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クルーズ教本 第 9 回 ブラッシュ アップ クルーズセミナー 平成 28 年 9 月

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ク ル ー ズ 教 本

ブラッシュ・アップ・クルーズセミナー

第9回

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海外旅行自由化で消えた客船

1960 年代になって世界の空はジェット旅客機時代を迎える。「コメット」、「ボーイング 707」、「ダグラス DC-8」など が競うように世界の空に翼を広げた。客船が1日かけて進んだ距離をジェット機は1時間で飛んでしまい、海外旅行の 交通機関の主役の座は完全といってもよいほどに、ジェット機が占める結果になった。 「ジェット機時代を迎えて、もう客船の時代は去ったと判断して、スッパリと客船商売から手を引いてしまった」と、当 時日本郵船会長の有吉義弥氏は述べている(有吉義弥著「日本海運とともに」)。 ジェット化の余波は日本郵船と並ぶ大阪商船(当時)にも及んだ。同社は客船部門を切り離して 1963 年に日本移 住船会社(現:商船三井客船)を設立し、移住者の輸送を主体に旅客船事業を継続する。戦前戦後を通じて旅客 船の運航を誇ってきた日本の客船事業はジェット機を前にして撤退を余儀なくされた。

福沢諭吉が船旅ガイド

前述の有吉日本郵船会長が振り返ったわが国の「客船の時代」の要点をトレースしておこう。 日本に外国航路が初めて開設されたのは開国直後の 1859 年(安政6年)8月である。英国の船会社P&Oが「アゾフ」 ( 700 総トン)で長崎/上海間に定期航路を開き、翌 60 年には横浜まで路線を延長した。 1867 年には米国の船会社パシフィックメールがサンフランシスコ/横浜/香港に航路を開設した。サンフランシスコ行 きの初航海には福沢諭吉が乗り込んでいる。福沢は「咸臨丸」に次いで2度目の渡米で、その船旅の体験から後に 「西洋旅案内」を著した。わが国では初の本格的な外国旅行ガイドブックである。福沢は同書で海上保険、火災保険、 生命保険の存在を紹介している。 こうした欧米列強の日本進出に対応して明治政府は自前の回漕会社を設立して東京/大阪間で定期運航を始めた ものの経営不振で海運事業は軌道に乗らなかった。 1873 年(明治 6 年)に土佐藩の下級武士だった岩崎彌太郎が三菱商会を興して日本沿岸航路を開設した。この 船社は 1885 年(明治 18 年)に設立された日本郵船会社につながる。 一方で住友財閥の広瀬宰平らが中心になって関西の中小船主を合同して 1884 年(明治 17 年)に大阪商船会社 が設立された。やがて、この2社が双璧となって日本の近代海運が発展していく。 日清戦争後、国際的な海運業の育成が急務となって政府は海運の保護政策に力を入れる。その結果、日本郵船は シアトル航路、インド洋を越える欧州航路、オーストラリア航路などを一挙に開設して、日本の客船が世界の仲間入りを する。

日本におけるクルーズ発展の航跡

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一等国の仲間入りは豪華客船で

中国などアジア近海に航路を広げていた大阪商船は香港/タコマの太平洋路線を開始して大正年間には世界全域 に船首を向けた。南米航路を開設して 1917 年には2万 3,000 人もの移住者をブラジルの新天地に運んだ。 南米移住の第一船になった「笠戸丸」をはじめ、「ぶえのすあいれす丸」、「りおでじやねいろ丸」(大阪商船)、 日本郵船のサンフランシスコ定期航路に就航した「浅間丸」、「龍田丸」、「秩父丸」などの豪華客船が国の威信をか けて続々と就航。大正〜昭和初期には、わが国にも本格的な「客船の時代」が訪れた。 こうした客船は欧米の客船と同様に等級制度が導入され、上級キャビンの客には大西洋の大型客船に優るとも劣ら ぬ豪華なレストランや室内プール、国際レベルのレストラン、第一級のメニューが提供された。外国人向けに国内で建 設された国際観光ホテルの先をゆく、最新の施設と最高のサービスで船旅は有産階級や政治家、文化人のステータス シンボルにもなった。 1906 年(明治 39 年)には日露戦争の戦勝地を巡るチャーター船も現れた。この戦勝地への公募船旅はわが国初 のクルーズといわれている。乗船中はともかく、陸上輸送は貨車やトロッコ列車を利用するなど過酷な旅の一幕もあった。 1908 年には外国客船をチャーターした世界一周旅行が朝日新聞社の主催で行われた。世界一等国への仲間入りを 鼓舞する狙いも見え隠れした国威発揚の船旅で、米英などの訪問先では大統領をはじめ政治家が出迎えるほどだった。 昭和になってからは新天地・満州への旅行が活発になって船旅が一段と大衆化した。 その「客船の時代」は第二次世界大戦の暗雲で幕を下ろした。多くの客船が軍艦に改造されて撃沈された。 戦後、外航貨客船として南米移住船の「ぶらじる丸」、「あるぜんちな丸」など5隻と見本市船の「さくら丸」、「新 さくら丸」の合計7隻が建造された。そして、ジェット機の就航。氷川丸を太平洋航路に就航させていた日本郵船は「スッ パリと客船商売から手を引いてしまった」のである。南米移住船が姿を消した 1973 年以後、商船三井(大阪商船と 三井船舶の合併会社)の子会社である商船三井客船が「にっぽん丸」(旧あるぜんちな丸)など2隻で客船の航跡 を保ち続けた。

格安ルートとしての船旅

海外旅行が自由化(1964 年)されたのにもかかわらず、船旅の主役になる日本籍の本格的な客船が港に見えない…。 日本籍船による船旅が困難に直面した時、旅行会社が着目したのは日本に寄港する外国の定期客船、定期貨客船だった。 横浜/ナホトカ(ロシア)に定期船を就航させたソ連極東船舶公団とタイアップしたJTBの「ソ連セット」は、船とシ ベリア鉄道をセットにしたヨーロッパ行きの格安旅行プランとして若者たちの人気となった。五木寛之の「さらばモスクワ 愚連隊」がベストセラーになって、シベリア鉄道ルートでヨーロッパへ行く旅行が当時の若者の最新旅行スタイルとして

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1964 〜 75 年には次のような客船が世界一周やアジア・クルーズとして横浜、神戸、長崎などに時たま寄港していた。 ◇「キャンベラ」、「チトラル」、「オリアナ」(P&0) ◇「QE2」(キュナード・ライン) ◇「プレジデント・ウィルソン」、「プレジデント・ルーズベルト」、「プレジデント・クリーブランド」(APL) ◇「オリエンタル・エスメラルダ」(OOL) ◇「チルワ、チワンギ」(RIL)など

客船の航跡絶やすなと「日本船旅業協会」が誕生

こうした客船で旅行を楽しんでいたのはごく一握りの日本人で、客船はもっぱら外国人旅行者の訪日旅行の手段となっ ていた。クルーズはインバウンドの主力マーケットとして位置づけられていたのである。 一方、日本の旅客船としては大阪商船三井船舶の「ぶらじる丸」が戦後初めて、1954 年(昭和 29 年)に太平 洋航路に就航した。68 年(昭和 43 年)には「さくら丸」(12,610 総トン)が香港、台湾、ハワイ、北米西岸などへ 船首を向けた。しかし、旅行者の視線は空に向けられる一方で、航海は決して順風満帆ではなかった。 「さくら丸」は日本製品の見本市船、国や自治体が主催する「青年の船」、洋上研修などチャーター主体の航海を 続け、現在のような一般募集によるFITベースの純粋なクルーズはほとんどなかった。 それでも日本発のクルーズは、船会社や旅行会社の一部スタッフの情熱と夢によって細々ながら航跡が残された。「グ アム島洋上カレッジ」(1971 年、さくら丸)、「グアム・クルーズ」(1972 年、コーラル・プリンセス)、大型のインセンティ ブツアー「ワコール太平洋カレッジ」(1970 年、プレジデント・ウィルソン)などが実施され、海外旅行の新しい波とし て話題になった。 こうした情勢下で「日本からクルーズの航跡を絶やすな」という切実な声が上がって、1971 年に設立されたのが日 本船旅業協会(J ASTA :Japan Sea Travel Association)である。商船三井客船の呼び掛けで客船会社5社と旅 行会社 25 社が当初メンバーとして参画した。船旅の啓蒙やクルーズ商品の販売促進セミナーを行うなど、地道な活動 を開始し、日本のクルーズ事業の発展に大きな役割を果たしてきた(2006 年 6 月発展的解散、JOPA に統合)。 

