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GFS-WRF-SWAN システムによる 3 シーズンの波浪予測とシステムの検証 VERIFICATION OF GFS-WRF-SWAN WAVE PREDICTION SYSTEM BY THREE SEASONS' COMPARISON 間瀬肇 1 勝井伸悟 2 安田誠宏 3 Tracey H

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GFS-WRF-SWAN システムによる3シーズンの

波浪予測とシステムの検証

VERIFICATION OF GFS-WRF-SWAN WAVE PREDICTION SYSTEM

BY THREE SEASONS' COMPARISON

間瀬 肇

1

・勝井伸悟

2

・安田誠宏

3

・Tracey H. Tom

4

・小川和幸

5

Hajime MASE, Shingo KATSUI, Tomohiro YASUDA, Tracey H. TOM, Kazuhiro OGAWA 1 正会員 工博 京都大学助教授 防災研究所 (〒 611-0011 宇治市五ケ庄) 2 京都大学大学院修士課程 都市環境工学専攻(〒 611-8501 京都市左京区吉田本町) 3 正会員 京大工博? 京都大学助手 防災研究所 (〒 611-0011 宇治市五ケ庄) 4  ( 株)サーフレジェンド システム管理マネージャー (〒 251-0047 藤沢市辻堂西海岸 3-1-1) 5 ( 株)サーフレジェンド 気象予報士  (〒 251-0047 藤沢市辻堂西海岸 3-1-1)  

This study examined the capability of the GFS-WRF-SWAN system by comparison of predictions with observations. Firstly typhoon courses were estimated from GFS and compared with observed courses together with forecasted ones by Japan Meteorological Agency. Secondly estimated wind fields around the Mutsu Bay, by WRF, were compared with the observations. It was found that GFS's and WRF's predictions showed fairly good agreement for both cases. Finally GFS-WRF-SWAN wave predictions were compared with observations. Concering with the time series, there can be seen good agreements; however, the predicted wave heights were smaller than observations. It was also found that options of INPUT BY WIND in SWAN and a setting of frequency range affect wave predictions.

Key Words: wave prediction, global forecast system (GFS), weather research forecast (WRF),

simulating waves neashre (SWAN)

1.はじめに  気象予報モデルや波浪予測モデルは,近年目覚しい発 展を遂げている.本研究は,最新のオープンソースソフ トを用い,またインターネットによる気象データを取得 してそれらを有効利用し,簡単で,早く,できるだけ正 確な波浪予測ができるシステムを確立するため,どの程 度の精度であるのか,どのように改良していけば良いか を検討するものである.本波浪予測システムは波浪を前 もって予測するだけでなく,高潮・高波災害が生じた後 の災害解析といった波浪追算システムとしても用いるこ とができる.  既に気象モデルである GFS と WRF,および波浪モデ ルである SWAN を連携させて波浪推算を行えるように し,冬季における波浪予測を行って観測値と予測値を比 較・検討した1)が,適用性とチューニングには更なる 比較・検討が必要である.そこで,本研究では冬季に加 え,春季および台風季について波浪の観測値と予測値の 比較・検討を行った.  まず,GFS と WRF 自体の予測精度に関連して,台風 の推定経路および風の推算結果と観測結果を比較した. 波浪予測に関しては,外洋に開いた地点では GFS と SWAN を用いた予測結果と観測結果を比較・検討した. 地形が複雑な地点においては,空間メッシュを細かくし, GFS-WRF-SWAN による予測結果と観測結果の関係を調 べた.最後に,SWAN のオプション選択や計算条件設 定による予測結果への影響を検討した. 2.GFS-WRF-SWAN 波浪予測システムの概要  GFS-WRF-SWAN 波 浪 予 測 シ ス テ ム は,Global Forecast System (GFS)2), Weather Research Forecast (WRF)3) ,Simulating WAaves Nearshore (SWAN) 4) からなる.

