N3-5
DBD 型プラズマアクチュエータを備えた同軸噴流における混合促進の評価
Assessment of mixing enhancement in coaxial jet manipulated with a DBD plasma actuator
○ 溝田 裕樹, 東大工, 〒113-8656 文京区本郷 7-3-1, E-mail: [email protected]
永江 剛典
, 東大院, 〒113-8656 文京区本郷 7-3-1, E-mail: [email protected]
笠木 伸英
, 東大工, 〒113-8656 文京区本郷 7-3-1, E-mail: [email protected]
鈴木 雄二, 東大工, 〒113-8656 文京区本郷 7-3-1, E-mail: [email protected]
Yuki MIZOTA, Dept. of Mech. Eng., The Univ. of Tokyo, Hongo 7-3-1, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656
Kosuke NAGAE, Dept. of Mech. Eng., The Univ. of Tokyo, Hongo 7-3-1, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656
Nobuhide KASAGI, Dept. of Mech. Eng., The Univ. of Tokyo, Hongo 7-3-1, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656
Yuji SUZUKI, Dept. of Mech. Eng., The Univ. of Tokyo, Hongo 7-3-1, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656
A dielectric barrier discharge (DBD) plasma actuator is a promising device to control flow field because of its robustness and availability at high control frequencies. In this study, we try to use these actuators in a coaxial jet for mixing control. In order to achieve a mixing enhancement between the inner and outer jet fluids, we focus on two parameters, i.e. the position and frequency of plasma actuators, while the distribution of induced velocity by plasma actuator is fixed. As a result of large eddy simulation (LES), it is found possible to flexibly control mixing when plasma actuators are installed on the inner wall of the annular nozzle. In particular, when Strouhal number Sta, which isdefined with the control frequency, equals 1.0, large-scale vortices are generated continuously and then mixing is most enhanced. 1.序論 部分負荷運転時のガスタービン燃焼器内においては,窒素酸化 物・未燃炭化水素の排出量増加や火炎の不安定化が起こる.栗本 ら(1)はフラップ型マイクロ電磁アクチュエータ群を環状ノズルの 外側に備えた同軸二重ノズルを試作し,負荷変動に応じた最適な 燃料・空気の混合気を生成することを試みた.その結果,フラッ プにより外側剪断層へ速度撹乱を投入することで,内側剪断層に おけるフラップ駆動周波数に同期した渦輪を生成し,混合特性を 柔軟に制御できることを示した.しかし,フラップの駆動に必要 な永久磁石の耐熱性や最大駆動周波数が低いなどの課題がある. 一方,近年開発されたプラズマアクチュエータ(以下PA と略記) は,誘電体下部の裏面電極と壁面上の表面電極との間に交流電圧 を印加し,プラズマを発生させ,静電気力により流れを誘起する 制御素子である.PA には,グロー放電(2)やアーク放電(3)を利用す るものもあるが,最大誘起速度を制限するアーク遷移を防止でき るため,誘電体バリア放電を用いるDBD 型が広く用いられてい る.機械的駆動部を持たずメンテナンスが容易で,耐熱性,耐久 性に優れるため,流体制御素子として注目されており,剥離の制 御に使われている例も見られる(4).そこで,本研究では,PAを用 いた同軸噴流混合の促進効果を明らかにするため,数値計算によ る検証,評価を行った.
Fig. 1 Computational domain for LES.