“3C”として敬遠されたことも

クルーズに情熱を傾ける旅行会社も少なくなかった。1970 年代末には有力ホールセラーもクルーズ販売に参入したが、 試行錯誤を重ねる結果となった。当時、クルーズ、チャーター、コンピューターは「うかつに手を出すと大ヤケドする“3C”」 というリスキー業務として旅行会社から敬遠されてしまうこともあった。しかしながら、こうした厳しい状況のもとでもクルー ズへ情熱をかける企業も誕生した。 1980 年代には海外旅行が多様化し、クルーズも堅実な市場拡大を記録する。 この頃から世界のクルーズ客船にはFITベースの日本人乗客の姿が珍しくなくなってくる。そのためにロイヤル・バイ キング・ラインは日本人乗客に対応する日本人初の女性アシスタント・パーサーを採用して、船上の受け入れ体制を固

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める。また、クルーズ中の通訳やメニュー和訳から、洋上ライフの楽しみ方をアドバイスする「日本人クルーズ・コーディ ネーター」が、各国の客船で活躍し始めるのも80 年代半ばから。 88 年には電通、サッポロビールなど7社共同出資のクルーズ運航会社マリン・レジャー開発(MLD)が設立されて、「Q E2」を約半年にわたってチャーターして横浜、神戸を基点に日本近海で運航した。「オーシャンパール」(12,456 総ト ン)を長期チャーターしてクルーズ需要の喚起に力を注ぐ大手旅行会社も現れた。訪問地の中国における天安門事件 で、コース変更を余儀なくされるなど成功直前で苦汁を味わっている。 話題のクルーズ商品が登場し、供給サイドでは日本人クルーズ客の受け入れにいろいろと工夫を凝らして、神経を使 うものの、クルーズマーケットは、いま一つ「笛吹けど踊らず」の状態だった。期待したほどのマーケット安定拡大には まだまだ時間が必要とされた。

本格的クルーズ時代の到来と「日本外航客船協会」の設立

日本に本格的なクルーズ時代が訪れたのは 1989 年(平成元年)。この年は「クルーズ元年」とも呼ばれ、次のよう にクルーズ客船が続々と誕生、就航する。 [1989 年(平成元年)] ◇「おせあにっくぐれいす」(昭和海運、5,218 総トン) ◇「ふじ丸」(商船三井客船、23,340 総トン) [1990 年] ◇「クリスタル・ハーモニー」(日本郵船資本の米国・クリスタル・クルーズ、49,400 総トン) ◇「にっぽん丸」(商船三井客船、21,903 総トン) ◇「ソング・オブ・フラワー」(川崎汽船、 8,282 総トン) ◇「おりえんとびいなす」(日本クルーズ客船、21,884 総トン) ◇「フロンティア・スピリット」(日本郵船系列のフロンティア・クルーズ、6,752 総トン) [1991 年] ◇「飛鳥」(郵船クルーズ、28,717 総トン) その後、95 年には「クリスタル・シンフォニー」(クリスタル・クルーズ、51,044 総トン)、98 年には「ぱしふぃっく びいなす」 (日本クルーズ客船、26,518 総トン)、2003 年には「クリスタル・セレニティ」(クリスタル・クルーズ、68,870 総トン)が

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ないプログラムで新しいクルーズ需要を喚起した。

また、日本籍船による世界一周クルーズ、日本一周クルーズ、東南アジア/オセアニアを周遊するグランドクルーズなど、航 空機主体の旅行では不可能だったルートや旅行がクルーズによって開発され、新しい旅の時空が創造される結果になった。

1990 年には、外航客船の安全運航対策や利用者保護制度の整備などを通じて、より安全で快適な船旅を実現する とともに、船旅の普及・啓蒙活動を行うことを目的とする、社団法人日本外航客船協会(JOPA : Japan Oceangoing

Passenger Ship Association)が設立された(その後、公益法人制度改革関連三法の施行に伴い、平成 25 年 4 月 1日付で一般社団法人に移行)。 JOPA は、外航客船および外航定期旅客船を運航する会社、旅行会社、港湾管理者、造船会社等で構成され、「ゆ とりの時代」に相応しい新しいレジャーとしての船旅のわが国への定着と、それを支える客船事業の一層の振興を目指 し設立。以来、全国各地でクルーズセミナー、船内見学会、シンポジウム等のイベントを開催するとともに旅行会社のクルー ズ販売の支援を行う等多面的な活動を行っている。

クルーズアドバイザーの誕生

JOPA では、わが国のクルーズを振興していくためには首都圏のみならず全国的な規模でクルーズ振興策を立案・ 実行していく必要があるとの観点から、平成 14 年度から国土交通省の協力の下、「クルーズ振興地方協議会」の設 立に取り組み、平成 16 年 3 月末までに沖縄、関西、北海道、九州及び中国地方の 5 地域において組織化された。 同協議会は、地方自治体、船社、観光・旅行・交通関係企業・団体、報道関係等がメンバーとなり、それぞれの地 域の特色や市場特性などを生かしたクルーズ振興を行っている。 また、平成 13 年 11 月、クルーズ振興策検討委員会(委員長:池田良穂大阪府立大学大学院教授)による報告書「わ が国における客船クルーズの振興に関する提言」において、旅行会社社員に対するクルーズ教育の必要性について 提案されたことを受け、平成 15 年 3 月、(社)日本旅行業協会(JATA)、日本船旅業協会(JASTA)(当時)の 協力を得て、旅行会社の社員を対象にクルーズのスペシャリストを育成し、クルーズ旅行商品の販売促進、市場の拡充・ 拡大に貢献して頂くことを目的とするクルーズ・コンサルタント(C.C)及びクルーズ・マスター(C.M)の 2 段階で構成 するステップアップ式の資格認定制度として「クルーズアドバイザー認定制度」を創設し、15 年度下期よりクルーズセミ ナー(C.C コース)をスタートさせた。 平成 27 度までのクルーズセミナー(C.C コース)の総受験者 10,499 名のうち、累計で 5,991 名(修了試験合格者 数 6,002 名)をクルーズ・コンサルタントとして認定した。また、クルーズセミナーの講師、パネリスト等を務め、豊富な知識、 経験を有していると判定されたクルーズ・マスター(C.M)は、クルーズアドバイザー認定制度実施要綱第 12 条の規 定による「見做し認定者」13 名と第 9 回目までのクルーズセミナー(C.M コース)の修了者 47 名を合わせ、合計 60 名となった。

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旅行会社による全船チャーター

本格的なクルーズ客船が日本で登場したのは 1989 年だが、それ以前の日本船のチャーターは、研修、インセンティ ブ、見本市、交流などを目的とするものが多く、チャータラーは企業や団体、国、自治体が主体だった。「ふじ丸」は 日本初の本格的な外航クルーズ客船として就航(1989 年 4 月)したが、企業・団体利用を意識した多目的な船内施設、 客室仕様となっていたのは、こうした時代背景があったためである。 日本船の相次ぐ登場により、クルーズは旅行の一形態として次第にマーケットに浸透し、近年は旅行代理店が全船 チャーターするレジャー・クルーズが目立って多くなってきている。旅行会社はオリジナルのコース、船内プロダクト、食 事内容、価格を独自に設定できるため、同業他社との差別化が図れ、集客に成功すれば高収益が得られるメリットが ある。また、各種団体や企業によるチャーター需要も根強いが、これには、クルーズ船を利用した周年行事や洋上研修、 あるいは展示会などは、ホテル施設を利用した場合よりも参加者へのインパクトが強く、オーガナイザーにとっては管理 運営が容易であるというメリットがあるからである。 外国客船の全船チャーターは 1980 年代にすでに萌芽は見られたが、「クルーズ元年」といわれた 1989 年以降は、 クルーズのゆたか倶楽部がジョン・スワイヤ・アンド・サンズから「コーラル・プリンセス」(9,520 総トン)をたびたびチャー ターし、日本発着の海外レジャー・クルーズに積極的な取り組みを見せた。 日本旅行は 1989 年〜 90 年にかけてパール・クルーズの「オーシャン・パール」(12,456 総トン)を長期間チャー ター。横浜/基隆/香港(往復)などのコースを定期的に運航し、フライ& クルーズ商品としてパッケージ化し販売 した。同じ頃、大手商社、サッポロビール、西武セゾングループなどがジョイント・ベンチャーで「クイーン・エリザベス 2」 (67,140 総トン)を「クルージング & ステイ」として半年間にわたってチャーターした。ホテルシップとして提供する一方、 日本発着クルーズも12 本実施した。「おせあにっくぐれいす」(昭和海運)、「ふじ丸」(商船三井客船)の就航ととも に、クルーズ時代の幕開けを世間に強く印象付けた事業だった。 その後、長引く不況とクルーズ・マーケットの低迷を背景に、旅行会社による外国船の全船チャーターは敬遠された が、2006 年に PTS がクリッパー・クルーズ・ラインの「クリッパー・オデッセイ(旧:オセアニック・オデッセイ/ おせあにっ くぐれいす)」(5,218 総トン)で 2 回、2009 年にクラブツーリズムがシルバーシー・クルーズの「シルバー・ウィスパー」(28,258 総トン)で 1 回実施するなど、小型船で外国客船による日本発着クルーズの可能性が模索された。 RCI、コスタ・クルーズなど欧米船社による中国、韓国および日本への配船拡大を背景に、ここ数年、旅行会社の 動きが再び活発化している。2012 年、JTB はロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)の「レジェンド・オブ・ザ・シー ズ」(69,130 総トン)を、オーバーシーズ・トラベル(OTA)とエイチ・アイ・エス(H.I.S.)は共同でホーランド・アメリ カ・ライン(HAL)の「ザーンダム」(61,396 総トン)をそれぞれ全船チャーターし、日本発着クルーズを実施。以降、 春の大型連休を中心に、旅行会社による外国客船のチャータークルーズが活発化している。発着地は横浜がほとんど