 GFS は,米国環境予測センター (NCEP) によって構築 された全球気象予報モデルである.このモデルは,全球 において観測された気象値を解析し,緯度方向に 768, 経度方向に 384 に区切った格子上において気象予報計

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算を行い,その予報値が 3 時間間隔,経度・緯度方向に 1 度間隔で,1 日 4 回(00, 06, 12, 18 UTC)384 時 間先まで web 上にアップロードされる.  WRF は,米国大気研究センター (NCAR) によって開 発された局地気象予測モデルである.WRF は,GFS の 1 度間隔のデータを取り込んで,メソスケールの気象予 測計算を行うことができる.  SWAN はデルフト工科大学で開発された第3世代の 沿岸波浪推算モデルである.  GFS や WRF が台風のような難しい現象,小規模・複 雑な地形の気象場をどの程度正確に再現できるかを知る ことは重要である.高波や高潮は気象要素がその駆動力 になって起こるので,気象モデルの高精度化は高潮・高 波予測にとって重要である.GFS, WRF, SWAN がうま く組み合わされてチューニングされれば,高潮・高波の 予報・追算精度が向上して,有用な防災情報が得られる. 3.GFS および WRF の検証 (1) 台風経路  2005 年の台風 11 号 , 14 号 , 17 号および 20 号に 対して,実際の移動経路,気象庁発表の予報経路,GFS による予測経路を比較した.図 -1 に比較例として台風 0511 号の結果を示す.実経路を○印,異なる時刻に発 表された気象庁の予報経路を◇印と□印,GFS による予 測経路を▽印と△印で示してある.気象庁の予報は,発 表時点において実際の台風位置であるため初期の段階で は一致が良い.一方,GFS の予測経路はそうした調整が されていないが,図 -1 に見られるように,24 日 3 時 を起点として示した台風経路は,起点の位置を含めて 大きく実経路と外れてはおらず,他の比較結果からも, おおよそ台風経路を予測できることがわかった. (2) 局所風  陸奥湾を対象として,5㎞メッシュの計算格子を用い た風の推算値とアメダスのデータを比較する.計算領 域は西端 140°E,東端 141.5°E,南端 40.7°N,北 端 41.8°N である.ここに示す結果は,青森 (140.77°E, 40.82°N) と陸奥 (141.21°E,41.28°N) である.対象 期間は春季 (2005 年 5 月 16 日~ 23 日 ),夏季 (2005 年 7 月 23 日~ 30 日 ),秋季 (2004 年 11 月 23 日 図 -1 台風 0511 号の実経路,気象庁発表予報経路     および GFS による予測経路の比較 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2004/11/23 11/24 11/25 11/26 11/27 11/28 11/29 11/30 Mutsu aaa 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 5/16 5/17 5/18 5/19 5/20 5/21 5/22 5/23 Aomori 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2004/11/23 11/24 11/25 11/26 11/27 11/28 11/29 11/30 Mutsu 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 7/23 7/24 7/25 7/26 7/27 7/28 7/29 7/30 Aomori 図 -3 GFS-WRF による風速の推算値と観測値の比較(夏季) 図 -2 GFS-WRF による風速の推算値と観測値の比較(春季) 40 38 36 34 32 30 28 26 144 142 140 138 136 134 132 Latitude (degree) Longtitude (degree) 8/23 15:00 8/26 6:00 24/09 26/09 24/12 25/12 26/09 27/09 24/09 25/09 26/09 24/03 24/12 25/12 26/09 Typhoon 0511 Real Course JMA_Case1 JMA_Case2 GFS_Case1 GFS_Case2

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~ 30 日 ),冬季 (2005 年 1 月 13 日~ 20 日 ) である. 実際の計算に当たっては,GFS の1度メッシュの気象 データをダウンロードし,それを用いて WRF で 5km メッシュの計算を行った.  図 -2 ~図 -5 は,風速の推算値●印と観測値○印を比 較したものである.青森は海が北に,陸奥は南に開いて おり,地形の相違があるにもかかわらず,推算値が観測 値より若干大きくなっているものの,両者は概ね一致し ている.観測値が小さいのは,陸上地形や周囲の建物, また,風速観測点高さの影響にもよる.ここには載せて いないが,風向については,全季節において,風速が大 きい場合,推算値と観測値が良く合っていた. 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2004/11/23 11/24 11/25 11/26 11/27 11/28 11/29 11/30 Mutsu 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2004/11/23 11/24 11/25 11/26 11/27 11/28 11/29 11/30 Aomori 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2005/1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19 1/20 Mutsu 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 9:00 Time [hour] Wind Speed (m/s) WRF JMA 2005/1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19 1/20 Aomori 図 -4 GFS-WRF による風速の推算値と観測値の比較(秋季) 図 -5 GFS-WRF による風速の推算値と観測値の比較(冬季) 6 5 4 3 2 1 0 H1/3 (m ) 60 50 40 30 20 10 0 Day Wajima Observation Forecasting (47hr) from Mar.1st to Apr.30th, 2005