2.計算手法 本研究では,光石ら(5)によるDNS コードをベースにした LES コードを用いた.同軸噴流を模擬した計算領域をFig. 1 に示す. 同軸ノズル内外径比Do/Diと拡大比Dw/Doはともに2 とした.中 心噴流バルク平均流速Um,iと環状噴流バルク平均流速Um,oの流速 比Um,o/Um,iは,全ての場合において6.4 とした.格子点数は r, , z 方向にそれぞれ 64,64,256 である.尚,速度勾配が大きい内 外剪断層付近において十分な解像度を得るため,r 方向格子間隔 を非一様とした. 支配方程式は以下に示すような空間フィルターをかけた非圧縮 性流体における連続の式,Navier-Stokes 方程式,及びパッシブス カラーの輸送方程式である. 0 i i u x $ (1) 1 Re i j i i ij j i j j u u u p u t x x x x $ $ $ $ $ (2) 1 ReSc j j j j j u c c c t x x x $ $ $ $ (3) 全ての場合において,Um,o,Do,及び空気の動粘性係数oで定 義されるレイノルズ数Re(= Um,o Do / o)は 2400,空気の分子拡散係 数Dmで定義されるシュミット数Sc(= oDm)は 1.0 とした.また, ijはSGS 応力,jはSGS スカラー流束を示し,各々渦粘性モデ ル,勾配拡散モデルによって表し,モデル係数はdynamic SGS model(6)を用いて計算した.スカラー濃度の入口条件には,中心噴 流で1,環状噴流で 0 を与え,この不連続性による数値不安定性 を抑えるため,スカラー濃度輸送方程式の対流項にTVD スキー ムを適用し,リミターとしてminmod(7)関数を用いた.壁部分はス カラー勾配ゼロ,及び滑りなし条件,出口境界には対流流出境界 条件を適用した.さらに, Um,oとDoで無次元化した時間ステッ プは2.0×10-3とした.初期条件は静止場とし,中心噴流・環状噴 流のノズル出口での平均速度分布U0は,各々円管内発達層流分布,
及び式(4)のようなトップハット型分布を与えた.ただし,パラメ ータa の値は,式(5)で定義される運動量厚さ が栗本らの実験に よる値1.5×10-2 D oに合うように決めた. , , tanh / ( ( ) / 2) tanh / (( ) / 2 ) m o i i i o o m o o i o o U R R a R R R R U U R R a R R R R (4) 0 ( ) /2 , , 1 i o R o R R m o m o U U dr U U (5) また,入口乱れとして主流方向速度に,栗本ら(1)のz/D0=0.025 に おける分布を撹乱として与えた. 3.PA による制御入力のモデル化 制御下の環状ノズル出口速度境界条件を,先に述べた平均速度 分布U0とPAによる誘起流速VPAの和U0+VPAで与えた.本章では, VPAのモデル化手法を示す. Moreau ら(4)は実験で,PA により誘起される壁面近傍の流速分 布が駆動周波数や電圧,裏面電極幅の長さに応じて変化すること を確かめた.例えば,Fig. 2 に示すのは,駆動周波数 300Hz にお ける各印加電圧での流速分布(8)である. また,Wicker ら(9)は,スピーカーを用いて励起する剪断層が内 側か外側かにより流れ場が変化することを確かめた.そこで,本 研究ではPA による内側剪断層誘起あるいは外側剪断層誘起によ って生じる流れ場の比較を行った.PA の設置位置として,Fig. 3 に示すように,環状ノズル内側(A)あるいは外側(B)に備えた場合 を想定した.誘起流速は,アクチュエータのon-off 制御を模擬し,
Fig. 2 Induced velocity profiles by PA near the wall (exp.) (8).
Fig. 3 Coaxial jet nozzle equipped with plasma actuator (PA).
Fig. 4 Spatio-temporal distribution of modeled velocity induced by PA.
式(5)に示す時間方向に周期的な主流方向速度をノズル入口部に 軸対称に与え,その半径方向分布はFig. 2 の実験結果を参考に式 (6)を用いてモデル化した.誘起速度の時空間分布をFig. 4 に示す. また各場合についてPA の駆動周波数 faを無次元化したストロー ハル数はSta(= faUm,o/ Do) = 0.3,1.0,1.7 の下で計算を行った. a a a PA 1 2 1 ( )sin 2 St 2St St 0 otherwise n n f R t t n V (5) 2 i m max 2 o m max ( )
(Outer Wall of the annular nozzle) ( )
( )
(Inner Wall of the annular nozzle)
o t o i i t a R R d R d R R f R a R R d R R R d (6) なお,PA により流速の誘起される厚さ dt,最大誘起流速の得ら れるPA の壁からの位置 dm,最大誘起流速の大きさmaxは,全て の場合についてdm = 3.3×10-2,dt = 1.0×10-1,max = 4.2×10-1とし た.ただし,これらの値はFig. 2 において 10kV の電圧を印加し ている時の速度分布をモデル化したものである. 4.計算結果及び考察 PA を備える位置,及び駆動周波数 Staが,同軸噴流の中心流体 の混合様式や渦構造に与える影響を考察した.以下の図中におい
Fig. 5 Instantaneous images of vortices (Q = -24, z = red:6 green: 0
blue: -6) and scalar concentration(c=0.095) (a) natural jet; (b) and (c) controlled jet at Sta = 0.3.
