開発への活用 海外のプログラム開発会社とともに、 オフショア開発を行う際に活用するケース です。 海外のプログラム開発会社とオフショア 開発を行う際、開発会社に近いWindows Azure上に開発サーバを設置してネット ワークコストを削減。成果物は日本国内の Harmonious Cloudセンタに保管すると ともに、開発側の環境も国内から一括運 用します。 ■ビッグデータ利活用システムへの活用 インターネット経 由で情 報を収 集し、 ニーズ分析するシステムに活用するケース です。 インターネット経由で収集できる情報は Windows Azure上のサーバに収集し、重 要なデータは国内のHarmonious Cloud センタで保管します。また、高いI/O性能が 求められる集計・分析にはHarmonious Cloud上のサーバを利用できます。 さらに本ソリューションでは、「Microsoft Office 365」の導入/運用支援サービス 「Office 365おまかせパック」※2や、ハイブリッ ドクラウド環境のシステム連携を支援する 「App Bridge 分散処理基盤サービス」※2、 「Windows Azureの導入支援/SIサービ ス」※3などの関連サービスも組み合わせ、日 立グループの経験やノウハウを生かして、 迅速な業務環境の立ち上げと安定的な運 用を実現します。 今後も日立は、日本企業を支えるクラウド ベンダーとして、お客さまのグローバルなビ ジネス展開をはじめとしたさまざまなニーズ に対応し、グループ一体となって日立クラウ ドソリューション「Harmonious Cloud」の 強化を図っていきます。 14 はいたっく2013-7 図2 「Windows Azure」連携によるハイブリッドクラウドの概要
※1 Virtual Private Network
※2 株式会社日立システムズが提供 ※3 株式会社日立ソリューションズが提供 お問い合わせ先
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■情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/cloud/ (株)日立製作所 クラウドサービス事業部 http://www.hitachi.co.jp/cloud-inq/ データセンター間連携 統合運用ソリューション グローバルなサポート連携 ハイブリッドクラウド 国 内 お客さま本社 Harmonious Cloud センタ 利用 重要 データ 統合運用監視 海 外 海外拠点A 海外拠点B マイクロソフト データセンター 利用 利用 既存の業務 アプリケーション マイクロソフト データセンター 既存の業務 アプリケーション 既存の業務 アプリケーション セキュアな接続 Windows Azure向け VPNサービス NEW列車運行と旅客の移動を可視化する
「旅客流動シミュレータ」
を開発
鉄道事業者にとって、旅客の移動ニーズに最適な運行の実現は長年の課題の一つです。 しかし、多数の旅客がどの列車でどのように移動しているかの全容を把握するのは、これまで非常に困難でした。 そこで日立研究所は道路交通分野で培った技術をベースに、 列車数万本規模の運行に合わせて数千万人規模の旅客が移動する状況を秒刻みで推定できる 「旅客流動シミュレータ」を開発。 突発的事態が起きた際の旅客移動に及ぼす影響評価や、安全で正確な運行管理、 新興国への鉄道システムの提案などに大きな付加価値を生む技術として期待されています。 ̶̶「旅客流動シミュレータ」は、どのような 目的で開発されたツールなのですか。 藤原 いま世界各地で、環境に配慮した 交通手段として鉄道インフラの整備計画が 進められています。そこでは、旅客がいつ、 どこからどこへ、どのように路線を乗り換え ながら目的地に向かっていくのかという移 動ニーズを考慮した運行を実現できる鉄道 システムの提案が求められています。しかし そうした人の動きは国や地域ごとに異なりま すし、特に大勢の人々が複雑な路線網を 乗り継いで移動する大都市圏内で、その 実態を把握するのは容易ではありませんで した。そこでわれわれは、世界各地の鉄道 事業者に最適な提案を行うため、列車運 行に合わせた旅客の移動ニーズを推定で きるツールを開発しようと考えたのです。 ̶̶これまで大勢の旅客の動きを推定す る方法はなかったのですか。 佐藤 鉄道事業者であるお客さま自身が、 過去の実績や改札データをもとに、ある程 度の範囲内で人の動きを推測することは できていました。しかし個々の列車に各駅 でどれほどの旅客が乗り降りし、どこへ向 かっているのかという都市全体での人の 動きを網羅的に推定するのは、おそらく不 可能だったでしょう。われわれ鉄道システム を開発しているベンダーも、この列車は何 人の旅客を何分間隔で目的地へ運べると いう輸送能力を評価するための運行管理 シミュレーションは行えましたが、実際に旅 客が乗った際、ダイヤと人の動きも連動さ せながら推定・評価することは困難でし た。それが今回、実現に近づいたことにな ります。 ̶̶どのような方法で旅客の動きを推定で きるようになったのでしょう。 藤原 日立が道路交通の分野で培った経 路探索技術、統計渋滞予測技術などを活 用し、ダイヤに基づいて運行する列車と、目 的地へ早く着きたい、なるべく乗り換え回数 を少なくしたいという心理に沿って自律的に 行動する旅客の移動が、相互に与える影 響をモデル化しました。そしてこのモデルを、 膨大な人やモノが共存する状況を解析で きるマルチエージェント・シミュレーション技 術※1に適用することで、数千万人規模の旅 客が列車の運行に合わせて移動する状況 が推定できるようになったのです。 ̶̶列車の動きと人の動き、双方を考慮した リアルなシミュレーションが行えるわけですね。 