図 -6 GFS-SWAN による波高の推算値と観測値の比較(春季) 4 3 2 1 0 H1/3 (m ) 60 50 40 30 20 10 0 Day Wajima Observation Forecasting (47hr) from Aug. 20th to Oct. 20th, 2005

図 -7 GFS-SWAN による波高の推算値と観測値の比較(台風季) 4.波浪観測結果と予測結果の比較 (1) GFS-SWAN モデルの検証  周りの地形の影響が少ないと思われる外洋に開いたナ ウファス4地点における観測値と GFS-SWAN による予 測値の比較を行った.対象とした地点は輪島 (136°54′ 08″E,37°25′51″N),金沢 (136°34′03″E,36° 36′50″N),鳥取 (134°09′41″E,35°33′16″N), 紋別 (143°36′25″E,44°19′04″N) の 4 地点であり, 6 5 4 3 2 1 0 H1/3 (m ) 60 50 40 30 20 10 0 Day Wajima Observation Forecasting (47hr)

from Nov.1st to Dec.31st, 2004

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1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 Correlation Coef. 60 50 40 30 20 10 0 Hour Wajima Kanazawa Tottori Monbetsu from Mar.1st to Apr.30th, 2005 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 Correlation Coef. 60 50 40 30 20 10 0 Hour Wajima Kanazawa Tottori Monbetsu from Aug.20th to Oct.20th, 2005 図 -9 推算値と観測値の相関係数(春季) 図 -10 推算値と観測値の相関係数(台風季) 対象期間は 2004 年 11 月 1 日~ 12 月 31 日の 61 日分, 2005 年 3 月 1 日~ 4 月 30 日の 61 日分,2005 年 8 月 20 日~ 10 月 20 日の 62 日分である.  波浪予測は,毎日9時に1度間隔の GFS データをダ ウンロードし,日本近海の広領域を対象とした 0.25 度 メッシュで計算を開始した.ダウンロードする GFS デー タは 1 度間隔の風データであるが,SWAN による計算 では 0.25 度メッシュの地形データを用い,それに対応 して風データは 0.25 度毎に内挿される.  図 -6 ~図 -8 は,3シーズンの輪島における計算開始 時刻の 47 時間後の予測値と同時刻の観測値を比較した ものである.予測値は観測値より概して小さくなってい るが,時系列特性はよく一致している.  図 -9 ~図 -11 は,3シーズンの予測値と観測値の相 関係数を,予測時間長さに対してプロットしたものであ る.これらの図を見てまずわかることは,図 -11 の冬 季における相関係数が4地点とも安定して高いことであ 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 Correlation Coef. 60 50 40 30 20 10 0 Hour Wajima Kanazawa Tottori Monbetsu from Nov.1st to Dec.31st, 2004 図 -11 推算値と観測値の相関係数(冬季) る.図 -9 の春季においては,紋別を除けば,60 時間先 の時刻においても相関係数が大きい.図 -10 の台風季に おいては,相関係数がその他2シーズンのものに比して 小さくなっており,金沢においては相関係数が悪くなっ ている.なぜ,特定の地点が異なるシーズンにおいて相 関係数が悪くなったりするかは現在のところ明らかでは ない.   (2) GFS-WRF-SWAN モデルの検証  地形が複雑な狭領域を対象とする場合には,風のデー タとしてGFSをそのまま使うことはできない.そのため, WRF を用いてメソスケールの風の場を推算しなければ ならない.波浪計算に当たっては,広領域の計算結果か ら特定の狭領域外縁の境界条件を与えるとともに,風の データは WRF で推算されたものを用いる.海底地形お よび風データともに,メッシュ間隔は約 5km とした.  ここでは清水 (138°32′05″E,35°01′16″N) と 下田 (138°57′11″E,34°38′48″N) を対象として GFS-WRF-SWAN モデルを適用し,予測値と観測値を比 較した.対象期間は 2005 年 3 月 1 日~ 4 月 30 日の 61 日分,2005 年 8 月 20 日~同年 10 月 20 日の 62 日分である。  図 -12 および図 -13 には,それぞれ下田と清水におけ る予測値と観測値の時系列および両者の対応を示した. 同時に,WRF を用いず,GFS-SWAN から得られた予測 結果も示してある.ここで,注意しなければならないの 4 3 2 1 0 H1/3 (m ) 60 50 40 30 20 10 0 Day Shimoda Observation GFS-SWAN GFS-WRF-SWAN from Mar.1st to Apr.30th, 2005 47 hour prediction 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 Pred. H1/3 (m ) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 Obs. H1/3 (m) 47hr later