(b)
(c)
Inner layer excitation
Outer layer excitation
(a)N3-5
Fig. 6 Phase-averaged velocity vector and scalar concentration (upper) and contour of rms of scalar concentration (bottom):
(a) = 0.6 and (b) = 1.8
て,環状ノズル外側にアクチュエータを備えた場合をOuter layer excitation,内側に備えた場合を Inner layer excitation と表記する. また,速度,濃度の瞬時値f を, f f f$ f (7) と分解する.ここで,右辺の各項は各々,時間平均,位相平均, 乱れ成分を表している.また,変動強度frmsを, 2 rms ( ) f f f (8) と定義する.以下の議論において,式(7),(8)の表記を用いる. 4.1 アクチュエータの配備位置による影響 Fig. 5 に自然噴流及び制御噴流における渦構造と中心噴流スカ ラー濃度分布を示す. 制御噴流は,Sta = 0.3 において PA を外側 に備えた場合(b)と内側に備えた場合(c)を示している.渦構造は, 速度勾配テンソルの第二不変量Q , , 1 2 i j j i Q u u (9) の等値面で抽出し,主流方向渦度 zで色づけをした.スカラー濃 度の等値面が示すように,(b),(c)どちらの制御噴流においても, 混合が促進されている様子が確認できる. また,渦構造に着目すると,制御入力により形成された渦輪の
Fig. 7 Phase-averaged velocity vector and scalar concentration (upper) and contour of rms of scalar concentration (bottom):
(a) = 0.6 and (b) = 1.8 崩壊に伴う縦渦により,下流における物質混合が促進されている 様子が見られる.なお,縦渦は,制御噴流ではいずれも自然噴流 より上流域に位置しているが,その発達様相に大きな違いが見ら れる. そこで,流れ場に最も顕著な速度変化が見られるSta = 0.3 の場 合において,PA の設置位置により,流れ場が具体的にどのように 変化するか考察する.Figs. 6,7 に,各々PA を環状ノズル外側・ 内側に備えた場合における,位相平均速度のベクトル図と位相平 均スカラー濃度分布及びスカラー濃度変動の等値線図を示す.PA を外側に備えた場合は,大きな再循環流がz/D0 ~ 2.0 付近に見られ る.この再循環流は異なる位相においてもほぼ同じ大きさで,同 じ場所に存在しており,定常的な流れ場を形成している様子が見 られる. PA を内側に備えた場合,内外剪断層に大規模な渦輪が 形成されており,主流方向に移流していく様子が見られる.また, PA により形成される内側剪断層の渦輪により,中心噴流が輸送さ れ,二流体の混合を促進していることがわかる. また,スカラー濃度変動の分布を見ると,PA を外側に備えた場 合,z/D0 ~ 1.0よりも上流域では広範囲で濃度変動が大きい.また, 下流域において,スカラー濃度変動は半径方向に広がりを見せて いる.スカラー濃度変動の分布も流れ場と同様に定常的となって いるのは再循環流によるものと考えられる.従って,再循環流は 混合の促進において支配的と言える.一方,PA を内側に備えた場 合は,外側に備えた場合と比べ,濃度変動の分布は中心軸周りの
Outer layer excitation
Outer layer excitation
Inner layer excitation
Inner layer excitation