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主な外国客船チャータークルーズは以下の通り。 〈1989 年〜 1990 年〉  日本旅行「オーシャン・パール」(パール・クルーズ/ 12,456 総トン)計 23 回   大手商社、サッポロビール、西武セゾングループ「クイーン・エリザベス2」(キュナード・ライン/ 67,140 総トン) 計 12 回※ホテルシップとしても提供 〈2006 年〉  PTS「クリッパー・オデッセイ」(クリッパー・クルーズ・ライン/ 5,218 総トン)計2回 〈2009 年〉  クラブツーリズム「シルバー・ウィスパー」(シルバーシー・クルーズ/ 28,258 総トン) 〈2012 年〉  H.I.S.、OTA(共同チャーター)「ザーンダム」(HAL / 61,396 総トン)計3回  JTB 首都圏「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」(RCI / 69,130 総トン) 〈2013 年〉  クラブツーリズム「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」(RCI / 137,276 総トン)  ミキ・ツーリスト「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」(RCI / 137,,276 総トン)  H.I.S.、クルーズ・プラネット「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン)計 9 回 〈2014 年〉  H.I.S.、クルーズ・プラネット「フォーレンダム」(HAL / 61,214 総トン)計 2 回  阪急交通社「サン・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 77,441 総トン)  阪急交通社「サファイア・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン)  H.I.S.、クルーズ・プラネット「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン)計 4 回  阪急交通社「セレブリティ・ミレニアム」(セレブリティクルーズ/ 90,963 総トン)  クラブツーリズム「ダイヤモンド・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン) 〈2015 年〉  クラブツーリズム「ダイヤモンド・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン)  JTB 九州「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン)  JTB 旅物語「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」(RCI / 137,276 総トン)  H.I.S.、クルーズ・プラネット「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン)計 2 回  阪急交通社「ロストラル」(ポナン/ 10,700 総トン)  阪急交通社「セレブリティ・ミレニアム」(セレブリティクルーズ/ 90,963 総トン)  クルーズ・プラネット、H.I.S.「ダイヤモンド・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン)  ひろでん中国新聞旅行「セレブリティ・ミレニアム」(セレブリティクルーズ/ 90,963 総トン)

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〈2016 年〉  H.I.S.、クルーズ・プラネット「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン)計 3 回  JTB 旅物語「マリナー・オブ・ザ・シーズ」(RCI / 138,279 総トン)  阪急交通社「ダイヤモンド・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン)  JTB 九州「コスタ・ビクトリア」(コスタ・クルーズ/ 75,166 総トン) 〈2017 年〉  クラブツーリズム「ダイヤモンド・プリンセス」(プリンセス・クルーズ/ 115,875 総トン)

ホームポート型クルーズの登場

外国船社が日本にホームポート(拠点港)を置き、日本発着クルーズを展開するケースは、旅行会社のチャーターと ともに最近のトレンドとなっている。 そのひな形は、マレーシアのスタークルーズが 1997 年〜 98 年に「スーパースター・カプリコーン」(28,388 総トン) で実施した那覇発着の台湾クルーズ、続いて2000年〜2001年に「スーパースター・トーラス」(25,611総トン)と「スーパー スター・エーリス」(37,301 総トン)を投入し、神戸港と博多港を拠点として展開した韓国クルーズに見ることができる。 台湾、韓国の利用客が基隆、釜山で乗下船できたということでは、これは日本を拠点にしたインターポート型クルーズの “原型”だろう。いずれのクルーズも事業採算の悪化で、短期間での撤退を余儀なくされたが、低迷が続く日本のクルー ズ・マーケットを下支えした。 2010 年、日本での集客を目的にしたホームポート型の日本発着クルーズを再開したのは、米国の RCI だった。横浜 港を起点に「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」を投入、2 回のクルーズを実施した。2011 年にも同船による横浜発着クルー ズを 3 回行う予定だったが、同年 3 月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故の影響でキャンセルとなった。 しかし、外国客船によるホームポート型の日本発着クルーズの流れは、その後も加速した。それを決定づけたのが、 プリンセス・クルーズによる「サン・プリンセス」、「ダイヤモンド・プリンセス」の長期間にわたる配船である。同社は 2013 年に「サン・プリンセス」の横浜発着による本格的な日本周遊クルーズを実施、2014 年にはさらに「ダイヤモンド・ プリンセス」を追加投入するなど、日本発着の足場を築いた。

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外国クルーズ船による定期的日本寄港クルーズの歩み

先鞭をつけたスタークルーズ

 ゲンティン・グループ(本社:マレーシア)のスタークルーズは1997年、「スーパースター・カプリコーン」(28,000総トン)による 基隆(台湾)/那覇クルーズを開始。以後、基隆/石垣/那覇を結ぶ航路を軸に現在まで継続している。2011年からは 「スーパースター・アクエリアス」(51,309総トン)を投入、毎年、春から秋にかけて台湾・沖縄航路に就航している。  スタークルーズは2000年3月に「スーパースター・トーラス」(25,000総トン)、同10月には「スーパースター・エーリス」 (37,012総トン)を神戸発着、博多発着の韓国周遊クルーズに配船したが、エーリスは2001年1月に、トーラスは2001年10 月に撤退した。同事業は短命に終わったが、外国船社による初の定常的な日本発着クルーズとして特筆される。

中国発着クルーズのパイオニア、コスタ・クルーズ

 欧米船社の中でいち早く中国マーケットに本格参入したのはコスタ・クルーズだった。2008年に「コスタ・アレグラ」 (28,430総トン)を配船し、中国発着のアジア・クルーズを展開。日本にも頻繁に来航するようになった。翌年には「コス タ・クラシカ」(52,926総トン)を追加、2隻体制による運航を始めた。2010年、同社はアレグラに代えて「コスタ・ロマンチカ」 (53,049総トン)を投入、さらにキャパシティーを拡大した。  2015年は「コスタ・ビクトリア」(75,166総トン)、「コスタ・アトランチカ」(85,619総トン)、「コスタ・セレーナ」(114,147総トン)の 3隻が中国発着に就航。2016年10月には「コスタ・フォーチュナ」(102,587総トン)、2017年4月には「コスタ・ネオロマンチカ」 (56,769総トン)を追加投入し、5隻体制となる予定。