Shimoda from Mar.1st to Apr.30th, 2005

GFS-SWAN GFS-WRF -SWAN

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6 5 4 3 2 1 0 H1/3 (m ) 60 50 40 30 20 10 0 Day Shimizu Observation GFS-SWAN GFS-WRF-SWAN from Aug. 20th to Oct. 20th, 2005 47 hour prediction 5 4 3 2 1 0 Pred. H1/3 (m ) 5 4 3 2 1 0 Obs. H1/3 (m) 47hr later Shimizu from Aug. 20th to Oct. 20th, 2005 GFS-SWAN GFS-WRF -SWAN 図 -13 波高の推算値と観測値の比較(清水) は,観測点の位置と GFS-SWAN,GFS-WRF-SWAN の 出力点の位置が必ずしも一致しておらず,計算メッシュ サイズによって位置は異なることである.  図 -12 (上段)において GFS-WRF-SWAN の結果(□ 印)は,観測値(○印)の時系列や値との一致の程度は 良いが,GFS-SWAN の予測値(●印)は観測値と比べて, 波高の大きい場合を除いて,一般に小さくなっている. これは,約 25km メッシュを用いる GFS-SWAN では地 形の影響をうまく考慮できないためである.少なくとも 5km メッシュを用いる GFS-WRF-SWAN が必要である.  図 -13 の清水においても同様な傾向がみられ,GFS-SWAN の予測値は観測値より小さく,GFS-WRF-の清水においても同様な傾向がみられ,GFS-SWAN では予測値の値は観測値に近づくが,ばらつきも大きく なっている.  これらの検討結果から,当然ではあるが,波浪予測に おいては計算メッシュはできるだけ細かい方がよいこと が確かめられた. 5.SWAN のパラメータ設定の予測結果への影響  以上の予測計算においては,SWAN のデフォルトの 設定を用いてきた.特に,風から波へのエネルギー移 流に関して Komen et al. のモデル5)を用いてきた.ま た,波浪計算を行うときの周波数設定を 0.01 ~ 1.0Hz としてきた.しかし,3シーズンの波浪予測を終了後, 5 4 3 2 1 0 Wave Height (m) 100 80 60 40 20 0

Hour (from Jan.12th, 2006)

Komen et al. (1984) (~1.0Hz) Komen et al. (1984) (~0.5Hz) Janssen (1991) (~1.0Hz) Janssen (1991) (~0.5Hz) Lalbeharry et al. (2004) (~1.0Hz) Lalbeharry et al. (2004) (~0.5Hz)

Wajima Observation 14 12 10 8 6 4 2 Wave Period (s) 100 80 60 40 20 0

Hour (from Jan.12th, 2006)

Komen et al. (1984) (~1.0Hz) Komen et al. (1984) (~0.5Hz) Janssen (1991) (~1.0Hz) Janssen (1991) (~0.5Hz) Lalbeharry et al. (2004) (~1.0Hz) Lalbeharry et al. (2004) (~0.5Hz)

Wajima

Observation

(6)

SWAN のオプションを変えることによって,予測結果 がかなり異なることがわかったので,ここで詳しく検討 した.  図 -14 は,GFS-SWAN を用い,計算対象周波数領域 を 0.01~1.0Hz(図中では (~1.0Hz) として示してある) と 0.01~0.5Hz(図中 (~1.0Hz)) ,風から波へのエネ ルギー移流モデルとして Komen et al. のモデル5),波 と風との相互干渉を考慮した Janssen のモデル6),およ