限られた,より狭い範囲で分布しており,その結果より早く濃度 変動を抑えることができる.以上より,PA を環状ノズル内側に備 える場合,PA により形成される内側剪断層の渦輪が,混合の促進 に寄与すると考えられる. 次に,PAを環状ノズル内外壁に備えた各場合について,駆動周 波数Staが0.3,1.0,1.7 の制御噴流と自然噴流におけるスカラー 濃度の統計量を比較する.Fig. 8(a)に噴流中心軸上の平均スカラー 濃度分布を,(b)に噴流中心軸上の濃度変動分布を示す.制御噴流 においていずれの場合でも,自然噴流に比較し,内側ポテンシャ ルコアが短縮されている.また,自然噴流の場合より,上流域に て濃度変動の極大値が見られ,下流域では早い減衰が見られるた め,より急速に混合が行われていると言える.ただし,PA の設置 位置によりStaに応じた濃度分布の変化に違いが見られる. PA を環状ノズル外側に備えた場合は,Staに応じた噴流中心軸 上の平均濃度分布の変化は小さく,混合特性の変化は小さい.ま た,いずれのStaにおいても,濃度変動の極大点がほぼ同じ場所に 位置している.これは,PA を外側に備えた場合,Fig. 6 で示した ように,PA の駆動周波数に応じた渦輪の生成によっては,流れ場 の能動的な制御ができないことによると考えられる. 一方,環状ノズル内側に備えた場合は, Staに応じて内側ポテ ンシャルコアの長さは大きく変化し,混合過程を変化させること ができる.Sta = 1.0 の条件では,最も急速な混合状態が得られ,内 側ポテンシャルコアは,自然噴流に比べ約40%に短縮されている. また,下流の濃度分布にもStaによって大きな差異が生じており, Sta = 1.0 において,平均濃度・濃度変動ともに,最も低下してい ることがわかる. 負荷変動下で最適な燃料と空気の混合状態をPA により柔軟に 制御するためには,スカラー濃度分布を駆動周波数の変化により 調整できることが必要である.その点からは,PA を環状ノズル内 側に配備する方が望ましいと判断される.そこで,以下では,PA を内側に備えた場合について,その渦生成・混合の機構をより詳 細に考察する.
Fig. 8 Axial distribution of scalar concentration on jet center axis: (a) mean value and (b) rms value.
4.2 PA を内側に備えた場合の混合機構の考察 Fig. 9 に,Staが0.3,1.0,1.7 の条件下での,瞬時におけるスカ ラー濃度分布とその時の渦構造を示す.Sta = 0.3 及び 1.0 の場合, スカラー濃度分布と渦構造から,ノズル近傍に誘起される内側剪 断層の渦輪(図中 A, B)により混合が促進され,内側ポテンシャル コアの長さが著しく短くなっている.一方,Sta = 1.7 の条件では, ノズル近傍に見られる内側剪断層の渦輪(図中 C)では,Sta = 0.3, 1.0,ほど混合を促進する効果が見られない.また,渦輪の崩壊と ともに形成される縦渦も,Staに応じて位置や疎密に違いが見られ る. Sta = 0.3,1.0,1.7 において,それぞれ縦渦は z/D0 ~ 1.5,1.0, 2.2 付近から見られる.Sta = 0.3 では,縦渦が半径方向にも広く分 布しており,Sta = 1.7 では,縦渦の密度は疎で,Sta =1.0 において は,内側ポテンシャルコアが最も短く,縦渦は最も密に形成され ている様子が見られる. Fig. 10 に,各 Staにおける,位相 での位相平均速度のベ クトル図と,速度勾配テンソルの第二不変量の等値線図を示す. なお,Fig. 9 と Fig. 10 の渦輪 A,B,C はそれぞれ対応している.
Sta = 0.3 の条件では,PA により形成される渦輪は主流方向に間
欠的に生成される.渦輪Aは,中心軸上に逆流を伴うような大き な渦輪となっており,この逆流がFig. 9(a)に示すようにポテンシ ャルコアの短縮を促し,混合が促進されると考えられる.