RCI、2016年には5隻でアジア展開

 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)は2008年、シンガポールを拠点とする定点クルーズに「ラプソディ・オブ・ザ・ シーズ」を配船、アジア進出を果たした。日本への寄港もこの頃から増え始める。翌年、ラプソディに代えて「レジェンド・オブ・ ザ・シーズ」(69,130総トン)を投入、香港、上海を発着地に加えて通年型のアジア・クルーズを開始した。2012年には「ボイジ ャー・オブ・ザ・シーズ」(137,276総トン)を追加し、2隻による中国発着クルーズを展開。  2015年は、ボイジャーをはじめ「マリナー・オブ・ザ・シーズ」(138,279総トン)、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」、新造船の「クァ ンタム・オブ・ザ・シーズ」(168,666総トン)の4隻が、上海、天津、香港などをホームポートするアジア・クルーズに就航しており、 日本への寄港も増加している。2016年には「クァンタム・クラス」の新造船「オベーション・オブ・ザ・シーズ」(167,800総トン)を 中国マーケットに投入、5隻体制とした。RCIは欧米船社の中で、中国マーケットの開拓に最も投資している船社の一つで ある。

中国に新興クルーズ船社、

日本寄港が急増

 2012年2月~2013年1月まで、韓国のハーモニー・クルーズが「クラブ・ハーモニー」(25,558総トン、旧「コスタ・マリーナ」) による韓国発着の日本寄港クルーズを展開したが、営業不振で撤退。同じ頃、香港に本拠を置くキャピタル・ドラゴン・グロー バル・ホールディング(オセアニック・グループ)が運航する「オリエンタル・ドラゴン」(18,455総トン、旧「サン・バイキング」)が、 基隆/沖縄クルーズを実施したが、現在は香港起点のクルーズに従事、2013年以降、日本に来航していない。

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(47,678総トン、旧「ジュビリー」)を運航。北京凱撤国際旅行社(カイサー)がチャーターし、長崎港、博多港など九州を中 心に数多く寄港していたが、現在は運航を停止している。  旅行商品の中国ネット販売最大手、上海携程国際旅行社(Ctrip)は2014年7月、「セレブリティ・センチュリー」(72,458総 トン)を購入。ロイヤル・カリビアン・クルーズ・リミテッド(RCCL)との合弁で、スカイシー・クルーズを設立し、2015年から「スカイ シー・ゴールデン・エラ」(71,545総トン)として、主に中国の旅行会社向けにチャーター・ビジネスを展開。同5月、博多港に初 入港したのを皮切りに、日本寄港が相次いでいる。  香港に本社を置く中国資本のクルーズ会社である渤海クルーズは2014年8月、「チャイニーズ・タイシャン」(24,427総トン、 旧「オリンピア・ボイジャー」)で上海発着のクルーズ事業へ参入、同年11月に日本へ初寄港した。2015年以降も九州エリア の港へ頻繁に入港している。2015年には中国資本のダイヤモンド・クルーズが設立された。2016年7月に「グローリー・シー」 (24,782総トン、旧「セレスティアル・オデッセイ」)が下関に初寄港。上海発着で下関、済州島などに寄港するクルーズを複 数回実施する予定。

加速する外国船社の中国進出

 2008年のコスタ・クルーズの中国配船を皮切りに、中国の巨大なマーケットを目指してRCIやプリンセス・クルーズなど大手 外国船社が次々に客船を中国に配船してきた。さらに2017年にはノルウェージャンクルーズラインやアイーダ・クルーズ、カー ニバル・クルーズといった、これまでアジアに配船していなかった新規船社も中国配船を表明しており、各社の中国進出が 止まらない。新規参入の客船はいずれも10万総トン超の最新メガシップで、中国人乗客向けのレストランや免税店を充実 させるなど、船内設備が中国仕様となっているのが特徴。

外国船による日本発着クルーズの登場

 欧米船社のアジア進出に伴い日本マーケットを狙った中大型外国船による日本発着クルーズが2010年頃から始まるとと もに、2012年以降、大手旅行会社による外国船のチャーター・クルーズが活発化し現在に至っており、新たな顧客開拓に 期待が集まっている。2010年のRCIによる「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」(69,130総トン)の2航海を皮切りに、同年にはコスタ・ クルーズが「コスタ・ロマンチカ」(53,049総トン)、「コスタ・クラシカ」(52,926総トン)で日本発着を催行し、2011年、2013年に 続けている。  プリンセス・クルーズは2013年に「サン・プリンセス」(77,441総トン)1隻で横浜発着による日本周遊クルーズを9航海、2014 年はさらに「ダイヤモンド・プリンセス」(115,875総トン)を追加投入し、2隻体制で日本発着を展開。「サン・プリンセス」で21 航海、「ダイヤモンド・プリンセス」で19航海、合計40航海のクルーズを実施した。2015年には「ダイヤモンド・プリンセス」で14 航海、2016年には同船で21航海を実施。2017年には過去最長の7カ月間にわたりチャーターを含む24航海を実施すると 発表している。

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欧米クルーズ船社による主な日本発着クルーズの展開

2010年 5月  ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(R C I)、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」(69,130総 トン)で2航海 2010年 7月 コスタ・クルーズ、「コスタ・ロマンチカ」(53,049総トン)で9航海 2010年 9月 コスタ・クルーズ、「コスタ・クラシカ」(52,926総トン)で2航海 2011年 4月  R C I 、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ 」で集 客( 3 航 海 )したが 、東日本 大 震 災 、福 島 第 一 原発事故の発生により実施1カ月前にキャンセル 2011年 6月 コスタ・クルーズ、「コスタ・クラシカ」で20航海 2012年 5月 RCI、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」で4航海 2012年 6月 コスタ・クルーズ、「コスタ・ビクトリア」(75,166総トン)で13航海 2012年 7月 ハーモニー・クルーズ、「クラブ・ハーモニー」(25,558総トン)で2航海 2012年 9月 RCI、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」で1航海 2013年 4月〜7月 プリンセス・クルーズ、「サン・プリンセス」(77,441総トン)で横浜港を拠点に9航海 2013年 4月 ホーランド・アメリカ・ライン、「フォーレンダム」(61,214総トン)で神戸発着1航海 2013年 5月  R C I、「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ 」(137,276総トン)で初の東京発着、東京発横浜着を 2航海 2013年10月 ポナン、「ル・ソレアル」(10,700総トン)で小樽発大阪着1航海 2014年 4月〜9月  プリンセス・クルーズ、「ダイヤモンド・プリンセス」(115,875総トン)で横浜港を拠点に19航海 (10月まで)、「サン・プリンセス」で神戸港、小樽港を拠点に21航海 2014年 4月 RCI、「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」でゴールデンウィークに東京発着、神戸発着など3航海 2015年 4月 RCI、「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」で2航海 2015年 4〜5月 ポナン、「ロストラル」(10,700総トン)で大阪発京都舞鶴着など6航海 2015年 5月〜9月 プリンセス・クルーズ、「ダイヤモンド・プリンセス」で14航海 2015年 5月 ポナン、「ロストラル」(10,700総トン)で大阪発京都舞鶴着など3航海 2016年 4月〜10月 プリンセス・クルーズ、「ダイヤモンド・プリンセス」で21航海 2016年 4月 ポナン、「ル・ソレアル」(10,700総トン)で大阪発京都舞鶴着など4航海 2016年 7月〜9月  コスタ・クルーズ 、「コスタ・ビクトリア 」で博 多・京 都 舞 鶴・金 沢 発 着 の日本 海 周 遊 クルーズ10航海 2016年10月 ポナン、「ロストラル」で金沢発大阪着1航海予定 2017年 4月〜5月 ポナン、「ロストラル」で京都舞鶴発大阪着など5航海予定 2017年 4月〜10月  コスタ・クルーズ、「コスタ・ネオロマンチカ」(56,769総トン)で博多・舞鶴・金沢発着などの日本 海周遊クルーズ32航海実施予定 2017年 4月〜11月 プリンセス・クルーズ、「ダイヤモンド・プリンセス」で横浜発着など24航海実施予定