藤原 はい。今回は首都圏の鉄道利用者 の駅間流動量を調査したデータをインプット することで、列車数万本規模の複数路線の 列車運行を再現し、列車の運行に合わせて 数千万人規模の旅客が移動する状況を、 秒刻みで推定できるモデルを開発しました。 ̶̶このシミュレーションで、どのようなこと がわかるのですか。 藤原 従来評価することが難しかった列 車単位での乗車率や、各駅での乗降人数 を網羅的に評価することが可能となります。 このため、信号機故障や車両故障などによ る突発的な輸送障害が旅客の移動に及ぼ す影響や、デパートなどの大型商業施設の 開業、イベントの開催などによる旅客の移動 ニーズの変化が列車運行に及ぼす影響も 検証できます。 複雑な路線網を乗り継ぎ 移動する人の動きを可視化 列車単位の乗車率や各駅での 乗降人数を網羅的に評価 日立研究所 多様な人や組織により構成される社会現象を人工的に再現することで現実 の現象を理解・分析するため、人や組織など自律的な行動主体をエージェン トとして、個々のふるまいをモデル化し、エージェント間の相互作用を計算する シミュレーション技術 ※1 日立研究所 輸送システム研究部 TS4ユニットリーダ 主任研究員 佐藤 裕 日立研究所 輸送システム研究部 TS4ユニット 藤原 正康 15 はいたっく2013-7寧 今まで漠然としていた列車と人が連動 した動きを、わかりやすく可視化したのも大 きな特長です。地図上に表示された列車、 駅、路線を選択すると、それぞれの混雑状 況、旅客の行き先の内訳などを詳細に表示 できます。各駅の担当者、路線全体の責任 者など、さまざまな立場のお客さまに必要な 情報を必要な形でお見せすることで、直感 的な理解と問題解決の糸口をつかむきっか けになると考えています。 藤原 本シミュレータには旅客の移動ニー ズの変化に対し、一部の列車の出発時刻 を最適化することで、列車の乗車率を平準 化する機能もあります。例えば、先発する列 車の乗車率が後発の列車より小さい場 合、先発列車の乗車人数が増えるように出 発時刻を何分遅らせれば最適化できるの か、シミュレータで検証することができます。 今後、旅客の移動をリアルタイムに計測で きるようになれば、システムで列車の運行間 隔の調整を支援することも可能となります。 乗車率を平準化できれば、列車の本数は そのままに、列車遅延の原因とされる混雑 による乗降時間増加を抑える効果も期待 できるでしょう。 佐藤 日立は2011年9月、海外での鉄道事 業拡大に向け、鉄道の輸送量やエネル ギーコストを現地の鉄道事業のニーズに即 して計算・提案できる「鉄道システム統合シ ミュレータ」※2を開発しています。このシミュ レータと今回の「旅客流動シミュレータ」を連 携させれば、それぞれの国や地域の旅客 の移動ニーズに対応し、輸送量とエネル ギーコストを最適化したトータルな鉄道シス テムの提案が可能となります。鉄道事業の 経験やノウハウの少ない新興国のお客さま に対して、計画段階の上流工程にまで踏み 込んだ付加価値の高い提案や、事業にか かわる幅広いコンサルテーションにも活用で きるという意味で、日立のグローバルな鉄道 事業拡大に大きく貢献できるはずです。 ̶̶今後の展開は。 寧 現状では、統計調査(平成17年 大都 市交通センサス 鉄道OD調査)による出発 地と目的地のデータのみでシミュレーションを 行っているため、旅客が実際にどのような経 路で乗り換えたかが正確にはつかみきれて いない部分があります。今後は何らかの計 測方法によって途中経路も正確に把握しな がら、さらなるシミュレーション精度の向上と 評価方法の確立をめざしていきたいですね。 藤原 このシミュレータを実案件に適用し ながら、鉄道事業者であるお客さまが、実 際どのような情報を知りたいと考えているの か、まだニーズを満たせていない部分は何 かを「生の声」として取り込みながら、よりよ いシミュレーションシステムに育て上げてい きたいと思います。 ̶̶ 期待しています。本日はどうもありがと うございました。 グローバルな鉄道事業拡大に 貢献できる技術 (株)日立製作所 日立研究所 https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/rd/jp/form.jsp お問い合わせ先 車両設備、信号設備、運行管理、電力設備など複数の設備の連携を考慮し た大規模な鉄道システムを再現することで、鉄道システムの全体のエネル ギーコストや、輸送量を包括的な視点で、評価可能なシミュレータ ※2 旅客流動シミュレータの機能概要 日立研究所 輸送システム研究部 TS4ユニット 寧 鋭 寧 今まで漠然としていた列車と人が連動 グローバルな鉄道事業拡大に 行っているため、旅客が実際にどのような経 旅客流動シミュレータの機能概要 ●本シミュレータでは、列車数万本規模の運行に合わせて移動する 旅客数千万人規模の移動の状況を推定します ●地図上に表示した列車、駅、路線を選択することで、それぞれを 利用する旅客の混雑状況や行先の内訳などを表示させることもで きます 列車到着前 選択列車の駅ごとの乗降人数 選択駅での列車待ち状況 選択路線の乗車率変化 停車駅 人数 列車待ち時間 選択路線の列車ダイヤ 旅客 4500人 旅客 300人 062T 旅客 4300人 旅客 500人 062T 旅客 4300人 旅客 500人 062T 列車乗降 列車出発後 300人 乗車 100人 降車 地図上から任意の 列車、駅、路線を選択 待ち時間ごとに集計 駅間ごとの乗車率に 応じて色を変えて表示 推定した列車と 旅客の移動状況は、 地図上にアニメーションで 表示することが可能 駅 列車 列車番号 ※平成17年大都市交通センサス 鉄道OD調査(着時間帯別駅間移動人員)利用 16 はいたっく2013-7