一方,Sta = 1.0 の条件では,PA による渦輪は主流方向に,連続的
Fig. 9 Instantaneous distribution of scalar concentration (upper) and vortical structure (bottom): (a) Sta = 0.3, (b) 1.0 and (c) 1.7.
(b) (a)
A
B
C
(b) (a) (c) Sta= 0.3
Sta= 1.0
Sta= 1.7
N3-5
Fig. 10 Phase-averaged velocity vectors (upper) and distribution of the second invariant (bottom) at = 1.8 (a) Sta = 0.3, (b) 1.0 and (c) 1.7.
に生成している.渦輪B は,渦輪 A と同様流れ場に逆流をもた らすが,中心軸上にまでは達していない.渦輪はz/D0~1.0 で最も 発達し,中心軸上にまで達する逆流を伴いながら,中心流体の輸 送・混合を著しく促進する. さらにSta = 1.7 の条件では,Sta = 1.0 と同様に渦輪は連続的に生 成されるが,渦輪は小さく,流れ場に逆流も見られない.これは, 第二不変量の等値線図からわかるように,渦輪の発生周波数が高 く,渦輪が十分に発達する前に次の渦輪が形成されることで,大 スケールの渦が発達しにくいことによると考えられる.そのため, Fig. 9(c)が示すように内側ポテンシャルコアは短縮されず,内側剪
Fig. 11 Phase-averaged distribution of the second invariant: (a) = 0.2 (b) 0.6 (c) 1.0 (d) 1.4 and (e) 1.8 .
断層近傍における局所的な混合状態を得ると考えられる. Fig. 11 に Sta = 1.0 における,各位相での速度勾配テンソルの第 二不変量の等値線図を示す.1 周期のうち PA の駆動が始まる において外側剪断層に渦輪が生成し始め, では内 側剪断層において生成され,これら2 つの渦輪が下流に移流して いく.z/Do~1.5 付近で,渦輪の崩壊が始まっており,これは,縦 渦の生成が始まる位置に対応している. Staに応じた混合状態の比較を行うため,混合の指標として,中 心流体の時間平均濃度分布 c と変動強度crmsを採用した.本研究 で模擬しているガスタービン燃焼器の燃料にはメタンが広く用い られており,その可燃限界c は,0.05 < c < 0.15 である. Fig. 12 に,z/D0 = 1.0 における平均スカラー濃度分布を示す. z/D0 = 1.0 において,Sta = 1.0 の場合のみメタンの可燃限界に到達 している.つまり,Sta = 1.0 において,中心軸上主流方向,半径 方向ともに,最も急速な混合が得られると考えられる.Sta = 1.7 の条件では,渦輪が小さいために中心軸上ではほとんど濃度の変 化は見られないが,渦輪が存在する内側剪断層近傍で局所的に混 合が進んでいる.Fig. 12(b)に示す z/D0 = 2.0 における平均スカラー 濃度分布を見ると, Sta = 0.3 も可燃限界領域に達しているが,混 合の安定性に違いが見られる. Fig. 13(a),(b)にSta = 0.3及び1.0の条件下で,各位相ごとのc c$ を示す. Sta = 0.3 の条件では,Sta = 1.0 の条件と比べて,位相間 における濃度変動が大きいことがわかる.これはSta = 0.3 におい て,渦輪が間欠的に生成されることにより,渦スケールが発達し 1m/s
A
C
B
(b) (a) (c) (d) (e) Sta= 0.3
Sta= 1.0
Sta= 1.7
Fig. 12 Radial distribution of mean scalar concentration: (a) z/D0 = 1.0 and (b) z/D0 = 2.0.