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【日本発着・寄港クルーズを巡る外国客船の戦略】 外国客船による日本発着クルーズの特徴は、サービスを日本人向けにカスタマイズしていること。日本語スタッフを数多く 配乗して日本語でのサービスを提供しているほか、「ダイヤモンド・プリンセス」では大浴場や寿司レストランを新たに設置する など、日本人マーケットの開拓を強く意識したプロダクトを提供している。 一方、各船会社が注力するのが中国人を対象にした中国発着の日本寄港クルーズだ。2013 年は尖閣諸島問題で激減 したが、その後復活。2014 年、2015 年は寄港数が急増している。RCI が新造船「クアンタム・オブ・ザ・シーズ」(168,666 総トン)、「オベーション・オブ・ザ・シーズ」(167,800 総トン)を中国に配したのはその象徴とも言えよう。日本でもこの動 きへの対策が進められており、例えば C.I.Q. 面では 2015 年 1 月 1 日より「船舶観光上陸許可制度」を設け、指定客船 の乗客は査証(ビザ)不要で入国できるようになった。これら中国発着の日本寄港クルーズでは、ほとんどの乗客が寄港地 ツアーに参加する。そのため、特に地方港では通訳案内士の確保、バスや駐車場の確保、大人数受け入れ可能な施設 の拡充が求められている。 日本寄港クルーズの拡大に合わせて、客室の稼働率を上げる方策の一つとしてインターポート型(一つのクルーズで複数 の寄港地で乗客を乗下船させ、一部を入れ替えるパターン。複数の国籍の乗客が同じクルーズに乗り合わせる)のクルー ズについても、外国船社はその可能性を探っている。コスタ・クルーズではいち早くこれを採用し、2016 年 7 月から実施す る「コスタ・ビクトリア」(75,166 総トン)による日本海周遊クルーズで、博多・京都舞鶴・金沢・釜山での乗下船を可 能にした。

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世界のクルーズ市場

中国・オセアニア等のマーケットが押し上げ

CLIA(Cruise Lines International Association)の統計によると、2015 年の世界のクルーズ人口は 2,320 万人 となり、前年比 5.3% 増となった。 マーケットがもっとも急激に拡大したのが中国で、2015 年のクルーズ人口は前年比 41.5% 増の 98.6 万人となった。 オセアニアも前年比 21.9% 増の 112.5 万人となり中国・オセアニア地域のマーケットの拡大が特筆される結果となった。 これに続く成長を見せたのがブラジルで、前年比 28.0% 増の 61.8 万人となった。同国は 2014 年に前年比 33.3% 減と なる等クルーズ人口は安定していないが、2015 年の特徴としては、従来、クルーズ先進国であった北米、欧州以外の これら国・地域の大幅な増加が、全体のクルーズ人口を押し上げる結果となった。 一方、かつて全体の 8 〜 9 割のシェアを占めていた北米(アメリカ・カナダ・プエルトリコ)は前年比 0.3%減の 1,200.4 万人で、シェアも、前年の 54.6% から 51.7% に減少した。特に、米国のクルーズ人口は、いわゆるリーマン・ショッ クとそれに続く世界金融不安が発生した 2008 年以来の前年比減となったのが特筆される。 欧州は、英国が 178.9 万人となり前年比 8.8% 増と高い増加を示したが、ドイツも2.4% 増の 181.3 万人となり、2 年連続で同地域でのトップを維持した。その他、イタリアが前年比 3.8% 減の 81 万人、スペインが前年比 2.6% 増の 46.6 万人、フランスが前年比 3.7% 増の 61.5 万人等となった。 また、クルーズ・エリアで見ると、カリブ海が 34.7%と依然として高いシェアを保ち、次いで地中海の 19.4%、欧州 11.3%、アジア 7.3%、オセアニア・太平洋 5.4%、アラスカ 4.3%、南米 2.8% 等となっている。 2016 年 6 月には史上最大級のメガシップである「ハーモニー・オブザ・シーズ」(227,000 総トン、乗客定員 5,497 人)が就航したほか、既発表の外航の新造客船は大型の客船を中心に 2016 年に 10 隻が就航する予定となっており、 CLIA によると、同年は前年比 4.3%増の 2,420 万人に達すると推定している。

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世界のクルーズ人口の推移 (単位:千人) 国名等 1990年 2000年 2005年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 アメリカ (含むプエルトリコ) 3,500 6,900 9,185 10,090 10,448 11,696 11,016 11,327 11,280 カナダ 150 300 486 691 763 734 714 724 英国 180 800 1,071 1,622 1,700 1,701 1,726 1,644 1,789 ドイツ 190 283 639 1,219 1,388 1,544 1,687 1,771 1,813 イタリア 250 514 889 923 835 869 842 810 スペイン 379 645 703 576 475 454 466 フランス 75 223 233 387 441 481 522 593 615 その他欧州 180 250 291 690 913 999 1,078 1,093 1,094 ブラジル 724 483 618 オセアニア 187 438 588 655 784 923 1,125 アジア (除く日本、中国) 470 630 576 593 中国 217 467 697 986 日本 175 216 156 188 187 217 238 231 221 合計 4,450 10,022 13,741 19,200 20,400 20,900 21,300 22,040 23,200 ※ 「合計」はCLIA発表。欧米豪・日本の各国・エリアの数字は、各国・エリアに開設されたCLIAおよび日本の国土交通省が発表したも の。これらの集計結果と「合計」に差異があるため、世界のクルーズ人口の「合計」は別枠で表示している。 ※ 2015年のアジア(除く、日本、中国)の数字は、CLIAの分析を参考に、JOPAが推定した。

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世界の新造クルーズ船就航及び予定 就航予定年月 運航会社 船名 総トン数 乗客定員 乗員数 造船所 2016年 3月 AIDAクルーズ アイーダ・プリマ 124,100 3,286 - 三菱重工業 2016年 4月 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル オベイション・オブ・ザ・シーズ 167,800 4,180 1,500 MEYER-W/G 2016年 4月 カーニバル・クルーズ・ライン カーニバル・ビスタ 133,500 3,934 1,450 FINCA/I 2016年 4月 ホーランド・アメリカ・ライン コーニングスダム 86,273 2,104 1,025 FINCA/I 2016年 5月 バイキング・クルーズ バイキング・シー 47,800 928 - FINCA/I 2016年 6月 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル ハーモニー・オブ・ザ・シーズ 227,000 5,497 2,300 STXE/FR 2016年 9月 リージェント・セブンシーズ・クルーズ セブンシーズ・エクスプローラー 56,000 750 542 FINCA/I 2016年 9月 シーボーン・クルーズ シーボーン・アンコール 40,350 600 - MARIO/I 2016年 10月 ドリーム・クルーズ ゲンティン・ドリーム 151,300 3,400 2,000 MEYER-W/G 2016年 冬 TUIクルーズ マイン・シフ5 99,300 2,500 - MEYER-T/F 2017年 2月 バイキング・クルーズ バイキング・スカイ 47,800 928 - FINCA/I 2017年 5月 MSCクルーズ MSCメラビリア 167,600 4,500 - STXE/FR 2017年 春 ノルウェージャンクルーズライン ノルウェージャン・ジョイ 163,000 4,200 - MEYER-W/G 2017年 春 シルバーシー・クルーズ シルバー・ミューズ 40,700 596 - FINCA/I 2017年 10月 スタークルーズ ワールド・ドリーム 151,000 3,364 - MEYER-W/G 2017年 12月 MSCクルーズ MSCシーサイド 154,000 4,140 - FINCA/I 2017年 12月 バイキング・クルーズ バイキング・サン 47,800 928 - FINCA/I 2017年 冬 プリンセス・クルーズ マジェスティック・プリンセス 143,000 4,140 - FINCA/I 2017年 冬 TUIクルーズ マイン・シフ6 93,300 2,500 - MEYER-T/F 2017年 冬 スター・クリッパーズ フライング・クリッパー 8,770 300 - BRDS/C 2018年 6月 MSCクルーズ MSCシービュー 154,000 5,300 1,413 FINCA/I 2018年 春 カーニバル・クルーズ・ライン 未定 133,500 3,954 - FINCA/I 2018年 春 ノルウェージャンクルーズライン 未定 164,600 4,200 - MEYER-W/G 2018年 夏 バイキング・クルーズ 未定 47,800 928 - FINCA/I 2018年 夏 フッティルーテン 未定 20,000 600 - KLVN/N 2018年 8月 クリスタル・クルーズ クリスタル・エンデバー 25,000 200 -2018年 9月 セレブリティクルーズ 未定 117,000 2,900 - STXE/FR 2018年 9月 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 未定(オアシス・クラス4隻目) 227,000 5,400 - STXE/FR 2018年 9月 シーボーン・クルーズ シーボーン・オベイション 40,350 450 - MARIO/I 2018年 11月 ホーランド・アメリカ・ライン ニュースタテンダム 99,500 2,650 - FINCA/I 2018年 冬 TUIクルーズ マイン・シフ7 - 2,500 - MEYER-T/F 2018年 - ポナン 未定 - 184 - VARD/N 2018年 - ポナン 未定 - 184 - VARD/N 2019年 春 MSCクルーズ 未定(メラビリア・クラス2隻目) 167,000 4,500 - STXE/FR 2019年 夏 フッティルーテン 未定 20,000 600 - KLVN/N 2019年 夏 サガ・クルーズ 未定 55,900 1,000 - MEYER-W/G 2019年 秋 クリスタル・クルーズ 未定(エクスクルーシブ・クラス) 117,000 1,000 - LLOYD-W/G 2019年 秋 ノルウェージャンクルーズライン 未定 164,600 4,200 - MEYER-W/G 2019年 10月 MSCクルーズ 未定(メラビリア・プラス・クラス1隻目) 177,100 4,888 - STXE/FR 2019年 - ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 未定(クアンタム・クラス4隻目) 167,000 - - MEYER-W/G 2019年 - コスタ・クルーズ 未定 135,500 4,200 - FINCA/I (2016年7月現在)