び Janssen モデルを改良した Lalbeharry et al. のモデ

ル7)を用いた結果を示したものである.  波高に関しては,以下のことがわかる.Lalbeharry et al. のモデルによる予測値が最も波高が大きくなり, 続いて Komen et al. のモデルによる予測値,最も小さ くなるのが Janssen のモデルの結果である.しかし, 計算対象周波数の影響はほとんどない.波高そのものの 値に関しては,最も大きくなる Lalbeharry et al. のモ デルであっても,若干予測値が小さい.Janssen のモデ ルの結果が Komen et al. の結果より小さくことは以前 にも確かめられている8).  周期に関しては,以下のことがわかる.SWAN では エネルギースペクトルの積分値を用いて周期を算定して いるため,積分の上限値をどこまで取るかによって周期 の値が変わるものと思われる.したがって,同じエネル ギー移流モデルを用いても,計算対象周波数の設定の相 違により,その値が変わる.最も周期の値が異なるのは, Lalbeharry et al. のモデルを用いたときである.最も周 期が変わらないは,Komen et al. のモデルを用いたと きである. 6.あとがき   本研究は,GFS-WRF-SWAN 波浪予測モデルの開発の 一環として,気象モデルである GFS と WRF の予測精度 に関連して台風の推定経路および風の推算結果と観測結 果を比較・検討するとともに,波浪予測に関して GFS-SWAN モデル,GFS-WRF-GFS-SWAN モデルの適用性を観 測結果との比較を通して検討した.その結果,以下のこ とがまとめられる. 1) GFS でおおよそ台風経路を予測できることがわかっ た. 2) 青森と陸奥のアメダスのデータと WRF による風の推 算結果を比較し,両者は概ね一致することを確かめた. 3) GFS-SWAN モデルの予測値は,時系列はうまく再現 できるが,値そのものは観測値より小さくなること,冬 季において予測値と観測値の相関係数が良いこと,シー ズンによってはある地点において予測精度が悪くなるこ とがわかった. 4) 地形が複雑な狭領域を対象とする場合には,風のデー タとして GFS をそのまま使うことはできず,WRF を用 いてメソスケールの風の場を推算し,地形データも細か いメッシュのそれを用いなければならないことを清水と 下田を例に挙げて示した. 5) 風から波へのエネルギー移流モデルとして Komen et al. のモデル,Janssen のモデルおよび Lalbeharry et al. のモデルを用いた結果,波高に関しては,Lalbeharry et al. (2004) モデルによる予測値が最も波高が大きくな ること,また,計算対象周波数領域の相違により,周期 の予測値もかなり異なることがわかった. 参考文献 1) 間瀬 肇,木村雄一郎,Tracey H. Tom,小川和幸: GFS-WRF-SWAN 援用波浪推算システムの構築と検証, 海岸工学論文集,第 52 巻,pp.181-185, 2005.

2) GFS (Global forecasting System): A medium range synoptic forecasting system developed and processed, NCEP (the National Centers for Environmental Prediction), http://www.emc.ncep.noaa.gov/ modelinfo.

3) SWAN (Simulating Waves Nearshore): A numerical wave model for obtaining realistic estimates of wave parameters in coastal areas, lakes and estuaries from given wind-, bottom-, and current conditions, Delft University of Technology, http://fluidmechanics. tudelft.nl/swan/default.htm.

4) WRF (Weather Research and Forecasting): A mesoscale numerical weather prediction model, NCAR (the National Center for Atmospheric Research), http://wrf-model.org/.

5) Komen, G.J., Hasselmann, K. and Hasselmann, S.: On the existense of a fully developed wind-sea spectrum, Jopur. Phys. Oceanography, Vol.14, pp.1271-1285, 1984.

6) Jansse, P.A.E.M.: Wave induced stress and the drag of air flow over sea waves, Jour. Phys. Oceangraphy, Vol.19, pp.745-754, 1989.

7) Lalbeharry, R., Behrens, A., Guenther, H. and Wilson, L.: An evaluation of wave model performances with linear and nonlinear dissipation source terms in Lake Erie, Proc. 8th Int. Workshop on Wave Hindcasting and Forecasting, Hawaii, USA, 2004.

8) 間瀬 肇,平尾博樹,国富将嗣,高山知司:SWAN を用 いた日本沿岸波浪推算システム構築と適用性の検証,海 岸工学論文集,第 48 巻,pp.236-240, 2001.

図 -6 GFS-SWAN による波高の推算値と観測値の比較(春季) 4 3 2 1 0H1/3 (m) 6050403020100 DayWajima  Observation  Forecasting (47hr) from Aug
図 -12 波高の推算値と観測値の比較(下田)
図 -14 異なる計算条件を用いた SWAN の予測結果と観測結果の比較(輪島)

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