Fig. 13 Radial distribution of phased-averaged scalar concentration at z/D0 = 2.0: (a) Sta = 0.3 and (b) Sta = 1.0. やすいためと考えられる. 実際, Sta = 0.3 において中心軸上渦 輪近傍でより大きな逆流を伴っている.また,Fig. 14(a)に示す, Sta = 0.3 及び 1.0 において渦輪が存在する z/D0 = 1.0 での濃度変動 を見ると,Sta = 0.3 の条件の方が顕著に大きな濃度変動がみられ る.一方Fig. 14(b)に,自然噴流において,コラムモード不安定性
Fig. 14 Radial distribution of rms of scalar concentration: (a) z/D0 = 1.0 and (b) z/D0 = 2.0. に起因する渦輪の発生が始まる.z/D0 = 2.0 での濃度変動の半径方 向分布を示す.いずれの制御噴流においても自然噴流に比べて, 濃度変動を抑制することができている.Sta = 1.7 において濃度変 動がやや大きいのは,連続的に生成された小さな渦輪の崩壊が遅 いことを示唆する. Fig. 10(c)の第二不変量の等値線図に見られる ように,周期的な渦が下流域でも存在するため,特に中心軸付近 で濃度変動が大きいと考えられる.また,Sta = 0.3 において,Sta = 1.0 の条件下よりもやや濃度変動が大きいのは,z/D0 = 1.0 におけ るSta = 0.3 の濃度変動が著しく大きかったことによると考えられ る. 以上より,Sta = 1.0 においては,発達した渦輪を連続的に生成 できるために,最も急速かつ濃度変動の小さな混合を達成できる と言える. 5.結論 本研究では,プラズマアクチュエータによる同軸二重噴流混合 制御の数値解析を行った.アクチュエータの配備位置及び無次元 駆動周波数Staの変化が,中心流体の輸送・混合過程に及ぼす影響 を速度・スカラー濃度の瞬時場及び統計量を用いて解析し,以下 の知見を得た. 1. プラズマアクチュエータを環状ノズル外側に備えた場合, Staを変化させても混合特性の変化は小さい.一方,環状ノ ズル内側に備えた場合, Staをパラメータとすることで内外 剪断層内の渦輪を操作でき,混合を柔軟に制御できる可能 性がある. 2. プラズマアクチュエータを内側に備えた場合,Staに応じて 流れ場に形成される渦輪のスケール,及び発生周波数が異 なる.Sta=1.0 において,大規模な渦輪が最も密に生成され るため,最も急速に混合が進行する.同時に,中心流体の 濃度変動を最も抑えることができ,安定した混合状態を達 成することができる. (a)
z/D
o=
1.0
z/D
o=
2.0
z/D
o=
1.0
Sta=
0.3
Sta=
1.0
(b) (a) (b) (a)z/D
o=
2.0
z/D
o=
2.0
z/D
o=
2.0
(b)N3-5 謝辞 本報をまとめるにあたり,東京大学大学院工学系研究科博士課 程,斎木悠氏から多大な助言をいただいた.また,本計算は,光 石暁彦氏が開発したDNS コードをベースとした.記して深謝申 し上げる.なお,本計算は,すべて東京大学情報基盤センターの HITACHI,SR11000 により行った. 参考文献 (1) 栗本直規, 鈴木雄二, 笠木伸英, “マイクロ・アクチュエータ 群による同軸二重噴流混合の能動制御,” 日本機械学会論文 集, Vol. 70B, No. 694, 2004, pp. 1417-1424.
(2) Shin, J., Narayanaswamy, V., Raja, L. L. and Clemens, N. T., “Characterization of a Direct-Current Glow Discharge Plasma Actuator in Low-Pressure Supersonic Flow,” AIAA Journal, Vol. 45, No. 7, 2007, pp. 1596-1605.
(3) Utkin, Y. G, Keshav, S., Kim, J.-H., Kastner, J., Adamovich, I. V. and Samimy, M., “Characterization of Localized Arc Filament Plasma Actuators Used for High-speed Flow Control,” AIAA Paper, 2007, 2007-787.
(4) Moreau, E., “Airflow Control by Non-Thermal Plasma Actuators,” J. Phys D. Vol. 40, 2007, pp. 605-636.
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(7) Harten, A., “On a Class of High Resolution Total-Variation-Stable Finite Difference Schemes,” SIAM J. Numer. Anal., Vol. 21, 1984, pp. 1-23.
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