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2019年 - プリンセス・クルーズ 未定(ロイヤル・クラス4隻目) 143,700 3,560 - FINCA/I 2019年 - スター・クルーズ 未定(グローバル・クラス1隻目) 201,000 5,000 - LLOYD-W/G 2019年 - コスタ・クルーズ 未定(LNG燃料船) 180,000 - - MEYER-T/F 2019年 - AIDAクルーズ 未定(LNG燃料船) 180,000 - - MEYER-W/G 2019年 - P&Oオーストラリア 未定 135,500 - - FINCA/I 2019年 - ポナン 未定 - 184 - VARD/N 2019年 - ポナン 未定 - 184 - VARD/N 2020年 9月 MSCクルーズ 未定(メラビリア・プラス・クラス2隻目) 177,100 4,888 - STXE/FR 2020年 秋 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 未定(クアンタム・クラス5隻目) - - - MEYER-W/G 2020年 - コスタ・クルーズ 未定 135,500 4,200 - FINCA/I 2020年 - プリンセス・クルーズ 未定(ロイヤル・クラス5隻目) 143,700 3,560 - FINCA/I 2020年 - スター・クルーズ 未定(グローバル・クラス2隻目) 201,000 5,000 - LLOYD-W/G 2020年 - ヴァージン・クルーズ 未定 110,000 - - FINCA/I 2020年 - セレブリティクルーズ 未定(プロジェクト・エッジ2隻目) 117,000 2,900 - STXE/FR 2020年 - コスタ・クルーズ 未定(LNG燃料船) 180,000 - - MEYER-T/F 2020年 - AIDAクルーズ 未定(LNG燃料船) 180,000 - - MEYER-W/G 2021年 - ディズニー・クルーズライン 未定 135,000 2,500 - MEYER-W/G 2021年 - MSCクルーズ 未定(シーサイド・クラス3隻目) 154,000 5,300 - FINCA/I 2021年 - ヴァージン・クルーズ 未定(2隻目) 110,000 - - FINCA/I 2022年 - MSCクルーズ 未定(LNG燃料船) 200,000 5,400 - STXE/FR 2022年 - ヴァージン・クルーズ 未定(3隻目) 110,000 - - FINCA/I 2023年 - ディズニー・クルーズライン 未定 135,000 2,500 - MEYER-W/G 2024年 - MSCクルーズ 未定(LNG燃料船) 200,000 5,400 - STXE/FR 2025年 - MSCクルーズ 未定(LNG燃料船) 200,000 5,400 - STXE/FR 2026年 - MSCクルーズ 未定(LNG燃料船) 200,000 5,400 - STXE/FR

(注) ①CLIA、ECCのリポート及びDOUGLAS WARD「Cruising & Cruise Ships」など参考

② 各船の総トン数、船籍、旅客定員(1部屋2名)は、DOUGLAS WARD「Cruising & Cruise Ships」など引用 ③造船所略称説明

 F I N C A / I : FINCANTIER(Italy)

 MEYER-W/G : MEYER WERFT(Germany)  MEYER-T/F : MEYER TURK(Finland)  STXE/FR : STX Europe(France)  LLOYD-W/G : LLOYD WERFT(Germany)  MARIO/ I : MARIOTTI(Italy)  VARD/ N : VARD(Norway)  KLVN/ N : KELVEN WERFT(Norway)  BRDS/C : BRODOSPLIT(Croatia)  三菱重工長崎 : 三菱重工業長崎(日本)  厦門船舶重工 : 厦門船舶重工業(中国) 就航予定年月 運航会社 船名 総トン数 乗客定員 乗員数 造船所

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日本のクルーズ市場

国土交通省のまとめによると、2015 年の日本人のクルーズ旅行利用者数は 22 万 800 人となり、外国

船社の配船数の減少にともなう日本発着クルーズ数の減少、日本船社の海外ロングクルーズ数の増加及

び欧米向けフライ&クルーズの利用者数が比較的伸びなかったこと等により前年より減少(4.5%減)し

たものの、4 年連続の 20 万人台を維持した。

人・泊ベースでは、日本船社運航による外航クルーズは 21 万 3,800 人・泊(前年比 25.8%増)と大

幅に増加したものの外国船社運航船による人泊数が減少したため 122 万 8,900 人・泊となりほぼ前年

並み、内航クルーズは前年比 12.2% 減の 23 万 5,800 人・泊、合計 146 万 4,700 人・泊となり、過去

最高を記録した前年に比べると2.4%減であったが引き続き高い水準を維持した。

エリア別ではアジアが昨年に続いて 49.2%とほぼシェアの半分を占め、次いで地中海(エーゲ海・黒海)

13.8%、北欧・バルト海 12.1%となり、この 3 エリアで全体の 75.1% を占めた。

また、日本発着の外航旅客定期航路の利用者数は、利用者の大半を占めている韓国人利用者の増

加などで 117 万 9,300 人(前年比 15.4% 増)と3 年振りに増加に転じたが、日本人乗客数は、日韓関

係や円安ウォン高等から減少傾向が続いている日韓航路乗客数の減少により14 万 900 人(同 18.6%減)

となり、3年連続での減少となった。

外航クルーズの動向

クルーズ数は減少したものの、3年連続して13万人台を維持

【概況】

2015 年の外航クルーズの乗客数は、13 万 3,700 人(前年比 3.0% 減)と減少したものの 3 年連続

して 13 万人台を維持した。このうち日本船社による外航クルーズ船利用者数は、世界一周クルーズの

増加等クルーズの長期化によるクルーズ数の減少により、前年比 1,000 人減の 1 万人(同 9.1%減)となっ

た。これをエリア別乗客数およびシェア別にみると、アジア(極東ロシアを含む)が 7,700 人(77.0%)、

オセアニア・ミクロネシアが 1,000 人(10.0%)、世界一周が 900 人(9.0%)となっている。

2015 年のクルーズ人口

4年連続で 20 万人台を維持

日本船による外航クルーズの人・泊数が大幅に増加

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一方、外国船社運航の外航クルーズ利用者数は、欧米系の外国クルーズ会社の日本発着自主クルー

ズの本格的な実施や旅行会社による大型船のチャータークルーズが実施されたものの、為替レートが円

安となったことや、米国船社の自主クルーズの配船体制が 2 隻から 1 隻に減少したことによりクルーズ数

が減少したこと等から、前年比 3,100 人減の 12 万 3,700 人(前年比 2.4%減)だった。エリア別では、

外国船が日本発着クルーズを実施する際のカボタージュ対策として、釜山などの近隣アジア諸国の港に

ワンタッチするケースがあることから、アジアが 5 万 8,100 人(シェア 47.0%)、次いで地中海(エーゲ海・

黒海)の 1 万 8,500 人(同 15.0%)、北欧・バルト海 1 万 6,200 人(同 13.1%)などとなった。

【目的別シェア】

目的別シェアを見ると、レジャーが 99.9% 交流が 0.1% で、企業が販売促進のため販売店、従業員

などを対象に行う招待・報償または格安旅行などのインセンティブ、団体旅行は実績がなかった。

【泊数】

クルーズの長さを示す平均泊数は 9.2 泊で、前年の 8.9 泊から 0.3 泊増加した。泊数別でみると、最

も多かったのは 5 〜 7 泊が 44.7%、次いで 8 〜 13 泊で 24.5%、1 泊 10.8%などとなった。その結果、

外航クルーズ全体の人・泊数(各クルーズの乗客数と泊数の積)は、前年の 123 万 1,700 人・泊か

ら 122 万 8,900 人・泊と前年比 0.2%減となったが、内訳をみると日本船社運航船による人泊数は 21 万

3,800 人・泊(前年比 25.8%増)、外国船社による人泊数は 101 万 5,100 人・泊(同 4.4%減)となった。

【クルーズエリア】

エリア別の乗客数のシェアをみると、極東ロシアを含むアジアが 6 万 5,800 人(49.2%)とほぼ半数を

占め、次いで地中海(エーゲ海・黒海)が 1 万 8,500 人(13.8%)、北欧・バルト海が 1 万 6,200 人(12.1%)、

カリブ海が 6,300 人(4.7%)、その他欧州が 5,700 人(4.3%)、世界一周が 4,000 人(3.0%)、オセア

ニア・ミクロネシアが 3,800 人(2.8%)、アラスカが 2,500 人(1.9%)、リバークルーズが 2,400 人(1.8%)

などとなっている。

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国内クルーズの動向

前年比6,400人の減少、1〜4泊の利用が全体の86%

【概況】 2015 年の国内クルーズの乗客数は、前述のとおり日本船社の海外ロングクルーズ数の増加に伴うクルーズ数の減少 などから前年比 6,400 人減の 8 万 7,100 人(前年比 6.8%減)となった。泊数別の内訳は、最も多かったのが 2 万 8,000 人の 2 泊(シェア 32.1%)、次いで 2 万 3,400 人の 1 泊(同 26.9%)、2 万 3,200 人の 3 〜 4 泊(同 26.6%)、 9,300 人の 5 〜 7 泊(同 10.7%)、2,200 人の 8 〜 10 泊(同 2.5%)などとなっており、1 〜 4 泊の利用者で全体の 85.6% を占めた。前年と比べ、1 泊および 2 泊のシェアが前年並みであったものの 5 泊〜 7 泊および 8 泊から 10 泊の シェアが減少したため、平均泊数は 2.7 泊で、昨年の 2.9 泊から短くなった。 【目的別シェア】 目的別では、レジャーが 92.9%と前年の 95.9% から微減した一方、団体旅行が 1.6%から 4.4%、交流が 0.2%から 0.8%にそれぞれ増加した。インセンティブは 2.2% から 1.0% に減少した。

外航旅客定期航路の動向

乗客数が、韓国人利用者の増加により

3年ぶりに増加に転じるも、日本人利用者数は引き続き減少

日本と韓国・中国・ロシアを結ぶ国際定期航路の利用者数は、就航隻数が最も多い日韓航路における韓国人利用 者数が大幅に増加したことから、117 万 9,300 人(前年比 15.4%増)となり、3 年振りに増加したが、日本人乗客数は、 前年比 18.6% 減の 14 万 1,000 人となり、3 年連続で大幅に減少した。 航路別の日本人乗客数では、韓国航路が前年の 16 万 8,000 人から 13 万 5,400 人(同 19.4% 減)、中国航路 が 3,500 人から 3,100 人(同 11.4% 減)とそれぞれ減少した。一方、ロシア航路は 1,500 人から 2,400 人と前年比 60.0%の増加となった。

寄港回数の動向

1,454回と過去最高を記録し、4年連続で1,000回を超える

博多港は前年より倍増し初の第1位になったほか、九州・沖縄の港が上位を占める

【概況】 2015 年の日本の港湾へのクルーズ客船寄港回数は 1,454 回で、前年に比べ 250 回増加し、過去最多の寄港回 数を記録。2012 年から 4 年連続で 1,000 回の大台を超えた。港湾別に見ると、博多港が 259 回(前年 115 回)で

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前年より倍増し、初めて第 1 位となったほか、長崎港が 131 回(同 75 回)で第 2 位、那覇港が 115 回(同 80 回) で第 4 位、石垣港が 84 回(同 73 回)で第 6 位、鹿児島港が 53 回(同 33 回)で第 7 位、佐世保港が 36 回で 第 8 位、上位 10 港のうち九州・沖縄地区の港が上位を占める結果となった。横浜港は第 3 位で 125 回(同 146 回)、 神戸港は第 5 位で 97 回(同 100 回)などとなった。 日本船社運航のクルーズ客船の寄港回数は 489 回で前年から 62 回減となった。港湾別では、横浜港が 88 回(同 98 回)、神戸港が 55 回(同 68 回)で、11 年連続でそれぞれ第 1 位、第 2 位となった。以下、第 3 位が 30 回の 名古屋港(同 27 回)、第 4 位が 15 回の東京港(同 13 回)、第 5 位が 14 回の博多港(同 16 回)などとなった。 一方、外国客船の寄港回数は、前年比 312 回増の 965 回で 47.8% 増加し、過去最高を記録した。港湾別では、 博多港が 245 回(同 99 回)で 2 年連続第 1 位となったほか、第 2 位が長崎港の 128 回(同 70 回)、第 3 位が那 覇港の 105 回(同 68 回)などとなった。これは、外国船社による中国発着の日本寄港クルーズ数が増加したことによ るものであり、その結果、九州・沖縄地域の寄港回数が大幅に増加した。

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◇シニア  ロング・クルーズのメインターゲットは自由裁量時間にめぐまれ、経済的にも余裕があるシニア層が中心。これまで の各社の世界一周クルーズの多くは 60 歳以上のシニア層に支えられてきた。また、わが国の高齢化社会を反映し、 これからもシニア層の伸びが注目されている。すでに団塊の世代は還暦を迎えた。団塊の世代は、海外旅行をはじ めとする大型レジャー消費、新しいレジャーの形態形成のリーダー役を務めてきた存在。単にトキ持ち、カネ持ちとい うだけでなく、好奇心や経験も豊富であることから、今後のレジャー消費の旗頭としても注目されている。 ◇ファミリー  近年、欧米船社は乗客 1 人当たりのコストを削減するために、船の大型化を進めてきた。その結果、クルーズの 大衆化はさらに加速し、消費者は手頃な料金で乗船できるようになったが、一方で乗客のニーズは多様化した。そ こで、さまざまな客層のニーズに応えるために登場したのが、ファミリー向けの客室、子供専用のパブリックエリア、 エンターテインメント、そして家族向け料金の設定などである。欧米船社、特にカジュアル・クラスの各社は二世代、 三世代のファミリー層獲得のために、独自のハード、ソフトを取り入れ、集客にしのぎを削っている。  日本船も家族が参加しやすい子供料金を設定したり、週末や連休を利用したショート・クルーズを造成したりして、ファ ミリー層の取り込みを図っている。 ◇ヤング・グループ  客船が海に浮かぶアミューズメント・パーク、あるいは巨大リゾートといわれるようになって久しいが、これも船社が 乗客のニーズの多様化に対応した結果である。若者たちが楽しめるエンターテインメント、食事、アクティビティー、 イベントを揃えれば、それだけ集客面で他社に対して優位に立てる。  美味しいものをたくさん食べて飲むだけでは、若者は満足しない。フィットネスのマシーンやバスケットボールで汗を かいたり、ときにはロッククライミング・ウォール、ジップラインでスリルも味わってみたい。夜は夜で、お気に入りの音 楽が聞けるバーやディスコで、時間が過ぎるのを忘れてひたすら遊び、人との出会いに胸を躍らす。そんなニーズ に応えられる空間が、欧米のカジュアル船には用意されている。 ◇ミセス・グループ  日常、家事に追われている主婦や子供の養育を終えた婦人たちにとって、クルーズは最高の息抜き、リフレッシュ の機会となるだろう。古い友人たちとの会話は、ダイニング、あるいはラウンジのテーブルを囲んで、大いに盛り上が ることだろう。上げ膳据え膳の食事は、至福のときに違いない。ちょっと余所行きに装ったナイト・タイムには時計を気 にせず、非日常の世界を堪能できる。また、ダンスや手芸、生け花など、地域のコミュニティや趣味のサークルの「課 外プログラム」としても、クルーズは絶好の素材である。移動しながら、時間と空間を存分に、自由に、快適に使える。 そんな旅を提供できるのは、クルーズ以外に無い。

クルーズの有力市場

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◇ハネムーナー  ゆとりのあるリタイア世代を主力マーケットにしている日本船では、まだそう多くはないが、欧米船社による 1 週間程 度のカジュアル・クルーズは、新婚カップルがターゲットであり、ハネムーナーの参加はごく一般的である。クルーズ代 金や船内のプロダクト自体が、若い年齢層に受け入れられるようになってきている。また、船内で式を挙げられるウェ ディング・プランを用意しているクルーズも少なくない。濃密な二人だけの時間を過ごしたい、そして新たな人生のスター トに相応しい最高の思い出を作りたいカップルにとって、クルーズは格好の機会となるだろう。 ◇インセンティブ  全船チャーターでなくともブロック・チャーターも可能である。船内イベントやプログラムが多彩なので、これを活用 すれば主催者や幹事の疲労も少ない。大型グループでなくても、ミニ・グループや個人を対象とした報償旅行にも最 適である。一般的な航空機利用の旅行との差別感、新鮮さ、興奮度、満足感が高く、インセンティブ効果が大きい。

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主なクルーズ客船の就航数の動向

ダグラス・ワード著「CRUISING & CRUISE SHIPS 2016」によると、主な世界のクルーズ客船(オーシャン・クルー ズ・シップ)は約 350 隻、さらに 2016 年〜 20 年までに 30 隻の新造船が就航するとしている。

一方、リバー・クルーズについては、オーシャン・クルーズ・シップを上回る約 1,000 隻の客船が就航しているとみている。 同氏の「RIVER CRUISING IN EUROPE」では、ボルガ、ドナウ、ライン、セーヌなど欧州の河川に就航している 代表的なリバー・クルーズ客船として、280 隻を紹介している。

大型化とユニークな施設の登場

ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)の「オアシス・クラス」(22 万トン級)に代表される客船の大型化は、スケー ル・メリットによるコスト・ダウン、それに伴う価格競争力のアップを追求した結果である。また、乗客ニーズの多様化に 応じるため、さまざまな施設、機能を客船に加えていったことも、客船の大型化につながっている。 かつて、クルーズ船社はリタイアした富裕層を主なターゲットにしていたが、その後は若いカップルやファミリー層を取 り込むために、ユニークなアイデアを次々と具体化していった。ウォータースライダーに始まり、ロッククライミング・ウォール、 ボーリング場、スケートリンク、サーフィン用プール、屋外シアター、ジップライン(吹き抜けに張られたロープに滑車でぶ ら下がって数十メートルを滑り降りるアクティビティ)、空中サイクリングなど、各社は次々と新機軸を打ち出してきた。 RCI の新造船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(168,666 総トン)にはスカイダイビング・シミュレーターやゴーカート、クレー ン式展望カプセル、さらにロボット・バーテンダーが登場するなど、斬新なアイデアが話題を呼んでいる。 現在、就航する主な超大型客船は以下の通り。

クルーズのタイプと特徴

■世界の超大型客船一覧 船名 運航会社 総トン数 乗客定員 就航年 ハーモニー・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 227,000 5,497 2016 アリュール・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 225,282 5,400 2010 オアシス・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 225,282 5,400 2009 アンセム・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 168,666 4,180 2015 クァンタム・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 168,666 4,180 2014 ノルウェージャン エスケープ ノルウェージャンクルーズライン 165,157 4,248 2015 ノルウェージャン エピック ノルウェージャンクルーズライン 155,873 4,100 2010 フリーダム・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 154,407 3,634 2006 インディペンデンス・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 154,407 3,634 2008 リバティ・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 154,407 3,634 2007 クィーン・メリー 2 キュナード・ライン 148,528 2,592 2004 ノルウェージャン ブレイクアェイ ノルウェージャンクルーズライン 145,655 3,969 2013 ノルウェージャン ゲッタウェイ ノルウェージャンクルーズライン 145,655 3,969 2014 ブリタニア P&Oクルーズ 143,730 3,647 2015 ロイヤル・プリンセス プリンセス・クルーズ 142,714 3,560 2013

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リーガル・プリンセス プリンセス・クルーズ 142,714 3,560 2014 MSCプレチオーサ MSCクルーズ 139,072 3,502 2013 MSC ディヴィーナ MSCクルーズ 139,072 3,502 2012 マリナー・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 138,279 3,114 2003 ナビゲーター・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 138,279 3,114 2002 エクスプローラー・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 138,194 3,114 2000 MSCファンタジア MSCクルーズ 137,936 3,274 2008 船名 運航会社 総トン数 乗客定員 就航年 MSC スプレンディダ MSCクルーズ 137,936 3,274 2009 ボイジャー・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 137,276 3,114 1999 アドベンチャー・オブ・ザ・シーズ ロイヤル・カリビアン・インターナショナル 137,276 3,114 2001 コスタ・ディアデマ コスタ・クルーズ 132,500 3,724 2014 ディズニー・ファンタジー ディズニー・クルーズライン 129,750 2,500 2012 ディズニー・ドリーム ディズニー・クルーズライン 129,690 2,500 2011 カーニバル・ドリーム カーニバル・クルーズ・ライン 128,251 3,646 2009 カーニバル・ブリーズ カーニバル・クルーズ・ライン 128,052 3,690 2012 カーニバル・マジック カーニバル・クルーズ・ライン 128,048 3,690 2011 セレブリティ・リフレクション セレブリティクルーズ 125,366 3,046 2012 アイーダ・プリマ アイーダ・クルーズ 124,100 3,300 2015 セレブリティ・シルエット セレブリティクルーズ 122,210 2,886 2011 セレブリティ・イクリプス セレブリティクルーズ 121,878 2,850 2010 セレブリティ・イクノス セレブリティクルーズ 121,878 2,850 2009 セレブリティ・ソルスティス セレブリティクルーズ 121,878 2,850 2008 ベンチューラ P&Oクルーズ 116,017 3,078 2008 ダイヤモンド・プリンセス プリンセス・クルーズ 115,906 2,706 2004 船名 運航会社 総トン数 乗客定員 就航年

北米市場は4タイプに

欧米では大衆クルーズ市場の開発を目的にメガシップが競うように建造されているが、大型化とサービス内容が正比 例するわけではない。5〜7万総トンのクルーズ客船でもキメ細かなサービスをセールスポイントにしたクルーズが多くなり、 市場の多様化とニーズの個性化に対応している。また、少数の乗客によるプライベート感覚を尊重した 1 万総トンクラ スの小型客船も少なくない。現在、北米のクルーズ市場は主として次の4タイプに分類されている。 (1)カジュアル(スタンダード)クラス  1泊当たり 100 米ドル前後(最低料金)の格安クルーズ。日本円換算で数千円の料金で売り出されるクルーズも 珍しくない。日数は3〜7日間ほどの定点クルーズが主流。乗客定員は 2,000 人を超す7万総トン以上の船が多い。 カリブ海クルーズが代表例で、ハブ港は徐々に全米諸港に拡散している。アジア地域でもカジュアルクラスの大衆ク

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(2)プレミアムクラス  1泊当たり 200 米ドル(最低料金)を超すクルーズ料金で、日数は7日〜2週間前後。シーズンを迎えるアラスカや 地中海などで中期的定点クルーズを行う。乗客定員 500 〜 1,000 人、2万 5,000 〜 10 万総トン前後の船が多い。 (P & O クルーズ、プリンセス・クルーズ、ホーランド・アメリカ・ライン、セレブリティクルーズ、アザマラ・クラブ・クルー ズ、オーシャニア・クルーズ、ドリーム・クルーズ、ウインドスター・クルーズ、スター・クリッパーズ、ポナン、リンドブラッ ド・エクスペディションズなど) (3)ラグジュアリークラス  ワールド・クルーズなどクルーズ日数は2週間〜3ヵ月以上に及び、料金は1泊当たり 350 〜 400 米ドル (最低料金)を超す高級クルーズで5万総トン級以上の船も少なくない。クルーズエリアはベストシーズンを迎える紅葉 のニューイングランド(ニューヨーク〜ケベックシティなど)、パナマ運河、地中海、北欧、世界一周など。乗組員1 人当たりの乗船客数は2人以下、乗船客1人当たり総トン数が 50トン以上になるものが多い。 (キュナード・ライン、クリスタル・クルーズ、リージェント・セブンシーズ・クルーズ、バイキング・クルーズ、ハパグロイド・ クルーズなど) (4)ブティッククラス  小型の豪華船によるクルーズで、料金は1泊当たり 600 米ドル(最低料金)以上にのぼる。1万総トン前後の規 模の船が多く、クルーズ海域は世界全域。極地クルーズや秘境クルーズを実施する探検船もある。乗客定員は 500 人以下が多い。 (シルバーシー・クルーズ、シーボーン・クルーズ、シードリーム・ヨット・クラブなど)

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